JP6104122B2 - 汚染土壌浄化工法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば揮発性有機化合物(VOC)の様な有害化学物質で汚染された土壌を微生物により浄化する技術に関する。
テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等の有機塩素化合物は、その有害性、難分解性、蓄積性に起因して環境に与える悪影響が大きく、有害化学物質として一般的に認識されている。そして近年、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等の化学物質による土壌汚染や地下水汚染が問題となっている。
また、有害化学物質による土壌汚染や地下水汚染についても、早急に浄化することが求められている。
テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等の有害化学物質により汚染された土壌を浄化する技術として、微生物を利用して浄化する「バイオレメディエーション」が存在する。微生物を利用して浄化する技術は、物理的・化学的処理による土壌浄化技術と比較して低コストであり、原位置浄化が容易であるという長所を有している。
「バイオレメディエーション」には、汚染物質を分解する能力の高い微生物を(汚染土壌の外部から)添加して浄化する「バイオオーグメンテーション」と、原位置土に栄養源等を供給して原位置土に存在する微生物を活性化して汚染物質を当該微生物の生分解反応により浄化する「バイオスティミュレーション」に大別される。
そして「バイオスティミュレーション」は、汚染浄化の対象となる汚染土壌(原位置土)に存在する微生物(土着の微生物)を利用しており、栄養素とその他材料を浄化対象となる汚染土壌に添加すれば良いので、労力、コストが嵩むことがないというメリットがある。そのため「バイオスティミュレーション」は、有効な汚染土壌の原位置浄化技術として注目されている。
有機塩素化合物の中でも塩素数が多いテトラクロロエチレン(PCE)やトリクロロエチレン(TCE)などは、嫌気性微生物による生分解反応(還元的脱塩素化反応)により逐次分解される。そして、嫌気性微生物を利用する土壌浄化技術が、従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。係る従来技術(特許文献1)では、浄化剤をエマルジョンとして土壌中に注入している。そして注入されたエマルジョンは、エマルジョン自体の流動性によって、土壌・地下水中で拡散する。
しかし当該従来技術(特許文献1)では、化学物質で汚染された透水性の低い土壌には当該エマルジョンは拡散せず、浄化対象となる汚染土壌を全域に亘って浄化することが困難である。
上述した従来技術(特許文献1)により化学物質で汚染された土壌を全域に亘って浄化するためには、全ての領域に亘ってエマルジョンを確実に浸透させるのが好ましいが、当該従来技術(特許文献1)では係る技術は開示されていない。そのため、従来技術(特許文献1)では、浄化対象となる汚染土壌中に、エマルジョンが拡散せず、微生物が不活性な領域が残存してしまうという問題が存在する。
特許第4079976号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、有害化学物質に汚染された土壌の全域に亘って微生物を活性化して、微生物の生分解反応により汚染物質を分解することが出来る汚染土壌浄化工法の提供を目的としている。
本発明の汚染土壌浄化工法は、(垂直方向あるいは垂直方向に対して傾斜する方向に延在して)難透水層地盤における汚染された土壌(Gp)に到達するボーリング孔(3)を形成する(掘削用高圧水を噴射して切削する場合のみならず、打ち込み或いは押込みにより孔を形成する場合を含む)ボーリング孔形成工程と、
先端に噴射装置(2)を設けたロッド(1)を前記ボーリング孔(3)に挿入する噴射装置挿入工程と、
噴射装置(2)から微生物活性剤(7)を噴射して、(ボーリング孔(3)の長手方向及び/又は水平方向について)断続的に、土壌(Gp)が(高圧水微生物活性剤7等により)切削されて且つ土壌(Gp)と微生物活性剤(7)が混合している平板状の領域(6)を形成する土壌切削工程とを有し、
微生物活性剤の組成がグリセリン1〜12質量%、大豆油30〜65質量%、界面活性剤1〜15質量%、水8〜68質量%であり、
当該微生物活性剤は、50MPaまたはそれ以下の圧力で噴射しても、粒径の中央値が0.33μmの範囲内に留まっており、
前記平板状の領域(6)の垂直方向間隔は、地盤の強度を保つことができ、隣り合う平板状の領域の中間の領域に、地中に存在する微生物を活性化させるに見合うだけの十分な量の水素が、微生物活性剤(7)により当該微生物が活性化してその生分解反応により発生し、分子拡散により到達・浸透するのに必要な範囲として、0.20.4mの範囲であることを特徴としている。
ここで、「中央値」は統計における代表値の一種類で、有限個のデータを小さい順に並べたとき中央に位置する値を意味している。
本発明において、前記微生物活性剤(7)は、窒素、リン、ビタミンB12(コバラミン)の少なくとも一つを含むのが好ましい。
また、前記微生物活性剤(7)はショ糖脂肪酸エステルをさらに含むのが好ましい。
そして前記微生物活性剤(7)は(第2の成分として)大豆油を含み、さらに水を含んでいるのが好ましい。
あるいは前記微生物活性剤(7)は、短鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸塩、アルコール、炭水化物から選択される成分(第1の成分)がグリセリンであり、さらに水を含んでいるのが好ましい。さらに、上述した以外の成分も包含しているのが好ましい。
本発明では、前記微生物活性剤(7)は、質量%で約1〜12%程度である第1の成分、質量%で約30〜65%程度である第2の成分と、質量%で約1〜15%程度である第3の成分から成る濃縮した形態で調製されるのが好ましい。また、前記濃縮した形態の微生物活性剤(7)は、質量%で8〜68%程度の水を含むのがさらに好ましい。発明者の実験や経験によれば、第1の成分は、より好ましくは約4〜10%の間、最も好ましくは約8%であり、第2の成分は、より好ましくは約40〜60%の間、最も好ましくは約55%であり、第3の成分は、より好ましくは約4〜12%の間、最も好ましくは約10%である。そして、水は質量%で組成の残りのほとんどを構成しているのが好ましく、濃縮された形態における組成では24%を構成するのが最も好ましい。
微生物活性剤(7)は、保管と出荷におけるスペースとコストを削減するため、好ましくは濃縮した形態で製造される。微生物活性剤(7)を希釈することができ、通常は実施される現場(サイト)で希釈される。希釈率については、微生物活性剤(7)の濃縮した原液1に対して水が4.6〜5であるのが好ましい。しかし、1:20も好ましい範囲であり、そして、1:40またはそれ以上でも好適である。微生物活性剤(7)をより薄く希釈すれば、効果的なバイオスティミュレーションを達成するため、より大量の液体を注入しなければならない可能性がある。
発明者の知見によれば、上述した微生物活性剤(7)の濃縮した形態において、第1の成分の量が1%未満の場合、当該微生物活性剤(7)は微生物が急速に増殖することを刺激するのに十分な易生分解性物質(容易に生物分解される物質)を含んでいない。第1の成分の量が約12%より多い場合、当該微生物活性剤(7)は急速に消費され、長期間に亘る最適な処理を実行することが出来ない。第2の成分の量が30%未満の場合、当該微生物活性剤(7)は急速に消費され、長期間に亘る最適な処理を実行することが出来ない。第2の成分の量が約65%より多い場合、当該微生物活性剤(7)の濃縮した形態は、現場で簡単に使用するにはあまりにも粘性が高い。第3の成分の量が1%未満の場合、当該微生物活性剤(7)の液滴の粒径の中央値は良好なパフォーマンスを発揮するには大き過ぎる。第3の成分の量が約15%より多い場合、当該微生物活性剤(7)のコストが不必要に増加してしまう。
本発明の実施に際して、前記土壌切削工程は、
微生物活性剤(7)を噴射して前記平板状の領域(6)を形成する工程と、
ボーリング孔(3)の長手方向に所定距離(δ)だけ噴射装置(2)を移動し、あるいは、ボーリング孔(3)の中心軸に対して所定の角度だけ噴射装置(2)を回動する工程を有しているのが好ましい。
ここで、前記平板状の領域(6)は円盤状でも良く、円形以外の平面形状(例えば、扇状)を有し且つ平坦な形状でも良い。
そして前記ボーリング孔(3)は垂直方向に切削されており、前記平板状の領域(6)が円盤状に複数形成されており、平板状の領域(6)の垂直方向間隔δ(噴射装置を垂直方向へ移動した距離:噴射装置の引き上げ距離)は0.2m〜0.4mが好ましく、0.3mであるのが特に好ましい(図1参照)
また本発明において、前記平板状の領域(6)は、ボーリング孔(3)の長手方向中心軸(例えば、垂直軸)に沿って鉛直方向に延在する(単数又は複数の)平板形状であるのが好ましい(図9参照)。ここで、平板状の領域(6A)が複数存在する場合には、当該複数の平板形状の領域(6A)の各々は、隣接する平板形状の領域(6A)に対して同一の角度(中心角:α)で交差しているのが好ましい(図10参照)。
あるいは、前記ボーリング孔(3B)は垂直軸に対して傾斜しており、前記平板状の領域(6B)はボーリング孔(3B)の長手方向と垂直な方向に延在しており、ボーリング孔(3B)の長手方向に所定の間隔をあけて形成されているのが好ましい(図11参照)。
さらに、前記平板状の領域(6、6A)に代えて、円錐形側面の形状に延在する領域(9)を形成するのが好ましい(図12〜図15)。
また本発明において、前記微生物活性剤(7)は、当該微生物活性剤(7)の比重を増加する成分、当該微生物活性剤(7)の粘性を増加する成分、当該微生物活性剤(7)の粘度が変動する(粘度が大きくなる)性質を付与する(チキソトロピー化あるいはゲル化する様にせしめる)成分の何れかを包含するのが好ましい。
さらに本発明において、前記土壌切削工程で汚染土壌が切削された平板状の領域に、前記微生物活性剤を新たに注入する工程を有しているのが好ましい。
そのため、前記微生物活性剤を新たに注入するべき平板状の領域の垂直方向上方および下方における前記ボーリング孔内の位置でパッカを膨張し、当該パッカ間に前記微生物活性剤を注入するのが好ましい。
あるいは、前記ボーリング孔の下端部を液体が漏れないように造成し、地上側から前記微生物活性剤をボーリング孔内に注入するのが好ましい。
上述する構成を具備する本発明によれば、低コスト、原位置浄化が容易、低環境負荷、低炭素排出、施工領域における施設の操業に与える影響が少ない、というバイオレメディエーションの長所としての作用効果を奏することが出来る。
それに加えて本発明によれば、土壌切削工程において、ボーリング孔(3)の長手方向及び/又は水平方向について断続的に、土壌(Gp)が切削されて且つ土壌(Gp)と微生物活性剤(7)が混合している平板状の領域(6)を形成するので、有害化学物質(例えばVOC)により汚染された土壌(Gp)中に微生物活性剤(7)が供給される。
当該微生物活性剤(7)は地中に存在する微生物を活性化して、当該微生物は微生物活性剤(7)の生分解反応により水素が発生する。発生した水素により、地中に存在して有害化学物質(例えば有機塩素化合物やVOC)を生分解する性質を有する微生物、例えばデハロ菌(Dehalococcoides属細菌)等の脱塩素菌を活性化、増殖する。ここで、脱塩素菌の様なVOCを生分解する性質を有する微生物は、還元的脱塩素化反応により、有害化学物質(VOC等)を生分解する。
脱塩素菌の様な有害化学物質(VOCや有機塩素化合物等)を生分解する性質を有する微生物が活性化して、増殖する結果、土壌を汚染していた化学物質(例えば有機塩素化合物やVOC)が当該微生物により生分解されて、土壌が浄化される。
また本発明では、土壌切削工程において、ボーリング孔(3)の長手方向及び/又は水平方向について断続的に平板状の領域(6)を形成するので、汚染されている土壌(Gp)のボーリング孔(3)の長手方向及び/又は水平方向の全領域に前記微生物活性剤(7)を噴射する必要はない。その一部の領域にだけ、断続的に、前記微生物活性剤(7)が噴射される。
換言すれば、本発明では浄化するべき土壌(Gp)の垂直方向全領域について連続して前記微生物活性剤(7)を噴射するのではなく、その一部の領域にのみ、断続的に、前記微生物活性剤(7)を噴射している。そのため、施工現場における地耐力の低減が抑制される。また、施工工程数を減少し、施工期間を短縮して、土壌汚染浄化に必要な施工コストを節約することが出来る。
ここで、水素は土壌(Gp)中を浸透可能であり、透水性の低い土壌(例えば、難透水層G3の土壌)中も浸透することが出来る。微生物活性剤(7)が噴射された土壌では、そこに存在する微生物(水素を発生する微生物)が水素を発生(生成)する。発生した水素は、分子拡散により透水性の低い土壌(例えば、難透水層G3の土壌)を透過して、微生物活性剤(7)が直接噴射されなかった(土壌中の)領域であって浄化するべき領域(Gp)に供給される。そのため、当該領域(Gp)に存在する前記微生物(脱塩素菌等の有害化学物質を生分解する微生物)が活性化、増殖して、有害化学物質を生分解する。
透水性の高い土壌であれば、水素に加えて、微生物活性剤(7)も当該土壌(透水性の高い土壌)を透過することが出来る。透水性の高い土壌内に浄化するべき領域(Gp)が存在する場合には、微生物活性剤(7)が直接噴射されなかった(土壌中の)領域であっても、水素に加えて微生物活性剤(7)が浸透するので、当該領域(微生物活性剤(7)が直接噴射されなかった領域)における微生物(水素を発生する微生物)が水素を発生する。そして、水素により活性化される脱塩素菌等の微生物が活性化、増殖して、有害化学物質を生分解する。
すなわち、本発明によれば、汚染土壌(Gp)の全域に亘って連続して微生物活性剤(7)を噴射しなくても、前記微生物活性剤(7)(及び/又は水素)が土壌(Gp)中を浸透することにより、水素により活性化される脱塩素菌等の微生物が活性化、増殖して、化学物質で汚染された土壌全域が浄化される。
微生物活性剤(7)を土壌中に供給した後、土圧により微生物活性剤(7)が地上側に逆流してしまう恐れが存在する。しかし本発明において、微生物活性剤(7)の比重を増加すれば、土壌中から地表(Gf)側に微生物活性剤(7)が逆流することを防止出来る。
同様に、微生物活性剤(7)の粘性を増加することにより、微生物活性剤(7)は土壌(Gp)中から地上側に流れ難くなり、地上側に逆流することが防止される。
さらに、当該微生物活性剤(7)の粘度を変動する性質を付与する(チキソトロピー化あるいはゲル化する様にせしめる)ことにより、土壌(Gp)中から地上側に向かって微生物活性剤(7)は流れ難くなる。そのため、微生物活性剤(7)が地上側に逆流することが防止される。
ここで、微生物活性剤(7)から発生した水素はチキソトロピー化あるいはゲル化した微生物活性剤(7)を透過して、汚染土壌(Gp)中を拡散することが出来る。換言すれば、微生物活性剤(7)がチキソトロピー化あるいはゲル化する程度は、微生物活性剤(7)及び/又は水素がチキソトロピー化あるいはゲル化した微生物活性剤(7)を透過して、汚染土壌(Gp)中を拡散することが出来る程度である。
また本発明において、微生物活性剤(7)が消費されて前記微生物の活性化に寄与しない状態となったならば、前記土壌切削工程で切削された平板状の領域(6)に、前記微生物活性剤(7)を新たに注入する様に構成すれば、新たに注入された微生物活性剤(7)により、再び前記微生物が活性化する。
ここで、既に切削された平板状の領域(6)に、例えば微粒子状の(小径の)軽石(8)や微細砂が充填されていれば、微粒子状の軽石(8)間あるいは微細砂間に微生物活性剤(7)が透過する経路(水道)が形成される。その状態で、例えば一対のパッカを用いて既にジェットで土壌中に掘削された平板状の領域(6)に新たな前記微生物活性剤(7)を注入すれば、当該経路(水道)を経由して前記微生物活性剤(7)は平板状の領域(6)全域に到達し、新たに水素を発生して、前記微生物を活性化することが出来る。
本発明によれば、地中に噴射される微生物活性剤(7)は第1〜第3の成分を含む微生物活性剤(7)を有しており、当該微生物活性剤(7)は地中に存在して生物反応により水素を発生する微生物を活性化するので、当該微生物(水素を発生する微生物)により、地中に水素が発生する。その水素が土壌(例えば、難透水層G3の土壌)を透過して、浄化するべき領域(Gp)に到達することにより、例えば有機塩素化合物やVOCを還元的脱塩素化反応で分解する脱塩素菌の様に、有害化学物質を生分解反応で浄化する微生物が活性化して、繁殖する。そして、生分解反応により有害化学物質を分解して除去する。
なお、透水性の高い土壌であれば、水素に加えて、微生物活性剤(7)も土壌中を透過して、浄化するべき領域(Gp)に到達する。
上述した様に、有害化学物質、特に塩素数の多いテトラクロロエチレン(PCE)やトリクロロエチレン(TCE)は、嫌気性微生物(例えば、脱塩素菌)による還元的脱塩素化反応により分解される。
前記微生物活性剤(7)は、第1の成分(水溶性基質)と第2の成分(低溶解性基質)を包含しており、これ等の成分の各々は、自然に生息可能で且つ一般的に自然に存在している微生物のための栄養源として機能する。第1の成分(水溶性基質)は微生物により容易に生分解される。より詳細には、第1の成分(水溶性基質)は水に溶ける程度に分子量が小さいので、一般的に見られる地中の微生物に急速に取り込まれる。
当業者であれば、様々な微生物間の相互作用及び地中環境が、実質的な好気状態から主に嫌気状態へ変換することが、容易に理解出来るであろう。非常に簡易に論述すると、通常微生物活性剤(7)が注入される地下に、好気性微生物が繁栄する好気性水のポケットがあると仮定することができる。好気性の環境では、第1の成分を主に消費する微生物が繁栄する。微生物活性剤(7)の第1の成分によって提供される栄養は、この成分を消費する微生物の増殖を維持する。これらの微生物は典型的な好気性微生物(酸素の存在下で最高に機能する微生物)である場合、汚染物質とその他の物質を分解しながら、酸素を使い尽くす。より詳細には、これらの典型的な好気性微生物は、エネルギーを含有する化合物を代謝する際の最終電子受容体として酸素分子を用いる。このように、これらの微生物は増殖しながら、第1の成分を消費しながら、地中環境にある利用可能な酸素も使い尽くす。最終的に、好気性の地中環境は、嫌気性微生物(酸素が少ない場合または完全に存在しない場合に、最高に機能する微生物)が作用するのに最適な嫌気性の環境になる。嫌気性微生物は、通常は地下に生息しており、主に嫌気性となった環境の下で、微生物活性剤(7)の注入によって栄養が与えられる場合に、通常は増殖する。これらの代表的な嫌気性微生物は、最終電子受容体に酸素以外の物質を利用する。何種類かの嫌気性微生物が水素を生成することができる一方で、その他の嫌気性微生物(例えば、脱塩素菌のような嫌気性微生物)は電子供与体として水素を利用することにより、PCEとTCE等の物質を生分解することができる。
第2の成分(低溶解性基質)は分子量が大きいため、微生物が第2の成分(低溶解性基質)を急速に消費することは出来ず、一つ好ましい実施形態においては、嫌気性で水素を発生する微生物により長期間に亘って生分解される。すなわち、第2の成分(低溶解性基質)は微生物の生分解に長時間を費やす様に設定されており、微生物による長期的な生分解反応を可能ならしめている。
第1の成分と第2の成分を含む当該微生物活性剤(7)の一つの好ましい実施形態では、第1の成分としてグリセリン、第2の成分として大豆油を用いる。上述したように、二つの成分(第1及び第2の成分)が、迅速に利用可能な炭素(グリセリン)及び徐放性の炭素(大豆油)の両方を、微生物の栄養源として提供される。初期において、好気性微生物に対して十分な量の酸素とバイオスティミュレーションにより活性化され易い嫌気性微生物とを含有する地中環境に、当該微生物活性剤が注入された時、好気性微生物は、第1の成分であるグリセリンの代謝における最終電子受容体として、酸素分子を初期において用いることができる。そして、通常、地中酸素が激減するので、嫌気性微生物にとってより快適な地中環境になる。第2の成分である大豆油は、嫌気性微生物の長期的な栄養として適しており、長期間に亘って有利にバイオスティミュレーションを実行することが出来て、嫌気性微生物を長期間に亘って維持することができる。
地中環境の条件と地中に存在する対象汚染物質に対応して、この好ましい実施形態の微生物活性剤(7)は、嫌気状態を早急に創生すると共に、長期間に亘る水素の発生、徐放を、同時に可能としている。
さらに前記微生物活性剤(7)は、土壌中に噴射される際に高圧が作用しても、粒子同士が付着して粒子の径が大きくなることがない。そのため、微生物活性剤(7)の粒子の径は変化し難く、径が大きくなり過ぎることがない。
微生物活性剤(7)の粒子の径が大きくなり過ぎると、微生物活性剤(7)が土壌を浸透することが出来なくなってしまう可能性がある。
本発明で用いられる前記微生物活性剤(7)は、土壌中に噴射される際に高圧が作用しても、その径が大きくなり過ぎることが防止されるので、上述の不都合が生じることが防止される。また、本発明で用いられる前記微生物活性剤(7)には界面活性剤を包含しているので、第2の成分における油がエマルジョン化して、粒子が大きくなってしまうことが防止される。
そして、前記微生物活性剤(7)が汚染土壌(Gp)を切削可能な噴流としてノズルから噴射された際にも、汚染土壌(Gp)において嫌気性微生物が活性化する環境を早急に創生して、水素を発生する前記微生物を確実に活性化し、(脱塩素菌等の)汚染物質を生分解する微生物が活性化する状態(水素が発生し、徐放されている状態)を保持することが出来る。
ここで、発明者によれば、前記微生物活性剤(7)は少なくとも2ヶ月の貯蔵寿命を有していることが可能である。そのため、前記微生物活性剤(7)は、製造箇所から遠隔地で施工する場合においても、その配達に長時間を必要とする場合や、施工までの待機期間が存在する場合においても、当該微生物活性剤(7)は変質することなく、通常の菌数を保有している一般的な地中環境の土壌中で確実に水素を発生し、前記微生物による有害化学物質の生分解反応を確実に促進することが出来る。
本発明の第1実施形態の概要を示す説明図である。 第1実施形態におけるボーリング孔削孔工程を示す工程図である。 第1実施形態におけるスリット作成工程を示す工程図である。 第1実施形態における微生物活性剤の加圧注入工程を示す工程図である。 第1実施形態でモニタを移動する工程を示す工程図である。 図5の工程で移動したモニタを用いてスリットを形成し、微生物活性剤を加圧注入する工程を示す工程図である。 第1実施形態の変形例を示す説明図である。 第1実施形態の問題点を示す説明図である。 本発明の第2実施形態を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の変形例を示す平面図である。 本発明の第3実施形態を示す説明図である。 本発明の第4実施形態のボーリング孔削孔工程を示す工程図である。 第4実施形態の円錐面切削工程を示す工程図である。 第4実施形態のパッカで閉鎖した状態を示す工程図である。 第4実施形態の浄化剤の加圧注入工程を示す工程図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図6に基づいて第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る汚染土壌浄化工法の概要を示している。
そして第1実施形態に係る汚染土壌浄化工法は、ボーリング孔切削工程と噴射装置挿入工程と土壌切削工程を有している。
図1において、地表Gfから垂直下方に削孔されたボーリング孔3の底部近傍に、所定距離δを隔てて3段の円盤状(平板状)の領域6が形成されている。ここで、図示では3段の平板状の領域6が形成されているが、3段に限定される訳ではない。
上下方向について平板状の領域によって挟まれた土壌には、汚染物質を含む汚染土壌Gpが存在する。そして前記平板状の領域6には微生物活性剤7が注入され、微生物活性剤7により、領域6に存在する水素を発生する微生物が活性化し、増殖して、水素が発生する。発生した水素は、土壌を浸透して汚染土壌Gpに到達する(矢印F7)。
第1実施形態では、垂直方向に延在して汚染された土壌Gp(浄化するべき領域)に到達するボーリング孔3を切削する(図2)。そして、先端に噴射装置2を設けたロッド1をボーリング孔3に挿入し(図3)、ボーリング孔3の長手方向について所定深さ毎に、噴射装置2を回転しつつ半径方向へ微生物活性剤7を噴射、注入する(図4)。
図3では、後述するように、噴射装置2から水を噴射して土壌を切削し、当該切削された箇所に微生物活性剤7を注入している。ここで、噴射装置2から微生物活性剤7を噴射して土壌を切削しつつ、領域6に微生物活性剤7を注入することも可能である。
汚染土壌を含む土壌Gpが切削されて、微生物活性剤7が注入されている平板状の領域6を形成したならば、噴射装置2を垂直方向に所定距離δだけ移動して、微生物活性剤7が注入された平板状の領域6を新たに形成する(図5)。
土壌切削工程における前記微生物活性剤7は、短鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸塩、アルコール、炭水化物から選択される第1の成分と、大豆油、コーン油、キャノーラ油、オリーブ油、ピーナッツ油、ココナッツ油、パーム油、菜種油、魚油、バター、ホホバ油、カルナウバ蝋、長鎖脂肪酸から選択される第2の成分と、界面活性剤から成る第3の成分を有している。そして、注入前に0.3〜3μmの範囲に粒径の中央値を有する微生物活性剤は、50MPaかそれ以下の圧力が作用して土壌中に噴射された場合に、粒径の中央値が0.3〜3μmの範囲内に留まっている(安定している)。
第1実施形態において、前記微生物活性剤7は、窒素、リン、ビタミンB12(コバラミン)の少なくとも1つを含むのが好ましい。
また、前記微生物活性剤7はショ糖脂肪酸エステルをさらに含むのが好ましい。
そして、前記微生物活性剤7は第1の成分がグリセリンであり、第2の成分が大豆油であり、さらに水を含んでいるのが好ましい。
第1実施形態において、前記平板状の領域6は、円盤状であっても、円形以外の平面形状(例えば、扇形)を有する平坦な形状であっても良い。
扇形の領域6を形成する場合には、ボーリング孔3の中心軸に対して所定の角度(扇形の中心角)だけ噴射装置2を回動する。
ここで、平板状の領域6の垂直方向間隔δ(噴射装置を垂直方向へ移動した距離:噴射装置の引き上げ距離)は、浄化期間、微生物活性剤の濃度、微生物の数、土質の影響を受ける。特に、垂直方向間隔δと浄化期間は相関関係が強く、浄化期間は垂直方向間隔δについて支配的な要因であるため、浄化期間が設定されれば、垂直方向間隔δの範囲を定めることが出来る。
発明者の実験によれば、前記垂直方向間隔δが0.2mよりも小さいと、結果的に地盤を細かく砕いてしまうことになるため、地盤の強度を著しく低下させてしまう。また、施工期間が長くなり、施工コストが増加してしまう。
一方、前記垂直方向間隔δが0.4mを超えると、隣り合う平板状の領域6の中間の領域に、微生物を活性化させるのに見合うだけの十分な量の水素が分子拡散により到達・浸透するのには長期間を要することが判明している。このことから、前記垂直方向間隔δが0.4mを超えると、浄化に要する期間が著しく長くなる可能性がある。
そのため、前記垂直方向間隔δ(断続的に形成された平板状領域6の垂直方向間隔)は、0.2m〜0.4mが好適である。
また発明者の実験によれば、当該垂直方向間隔δが0.3mであれば、地盤の強度の低下を極力抑えることが出来る上に、水素が分子拡散により平板状の領域の間の全領域に半年程度で確実に浸透する。
すなわち、発明者の実験によれば、垂直方向間隔δが0.3mであれば、「地盤の安定性」、「微生物活性剤7による浄化効果を十分発揮できること」及び「施工コストの節減と施工期間の短縮」という要請に対して、現実的な期間(半年程度)で同時に且つ好適に応えることが出来ることが分かった。
従って、前記垂直方向間隔δが0.3mであるのが最も好適である。
第1実施形態について、発明者が行った上記実験で用いられた微生物活性剤7の組成は、グリセリン(第1の成分)4%、大豆油(第2の成分)55%、界面活性剤(第3の成分)10%、安定化剤0.2%、水30.8%となっている。
そして、係る微生物活性剤7の粒径は、微生物活性剤7の製造後12ヵ月経過した際における中央値が1.4μmであった。
上述した微生物活性剤7を用いて、発明者は浄化実験を行った。
実験は、図1〜図7で説明する第1実施形態と同様な態様で行なわれ、前記垂直方向間隔δは0.3mとした。パッカ5A、5B(図4、図5参照)は使用しなかった。浄化の対象となる化学物質(対象汚染物質)はテトラクロロエチレン(PCE)である。
土壌については、浄化前のPCEの土壌溶出量は5.0mg/Lであったが、13ヵ月後、0.089mg/Lまで減少した。
別の箇所では、浄化前のPCEの土壌溶出量は0.065mg/Lであったが、13ヵ月後、0.003mg/Lまで減少した。
地下水については、土壌浄化を行った領域に設けられた井戸内の水(地下水)のPCE濃度を計測した。浄化前の地下水のPCEの濃度は45.0mg/Lであったが、13ヵ月後、検出不能なレベル(0.001mg/L未満)まで減少した。
また、別の箇所では、地下水の浄化前のPCEの濃度は173.8mg/Lであったが、13ヵ月後、0.048mg/Lまで減少した。
次に、図2〜図6を参照して、第1実施形態に係る汚染土壌の浄化工法の施工手順について、詳細に説明する。
なお、図2〜図6では、難透水層である粘性土層G3に存在する汚染物質Gpを除去する場合を例示している。そして、粘性土層G3の土壌は、透水性の低い土壌である。
図2で示す工程では、例えば、地表Gfから順に、表層G1、砂質土層G2、粘性土層(難透水層)G3、砂質土層G4からなる土壌に、直径が10cmのボーリング孔3を削孔している。
図2において、地表Gfからボーリングロッド1の先端に取り付けられたモニタ2(噴射装置)の下端のノズル2nから水等の流体J1を噴射しつつボーリングロッド1を降下させて、ボーリング孔3を削孔する。そしてボーリング孔3は、難透水層G3の下面近傍まで削孔される。
図示の実施形態では、地表Gfから難透水層G3の下面までの深さは例えば5mで、難透水層G3の厚さは例えば2mである。
次に、図3で示す工程において、モニタ2をボーリング孔3の底部近傍に位置させた状態で、モニタ2の外周部に設けたノズル4nから、水平方向に高圧水ジェットJ2を噴射しつつ、ボーリングロッド1を回転させながら、平板状の領域6(スリット)を切削する。
図4で示す工程では、一旦、ボーリングロッド1を地表Gf側に引き抜き(ボーリングロッド1を地表Gf側に引き抜いた状態の図示は省略)、ボーリング孔3の底部、すなわち、難透水層G3と砂質土層G4との境界部に、図示しない流体供給用のロッド(パッカロッド)を取り付けた状態で、パッカ5Bを配置する。
パッカ5Bのボーリング孔3への配置時には、パッカ5Bを所定位置に容易に配置するため収縮した状態となっている。そしてパッカ5Bがボーリング孔3の底部(難透水性土壌G3と砂質土層G4との境界部)に到達した後に、図示しない流体供給管を介してパッカ5Bに流体が供給されて膨張する。
パッカ5Bが膨張すれば、ボーリング孔3の内周とパッカ5Bの外周とが密着し、ボーリング孔3底部において、ボーリング孔3の下方、すなわち砂質土層G4への密封性が確保される。換言すれば、ボーリング孔3から砂質土層G4へ各種流体が漏出することが防止され、シールされた状態となる。
図4において、モニタ2の上方にも、パッカ5Aが配置される。このパッカ5Aは、ボーリング孔3の底部に配置したパッカ5Bとは別個のパッカである。
パッカ5Bの場合と同様に、パッカ5Aを設置する場合において、パッカ5Aがモニタ2の直上の位置に来るまでは、流体を供給せず、パッカ5Aが収縮した状態でボーリング孔3内を降下する。そして、パッカ5Aがモニタ2直上の所定位置に配置された段階で、流体を供給して膨張せしめる。
パッカ5Aに流体を供給すると、ボーリング孔3の内周とパッカ5Aの外周とが密着し、ボーリングロッド1の外周とボーリング孔3の内周との間の環状空間がパッカ5Aによって完全にシールされる。その結果、モニタ2が存在する領域からパッカ5A上方の空間への密封性が確保される。
ここで、パッカ5Aに流体を供給する機構は、例えば図示しない流体供給用の配管を介して行う。
平板状の領域6を上下のパッカ5A、5Bでシールした後に、モニタ2のノズル4nから、微生物活性剤7が、ボーリング孔3におけるパッカ5A、5Bで挟まれた領域に加圧注入される。ここで、微生物活性剤7が加圧注入される領域の土壌は難透水層G3であり、難透水層G3に形成された平板状領域6に微生物活性剤7が加圧注入される。
微生物活性剤7が加圧注入されることにより、平板状領域6及びその周辺土壌に存在する水素を発生する微生物も活性化し、増殖して水素が発生し、発生した水素により難透水層G3中に存在する微生物(例えば、脱塩素菌)が活性化し、増殖する。その結果、当該微生物の生物学的作用により、難透水層G3中の有害化学物質(VOCや有機塩素化合物等)が分解される。
また、平板状領域6及びその周辺土壌に存在する水素を発生する微生物により発生した水素は分子拡散により難透水層G3中を透過するので、平板状領域6間の領域(微生物活性剤7が注入されなかった領域)にも水素が供給され、そこに存在する有害化学物質を分解する微生物(脱塩素菌等)が活性化して、増殖する。
そのため、平板状領域6間の領域(微生物活性剤7が注入されなかった領域)における有害化学物質も分解され、浄化される。
微生物活性剤7を注入するに際して、例えば地上側に配置された図示しない微生物活性剤7の注入用ポンプの駆動源を制御して、微生物活性剤7の注入圧力を動的に、例えば正弦波状や、パルスが混在する様に変動することが出来る。
微生物活性剤7の注入圧力が動的に変動することにより、微生物活性剤7の注入が効果的に行われる。
次に、図5で示す工程では、パッカ5Aから流体を排出して収縮せしめ、ボーリング孔3から抜き出す(図5では図示せず)。そして、ボーリングロッド1及びモニタ2を上方に移動させる。
ボーリングロッド1及びモニタ2を所定量だけ上方に移動したならば、再び、モニタ2を回転させつつ、噴射ノズル4nから高圧水ジェットJ2を水平方向に噴射して、図3の工程で形成した平板状領域6よりも上方に、2段目の平板状領域6を形成する。
2段目の平板状領域6を形成した後、図6で示す工程では、再度パッカ5Aをモニタ2直上の位置に設置して、流体を供給して膨張させる。そして、モニタ2の噴射ノズル4nから、2段目の平板状領域6内及び上方のパッカ5Aまでの領域(ボーリング孔3の空隙部分)に微生物活性剤7を加圧注入する。
以下、図2〜図6を参照して説明した工程を繰り返す。
図2において、ボーリング孔3の削孔に際して、モニタ2の下方から掘削用高圧水を噴射する旨を説明した。しかし、明示はしていないが、ボーリング孔3を削孔する工程(図2)において、打ち込み或いは押し込みにより行なうことが好ましい。なお、本明細書では、打ち込み或いは押し込みにより形成された孔についても、「ボーリング孔」と表現してする場合がある。
高圧水を噴射してボーリング孔3を削孔する場合にはスライムが発生するが、打ち込み、押し込みによりボーリング孔3を削孔すれば、スライムは発生せず、当該スライムによりVOCや有機塩素化合物等の有害化学物質が拡散することが防止される。また、微生物活性剤7が地上に上がってくることが防止される。
さらに、打ち込み、押し込みによりボーリング孔3を削孔すれば、モニタ2とボーリング孔3の内周面との間の隙間が存在しないので、パッカ5A、5Bによるシール効果(密閉効果)を発揮し易い。これに加えて、スライム除去に関するコストを省略することが出来る。
モニタ2の下方にパッカ5Bを設けたのは、微生物活性剤7を汚染領域に注入する際の注入圧力が、下方に最も作用するからである。上述した様に、図2〜図6において汚染領域である難透水層G3の下方は砂質土層G4であり、微生物活性剤7を加圧注入する際に、当該注入圧力は下方に作用するので、微生物活性剤7及び有害化学物質が砂質土層G4に押し込まれ、砂質土層G4を介して拡散してしまう恐れがある。
したがって第1実施形態では、ボーリング孔3の底部にもパッカ5Bを配置して、微生物活性剤7を加圧注入する領域の上下にパッカ5A、5Bを膨張させ(いわゆる「ダブルパッカ」)、微生物活性剤7及び有害化学物質がボーリング孔3の下方の砂質土層G4から流出する事態を防止している。
なお、パッカ5A、5Bを省略することも可能である。
図示の第1実施形態によれば、前記微生物活性剤7がグリセリン(第1の成分)を包含しており、分子量が小さく、水溶性のグリセリンは微生物により容易に生分解されるので、微生物が急速に活性化、繁殖して、微生物活性剤7が注入された平板状領域6及びその周辺における酸素を消費する。酸素を消費した結果、当該土壌Gpにおける好気性微生物は死滅し、且つ、(微生物により)当該土壌Gp周辺における酸素は消費し尽くされているので、平板状領域6及びその周辺は嫌気性環境(嫌気状態)となり、嫌気性微生物が活性化、増殖する条件となる。
嫌気性微生物が活性化、増殖することにより、平板状領域6及びその周辺において水素が発生し、例えば脱塩素菌の様にVOCの様な有害化学物質を生分解する微生物が活性化して、増殖する。また、発生した水素は分子拡散により難透水層G3中の平板状領域6間の領域(微生物活性剤7が注入されなかった領域)を透過して、当該領域における有害化学物質を分解する微生物を活性化して、増殖せしめる。
一方、大豆油(第2の成分)は分子量が大きいため、微生物が急速に消費することは出来ず、例えば嫌気性微生物により長期間に亘って生分解される。すなわち、大豆油(第2の成分)により長期間に亘って微生物が水素を発生する生分解を持続することが出来る。そのため、水素が発生して難透水層G3中を浸透して、例えば脱塩素菌の様な微生物により、VOC等の有害化学物質を分解する生分解反応が、長時間に亘って持続される。
なお、汚染土壌Gpが透水性の高い土壌中に存在する場合には、水素に加えて、微生物活性剤7も透水性の高い土壌中を透過する。
前記微生物活性剤7は、土壌Gp中に噴射される際に高圧が作用しても粒径が大きくなり過ぎることがない。
微生物活性剤7の粒径が大きくなり過ぎることがないので、その粘性が高くなり過ぎることがなく、微生物活性剤7が土壌Gpを浸透することが出来なくなってしまうような事態が防止される。
発明者により、第1実施形態で用いられた微生物活性剤7は少なくとも2ヶ月の貯蔵寿命を有していることが確認されている。そのため、微生物活性剤7を製造箇所から施工現場まで長時間を掛けて移動するべき場合や、施工まで長期間に亘って待機しなければならない場合においても、前記微生物活性剤7は変質せず、土壌Gp中に噴射、注入された際の粒径が適正な範囲に維持される。
ここで汚染領域全域を切削してしまうと、地耐力が低減して、地盤沈下その他の問題の発生が懸念される。
それに対して、図1〜図6の第1実施形態では、汚染領域の垂直方向の一部のみを切削して平板状領域6を形成し、その平板状領域6に微生物活性剤7を注入することを、ステップ状に断続的に繰り返している。その結果、汚染領域全域を切削する場合に比較して、施工領域における地耐力の低減が極力抑えられ、地盤沈下等を予防することが出来て、しかも効率的に微生物活性剤7を供給することが可能となるのである。
図1〜図6の第1実施形態において、前記微生物活性剤7の比重を増加する成分を包含させることが好適である。
また、前記微生物活性剤7の粘性を増加する成分を包含するのが好ましい。
あるいは、前記微生物活性剤7の粘度が大きくなる性質を付与する(すなわち、チキソトロピー化あるいはゲル化する様にせしめる)成分を包含するのが好ましい。
施工後、平板状領域6に土圧が作用しても、微生物活性剤7の比重を増加し、粘性を増加し、あるいは、粘度を変動する(チキソトロピー化あるいはゲル化せしめる)ことにより、注入された微生物活性剤7は当該土壌中に留まり、地上側に逆流することが防止される。
そして、微生物活性剤7は土壌Gp中に留まり、脱塩素菌等の活性化、増殖に寄与し続けることが出来る。
図1〜図6の第1実施形態において、微生物活性剤7が好気性微生物、嫌気性微生物により消費された際に、新たに注入することが可能である。係る変形例が図7で示されている。
微生物活性剤7を新たに注入することにより、微生物活性剤7が時間的間隔を空けて複数回に亘って汚染土壌中に供給されることになり、VOC等の有害化学物質の含有量が多くても、微生物を長期間に亘って活性化し続けることが出来るので、脱塩素菌等の微生物による生分解作用でVOC等の有害化学物質を確実に除去することが出来る。
当該注入に際しては、図4〜図6を参照して説明したように、垂直方向に断続的に形成された平板状領域6の各々を挟む様にパッカを配置して膨張し、当該平板状領域6に微生物活性剤を注入(供給)すれば良い。
図7の変形例では、平板状領域6に微生物活性剤のみならず、小径の軽石8や砂(微生物活性剤7の透過性が良好で且つ小径な固体)が充填されている。小径の軽石8や砂を平板状領域6に充填するに際しては、微生物活性剤と同様に、噴射装置2のノズルから噴射すれば良い。
図7のように、平板状領域6に小径の軽石8や砂等を注入(充填)して、ボーリング孔3を保持しておけば、微生物活性剤7が好気性微生物、嫌気性微生物により消費された際に、ボーリング孔3に微生物活性剤7を投入すれば、小径の軽石8や砂等が充填された平板状領域6が「水道」として機能して、投入された微生物活性剤が平板状領域6内に浸透する。
さらに図7において、ボーリング孔3の底部にシール材5Bを配置すれば、微生物活性剤7がボーリング孔3の底部よりも深い領域に漏洩してしまうことが防止され、小径の軽石8や砂等が充填された平板状領域6内に微生物活性剤7が確実に注入される。
図7で示す変形例のその他の構成や作用効果は、図1〜図6の第1実施形態と同様である。
図1〜図7を参照して説明した第1実施形態では、隣り合う平板状の領域6の間に汚染土壌Gpが存在する場合に、水素が汚染土壌Gpに到達するのに長時間を要する場合には、汚染土壌Gpは微生物活性剤7が直接供給されない領域(平板状領域6とは交差しない領域)に存在しているため、有害化学物質が効率的に除去されない恐れがある。
図8〜図15を参照して説明する第2実施形態〜第4実施形態によれば、水素が到達するのに長時間を要する場合においても、微生物活性剤7が汚染土壌Gpに直接供給されるので、微生物の生分解反応により有害化学物質を効率的に除去することが出来る。
図8、図9を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。図1〜図7で示す第1実施形態では、例えば図8で示す様に、汚染領域G5が微生物活性剤7の土壌中を浸透する効率が低い土壌、例えば難透水層G3に存在し、汚染領域G5の深度方向寸法が小さい(薄い)場合には、図8で示す様に、汚染領域Gpに平板状領域6が交差せず、微生物活性剤7は直接には注入されないので、水素が汚染領域Gpに到達するのに長時間を要する場合には、有害化学物質を生分解する微生物が効率的に活性化及び増殖することが期待できない。そのため、有害化学物質が効率的に除去されない恐れがある。
これに対して、第2実施形態では、例えば図9で示すように、モニタ2を回転させないで、水平方向に噴射されている高圧水ジェットJ2を垂直方向に移動させて、難透水層G3を垂直方向へ切削して、垂直方向へ延在する平板状領域6Aを形成している。図9では、当該平板状領域6Aの幅方向寸法は、符号Wで示されており、極めて小さい(平板状領域6Aは薄い)。
垂直方向に連続して切削し、切削された範囲(平板状領域6A)に微生物活性剤7(図9では図示を省略)を加圧注入すれば、図9で示すように、微生物活性剤7が注入された平板状領域6Aが有害化学物質で汚染された領域G5(VOC汚染領域)を交差するので、汚染領域G5に微生物活性剤7が確実に供給され、活性化して増殖した微生物により水素が発生し、発生した水素により脱塩素菌等の有害化学物質を生分解する微生物が活性化して増殖し、有害化学物質を生分解する。
そして、汚染領域Gpにおける水素を発生する微生物と有害化学物質を生分解する微生物が活性化して増殖するため、汚染領域Gpの浄化が効率的に行われる。
図9では、ボーリング孔3に対して、図9における左右方向に平板状領域6Aが切削されているが、左右方向の何れか一方のみ(例えば図9の右方のみ)に平板状領域6Aを切削することが可能である。
ここで、垂直方向へ延在する平板状領域6Aを形成するに際しては、図示はされていないが、例えば、高圧水ジェットを直線状に噴射して、モニタ2を垂直方向に移動すれば良い。
図10は、第2実施形態の変形例を示している。
図9では単一の平板状領域6Aが垂直方向に延在しているのに対して、図10で示す変形例では、ボーリング孔3の中心点3oに対して、垂直方向に延在する平板状領域6Aが、複数、放射状に延在している。図10において、隣接する平板状領域6Aが形成する角度(中心角)は、符号αで示されている。そして図10の例では、複数の平板状領域6Aが形成する中心角αは、同一である。
図10の変形例は、複数の汚染領域Gpを有する施工現場で施工するのに有効である。
図9、図10の第2実施形態によれば、平板状領域6Aが確実に汚染領域Gpと交差するので、汚染領域Gpに存在する微生物に対して微生物活性剤7が確実に供給され、汚染領域Gpにおいて、水素を発生する微生物及び有害化学物質を生分解する微生物が活性化して増殖する。その結果、汚染領域Gpの浄化が効率的に行われる。
図9、図10の第2実施形態およびその変形例におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図7の第1実施形態と同様である。ここで第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、パッカ5A、5B(図4〜図8参照)は設けても設けなくても良い。
次に、図11を参照して第3実施形態を説明する。
図11の第3実施形態は、ボーリング孔3Bを水平面に対して傾斜した方向に(斜めに)掘削している。
それ以降の工程では、図1〜図7を参照して説明した第1実施形態と同様である。
第3実施形態によれば、例えば汚染土壌Gpの真上に障害物Obが存在して、ボーリング孔を垂直に削孔することができない場合に好適である。
図11の第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図10の各実施形態と同様である。第3実施形態においても、パッカ5A、5B(図4〜図8参照)は設けても設けなくても良い。
次に、図12〜図15を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。
図12〜図15の第4実施形態では、微生物活性剤7が注入される平板状の領域(図13〜図15では符号9で示す)は円錐形あるいは円錐台形の側面に沿った形状となっている。換言すれば、本明細書における「平板状」という文言は、円錐形あるいは円錐台形の側面に沿った形状をも含む概念で用いられている。
図12〜図15は第4実施形態の各工程を施工の順序に従って示している。
図12で示す工程では、難透水層G3と砂質土層G4との境界近傍までボーリング孔3が削孔される。
なお、図12〜図15においても、地表Gfから順に、表層G1、砂質土層G2、粘性土層(難透水層)G3、砂質土層G4が例示されている。
図13で示す工程では、噴射装置2に設けた斜め下方向きのノズル41nから高圧水ジェットJ3を噴射しつつ、ボーリングロッド1及びモニタ2を回転する。それにより、高圧水ジェットJ3が円錐形(あるいは円錐台形)の側面に沿った形状に噴射され、以って、施工地盤を円錐形(あるいは円錐台形)の側面に沿った形状に切削する。
そして、噴射装置2を引き上げて、噴射装置2から高圧水ジェットJ3を噴射して回転することにより、円錐形(あるいは円錐台形)の側面に沿った形状に切削された複数の領域(円錐面)9を、難透水層G3の底部から垂直方向上方に形成する。
図14の工程では、一旦、ボーリングロッド1を地表Gf側に引き抜く。ボーリングロッド1を地表Gf側に抜き去った状態の図示は省略する。
図14において、ボーリング孔3の底部にパッカ5Bを配置する。パッカ5Bをボーリング孔3の底部に配置する際には、流体を供給せずパッカ5Bが収縮した状態でボーリング孔3内を移動する。そして、ボーリング孔3の底部(難透水層G3と砂質土層G4との境界近傍)にパッカ5Bが設置されたならば、流体を供給してパッカ5Bを膨張させる。
さらに、ボーリング孔3の地表Gf近傍にパッカ5Aを設置する。そしてパッカ5Aに流体を供給して、膨張させる。
パッカ5A,5Bを膨張させることにより、複数形成された領域9(円錐形あるいは円錐台形の側面に沿った形状の領域)及びボーリング孔3はパッカ5A、5Bにより、流体に対してシールされている状態で閉塞される。
図14において、パッカ5A、5Bにより流体に対してシールされている状態で閉塞された領域が、符号3Eで示されている。
図15の工程では、図14において符号3Eで示す領域(パッカ5A、5Bにより流体に対してシールされている状態で閉塞された領域)に対して、モニタ2から、微生物活性剤7が加圧注入される。
加圧注入された微生物活性剤7が、領域3E(円錐形あるいは円錐台形の側面に沿った形状の領域9、ボーリング孔3におけるパッカ5A、5B間の領域)に充填された状態が、図15で示されている。微生物活性剤7は円錐形(あるいは円錐台形)の側面に沿った形状の領域9に沿って、均一に円錐面9の端部まで行きわたる。
パッカ5A、5Bにより流体に対してシールされている状態で閉塞された領域(複数形成された円錐面9及びボーリング孔3におけるパッカ5A、5B間の領域)に微生物活性剤7が加圧注入された後、所定時間が経過すると、図1〜図11の各実施形態について説明したのと同様に、微生物活性剤7により、水素を発生する微生物が活性化して増殖して、水素を発生する。発生した水素は土壌中を浸透して、領域9間の微生物活性剤7が直接注入されなかった領域にも浸透するので、施工領域全体に亘って脱塩素菌等の微生物が活性化して増殖し、VOC等の有害化学物質を生分解して、汚染土壌の浄化が行われる。
そして、微生物活性剤7が円錐形(あるいは円錐台形)の側面に沿った形状の領域9に注入されるため、有害化学物質で汚染された領域と確実に交差して、汚染された領域に微生物活性剤7が直接供給される。そのため、汚染された領域において、水素を発生する微生物と有害化学物質を生分解する微生物が活性化して増殖し、当該領域に存在する有害化学物質の分解・浄化が効率的に行われる。
ここで、円錐形(あるいは円錐台形)の側面に沿った形状の領域9は、複数の層G2〜G4に亘って延在しているので、図12〜図15の第4実施形態は、汚染土壌Gpが複数の層に存在する場合に、特に有効である。
図12〜図15の第4実施形態の上記以外の構成及び作用効果は、図1〜図11の各実施形態と同様である。
第4実施形態において、円錐形(あるいは円錐台形)の側面に沿った形状の領域9の垂直方向間隔(噴射装置を垂直方向へ移動した距離:噴射装置の引き上げ距離)は、0.2m〜0.4mが好ましく、0.3mであるのが特に好ましい。
第4実施形態においても、パッカ5A、5B(図4〜図8参照)は設けても設けなくても良い。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、浄化するべき土壌中に、有害物質を生分解して除去する微生物が存在しない場合や極めて数が少ない場合には、微生物活性剤の注入後あるいは微生物活性剤の注入と同時に、当該微生物を土壌中に注入しても良い。
本発明において、鉄粉を浄化するべき土壌中に注入しても良い。
1・・・ボーリングロッド
2・・・噴射装置
2n・・・噴射装置先端のノズル
3・・・ボーリング孔
4n・・・水平方向のノズル
5A、5B・・・パッカ
6・・・平板状領域
7・・・微生物活性剤
9・・・円錐形あるいは円錐台形の側面に沿った形状の領域
Gf・・・地表
Gp・・・汚染領域

Claims (5)

  1. 難透水層地盤における汚染された土壌に到達するボーリング孔を形成するボーリング孔形成工程と、
    先端に噴射装置を設けたロッドをボーリング孔に挿入する噴射装置挿入工程と、
    噴射装置から微生物活性剤を噴射して、断続的に土壌が切削されて且つ土壌と微生物活性剤が混合している平板状の領域を形成する土壌切削工程とを有し、
    微生物活性剤の組成がグリセリン1〜12質量%、大豆油30〜65質量%、界面活性剤1〜15質量%、水8〜68質量%であり、
    当該微生物活性剤は、50MPaまたはそれ以下の圧力で噴射しても、粒径の中央値が0.33μmの範囲内に留まっており、
    前記平板状の領域の垂直方向間隔は、地盤の強度を保つことができ、隣り合う平板状の領域の中間の領域に、地中に存在する微生物を活性化させるに見合うだけの十分な量の水素が、当該微生物活性剤により当該微生物が活性化してその生分解反応により発生し、分子拡散により到達・浸透するのに必要な範囲として、0.20.4mの範囲であることを特徴とする汚染土壌浄化工法。
  2. 前記微生物活性剤は、当該微生物活性剤の比重を増加する成分と当該微生物活性剤の粘性を増加する成分と、当該微生物活性剤の粘度が変動する性質を付与する成分の何れかを包含する請求項1記載の汚染土壌浄化工法。
  3. 前記平板状の領域の上下にパッカーを設置することにより、領域に微生物活性剤が加圧注入される請求項1、2の何れかの汚染土壌浄化工法。
  4. 前記平板状領域に小径の軽石や砂等を充填してボーリング孔を保持することにより平板状領域が水道として機能し、有害物質の含有量が多いときは平板状領域に微生物活性剤を追加する請求項1〜3の何れか1項の汚染土壌浄化工法。
  5. 前記平板状領域は、円錐形或いは円錐台形の側面に沿った形状の領域を含む請求項1〜4の何れか1項の汚染土壌浄化工法。
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