JP6102883B2 - 発電要素および発電要素の終端処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発電要素および発電要素の終端処理方法に関し、特に、非水電解質二次電池やニッケルカドミウム電池あるいはニッケル水素電池などに用いられる発電要素および発電要素の終端処理方法をいう。ここで、「発電要素」とは、シート状の正極および負極が、セパレータを介在して巻回あるいは積層されてなる電極(あるいは電極体)をいう。
非水電解質二次電池やニッケルカドミウム電池あるいはニッケル水素電池などは、小型・軽量で、高エネルギー密度であるという特徴を生かし、携帯電話、パソコン、ビデオカメラなどの携帯用電子機器の電源として、広く普及している。最近では、こうした電池を大型にし、電気自動車などの産業用大型電気機器に応用しようとする動きが強まっている。こうした電池は、セパレータを介して帯状電極を巻回した巻回型発電要素、またはセパレータを介して平板状電極を積層した積層型発電要素を電池ケースに収容し、電池蓋で密閉封口し、正極端子および負極端子を電池外部に取り付けたものである。
例えば、巻回型発電要素を用いた電池として、図7に示すような正極と負極がセパレータ105を介して扁平形状に捲回された構造を有する電極群102を具備した非水電解質二次電池が提案されている(例えば特許文献1参照)。ここで、正極103の捲き始め部以降1周分には正極集電体103aの片面に活物質含有層103bが担持され(以下、片面領域と称す)、それ以降は正極集電体103aの両面に活物質含有層103bが担持され(以下、両面領域と称す)、捲き終わり部は正極集電体103aのみから形成されている。正極103の片面領域の外側にセパレータ105が配置され、このセパレータ105の外側に、活物質含有層104bが集電体104aの両面に担持された負極104が配置されている。さらに、この負極104の外側にセパレータ105を介して正極103の両面領域が配置されている。電極群102の最外周は、正極103の正極集電体103aから構成されている。このため、この正極集電体103aとセパレータ105を介して対向している負極104では、集電体104aの片面のみに活物質含有層104aが形成されている。巻止めテープ119は、正極集電体103aの巻き終わり端部を電極群102の最外周表面に固定することにより巻きずれを防止している(特許文献1段落0017〜0020参照)。ここで、110は正極タブ、111は負極タブを、117,118は補強テープを示す。
また、こうした二次電池では、正極と負極とを絶縁するセパレータとして、主にポリオレフィンなどの樹脂からなる微多孔質フィルムが用いられている。この微多孔質フィルムは電解液の保持特性及びイオン透過性に優れる反面、高温下で変形しやすいことから、セパレータの表面に酸化マグネシウムまたはアルミナを含む多孔質耐熱層(以下「無機質層」という)を形成し、高熱が発生してセパレータが溶融しても、正極と負極とが直接接触することを防いでいる。
特開2005−116186号公報
しかしながら、こうした無機質層を有するセパレータを用いた巻回式の電極体では、上記のような巻止めテープを用いて巻回部分についての終端処理を行った場合、次のような問題があった。すなわち、巻止めテープの付着機能は、無機質層に対しては微多孔質フィルム単体に比して弱くなり、巻止めテープが、無機質層から剥離する可能性があった。また、このとき無機質層の一部とともに巻止めテープが剥離する可能性があった。さらに、付着した巻止めテープとともに、最外周の無機質層がセパレータの基材から剥離する可能性があった。
一方、無機質層を含まないセパレータを有する巻回式の電極体であっても、セパレータの表層に耐熱あるいは絶縁強化等の表面処理がなされた場合は、当該表層に対しても巻止めテープの付着機能は弱く、十分な終端処理ができないことがあった。
このように、従来の巻回式の電極体のような発電要素においては、セパレータの表面状態によっては発電要素表面における巻止めテープの付着が十分になされるとは言えず、巻回した終端部分が確実に固定されない恐れがあった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、セパレータの表面の状態を考慮して、簡便な構成で、巻止めテープによって確実に固定された発電要素および確実に固定可能な発電要素の終端処理方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す発電要素および発電要素の終端処理方法によって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明の第1の側面は、
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び前記シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを備え
前記セパレータは、剥離強度が高い表層Aと剥離強度が前記表層Aより低い表層Bとを、少なくともその一部に有し
前記セパレータの終端部が、少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定されている発電要素であって
前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び前記正極または前記負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは各々が前記表層A及び前記表層Bを有し、
巻回状態において、前記負極の外側に前記正極が配され、かつ前記正極の外側に前記第2のサブセパレータが配され、前記第2のサブセパレータの終端部を含む外周側の表面における前記表層Aにおいて、前記第2のサブセパレータの終端部が前記巻き止めテープにより固定されている、
発電要素である。
本発明の第2の側面は
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び前記シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを備え、
前記セパレータは、剥離強度が高い表層Aと剥離強度が前記表層Aより低い表層Bとを、少なくともその一部に有し、
前記セパレータの終端部が、少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定されている発電要素であって、
前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び前記正極または前記負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは各々が前記表層A及び前記表層Bを有し、
巻回状態において、前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは、いずれも、外周側が前記表層Aにより構成され、
前記第2のサブセパレータの終端部を含む外周側の表面における前記表層Aにおいて、前記第2のサブセパレータの終端部が前記巻き止めテープにより固定されている、
発電要素である。
本発明の第3の側面は、
前記表層A及び前記表層Bを、前記最外周のセパレータの全部または一部にのみ有する、
本発明の第1または第2の側面の発電要素である。
本発明の第4の側面は
前記表層Aが樹脂製基材により構成され、前記表層Bが無機質層により構成された、
本発明の第1から第3のいずれかの側面の発電要素である。
本発明の第5の側面は
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び前記シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを備え、
前記セパレータは、多孔質層により形成される表層Aと無機質層により形成される表層Bとを、少なくともその一部に有し、
前記セパレータの終端部が、少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定されている発電要素であって、
前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び前記正極または前記負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは各々が前記表層A及び前記表層Bを有し、
巻回状態において、前記負極の外側に前記正極が配され、かつ前記正極の外側に前記第2のサブセパレータが配され、
前記第2のサブセパレータの終端部を含む外周側の表面における前記表層Aにおいて、前記第2のサブセパレータの終端部が前記巻き止めテープにより固定されている、
発電要素である。
本発明の第6の側面は
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び前記シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを備え、
前記セパレータは、多孔質層により形成される表層Aと無機質層により形成される表層Bとを、少なくともその一部に有し、
前記セパレータの終端部が、少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定されている発電要素であって、
前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び前記正極または前記負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは各々が前記表層A及び前記表層Bを有し、
巻回状態において、前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは、いずれも、外周側が前記表層Aにより構成され、
前記第2のサブセパレータの終端部を含む外周側の表面における前記表層Aにおいて、前記第2のサブセパレータの終端部が前記巻き止めテープにより固定されている、
発電要素である。
本発明の第7の側面は
本発明の第1から第6のいずれかの側面の発電要素と、
前記発電要素を収容する容器と、
前記容器の開口部に配置される蓋体と、
を備える電池である。
また、本発明は以下のような構成であってもよい。すなわち、本発明に係る発電要素は、シート状の正極および負極が、剥離強度が高い表層Aと剥離強度が低い表層Bを含む、剥離強度の異なる2以上の層から構成されてなるセパレータを介在して巻回され、最外周が該セパレータによって巻回されるとともに、該最外周のセパレータの終端部が、片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定された構成を有し、
(a)前記セパレータの最外周面が、表層Aにより構成される場合
前記巻止めテープの粘着層面が、該最外周面の表層Aおよび前記セパレータの終端部の表層Aに付着された構成
(b)前記セパレータの最外周面が、表層Bにより構成される場合
(b−1)最外周より1つ内周のセパレータの外周面が表層Aにより構成され、該内周のセパレータを、さらに1以上外周を周回させて、最外周面が該内周のセパレータの表層Aにより構成され、前記巻止めテープの粘着層面が、該最外周面の表層Aおよび前記内周のセパレータの終端部の表層Aに付着された構成、あるいは、
(b−2)前記巻止めテープの粘着層と粘着可能な絶縁テープが、前記セパレータの最外周の終端部から該終端部まで1以上外周を周回され、前記巻止めテープの粘着層面が、該絶縁テープの一端部および他端部に付着された構成
を有することを特徴とする。
発電要素において、巻回されたセパレータの終端処理は、電極機能の安定性にとって重要である。セパレータの終端が固定されていなければ、巻き戻りが生じて、電極及びセパレータが緩み、発電要素の外寸が大きくなるため、容器に収容することが困難になる。また、正極と負極間の距離が不均一になるため、電池性能が低下するおそれがある。また、正極と負極の絶縁機能や電解質の保持機能等の高効率化のための処理を施されたセパレータの表層は、巻止めテープの付着機能を弱めることがある。本発明は、そうした付着機能が弱い(剥離強度が低い)表層が最外周面となった場合であっても、セパレータの剥離強度の高い表層を利用して、巻止めテープの粘着層面の両端部が、必ず剥離強度の高い表層に付着する構成を形成することによって、巻止めテープによって確実に固定された発電要素を構成することが可能となった。具体的には、巻回されたセパレータの内に、外周面が剥離強度の高い表層を有するセパレータがあれば、これを利用し、こうしたセパレータがなければ、粘着可能な絶縁テープを利用して、簡便な構成で、巻止めテープの使用が可能な状態を形成することを可能とした。なお、「最外周」または「最外周面」は、発電要素の外側から一層目を意味する。また、「最も外側に位置するセパレータ」とは、セパレータの終端部から一周分のセパレータを指し、その外周側に負極または正極が巻回されていてもよい。
また、本発明は、上記発電要素であって、前記(b−2)において、前記巻止めテープの粘着層面が、前記絶縁テープの一端部および他端部に付着されるとともに、前記セパレータの終端部の内面あるいは内周の表層Aに付着された構成を有していてもよい。
周回する絶縁テープの一端部および他端部の巻き止めは、発電要素を十分に固定する一方、絶縁テープを発電要素に固定していないため、絶縁テープ自身の完全な固定といえない。本発明は、セパレータの終端部の内面あるいは内周の表層Aを利用して、同一の巻止めテープで絶縁テープを固定された発電要素を構成することを可能とした。
また、本発明は、上記発電要素であって、前記(b−2)において、前記巻止めテープを複数とし、第1の巻止めテープの粘着層面が、該絶縁テープの一端部と他端部、または該一端部と前記セパレータの終端部の内面の表層Aに付着されるとともに、第2の巻止めテープの粘着層面が、前者にあって該絶縁テープの他端部と前記セパレータの終端部の内面の表層A、後者にあって該他端部と一端部あるいは前記セパレータの終端部の内面の表層Aに付着された構成を有してもよい。
終端部は、正極,負極および2つのセパレータから形成されることから、所定の高さを有する。従って、1つの巻止めテープで絶縁テープを固定した場合、付着部分が空中にあって引張強度が弱くなる可能性がある。本発明は、こうした固定部分の補強として、絶縁テープの両端部の固定用の1つの巻止めテープに加え、絶縁テープとセパレータの固定用のもう1つの巻止めテープを用いることによって、確実に固定された発電要素を構成することを可能とした。
また、本発明は、上記発電要素であって、前記(b−2)において、前記絶縁テープと前記巻止めテープに代え、一端部の片面に粘着層Sbおよび他端部の該片面あるいは他の片面に粘着層Scを有する絶縁性の巻止めテープSを用い、前記一端部の粘着層Sbが、前記セパレータの終端部の内面あるいは内周の表層Aに付着されて、前記セパレータの最外周を1以上周回されるとともに、前記他端部の粘着層Scが、前記セパレータの終端部の内面あるいは内周の表層Aに付着された構成を有していてもよい。
上記のように、周回された絶縁テープを巻止めテープによって固定するには、3箇所以上の付着が必要となる。本発明は、絶縁性の巻止めテープを利用し、セパレータの終端部の内面の表層Aの利用が可能な粘着層の配置を設定することによって、簡便な構成で、巻止めテープのみによる終端処理された発電要素を構成することを可能とした。
また、本発明は、上記発電要素であって、前記表層Aが、樹脂製基材により構成され、前記表層Bが、無機質層によって構成されることを特徴とする。
セパレータは、正極と負極の絶縁機能や電解質の保持機能等の高効率化のために、樹脂製基材を用いるとともに、その表層にアルミナ等の無機素材を塗工する処理が施されることが好ましい(無機質層)。樹脂製基材は、粘着層とは付着強度が高い(表層A)。一方、そうした無機質層は、粘着層とは剥離し易いことから巻止めテープを利用することは難しい(表層B)。本発明は、セパレータの機能・特性を損なうことなく、簡便な構成で、巻止めテープのみによる終端処理された発電要素を構成することを可能とした。
本発明に係る発電要素の終端処理方法は、シート状の正極および負極が、剥離強度が高い表層Aと剥離強度が低い表層Bを含む、剥離強度の異なる2以上の層から構成されてなるセパレータを介在して巻回されて構成される発電要素において、
(1)シート状の正極および負極を、その中間にセパレータが介在するように重ね、巻回する。
(2)前記発電要素の最外周が、前記セパレータにより構成されるように巻回する。
とともに、該巻回部分の終端処理において、
(3)前記セパレータの最外周面が、表層Aにより構成される場合
前記巻止めテープの粘着層面を、該最外周面の表層Aおよび前記セパレータの終端部の表層Aに付着させる。
(4)前記セパレータの最外周面が、表層Bにより構成される場合
(4−1)最外周より1つ内周のセパレータの外周面を表層Aにより構成し、該内周のセパレータを、さらに1以上外周を周回させて、発電要素の最外周面を該内周のセパレータの表層Aにより構成し、前記巻止めテープの粘着層面を、該最外周面の表層Aおよび前記内周のセパレータの終端部の表層Aに付着させる。あるいは、
(4−2)前記巻止めテープの粘着層と粘着可能な絶縁テープを、前記セパレータの最外周の終端部から該終端部まで1以上外周を周回させるとともに、前記巻止めテープの粘着層面を、該絶縁テープの一端部および他端部に付着させる。あるいは、
(4−3)一端部の片面aに粘着層Taおよび他端部の片面aあるいは他の片面bに粘着層Tbを有する巻止めテープを用い、前記一端部の粘着層Taを、前記セパレータの終端部の内面の表層Aに付着させ、前記セパレータの最外周を1以上周回させるとともに、前記他端部の粘着層Tbを、前記セパレータの終端部の内面の表層Aに付着させる
ことによって、前記セパレータの終端部が処理されることを特徴とする。
こうした終端部の処理方法によって、付着機能が弱い(剥離強度が高い)表層が最外周面となった場合であっても、セパレータの剥離強度の弱い表層を利用して、巻止めテープの粘着層面の両端部が、必ず剥離強度の弱い表層に付着する構成を形成することによって、巻止めテープによって確実に固定された発電要素を構成することが可能となった。
以上のような本発明は、セパレータの表面の状態を考慮して、簡便な構成で、巻止めテープによって確実に固定された発電要素および確実に固定可能な発電要素の終端処理方法を提供できるという効果を有する。
本発明に係る発電要素を用いた電池の構成を例示する概略図 本発明に係る発電要素の基本構成を例示する概略図 本発明に係る発電要素の終端処理部分の基本構成例を示す概略図 本発明に係る発電要素の終端処理部分の第2,第3構成例を示す概略図 本発明に係る発電要素の終端処理部分の第4構成例を示す概略図 本発明に係る発電要素の終端処理部分の第5構成例を示す概略図 従来技術に係る巻回型発電要素を用いた電池の電極群の構成例を示す概略図
本発明に係る発電要素(以下「本電極体」という)は、シート状の正極および負極が、剥離強度が高い表層Aと剥離強度が表層Aよりも低い表層Bを含む、剥離強度の異なる2以上の層から構成されてなるセパレータを介在して巻回され、最外周が該セパレータによって巻回されるとともに、該最外周のセパレータの終端部が、片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定された構成を有する。本電極体は、所定の容積を有する容器内に収容され、容器の開口部に配置される蓋体によって密封される電池(以下「本電池」という)を構成する。以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<本電池の構成例>
本電池の構成例の概要を、図1に示す。本電池は、所定の容積を有する容器1と、シート状の正極および負極がセパレータを介在して巻回されて構成される本電極体2と、容器1の開口部1aに配置される蓋体3とを備える。シート状の正極および負極に非水電解質を介在させることによって、高効率のコンパクトな本電極体を形成することができる。容器1は、蓋体3に固定された本電極体2を収容した状態で、開口部1aと蓋体3の周端部を封じて、密閉される。
容器1は、筐体として強度を有するアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる成型体が用いられる(以下「アルミ容器」という)。特に、成型が容易で、軽量化が要求される二次電池において、好適な素材である。腐蝕性あるいは絶縁性が要求される場合には、酸化あるいは窒化等の表面処理することが可能であり、高温ガスに対する容器1の破損防止にも寄与することができる。封止方法は、通常周端部を溶接する方法が採られるが、これに限定されるものではなく、接着剤を用いた接着法、あるいは開口部1aの周端部を挟持するように凸状体が形成された蓋体3の周縁部を圧着する圧着法などを用いることができる。
蓋体3には、正極用および負極用の電極端子部3a,3bが取り付けられる。電極端子部3a,3bはケーブルやバスバー等の接続対象物(図示しない)を電気的に接続可能に形成されている。
<本電極体の基本構成例>
本電極体2は、図2(A)に例示するように、シート状の正極2aおよび負極2bが、セパレータとしての2種のセパレータ2c,2c’を介在して巻回されて構成される。ここでセパレータ2cは、図から読み取られるように、巻回が解けた平面状の積層状態においては、正極2a、負極2bの間に位置するセパレータであり、本発明の第1のサブセパレータに相当する。また、セパレータ2c’は、正極2aの更に外側に位置するセパレータであり、本発明の第2のサブセパレータに相当する。なお、セパレータ2c及び2c’は、それぞれが独立したセパレータであってもよいし、一つのセパレータが折り返し等により二分された場合の一方と他方の部分である構成であってもよい。また、正極2aの巻回軸方向の一端側に、正極の電極端2dが設けられ、負極2bの巻回軸方向の他端側に、負極の電極端2eが設けられることによって、それぞれの電位の取り出し部を形成する。正極の電極端2dおよび負極の電極端2eは、集電体(図示せず)の一端部と接続され、集電体の他端部を介して電極端子部2a,2bに接続され、正極および負極が取り出される。
正極2aは、例えば帯状のアルミニウム箔の表面に正極活物質を担持させて構成し、負極2bは、例えば帯状の銅箔の表面に負極活物質を担持させて構成される。本電極体2では、これらの正極2aと負極2bは、それぞれ帯状の片方の側端部に活物質を塗布しない未塗工部を設けておき、この未塗工部で正極電極端2dと負極電極端2eを形成する例を示している。そして、これらの正極2aと負極2bは、発電要素2の巻回の際に、巻回軸に沿って互いに反対方向にずらすことにより、長円筒形の一方の端面には正極2aの側端部のアルミニウム箔(正極電極端2d)のみがはみ出し、他方の端面には負極2bの側端部の銅箔(負極電極端2e)のみがはみ出すようにしている。
セパレータ2c及びセパレータ2c’は、発電要素2内における位置関係を除けば同一の構成を有する。以下、セパレータ2cを例にその構成を説明するが、セパレータ2c’についても同様である。セパレータ2cは、電気絶縁性を有する多孔質基層と、該多孔質基層上に形成された無機質層を備えている。多孔質基層としては、高い放電性や電解質の保液性を示す多孔膜や不織布等を用いることが好ましい。具体的に多孔質基層を構成する材料としては、例えばポリアクリレートや、ポリエチレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、セルロース等を挙げることができる。なかでも、耐電解液性、耐久性等の観点からポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、多孔質基層には、上記の化合物を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合または積層して用いてもよい。例えば、表面にポリプロピレン製の微多孔膜を形成したセパレータは、電解質の保持特性を向上させることができる。
無機質層は、無機フィラー類とポリマー類とを含んでいる。具体的な無機フィラー類の例としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレイ、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。また、ポリマー類としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの無機フィラー類またはポリマー類は、一種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。無機フィラーとしては、酸化ケイ素、酸化チタン及び酸化アルミニウムの少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等からなるアクリル樹脂を用いることが好ましい。こうした無機フィラー類を含む無機質層をセパレータ2cの表面に形成することによって、正極と負極の絶縁機能や電解質の保持機能等の高効率化を図ることができる。
このように表面処理されたセパレータ2cにおいては、多孔質基層と無機質層とで剥離強度が異なる。図2(B)に例示するように、セパレータ2cの多孔質基層は、剥離強度が高い表層Aを形成し、無機質層は、剥離強度がより低い表層Bを形成する。あるいは、両面に異なる表面処理を行った場合には、図2(C)に例示するように、多孔質基層を介在して2つの剥離強度の異なる表層が形成されることがある。本明細書においては、統一的に、剥離強度の異なる両表面を有するセパレータ2cにおいて、剥離強度が高い表層を表層Aとし、剥離強度が低い表層を表層Bとする。
ここで、表層Aの剥離強度は、JIS6854−2に基づき、3M社製メンディングテープ(幅15mm)を用いて測定された180度剥離強度が50gf以上であることが好ましく、100gf以上であることがより好ましい。また、表層Bの剥離強度は、JIS6854−2に基づき、3M社製メンディングテープ(幅15mm)を用いて測定された180度剥離強度が3gf以上であることが好ましく、10gf以上であることがより好ましい。表層A及び表層Bの剥離強度が前記の値を下回ると、電池の製造時または使用時に表層が剥離する虞がある。また、表層Aの剥離強度が表層Bの剥離強度に比べて極めて高い場合、180度剥離強度試験を行っても表層Aが剥離せず、表層Bと表層Aまたは多孔質基層との界面で剥離が生じる場合がある。この場合の表層Aの剥離強度は、測定機器の最大荷重値を代用する。
また、表層Aと表層Bとの剥離強度の比は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。表層Aと表層Bとの剥離強度の比は、JIS6854−2に基づき、3M社製メンディングテープ(幅15mm)により測定された表層Aの180度剥離強度の値を、同様にして求めた表層Bの180度剥離強度の値で除することにより算出する。
なお、表層A及び表層Bの剥離強度は、電池を解体し、セパレータを取り出してジメチルカーボネート等の有機溶媒で洗浄し乾燥させたものについて、JIS6854−2に基づく180度剥離強度試験を行うことにより測定することも可能である。
また、巻回された状態において、電極間の絶縁を確実に担保するため、各セパレータ2c及び2c’の終端部は、正極2a及び正極2bの終端部よりも延伸して形成されており、この長さの違いにより、本電極体2全体の巻回部分の終端部においては、セパレータ2c’、2cの表面及び正極2aの先端、並びにセパレータ2c、2c’の表面及び負極2bの先端によってそれぞれ空隙が形成されている。これは以下の各構成例において共通である。
<本電極体の終端処理部分の構成>
本電極体2は、最外周のセパレータであるセパレータ2c’の外周面(最外周面)の剥離強度によって、異なる終端処理部分を構成することを特徴とする。基本的には、図3(A)〜(C)に例示するように、最外周がセパレータ2c’によって巻回されるとともに、最外周のセパレータ2c’の終端部2fが、片面に粘着層Saを有する巻止めテープSにより、セパレータ2c’の最外周面に固定される(第1構成例)。以下、その終端処理部分を有する本電極体2の構成について詳述する。
(a)セパレータの最外周面が、剥離強度が低い表層Aにより構成される場合
図3(A),(B)に示すように、巻止めテープSの粘着層Saが、最外周面の表層Aおよびセパレータ2c’の終端部2fの表層Aに付着された構成とする。このとき、2つのセパレータ2c,2c’の外周面が、ともに表層Aにより構成される場合を図3(A)に示す。一方、最外周のセパレータ2c’の最外周面が、表層Aにより構成され、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面が、表層Bにより構成される場合を図3(B)に示す。いずれも最外周のセパレータ2c’の表層Aおよび終端部2fの表層Aを利用して、巻止めテープSによって付着することができる。
(b)セパレータの最外周面が、表層Bにより構成される場合
図3(C)に示すように、(b−1)最外周より1つ内周のセパレータ2cの外周面が表層Aにより構成され、該内周のセパレータ2cを、さらに1以上外周を周回させる(セパレータ2gと表わす)ことによって、セパレータ2gの内周側の表面である表層Bが、セパレータ2c’の外周側である表層Bと直接接触、被覆することとなり、その結果、本電極体2の最外周面をセパレータ2gの表層Aにより構成することができる。ここで、巻止めテープSの粘着層Sa面が、該最外周面の表層Aおよびセパレータ2gの終端部2hの表層Aに付着された構成とすることによって、セパレータ2gの終端部2hが固定された本電極体2を構成することができる。
ここで、巻止めテープSは、耐熱性、絶縁性を有し、所定の伸張性を有するとともに、粘着剤との結合性が高いものが好ましい。巻止めテープSの材質としては、電池内部で電解質などに曝されても安定に存在し、接着性を保持できるものであれば、とくに限定されるものではないが、電解液系に対して安定であるポリオレフィン系の樹脂を基材としたテープまたはポリイミドなどの耐熱性も備える樹脂を基材としたテープが使用可能である。基材としては、具体的には、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリフェニルサルファイド、ポリエステル、ポリイミドまたはテフロン(TM)(「テフロン」は登録商標である)等を用いることができる。接着層としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル、合成ゴム、エポキシ樹脂またはシリコン樹脂等を用いることができる。
〔本電極体の終端処理方法〕
本電極体2は、(1)シート状の正極2aおよび負極2bを、その中間にセパレータ2cの終端部を除く大部分が介在するように重ねるとともに、正極2a側にセパレータ2c’が隣接するよう重ねた状態で巻回し、(2)巻回された本電極体2の最外周が、セパレータ2c’となるように構成することによって、作製されるとともに、該最外周面の構成によって、以下の通り、該巻回部分の終端処理を行う。
(3)セパレータ2c’の最外周面が、表層Aにより構成される場合
巻止めテープSの粘着層Sa面を、該最外周面の表層Aおよびセパレータ2c’の終端部2fの表層Aに付着させる。
(4)セパレータ2c’の最外周面が、表層Bにより構成される場合
最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面を表層Aにより構成し、該内周のセパレータ2c(2g)を、さらに1周以上外周を周回させて、本電極体2の最外周面をセパレータ2gの表層Aにより構成し、巻止めテープSの粘着層Sa面を、該最外周面の表層Aおよびセパレータ2gの終端部の表層Aにまたがって付着させる。
ただし、本発明は以上の構成例に限定されるものではない。上記の説明においては、セパレータ2c及び2c’は、いずれも両面のそれぞれが表層Aまたは表層Bであるものであるとしたが、巻止めテープSが付着する面である最外周部分以外の部分、さらに望ましくは終端部以外の部分は表層A及び表層Bでなくともよい。例えば両面が表層Bであるとしてもよい。この場合、巻止めテープSの付着に必要な強度を確保しつつ、巻止めテープSとは無関係な表面を無機質層とすることができ、本電極体2の耐熱性をより高めることができる。
また、上記の説明においては、本電極体2の最外周側がセパレータ2c’であるとしたが、セパレータ2c’の更に外周に負極2bを巻回した構成において実施してもよい。図3(A),(B)の場合は最外周のセパレータ2c’の外周側であって巻止めテープSの直下に負極2bが位置することになり、図3(C)の場合は、セパレータ2gとセパレータ2c’に負極2bが挟まれることとなる。また、さらにその外周にセパレータ2cを巻回してもよい。これらの構成により、ケース電位の電位設定に柔軟に対応することが可能となる。この場合、セパレータ2c’及びセパレータ2cは、本発明の第3のサブセパレータに相当することになる。なお、本電極体2においては、正極2aと負極2bの配列が逆であってもよいことはいうまでもない。
<本電極体の他の構成例>
本電極体2は、(b)セパレータの最外周面が、表層Bにより構成される場合において、第1構成例のようにセパレータ2cの一部を延長するのではなく、巻止めテープSの粘着層Saと粘着可能な絶縁テープTを用い、下記のように、いくつかの終端処理された本電極体2を構成することができる。
ここで、絶縁テープTは、絶縁性を有するとともに耐熱性を有する素材が好ましい。本電池の稼動に伴う本電極体2の温度上昇があっても、絶縁性を保持することが好ましいためである。具体的には、ポリイミドフィルムやPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムを用いることができる。
〔第2構成例〕
本電極体2は、図4(A),(B)に例示するように、絶縁テープTを、セパレータ2c’の最外周の終端部2fから、該終端部2fまで1以上外周を周回させるとともに、巻止めテープSの粘着層Sa面が、絶縁テープTの一端部Taおよび他端部Taに付着された構成とすることができる(第2構成例)。図4(A)は、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面が表層Aとする構成を示し、図4(B)は、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面が表層Bとする構成を示す。
セパレータ2c’の最外周の終端部2fに対応する位置に絶縁テープTの一端部Taを配設し、セパレータ2c’の最外周に沿って絶縁テープTを周回させ、最外周の終端部2f近傍に他端部Tbを配設することによって、セパレータ2c’の無機質層等が形成された表層Bを破損することなく、本電極体2の全周を被覆することができる。ここで、絶縁テープTの一端部Taおよび他端部Tbを巻止めテープSによって付着することによって、絶縁テープTを介してセパレータ2cを固定することができる。このとき、セパレータ2c’の最外周の終端部2fに対応する位置に絶縁テープTの一端部Taが配設され、その最外周面に巻止めテープSの粘着層Sa面を付着させることによって、終端部2fにおいて所定の段差が形成される。こうした段差は、巻止めテープSの傾斜を形成し、絶縁テープTの滑りを係止する機能を作り出すことから、絶縁テープTを確実に固定することができ、絶縁テープTを介してセパレータ2c’を固定することができる。
本電極体2の終端処理は、巻止めテープSの粘着層Saと粘着可能な絶縁テープTを用い、絶縁テープTを最外周のセパレータ2c’の最外周の終端部2fから該終端部2f(近傍)まで1以上外周を周回させ、巻止めテープSの粘着層Sa面を、該絶縁テープTの一端部Taおよび他端部Tbに付着させることによって、行うことができる。
なお、上記の説明においては、本電極体2の最外周側がセパレータ2c’であるとしたが、セパレータ2c’の更に外周に負極2bを巻回した構成において実施してもよい。その場合、図4(A)、(B)の絶縁テープTの直下に負極2bが存在することになる。また、更にその外周にセパレータ2cを巻回してもよい。なお、本電極体2においては、正極2aと負極2bの配列が逆であってもよいことはいうまでもない。
また、絶縁テープTは、巻止めテープと略同等の幅を有していれば問題ないが、セパレータ2cまたは2c’と略同等の幅を有していてもよい。絶縁テープTとセパレータ2cまたは2c’との幅が略等しければ、最外周に負極2bまたは正極2aが巻回されていても絶縁テープTで保護されているため、活物質の脱落等が生じにくいという利点がある。
〔第3構成例〕
本電極体2は、図4(C)〜(E)に例示するように、巻止めテープSの粘着層Sa面が、絶縁テープTの一端部Taおよび他端部Tbに付着されるとともに、セパレータ2c’の終端部2fの内面あるいは最外周のセパレータ2c’より内周のセパレータ2cの表層Aに付着された構成とすることができる(第3構成例)。図4(C)は、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面に表層Aを有する構成を、図4(D),(E)は、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面に表層Bを有する構成を示す。
図4(C),(D)は、上記第2構成例における周回する絶縁テープの一端部および他端部の巻き止めに加え、前述した、各セパレータ2c,2c’と正極2a、負極2bとの終端部の長さの違いにより形成された空隙の内壁としての最外周のセパレータ2c’の内面、すなわち巻回状態における内周側に構成された表層Aを利用して、巻止めテープSを固定する構成を示す。また、図4(E)は、同様に、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの内面に構成された表層Aを利用して、巻止めテープSを固定する構成を示す。こうした固定によって、一層確実に絶縁テープTを固定することができ、絶縁テープTを介して一層確実にセパレータ2c’を固定することができる。本電極体2の終端処理は、第2構成例と同様の操作に加え、最外周のセパレータ2c’の内面に構成された表層Aに巻止めテープSを固定する操作が加わることによって行うことができる。
なお、上記の説明においては、本電極体2の最外周側がセパレータ2c’であるとしたが、セパレータ2c’の更に外周に負極2bを巻回した構成において実施してもよい。その場合、図4(A)、(B)の絶縁テープTの直下に負極2bが存在することになる。また、更にその外周にセパレータ2cを巻回してもよい。なお、本電極体2においては、正極2aと負極2bの配列が逆であってもよいことはいうまでもない。また、絶縁テープTは巻止めテープと略同等の幅を有していれば問題ないが、セパレータ2cまたは2c’と略同等の幅を有していてもよい。絶縁テープTとセパレータ2cまたは2c’との幅が略等しければ、最外周に負極2bまたは正極2aが巻回されていても絶縁テープTで保護されているため、活物質の脱落等が生じにくいという利点がある。
〔第4構成例〕
本電極体2は、図5(A)〜(F)に例示するように、巻止めテープSを複数とし、第1の巻止めテープS1の粘着層Sa1面が、絶縁テープTの一端部Taと他端部Tb、または一端部Taと最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層Aに付着されるとともに、第2の巻止めテープS2の粘着層Sa2面が、前者にあって絶縁テープTの他端部Tbと最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層A、後者にあって他端部Tbと一端部Taあるいは最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの終端部2fの内面の表層Aに付着された構成とすることができる(第4構成例)。ここで、図5(A)〜(D)は、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面に表層Aを有する構成を、図5(E),(F)は、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面に表層Bを有する構成を示す。
図5(A)は、第1の巻止めテープS1の粘着層Sa1面が、絶縁テープTの一端部Taと他端部Tbに付着されるとともに、第2の巻止めテープS2の粘着層Sa2面が、絶縁テープTの他端部Tbと最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層Aに付着された構成を示す。
また、図5(B)は、第1の巻止めテープS1の粘着層Sa1面が、絶縁テープTの一端部Taと他端部Tbに付着されるとともに、第2の巻止めテープS2の粘着層Sa2面が、絶縁テープTの他端部Tbと最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの終端部2fの外周面の表層Aに付着された構成を示す。
また、図5(E)は、第1の巻止めテープS1の粘着層Sa1面が、絶縁テープTの一端部Taと他端部Tbに付着されるとともに、第2の巻止めテープS2の粘着層Sa2面が、絶縁テープTの他端部Tbと最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層Aに付着された構成を示す。
また、図5(F)は、第1の巻止めテープS1の粘着層Sa1面が、絶縁テープTの一端部Taと他端部Tbに付着されるとともに、第2の巻止めテープS2の粘着層Sa2面が、絶縁テープTの他端部Tbと最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの終端部2fの内面の表層Aに付着された構成を示す。
上記各構成のうち、図5(B)は、他端部Tbにおいて第1の巻止めテープS1及び第2の巻止めテープS2が何れも絶縁テープTの同一面に付着された構成を示し、図5(A)(E)(F)は、他端部Tbにおいて第1の巻止めテープS1及び第2の巻止めテープS2がそれぞれ絶縁テープTの両面に付着された構成を示す。
図5(C)は、第1の巻止めテープS1が、絶縁テープTの一端部Taから最外周のセパレータ2c’を含めた先端を回り込んで最外周のセパレータ2c’の内周側に達することにより、第1の巻止めテープS1の粘着層Sa1面が、絶縁テープTの一端部Taと最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層Aに付着されるとともに、第2の巻止めテープS2の粘着層Sa2面が、絶縁テープTの他端部Tbと最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層Aに付着された構成を示す。
また、図5(D)は、図5(C)と同様、第1の巻止めテープS1が終端部の先端を回り込むことにより、第1の巻止めテープS1の粘着層Sa1面が、絶縁テープTの一端部Taと最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層Aに付着されるとともに、第2の巻止めテープS2の粘着層Sa2面が、絶縁テープTの他端部Tbと一端部Taに付着された構成を示す。図5(C),(D)に示す構成は、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面に表層Bを有する構成においても適用することが可能である。
いずれの構成においても、絶縁テープTの固定部分の補強として、絶縁テープTの両端部Ta,Tbの固定用の1つの巻止めテープS1に加え、絶縁テープTと最外周のセパレータ2c’の固定用のもう1つの巻止めテープS2を用いることによって、確実に絶縁テープTを固定することができ、絶縁テープTを介して、確実に固定された本電極体2を構成することができる。
また、本電極体2の終端処理は、図5(C)に示す構成を除き、第2構成例と同様の操作に加え、絶縁テープTの一端部Taあるいは他端部Tbと最外周のセパレータ2c’の内面に構成された表層Aに巻止めテープSを固定する操作を加えることによって行うことができる。図5(C)に示す構成においては、第1の巻止めテープS1の粘着層Sa1面を、最外周のセパレータ2c’の内面に構成された表層Aと絶縁テープTの一端部Taに付着させ、第2の巻止めテープS2の粘着層Sa2面を、最外周のセパレータ2c’の内面に構成された表層Aと絶縁テープTの他端部Tbに付着させる操作によって、終端処理を行うことができる。なお、上記の構成において、図5(A),(B),(E),(F)に示した第1の巻止めテープS1は本発明の第1の巻止めテープに相当し、第2の巻止めテープS2は本発明の第2の巻止めテープに相当する。また、図5(C),(D)に示した第1の巻止めテープS1は本発明の第1の巻止めテープに相当し、第2の巻止めテープS2は本発明の第3の巻止めテープに相当する。
ただし、本発明は以上の構成例に限定されるものではない。上記の説明においては、セパレータ2c及び2c’は、いずれも両面のそれぞれが表層Aまたは表層Bであるものであるとしたが、表層A及び表層Bでなくともよい。例えば両面が表層Bであるとしてもよい。本発明においては、本電極体2の外周全体が巻止めテープSに対して一定の粘着力で固定される絶縁テープTによって被覆されているために、セパレータ2c、2c’の表面状態の如何にかかわらず、巻止めテープSによる確実な固定を実現することが可能となる。この場合、例えばセパレータ2c、2c’双方の両面を無機質層とすることができ、本電極体2の耐熱性をより高めることができる。
また、上記の説明においては、本電極体2の最外周側がセパレータ2c’であるとしたが、セパレータ2c’の更に外周に負極2bを巻回した構成において実施してもよい。図4(A)〜(E)、図5(A)〜(F)の場合において、絶縁テープTと最外周のセパレータ2c’との間に負極2bが位置することとなる。第1〜第3構成例と同様、これらの構成により、ケース電位の電位設定に柔軟に対応することが可能となる。この場合、セパレータ2c’及びセパレータ2cは、本発明の第3のサブセパレータに相当することになる。なお、本電極体2においては、正極2aと負極2bの配列が逆であってもよいことはいうまでもない。また、絶縁テープTは巻止めテープと略同等の幅を有していれば問題ないが、セパレータ2cまたは2c’と略同等の幅を有していてもよい。絶縁テープTとセパレータ2cまたは2c’との幅が略等しければ、最外周に負極2bまたは正極2aが巻回されていても絶縁テープTで保護されているため、活物質の脱落等が生じにくいという利点がある。
〔第5構成例〕
本電極体2は、図6(A)〜(D)に例示するように、一端部の片面bに粘着層Sbおよび他端部の片面bあるいは他の片面cに粘着層Scを有する絶縁性の巻止めテープSを用いる。巻止めテープSの一端部の粘着層Sbが、最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面あるいは内周の表層Aに付着された状態で、巻止めテープSが最外周のセパレータ2c’のさらに外周を螺旋状に1以上周回されるとともに、他端部の粘着層Scが、最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面あるいは最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面の表層Aに付着された構成とすることができる(第5構成例)。図6(A)〜(C)は、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面が表層Aとする構成を示し、図6(D)は、最外周に位置するセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面が表層Bとする構成を示す。両端部に付着に必要な部分のみ粘着層を有する巻止めテープSを用いることによって、各電極及びセパレータを巻回した状態において最外周側に位置するセパレータ2c’の外周面が、表層Bにより構成される場合であっても、最小単位の部材を用い、最短距離で、確実な終端の固定を行うことができる。
具体的には、図6(A),(B)は、同一の片面bに両端の粘着層Sb,Scを有する巻止めテープSを用いた構成を例示する。
図6(A)は、巻止めテープSの一端部の粘着層Sbが、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの終端部2fの内周の外周面の表層Aに付着されて、セパレータ2c’の先端を回り込んで最外周のセパレータ2c’のさらに外周を螺旋状に1以上周回されるとともに、他端部の粘着層Scが、最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層Aに付着された構成を示す。
図6(B)は、逆に巻止めテープSの一端部の粘着層Sbが、最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層Aに付着され、他端部の粘着層Scが、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの終端部2fの内周の外周面の表層Aに付着された構成を示す。
図6(C),(D)は、一端部の片面bに粘着層Sb、他端部の、片面bとは反対の面である片面cに粘着層Scを有する巻止めテープSを用いた構成を例示する。
図6(C)は、一端部の粘着層Sbが、最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の外周面の表層Aに付着されて、最外周のセパレータ2c’のさらに外周を螺旋状に1以上周回されるとともに、他端部の粘着層Scも、最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内面の表層Aに付着された構成を示す。この構成は、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの外周面が表層Bとなる場合においても適用することができる。
図6(D)は、一端部の粘着層Sbが、最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内層の表層Aに付着され、他端部の粘着層Scが、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの終端部2fの内面の表層Aに付着された構成を示す。ここで、逆に一端部の粘着層Sbが、最外周のセパレータ2c’より1つ内周のセパレータ2cの終端部2fの内面の表層Aに付着され、他端部の粘着層Scが、最外周のセパレータ2c’の終端部2fの内層の表層Aに付着された構成とすることも可能である(図示せず)。
なお、図6(A)〜(D)を参照する巻止めテープSは、本発明の絶縁性の巻止めテープに相当する。
ただし本発明はこの構成例に限定されるものではない。上記の説明においては、本電極体2の最外周側がセパレータ2c’であるとしたが、セパレータ2c’の更に外周に負極2bを巻回した構成において実施してもよい。この場合は最外周のセパレータ2c’の外周側であって巻止めテープSの直下に負極2bが位置することになる。この構成により、ケース電位の電位設定に柔軟に対応することが可能となる。なお、本電極体2においては、正極2aと負極2bの配列が逆であってもよいことはいうまでもない。また、巻止めテープSは巻止めの効果を有する程度の幅があれば十分だが、セパレータ2cまたは2c’と略同等の幅を有していてもよい。巻止めテープSとセパレータ2cまたは2c’との幅が略等しければ、最外周に負極2bまたは正極2aが巻回されていても絶縁テープTで保護されているため、活物質の脱落等が生じにくいという利点がある。
以上、5つの異なる形態の構成例を示したが、本発明は、これらの構成例に限定されるものではなく、さらに、例えば、両端部において両面粘着層を有する巻止めテープSを用いた構成や、セパレータ2cの終端部分を、最外周の終端部と1つ内層の終端部をずらせることによって巻止め部分の突起を低減する構成等、本電極体2の基本的な構成を応用した種々の形態に適用することが可能である。
また、本明細書に記載された実施形態はつぎの側面を有する。
第1の側面は、
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び該シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを備え、
該セパレータは、剥離強度が高い表層Aと剥離強度が該表層Aより低い表層Bとを、少なくともその一部に有し、
該セパレータの終端部が、少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定されている発電要素であって、
巻回状態における最も外側に位置するセパレータの、終端部を含む外周側の表面が前記表層Aである、
発電要素である。
第2の側面は、
前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び前記正極または前記負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
該第1のサブセパレータ及び該第2のサブセパレータは各々が前記表層A及び前記表層Bを有し、
前記最外周のセパレータは前記第2のサブセパレータである、
上記第1の側面の発電要素である。
第3の側面は、
前記表層A及び前記表層Bを、前記最外周のセパレータの全部または一部にのみ有する、
上記第1または第2の側面の発電要素である。
第4の側面は、
前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び前記正極または前記負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
前記最外周のセパレータが該第1のサブセパレータである、
上記第1の側面の発電要素である。
第5の側面は、
前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び前記正極または前記負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
前記最外周のセパレータが該第1のサブセパレータであり、
前記最外周のセパレータの内周側に該第2のサブセパレータの外周側が当接されている、
上記第1の側面の発電要素である。
第6の側面は、
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び該シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータと、
巻回状態において、該正極、該負極または該セパレータのうち最外周に位置するいずれかの、さらに外周に渡って設けられた、所定の粘着力を有する絶縁テープとを備え、
該セパレータが、剥離強度が高い表層Aと剥離強度が該表層Aより低い表層Bとを、少なくともその一部に有し、
前記絶縁テープの終端部が、少なくとも片面に粘着層を有する第1の巻止めテープにより固定された、
発電要素である。
第7の側面は、
前記第1の巻止めテープは、前記絶縁テープのさらに外周側に設けられている、
上記第6の側面の発電要素である。
第8の側面は、
前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び該正極または該負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
前記絶縁テープの内周側または外周側と該第1のサブセパレータまたは該第2のサブセパレータの終端部の表面とが第2の巻止めテープにより固定された、
上記第6または第7の側面の発電要素である。
第9の側面は、
巻回された状態における前記第2のサブセパレータの終端部の外周側の表面が前記表層Bであって、
前記第2の巻止めテープにより固定される前記第1のサブセパレータまたは前記第2のサブセパレータの終端部の表面が前記表層Aである、
上記第8の側面の発電要素である。
第10の側面は、
巻回された状態において、前記正極、前記負極または前記セパレータのうち最外周に位置するのが前記セパレータである、
上記第6から第9のいずれかの側面の発電要素である。
第11の側面は、
前記絶縁テープ、前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータの終端部は前記正極及び前記負極の終端部より延伸しており、
前記絶縁テープの表面から前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータの該終端部の先端を回り込んで、最外周に位置する前記第1のサブセパレータまたは前記第2のサブセパレータの内周側に付着する第3の巻止めテープを有し、
前記第1のセパレータまたは前記第2のサブセパレータの該内周側が前記表層Aである、
上記第10の側面の発電要素である。
第12の側面は、
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び該シート状の該正極と該負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを有し、
該シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において該正極と該負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び該正極または該負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
該第1のサブセパレータまたは該第2のサブセパレータの終端部が、少なくとも片面に粘着層を有する絶縁性の巻止めテープにより固定されている発電要素であって、
前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは、各々が剥離強度が高い表層Aと剥離強度が該表層Aより低い表層Bとを少なくともその一部に有するとともに、
前記絶縁性の巻止めテープの一端は、最も外側に位置する前記第1のサブセパレータまたは前記第2のサブセパレータの外周側から終端部の先端を回り込んで内周側に付着しており、
前記絶縁性の巻止めテープの他端は、前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータの終端部、前記正極及び前記負極の終端部より形成される空隙内にて前記第1のサブセパレータまたは前記第2のサブセパレータの表面に付着しており、
前記絶縁性の巻止めテープの一端が付着する第1のサブセパレータまたは第2のサブセパレータの内周側及び前記絶縁性の巻止めテープの他端が付着する第1のサブセパレータまたは第2のサブセパレータの該表面は、いずれも前記表層Aである、
発電要素である。
第13の側面は、
前記表層Aが樹脂性機材により構成され、前記表層Bが無機質層により構成された、
上記第1〜第12のいずれかの側面の発電要素である。
第14の側面は、
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び該シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを有し、該セパレータは剥離強度が高い表層Aと剥離強度が表層Aより低い表層Bとを少なくともその一部に有し、該シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において該正極と該負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び該正極または該負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータから構成される発電要素の終端処理方法であって、
前記正極及び前記負極の間に前記第1のサブセパレータを配置し、前記正極または前記負極のいずれか一方に前記第2のサブセパレータを対向するように配置した状態で、前記第2のサブセパレータが外周側となるようにこれらを巻回する工程と、
前記セパレータの終端部を少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定する工程とを備え、
該固定する工程は、
(イ)前記巻回する工程により、前記セパレータの終端部の外周側が前記第2のサブセパレータの前記表層Aになっている場合は、前記巻止めテープの粘着層の面を前記第2のサブセパレータの終端部及び最外周面にまたがって付着させる工程、
または
(ロ)前記巻回する工程により、前記セパレータの終端部の外周側が前記第2のサブセパレータの前記表層Bになっている場合は、前記第2のサブセパレータの直下に位置する前記第1のサブセパレータを、少なくとも前記第2のサブセパレータの終端部を被覆するように巻回し、前記巻止めテープの粘着層の面を、さらに巻回された前記第2のサブセパレータの終端部及び最外周面にまたがって付着させる工程、
である、発電要素の終端処理方法である。
第15の側面は、
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び該シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを有し、該セパレータは剥離強度が高い表層Aと剥離強度が表層Aより低い表層Bとを少なくともその一部に有し、該シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において該正極と該負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び該正極または該負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータから構成される発電要素の終端処理方法であって、
前記正極及び前記負極の間に前記第1のサブセパレータを配置し、前記正極または前記負極のいずれか一方に前記第2のサブセパレータを対向するように配置した状態で、前記第2のサブセパレータが外周側となるようにこれらを巻回する工程と、
前記セパレータの終端部を少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定する工程とを備え、
該固定する工程は、
(イ)前記巻回する工程により、前記セパレータの終端部の外周側が前記第2のサブセパレータの前記表層Aになっている場合は、前記巻止めテープの粘着層の面を該第2のサブセパレータの終端部及び最外周面にまたがって付着させる工程、
または
(ロ)前記巻回する工程により、前記セパレータの終端部の外周側が前記第2のサブセパレータの前記表層Bになっている場合は、終端部を含む前記第2のサブセパレータの更に外周に、所定の粘着力を有する絶縁テープを1周以上巻回し、巻回した前記絶縁テープの終端部を、少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定する工程、
である、発電要素の終端処理方法である。
第16の側面は、
積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び該シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを有し、該セパレータは剥離強度が高い表層Aと剥離強度が表層Aより低い表層Bとを少なくともその一部に有し、該シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において該正極と該負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び該正極または該負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータから構成される発電要素の終端処理方法であって、
前記正極及び前記負極の間に前記第1のサブセパレータを配置し、前記正極または前記負極のいずれか一方に前記第2のサブセパレータを対向するように配置した状態で、前記第2のサブセパレータが外周側となるようにこれらを巻回する工程と、
前記セパレータの終端部を少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定する工程とを備え、
該固定する工程は、
(イ)前記巻回する工程により、前記セパレータの終端部の外周側が該第2のサブセパレータの該表層Aになっている場合は、前記巻止めテープの粘着層の面を前記第2のサブセパレータの終端部及び最外周面にまたがって付着させる工程、
または
(ロ)前記巻回する工程により、前記セパレータの終端部の外周側が前記第2のサブセパレータの前記表層Bになっている場合は、
前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータの終端部を前記正極及び前記負極の終端部より延伸させ、
前記絶縁性の巻止めテープの一端を、最外周に位置する前記第2のサブセパレータの外周側から終端部の先端を回り込んで内周側に付着させ、
前記絶縁性の巻止めテープの他端を、前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータの終端部、前記正極及び前記負極の終端部より形成される空隙内にて前記第1のサブセパレータまたは前記第2のサブセパレータの表面に付着させる工程であって、
前記(ロ)において、前記絶縁性の巻止めテープの一端が付着する第2のサブセパレータの内周側及び前記絶縁性の巻止めテープの他端が付着する前記第1のサブセパレータまたは前記第2のサブセパレータの表面を、いずれも前記表層Aに定めておく、
発電要素の終端処理方法である。
以上のような本発明は、セパレータの表面の状態を考慮して、簡便な構成で、巻止めテープによって確実に固定された発電要素および確実に固定可能な発電要素の終端処理方法を得ることができ、二次電池等において有用である。
1 容器
1a 開口部
2 本電極体
2a 正極
2b 負極
2c,2c’,2g セパレータ
2d 正極の電極端
2e 負極の電極端
2f,2h 終端部
3 蓋体
3a,3b 電極端子部
A,B 表層
S,S1,S2 巻止めテープ
Sa,Sb,Sc,Sa1,Sa2 粘着層
T 絶縁テープ
Ta 一端部
Tb 他端部

Claims (4)

  1. 積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び前記シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを備え、
    前記セパレータは、剥離強度が高い表層Aと剥離強度が前記表層Aより低い表層Bとを、少なくともその一部に有し、
    前記セパレータの終端部が、少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定
    されている発電要素であって、
    前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び前記正極と対向する第2のサブセパレータを有し、
    前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは各々が前記表層A及び前記表層Bを有し、巻回状態において、前記負極の外側に前記正極が配され、かつ前記正極の外側に前記第2のサブセパレータが配され、
    前記第2のサブセパレータの終端部を含む外周側の表面における前記表層Aにおいて、前記第2のサブセパレータの終端部が前記巻き止めテープにより固定されている、
    発電要素。
  2. 積層された状態で巻回された、シート状の正極、シート状の負極、及び前記シート状の正極及び負極の少なくとも一方と対向するシート状のセパレータを備え、
    前記セパレータは、剥離強度が高い表層Aと剥離強度が前記表層Aより低い表層Bとを、少なくともその一部に有し、
    前記セパレータの終端部が、少なくとも片面に粘着層を有する巻止めテープにより固定されている発電要素であって、
    前記シート状のセパレータは、巻回が解けた状態において前記正極と前記負極との間に位置する第1のサブセパレータ及び前記正極または前記負極のいずれか一方と対向する第2のサブセパレータを有し、
    前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは各々が前記表層A及び前記表層Bを有し、巻回状態において、前記第1のサブセパレータ及び前記第2のサブセパレータは、いずれも、外周側が前記表層Aにより構成され、
    前記第2のサブセパレータの終端部を含む外周側の表面における前記表層Aにおいて、前記第2のサブセパレータの終端部が前記巻き止めテープにより固定されている、
    発電要素。
  3. 前記表層Aが樹脂製基材により構成され、前記表層Bが無機質層により構成された、請求項1又は2に記載の発電要素。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の発電要素と、
    前記発電要素を収容する容器と、
    前記容器の開口部に配置される蓋体と、
    を備える電池。
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