JP6102810B2 - 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、および帯電部材の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、表面に少なくともニッケル原子を含むメッキ皮膜を有する軸体と、硫黄又は分子構造に硫黄原子を含む加硫剤を添加した未加硫ゴム組成物層の架橋物でありたゴム層を前記軸体の外周面上に有するゴムローラにおいて、前記メッキ皮膜が、ニッケル以外の成分を7質量%未満含有することを特徴とするゴムローラが開示されている。
請求項3に係る発明は、前記ゴム組成物が、前記3元系エピクロルヒドリンゴム100質量部に対して前記4,4’−ジチオジモルホリンを0.5質量部以上15.0質量部以下含む請求項1又は請求項2に記載の帯電部材。
本実施形態に係る帯電部材は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置され、エピクロルヒドリンとアルキレンオキサイドとアリルグリシジルエーテルとの共重合体である3元系エピクロルヒドリンゴムと、4,4’−ジチオジモルホリンと、前記3元系エピクロルヒドリンゴム100gに対して金属量換算で0.003mol以上0.04mol以下の金属塩である加硫促進剤とを含むゴム組成物の架橋物であり、圧縮永久歪率が20%以下である導電性弾性層(以下、「ゴム弾性層」又は単に「弾性層」と記す場合がある)と、を有して構成されている。
本実施形態に係る帯電部材を用いることで稼働時以外の電子写真感光体との接触による歪みに起因する画像の濃度ムラの発生が抑制される。その理由は定かでないが、以下のように推測される。
押出製法においては、未加硫ゴムの可塑化促進のために押出機を加温するが、加硫剤及び加硫促進剤を増量すると押出機内で加硫が進行し成形後のロール表面に異物として現れ画質に影響を与えてしまう。
一方、本実施形態に係る帯電部材は、導電性弾性層を形成するゴム組成物は、弾性材料としてピクロルヒドリンとアルキレンオキサイドとアリルグリシジルエーテルとの共重合体である3元系エピクロルヒドリンゴムを用い、さらに、加硫剤として4,4’−ジチオジモルホリン、加硫促進剤として前記3元系エピクロルヒドリンゴム100gに対して金属量換算で0.003mol以上0.04mol以下の金属塩を含むゴム組成物を用いることにより、効率よく架橋され、押出製法において熱風加硫炉においても十分な架橋密度が得られ、圧縮永久歪が改善され、架橋剤として硫黄を用いる場合に比べ分子鎖は長くなり過ぎずに、ゴムとしての十分な弾性を有し、かつ、耐圧縮永久歪に優れる導電性弾性層になると考えられる。
以下、本実施形態に係る帯電ロールの構成要素について詳細に説明する。
導電性支持体30は、帯電ロールの電極及び支持部材として機能する円柱状の部材(シャフト)である。
導電性支持体30の材質としては、例えば、鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。また、導電性支持体30としては、外側の面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤の分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。
導電性支持体30は、中空状の部材(筒状部材)であってもよいし、非中空状の部材であってもよい。
弾性層31は、導電性支持体30の外周面に接着剤層33を介して配置されている。
弾性層31は、エピクロルヒドリンとアルキレンオキサイドとアリルグリシジルエーテルとの共重合体である3元系エピクロルヒドリンゴムと、4,4’−ジチオジモルホリンと、前記3元系エピクロルヒドリンゴム100gに対して金属量換算で0.003mol以上0.04mol以下の金属塩である加硫促進剤とを含むゴム組成物の架橋物であり、圧縮永久歪率が20%以下となっている。
帯電部材から弾性層の一部を採取し、JISK6262(1997)に記載の試験片成形用金型を用い電気熱プレス機にて170℃で20分間加硫し試験片を作製する。圧縮専用冶具を用い、試験片を圧縮板の間の中央部に、規定のスペーサを試験片の外側にそれぞれ挿入する。試験片を25%圧縮し、維持したまま熱風乾燥器にて70℃環境中に22時間放置後の30分放置後の試験片の回復率を測定する。下記式により弾性層の圧縮永久歪率が求められる。
t0:試験片の元の厚さ(mm)
t1:スペーサの厚さ(mm)
t2:圧縮装置から取外し、30分後の試験片の厚さ(mm)
本実施形態における弾性層を形成するためのゴム組成物は、弾性材料(ゴム材料)として、エピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとアリルグリシジルエーテルとからなる3元共重合体(3元系エピクロルヒドリンゴム)が用いられる。
3元系エピクロルヒドリンゴムを用いることで、エピクロルヒドリンによる弾性と、エチレンオキサイドによる導電性と、アリルグリシジルエーテルと架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)との架橋反応が得られ、圧縮永久歪率が20%以下の導電性弾性層の形成に寄与する。
本実施形態に係るゴム組成物は、加硫剤として、4,4’−ジチオジモルホリンが用いられる。
弾性層を形成する場合、一般的に、加硫剤として硫黄が用いられる場合が多いが、硫黄を用いると分子鎖が長くなり、弾性層の歪みが残り易くなる。
一方、4,4’−ジチオジモルホリンはジスルフィド結合を形成し、架橋剤として硫黄を用いる場合に比べ分子鎖は長くならずに弾性層の架橋密度を上げ、圧縮永久歪率が20%以下の導電性弾性層の形成に寄与する。
4,4’−ジチオジモルホリンの上記配合量が15.0質量部以下であると、反応に関与しなかった加硫剤が圧縮された状態で未反応の二重結合部と反応して圧縮永久歪を悪化させることが抑制される。また、4,4’−ジチオジモルホリンの上記配合量が0.5質量部以上であると、架橋が十分となり、圧縮永久歪率が20%以下の導電性弾性層が得られやすい。
加硫促進剤としては、前記3元系エピクロルヒドリンゴム100gに対して金属量換算で0.003mol以上0.04mol以下の金属塩が用いられる。
加硫促進剤の金属塩の上記配合量が金属量換算で0.003mol未満であると加硫が十分に進まず、0.04molを超えると加硫反応が早く、成形時にスコーチが進み、粘度が上昇して成形できなくなる。
かかる観点から、本実施形態に係る弾性層を形成するゴム組成物は、加硫促進剤として、前記3元系エピクロルヒドリンゴム100gに対して金属量換算で0.006mol以上0.02mol以下の金属塩が配合されていることが好ましい。
電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。
また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、平均粒子径は、弾性層31を切り出した試料を用い、電子顕微鏡により観察し、導電剤の100個の直径(最大径)を測定し、それを平均することにより算出する。
接着剤層33は、接着剤(樹脂又はゴム材)と、必要に応じて、導電剤、架橋剤等の添加剤を含む組成物によって形成される。
接着剤層を構成する樹脂としては、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂等が挙げられる。また、ゴム材としては、例えばEPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴムや、RB(ブタジエン樹脂)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンエラストマー)等のポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル系樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸(EMAA)共重合体、およびこれらの樹脂を変性したもの等の樹脂材料が用いられる。
好ましくは、クロロプレン、エピクロルヒドリンヒドリン、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
接着剤層33には、該接着剤層を導電性にするため導電剤を含有させてもよい。
導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ酸化アンチモン固溶体、酸化スズ酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの導電性粉体が挙げられる。
接着剤層33は、架橋剤を含んでもよい。接着剤層に含まれる架橋剤としては、ハロゲン基と反応する官能基を2つ以上有する架橋剤(ハロゲン基架橋剤)が挙げられる。
ポリアミン系架橋剤としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等が挙げられる。
チオウレア系架橋剤としては、エチレンチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等が挙げられる。
チアジアゾール系架橋剤としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾエート等が挙げられる。
トリアジン系架橋剤としては、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−シクロヘキサンアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン等が挙げられる。
ピラジン系架橋剤としては、2,3−ジメルカプトピラジン誘導体等が挙げられ、ピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5−メチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5−エチルピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5,6−ジメチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5,6−ジメチルピラジン−2,3−ジチオカーボネート等が挙げられる。
キノキサリン系架橋剤としては、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体等が挙げられ、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−エチル−2,3−ジメルカプトキノキサリン、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート等が挙げられる。
ビスフェノール系架橋剤としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、1,1−シクロヘキシリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)、2−クロロ−1,4−シクロヘキシレン−ビス (4−ヒドロキシベンゼン)、2,2−イソプロピリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールA)、ヘキサフルオロイソプロピリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールAF)および2−フルオロ−1,4−フェニレン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)等が挙げられる。
尚、ハロゲン基架橋剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
接着剤層には、上記の架橋剤、接着剤や導電剤の他に、さらに触媒、硬化促進剤、無機充填剤、有機もしくは高分子充填剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、滑剤、摺動性付与剤、界面活性剤、着色剤、受酸剤等を含有してもよい。これらの中の2種類以上を含有してもよい。
尚、接着剤層に受酸剤を含有させることにより、弾性層にて発生する酸性成分による導電性支持体の腐食が抑制され、さらに接着力を向上させ得る。
本実施形態に係る帯電部材は、弾性層上に設けられる表面層32を有してもよい。
表面層32は、例えば、樹脂と、必要に応じて、導電剤と、表面層32の表面に凹凸(特定の表面粗さ)を付与するための粒子と、その他の添加剤と、を含んで構成される。
上記高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合または共重合して用いてもよい。また、当該樹脂の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。
本実施形態に係る帯電部材の製造方法としては、導電性支持体上に、エピクロルヒドリンとアルキレンオキサイドとアリルグリシジルエーテルとの共重合体である3元系エピクロルヒドリンゴムと、4,4’−ジチオジモルホリンと、前記3元系エピクロルヒドリンゴム100gに対して金属量換算で0.003mol以上0.04mol以下の金属塩である加硫促進剤とを含むゴム組成物を付与してゴム組成物層を形成するゴム組成物層形成工程と、前記ゴム組成物層を加熱して架橋反応を生じさせることにより、圧縮永久歪率が20%以下である導電性弾性層を形成する導電性弾性層形成工程と、を有する方法が挙げられる。
ゴム組成物層は、例えばクロスヘッド等が備えられた押出成形機にて、前記ゴム組成物を前記接着剤層33が形成された導電性支持体30と共に押出すことで、該接着剤層33の外周表面に形成される。
次に、前記ゴム組成物層を加熱して架橋反応を生じさせる。
前記未加硫ゴムロールを、例えば、空気加硫炉(熱風加熱炉)において140℃以上180℃以下で、20分以上300分以下の加熱条件で加硫を行う。これにより、接着剤層上に、圧縮永久歪率が20%以下である導電性弾性層を有する加硫ゴムロールが得られる。
次に、本実施形態に係る帯電装置について説明する。
図4は、本実施形態に係る帯電装置の一例を示す概略図である。
具体的には、本実施形態に係る帯電装置12は、図4に示すように、例えば、帯電部材121と、クリーニング部材122と、が特定の食い込み量で接触して配置されている。そして、帯電部材121の導電性支持体30およびクリーニング部材122の導電性支持体122Aの軸方向両端は、各部材が回転自在となるように導電性軸受け123(導電性ベアリング)で保持されている。導電性軸受け123の一方には電源124が接続されている。
なお、本実施形態に係る帯電装置は、上記構成に限られず、例えば、クリーニング部材122を備えない形態であってもよい。
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、前記本実施形態に係る帯電部材を有し、前記帯電部材を前記電子写真感光体の表面に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備えて構成される。
電子写真感光体1a,1b,1c,1dはそれぞれ一方向(紙面上は反時計回り)に回転し、その回転方向に沿って帯電ロール402a,402b,402c,402d、現像装置404a,404b,404c,404d、1次転写ロール410a,410b,410c,410d、クリーニングブレード415a,415b,415c,415dが配置されている。帯電ロール402a,402b,402c,402dは、それぞれ前記した本実施形態に係る帯電ロールであり、接触帯電方式が採用されている。
これにより、電子写真感光体1a,1b,1c,1dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニング(トナー等の異物除去)の各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。そして、中間転写ベルト409上にトナー像が転写された後の電子写真感光体1a,1b,1c,1dは、表面の電荷を除去する工程を経ずに次の画像形成プロセスが行われる。
本実施形態のプロセスカートリッジは、前記本実施形態に係る帯電部材を有し、前記帯電部材を電子写真感光体の表面に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段を備え、画像形成装置に着脱される構成を有する。
(ゴム組成物の調製)
帯電ロールを作製するにあたり、下記組成の混合物を、接線式加圧ニーダー((株)モリヤマ製:実容量55L)を用いて混練してストレーナーを通過させゴム組成物を調製した。
詳細には、加圧ニーダーのジャケット、加圧蓋、ローターを循環水により20℃にし、加圧蓋の圧力を0.6MPaで下記ゴム材料を素練りし、酸化亜鉛を混練後、ステアリン酸及びカーボンブラックを投入混練し、イオン導電剤、炭酸カルシウムを投入して混練した。2軸のシートプレフォーミングマシーン((株)モリヤマ製実容量75L)でシート状に切り出し、常温まで冷却後、再び加圧ニーダーで、架橋剤及び加硫促進剤を加えて混練し、ギアポンプ押出機にてストレーナーに通し、ゴム組成物を得た。
・ゴム材料 ・・・・・・・100質量部
(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、商品名「CG102、ダイソー社製)
・酸化亜鉛 ・・・・・・・5質量部
(商品名「酸化亜鉛2種」:正同化学工業社製)
・ステアリン酸 ・・・・・・・1質量部
(商品名「ステアリン酸S」:花王社製)
・カーボンブラック ・・・・・・・15質量部
(商品名「ケッチェンブラックEC」、ライオン社製)
・炭酸カルシウム ・・・・・・・20質量部
(商品名「白艶華CCR、白石工業社製」)
・イオン導電剤 ・・・・・・・1質量部
(ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、商品名「BTMAC」ライオンアクゾ社製)
・加硫剤 ・・・・・・・1質量部
(商品名「バルノックR」、4,4’−ジチオジモルホリン、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤 ・・・・・・・5質量部(金属元素の物質量:0.014mol)
(商品名「ノクセラーEZ」、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)
下記組成の混合物をビーズミルにて分散し、分散液を調製した。分散液は導電性支持体に浸漬塗布法にて塗布後、150℃で10分間乾燥し、溶剤を除去し、接着剤層を得た。
・樹脂材料 ・・・・・・100質量部
(クロロスルホン化ポリエチレン、商品名「CN1500」、東ソー社製)
・導電剤 ・・・・・・・40質量部
(カーボンブラック、商品名「ケッチェンブラックEC600JD」、ライオン社製)
・溶剤 ・・・・・・・640質量部
(キシレン、関東化学社製)
・受酸剤 ・・・・・・・5.0質量部
(酸化マグネシウム、商品名「キョーワマグ150」、協和化学工業社製)
・ハロゲン基架橋剤 ・・・・・・・1.5質量部
(6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、商品名「XL21S」ダイソー社製)
・促進剤 ・・・・・・・1.0質量部
(1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、商品名「DBU」、サンアプロ社製)
SUS303製の直径8mm、長さ330mmの接着剤層を有する導電性支持体(シャフト)を用意し、シリンダー内径60mm、L/D20の1軸ゴム押出し機を用いてスクリュー回転25rpmで前記ゴム組成物を押出すとともに、前記導電性支持体を連続的にクロスヘッドに通過させることにより、導電性支持体上に前記ゴム組成物を被覆して未加硫ゴムロールを得た。押出機の温度条件設定は、シリンダー部、スクリュー部、ヘッド部、ダイ部のいずれとも80℃とした。
導電性支持体と被覆されたゴム組成物で形成された未加硫ゴムロールは、空気加熱炉において170℃で70分間加硫した。これにより加硫ゴムロールを得た。
下記組成の混合物をビーズミルにて分散し、分散液を調製した。得られた分散液をメタノールで希釈して、表面層形成用塗布液を得た。この塗布液について粘度が45mPa・sとなるようにメタノール及びブタノールで調整した後、浸漬塗布槽へ注入した。
・高分子材料 ・・・・・・・100質量部
(アミド樹脂、商品名「アラミンCM8000」、東レ社製)
・導電剤 ・・・・・・・14質量部
(カーボンブラック、商品名「Monarch1000」、キャボット社製)
・溶剤 ・・・・・・・500質量部
(メタノール、関東化学社製)
・溶剤 ・・・・・・・240質量部
(ブタノール、関東化学社製)
実施例1で調製したゴム組成物において、加硫促進剤(ノクセラーEZ、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)の配合量を1.0質量部(金属元素の物質量:0.003mol)に変更する以外は実施例1と同様にして、接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫促進剤の配合を、加硫促進剤(ノクセラーEZ、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)14質量部(金属元素の物質量:0.039mol)に変更する以外は実施例1と同様にして、接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫促進剤の配合を、加硫促進剤(ノクセラーBZ、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)7質量部(金属元素の物質量:0.019mol)に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫促進剤の配合を、加硫促進剤(ノクセラーPZ、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)4質量部(金属元素の物質量:0.011mol)に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫促進剤の配合を、加硫促進剤(ノクセラーPX、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)5.2質量部(金属元素の物質量:0.014mol)に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫促進剤の配合を、加硫促進剤(ノクセラーZP、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)3.2質量部(金属元素の物質量:0.014mol)に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫促進剤の配合を、加硫促進剤(ノクセラーTP、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、大内新興化学工業社製)4.2質量部(金属元素の物質量:0.014mol)に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫促進剤の配合を、加硫促進剤(ノクセラーTTTE、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、大内新興化学工業社製)4.0質量部(金属元素の物質量:0.014mol)に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫剤(「バルノックR」、4,4’−ジチオジモルホリン、大内新興化学工業社製)の配合量を0.5質量部に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫剤(「バルノックR」、4,4’−ジチオジモルホリン、大内新興化学工業社製)の配合量を15質量部に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫剤(「バルノックR」、4,4’−ジチオジモルホリン、大内新興化学工業社製)の配合量を5質量部に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫剤(「バルノックR」、4,4’−ジチオジモルホリン、大内新興化学工業社製)の配合量を10質量部に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫剤を硫黄(商品名「金華印微粉硫黄200メッシュ」、鶴見化学工業社製)に置き換える以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫剤として、加硫剤(硫黄、商品名「金華印微粉硫黄200メッシュ」、鶴見化学工業社製)を1.0質量部追加する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物に加硫促進剤(ノクセラーPX、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)を2.0質量部(金属元素の物質量:0.005mol)追加する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物に加硫促進剤(ノクセラーM−P、2−メルカプトベンゾチアゾール、大内新興化学工業社製)を3.0質量部(金属元素の物質量:0mol)追加する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫促進剤の配合を、加硫促進剤(ノクセラーEZ、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)0.8質量部(金属元素の物質量:0.002mol)に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫促進剤の配合を、加硫促進剤(ノクセラーEZ、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業社製)18.0質量部(金属元素の物質量:0.05mol)に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫剤(「バルノックR」、4,4’−ジチオジモルホリン、大内新興化学工業社製)の配合量を0.1質量部に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
実施例1で調製したゴム組成物における加硫剤(「バルノックR」、4,4’−ジチオジモルホリン、大内新興化学工業社製)の配合量を20質量部に変更する以外は実施例1と同様にして接着剤層、弾性層及び表面層を形成して帯電部材を得た。
なお、表1において加硫剤及び加硫促進剤の配合量は、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム100質量部に対する量であり、加硫促進剤の金属量(mol)はエピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム100gに対する量である。
(圧縮永久歪の測定)
実施例、比較例で形成した弾性層のうち、シャフト端部に形成された部分を採取し、JISK6262(1997)に記載の試験片成形用金型を用い電気熱プレス機にて170℃で20分間加硫し試験片を作製する。圧縮専用冶具を用い、試験片を圧縮板の間の中央部に、規定のスペーサを試験片の外側にそれぞれ挿入する。試験片を25%圧縮し、維持したまま熱風乾燥器にて70℃環境中に22時間放置後の30分放置後の試験片の回復率を測定する。下記式により弾性層の圧縮永久歪率を求める。
t0:試験片の元の厚さ(mm)
t1:スペーサの厚さ(mm)
t2:圧縮装置から取外し、30分後の試験片の厚さ(mm)
上述の方法で作製された実施例および比較例の帯電部材を帯電ロールとして図5に示す構成を有するカラー複写機DocuCentre Color400CP:富士ゼロックス社製に装着した後、24時間放置した。
カラー複写機DocuCentre Color400CP用のカラートナー(シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、黒トナー)を用い、A4用紙初期印字テスト(10℃、15%RH環境下で10枚印刷後、28℃、85%RH環境下10枚印刷後)を行った。
A:濃度ムラ及び点欠陥等無し。
B:極軽微な濃度ムラまたは極軽微な点欠陥発生。
C:軽微な濃度ムラまたは軽微な点欠陥発生。
D:実使用不可の濃度ムラまたは点欠陥発生。
Claims (7)
- 導電性支持体と、
前記導電性支持体上に配置され、エピクロルヒドリンとアルキレンオキサイドとアリルグリシジルエーテルとの共重合体である3元系エピクロルヒドリンゴムと、4,4’−ジチオジモルホリンと、前記3元系エピクロルヒドリンゴム100gに対して金属量換算で0.003mol以上0.04mol以下の金属塩である加硫促進剤とを含むゴム組成物の架橋物であり、圧縮永久歪率が20%以下である導電性弾性層と、
を有する帯電部材。 - 前記加硫促進剤が、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛である請求項1に記載の帯電部材。
- 前記ゴム組成物が、前記3元系エピクロルヒドリンゴム100質量部に対して前記4,4’−ジチオジモルホリンを0.5質量部以上15質量部以下含む請求項1又は請求項2に記載の帯電部材。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材を備える帯電装置。
- 電子写真感光体と、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、前記帯電部材を前記電子写真感光体の表面に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、前記帯電部材を電子写真感光体の表面に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 導電性支持体上に、エピクロルヒドリンとアルキレンオキサイドとアリルグリシジルエーテルとの共重合体である3元系エピクロルヒドリンゴムと、4,4’−ジチオジモルホリンと、前記3元系エピクロルヒドリンゴム100gに対して金属量換算で0.003mol以上0.04mol以下の金属塩である加硫促進剤とを含むゴム組成物を付与してゴム組成物層を形成するゴム組成物層形成工程と、
前記ゴム組成物層を加熱して架橋反応を生じさせることにより、圧縮永久歪率が20%以下である導電性弾性層を形成する導電性弾性層形成工程と、
を有する帯電部材の製造方法。
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