JP6102956B2 - 車両の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源としてエンジン及びモータを備えた車両の駆動装置に関する。
近年、駆動源としてエンジン及びモータを備えたハイブリッド車の実用化等に伴い、車両の駆動装置として種々のものが提案され或いは実用化されている。
例えば、特許文献1には、駆動源としてエンジン及びモータを備えたフロントエンジン・フロントドライブ方式(FF式)のハイブリッド車において、前記モータが一方の車軸上に配設された構造が開示されている。このハイブリッド車において、モータの出力は、該モータに隣接して車軸上に配設されたプラネタリギヤ機構からなる減速機を介して差動装置の入力部であるデフケースに伝達される。
かかる駆動装置によれば、エンジンが停止された状態でモータが駆動されると、モータの動力が減速機、差動装置及び車軸を介して駆動輪に伝達されることで、モータ走行が行われる。また、エンジンの駆動中にモータが駆動されると、デフケースにおいて、エンジンから変速機を介して伝達される動力に、モータから減速機を介して伝達される動力が統合されることで、モータによるトルクアシストが行われ、デフケースで統合された動力が車軸を介して駆動輪に伝達される。
特開2011−031761号公報
ところで、エンジン自動車には、エンジンを始動させるための始動装置が搭載され、通常、この始動装置では、エンジンのクランク軸に固定されたドライブプレート又はフライホイールの外周に始動用のリングギヤが設けられ、これに噛み合うピニオンギヤが、エンジンの近傍に配設されたスタータモータの出力軸に設けられる。
一般に、かかる始動装置のピニオンギヤに対するリングギヤのギヤ比は、例えば15程度の大きな値とされることから、スタータモータの出力トルクは十分に増大されてクランク軸に伝達される。そのため、エンジンの冷間時や、高圧縮比タイプのエンジン等の大きなクランキングトルクを要する場合においても、小型のスタータモータによって確実にエンジンを始動させることができる。
一方、ハイブリッド車では、上記スタータモータの代わりに車両駆動用モータを用いてエンジンの始動を行うことが検討ないし一部で実用化されている。
例えば、エンジンと変速機との間においてクランク軸と同軸上に車両駆動用モータが配置され、クランク軸とモータの出力軸とが例えばクラッチを介して連結されるタイプのハイブリッド車では、エンジンの停止中において車両駆動用モータによってクランク軸を回転駆動することで、エンジンを始動することが可能である。
しかしながら、この種のハイブリッド車では、車両駆動用モータの出力が減速されることなくクランク軸に伝達されるため、エンジンの冷間時や高圧縮比エンジン等の場合にも該モータの動力によってエンジンを始動させるためには、駆動用としては必要以上に大出力のモータが必要となるため、駆動装置の大型化及びエネルギ消費量の増大を招くことになる。
また、この種のハイブリッド車において、クランク軸とモータの出力軸との間にプラネタリギヤ機構等からなる減速機を追加することで、該減速機によってモータの出力トルクを増大させることが考えられるが、この場合、エンジン、クラッチ、減速機、モータ及び変速機が軸方向に並べて配置されることになるため、駆動装置全体が軸方向に更に大型化し、車両への搭載性が悪くなる。
したがって、従来、この種のハイブリッド車では、例えば、暖機が完了したアイドルストップ状態でエンジンを再始動させる場合のように、低トルクでエンジンを始動可能である状況に限って車両駆動用モータがエンジンの始動に用いられ、その他の状況でのエンジンの始動には、別途搭載された専用のスタータモータが用いられるのが通例である。
また、特許文献1に開示されているように車軸上に配置された車両駆動用モータの動力がデフケースに入力されるタイプのハイブリッド車においても、車両駆動用モータの出力を減速させてクランク軸に伝達可能なように構成されていないため、該モータによってエンジンを始動させることができず、専用のスタータモータを搭載せざるを得ないのが現状である。
以上のように、従来のハイブリッド車の駆動装置では、車両駆動用モータとは別に専用のスタータモータを搭載したり、スタータモータを廃止する場合には車両駆動用モータを大型化させたりする必要があるため、駆動装置の構造が複雑化ないし大型化する傾向がある。
さらに、エンジン自動車において、一般的なオルタネータに代えて、より高出力での発電が可能なモータジェネレータがエンジンの近傍に搭載され、エンジンのクランク軸とモータジェネレータの軸とが巻掛け伝動機構を介して駆動連結されることがあり、この種の駆動装置においても、エンジンの停止中にモータジェネレータを駆動することで、その出力が巻掛け伝動機構を介してクランク軸に伝達されることで、クランキングを行うことが可能である。
しかしながら、この場合も、モータジェネレータの軸とクランク軸との間で大きな減速比を得ることは困難であることから、大きなクランキングトルクを得られないため、エンジンの暖機が完了したアイドルストップ状態でエンジンを再始動する場合にのみ、このモータジェネレータがエンジンの始動に利用されるのが通例である。したがって、この種の駆動装置においても、専用のスタータモータを搭載したり、モータジェネレータを発電機としては必要以上の大きさに大型化したりする必要があり、上述したハイブリッド車と同様の問題がある。
そこで、本発明は、駆動源としてエンジンとモータを有する車両の駆動装置において、前記モータの大型化を抑制しつつ、該モータによってエンジンの冷間時或いは高圧縮比エンジンの場合等においても確実にエンジンを始動可能な構成を新たに構築することで、専用のスタータモータを廃止して、駆動装置の構造の簡素化及びコンパクト化を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両の駆動装置は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
エンジンと、該エンジンのクランク軸に設けられた始動用のリングギヤと、前記エンジンからの動力が入力される入力部を有する差動装置と、前記入力部に連結可能な出力軸を有する車両駆動用のモータとを備えた車両の駆動装置であって、
前記モータの出力軸に連結可能とされ且つ前記リングギヤに噛み合い可能とされたギヤを備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明に係る車両の駆動装置は、前記請求項1に記載の発明において、
前記差動装置から延びる車軸は前記クランク軸に平行に配設され、
前記車軸の周囲における該車軸に平行な軸線上に前記モータが配設されていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明に係る車両の駆動装置は、前記請求項1に記載の発明において、
前記差動装置から延びる車軸は前記クランク軸に平行に配設され、
前記車軸上に前記モータが配設されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明に係る車両の駆動装置は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記モータとは別に、前記差動装置の入力部に連結可能とされた少なくとも1つのモータを備えていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、差動装置の入力部に連結可能な車両駆動用のモータの出力軸を、エンジンのクランク軸に設けられた始動用のリングギヤとこれに噛み合うギヤとを介してクランク軸に連結させることができ、前記リングギヤに比べてこれに噛み合う前記ギヤを小径とすることで、これらのギヤ間において十分に減速されたモータの出力をクランク軸に伝達することができる。そのため、車両駆動用のモータの大型化を抑制しつつ、該モータの出力から大きなクランキングトルクを得ることができ、これにより、エンジンの冷間時や高圧縮比エンジンの場合等においても、車両駆動用のモータを利用して確実にエンジンを始動させることができ、エンジン始動専用のスタータモータを廃止することが可能になる。したがって、駆動装置の構造の簡素化及びコンパクト化を実現できる。
また、請求項2に記載の発明によれば、クランク軸に平行な軸線上に車両駆動用のモータが配設されているため、クランク軸に設けられた始動用のリングギヤとモータ側に設けられた前記ギヤとを簡素な構成により噛み合わせることができる。さらに、前記モータは、車軸の周囲において車軸に平行な軸線上に配設されているため、該モータからの動力を差動装置の入力部に伝達するための動力伝達経路を簡素に構成できる。したがって、モータを車両駆動とエンジン始動に兼用するための構成を簡素化できるため、駆動装置のコンパクト化及び簡素化を効果的に果たすことができる。
請求項3に記載の発明においても、クランク軸に平行な車軸上に車両駆動用のモータが配設されることで、クランク軸に設けられた始動用のリングギヤとモータ側に設けられた前記ギヤとを簡素な構成により噛み合わせることができる。また、前記モータは車軸上に配設されているため、該モータからの動力を差動装置の入力部に伝達するための動力伝達経路を簡素に構成できる。したがって、モータを車両駆動とエンジン始動に兼用するための構成を簡素化できるため、駆動装置のコンパクト化及び簡素化を効果的に果たすことができる。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、車両駆動とエンジン始動に兼用されるモータとは別に、少なくとも1つの車両駆動用のモータが設けられていることにより、車両走行中のエンジン停止状態において前記兼用のモータによってエンジンを始動させるとき、他のモータによる車両駆動を並行して行うことができる。そのため、モータ走行を行いながら、前記兼用のモータによるエンジンの始動を行うことができる。
第1実施形態に係る車両の駆動装置を車両右側から見た側面図である。 図1に示す駆動装置の骨子図である。 第2実施形態に係る車両の駆動装置を車両右側から見た側面図である。 図3に示す駆動装置の骨子図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る車両の駆動装置1を車両右側から見た側面図であり、図2は、駆動装置1の骨子図である。
図1及び図2に示すように、車両の駆動装置1は、FF式のハイブリッド車に搭載されるものであり、車両走行用の駆動源として、例えばエンジンルームに搭載されたエンジン2と、例えば右側の駆動輪36に連結されたドライブシャフト30の周囲に配設された複数のモータ51,52,53とを備えている。具体的に、ドライブシャフト30の周囲には、第1、第2及び第3モータ51,52,53が配設されている。
なお、図2においては、便宜上、第1及び第2モータ51,52のみが図示され、第3モータ53の図示が省略されている。
エンジン2の車体幅方向の例えば左側にはトランスアクスル3が並設されている。トランスアクスル3は、例えばトルクコンバータ5を介してエンジン2のクランク軸2dに連結された変速機6と、該変速機6の出力を左右のドライブシャフト30,40に伝達する差動装置10とを備えている。
エンジン2は、例えば4つの気筒を有するシリンダブロック2aと、該シリンダブロック2aの上部に固定されたシリンダヘッド2bと、シリンダブロック2aの下部に固定されたオイルパン2cとを備えている。エンジン2は所謂横置き式であり、クランク軸2dは、車体幅方向に延びるように配置されて、シリンダブロック2aに取り付けられている。また、エンジン2の排気管2eは、シリンダヘッド2bから車体後方側に向かって斜め下方に延びるように配設されている。
図2に示すように、クランク軸2dには、エンジン2の始動に用いられるリングギヤ2jを外周に有するスターティングプレート2fが設けられている。スターティングプレート2fは、クランク軸2dにおけるトルクコンバータ5側の端部に固定された円盤状のインナプレート部2gと、該インナプレート部2gの外周部にワンウェイクラッチ2iを介して連結された環状のアウタプレート部2hとを備えている。
インナプレート部2gはクランク軸2dの外周に固定されており、これにより、スターティングプレート2fはクランク軸2dと一体回転する。リングギヤ2jは、アウタプレート部2hの外周に形成されている。
ワンウェイクラッチ2iは、アウタプレート部2hからインナプレート部2gへの動力伝達時にのみロックされ、これと反対方向の動力伝達時にはフリーとなることで該動力伝達を遮断するように構成されている。
変速機6は例えば有段式の自動変速機であるが、手動変速機または無段変速機であってもよい。変速機6の出力ギヤ7は、差動装置10のデフケース12に固定されたデフリングギヤ14に噛合されており、これにより、エンジン2の出力は変速機6を介して差動装置10のデフケース12に伝達される。変速機6の変速機構及び差動装置10は、トランスアクスルケース4に収容されている。
差動装置10及びこれに連結された左右のドライブシャフト30,40は、エンジン2よりも車両後方側に配設されている。差動装置10は、車幅方向の中央よりも左側にオフセットして配置されており、右側のドライブシャフト30は左側のドライブシャフト40よりも長尺とされている。
各ドライブシャフト30,40は、差動装置10に連結されたデフ側シャフト部材31,41と、自在継手34,44を介してデフ側シャフト部材31,41に連結された中間シャフト部材32,42と、一端側において自在継手35,45を介して中間シャフト部材32,42に連結されるとともに他端側において駆動輪36,46に連結された駆動輪側シャフト部材33,43とを備えている。デフ側シャフト部材31,41は、車体幅方向に延びるようにクランク軸2dに平行に配設されている。
差動装置10において、デフケース12を貫通するピニオンシャフト15上には、互いに対向する一対のピニオンギヤ16,17が回転可能に設けられ、これらのピニオンギヤ16,17に跨がって左右のサイドギヤ18,19が噛合されている。デフケース12には、左右のシャフト挿通部12a,12bがサイドギヤ18,19に対応して設けられている。各シャフト挿通部12a,12bには、ドライブシャフト30,40のデフ側シャフト部材31,41が挿通され、デフ側シャフト部材31,41の先端は、サイドギヤ18,19にスプライン嵌合されている。これにより、変速機6から差動装置10のデフケース12に伝達された動力は、走行状況に応じた回転差となるように左右のドライブシャフト30,40に伝達される。
右側のデフ側シャフト部材31上には、第1、第2及び第3モータ51,52,53をユニットケース55に収容した状態でユニット化してなるモータユニット50が配設されている。該モータユニット50は、エンジン2の後方且つ差動装置10の右側に生じるスペースを利用して配設されている。
図1に示すように、第1、第2及び第3モータ51,52,53は、軸方向から見てドライブシャフト30を囲むように配置されている。具体的に、第1モータ51は、車体前後方向においてドライブシャフト30とオーバラップするように該ドライブシャフト30の上方に隣接して配設されている。また、第1モータ51は、車体上下方向においてクランク軸2dとオーバラップするように、シリンダブロック2aの車体後方側に隣接して配設されている。
第2モータ52は、ドライブシャフト30の車体後方側に隣接して配設されており、第3モータ53は、ドライブシャフト30の下方に隣接して配設されている。また、第3モータ53は、車体上下方向においてオイルパン2cとオーバラップするように該オイルパン2cの車体後方側に近接して配置されている。
図2に示すように、第1モータ51は、ユニットケース55に固定されたステータ56と、ステータ56の径方向内側に回転自在に設けられたロータ57と、ロータ57と一体回転するようにロータ57の内周に固定された出力軸58とを備えている。
同様に、第2モータ52は、ユニットケース55に固定されたステータ156と、ステータ156の径方向内側に回転自在に設けられたロータ157と、ロータ157と一体回転するようにロータ157の内周に固定された出力軸158とを備えている。また、第3モータ53は、図2において図示が省略されているが、第2モータ52と同様のステータ156、ロータ157及び出力軸158を備えている。
各モータ51,52,53のステータ56,156は、磁性体からなるステータコアにコイルが巻回されて構成されている。各モータ51,52,53のロータ57,157は、筒状の磁性体で構成されており、ステータ56,156に電力が供給されたときに生じる磁力により回転する。
各モータ51,52,53の出力軸58,158は、ドライブシャフト30の周囲においてドライブシャフト30に平行に配置されるように軸受を介してユニットケース55に支持されており、これにより、以下のように簡素に構成された動力伝達経路を介して、各モータ51,52,53の動力をデフケース12に伝達可能となっている。
第1、第2及び第3モータ51,52,53の軸方向の差動装置10側には、それぞれ、モータ51,52,53の出力を減速する減速機として機能し得るプラネタリギヤ機構60,160が配設されている。これらのプラネタリギヤ機構60,160は、いずれもユニットケース55に収容されている。
なお、図2には、第1及び第2モータ51,52に対応するプラネタリギヤ機構60,160のみが図示され、第3モータ53に対応するプラネタリギヤ機構の図示が省略されているが、当該プラネタリギヤ機構は、第2モータ52に対応するプラネタリギヤ機構160と同様の構成を有する。
各プラネタリギヤ機構60,160は、入力要素として機能するサンギヤ61,161、反力要素として機能するリングギヤ62,162、及び、出力要素として機能するキャリヤ63,163を備えている。
第1モータ51に対応するプラネタリギヤ機構60において、サンギヤ61は第1モータ51の出力軸58に常時連結されており、これにより、第1モータ51の出力がサンギヤ61に入力される。リングギヤ62はユニットケース55に固定されている。これにより、サンギヤ61に入力された回転は、プラネタリギヤ機構60によって減速されてキャリヤ63から出力される。
第1モータ51とプラネタリギヤ機構60との間には、第1モータ51の出力軸58の外側に相対回転自在に嵌合された出力スリーブ66が配設されている。出力スリーブ66は、第1クラッチ68を介してキャリヤ63に連結可能とされている。出力スリーブ66上には、該出力スリーブ66と一体回転する出力ギヤ70が設けられている。出力ギヤ70は、第1クラッチ68が締結された状態において、プラネタリギヤ機構60を介して第1モータ51の出力軸58に連結される。
第2モータ52に対応するプラネタリギヤ機構160において、サンギヤ161は第2モータ52の出力軸158に常時連結されており、これにより、第2モータ52の出力がサンギヤ161に入力される。リングギヤ162はユニットケース55に固定されている。これにより、サンギヤ161に入力された回転は、プラネタリギヤ機構160によって減速されてキャリヤ163から出力される。
第2モータ52とプラネタリギヤ機構160との間には、第2モータ52の出力軸158の外側に相対回転自在に嵌合された出力スリーブ166が配設されている。出力スリーブ166は、キャリヤ163に常時連結されている。出力スリーブ166上には、該出力スリーブ166と一体回転する出力ギヤ170が設けられている。出力ギヤ170は、プラネタリギヤ機構160を介して第2モータ52の出力軸158に常時連結されている。
図示は省略するが、第3モータ53の出力軸158は、対応するプラネタリギヤ機構160のサンギヤ161に常時連結されており、該サンギヤ161に入力された回転は当該プラネタリギヤ機構160により減速されてキャリヤ163から出力される。また、第2モータ52と同様、第3モータ53とこれに対応するプラネタリギヤ機構160との間においても、上記と同様の出力スリーブ166が第3モータ53の出力軸158の外側に嵌合されると共に、該出力スリーブ166上に上記と同様の出力ギヤ170が設けられており、該出力ギヤ170は、プラネタリギヤ機構160を介して第3モータ53の出力軸158に常時連結されている。
ドライブシャフト30のデフ側シャフト部材31上には、該デフ側シャフト部材31の外側に相対回転可能に嵌合された統合スリーブ82が配設されている。統合スリーブ82の差動装置10側端部は、差動装置10のデフケース12における右側のシャフト挿通部12aにスプライン嵌合している。これにより、統合スリーブ82はデフケース12と一体回転する。
統合スリーブ82の反差動装置10側の端部には、統合スリーブ82と一体回転する統合ギヤ80が設けられている。統合ギヤ80には、第1、第2及び第3モータ51,52,53に対応する上記の出力ギヤ70,170が噛み合っている。統合ギヤ80は出力ギヤ70,170よりも大径であり、これにより、各出力ギヤ70,170の回転は減速されて統合ギヤ80に伝達される。統合ギヤ80に伝達された動力は、統合スリーブ82を介してデフケース12に伝達される。
以上のように構成された第1、第2及び第3モータ51,52,53からデフケース12に至る動力伝達経路は、エンジン2からデフケース12に至る動力伝達経路から独立している。そのため、エンジン2側の動力伝達経路に関連する構成を変更することなく、予めアセンブリされたモータユニット50をドライブシャフト30上に搭載して、統合スリーブ82をデフケース12のシャフト挿通部12aにスプライン嵌合させるだけで、モータ51,52,53からデフケース12に至る動力伝達経路を容易に構築できる。したがって、このようにモータユニット50を追加するだけで、エンジン自動車を容易にハイブリッド車に変更することが可能である。
また、第1モータ51は、連結機構71を介してクランク軸2dに連結可能とされている。連結機構71は、第1モータ51に対応するプラネタリギヤ機構60の軸方向の差動装置10側に隣接して配設されている。
連結機構71は、プラネタリギヤ機構60のキャリヤ63に常時連結された第1駆動軸72と、第2クラッチ74を介して第1駆動軸72に連結可能とされた第2駆動軸76と、第2駆動軸76と一体回転するように該第2駆動軸76に設けられたピニオンギヤ78とを備えている。
第1駆動軸72及び第2駆動軸76は、第1モータ51の出力軸58と同一軸線上において、第1モータ51側からこの順で配置されている。第1駆動軸72及び第2クラッチ74はユニットケース55に収容されている。第2駆動軸76は、差動装置10側に向かってユニットケース55の外側に突出するように配設されており、第2駆動軸76の該突出部分にピニオンギヤ78が設けられている。
ピニオンギヤ78は、第2駆動軸76に固定又は一体に設けられている。ピニオンギヤ78は、第2クラッチ74が締結された状態において、第1駆動軸72、第2駆動軸76及びプラネタリギヤ機構60を介して、第1モータ51の出力軸58に連結される。
ピニオンギヤ78は、リングギヤ2jに常時噛み合っている。ピニオンギヤ78が設けられた第2駆動軸76は、第1モータ51の出力軸58と同一軸線上、すなわち、クランク軸2dに平行に配置されているため、ピニオンギヤ78とリングギヤ2jとの良好な噛み合いを容易に実現できる。ピニオンギヤ78は、リングギヤ2jよりも小径であり、ピニオンギヤ78に対するリングギヤ2jのギヤ比は例えば15程度である。これにより、第1モータ51から伝達されるトルクが、ピニオンギヤ78とリングギヤ2jとの間において増大されてエンジン2のクランク軸2dに伝達されることで、クランキングを行うことが可能となっている。
ピニオンギヤ78はリングギヤ2jに常時噛み合っているが、クランク軸2d側からピニオンギヤ78への動力伝達は、スターティングプレート2fのインナプレート部2gとアウタプレート部2hとの間に設けられたワンウェイクラッチ2iがフリーとなることで遮断される。そのため、エンジン2の駆動中において、仮に第1クラッチ68及び第2クラッチ74の両方が締結された状態でも、クランク軸2dの高速回転がリングギヤ2jとピニオンギヤ78との間及びプラネタリギヤ機構60において増速されて第1モータ51の出力軸58に伝達されることを抑制できる。
ただし、このような常時噛み合い式のピニオンギヤ78に代えて、クランキングを行うときのみリングギヤ2jに噛み合うように第2駆動軸76上をスライド可能に設けられた飛び込み摺動式のピニオンギヤを用いてもよい。なお、この場合において、クランク軸2dの回転が完全に停止していない状態でリングギヤ2jに飛び込み摺動式のピニオンギヤを噛み合わせるときは、クランク軸2dの回転にピニオンギヤの回転を同期させるように第1モータ51の回転を制御しながらピニオンギヤの摺動を行えばよい。
以上のように構成されたモータユニット50において、第1モータ51は、車両駆動とエンジン2の始動に兼用することが可能となっており、第2及び第3モータ52,53は、車両駆動に利用可能となっている。また、いずれのモータ51,52,53も、発電機としても機能することが可能となっており、車両減速時に駆動輪36,46側から伝達された運動エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ回生を行うことが可能とされている。
第1モータ51が車両駆動に用いられるときは、第1クラッチ68が締結されることで出力軸58がデフケース12に連結されると共に、第2クラッチ74が解放されることで出力軸58とピニオンギヤ78との連結が遮断された状態で、第1モータ51が駆動される。この状態で駆動される第1モータ51の動力は、プラネタリギヤ機構60によって減速されると共に、出力ギヤ70と統合ギヤ80との間において減速されて、統合スリーブ82を介してデフケース12に伝達される。
また、第2又は第3モータ52,53が駆動されると、その動力は、プラネタリギヤ機構160によって減速されると共に、出力ギヤ170と統合ギヤ80との間において減速されて、統合スリーブ82を介してデフケース12に伝達される。
したがって、エンジン2の駆動中において第1〜第3モータ51,52,53の少なくとも1つが駆動されると、デフケース12においてエンジン2からの動力にモータ51,52,53からの動力が統合され、この統合された動力がドライブシャフト30,40を介して駆動輪36,46に伝達される。これにより、モータ51,52,53によるトルクアシスト機能が果たされる。
一方、エンジン2が停止された状態で第1〜第3モータ51,52,53の少なくとも1つが駆動されると、該モータ51,52,53からの動力が差動装置10及びドライブシャフト30,40を介して駆動輪36,46に伝達されることで、駆動源としてモータ51,52,53のみが用いられるモータ走行が実現される。
また、車両の減速走行中において、第1クラッチ68が締結された状態では、駆動輪36,46側からデフケース12を介して統合スリーブ82に伝達された回転が、出力ギヤ70と統合ギヤ80との間において増速されてプラネタリギヤ機構60のキャリヤ63に入力されると共に、更に該プラネタリギヤ機構60によって増速されてサンギヤ61から出力されて、第1モータ51の出力軸58に伝達される。このようにして駆動輪36,46側から伝わる力によってロータ57が回転駆動されることで、第1モータ51でのエネルギ回生が行われる。
第2及び第3モータ52,53においても、同様に、車両の減速走行中に駆動輪36,46側から伝わる力によってロータ157が回転駆動されることで、エネルギ回生を行うことができる。
第1モータ51がエンジン2の始動に用いられるときは、第1クラッチ68が解放されることで出力軸58とデフケース12側との連結が遮断されると共に、第2クラッチ74が締結されることで出力軸58がピニオンギヤ78を介してクランク軸2dに連結された状態で、第1モータ51が駆動される。
この状態で駆動される第1モータ51の動力は、プラネタリギヤ機構60によって減速されてピニオンギヤ78に伝達されると共に、ピニオンギヤ78とリングギヤ2jとの間において更に減速されて、スターティングプレート2fのアウタプレート部2hに伝達される。
第1モータ51側からアウタプレート部2hに伝達された動力は、ロックされたワンウェイクラッチ2i及びインナプレート部2gを介してクランク軸2dに伝達される。これにより、上記の減速によって十分に増大された第1モータ51の出力トルクを利用して、クランキングを行うことが可能となっている。
そのため、小出力の第1モータ51を用いても、大きなクランキングトルクを得ることが可能となり、これにより、第1モータ51の大型化を抑制しつつ、エンジン2の冷間時やエンジン2が高圧縮比タイプである場合等においても、確実にエンジン2を始動させることができる。また、車両駆動用の第1モータ51がエンジン2の始動用として兼用されることで、エンジン始動専用のスタータモータを廃止することが可能になる。したがって、駆動装置1の構造の簡素化及びコンパクト化を実現できる。
第1モータ51によるエンジン2の始動は、停車中だけでなく車両走行中のエンジン2の停止状態においても行うことが可能である。車両走行中に第1モータ51によってエンジン2を始動させるときは、第2及び第3モータ52,53の少なくとも一方による車両駆動を並行して行うことができる。そのため、本実施形態によれば、モータ走行を行いながら、第1モータ51によってエンジン2を始動させることができる。
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態に係る車両の駆動装置201を車両右側から見た側面図であり、図4は、駆動装置201の骨子図である。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、図3及び図4において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
図3及び図4に示すように、車両の駆動装置201は、FF式のハイブリッド車に搭載されるものであり、車両走行用の駆動源として、第1実施形態と同様のエンジン2と、例えば右側の駆動輪36に連結されたドライブシャフト30上に配設されたモータ251とを備えている。
エンジン2のクランク軸2dは、第1実施形態と同様のトランスアクスル3を介して、左右のドライブシャフト30,40に連結可能とされている。また、クランク軸2dには、第1実施形態と同様のスターティングプレート2fが設けられており、該スターティングプレート2fのアウタプレート部2hの外周にリングギヤ2jが形成されている。
右側のデフ側シャフト部材31上には、モータ251をユニットケース255に収容した状態でユニット化してなるモータユニット250が配設されている。該モータユニット250は、エンジン2の後方且つ差動装置10の右側に生じるスペースを利用して配設されている。
図4に示すように、モータ251は、ユニットケース255に固定されたステータ256と、ステータ256の径方向内側に回転自在に設けられたロータ257と、ロータ257と一体回転するようにロータ257の内周に固定された出力軸258とを備えている。
ステータ256は、磁性体からなるステータコアにコイルが巻回されて構成されている。ロータ257は、筒状の磁性体で構成されており、ステータ256に電力が供給されたときに生じる磁力により回転する。出力軸258は、車体幅方向に延びる筒状部材であり、ドライブシャフト30の外側に相対回転自在に嵌合されている。出力軸258は、軸受を介してユニットケース255に支持されている。
モータ251の軸方向の差動装置10側には、モータ251の出力を減速する減速機として機能するプラネタリギヤ機構260が配設されている。プラネタリギヤ機構260は、ドライブシャフト30上に配設されており、ユニットケース255に収容されている。
プラネタリギヤ機構260は、入力要素として機能するサンギヤ261、反力要素として機能するリングギヤ262、及び、出力要素として機能するキャリヤ263を備えている。
サンギヤ261はモータ251の出力軸258に常時連結されており、これにより、モータ251の出力がサンギヤ261に入力される。リングギヤ262はユニットケース255に固定されている。これにより、サンギヤ261に入力された回転は、プラネタリギヤ機構260によって減速されてキャリヤ263から出力される。
プラネタリギヤ機構260の差動装置10側には、ドライブシャフト30の外側に相対回転自在に嵌合された出力スリーブ276が配設されている。出力スリーブ276は、第1クラッチ292を介してキャリヤ263に連結可能とされている。出力スリーブ276の差動装置10側端部は、差動装置10のデフケース12における右側のシャフト挿通部12aにスプライン嵌合している。これにより、出力スリーブ276はデフケース12と一体回転すると共に、第1クラッチ292が締結された状態においてモータ251からの動力がプラネタリギヤ機構260及び出力スリーブ276を介してデフケース12に伝達されるようになっている。
このように構成されたモータ251からデフケース12に至る動力伝達経路は、エンジン2からデフケース12に至る動力伝達経路から独立しているため、エンジン2側の動力伝達経路に関連する構成を変更することなく、予めアセンブリされたモータユニット250をドライブシャフト30上に搭載して、出力スリーブ276をデフケース12のシャフト挿通部12aにスプライン嵌合させるだけで、モータ251からデフケース12に至る動力伝達経路を容易に構築できる。したがって、このようにモータユニット250を追加するだけで、エンジン自動車を容易にハイブリッド車に変更することが可能である。
また、モータ251は、連結機構277を介してクランク軸2dに連結可能とされている。連結機構277は、ドライブシャフト30上に配設された筒状の第1駆動軸278と、第1駆動軸278に平行に配設された第2駆動軸282とを備えている。
第1駆動軸278は、モータ251とプラネタリギヤ機構260との間の軸方向位置においてモータ251の出力軸258の外側に相対回転自在に嵌合されている。第1駆動軸278は、第2クラッチ294を介してプラネタリギヤ機構260のキャリヤ263に連結可能とされている。第1駆動軸278上には、該第1駆動軸278と一体回転するようにドライブギヤ280が設けられている。ドライブギヤ280は、第2クラッチ294が締結された状態において、プラネタリギヤ機構260を介してモータ251の出力軸258に連結される。
第2駆動軸282は、ドライブシャフト30の周囲において該ドライブシャフト30及びクランク軸2dに平行に配設されている。第2駆動軸282上には、ドライブギヤ280に噛み合うドリブンギヤ286が第2駆動軸282と一体回転するように設けられている。ドリブンギヤ286はドライブギヤ280よりも大径である。第2駆動軸282は、差動装置10側に向かってユニットケース255の外側に突出するように配設されており、第2駆動軸282の該突出部分にピニオンギヤ288が設けられている。
ピニオンギヤ288は、第2駆動軸282に固定又は一体に設けられている。ピニオンギヤ288は、第2クラッチ294が締結された状態において、第2駆動軸282、第1駆動軸278及びプラネタリギヤ機構260を介して、モータ251の出力軸258に連結される。
図3に示すように、ピニオンギヤ288は、車体前後方向においてドライブシャフト30とオーバラップするように該ドライブシャフト30の上方に隣接して配設されている。また、ピニオンギヤ288は、車体上下方向においてクランク軸2dとオーバラップするように、シリンダブロック2aの車体後方側に隣接して配設されている。
図4に示すように、ピニオンギヤ288は、リングギヤ2jに常時噛み合っている。ピニオンギヤ288が設けられた第2駆動軸282は、クランク軸2dに平行に配置されているため、ピニオンギヤ288とリングギヤ2jとの良好な噛み合いを容易に実現できる。ピニオンギヤ288は、リングギヤ2jよりも小径であり、ピニオンギヤ288に対するリングギヤ2jのギヤ比は例えば15程度である。これにより、モータ251側から伝達されるトルクが、ピニオンギヤ288とリングギヤ2jとの間において増大されてエンジン2のクランク軸2dに伝達されることで、クランキングを行うことが可能となっている。
ピニオンギヤ288はリングギヤ2jに常時噛み合っているが、クランク軸2d側からピニオンギヤ288への動力伝達は、スターティングプレート2fのインナプレート部2gとアウタプレート部2hとの間に設けられたワンウェイクラッチ2iがフリーとなることで遮断される。そのため、エンジン2の駆動中において、仮に第2クラッチ294が締結された状態でも、クランク軸2dの高速回転がリングギヤ2jとピニオンギヤ288との間、ドライブギヤ280とドリブンギヤ286との間及びプラネタリギヤ機構260において増速されてモータ251の出力軸258に伝達されることを抑制できる。
ただし、このような常時噛み合い式のピニオンギヤ288に代えて、クランキングを行うときのみリングギヤ2jに噛み合うように第2駆動軸282上をスライド可能に設けられた飛び込み摺動式のピニオンギヤを用いてもよい。なお、この場合において、クランク軸2dの回転が完全に停止していない状態でリングギヤ2jに飛び込み摺動式のピニオンギヤを噛み合わせるときは、クランク軸2dの回転にピニオンギヤの回転を同期させるようにモータ251の回転を制御しながらピニオンギヤの摺動を行えばよい。
以上のように構成されたモータユニット250において、モータ251は、車両駆動とエンジン2の始動に兼用することが可能となっている。また、モータ251は、発電機としても機能することが可能となっており、車両減速時に駆動輪36,46側から伝達された運動エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ回生を行うことが可能とされている。
モータ251が車両駆動に用いられるときは、第1クラッチ292が締結されることで出力軸258がデフケース12に連結されると共に、第2クラッチ294が解放されることで出力軸258とピニオンギヤ288との連結が遮断された状態で、モータ251が駆動される。この状態で駆動されるモータ251の動力は、プラネタリギヤ機構260によって減速されてデフケース12に伝達される。
したがって、エンジン2の駆動中においてモータ251が駆動されると、デフケース12においてエンジン2からの動力にモータ251からの動力が統合され、この統合された動力がドライブシャフト30,40を介して駆動輪36,46に伝達される。これにより、モータ251によるトルクアシスト機能が果たされる。
一方、エンジン2が停止された状態でモータ251が駆動されると、該モータ251からの動力が差動装置10及びドライブシャフト30,40を介して駆動輪36,46に伝達されることで、駆動源としてモータ251のみが用いられるモータ走行が実現される。
また、車両の減速走行中において、第1クラッチ292が締結された状態では、駆動輪36,46側からデフケース12及びプラネタリギヤ機構260を介して、モータ251の出力軸258に伝達される。このようにして駆動輪36,46側から伝わる力によってロータ257が回転駆動されることで、モータ251でのエネルギ回生が行われる。
モータ251がエンジン2の始動に用いられるときは、第1クラッチ292が解放されることで出力軸258とデフケース12側との連結が遮断されると共に、第2クラッチ294が締結されることで出力軸258がピニオンギヤ288を介してクランク軸2dに連結された状態で、モータ251が駆動される。
この状態で駆動されるモータ251の動力は、プラネタリギヤ機構260、及び、ドライブギヤ280とドリブンギヤ286との間において減速されてピニオンギヤ288に伝達されると共に、ピニオンギヤ288とリングギヤ2jとの間において更に減速されて、スターティングプレート2fのアウタプレート部2hに伝達される。
モータ251側からアウタプレート部2hに伝達された動力は、ロックされたワンウェイクラッチ2i及びインナプレート部2gを介してクランク軸2dに伝達される。これにより、上記の減速によって十分に増大されたモータ251の出力トルクを利用して、クランキングを行うことが可能となっている。
そのため、小出力のモータ251を用いても、大きなクランキングトルクを得ることが可能となり、これにより、モータ251の大型化を抑制しつつ、エンジン2の冷間時やエンジン2が高圧縮比タイプである場合等においても、確実にエンジン2を始動させることができる。また、車両駆動用のモータ251がエンジン2の始動用として兼用されることで、エンジン始動専用のスタータモータを廃止することが可能になる。したがって、駆動装置201の構造の簡素化及びコンパクト化を実現できる。
また、エンジン2とモータ251以外の駆動源が車両に別途搭載される場合には、当該駆動源による車両走行を行いながら、モータ251によるエンジン2の始動を行うことが可能である。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、FF式のハイブリッド車を例に挙げて本発明を説明したが、本発明は、FR式又は四輪駆動式のハイブリッド車に適用することも可能である。
また、上述の第1実施形態では、車両駆動とエンジン始動に兼用されるモータ51とは別に、デフケース12に連結された車両駆動専用のモータ52,53が2つ設けられる例を説明したが、車両駆動専用のモータの個数は特に限定されるものでない。
さらに、本発明において、車両駆動専用のモータは、必ずしも、車両駆動とエンジン始動に兼用されるモータと同じ車軸の周囲に配設される必要はなく、例えば、前輪用の車軸の周囲又は前輪用の車軸上に兼用のモータを配設すると共に、後輪用の車軸の周囲又は後輪用の車軸上に車両駆動専用のモータを配設するようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、モータの出力を減速する減速機が1つのプラネタリギヤ機構で構成されているが、複数のプラネタリギヤ機構を組み合わせて減速機を構成してもよい。例えば、入力要素としてのサンギヤ、出力要素としてのキャリヤ、及び、反力要素としてのリングギヤを有するプラネタリギヤ機構を複数連結して減速機を構成する場合、モータの出力はプラネタリギヤ機構毎に減速されることでトルクが十分の増大されるため、モータの小型化を図ることができ、これにより、モータユニットの小型化が図られ、該モータユニットの車載性が向上する。
以上のように、本発明によれば、駆動源としてエンジンとモータを有する車両の駆動装置において、専用のスタータモータを廃止して、駆動装置の構造の簡素化及びコンパクト化を図ることが可能となるから、この種の駆動装置及びこれを搭載したハイブリッド車の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 駆動装置
2 エンジン
2d クランク軸
2f スターティングプレート
2g インナプレート部
2h アウタプレート部
2i ワンウェイクラッチ
2j グリングギヤ
3 トランスアクスル
4 トランスアクスルケース
5 トルクコンバータ
6 変速機
10 差動装置
12 デフケース(差動装置の入力部)
18 サイドギヤ
30,40 ドライブシャフト(車軸)
31,41 デフ側シャフト部材
32,42 中間シャフト部材
33,43 駆動輪側シャフト部材
50 モータユニット
51 第1モータ
52 第2モータ
53 第3モータ
55 ユニットケース(ケース)
56 ステータ
57 ロータ
58 出力軸
60 プラネタリギヤ機構
61 サンギヤ
62 リングギヤ
63 キャリヤ
66 出力スリーブ
70 出力ギヤ
71 連結機構
78 ピニオンギヤ
80 統合ギヤ
82 統合スリーブ
156 ステータ
157 ロータ
158 出力軸
160 プラネタリギヤ機構
161 サンギヤ
162 リングギヤ
163 キャリヤ
166 出力スリーブ
170 出力ギヤ
201 駆動装置
250 モータユニット
251 モータ
255 ユニットケース(ケース)
256 ステータ
257 ロータ
258 出力軸
260 プラネタリギヤ機構
261 サンギヤ
262 リングギヤ
263 キャリヤ
276 出力スリーブ
277 連結機構
278 第1駆動軸
280 ドライブギヤ
282 第2駆動軸
286 ドリブンギヤ
288 ピニオンギヤ

Claims (4)

  1. エンジンと、該エンジンのクランク軸に設けられた始動用のリングギヤと、前記エンジンからの動力が入力される入力部を有する差動装置と、前記入力部に連結可能な出力軸を有する車両駆動用のモータとを備えた車両の駆動装置であって、
    前記モータの出力軸に連結可能とされ且つ前記リングギヤに噛み合い可能とされたギヤを備えていることを特徴とする車両の駆動装置。
  2. 前記差動装置から延びる車軸は前記クランク軸に平行に配設され、
    前記車軸の周囲における該車軸に平行な軸線上に前記モータが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動装置。
  3. 前記差動装置から延びる車軸は前記クランク軸に平行に配設され、
    前記車軸上に前記モータが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動装置。
  4. 前記モータとは別に、前記差動装置の入力部に連結可能とされた少なくとも1つのモータを備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両の駆動装置。
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