JP5374272B2 - 浄化システム及び浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、汚染した土壌又は地下水を浄化する浄化システム及び浄化方法に関する。
有機塩素化合物(トリクロロエチレン等)や揮発性有機化合物(VOC)によって土壌又は地下水が汚染された場合、従来、遮水壁による拡散防止や揚水による浄化処理といった対応策が行われてきた。しかし、これらの方法では土壌に吸着した汚染物質の除去が不十分であったり、コストの面で採算が合わないなどの問題があった。そこで、バイオスティミュレーションと呼ばれる浄化法が検討されている(特許文献1〜3参照)。この方法は、土壌に生息する微生物を活性化させて汚染物質の分解を行うものである。
特許文献1,2に記載の浄化法は、汚染領域全体に微生物活性剤等の薬剤を供給して浄化を行うものである。一方、特許文献3に記載の浄化法は、汚染領域の近傍であって地下水の流れの下流側に掘削した複数の井戸から微生物活性剤を注入し、当該箇所にバリア層(バイオバリア)を形成するものである。汚染領域を通過した地下水がバイオバリアに到達し、ここで微生物による汚染物質の分解がなされることで、汚染物質が下流側に流出するのを防止する。
特開2005−279392号公報 特開2002−360240号公報 特許第3724287号公報
ところで、地中に形成したバリア層によって汚染物質の拡散を十分に防止するには、所定の頻度(例えば、1年に1回)で井戸から地中に薬剤を注入し、バリア層の性能を維持する必要がある。しかし、地盤の透水性等の条件によっては、井戸の間隔が密になったり、地下水の流れ方向に対して垂直な方向に汚染範囲が広がっている場合にあっては、数百mにわたって所定の間隔で井戸を設置する必要がある。その場合、井戸の本数が数十本に達することもあり、井戸ごとに注入作業を行っていたのでは多大の時間と労力を要する。
また、地盤の不均質性から、地下水は均質に流れておらず、流れやすい箇所と流れにくい箇所が存在する。このような不均質性を考慮することなく、各井戸から一定量の薬剤を注入したのではバリア層の広がりが不十分となる。また、各井戸の近傍の透水係数をそれぞれ測定して各井戸から注入すべき薬剤の量を決定し、その管理を行うのは作業が煩雑に過ぎるという問題がある。
なお、複数の井戸から所定の圧力で薬剤を圧入し続ければ、地中において薬剤が拡散して広範囲にわたるバリア層を形成できる。しかし、この場合、薬剤の持続的な圧入によって当該領域の圧力が上昇したのでは、バリア層を迂回するように地下水が流れてしまって汚染が拡散するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、地中にバリア層を効率的に形成できるとともに、その性能を安定的に維持して汚染物質の拡散を十分に防止することが可能なる浄化システム及び浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、汚染された土壌を含む汚染領域を通過した地下水が到達する下流側領域において浄化用の薬剤を地中に供給して汚染拡大を防止する浄化システムであって、下流側領域に掘削された複数の井戸と、複数の井戸がそれぞれ互いに連通するように設けられた薬剤供給用の流路と、この流路と連通しており薬剤を収容するタンクとを備える浄化システムを提供する。
この浄化システムは、複数の井戸を流路によって連通させたことで、バリア層の形成又はその機能の維持のために薬剤を地中に注入する作業を行う際、各井戸から供給すべき薬剤の量を個別に制御しなくてもよいという利点がある。これにより、優れた性能を有するバリア層を効率的且つ安定的に形成することができ、汚染物質の拡散を十分に防止できる。
複数の井戸を連通する流路は、暗渠、配管又は溝を用いて構築することができる。流路の構造的安定性を維持するため、例えば、溝の中には砕石等を敷詰めることが好ましい。
また、本発明は、汚染された土壌を含む汚染領域を通過した地下水が到達する下流側領域において浄化用の薬剤を地中に供給して汚染拡大を防止する浄化方法であって、下流側領域に複数の井戸を掘削する工程と、複数の井戸がそれぞれ互いに連通するように薬剤供給用の流路を形成する工程と、流路に薬剤を注入することによって、当該流路及び複数の井戸を通じて地中に薬剤を供給する工程とを備える浄化方法を提供する。
この浄化方法によれば、流路によって互いに連通した複数の井戸を通じて薬剤を地中に供給することで、各井戸から供給すべき薬剤の量を個別に制御しなくても、優れた性能を有するバリア層を効率的且つ安定的に形成することができる。これにより、汚染物質の拡散を十分に防止できる。
本発明によれば、地中にバリア層を効率的に形成できるとともに、その性能を安定的に維持して汚染物質の拡散を十分に防止することが可能である。
本発明に係る浄化システムの好適な実施形態を示す模式断面図である。 微生物活性剤の注入に使用する井戸の一例を示す模式断面図である。 地中にバリア層を形成するのに好適な浄化システムの一例を示す模式断面図である。 図3に示す浄化システムの摺動部材が上方に移動している様子を示す模式断面図である。 井戸から薬剤が拡散する様子を示す模式図であり、(a)は自然地下水流れのみで薬剤を拡散させた場合の一例を示し、(b)は図3に示す浄化システムを利用して薬剤を拡散させた場合の一例を示す。 薬剤を含有するスラリーを地中に噴射して薬剤と土壌とを混合する様子を示す模式断面図である。 微生物活性剤の注入に使用する井戸の他の例を示す模式断面図である。
本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、汚染領域の近傍にバイオバリアを形成して汚染物質の分解処理を行って、その拡散防止を図るものである。
図1に示す浄化システム20は、汚染領域の近傍であって地下水の流れの下流側に掘削された複数の井戸10と、複数の井戸10がそれぞれ互いに連通するように設けられた流路15と、流路15と配管12で連通しており微生物活性剤を含む液を収容するタンク11とを備える。流路15は、井戸10と井戸10の間の表層部Gに透水性を有する材料を配置し、この中を流体が流れる構造とすることによって形成することができる。
流路15は、透水性を有する材料によって構築してもよいが、これの他に、暗渠、配管又は溝を用いて構築してもよい。流路の構造的安定性を維持するため、例えば、溝の中には砕石等を敷詰めることが好ましい。
浄化システム20は次のようにして構築することができる。まず、汚染領域の近傍であって地下水の流れの下流側に所定の深度(例えば、10〜20m)の掘削孔3を形成する(掘削工程)。なるべく少ない本数の井戸でバイオバリアを形成するには、汚染領域の地下水の流れ方向と直角方向に所定の間隔で並ぶように複数の井戸10を配置することが好ましい。
掘削孔3内にパイプ5を挿入する。パイプ5は、多数の貫通孔5aを有し、これらはパイプ5の内面から外面5Fにかけて貫通するように設けられている。パイプ5内の液体は、貫通孔5aを通じて外側に流出して地中へと供給される。掘削孔3の内面3Fとパイプ5の外面5Fとの間に砂を充填して井戸10が完成する(図2参照)。
井戸10は、土壌に生息する微生物を活性化させる薬剤(微生物活性剤)を地中に注入するために使用される。微生物活性剤は、微生物の栄養源となる有機酸を生じるが、地中において微生物活性剤から過剰の有機酸が生じると、pHが低下して微生物の活動が阻害される。このようなpH低下を抑制するため、掘削孔3の内面3Fとパイプ5の外面5Fとの間に砂と固体のpH緩衝材との混合物を充填して充填部8を形成してもよい。
砂と混合する固体のpH緩衝材としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどを例示できる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。固体のpH緩衝材を使用することにより、液体のものを使用した場合と比較してその効果が長期にわたって持続するという利点がある。なお、低コストで十分な効果が得られる点から、pH緩衝材として炭酸カルシウムを使用することが好ましい。炭酸カルシウムは、過剰にアルカリ性にならない観点からも好ましい。
充填部8の形成に使用する混合物を調製するにあたり、砂と固体のpH緩衝材と混合比率は、汚染物質の種類、汚染の程度及び使用するpH緩衝材の種類等に応じて適宜設定すればよい。例えば、砂の体積1mに対するpH緩衝材の配合量は3〜140kgであることが好ましく、10〜100kgであることがより好ましい。
上記のように、パイプ5の外側に固体のpH緩衝材を配置することにより、活性剤に含まれる酸や微生物による分解によって生じた酸が中和されてpHが過度に低下することを防止できる。かかる構成は、微生物の活動が阻害されるのを十分に抑制し、汚染領域の土壌及び地下水を安定的に浄化するのに有用である。
複数の井戸10を完成させた後、複数の井戸10が連通するように流路15を形成する。微生物活性剤を含む液を収容するタンク11から配管12及び流路15を通じて複数の井戸10に同時に微生物活性剤を供給する(薬剤供給工程)。微生物活性剤は、井戸10のパイプ5に設けられた多数の貫通孔5aを通じて地中に注入される。
薬剤供給工程においては、1種の微生物活性剤を単独で使用してもよく、2種以上の微生物活性剤を併用してもよい。例えば、2種の微生物活性剤を併用する場合、以下のように活性剤供給工程を2段階に分けて実施することが好ましい。まず、第1の活性剤を掘削孔から地中に供給する(第1活性剤供給工程)。その後、第2の活性剤を掘削孔から地中に供給する(第2活性剤供給工程)。このとき、第1の活性剤に含まれる微生物活性化成分は、第2の活性剤に含まれる微生物活性化成分よりも平均分子量が小さいことが好ましい。
上記のように2種の微生物活性剤を併用する方法は、土壌汚染の発生後、早期に浄化処理を行って汚染拡大を防止する場合に特に有用である。すなわち、微生物による汚染物質分解は、微生物活性剤から発生する水素が関与する。第1の活性剤(低分子タイプ)は、多量の水素が短時間のうちに発生するため、生じた水素の一部が地盤に含まれる硫酸イオンの分解などに消費されても、過剰に発生した水素によって微生物が汚染物質を分解することができる。
第1活性化剤供給工程後に使用する第2の活性剤(高分子タイプ)は、低分子タイプと比較すると少ない量の水素が持続的に発生するという特長を有する。第1活性剤供給工程後にあっては、地盤に含まれる硫酸イオンなどの成分が既に十分に分解された状態とすることができる。この状態となった段階で第2活性化剤供給工程を実施することで、第2の活性剤から生じた水素が微生物による汚染物質の分解に効率的に消費される。上記の通り、高分子タイプは、効果が持続するという特長を有するため、微生物活性剤の供給作業の頻度を低くできるという利点がある。
第1の活性剤(低分子タイプ)の具体例としては、乳酸、グルコース、エタノール、グリセロール、酢酸、酪酸、プロピオン酸、蟻酸、ソルビトール、オリゴ乳酸、シュークロースなどの成分を1種又は2種以上含有するものが挙げられる。第2の活性剤(高分子タイプ)の具体例としては、ポリ乳酸、植物油、エマルジョン油、高級脂肪酸などの成分を1種又は2種以上含有するものが挙げられる。
浄化システム20及びこれを用いた浄化方法によれば、流路15によって互いに連通した複数の井戸10を通じて薬剤を地中に供給することで、各井戸10から供給すべき薬剤の量を個別に制御しなくても、優れた性能を有するバリア層を安定的に形成することができる。バリア層が形成された領域において、土壌に生息する微生物が活性化されるため、汚染領域を通過した地下水に含まれる汚染物質をバリア層で十分に分解処理することができる。
次に、図3〜5を参照しながら、複数の井戸10から適量の微生物活性剤を供給して地中に効率的にバイオバリアを形成する浄化システムについて説明する。なお、以下の浄化システムの1種又は2種以上の構成を上述の浄化システム20に適用し、かかる構成を具備した浄化システムを用いて浄化処理を実施してもよい。
図3,4に示す浄化システム30は、井戸10の底を上下に移動させる機構を有し、漏れのないバリア層を地中に安定的に形成するためのものである。浄化システム30は、汚染領域の地下水流れの下流側に掘削された掘削孔3と、掘削孔3内に設置され、掘削孔3の底部から開口部まで延在するパイプ6と、パイプ6の上部に形成されており、パイプ6の外面から内面に向けて貫通する複数の貫通孔6aと、パイプ6の貫通孔6aが形成されていない区間において、上下方向に移動自在に設けられた摺動部材7と、摺動部材7を上下方向に移動させる駆動手段21と、摺動部材7よりも下方のパイプ6内にガスを供給するガス供給手段23とを備える。摺動部材7は、棒状部材24を介して駆動手段21と接続されており、上下方向に移動する井戸底をなす。
摺動部材7上には、固体又は高粘度の微生物活性剤18を載置できるようになっている。摺動部材7上の微生物活性剤18は徐々に地下水に溶解する。なお、微生物活性剤18は、不織布やネットや等に収容した状態でパイプ6内に設置してもよい。
高分子タイプの微生物活性剤などの薬剤は、地下水に少しずつ溶解する。このような薬剤を井戸10内に添加し、これを地下水の流れのみで地中に拡散させようとした場合、薬剤は主に地下水の流れ方向Fに主に拡散し、これと垂直な方向に拡散せず、隣接する井戸10との間に薬剤が存在しない領域が形成されやすい(図5(a)参照)。これに対し、浄化システム30によれば、摺動部材7を上方に移動させることで、パイプ6内の液面Lを自然水位Wよりも高くすることができる。薬剤の液の水頭圧を高くすることで、地下水流れ方向Fと垂直方向にも動水勾配が発生し、地下水の流れ方向F以外の方向にも薬剤を拡散させることができる(図5(b)参照)。これにより、比較的少ない本数の井戸で十分な機能を有するバリア層を形成できる。
自然地下水流れの動水勾配が1cm/m程度である場合、摺動部材7を数m上昇させることで、自然地下水流れより大きな勾配が生じ、地下水の流れ方向と垂直方向に薬剤を流すことができる(図4参照)。井戸10内の水が減少した場合には、摺動部材7を下げることで、地下水上流側から井戸10内に水が流入する。摺動部材7の上記のような上下動を連続的又は一定時間ごとに実施することで、持続的に自然地下水流れに対して横方向への流れを、局所的に生じさせることができる。
なお、複数の井戸から所定の圧力で薬剤を圧入し続ければ、地中において薬剤が拡散して広範囲にわたるバリア層を形成できる。しかし、この場合、薬剤の持続的な圧入によって当該領域の圧力が上昇したのでは、バリア層を迂回するように地下水が流れてしまって汚染が拡散するおそれがある。これに対し、浄化システム30を用いた方法では、地盤に新たに注水しないので、汚染地下水がバリア層を迂回して流れることはない。また、地下水を汲み上げたりしないので水処理の必要性もない。
摺動部材7を上方に移動させる速度を下方に移動させる速度よりも高くすることが好ましい。摺動部材7を上昇させる速度を高くすることでパイプ6内の液の水頭圧を速やかに高くできる。一方、摺動部材7を下降させる速度を低くすることで、摺動部材7を上昇させたことによって井戸10の外側に広がった薬剤がパイプ6内へ急激に戻る流れを抑制できる。これに加え、井戸10の上流側から流れてくる地下水をパイプ6内に流入させることができ、井戸10内の液面Lを回復(上昇)させることができる。
摺動部材7を上方に移動させる際、ガス供給手段23によって摺動部材7よりも下方のパイプ6内に窒素ガスを供給するとともに、摺動部材7を下方に移動させる際、供給した窒素ガスを回収することが好ましい。パイプ6内にガスを供給することにより、パイプ6内が負圧になるのを防止できる。また、窒素ガスを回収して再利用することにより、運転コストを削減できる。なお、活性化すべき微生物が嫌気性菌である場合には酸素を含まないガス(例えば、窒素ガス)を使用することが好ましいが、好気性菌である場合には酸素を含むガス(例えば、空気)を使用してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、バイオバリアを形成して汚染物質の分解処理及び拡散防止を行う場合を例示したが、バリア層はバイオバリアに限定されるものではない。例えば、酸性物質で汚染された土壌を中性化するためのバリア層を中和剤によって形成してもよい。
また、上記実施形態においては、好適例として掘削孔3の内面3Fとパイプ5の外面5Fとの間にpH緩衝材を配置する場合について説明したが、掘削孔3を形成する前にその領域の土壌とpH緩衝材との混合する混合工程を実施してもよい。図7に示す井戸50は上記混合工程が実施された領域に形成されたものである。
図6に示す混合装置60は、固体のpH緩衝材を含有するスラリーを収容するタンク61と、このスラリーを昇圧するポンプ63と、昇圧されたスラリーを地中に噴射するための噴射管65とを備える。噴射管65の先端部にはスラリージェットJsを形成するためのノズルが設けられている。噴射管65を所定の深さにまで挿入した後、噴射管65を回転させるとともにスラリーを噴射しながら、噴射管65を一定の速度で引き上げる。これにより、所定の領域の土壌とpH緩衝材とを混合できる。
混合工程では、固体のpH緩衝材として、上記実施形態において例示したものを使用できる。土壌の体積1mに対するpH緩衝材の配合量は3〜140kgであることが好ましく、10〜100kgであることがより好ましい。
混合工程後、pH緩衝材と土壌とを混合した領域に掘削孔53を形成する。その後、図7に示す通り、多数の貫通孔55aを有するパイプ55を掘削孔53内に挿入するとともに、掘削孔53の内面53Fとパイプ55の外面55Fとの間に、砂及び固体のpH緩衝材を含有する混合物を充填する。なお、pH緩衝材を含有する混合物を使用せず、単に砂を充填してもよい。
上記のように、井戸10の外側に固体のpH緩衝材を配置することにより、活性剤に含まれる酸や微生物による分解によって生じた酸が中和されてpHが過度に低下することを防止できる。かかる構成は、微生物の活動が阻害されるのを十分に抑制し、汚染領域の土壌及び地下水を安定的に浄化するのに有用である。
3…掘削孔、10…井戸、11…タンク、12…配管、15…流路、20…浄化システム。

Claims (5)

  1. 汚染された土壌を含む汚染領域を通過した地下水が到達する下流側領域において浄化用の薬剤を地中に供給して汚染拡大を防止する浄化システムであって、
    前記薬剤が酸を含む微生物活性剤、あるいは、微生物による分解によって酸を生じる微生物活性剤であり、
    前記下流側領域に掘削された複数の井戸と、
    前記複数の井戸がそれぞれ互いに連通するように設けられた薬剤供給用の流路と、
    前記流路と連通しており前記薬剤を収容するタンクと、
    を備え、
    前記井戸は、掘削孔と、前記掘削孔に挿入され且つ多数の貫通孔を有するパイプと、前記掘削孔の内面と前記パイプの外面との間に砂と固体のpH緩衝材との混合物を充填してなる充填部とを有し、前記掘削孔を形成する工程と、前記掘削孔内に前記パイプを挿入する工程と、前記掘削孔の内面と前記パイプの外面との間に砂と固体のpH緩衝材との混合物を充填する工程とを経て形成されたものであることを特徴とする浄化システム。
  2. 前記流路は、前記複数の井戸をそれぞれ互いに連通するように設けられた暗渠によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の浄化システム。
  3. 前記流路は、前記複数の井戸をそれぞれ互いに連通するように設けられた配管によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の浄化システム。
  4. 前記流路は、前記複数の井戸をそれぞれ互いに連通するように設けられた溝によって形成されており、当該溝には砕石が敷詰められていることを特徴とする請求項1に記載の浄化システム。
  5. 汚染された土壌を含む汚染領域を通過した地下水が到達する下流側領域において浄化用の薬剤を地中に供給して汚染拡大を防止する浄化方法であって、
    前記薬剤が酸を含む微生物活性剤、あるいは、微生物による分解によって酸を生じる微生物活性剤であり、
    前記下流側領域に複数の井戸を掘削する工程と、
    前記複数の井戸がそれぞれ互いに連通するように薬剤供給用の流路を形成する工程と、
    前記流路に薬剤を注入することによって、当該流路及び前記複数の井戸を通じて地中に前記薬剤を供給する工程と、
    を備え、
    前記井戸は、掘削孔と、前記掘削孔に挿入され且つ多数の貫通孔を有するパイプと、前記掘削孔の内面と前記パイプの外面との間に砂と固体のpH緩衝材との混合物を充填してなる充填部とを有し、前記掘削孔を形成する工程と、前記掘削孔内に前記パイプを挿入する工程と、前記掘削孔の内面と前記パイプの外面との間に砂と固体のpH緩衝材との混合物を充填する工程とを経て形成されることを特徴とする浄化方法。
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