JP6104213B2 - 側枝バルーン - Google Patents

Description

（本発明の背景）
（１．本発明の分野）
本発明は、医療方法および医療デバイスに関し、より具体的に、医療膨張バルーンカテーテルに関する。

バルーンカテーテルは、しばしば、管腔障害物、例えば、ステント支柱、閉塞、およびきついターンを横切る必要がある。１つの特定の障害物は、動脈分岐に存在する狭窄を処置する場合に遭遇される。分岐が、Ｙの形状であり、正円筒形のステントを用いて処理された簡単な外傷から異なる接近を必要とするので、分岐部位の処置は、挑戦的である。分岐において狭窄を処置する場合に、従来の円筒形のステントを使用し、そしてインプリメントした後に、分岐された解剖部を収容するために、バルーンカテーテルを用いてステントの構造を操作するのは、共通の経験である。

通常の経験は、典型的にステント支柱で部分的に側枝の開口を閉鎖する（「拘置する」）ことによって生じる分岐の開口をわたって主脈管に円筒形のステントを置くことである。支柱は、ステント支柱を通してガイドラインをわたって血管形成バルーンを前進させることによって開放され得、その結果、バルーンの遠位部分は、側枝内にある。上記の全部がうまく行った場合に、次にバルーンは、支柱を開放させ、かつ開口を通過するために、膨張され得る。オプション的に、側枝が不健全であり、または十分に広く拡張されていない場合に、第２のステントは、側枝内に送出され得、そしてステントをＹパターンに置こうとするために、その近位端を可能の限り主脈管に近く置かれ得る。

しかしながら、血管形成バルーンを用いて側枝内に横切ることは、難しくあり得る。ガイドワイヤ上にねじ込まれるカテーテル先端部および／またはバルーンは、しばしば、ステント支柱によって捕えられ得、カテーテルは、前進されない場合もある。この現象は、ガイドワイヤが常に付勢を有し、かつ最も近いステント支柱に寄りかかっているので増強される。バルーンカテーテルの遠位先端部は、ステント支柱のような障害物を通過するように設計されていない。先端部は、送出の間に、動脈壁を引っかくことなしに、スムーズな通過を提供するために、通常に柔らかく、非外傷性である。柔らかい先端部は、変形の傾向があり、支柱および他の障害物を押し通すことがより難しい。カテーテル先端部とガイドワイヤとの間のクリアランスは、通常に大きく、先端部を障害物に押し通す難しさを再び悪化させる。

従来のバルーンカテーテルシャフトは、特にバルーンの近傍にシャフトの遠位部分を割ってトルクを伝送するように設計されていない。しばしば、シャフトの最も遠位の２５〜３０ｃｍは、柔らかく、低プロフィル、かつ薄い壁のポリマー材料から作られ得、このポリマー材料は、トルクの伝送に対して非常に非効率的である。加えて、トルクの多数は、膨張可能なシェルまたは薄いポリマーシェル（典型的に、ナイロンまたはぺバックス）から作られるバルーンにおいて失われ、カテーテルの遠位末端部にわたって浮いている。カテーテルを回転しようとすることは、結果としてバルーンプリーツを解放することによって後続されたポリマーシャフトのねじり（「キャンディラッパー効果」（ｃａｎｄｙ ｗｒａｐｐｅｒ ｅｆｆｅｃｔ）に指される）、および先端部への有意義なトルクの伝送なしにカテーテルを損傷するプロフィルおよびリスクを増大することを生じる。それゆえに、カテーテル先端部が、ステント支柱または他の障害物に捕らえられる場合に、オペレータは、ただカテーテルを前後に動かし得、支柱を突っ込み得、そしてカテーテルがどうにかして支柱を克服し、支柱を横切ることができると望む。このプロセスは、成功および生じた可能な損傷の両方に関して予測できず、そして制御されない。横切り得ないことは、文献に記載され、分岐および他の閉塞において共通の問題である。

従来の折り畳まれたバルーンの外側表面はまた、ステント支柱を捕らえ得る。血管形成バルーンは、送出のための小さい直径を推測するために折り畳まれる。これらの折り畳みまたはプリーツは、細胞を通して前進された場合に、しばしばステント支柱を捕らえる。カテーテルが主脈管から側枝へ向かう場合に、バルーンの捕らえる傾向は、一層悪くなり、バルーンを曲げさせ、部分的にプリーツを解放する。いくつかの場合において、バルーン先端部はまた、曲がり得、そしてねじり得、さらにカテーテルの進行を防げる。

分岐を処置する場合に、側枝開口を広げるのは、共通の経験である。臨床研究は、後の手順（短時間）の開口大きさと、側枝脈管の長い時間の開通性との間に高い相関を示す。しかしながら、大きな開口の広がりが簡単に達成されない。人の分岐の解剖的構造の測定は、開口の大きさが側枝の直形より著しく大きいことを示す。２．５ｍｍ直径から３．０ｍｍ直径の間の側枝脈管に対して、通常には、開口は、約０．５ｍｍより大きい。通常の大きさのバルーンを用いる場合に、側枝開口と側枝との間の直径における差異は、結果として、側枝内過度の拡張が側枝に損傷させることかまたは開口での不十分の展開を引き起こし得る。しばしば、「キッシング（ｋｉｓｓｉｎｇ）バルーン」の技術は、２つのバルーンが主脈管において展開される場所に行われる。しかしながら、２つのバルーンは、主脈管において解剖的変形および過度の圧力を引き起こし得る。さらに、支柱および他のステント部品が有利に置かれない。短いバルーンがこれらの問題を軽減し得るが、短いバルーンは、抜ける傾向が有し得、そして脈管においてその長手方向の位置を失い得る。それゆえに、広がりバルーンは、典型的に、長さにおいて少なくとも８ｍｍであり、またはすべりを防止するための外部ブレードまたはケージを提供される。

前述の問題のうちのいくつかを的にするバルーンカテーテルが望ましい。特に、非対称の先端部設計、例えば、スカイブド、傾斜、または障害物に面する場合に回転によって再度向けられ得る類似な構成を加えることによって、オペレータに他の制御角度を加え、手順に新しい次元を加えることを通じて達成され、向上された横切る能力を有するバルーンカテーテルを提供することが望ましくあり得る。増強したトルク能力は、このようなバルーンカテーテルのキー要素である。

（２．背景技術の説明）
傾斜または面取りした遠位先端部を有するカテーテルは、特許文献１、特許文献２、特許文献３、特許文献４、特許文献５、特許文献６および米国特許出願第２００９／０２４２１２号において説明される。ねじれに対して補強した遠位末端部を有するバルーンおよび他のカテーテルは、特許文献７、特許文献８、特許文献９、特許文献１０および特許文献１１において説明される。「短い」バルーンを有し、中央線マーカーを有するバルーンを有するカテーテルは、特許文献１２、特許文献１３、特許文献１４、特許文献１５、および特許文献１６、並びに米国特許出願第２００４／１８６５６０号、第２００６／１００６９４号、第２００８／０４５８９６号、および第２００９／０４８６５５号において説明される。血管形成または他のバルーンの少なくとも一部分にわたるスリーブを有するカテーテルは、特許文献１７、特許文献１８、特許文献１９、特許文献２０、特許文献２１、および特許文献２２、並びに米国特許出願第２００５／２０３４６３号および第２００９／１１２１５９号において説明される。

米国特許第３，８８４，２４２号明細書 米国特許第５，９６７，９８８号明細書 米国特許第６，０１０，４４９号明細書 米国特許第６，２０６，８５２号明細書 米国特許第６，９６６，９０２号明細書 米国特許第７，３０６，５７５号明細書 米国特許第４，９９４，０３２号明細書 米国特許第５，８２７，２３１号明細書 米国特許第５，９９７，４８７号明細書 米国特許第６，９９４，６８７号明細書 米国特許第７，０２２，１０６号明細書 米国特許第５，２９５，９６２号明細書 米国特許第５，３２４，２６１号明細書 米国特許第５，６６９，９３２号明細書 米国特許第６，６９２，４８３号明細書 米国特許第６，８８４，２５８号明細書 米国特許第５，６２８，７５５号明細書 米国特許第６，０６８，６３４号明細書 米国特許第６，６７９，９００号明細書 米国特許第６，６９５，８６３号明細書 米国特許第６，６９９，２７３号明細書 米国特許第６，８３０，５７５号明細書

（本発明の簡単な要約）
本発明は、特に遠位バルーン部分を通す、向上された「押し能力」（コラム強さおよび非対称先端部設計）とトルク能力（ねじり剛性）と有するバルーンカテーテルを提供する。本発明のバルーンカテーテルは、トルク伝送性質と連結された非対称の先端部設計の利益を用いて、向上された臨床制御、向上された開口拡張、および減少された脈管構造への外傷と共に、障害および障害物、例えば、ステント支柱およびきついターンを横切る向上された能力を有する。このようなバルーンカテーテルは、血管形成、薬送出、ステント展開等を含むさまざまな心臓手順に対して有用であり、脈管分岐に使用した場合に特に利点がある。

１つの実施形態において、バルーンカテーテル先端部は、障害物に対して非対称の先端部を回転し、そして再調整することによって障害、例えば、ステント支柱を克服する、向上された横切る能力を可能にするために、非対称の方式（例えば、傾斜、非対称のテーパ、先端部の周囲にわたる異なる剛性）で形成される。「傾斜」は、カテーテルの遠位先端部が、そのリーディング末端部において少なくとも１つの平面または非平面の表面を有することを意味し、少なくとも表面の一部分は、カテーテル本体の軸に対して非垂直の角度、典型的に３０°から７０°までである。通常には、リーディング末端部は、遠位先端部に横切る平面の「切断」によって形成される、他の場合において、切子面を形成する２つ以上の平面切断があり得、平面切断の各々は、カテーテル本体の軸に対して角度がある。他の場合において、傾斜の末端部は、１つ以上の非平面の表面または切子面を有し得、それらのうちの少なくともいくつかは、カテーテル本体軸に対して傾けられる。

１つの実施形態において、バルーンカテーテルシャフトは、オペレータによって適用されたトルクを伝送するように設計され、その結果、遠位先端部が回転され得る。傾斜の先端部と向上されたねじり剛性（トルク伝送）との組み合わせは、どちらの特徴単独により横切る性質を向上させる。

１つの実施形態において、バルーンカテーテルは、カテーテル本体のバルーン領域を通るトルク送出を可能にする「トルクブリッジ」を含む。トルクブリッジは、少なくともバルーンの一部分にわたって配置され、またはそれに取り付けられ、そしてバルーンテーパおよびバルーン動作長さの全部または一部分を覆う円筒形のポリマースリーブの形であり得る。このようなスリーブは、バルーンに、近位末端部から遠位末端部に向かって徐々に膨張させ得、これは、ステント細胞を開放するのに有利であり得る。このようなトルクブリッジはまた、回転の間に構造の安定性を向上させるために、他の形、例えば、近位バルーン部分のための金属補強またはバルーン近位レッグへの内側部材の溶接をとり得る。

本発明のトルクブリッジは、バルーン膨張およびステント展開の間に、それらのカテーテルまたは部分の「巻かれていないこと」から生じる制御されていない回転を最小限にすることによって回転正確度およびステント展開精度を増加する。本発明のトルクブリッジは、システムがトルクを吸収しないので、ステントの回転能力を増強する。従来技術におけるトルク吸収は、主脈管ワイヤ管腔および他の上の２つのガイドワイヤ側枝ワイヤ管腔ラップを有するカテーテルに対して、ときどき、カテーテル部品、例えば、バルーンフォルダ、遠位シャフトの巻上げによって引き起こされる。本発明の実施形態において、トルクブリッジは、トルク貯蔵を最小限にし、分岐送出システムの制限に周知であるワイヤラップを最小限にすることによって、分岐ステントおよびステント送出システムの回転および／または自己回転を増強するために使用される。

トルクブリッジは、バルーンフォルダを覆い、バルーンのこのエリアにおいてコラム強さを増強する弾性圧力を適用することによって、トルク伝送および横切る能力を向上させる。他に円周方向に力を抵抗するための限定された能力を有し得るバルーン構造の完全性は、著しく増大し、トルクは、バルーン部分を通って送出され得る。スリーブなしに、バルーン（または膨張可能なシェル）は、１つの末端部において遠位シャフトに取り付けられ、遠位先端部において内部部材に取り付けられるカテーテル上に垂直に浮いている。それゆえに、トルクは、カテーテルのこの部分を通って効率的に送出することができない。スリーブは、フォルダを圧迫するように設計されるが、バルーンが、バルーンの展開の間に膨張し、収縮し、オプション的に展開の間にステントまたは他の部品またはデバイスを載せることを可能にする。スリーブはまた、軸方向の力伝送を向上するために、カテーテルシャフトを補強し、障害を克服することを支援するために、押す力を全方向にバルーンへ伝送されることを可能にする。このような向上されたコラム強さおよび押し能力は、回転の整列を必要とする分岐ステントを含む全タイプのステントの送出に対して有益である。他の実施形態において、トルクブリッジは、側枝に対して整列される必要がある側枝装置または穴またはクラウンを用いる分岐ステントのステント送出システムのために使用される。

１つの実施形態において、バルーンカテーテルは、バルーン遠位末端部に取り付けられた薄い壁の円筒形のポリマースリーブを含み、バルーンの遠位テーパと少なくともバルーン動作長さの一部分とを覆い、従ってバルーンフォルダを覆い、異なる障害を通る平坦な通過を生成し、横切る能力およびハンドリングをさらに向上させる。スリーブは、弾性のポリマー、例えば、ぺバックスまたはポリウレタンまたはナイロン等で作られ得、横切ることを向上させるために、潤滑なコーティングを用いてコートされ得る。さらに、このポリマースリーブは、従来の半径方向の拡張に加えて軸方向の拡張運動を生成することによってバルーンの膨張を制御する。これは、側枝開口を処置することに対して特に有益である。

１つの実施形態において、バルーンカテーテルは、バルーン近位末端部に取り付けられた薄い壁のポリマースリーブを含み、バルーンの近位テーパと少なくともバルーン動作長さの一部分とを覆う。この「トルクブリッジ」は、近位バルーンプリーツを弾性的に制約し、「キャンディラップ」効果を除去することによって、バルーンへの全方向の向上されたトルク送出を可能にし、従ってオペレータの制御を増強する。傾斜の先端部の回転を可能にする「トルクブリッジ」のこの新しい設計は、増強した横切る能力および障害を克服することを提供する。

本発明の一実施形態において、バルーンカテーテルは、典型的に、３〜６ｍｍの動作長さを有し、ときどき、１０ｍｍ、１５ｍｍ、またはより長い全長を有する小さい（「フットボール形状」）バルーンを含む。具体的な例において、バルーンは、中央の動作長さのどちら側上に２．５ｍｍ〜４ｍｍの長さを有する遠位および近位テーパを有する。バルーンは、トルク可能なカテーテルシャフトの軸方向の補強のために、割れることなしに、分岐開口を広げるように使用され得る。中央または中央線の放射状のマーカーは、通常に、バルーン上に、またはバルーン膨張前に開口および／またはステント壁とのバルーンの整列を可能にするために、バルーンの下にあるシャフト上に提供される。

もう１つの実施形態において、傾斜の先端部とトルクブリッジとの組み合わせは、オペレータがカテーテルをトルクし、外傷を通って非対称の先端部をナビゲートすることを可能にすることによって散在し、かつ石灰化した外傷を通って横切ることを向上させるための周辺の応用のための長いバルーンに対して使用される。

従って、本発明の第１の局面において、向上された横切る特性を有するバルーンカテーテルは、遠位末端部と、近位末端部と、遠位末端部の近傍に膨張可能なバルーンとを有するカテーテル本体を含む。カテーテル本体の遠位先端部は、カテーテル本体の軸に対して非対称的に傾斜であり、カテーテル本体の少なくとも遠位部分は、カテーテル本体が脈管構造内に存在する場合に、カテーテル本体の近位末端部をトルクすることによって傾斜の先端部を回転するための能力を向上させるために、ねじれに対して補強される。傾斜の先端部は、カテーテルに軸にして、２５°から７５°までの範囲の角度、通常に３０°から６０°までの範囲の角度での単一の平面の傾斜であり得る。オプション的に、カテーテル先端部は、カテーテル本体の最大直径の範囲と、傾斜される遠位先端部と間に、１回以上にテーパ状にされ得る。遠位先端部は、２つ、３つ、４つ以上の表面と一緒に傾斜され得、その結果、先端部は、ダイヤモンドまたはトロカールの先端部に似ている。トルク補強なしの傾斜の先端部は、外傷を横切ることを機能せず、その構造上の完全性が普通の先端部より低い（より少なく材料および先端部の遠位末端部）ので、普通の先端部に対してさえ劣り得、そして変形し得る。この先端部をトルク補強と連結することは、トルクを送出するための膨張可能シェルの無力のために、バルーンカテーテルに使用されたことがない障害を横切る新しい方法を可能にする。

カテーテルのねじり補強は、さまざまな構造を含み得る。第１の代表的な構造において、カテーテルの遠位領域は、典型的に、少なくともバルーンにわたって、またはバルーン内に補強スリーブを含み得る。例えば、弾性補強スリーブは、バルーンの遠位領域、バルーンの近位領域、またはいくつかの場合において、バルーン全体を覆い得る。弾性スリーブは、追加のコラム強さを提供し、従ってカテーテルの遠位領域のねじり剛性を増大するだけではなく、カテーテルが前進されるときに、血管およびステントまたは他の障害物に対して現れたカテーテルの外側表面も平坦にする。代替的に、またはさらに、バルーン内のステント本体は、従来の構造、例えば、編組、コイル、軸方向の補強要素等によって補強され得る。弾性のスリーブへの代替物として、スリーブは、非弾性または拡延不可能であり得、ただし割れやすくあり得、その結果、バルーンが膨張されるときに、スリーブが割れ、破裂し、または折れる。いくつの場合において、バルーンは、特に、典型的に３ｍｍから６ｍｍまでの短い長さを有し、その結果、それは、ステント細胞を開放するためにステント壁内に（典型的に単一のステント細胞内に）膨張され、その一方、バルーンの短い部分のみは、側枝内に延び、類似的に、バルーンの短い部分は、主脈管のステントの管腔内に残る。このような短いステントは、分岐において開口を広げる能力を大きく向上させる。好ましくは、短いバルーンは、その中央部分において、またはその近傍において放射状のマーカーを有し、その結果、バルーンは、膨張の前に、ステント壁および／または側脈管開口と整列され得る。

本発明のもう１つの実施形態において、前述のカテーテルは、患者脈管構造内に存在する障害物を通過してカテーテル先端部を前進させるために使用され得る。カテーテルの遠位末端部は、それが脈管構造を通って前進されるときに、蛍光透視的に観察され得る。ステントが障害物、例えば、ステント支柱に遭遇する場合に、主枝脈管から側枝脈管に進入しようとするときに、ユーザーは、近位末端部からステントをトルクし、傾斜の遠位末端部に障害物に対してその向きを回転させ、変えさせる。ステントを回転させ続け、かつステントを優しく前進させることによって、ステントが障害物を無外傷に通過すること可能にする向きは、通常に見つかられ、そしてカテーテルが前に向かって前進させ得る。いくつかの場合において、カテーテル上のバルーンがステントの細胞内に配置された後に、バルーンは、ステント細胞を拡張するように拡張され得る。

なお、本発明のもう１つの局面において、向上されたステント横切る特性を有するバルーンカテーテルは、遠位末端部と、近位末端部と、遠位末端部の近傍に膨張可能なバルーンとを有するカテーテル本体を含む。バルーンは、典型的に３ｍｍから６ｍｍまでの範囲の短い長さと、その中央において放射状のマーカーとを有する。バルーンは、好ましくは、拡延不可能であり、完全に膨張された場合に、１ｍｍから５ｍｍまでの範囲の直径を有する。このバルーンは、患者の脈管構造の主枝脈管において展開されたステントにおいて細胞を開放するための方法において使用され得る。方法は、側枝脈管に隣接する細胞内に短いバルーンを前進させることを含み、その結果、放射状のマーカーは、細胞または開口と整列され、バルーンの遠位半分は、枝の脈管内に前進され、バルーンの近位半分は、ステントの中央管腔内に残る。バルーンを正しく位置決めした後に、バルーンは、ステント細胞を開放するために膨張される。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
（項目１）
向上された横切る特性を有するバルーンカテーテルであって、該カテーテルは、
遠位末端部と、近位末端部と、該遠位末端部の近傍に膨張可能なバルーンとを有するカテーテル本体を含み、
該カテーテル本体の遠位先端部は、該カテーテル本体の軸に対して非対称的に傾斜であり、該カテーテル本体は、該カテーテル本体が脈管構造内にある場合に該傾斜の先端部の回転を向上させるために、少なくとも該カテーテル本体の遠位部分にわたってねじれに対して補強される、バルーンカテーテル。
（項目２）
上記バルーンの少なくとも一部分は、拡張可能なスリーブを用いて覆われる、項目１に記載のバルーンカテーテル。
（項目３）
上記カテーテルが上記脈管構造を通って前進されるときに、上記拡張可能なスリーブは、上記カテーテル本体の遠位領域のコラム強さを増強し、平坦な前に面する表面を現すために、少なくとも上記バルーンの遠位領域を覆う、項目２に記載のバルーンカテーテル。（項目４）
上記カテーテルが上記脈管構造を通って引き抜かれるときに、上記拡張可能なスリーブは、上記カテーテル本体の遠位領域のコラム強さを増強し、平坦な近位に面する表面を現すために、少なくとも上記バルーンの近位部分を覆う、項目２に記載のバルーンカテーテル。
（項目５）
上記スリーブは、上記バルーンが膨張され、収縮されるときに、該バルーンにわたって拡張し、縮めるために、弾性である、項目２に記載のバルーンカテーテル。
（項目６）
上記スリーブは、上記バルーンが膨張されるときに割れる、項目２に記載のバルーンカテーテル。
（項目７）
上記バルーンは、膨張された場合に、３ｍｍから６ｍｍまでの範囲の長さと、該バルーンの中央における放射状のマーカーとを有する、項目１に記載のバルーンカテーテル。
（項目８）
上記バルーンは、拡延不可能であり、完全に膨張された場合に、１ｍｍから５ｍｍまでの範囲の直径を有する、項目７に記載のバルーンカテーテル。

図１Ａ〜１Ｄは、ステント支柱に接近するカテーテル先端部を示す。図１Ａは、従来技術のカテーテルを示す。図１Ｂ〜１Ｃは、傾斜またはスカイブドカテーテル先端部を含み、ステント支柱に接近する、本発明に従うカテーテルを示す。 図２は、バルーンの遠位部分にわたって取り付けられるポリマースリーブを有する本発明のカテーテルを示す。 図３Ａ〜３Ｂは、図２のバルーンカテーテルの軸方向進行の拡張を示す。 図４Ａ〜４Ｂは、本発明に従ってバルーンの近位部分にわたって取り付けられるポリマースリーブを有する本発明のカテーテルを示す。 図５Ａおよび５Ｂは、本発明に従って脈管分岐においてステント細胞を用いる短いバルーンの拡張を示す。

（本発明の詳細な説明）
本発明は、カテーテルを提供し、それらが患者の脈管構造、特に冠状脈管構造を通して前進されるときに、障害物を横切るための向上された能力を用いるそれらの使用のための方法を提供する。本発明のカテーテルおよび方法によって克服され得る障害物は、きついターン、末梢閉塞、およびより具体的に分岐において存在するステント支柱を含む。先に議論されるように、脈管分岐において置かれる主脈管ステントの一部分を形成する１つ以上の支柱は、しばしば、サイドまたは枝の脈管内に導く開口にわたって位置決めされる。本発明のカテーテルおよび方法は、少なくとも多くの場合においてこのような拘置するステント支柱を通過して前進することができる。

本発明のカテーテルおよび方法は、カテーテルが障害物を通過することを容易にするさまざまな設計要素を含み得、かつ利用し得る。第１の設計要素は、カテーテルのリーディングエッジにおいて傾斜の遠位先端部を含む。傾斜は、概してカテーテルの中心長手方向軸に対して３０°から６０°までの範囲、通常には、軸に対して４０°から５０°までの範囲の角度で配置される少なくとも１つの平面の表面または面を含む。オプション的に、遠位先端部は、このような傾けられた表面、または傾斜の表面のうちの２つ以上を含み得る。カテーテルの第２の設計要素は、少なくともカテーテルの遠位部分、典型的に少なくともカテーテルのバルーンの遠位または近位部分にわたるねじり補強を含む。カテーテルの第３の設計要素は、典型的に３ｍｍから６ｍｍまでの範囲の短いバルーンの使用であり、短いバルーンは、細胞または他の装置および分岐の開口と整列されるそのステントを拡張するのに対して特に有用である。このような短いバルーンは、開口において、または開口に隣接するステントの支柱内に短いカテーテルを位置決めすることを容易にするために、好ましくは、中央または中央線マーカー、典型的にカテーテルシャフト上に放射状のマーカーを有する。

図１Ａを参照すると、従来技術のバルーンカテーテル１０は、典型的に、カテーテルの長手方向軸１５に対して９０°で向けられる平滑のリーディングエッジ１４を有する遠位末端部または先端部１２を有し得る。前進を容易にするために、このようなカテーテルは、しばしば、遠位に収束するテーパ１６、典型的に、円錐状の部分を有し得、しかしながら、前述のカテーテル製造の制限のために、カテーテルがガイドワイヤＧＷにわたって前進される場合に、平滑のリーディングエッジ１４はなお、ショルダーのような正方形を現れ得る。ショルダーは、ステント支柱ＳＳまたは他の管腔障害物を捕らえ、または係合する相当なリスクを生成し得、従って、脈管構造または他の体の管腔を通って、特にステントによって覆われた側枝開口を通ってカテーテルを前進させる能力を損なう。

ここで、図１Ｂおよび図１Ｃを参照すると、本発明の原理に従って組み立てられたカテーテル２０は、傾斜のリーディングエッジ２４を有する遠位先端部２２を有する。傾斜のリーディングエッジは、典型的に、カテーテルの主本体２８および（概略的に示される）バルーン４２に対して遠位に位置決めされたテーパ状または円錐状の部分２６の遠位末端部において形成される。

カテーテル２０の傾斜のリーディングエッジ２４は、カテーテルが側枝開口において配置されるステントの壁を通って前進される場合に、なおステント支柱ＳＳを係合し、または捕らえ、特に最も遠位の先端部３０が回転的に整列される場合に、図１Ｂに示されるようにステント支柱を係合する。しかしながら、従来技術のカテーテル１０と対照的に、本発明のカテーテル２０は、ユーザーが、ガイドワイヤＧＷの周囲にカテーテル本体を回転することを可能にし、その結果、図１Ｃに示されるように、リーディングエッジ２４のもう１つの部分、例えば、リーディングエッジのトレーリング表面３２は、ステント支柱ＳＳを係合する。前進の方向から離れて引きずるトレーリングエッジは、ステントがステント支柱ＳＳを通過し、枝の脈管内に簡単に移動することを可能にする。

図１Ｂおよび１Ｃに例示されるように、傾斜のリーディングエッジ２４は、概して（ガイドワイヤを通過するためのアパーチャまたは開口部以外）平面の構造を有する単一の表面からなるが、図１Ｄに例示されるように、複数の傾斜または傾けられた表面３４、３６、および３８を有するカテーテル２０を提供することも可能である。次に複数の切子面を有するトロカール切断要素に類似する遠位先端部は、ステント支柱ＳＳと係合し、そして干渉することがないが、ステント支柱を通過してカテーテルを動かすことにおいてカテーテルショルダーを回転するのに直面される困難がなおあり得る。

バルーン先端部は、さまざまな角度、好ましくは、６５度より低く、最適に４５〜３０度で傾斜され得る。傾斜角度は、傾斜の表面とカテーテルの長手方向軸との間に測定される。傾斜角度は、先端部の付勢を防止するために、片側または両側（図１Ｄ）上に行われ得る。角度が急激すぎる（例えば、３０度より低い）場合に、傾斜のないエリアは、長すぎ、障害物と干渉する場合に抜け出し得、それによって先端部変形、除去および患者安全のリスクを生成する。角度が十分に急激ではない（例えば、７５度より少ない）場合に、前方先端部の横切る部分が従来の先端部設計に類似して障害物と干渉するので、傾斜の利点は、無意味である。

カテーテル２０は、好ましくは、少なくともカテーテル本体の遠位領域にわたるねじり補強を有する。図２に示されるように、ねじり補強の代表的な形は、少なくとも拡張可能なバルーン４２にわたって形成されたスリーブ４０を含む。典型的に弾性であり、平坦な外部表面を有し、オプション的に表面にわたって配置される潤滑なフィルムまたはコーティングを有するスリーブ４０は、カテーテルが前進されるときに、バルーンのフォルダがステント支柱または他の障害物と干渉し得、またはそれらによって捕らえられ得るリスクを著しく減少させる。

バルーン４２の膨張は、図３Ａおよび３Ｂに例示され、バルーンは、まずスリーブ４０によって覆われていない近位部分において拡張する。近位部分が完全に膨張したときに、膨張の「前方」は、スリーブに到達し、次に、スリーブは、図３Ｂに示されるように、その近位末端部から遠位末端部に向かって膨張する。収縮する際に、弾性のスリーブ４０は、バルーンを閉じ、かつ収縮することを助ける。従って、スリーブ４０は、バルーンカテーテルを導入することを助けるだけではなく、バルーンカテーテルを取り外すことも容易にし得る。

スリーブ４０は、弾性である必要がなく、他の実施形態において、スリーブは、非弾性または拡延不可能であり得る。このような場合において、非弾性スリーブは、典型的に、バルーン膨張の際にスリーブが割れ、破裂し、または折れることを可能にする割れやすい線または部分を有する。引き抜きを容易にするために、割れた部分は、バルーン表面に粘着され得、その結果、それらは、バルーンの収縮と共に閉じる。他の場合において、弾性または非弾性スリーブを用いてバルーン全体を覆うことが望ましくあり得、すべての場合において、スリーブは、カテーテルのバルーン部分の遠位部分のコラム強さおよびねじり剛性を加える。このような増加された強さおよび剛性は、曲げることおよびねじりビルドアップへの抵抗を増やすように組み合わせられる。一緒に、曲げることおよびねじりビルドアップへの増加された抵抗は、ステント支柱または他の材料の障害物を克服するために、カテーテルの近位末端部から遠位末端部へ軸の力を送出する効率を増加する。

ステントを開放し、または他に側枝の開口を処置する場合に、近位末端部から遠位末端部に向かってバルーンを徐々に膨張させるための能力は、特に利点を有し得る。分岐された損傷を処置する場合に、側枝においてバルーンの遠位末端部を位置決めし、主脈管においてバルーンの近位末端部を位置決めすることによるステントの展開の後に、開口を広げるのは共通である。バルーンは、開口を広げ、そして開口を覆い、開口を「足場」とするために、側枝に向かって外側へステント支柱を位置決めするように膨張される。しかしながら、実際には、この手順は、しばしば、側枝より主脈管内にバルーンが戻るように遠位に位置決めされる支柱を押す。図３Ａおよび３Ｂに例示されるように、近位から遠位へバルーンを徐々に膨張させることによって、バルーンの遠位へ前進する膨張は、すべての支柱を遠位へ側枝内に押し、従って、手順が終了した場合に、支柱が主脈管内に突き出るリスクを減少させる。

図４Ａおよび４Ｂに例示されるように、本発明はまた、バルーンの近位部分にわたって制約スリーブを置くことを提供する。特に、前述のような弾性または非弾性であり得るスリーブ５０は、特にカテーテルがステントを通って引き抜かれるときに、折り畳まれたバルーンのプリーツを覆い、バルーンがステントの支柱を捕らえることを抑制するために、カテーテル４８のバルーン５２の近位テーパを覆う。スリーブ５０は、好ましくは、バルーンを閉じるように回復し得る弾性材料から形成され、バルーンが収縮される。従って、手順が終了した場合に、バルーンの近位領域が制約され、カテーテルが引き抜かれるときに、平坦な表面が現す。近位バルーン５０はまた、ねじり剛性とコラム強さとの両方を増強し、この特徴は、バルーンがステントを送出するように適合する場合に特に有用である。好ましい実施形態において、図４Ａおよび４Ｂのカテーテル４８は、ねじり剛性およびコラム強さをさらに増強するために、傾斜の遠位先端部５４、オプション的に編組近位シャフト部分５６と組み合わせられる。代表的な実施形態において、編組シャフト部分５６は、皮下チューブ、従来のポリマーバルーンカテーテルシャフト等であり得る近位シャフト５８に取り付けられ得る。

ここで図５Ａおよび５Ｂを参照すると、バルーンカテーテル７０は、１２ｍｍより短く、通常に８ｍｍより短く、典型的に３ｍｍから６ｍｍまでの範囲の長さを有する短いバルーン７２を載せる。バルーンカテーテル７０は、通常に、バルーンの約中央または中央線（膨張されたバルーンの軸の寸法の中央）において放射状のマーカー７４を載せる。典型的には、マーカー７４は、バルーン内のシャフト上に載せられ、バルーンの中央、すなわち、マーカーが、膨張の前に開口またはステント壁において位置決めされることが可能にするために、可視または蛍光透視である。従って位置決めされた場合に、バルーンの遠位半分は、主に側枝脈管管腔ＳＢＬ内に位置決めされ、その一方で、バルーンの近位半分は、主に主脈管管腔ＭＢＬに残る。開口が通常に、側枝脈管直径より大きく、典型的に約０．５ｍｍで大きいので、長いバルーンは、概して側枝に進入し、ユーザーが開口に位置決めされた狭窄の材料を広げようとする場合に過度広がりのリスクを増加させる（このことは、典型的に頻発である）。本発明の短いバルーンの使用は、側枝脈管の過度広がりのリスクを最小限にする。

短いバルーンは、過去にさまざまな目的のために提案されたが、分岐の開口を広げることにおけるそれらの使用は、開口から分離し、より大きな主脈管管腔内に戻るそれらの傾向によって防げられる。本発明の短いバルーンを膨張させることによって、中央切断は、開口にあり、好ましくはステント構造内に位置決めされ、バルーンは、安定化され、かつステントによって適所に保持される。

短いバルーンのさらなる利点は、短いバルーンが主枝脈管管腔ＭＢＬかまたは側枝脈管管腔ＳＢＬ内に遠く延びないことである。主枝内に戻るように近位に延びるより長いバルーンは、それらが膨張される場合に硬直する傾向がある。長いバルーンの近位末端部が、主枝脈管内に固定され得るので、このような硬直することは、次にバルーンの遠位末端部を下に向かってそらし、従って開口の片側の支柱を優先に開放し、潜在的にでこぼこの広がりを引き起こす。

上記は、本発明の好ましい実施形態の完全な説明であるが、さまざまな代替物、変更物、および同等物が使用され得る。それゆえに、上記説明は、添付した請求範囲によって規定される本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。

Claims (6)

1. 向上された横切る特性を有するバルーンカテーテルであって、該カテーテルは、
   遠位末端部と、近位末端部と、該遠位末端部の近傍の膨張可能なバルーンとを有するカテーテル本体と、
   該バルーンの遠位部分のみを覆う拡張可能なスリーブと
   を含み、
   該拡張可能なスリーブは、該バルーンが膨張されるときに該バルーンにわたって半径方向に拡張し、該バルーンが収縮されるときに縮まるように構成されており、
   該カテーテル本体の遠位先端部は、該カテーテル本体の軸に対して非対称的に傾斜しており、
   該カテーテル本体は、該カテーテル本体が脈管構造内にある場合に該傾斜している先端部の回転を向上させるために、少なくとも該カテーテル本体の遠位部分にわたって編組されている、バルーンカテーテル。
2. 前記拡張可能なスリーブは、前記カテーテルが前記脈管構造を通って前進させられるときに、前記カテーテル本体の遠位領域のコラム強さを増強し、平坦な前に面する表面を現す、請求項１に記載のバルーンカテーテル。
3. 前記拡張可能なスリーブは、前記バルーンが膨張され、収縮されるときに、該バルーンにわたって拡張し、縮まるために、弾性である、請求項１に記載のバルーンカテーテル。
4. 前記拡張可能なスリーブは、前記バルーンが膨張されるときに割れる、請求項１に記載のバルーンカテーテル。
5. 前記バルーンは、膨張された場合における３ｍｍから６ｍｍまでの範囲の長さと、該バルーンの中央における放射状のマーカーとを有する、請求項１に記載のバルーンカテーテル。
6. 前記バルーンは、拡延不可能であり、完全に膨張された場合に、１ｍｍから５ｍｍまでの範囲の直径を有する、請求項５に記載のバルーンカテーテル。