JP6102577B2 - 腐食性液体の加熱装置 - Google Patents

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本発明は、腐食性液体を加熱する加熱装置に関する。
腐食性液体を所定の温度まで加熱してから利用する操作が様々な化学プロセスで行われている。たとえば、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性の腐食性液体や、硫酸、塩酸、リン酸などの酸性の腐食性液体を加熱してから反応物に添加することにより反応速度を速くすることが行われている。また、金属めっきの前処理工程やエッチング処理工程では、使用する薬液をあらかじめ加熱することにより処理速度を速くすることが行われている。
このような腐食性液体の加熱装置としては、たとえば特許文献1に示すように、フッ素樹脂チューブや石英などの耐食性部材からなる配管の外側にヒータを巻きつけて、配管内を流れる液体を温める装置が用いられている。あるいは、特許文献2に示すように、耐食性に優れた液体容器の周りに加熱ヒータを配して容器全体を温めることで容器内の液体を加熱したり、特許文献3に示すように、液体容器の内側にヒータを入れて容器内の液体を加熱したりする装置が用いられている。
特許第3911723号公報 特開平06−098828号公報 特開2005−005075号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、配管材料にフッ素樹脂などの熱伝導率の低い材料を使用しているため、これを補うために加熱部に接している配管の外径を大きくしたり配管の長さを長くしたりすることが必要になり、配管内に流す流量に比べて加熱装置のサイズが大きくなりすぎることが問題になることがあった。また、特許文献2や3の技術では、所定の容量を有する容器に被加熱液体を受け入れてバッチ方式で加熱するものであるため、一度に加熱できる量に制限がある上、一定の温度を有する高温の液体を連続的に製造する場合には適していなかった。また、容器内の液体の温度を均一に保つのも困難であった。
本発明はかかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、従来の加熱装置に比べてコンパクトであって短時間で液体を昇温することができる上、一定の流量で連続的に供給される腐食性液体を一定の温度に加熱できる加熱装置を提供する事を目的としている。
上記目的を達成するため、本発明が提供する加熱装置は、腐食性の液体を加熱する加熱装置であって、ヒータユニットと前記ヒータユニットを囲み且つ前記液体の入口と出口とを備えた断熱部材とを有し、前記ヒータユニットはSiCまたはSiCを含む複合材料からなるセラミック体とその内部に気密に設けられた加熱用発熱体とを有し、前記入口及び前記出口に連通し且つ前記ヒータユニットの周りを少なくとも1回螺旋状に旋回した流路が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、コンパクトであって短時間で液体を昇温することができる上、一定の流量で連続的に供給される腐食性液体を一定の温度に加熱することが可能になる。
本発明の実施形態の加熱装置の模式的な斜視図である。 本発明の加熱装置に含まれるヒータユニットの一具体例の縦断面図である。 本発明の加熱装置の一具体例の正面図である。 図3の加熱装置の縦断面図である。 図3の加熱装置をV−Vで切断した時の矢視図である。 図3の加熱装置をVI−VIで切断した時の矢視図である。 本発明の加熱装置内に設けられた流路の具体例を示す断面図である。 本発明の加熱装置の他の具体例の縦断面図である。
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。本発明の加熱装置は、腐食性の液体を加熱する加熱装置であって、ヒータユニットと前記ヒータユニットを囲み且つ前記液体の入口と出口とを備えた断熱部材とを有し、前記ヒータユニットはSiCまたはSiCを含む複合材料からなるセラミック体とその内部に気密に設けられた加熱用発熱体とを有し、前記入口及び前記出口に連通し且つ前記ヒータユニットの周りを少なくとも1回螺旋状に旋回した流路が設けられている。かかる構成により、加熱装置自体をコンパクトにして短時間で液体の温度を上げることができる上、一定の流量で連続的に供給される腐食性液体を一定の温度に加熱することが可能になる。
上記本発明の加熱装置においては、断熱部材においてセラミックプレートに接触する側に前記流路の溝が形成されているのが好ましい。これにより、簡易に且つ低コストで流路を形成することができる。また、断熱部材の周りに補助断熱部材を設け、これら断熱部材と補助断熱部材との間に空隙を設けてもよい。これにより、より高い断熱性能を得ることが可能になる。
次に、図1を参照しながら本発明の腐食性液体の加熱装置の一具体例について説明する。この図1に示す加熱装置は、一定の流量で連続的に供給される腐食性液体を装置内部に受け入れて加熱する加熱装置であり、腐食性液体に接液した状態で加熱するヒータユニット1と、ヒータユニット1の周りを全面に亘って取り囲む断熱部材2とからなる。ヒータユニット1は、図2に示すように加熱用発熱体11と、これを両側から挟み込む2枚の板状に形成されたセラミックプレート12、13とからなり、加熱用発熱体11は可撓性の気密部材14で気密シールされている。
上記した加熱装置を構成する各要素について、より具体的に説明すると、ヒータユニット1に含まれる加熱用発熱体11は、その形状や構造について特に限定はないが、金属のシースヒータを使用するか、あるいは電気絶縁体シートで被覆された金属抵抗発熱体を使用するのが好ましい。これらは簡便で取り扱いが容易であるからである。金属のシースヒータの場合は、ステンレスなどの金属シースの中に、ニクロム線等の発熱体を挿入し、その隙間に酸化マグネシウムなどの熱伝導性のよい無機絶縁物の高純度粉末を圧密に充填するのが好ましい。
一方、電気絶縁体シートで被覆された金属抵抗発熱体の場合は、金属抵抗発熱体の材質として、ニッケル、ステンレス、銀、タングステン、モリブデン、クロム、またはこれら金属の少なくともいずれかの合金を使用するのが好ましい。これらの中では、ステンレスやニクロムが好ましい。ステンレスやニクロムは、例えば金属箔にエッチングなどの加工を施すことで比較的精度良く抵抗体の回路パターンを形成することができるからである。また、安価な点や、耐酸化性を有するので使用温度が高温であっても長期間の使用に耐え得る点においてもステンレスやニクロムが好ましい。
上記した金属抵抗発熱体を被覆する電気絶縁体シートの材質は、電気絶縁性に加えて耐熱性を有するものが好ましく、このような材質には例えばマイカ、ポリイミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを挙げることができる。これらの内、樹脂を用いる場合は、上記した金属箔からなる金属抵抗発熱体で発生した熱をよりスムースにセラミックプレートに伝え得るようにするため、樹脂中にフィラーを分散させてもよい。樹脂中にフィラーを分散させることによって、シリコーン樹脂等の熱伝導性を高めることができるからである。フィラーの材質としては、樹脂との反応性が無ければ特に制約はなく、たとえば窒化硼素、窒化アルミニウム、アルミナ、シリカなどの物質を使用することができる。
加熱用発熱体11を挟み込むセラミックプレート12、13は、腐食性液体に対する耐食性をもたせるため、SiCまたはSiCを含むSiSiCなどの複合材料で形成されており、その形状には特に制約はないが、製作コストや製作のし易さの観点から図2に示すような2枚の略同形状の平板で構成するのが望ましい。これら2枚の平板のうちの1枚もしくは両方において、互いに対向する側の面に上記した加熱用発熱体11を収納できる大きさの凹部15が設けられている。
これら2枚の平板のうちの1枚もしくは両方には、更に凹部15の全周を取り囲むように環状の溝16が設けられており、ここに溝16の深さよりも線太もしくは肉厚のOリングやガスケットなどの可撓性の気密部材14が嵌装される。これら装着された加熱用発熱体11および気密部材14を挟み込むようにして2枚のセラミックプレート12、13を重ね合わせ、図示しないネジ等の締結部材でこれら2枚のセラミックプレート12、13を結合することでヒータユニット1が得られる。
この締結部材での結合により、加熱用発熱体11の回りを取り囲んでいる可撓性の気密部材14が両セラミックプレート12、13によって圧縮されるので、加熱用発熱体11は外部の腐食性環境に対して気密シールされる。気密部材14は腐食性液体に接液するので、その材質は耐食性のある例えばバイトン(登録商標)、カルレッツ(登録商標)のほか、PTFE、PFAなどのフッ素樹脂を使用することになる。
図3〜6に示すように、上記したヒータユニット1の全面を取り囲むように断熱部材2が設けられている。この断熱部材2の形状には特に限定はないが、ヒータユニット1を一回り大きくしたような相似形状であるのが好ましい。これにより全体としてコンパクトな加熱装置を実現することができる。この断熱部材2の両端部に液体が供給される液体流入口21と、加熱された液体が排出される液体流出口22とがそれぞれ設けられている。
これら入口21および出口22に連通する液体の流路23が、ヒータユニット1と断熱部材2との間に形成されている。具体的には、腐食性液体に接液した状態で加熱できるように、流路23はヒータユニット1の表面とこれに対向する断熱部材2の表面とで内壁が画定されている。この流路23は、ヒータユニット1の表面の周りを螺旋状に少なくとも1回旋回している。これにより、ヒータユニット1の熱を流体に効率よく伝熱することが可能になる。なお、図1にはヒータユニット1の周りを流体がヒータユニット1の長手方向に向かって螺旋状に1回旋回している状態が矢印で模式的に示されており、図4〜6にはヒータユニット1の周りをその長手方向に向かって螺旋状に4回旋回するように形成された流路が示されている。
ヒータユニット1と断熱部材2との間の流路23は、図7(a)に示すようにヒータユニット1の表面に溝を設けることで形成してもよいし、図7(b)に示すように断熱部材2の内面に溝を設けることで形成してもよい。あるいは、図7(c)に示すように両方に溝を設けることで形成してもよい。セラミックに比べて樹脂の方が加工性が良くコストもかなり抑えられるので、樹脂製の断熱部材2を使用する場合は、図7(b)に示すように断熱部材2においてセラミックプレート1に接触する内面側にのみ溝を設けるのが好適である。
上記した流体の入口21および出口22を備えた断熱部材2の材質としては、耐食性のあるものであれば特に制約はないが、SiSiC、SiC、Si、石英等のセラミック、あるいはPTFE、PFA等のフッ素樹脂が好ましい。これらの中ではフッ素樹脂は加工性が良くて溶接もしやすく、且つほとんどの薬液に対して耐食性があるのでより好ましい。断熱部材2は気密を確保するため全て同じ材料で一体成型もしくは互いに溶接されているのが好ましく、この点においてもフッ素樹脂が好ましい。溶接が困難なセラミックの場合は、Oリング等の気密部材で気密シールして液体が外に漏れないように接続すると良い。この場合の気密部材の材質としては、耐食性のあるものなら特に制約はなく、バイトン(登録商標)、カルレッツ(登録商標)のほか、PTFE、PFAなどのフッ素樹脂を用いることができる。
断熱部材2の厚みとしては、良好な断熱性の観点から2mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましく、10mm以上が最も好ましい。このように断熱部材の厚みを厚くすることで加熱装置の外表面温度を低く抑えることができ、エネルギーの節約になる上、加熱装置が周辺環境に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。ただし、あまり厚くしすぎると装置自体が嵩張ったり重くなりすぎて取り扱いが困難になる場合がある。
このような制約によって断熱部材2の厚みを厚くできない場合は、図8に示すように、断熱部材2のまわりに補助断熱部材3を設けると共に、断熱部材2と補助断熱部材3との間に空隙31を設ければよい。断熱部材2と補助断熱部材3との間には円柱状の支持部材32を適切な場所に設けることにより、補助断熱部材3を支持することができる。これら断熱部材2および補助断熱部材3の最適な厚み配分や空隙の間隔には特に制約はないが、断熱部材2の厚みを2〜5mm程度、空隙31の間隔を3〜15mm程度、補助断熱部材3の厚みを2〜5mm程度にすれば装置全体をコンパクトにし、且つ軽量化することができるため好適である。
以上、本発明のヒータについて具体例を挙げて説明したが、本発明は係る具体例に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲の種々の態様で実施可能である。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲およびその均等物に及ぶものである。
[実施例1]
図3〜6に示すような加熱装置を作製して流体を加熱する実験を行った。具体的には、縦150mm×横50mm×厚み10mmの矩形平板状のSi10SiC90製のセラミックプレートを2枚準備した。これら2枚のセラミックプレートのうちの一方の片面略中央部に、後述する加熱用発熱体の収納用の縦100mm×横30mm×深さ1.05mmの凹部を設け、更にその凹部の周りを取り囲むように、後述する気密部材の嵌装用の幅2.4mm×深さ1.8mmの溝を形成した。この溝は、内側の寸法を縦105mm×横35mmにした。2枚のセラミックプレートのうちの他方には、加熱用発熱体の給電用ケーブルを通すための貫通孔を設けた。
電気絶縁体シートには、縦100mm×横30mm×厚み0.5mmのシリコーン樹脂(熱伝導率5W/mm/K)を2枚使用した。このシリコーン樹脂には、窒化硼素フィラーを分散させたものを用いた。金属抵抗発熱体には、エッチング加工により回路パターンが形成された、縦95mm×横25mm×厚み0.05mmのステンレス箔を用意し、その電極には2本の給電用ケーブルをスポット溶接で取り付けた。このようにして、電気絶縁体シートで被覆された金属抵抗発熱体からなる加熱用発熱体11を作製した。
気密部材14として、内寸縦105mm×横35mm×太さ2mmのバイトン製のOリングを用意した。この気密部材14と上記した加熱用発熱体11とをセラミックプレートに形成した凹部および溝にそれぞれ嵌装し、これら気密部材14と加熱用発熱体11とを挟み込むようにして2枚のセラミックプレートを重ね合わせた。その際、2本の給電用ケーブルは一方のセラミックプレートに設けた貫通孔に気密状態で挿通させてヒータユニット1から外に取り出した。そして、これら2枚のセラミックプレートを、PTFEコートした4個のステンレスボルト(M4長さ25)とテフロンコートした4個のステンレスナットとで結合した。これらボルトナットによる結合の位置および結合方法は通常の方法で行ったのでその説明は省略する。このようにして、ヒータユニット1を作製した。
次に、断熱部材2として、縦165mm×横60mm×高さ30mmのPTFE製の直方体部材を1個準備した。この直方体部材の長手方向の一端部から、横幅50mm×高さ20mm×奥行き161mmの空洞部を加工し、更にこの空洞部の蓋となる、PTFE製の横50mm×縦20mm×厚み4mmの矩形平板を作製した。そして、この空洞部の内壁に、図4〜6に示すような、長手方向に向かって螺旋状に4回旋回する1本の流路23を形成した。この螺旋状の流路23は、幅25mm×深さ1mmの1本の溝が、上記空洞部に蓋をした時に形成される空間の長手方向の一端から他端に至るように形成した。これにより、該空間の長手方向の中央部にヒータユニット1の長手方向の中央部が一致するようにヒータユニット1を設置したとき、断熱部材2の長手方向の両端部にそれぞれ形成される入口側空間24および出口側空間25に流路23を連通させることができる。
上記空洞部の突き当たりに該当する壁面の中央部に内径6mmの貫通孔を穿孔し、該空洞部の蓋となる矩形平板の中央部にも内径6mmの貫通孔を穿孔した。そしてこれら貫通孔の各々に、外径8mm×内径6mm×長さ20mmのPTFEチューブを溶接で接合し、液体流入口21と液体流出口22とを形成した。そして、該空洞部に前述のヒータユニット1を挿入し、前述したように中央部同士が一致する位置で固定し、更に溶接により空洞部の入口を上記したPTFEチューブが溶接された蓋で閉塞した。このようにして、液体流入口21、入口側空間24、流路23、出口側空間25、および液体流出口22がこの順に連通してなる1本の流路を備えた加熱装置を完成させた。
この加熱装置の性能確認のため、水を1L/minで連続的に供給した場合の加熱テストを実施した。具体的には、装置全体の温度が25℃の状態にある液体用加熱装置の液体流入口21に、25℃の水を流量1L/minで連続的に供給し、この水の供給開始と同時に金属抵抗発熱体に2kWの発熱量になるように給電した。そして、給電を始めてから5秒、10秒、20秒、60秒、10分、60分、12時間、24時間後の流体流出口22での水の温度、および加熱装置の表面温度を測定した。その結果を下記表1に示す。
Figure 0006102577
上記表1から分かるように、給電を始めてから10秒という極めて短時間で流体流出口22の温度が55℃に達し、その後24時間以上その温度を維持していた。また、加熱装置の表面温度は60分まではほとんど上がらず、12時間以上経過してから36.3℃前後で安定した。
次に、上記の金属抵抗発熱体への給電を停止して装置全体の温度が25℃になるまで放冷した後、金属抵抗発熱体に2kWに代えて4kWの発熱量になるように電流を流した以外は上記と同様にして水を加熱する実験を行った。その結果を下記表2に示す。
Figure 0006102577
上記表2から分かるように、電流を流し始めてから20秒という比較的短時間で流体流出口22の温度が85℃に達し、その後24時間以上その温度を維持していた。また、加熱装置の表面温度は60分まではあまり上がらず、12時間以上経過してから67.4℃前後で安定した。
次に、給電を始めてから24時間経過した後、加熱装置への水の供給を止めると共に金属抵抗発熱体への給電を停止し、この状態で60分間放置した。60分経過後、再び加熱装置に25℃の水を流量1L/minで連続的に供給し、同時に金属抵抗発熱体に4kWの電力を給電した。その結果を下記表3に示す。
Figure 0006102577
上記表3から分かるように、給電を始めてからわずか2秒という短時間で85℃に安定し、表面温度も約67.4℃で安定した。上記表2と表3の結果を比較して分かるように、表2の場合において温度が安定するまでに20秒かかったのは、ヒータユニット単体が熱容量を持っているため、安定する温度に達するまでに時間がかかり、表3の場合は、すでにヒータユニット単体は安定する温度に近かったため、わずか2秒で出口温度が安定したと考えられる。このように、本発明の液体用加熱装置は非常に短時間で目的の温度に加熱することができる。
[実施例2]
図8に示すような補助断熱部材を備えた加熱装置を作製して流体を加熱する実験を行った。ヒータユニット1および加熱部材2には実施例1と同じものを使用した。加熱部材2の周りに設ける補助断熱部材3としては、内寸縦185mm×横80mm×高さ50mm×厚み2mmのPTFE製の中空の直方体形状の箱状体を用意し、更にPTFE製の直径5mm×長さ10mmの円筒状の支持部材32を24個用意した。これら支持部材32を実施例1で用いた加熱装置の断熱部材2の外壁6面に略均等に4個ずつ配置し、断熱部材2と補助断熱部材3との間に10mm離間する空隙を形成した。このようにして、補助断熱部材3を備えた加熱装置を完成させた。
この加熱装置の性能確認のため、水を1L/minで連続的に供給した場合の加熱テストを実施した。具体的には、全体の温度が25℃の状態にある液体用加熱装置の液体流入口21に、25℃の水を流量1L/minで連続的に供給し、同時に金属抵抗発熱体に4kWの発熱量になるように給電した。そして、給電を始めてから5秒、10秒、20秒、60秒、10分、60分、12時間、24時間後の流体流出口22での水の温度、および補助断熱部材3の表面温度を測定した。その結果を下記表4に示す。
Figure 0006102577
上記表4から分かるように、給電を始めてから20秒という比較的短時間で85℃に達し、その後24時間以上その温度を維持していた。また、補助断熱部材3の表面温度は60分までは上がらず、12時間以上経過してから26.1℃で安定した。上記表4と実施例1の表2を比べて分かるように、補助断熱部材を使用することで、表面温度の上昇を大幅に抑えることができた。これは、断熱部材と補助断熱部材との間の空隙が空気断熱層として断熱に寄与したためであると考えられる。
1 ヒータユニット
2 断熱部材
3 補助断熱部材
11 加熱用発熱体
12、13 セラミックプレート
14 気密部材
15 凹部
16 溝
21 液体流入口
22 液体流出口
23 流路
24 入口側空間
25 出口側空間
31 空隙
32 支持部材

Claims (3)

  1. 腐食性の液体を加熱する加熱装置であって、ヒータユニットと前記ヒータユニットを囲み且つ前記液体の入口と出口とを備えた断熱部材とを有し、前記ヒータユニットはSiCまたはSiCを含む複合材料からなるセラミック体とその内部に気密に設けられた加熱用発熱体とを有し、前記入口及び前記出口に連通し且つ前記ヒータユニットの周りを少なくとも1回螺旋状に旋回した流路が設けられている加熱装置。
  2. 前記断熱部材においてセラミック体に接触する側に前記流路の溝が形成されている、請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記断熱部材の周りに補助断熱部材が設けられており、これら断熱部材と補助断熱部材との間に空隙が設けられている、請求項1又は請求項2に記載の加熱装置。
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