JP6102988B2 - 断熱容器 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱容器に関し、さらに詳しくは強度及び断熱性を備えた2重紙カップの断熱容器に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「LDPE」は「低密度ポリエチレン」、「L−LDPE」は「直鎖状低密度ポリエチレン」、「MDPE」は「中密度ポリエチレン」、「HDPE」は「高密度ポリエチレン」、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「ON」は「2軸延伸ポリアミド」、「OPP」は「2軸延伸ポリプロピレン」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(背景技術)従来、熱湯を注ぎ可食化するインスタント食品、加温された飲料や、電子レンジで加熱する食品や飲料等を入れる容器では容器の側壁部が熱くなって、手で持っての食事や移動時には落下やこぼす危険性があり、断熱性や、手で持てる強度が必要である。このために、インスタントラーメン等の容器としては、成型性および断熱性に優れ且つ製造が簡単で安価な発泡ポリスチレン製の容器や、プラスチックフイルムからなる2重容器が使用されている。しかしながら、最近ではプラスチック容器の衛生面および廃棄時の公害が問題となり、プラスチック製のインスタント食品容器の使用をひかえて、断熱性の紙容器に切り換える傾向が広がりつつある。断熱性の紙容器としては、扇形状のブランク板を筒状に巻いて左右の側端部を接着して円筒状の周壁を構成し、円筒状の周壁の下端縁に円形の底壁を接着した後に上部に外向きのカール部を形成した構成の紙カップからなり、紙カップの周壁の外面に波状の凹凸を形成した断熱カバーを貼着したもの、更に、その外面に外面紙を貼着したもの等が知られているが、前記のものは表面に凹凸が形成されているために印刷効果が劣り外観がよくないという欠点があり、後者のものは印刷効果はよいが周壁が3層構成となるために高価になるという欠点があった。従って、断熱容器は、断熱性、強度、衛生性、廃棄性、意匠性、さらに製造の容易性、安価であることが求められている。
実用新案登録第2571797号公報 実用新案登録第2573020号公報
(従来技術)従来、開口縁に外向カール部を有する紙カップ本体の側壁全体の外周に、下端縁に内向カール部を有する外筒を接着して一体化した構成の断熱紙カップが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、紙カップ本体と外筒を接着して一体とする際に、紙カップ本体と外筒の接触する面積が小さいので接着しにくいという問題点があり、また、紙カップ本体の側壁と外筒の間に形成される空隙が上部ほど小さくなるため、上部にゆくにつれて断熱性が低下するという欠点がある。また、本出願人は、紙カップ本体と、上下共に開口しており紙カップ本体における胴部外周に押し込まれて嵌挿された板紙製の外筒とからなり、外筒は上部が円形状であると共に下部が多角形状をした折畳み式のものであって、紙カップ本体に嵌挿された時にその上端近傍において紙カップ本体における胴部外周の上部に密着していると共に下端近傍においては多角形の各辺の中心部で紙カップ本体における胴部外周の下部に密着しており、外筒の下部における多角形の角部により断熱空間が形成されていることを特徴とする断熱紙カップを開示している(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、上端部が円形状のために、強度が低く手で持つと変形したり、上端部の断熱性が不足して容器の側壁部が熱くなったりして、保持し難く、落下やこぼし易いという欠点がある。
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、断熱性、強度、衛生性、廃棄性、意匠性、さらに製造の容易性、安価であることを備えた2重紙カップの断熱容器を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係わる断熱容器は、外側にカールするトップカール部と胴部と糸尻部とを有する逆円錐台形の紙カップ本体と、前記紙カップ本体の胴部外周に押し込まれて嵌挿された紙製の外筒体とから構成され、前記外筒体の上端部が前記紙カップ本体のトップカール部と胴部外周との間へ嵌挿され、かつ前記外筒体の上端部の裏側と前記紙カップ本体の胴部外周との間が接着されてなり、前記嵌挿されてなる上端部のみが円形状で、上端部を除く胴部及び下端部が多角形状をしてなり、前記外筒体の多角形の下端部の1辺毎に折り返し片が延設され、かつ前記折り返し片内側に折り返され前記折り返し片の先端部が、下端部近傍における多角形の各辺の中心部で前記紙カップ本体の胴部外周の下部へ密着しており、前記外筒体の多角形のすべての稜線には罫線が設けられ、該罫線の少なくとも複数には前記外筒体の上端から下端までの間に罫線が設けられており、前記外筒体の胴部及び下端部における多角形の角部により断熱空間が形成され、上記外筒体の稜線に設けられた罫線の少なくとも複数が前記外筒体の上端の1〜10mm下方から前記外筒体の下端までの間のみに罫線が設けられ、かつ、上記外筒体の下端部における多角形の角部が内側へ折り込んでなり、かつ、前記折り返し片が、前記紙カップ本体の胴部に接着されていないことを特徴とする断熱容器である。
請求項1の本発明によれば、紙カップ本体の胴部と外筒体自身による断熱作用に加えて、外筒体の多角形の角部により外筒体と紙カップ本体との間に空間による断熱作用で、より高い断熱効果を発現する。また、外筒体の多角形の角部により、外側温度が上昇せず、かつ強度も保たれるので、容易に手で持つことができる。さらに、外筒体の上端部が紙カップ本体のトップカール部と胴部外周との間へ嵌挿され、かつ紙カップ本体のトップカール10mm当りの胴部で接着され、また、外筒体の多角形の下端部の1片毎に折り返し片が内側に折り返されて、紙カップ本体の下部へ密着しているので、外筒体が紙カップ本体から外れ難い。さらにまた、衛生性、廃棄性、意匠性、さらに製造の容易性、安価であるという効果を奏する。
請求項1の本発明によれば、上記の効果に加えて、外筒体の上端部を紙カップ本体のトップカール部と胴部外周との間へ嵌挿する際に、外筒体の上端部が円形なので、容易に嵌挿できて製造しやすいという効果も奏する。
請求項1の本発明によれば、上記の効果に加えて、外筒体の下端部における多角形の角部が内側へ折り込むことで、重ね合せしやすく、所謂スタッキング性がよくなって、空容器の保存や輸送時に空間を取らないという効果も奏する。
本願発明の1実施例を示す断熱容器の斜視図である。 図1の紙カップ本体の1実施例を示す斜視図である。 図1の外筒体の1実施例を示す斜視図である。 図1の外筒体の他の実施例を示す斜視図である。 図3の外筒体を展開したブランクの1実施例を示す平面図である。 図4の外筒体を展開したブランクの1実施例を示す平面図である。 図1の外筒体を展開したブランクの1実施例を示す平面図である。 図1の中央部での切断図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(断熱容器)本願発明の断熱容器10は、図1に示すように、紙カップ本体20と外筒体30とからなる2重紙カップである。外筒体30の上端部が紙カップ本体20のトップカール部27と胴部25外周との間へ嵌挿され、この間が接着されている。よって、嵌挿されてなる上端部のみが紙カップ本体20のトップカール部27に沿って円形状となり、外筒体30の上端部30Aを除く胴部30B及び下端部30Cは多角形状をしている。
(紙カップ本体)紙カップ本体20は、図2に示すように、外側にカールするトップカール部27と胴部25と糸尻部26とを有する逆円錐台形の紙カップである。
紙カップ本体20を構成する素材としては、カップ原紙の少なくとも内面に熱可塑性樹脂層を積層した構成のものが使用される。熱可塑性樹脂層は両面にあってもよい。カップ原紙の厚さとしては、形状、大きさ等にもよるが目付200〜300g/m2程度の範囲
で選定するのが好ましい。
熱可塑性樹脂層としてはポリエチレン系樹脂が好ましく、例えばLDPE、L−LDPE、MDPE、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、ポリエチレン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などが例示でき、必要に応じて、適宜添加剤を加えても良い。又はLDPE/MDPE/LDPE、LDPE/HDPE/LDPEからなる多層構成のものが使用される。また、必要に応じて、PET、ON、OPPなどの強度のあるプラスチックフィルム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び/又はアルミニウムなどの蒸着層、アルミニウム箔などの酸素及び又は水蒸気バリアー性の材料をカップ原紙の片面又は両面に積層してもよい。紙カップ本体を構成する積層体の具体的な構成例としては、カップ原紙280〜300g/低密度ポリエチレン25〜40μである。
紙カップ本体20の胴部25には強度の補強や外筒体30との空間をかせぐために、凹又は凸状のリム(溝)を設けたり、湯を注ぐ位置を示す目安線(ピーター線)を設けてもよい。
(外筒体)外筒体30は、図5、6に示すように、外筒体30を展開したブランク31では、多角形のすべての稜線部分には罫線aが、下端部30Cには罫線bが、端部には糊代35が設けられている。また、外筒体30の多角形の下端部の1辺毎に、罫線bを介して、折り返し片33が延設されている。図5では外筒体30の上端から下端までの間に罫線aが設けられ、図6では罫線aの少なくとも複数には外筒体30の上端30Aの1〜10mm下方から外筒体30の下端30Cまでの間のみに罫線が設けられている。ブランク31を糊代35で筒状とすると、図3、4に示すようになり、折り返し片33が罫線bで内側に折り返されて、外筒体30の上端部30Aを除く胴部30B及び下端部30Cが多角形状となる。この外筒体30が紙カップ本体20へ嵌挿されると、外筒体30の下端部近傍における多角形の各辺の中心部で紙カップ本体20の胴部25外周の下部へ密着し、外筒体30の胴部30B及び下端部30Cでは多角形が形成され、その角部により断熱空間50が形成される。図6のように、罫線aが上端30Aの1〜10mm間に罫線がないと、外筒体30の上端部を紙カップ本体20のトップカール部と胴部外周との間へ嵌挿する際に、外筒体30の上端部が円形なので、容易に嵌挿できて製造しやすい。
外筒体30を構成する素材としては、特に限定されるものではないが、コートボール、マニラボール、アイボリー、カード紙、片つやクラフト紙等の表面が平滑な板紙が使用される。厚さは目付200〜400g/m2程度、好ましくは目付200〜300g/m2程度である。必要に応じて、外面に商品名や使用方法などの印刷絵柄、保護層、保護フィルムなどを設けたり、ラベルなども貼付してもよい。
(製造方法)断熱容器10の製造工程は、(1)紙カップ本体20を用意する紙カップ製造工程と、(2)外筒体30を展開したブランク31を用意するブランク製造工程と、(3)ブランク31を筒状にする筒状化工程と、(4)折り返し片33を内部へ折り返す折り返し工程と、(5)紙カップ本体20を嵌挿する嵌挿工程と、から構成される。
(紙カップ製造工程)第1工程は(1)紙カップ本体20を用意する紙カップ製造工程である。図2に示すような公知の紙カップを、公知の製造方法で製造すればよい。素材、容量、直径、高さは内容物に合わせて適宜選択すればよい。
(ブランク製造工程)第2工程は(2)外筒体30を展開したブランク31を用意するブランク製造工程である。平板状や巻取状の外筒体30の素材へ、必要に応じて、外面へ印刷、保護層、保護フィルムなどを設けた後に、公知の打ち抜き法で、ブランク31とする。ブランク31は、図1に示すように、紙カップ本体20へ嵌挿されて上端部30Aがトップカール部27に沿って円形状となり、上端部30Aを除く胴部30B及び下端部30Cは多角形状となるような扇形のブランクとする。糊代35は扇形のブランクの一方の面へ適宜設ければよい。さらに、多角形状の角数に応じた数で、稜線を形成する予定の罫線aと、下端部30Cにおける多角形の下端部の1辺毎に罫線bを介して、多角形状の角数に応じた数の折り返し片33を延設する。
稜線を形成する予定の罫線aは、図5のように、ブランク31の上端から下端までの間に罫線aが設ける。この場合には胴部25の外周には断熱空間50である角部が形成されているので、断熱性と強度があり、手で持ちやすい。又は、図6のように、罫線aの少なくとも複数には、外筒体30の上端部30Aの1〜10mm下方から下端部30Cまでの間に設ける。この範囲を超えては、断熱空間50が形成されている角部を手で持つことが出来ず、熱くて手で持ちにくく、また、円形部を持つので強度も低い。罫線aは外筒体30の上端部30Aの5〜10mm下方から下端部30Cまでの間に設けることが好ましい。上端部30A、下端部30C及び糊代35などの寸法は、紙カップ本体20へ嵌挿されて円形状となり、下端部30Cが多角形状となるように、紙カップ本体20の寸法に準じて決定すればよい。
折り返し片33は隣り合う罫線aの延長線に沿って切り離されている。折り返し片33は罫線bを支点に内側へ折り返した際に、下端部30C近傍における多角形の各辺の中心部で紙カップ本体20の胴部外周の下部へ密着するように、紙カップ本体20の寸法に準じて決定すればよい。折り返し片33の折り返し長さは3〜50mm程度、好ましくは5〜20mmである。この範囲を超えても性能は同様で材料の無駄であり、この範囲未満では折り返し難く、製造に難がある。
また、ブランク31は、図7に示すように、上端部30Aの1〜10mmに切れ目を設けてもよく、切れ目は切れ目線又はV字切れ目が好ましい。紙カップ本体20へ嵌挿されて上端部30Aがトップカール部27に沿って円形状となりやすく、切れ目によって、外筒体30の上端部が紙カップ本体20のトップカール部27と胴部25外周との間へ沿って嵌挿され易くなる。
(筒状化工程)第3工程は(3)ブランク31を筒状にする筒状化工程である。筒状化工程は、(1)外筒体30に内接する金型マンドレルを作成し、ブランク31の糊代35へ糊を塗布した後に、マンドレルへ巻き付けて圧着して筒状とする工程でも、(2)ブランク31の糊代35へ糊を塗布した後に、観音折りし圧着する所謂サック貼りによって筒状とする工程でもよい。サック貼りの場合には、2本の罫線、例えば、8角形の場合には第2番目と第6番目の2本の罫線を上端部30Aまで延長しておく。奇数角形の場合には観音折り用の罫線を追加すればよい。糊は特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニール系樹脂、アクリル系樹脂などのエマルジョン系の糊が例示できる。
(折り返し工程)第4工程は(4)折り返し片33を内部へ折り返す折り返し工程である。マンドレル方式の場合は筒状であるが、サック貼りの場合は折り畳んだ状態から筒状にしてから、折り返し片33を罫線bを支点に内側へ機械的に折り返せば、図3に示すような外筒体30となる。折り返し片33は折り返したままで、外筒体30の裏面と接着はさせない。
(嵌挿工程)第5工程は(5)紙カップ本体20を嵌挿する嵌挿工程である。折り返し工程で折り返し片33を折り返したままの状態で、事前に用意した紙カップ本体20の胴部25外周の上部または外筒体の内側へ接着剤を塗布し、外筒体30の上端部30A側から挿入し、嵌挿すればよい。外筒体30の上端部が紙カップ本体20のトップカール部27と胴部25外周との間へ嵌挿され、しかも、接着剤によって、胴部25外周と外筒体30の裏面との間が接着されて固定されて、本願発明の断熱容器10となる。このようにすることで、嵌挿されてなる上端部30Aのみが紙カップ本体20のトップカール部27に沿って円形状となり、外筒体30の上端部30Aを除く胴部30B及び下端部30Cは多角形状となる。即ち、外筒体30の胴部30B及び下端部30Cにおける多角形の角部は、紙カップ本体20から浮き上がって断熱空間50が形成される。
接着剤としては、筒状化工程と同様に、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニール系樹脂、アクリル系樹脂などのエマルジョン系の糊が例示できる。接着剤の塗布は、紙カップ本体20のトップカール部27の外周に沿って5mm幅とした。接着剤の塗布幅は2〜30mm幅程度、好ましくは5〜10mm幅である。この範囲を超えると空間が減って断熱性が低下し、この範囲未満では接着力が不足する。
従来の2重カップでは上端部が円形状のために強度が低いが、本願発明の断熱容器10ではカップの上端の直下まで多角形の断熱効果のある角部が設けられ、紙カップ本体20から浮き上がって断熱空間50が形成された角部は、外側温度が上昇しにくく容易に手で持つことができ、かつ、角部により強度もあるので、手で持っても変形したりせず、保持し難く、落下やこぼし難い。
(折り返し工程&嵌挿工程)第4工程の折り返し工程と、第5工程の嵌挿工程とは、同時に行うことが好ましい。即ち、紙カップ本体20の糸尻部の直径よりわずかに大きい筒状部品を、外筒体30の下部から押し上げて、すべての折り返し片33を折り返しながら、上昇させる。次に、筒状部品の先端に接続されている吸着手段で、胴部25外周の上部に接着剤が塗布された紙カップ本体20の底面を吸着したまま、下降させることで、外筒体30へ紙カップ本体20が嵌挿される。筒状部品は糸尻部の直径よりわずかに大きいので、上昇の際に既に折り返してある折り返し片33があっても、さらに折り返し片33の反発力があっても、紙カップ本体20を容易に嵌挿することがきる。
図8は断熱容器10を中央部で切断した断面図である。即ち、紙カップ本体20へ外筒体30が嵌挿されており、内側に折り返された外筒体30の折り返し片33の先端部は、多角形の各辺の中心部で紙カップ本体20の胴部25外周の下部の密着点40で密着している。このようにすることで、上端部30Aはトップカール部27に沿って略円形状となり、上端部30Aを除く胴部30B及び下端部30Cが多角形状をしているので、外筒体30の胴部30B及び下端部における多角形の角部により断熱空間50が形成される。
(スタッキング性)断熱容器10は紙カップ本体20のみと比較して、胴部の直径が大きく、特に下部の直径が大きくなるので、カップを重ねて積み重ねる所謂スタッキング性が悪くなって、空容器の保存や輸送時に空間を取るとう欠点がある。しかしながら、本願発明の断熱容器10では、外筒体30の下端部30Cにおける多角形の角部が内側へ折り込めば、重ね合せしやすく、所謂スタッキング性がよくなるので、空容器の保存や輸送時に空間を取らないという効果も奏する。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例1)紙カップ本体20の素材としては目付け280g/m2のカップ原紙に厚
さが25μmのLDPEを積層した積層体を用い、内容量460ml、高さ107.5mm、上端部直径95.5mm、底部直径64.6mmの公知のカップ製造方法で、紙カップ本体20とした。外筒体30の素材としては目付け350g/m2のコートボール紙を
用いて、外面へ絵柄及びOP層を印刷したものを用いた。
罫線aを、図6に示す8角形で、罫線aのうち第1、第3、第4、第5、第7及び第8の罫線は、外筒体30の上端部30Aの10mm下方から下端部30Cまでの間に設け、第2及び第6の罫線は、外筒体30の上端部30Aから下端部30Cまでの全体に設け、折り返し片33の長さは10mmとした。
ブランク31の糊代35へ酢酸ビニール系エマルジョン糊を塗布し、筒状となるように圧着して外筒体30とした。
外筒体30の折り返し片33を内側へ折り返した状態で、先に用意した紙カップ本体20の胴部25外周の上部へ酢酸ビニール系エマルジョン糊を塗布し、外筒体30の上端部30A側から挿入して、圧着して実施例1の断熱容器10を得た。
(実施例2)ブランク31のすべての罫線aを外筒体30の上端部30Aから下端部30Cまでの全体に設ける以外は、実施例1と同様にして、実施例2の断熱容器10を得た。
(実施例3)図7に示すように、すべての罫線aを、外筒体30の上端部30Aの5mm下方から下端部30Cまでの間に設け、外筒体30の上端部30Aから上端部30Aの5mmまでの間にはV字切れ目を設け、V字の間隙は1mmとする以外は、実施例1と同様にして実施例2の断熱容器10を得た。
(実施例4)V字切れ目を、単に切れ目とする以外は、実施例2と同様にして実施例3の断熱容器10を得た。実施例2及び実施例3の共に、外筒体30の上端部が紙カップ本体20のトップカール部27と胴部25外周との間へ、重なり、シワもなく、綺麗に嵌挿されていた。
(比較例1)実施例1と同じ内容量で、逆円錐台形の紙カップ本体と、前記紙カップ本体の胴部の外面に取り付けられた下端縁に内向カール部が形成された逆円錐台形の外筒体とからなり、前記紙カップ本体の上端縁と前記外筒体の上端縁とを重ね合わせて外向カール部を形成することにより前記紙カップ本体と前記外筒体を固定した構成からなる比較例1の断熱容器を得た。なお、紙カップ本体と外筒体の素材は実施例1と同じものを用いた。
(評価・断熱性)断熱性は、実施例1と比較例1の断熱容器10へ、90℃のお湯を内容量395mlを注ぎ入れて、室温23℃下に放置して、断熱容器10の底から30mmの部分の外側胴部のカップの表面温度変化、及びお湯の温度変化を測定し、その結果を表1に示す。比較例1ではカップの表面温度が3分後に62.8℃もあり、手では連続して保持するのが難しいが、実施例2では3分後には59.0℃と低下しており、手で保持できた。10分後には差が減少するが、例えば、インスタントラーメンであれば、3分後に食用できるようになるので、大きな利点である。なお、実施例2、3、4でも、断熱容器10の底から30mmの部分の外側胴部のカップの表面温度変化、及びお湯の温度変化を測定したところ、ほぼ同じであった。
Figure 0006102988
(評価・胴強度)紙カップ本体20のトップカール部27は円形となるが、直下部分から下部には多角形が形成されており、強度も保たれているので、容易に手で持つことができる。カップの上部を手で持ったところ、比較例1では柔軟で保持し難かったが、実施例1〜4では強度があり、手で保持し易く、落下やこぼす危険性が低かった。
(評価・スタッキング性)実施例2の断熱容器10では重ね合わせのピッチが34.7mmであったが、実施例2の断熱容器10の外筒体30の下端部における多角形の角部を内側へ折り込んだところ、重ね合わせのピッチが最大で24.8mmまで減少し、大幅にスタッキング性が改良された。25ケ重ねると約84cmが、約60cmと大幅に収納し易くなった。
(産業上の利用可能性)本発明は、熱湯を注ぎ可食化するインスタント食品、加温された飲料や、電子レンジで加熱する食品や飲料等を入れる容器などに利用することができる。しかしながら、断熱性を必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。
10:断熱容器
20:紙カップ本体
30:外筒体
25:胴部
26:糸尻部
27:トップカール部
30A:上端部
30B:胴部
30C:下端部
35:糊代
40:密着点
50:断熱空間
a、b:罫線

Claims (1)

  1. 外側にカールするトップカール部と胴部と糸尻部とを有する逆円錐台形の紙カップ本体と、前記紙カップ本体の胴部外周に押し込まれて嵌挿された紙製の外筒体とから構成され、前記外筒体の上端部が前記紙カップ本体のトップカール部と胴部外周との間へ嵌挿され、かつ前記外筒体の上端部の裏側と前記紙カップ本体の胴部外周との間が接着されてなり、前記嵌挿されてなる上端部のみが円形状で、上端部を除く胴部及び下端部が多角形状をしてなり、前記外筒体の多角形の下端部の1辺毎に折り返し片が延設され、かつ前記折り返し片内側に折り返され前記折り返し片の先端部が、下端部近傍における多角形の各辺の中心部で前記紙カップ本体の胴部外周の下部へ密着しており、前記外筒体の多角形のすべての稜線には罫線が設けられ、該罫線の少なくとも複数には前記外筒体の上端から下端までの間に罫線が設けられており、前記外筒体の胴部及び下端部における多角形の角部により断熱空間が形成され、上記外筒体の稜線に設けられた罫線の少なくとも複数が前記外筒体の上端の1〜10mm下方から前記外筒体の下端までの間のみに罫線が設けられ、かつ、上記外筒体の下端部における多角形の角部が内側へ折り込んでなり、かつ、前記折り返し片が、前記紙カップ本体の胴部に接着されていないことを特徴とする断熱容器。
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