JP2009283247A - 発熱体ユニット及び加熱装置 - Google Patents

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章 西尾
Masanori Konishi
政則 小西
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Abstract

【課題】本発明は、簡単な構成で信頼性の高い小型の発熱体ユニットを提供することができるとともに、寿命が長く、効率が高く、そして各種用途において容易に適応することができる汎用性の高い熱源としての発熱体ユニット及びその発熱体ユニットを用いた加熱装置を提供すること目的とする。
【解決手段】本発明の発熱体ユニットは、容器保持部により第1の容器と第2の容器が所定距離の隙間を有して保持されており、反射板が発熱体と対向して隙間内に配置され、摺動部が反射板を発熱体の長手方向に摺動可能に保持するよう構成されているため、反射板が歪むことが無く、効率の高い加熱を維持することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱源として使用される発熱体ユニット及びその発熱体ユニットを用いた加熱装置に関し、特に、炭素系物質を主成分とした発熱体を2重の容器内に収納した構成の発熱体ユニット及びその発熱体ユニットを用いた加熱装置に関する。本発明に係る加熱装置としては、例えば複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子装置、及び電気暖房機器、調理機器、乾燥機等の電気機器等の熱源を必要とする各種機器が含まれる。
加熱装置においては、例えば、調理器等の熱源として発熱体ユニットが組み込まれた場合、加熱時に被加熱物体から飛散する物質や、さらにはその使用環境において存在する各種汚染物質が発熱体ユニットの外面を構成する容器である透熱管に付着した場合、透熱管が失透して使用できなくなる場合がある。このような失透を防止するため、発熱体を2重の透熱管に収納した発熱体ユニットが提供されている(特許文献1参照。)。
特開2007−149649号公報(図11−13)
2重の透熱管の内部に発熱体を収納した従来の発熱体ユニットにおいては、加熱領域を特定し、効率の高い加熱を行うために反射板が設けられている。加熱装置において熱源として設けられている発熱体ユニットは、例えば特許文献1の図11に示されている2重の透熱管を有する発熱体ユニットは、2重の透熱管の間の隙間内に反射板を固定して、発熱体からの輻射熱を反射して、特定の加熱領域を効率高く加熱するよう構成されている。このように、従来の発熱体ユニットにおいては、熱源の小型化及び一体化を目的として、反射板を2重の透熱管の間の隙間内に固定していた。
加熱装置の小型化にともない、熱源としての発熱体ユニットにおいても更なる小型化及び省スペース化が望まれている。2重の透熱管の間の隙間内に反射板を固定する発熱体ユニットにおいて、2重の透熱管の間の隙間を狭くし、反射板の厚みを薄く形成することは、小型化及び省スペース化を図る一つの解決手段ではある。しかしながら、従来の発熱体ユニットの構成において、反射板を薄く形成して、2重の透熱管の間の隙間内に反射板を固定した場合には、発熱体からの輻射熱により反射板が熱膨張して、反射面が歪み、更には反射板が大きく変形して、効率の高い加熱ができなくなるという問題があり、最悪の場合には発熱体ユニットが破損するおそれがある。
本発明は、簡単な構成で信頼性の高い小型の発熱体ユニットを提供することができるとともに、寿命が長く、効率が高く、そして各種用途において容易に適応することができる汎用性の高い熱源としての発熱体ユニット及びその発熱体ユニットを用いた加熱装置を提供すること目的とする。
本発明に係る第1の観点の発熱体ユニットは、
長尺の発熱体を内部に収納する第1の容器と、
前記第1の容器を覆う第2の容器と、
前記第1の容器と前記第2の容器の隙間を所定距離を有して保持する容器保持部と、を備える2重構造の発熱体ユニットであって、
前記隙間内に設けられ、前記発熱体と対向する位置に配置された長尺の反射板と、
前記反射板の長手方向における外側に配設され、前記反射板を前記発熱体の長手方向に摺動可能に保持するための摺動部と、を具備する。このように構成された本発明に係る第1の観点の発熱体ユニットは、反射板を摺動可能に保持する摺動部が設けられているため、反射板が熱膨張により歪み及び変形することが無く、効率の高い加熱を維持することができる。
本発明に係る第2の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第1の観点の前記摺動部は、
前記反射板の一端から前記発熱体の長手方向に導出する摺動軸部と、
前記容器保持部における前記摺動軸部の導出方向の対向位置に設けられ、前記摺動軸部の先端部分を保持し、前記反射板を前記発熱体の長手方向に摺動可能に配置する摺動受部と、を有する。このように構成された本発明に係る第2の観点の発熱体ユニットは、反射板が第1の容器と第2の容器の隙間内に配置されて、熱膨張時に摺動軸部が摺動受部を摺動して、熱膨張時の反射板の歪み、変形等が確実に防止される。
本発明に係る第3の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第1の観点の前記摺動部は、
前記反射板の一端から前記発熱体の長手方向に導出する摺動軸部と、
前記摺動軸部の導出方向の対向位置に設けられ、前記摺動軸部の先端部分を保持し、前記反射板を前記発熱体の長手方向に摺動可能に配置する摺動受部が形成された摺動受部材と、を有する。このように構成された本発明に係る第3の観点の発熱体ユニットは、反射板が第1の容器と第2の容器の隙間内に配置されて、熱膨張時に摺動軸部が摺動受部を摺動して、熱膨張時の反射板の歪み、変形等が確実に防止される。
本発明に係る第4の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第1の観点の前記摺動部は、
前記隙間内の前記発熱体の長手方向に導出する摺動軸部が形成された摺動軸部材と、
前記反射板における前記摺動軸部の導出方向の対向位置に設けられ、前記摺動軸部の先端部分を保持し、前記反射板を前記発熱体の長手方向に摺動可能に配置する摺動受部と、を有する。このように構成された本発明に係る第4の観点の発熱体ユニットは、反射板が第1の容器と第2の容器の隙間内に配置されて、熱膨張時に摺動軸部が摺動受部を摺動して、熱膨張時の反射板の歪み、変形等が確実に防止される。
本発明に係る第5の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第2又は第3の観点の前記摺動軸部は、当該摺動軸部を有する前記反射板と一体的に形成されている。このように構成された本発明に係る第5の観点の発熱体ユニットは、簡単な構成となり、組み立てが容易な熱源を提供することができる。
本発明に係る第6の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第2又は第3の観点の前記摺動軸部は、当該摺動軸部を有する前記反射板に固定してもよい。
本発明に係る第7の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第2又は第3の観点の前記摺動軸部は、当該摺動軸部を有する前記反射板に形成された凹部に嵌合させて固着してもよい。
本発明に係る第8の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第2の観点の前記摺動受部は、当該摺動受部を有する前記容器保持部に形成された孔であり、当該孔に摺動軸部が保持されるよう構成してもよい。
本発明に係る第9の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第3の観点の前記摺動受部材は、前記摺動軸部を保持する摺動受部と、当該摺動受部材を前記容器保持部に保持する摺動受保持部と、を有する構成としてもよい。
本発明に係る第10の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第4の観点の前記摺動軸部材は、線材により形成され、前記発熱体の長手方向に導出する摺動軸部と、当該摺動軸部材を前記容器保持部に保持する摺動軸保持部と、を有する構成としてもよい。
本発明に係る第11の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第9の観点の前記摺動受部材は、前記第1の容器に装着される摺動受装着部を有する構成としてもよい。
本発明に係る第12の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第10の観点の前記摺動軸部材は、前記第1の容器に装着される摺動軸装着部を有する構成としてもよい。
本発明に係る第13の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第2乃至第12の観点の前記第1の容器及び前記第2の容器は、管状の熱透過性部材で形成してもよい。
本発明に係る第14の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第2乃至第13の観点の前記摺動軸部は、前記反射板の長手方向に直交する断面を矩形状に構成してもよい。
本発明に係る第15の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第2乃至第14の観点の前記摺動軸部は、複数の棒状体で構成してもよい。
本発明に係る第16の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第1乃至第15の観点の前記反射板は、当該反射板の長手方向に直交する断面を円弧状に構成してもよい。
本発明に係る第17の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第1乃至第15の観点の前記反射板は、当該反射板の長手方向に直交する断面を多角形状に構成してもよい。
本発明に係る第18の観点の発熱体ユニットにおいて、前記第1乃至第17の観点の前記反射板は、当該反射板の長手方向に直交する断面の一部に凹部或いは凸部形状を有する構成でもよい。
本発明に係る第19の観点の加熱装置は、前記第1乃至第18の観点の発熱体ユニットを熱源として装備しているため、寿命が長く、加熱効率が高く、信頼性の高い加熱装置となる。
本発明によれば、寿命が長く、小型で効率が高く、そして各種用途において容易に適応することができる汎用性の高い熱源としての発熱体ユニット及びその発熱体ユニットを用いた信頼性の高い加熱装置を提供することができる。
以下、本発明に係る発熱体ユニット及びその発熱体ユニットを用いた加熱装置の好適な実施の形態について添付の図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1
図1は本発明に係る実施の形態1の発熱体ユニットの構成を示す平面図である。図1において、実施の形態1の発熱体ユニットは、熱源である発熱体3が熱透過性を有する透熱管で構成された2重の容器内に収納されている。実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、発熱体3を収納する第1の透熱管(第1の容器)1と、第1の透熱管1を覆う第2の透熱管(第2の容器)2と、を有している。第1の透熱管1と第2の透熱管2は、それらの両端部分に設けられた容器保持部10により所定の空隙(隙間)を有して固定されている。
図1に示すように、実施の形態1の発熱体ユニットにおいて、第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の隙間内にはシート状の反射板11が配設されている。この反射板11は、発熱体3に対向して対応する位置に配置され、発熱体3の発熱部より少し長い長さ(L)を有している。反射板11は発熱体3の平面部分に交差する位置に配置され(図1における発熱体3では上面部分)発熱体3の平面部分から輻射された熱を反射して正面側(図1においては下側)に放射するよう構成されており、反射板11の長手方向に直交する断面が円弧形状を有している。実施の形態1における反射板11は、優れた耐熱性を有するフェライト系ステンレス鋼の板厚50μmを用いて、熱処理(900〜1000℃)を行い表面にアルミナを析出させ、高温度で変色しにくい表面膜を形成し、高温度においても反射率の高い状態を維持できる材料とした。
反射板11は、第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の所定の空隙(隙間)内において、発熱体3と対向する範囲内で長手方向に摺動可能に配設されている。反射板11は、容器保持部10に設けられた摺動受部13と、反射板11の両側から発熱体3の長手方向に延設された摺動軸部12とにより、第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の空隙(隙間)内に保持されている。反射板11を所定の位置に保持する摺動軸部12と摺動受部13については後述する。
第1の透熱管1の内部には発熱体3を含む発熱体構成部の一部が配設されており、第1の透熱管1の両端部は溶融されて平板状に押し潰されて封止されている。第1の透熱管1の内部には不活性ガスとしてのアルゴンガスが封入されている。第1の透熱管1の内部に封入可能な不活性ガスとしては、アルゴンガスに限定されるものではなく、アルゴンガスの他に、窒素ガス、又はアルゴンガスと窒素ガス、アルゴンガスとキセノンガス、アルゴンガスとクリプトンガス等の混合ガス等を用いても同様の効果を奏し、封入すべき不活性ガスとしてはその目的等に応じ適宜選択することが可能である。第1の透熱管1の内部に不活性ガスを封入するのは、高温度で使用した際において、容器内部に収納された炭素系物質である発熱体3の酸化を防止するためである。
発熱体構成部は、熱輻射体としての細長い略平板状の発熱体3と、この発熱体3の両端に固着された保持部4と、保持部4の外側端部に取り付けられたコイル部5と、コイル部5に繋がるスプリング部6と、スプリング部6と一体的に構成された内部リード線7と、第1の透熱管1の両端部から導出する外部リード線9と、内部リード線7と外部リード線9とを電気的に接続するモリブデン箔8と、を有して構成されている。
内部リード線7は溶接によりモリブデン箔8の一端近傍に接合されており、モリブデン箔8の他端近傍には発熱体3に電力を供給する外部リード線9が溶接されている。内部リード線7と外部リード線9とを接続するモリブデン箔8が、第1の透熱管1の両端部分で平板状に押し潰された封止部分に埋設されている。
実施の形態1の発熱体ユニットにおける発熱体3は、細長い平板状に形成された炭素系物質であり、黒鉛等の結晶化炭素の基材に窒素化合物の抵抗値調整物質、及びアモルファス炭素を加えた混合物により構成されている。この発熱体3の形状寸法は、例えば、板幅が6.0mm、板厚が0.5mm、長さが300mmである。発熱体3においては、板幅Tと板厚tとの比(T/t)が5以上、即ち板幅Tが板厚tの5倍以上であるのが望ましい。板幅Tを板厚tより5倍以上大きい平板状とすることにより、広い平面(板幅Tを構成する面)から出る熱量が狭い側面(板厚tを構成する面)から出る熱量より多くなり、平板状の発熱体3の熱輻射に指向性を持たすことが可能となる。
図1に示すように、発熱体構成部の保持部4の一端には発熱体3の端部が固着されており、この保持部4の他端にはコイル部5が巻着されている。コイル部5、スプリング部6及び内部リード線7は、モリブデン線により一体的に形成されている。実施の形態1においては、コイル部5、スプリング部6及び内部リード線7をモリブデン線により形成した例で説明するが、モリブデン線の他にタングステン、ニッケル、ステンレス等の弾性を有する金属線(丸棒形状、平板形状)を用いて構成してもよい。また、実施の形態1におけるコイル部5、スプリング部6及び内部リード線7は、それぞれが一体的な線材により構成した例で説明するが、それぞれを機能別に別部材で形成して、それぞれを接合して構成することも可能である。
コイル部5は保持部4の外周面に密着して螺旋状に巻き付けられており、保持部4とコイル部5は電気的に確実に接続されている。弾性力を有して螺旋状に形成されたスプリング部6は発熱体3に対して張力を与えるものであり、スプリング部6により発熱体3が第1の透熱管1の内部で所望の位置に常に配置される。また、このようにコイル部5と内部リード線7との間にスプリング部6を設けることにより、発熱体3の熱膨張による寸法変化を吸収することが可能となる。
なお、実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、スプリング部6を発熱体3の両端側に設けた例で説明するが、スプリング部6を発熱体3の片側だけに設けた構成でも可能であることは言うまでもない。
上記のように構成された発熱体3を収納する第1の透熱管1は、円筒状の第2の容器である第2の透熱管2の内部に所定の隙間を有して配設されており、前述のように、第2の透熱管2の内部に第1の透熱管1を所定の隙間を有して配設するために、容器保持部10が設けられている。図2は、実施の形態1の発熱体ユニットにおける容器保持部10の近傍を拡大して示した図である。
図2に示すように、容器保持部10には第1の透熱管1及び第2の透熱管2が固着されており、第1の透熱管1と第2の透熱管2との間は所定の隙間が確保されている。容器保持部10は、外観を構成する円筒部10aと、その内部に形成された鍔部10bとを有している。鍔部10bには貫通孔が形成されており、この貫通孔に第1の透熱管1が貫設される。円筒部10aと鍔部10bとの間には段差部10cがあり、この段差部10cに第2の透熱管2の端部が嵌合されている。このように形成された容器保持部10は、セラミックス材、例えばステアタイト、アルミナ、又はアルミニウム、ステンレス等の金属を材料として形成される。
容器保持部10の鍔部10bを貫通した第1の透熱管1は、容器保持部10と第1の透熱管1との間を接合する接着剤15により確実に固着されている。また、容器保持部10の段差部10cに嵌合した第2の透熱管2は、容器保持部10と第2の透熱管2との間を接合する接着剤14により確実に固着されている。このように、第1の透熱管1と第2の透熱管2が容器保持部10に固着されることにより、第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の空隙(隙間)は、密閉状態となる。なお、容器保持部10を第1の透熱管1と第2の透熱管2とに固着する接着剤14,15としては、例えばアルミナを主原料とする無機耐熱接着剤、又はこの無機耐熱接着剤に二酸化珪素や、酸化マグネシウム等を含む構成でもよい。
実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、第1の透熱管1と第2の透熱管2との隙間内に反射板11が配置されており、反射板11は摺動軸部12と摺動受部13により構成された摺動部により、反射板11の長手方向において摺動可能に保持されている。摺動軸部12は、反射板11の長手方向の両端部分から、容器保持部10の方向(長手方向)に沿って延設された軸体(丸棒形状、又は平板形状)であり、その突出端部が容器保持部10に設けられた摺動受部13の内部に挿入され保持される。
図2に示すように、摺動受部13は、容器保持部10の鍔部10bに設けられた筒状体であり、一方(内側端部)が開口し、他方(外側端部)が閉塞している。摺動受部13の開口には摺動軸部12の突出端部が挿入されており、摺動軸部12の突出端部の先端と摺動受部13の閉塞している外側端部(閉塞端)との間には空隙が形成されている。即ち、反射板11の両側に形成された摺動軸部12の両端までの長さ(全長)は、第2の透熱管2の両端側に設けられた摺動受部13の外側端部(閉塞端)の間の長さより短く構成されている。これらの長さの設定は、発熱体3の発熱時における反射板11の熱膨張の大きさにより決定される。なお、摺動軸部12及び摺動受部13は、耐熱性及び耐酸化性を有する材料、例えばステンレス等の金属が用いられる。
上記のように、実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、摺動受部13が摺動軸部12を長手方向に摺動可能に保持している。このように、反射板11が摺動軸部12と摺動受部13とにより摺動可能に配設されているため、発熱体3の発熱時における輻射熱による反射板11の熱膨張を確実に吸収して、発熱時の反射板11の歪み、変形を防止して、信頼性及び効率の高い加熱が可能な構成となる。
なお、摺動受部13が設けられている容器保持部10の鍔部10bは、接着剤15により第2の透熱管2を固着するとともに、摺動受部13を固着するため、摺動受部13は両側が開口した筒体を用いて、一方を接着剤15により閉塞しても第2の透熱管2と第1の透熱管1との間の空隙(隙間)を完全な密閉状態とすることが可能である。
また、実施の形態1においては、容器保持部10に別部材の筒体の摺動受部13を設けた構成で説明したが、摺動受部13としての孔を容器保持部10に形成して、容器保持部10と摺動受部13とを一体構造としてもよい。
上記のように、実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、第1の透熱管1と第2の透熱管2を容器保持部10に固着して、第1の透熱管1と第2の透熱管2との間に所望の隙間を形成し、その隙間に反射板11を摺動可能に配置した構成である。このように構成された実施の形態1の発熱体ユニットを熱源として加熱装置に組み込む場合には、容器保持部10が設けられている位置で筐体に取り付けることにより、加熱時に加熱領域において生じる汚染物質が筐体と発熱体ユニットとの間から加熱領域外へ流出することが防止される。これは、容器保持部10により発熱体ユニットの第2の透熱管2と筐体との間を塞ぐ構成とすることが容易に可能であるためである。なお、発熱体ユニットと加熱装置の筐体との装着部分に密閉用部材、例えば耐熱性及び柔軟性のある樹脂材等を用いることにより、加熱時に加熱領域において生じる汚染物質の加熱領域外への流出が確実に防止される。
また、実施の形態1の発熱体ユニットを加熱装置に用いた場合、第1の透熱管1は第2の透熱管2の内部に収納され、容器保持部10と接着剤14,15により隙間が密閉された構造であるため、第1の透熱管1は加熱時に生じる汚染物質から第2の透熱管2により保護されており、長寿命化が図られている。
第1の透熱管1は溶着により封止部分を形成する構成であるため、石英透熱管等の透熱管が用いられており、このような透熱管に汚染物質(アルカリ性金属等)が付着し高温度となると、失透という現象を起こし透熱管の破損に繋がるという問題がある。しかし、実施の形態1の発熱体ユニットにおいては第1の透熱管1が第2の透熱管2と所定隙間を有して覆うように設けられているため、第2の透熱管2は第1の透熱管1より温度が低く、失透という現象が起こり難い構成となる。また、第2の透熱管2の材料として結晶化ガラスを用いることにより、さらに失透という現象が起こり難い構造となる。上記のように、実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、第2の透熱管2と容器保持部10と接着剤14,15により、加熱領域の第1の透熱管1に対する汚染物質の進入を物理的に確実に防止する構成である。
なお、第2の透熱管2としては、その使用状態に応じて耐熱性を有する透熱管、例えば、石英透熱管、高シリカガラス管、低アルカリホウケイ酸透熱管は、結晶化ガラス質で高温度における耐食性が強く失透現象が起こりにくい。それ以外にセラミックス管等を選択して用いることができる。使用状態における考慮条件としては、使用温度、熱の透過度、汚染物質としてのアルカリ性金属の発生の度合い、強度等があり、これらの条件を考慮して第2の透熱管2の材質が選択される。また、第2の透熱管2の内側に配置された第1の透熱管(第1の容器)1は、耐熱性、絶縁性及び熱透過性を有する材料であれば用いることができ、例えば石英ガラスの他に、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等のガラス材、セラミック材等から適宜選択される。
実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、発熱体3の平面部分と交差する位置に反射板11を設けることにより、発熱体ユニットの輻射幅を広くすることが可能となり、より広範囲の加熱領域を得ることが可能となる。
また、発熱体の幅が厚みの5倍以上である指向性を有する発熱体3の背面側に反射板11を設けることにより、発熱体ユニットの指向性をさらに高めることが可能となり、被加熱物体に応じた加熱領域を特定することが可能となる。このように発熱体3と反射板11の位置関係(交差する角度)については、図1及び図2で説明した構成に限定されるものではなく、使用される機器に応じ適宜選択することが可能である。
実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、反射板11が第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の隙間に配置され、当該隙間が密閉されているため、この発熱体ユニットを、例えば加熱装置に設けた場合には、加熱時の加熱領域において生じる汚染物質が反射板11に直接付着することがなく、このため当該反射板11の反射面は変色することがなく、高反射率を維持することができる。
なお、実施の形態1における反射板11としてはフェライト系ステンレス鋼を用いたが高温度で変色し難く反射率の高い金属、例えばニッケル(Ni)、ニクロム、金、白金、クロム合金等の材料を用いて構成しても同様の効果を奏する。また構成的に高温度にならない場合はアルミニウム(AL)、アルミニウム合金、一般ステンレス鋼、銅合金、若しくは耐熱性の材料の表面にアルミニウム、窒化チタン、ニッケル、クロム等の金属薄膜を形成した板材等を用いても同様の効果が得られる。
以上のように、本発明に係る実施の形態1の発熱体ユニットによれば、第2の透熱管2と容器保持部10とにより第1の透熱管1を保護し、発熱体3の長寿命化を図ることができるとともに、第1の透熱管1と第2の透熱管2との空隙(隙間)に反射板11を摺動可能に配設することにより、被加熱物体を加熱する際の指向性を高めつつ、形状変化が起こりにくい反射板を構成して、信頼性及び効率の高い加熱装置を提供することができる。
なお、実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、摺動部を反射板11の両側に構成した例で説明したが、使用条件や製品仕様を考慮して、反射板11の一方のみに摺動部を設け、他方は反射板11を容器保持部に固定する構成も可能である。
また、実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、発熱体3が平面を有する板状で説明したが、炭素繊維等により形成されたシート状(帯状)の発熱体を用いて、その背面側に配置した反射板の熱膨張を吸収するために摺動部を設けた構成とすることにより実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、第1の透熱管1を封止した構造で説明したが、この構造の場合には発熱体3が空気中で高温度において酸化するタングステン系、モリブデン系、炭素系、炭素系と抵抗調整剤を含む材料で構成されている。しかし、発熱体が空気中で利用できる炭化珪素系、二ケイ化モリブデン系、ランタンクロマイト、ニクロム系、ステンレス系の材料で構成されている場合には、実施の形態1のような封止構造とする必要がないことは言うまでもない。
以上のように、本発明に係る実施の形態1の発熱体ユニットにおいては、第2の透熱管2と容器保持部10と接着剤14,15とにより第1の透熱管1を保護し、発熱体3の長寿命化を図ることができるとともに、第1の透熱管1と第2の透熱管2との空隙(隙間)に摺動可能な反射板11を配設することにより、被加熱物体を加熱する際の指向性を高め、且つ信頼性及び効率の高い加熱を実現できる加熱装置を提供することができる。
なお、実施の形態1で説明した発熱体3は、発熱体材料として、細長い平板状に形成された炭素系物質であり、黒鉛等の結晶化炭素の基材に窒素化合物の抵抗値調整物質、及びアモルファス炭素を加えた混合物により構成された例で説明したが、本発明はこのような発熱体材料に限定されるものではなく、例えば、コイル状のタングステン線、炭素繊維、或いは炭素繊維を編み込んだものであっても本発明と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2
以下、本発明に係る実施の形態2の発熱体ユニットについて添付の図3から図12を用いて説明する。実施の形態2の発熱体ユニットは、前述の実施の形態1の発熱体ユニットにおける反射板と摺動部の各種変形例であり、反射板と摺動部以外の構成は実施の形態1の発熱体ユニットと同じである。したがって、実施の形態2の説明においては、実施の形態1の発熱体ユニットにおいて説明した構成と同じものは同じ符号を付して、その説明は実施の形態1における説明を適用する。
図3から図10は、実施の形態2の発熱体ユニットにおいて反射板11として用いられる各種構成(形状)を示す斜視図である。なお、図3から図10に示す反射板11においては、反射板11の一方の端部に摺動軸部12又は摺動受部16が設けられた例を示しており、反射板の他方の端部は省略している。
図3は、前述の図1に示した実施の形態1の発熱体ユニットに用いられた反射板11を示す斜視図である。図3に示す反射板11は、当該反射板11の長手方向に直交する断面が円弧状であり、その外周面に断面丸の丸棒状体の摺動軸部12が長手方向に導出するよう接合(スポット溶接)されている。接合位置は、反射板11における重心を含む長手方向に平行な略中心軸上である。
図4に示す反射板11は、別部材である断面丸の丸棒状体の摺動軸部12が反射板11の内面である反射面に接合されている。
図5に示す反射板11は、別部材である細い長い角棒状体(反射板の長手方向に直交する断面が矩形状)の摺動軸部12が反射板11の内面である反射面に接合されている。このように構成することにより、反射板11との接合面が広くなりより強固な接合が可能となる。
図6に示す反射板11は、摺動軸部12と反射板11が一体的に形成されており、摺動軸部12が細い長い角棒状である。このように構成することにより、反射板11と摺動軸部12が同じ材料であることにより発熱時の熱膨張による接合部の破損を防止することが可能となる。
図7に示す反射板11は、別部材である断面丸の丸棒状体の摺動軸部12が複数本(図7においては3本)設けられている。図7に示す反射板11の場合には、複数本の摺動軸部12が設けられているため、これらの摺動軸部12に対応して摺動受部13が容器保持部10に複数個設けられている。このように構成された図7の反射板11は、複数箇所で摺動可能に保持される構成であるため、熱膨張時において反射板11が歪み、変形が防止され、反射面が所望の形状に維持される。
図8に示す反射板11は、反射板11における摺動軸部12を接合する部位に凹みが形成されており、その凹みに丸棒状体の摺動軸部12が嵌め込まれて、摺動軸部12と反射板11が接合されている。このように構成することにより、反射板11と摺動軸12との接触面積が増しより強固な接合が可能となる。
図9に示す反射板11は、長手方向に平行な複数の直線の位置で屈曲した形状を有して、長手方向に直交する断面が略円弧状に形成されている。即ち、図9の反射板11は、当該反射板11の長手方向に直交する断面が、多角形状であり、その多角形状により略円弧が形成されている。なお、図9の反射板11は、複数の平板を接合して構成することが可能である。
図10に示す反射板11は、図3から図9に示した構成と異なり、反射板11に摺動受部16が形成されている。この摺動受部16は、反射板11の長手方向の両端部分に突設されており、反射板11と一体的に形成されている。従って、摺動軸部12が容器保持部10に設けられており、摺動受部16の貫通孔が容器保持部に設けられた摺動軸部12により貫通されて、反射板11が摺動軸部12により摺動可能に保持される構成である。なお、摺動受部16は反射板11における重心を含む長手方向に平行な略中心軸上である。
また、図3から図9に示した構成においては、反射板11に摺動軸部12を設けた例で説明したが、反対に容器保持部10に摺動軸部12を設けて、反射板11に対応する摺動受部を設けてもよい。
上記のように、図3から図10に示した反射板11は、その長手方向に直交する断面が略円弧状であり、第1透熱管1と第2の透熱管2との間の円弧状の狭い隙間内に配置され得る形状を有している。
また、反射板11の形状としては、一部に凹部又は凸部を形成して反射板11としての剛性を高めるとともに、ねじれ、歪みを防止することができる構造となる。また、反射板11に凹部又は凸部を形成することにより、反射板11と第1の透熱管1との接触面積が少なくなり、反射板11の温度上昇を抑制できる構成となる。
図11は反射板11に長手方向に沿った凹部11aを形成した例であり、図12は反射板11に長手方向に沿った凸部11bを形成した例である。このように反射板11の一部に凹部又は凸部を形成することにより、反射板1の剛性が高くなるとともに、反射板11に対する組み立て時の取り扱いが容易となる。その結果、信頼性の高い熱源を提供することができる。
実施の形態3
以下、本発明に係る実施の形態3の発熱体ユニットについて添付の図13から図15を用いて説明する。実施の形態3の発熱体ユニットは、前述の実施の形態1及び実施の形態2の発熱体ユニットにおける摺動部の変形例であり、摺動部以外の構成は実施の形態1及び実施の形態2の発熱体ユニットと同じである。したがって、実施の形態3の説明においては、実施の形態1の発熱体ユニットにおいて説明した構成と同じものは同じ符号を付して、その説明は実施の形態1における説明を適用する。
図13は、摺動部の摺動受部材17を線材で形成した例を示す斜視図であり、反射板11と摺動軸部12と摺動受部材17と容器保持部10とを示している。図13に示す摺動部においては、摺動受部材17が線材、例えばモリブデン線、タングステン、ニッケル、ステンレス等の弾性を有する金属線(丸棒形状、平板形状)で形成されており、摺動受部17aが線材をリング状に形成して構成されている。また、摺動受部材17には摺動受部17aより大きな直径を有する円弧状の摺動受装着部17cが形成されており、この摺動受装着部17cが第1の透熱管1の外面に密接して摺動受部材17が第1の透熱管1に装着される構造となっている。さらに、摺動受装着部17cの端部には容器保持部10の方向に突出する摺動受保持部17bが形成されており、この摺動受保持部17bが容器保持部10において反射板11と対向する側面に形成された有底の穴10aに挿入されて固定される構造となっている。このように摺動受部材17が容器保持部10に固定されて、摺動受部材17が第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の隙間内を移動しないよう構成されている。上記のように、図13に示す摺動部においては、摺動受部材17が線材で構成されているため、発熱体ユニットの組み立てが容易となり、また、発熱体3から受けた輻射熱を放熱する効果を有する。
なお、前記摺動受装着部17cは、第1の透熱管1の外面に密接する半円形状(円周の1/2)の円弧状で説明したが、摺動受装着部17cが第1の透熱管1に装着される構成であれば、本発明は半円形状に限定されるものではなく、環状であるリング状でも良く、さらに円弧の小さい形状でもよい。
図14は、図13に示した摺動受部材17の別の構成の摺動受部材18を示す斜視図である。図14に示す摺動受部材18は、反射板11の摺動軸部12に対向する位置に開口18aを有し板状弾性部材で形成された摺動受部18Aと、摺動受部18Aに固着され第1の透熱管1に装着される摺動受装着部18Bとを有して構成されている。板状弾性部材で形成された摺動受部18Aは、反射板11の摺動軸部12の導出方向に延設されている。摺動軸部12が挿入される開口18aは、摺動軸部12の導出方向が長い長孔形状であり、開口18aが形成されている部分の一部が持ち上がるよう形成されている。このため、反射板11の摺動軸部12は摺動受部18Aの開口18aに挿入される構成となる。また、板状弾性部材で形成された摺動受部18Aは、容器保持部10に対向する方向に突出した摺動受保持部18bが形成されている。摺動受保持部18bは対向する容器保持部10の側面に形成された有底の穴10bに挿入されて固定される構造となっている。
摺動受部18Aに固着、例えば溶接されている摺動受装着部18Bはリング状の線材で構成されており、第1の透熱管1の外面に密接して装着されるよう形成されている。摺動受装着部18Bが第1の透熱管1に貫通されてその外面に装着されることにより、摺動受部材18は、第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の隙間内を移動しないよう固定される。このように、図14に示す摺動部においては、摺動受部材18の摺動受部18Aが板材で構成されているため、摺動軸部12と摺動受部18Aがより安定した摺動効果を有するとともに、発熱体3から受けた輻射熱を摺動受部18Aにより放熱する効果を有する。
なお、摺動受装着部18Bをリング状の線材で説明したが、本発明は必ずしもリング状である必要はなく、摺動受部材18が第1の透熱管1に装着できる構成であればよく、例えば、リングの一部が欠けた円弧状の摺動受装着部でも対応可能であり同様の効果を奏する。
図15は、図13及び図14を用いて説明した摺動受部17,18と摺動軸部12の構成が逆の構成を示したものであり、実施の形態1において図10で示した構成の別の形態を示す斜視図である。
図15に示す摺動部においては、摺動軸部120aを有する摺動軸部材120が線材で形成されており、摺動軸部材120が容器保持部10に固着されるよう構成されている。摺動軸部材120は、反射板110に対向する端部に形成された摺動軸部120aと、容器保持部10に対向する端部に形成された摺動軸保持部120bとを有している。また、摺動軸部材120には、摺動軸部120aと摺動軸保持部120bとの間に摺動軸装着部120cが形成されている。摺動軸装着部120cはリング状に形成され、第1の透熱管1の外面に密接して装着される。
図15に示す摺動部においては、摺動軸部120aが摺動するための摺動受部110aが反射板110に形成されている。図15に示すように、反射板110の端部近傍であり、摺動軸部120aが摺動すべき位置に、反射板110の長手方向に間隔を有して平行な2つのスリットが形成されている。2つのスリットは、反射板110の長手方向に直交して、同じ長さで形成されている。反射板110において、2つのスリットに挟まれた部分は、内側に凹まされており、反射板110の内面に沿って配置される摺動軸部120aが摺動可能に挿入されるように、開口が形成されている。この開口が摺動軸部120aが摺動可能に挿入される摺動受部110aとなる。図15に示すように構成された摺動部は、接合箇所がないため、高い信頼性を有する構成になるとともに、作業性にも優れた構成となる。
なお、摺動軸部材120の摺動軸装着部120cをリング状で説明したが、本発明は必ずしもリング状である必要はなく、摺動軸部材120が第1の透熱管1の外面に装着できる構成であればよい。
本発明に係る実施の形態3の発熱体ユニットにおいて、容器保持部材10と摺動受保持部17b、18b及び摺動軸保持部120bの固定構造として容器保持部材10に有底の穴10a、10b及び10cを形成し固定する例で説明したが、前記固定方法に限定されるものではなく、例えば、容器保持部10に形成された10a、10b及び10cを貫通孔とし、実施の形態1で説明した第1の透熱管1と容器保持部10を固定する接着剤14を用い固定することが好ましい。このように構成することにより作業性に優れるとともに摺動受保持部17b、18b及び摺動軸保持部120bをより強固に固定でき安全性及び信頼性に優れた構成となる。
以上のように、本発明に係る実施の形態3の発熱体ユニットにおいては、簡単な構成の摺動部により、第1の透熱管1と第2の透熱管2との空隙(隙間)に配設した反射板11,110を摺動可能に構成することができ、指向性、信頼性及び効率の高い熱源を実現できる。
実施の形態4
以下、本発明に係る実施の形態4の発熱体ユニットについて、添付の図16及び図17を用いて説明する。図16は実施の形態4の発熱体ユニットの構成を示す正面図である。図17は図16に示す実施の形態4の発熱体ユニットを示す平面図である。なお、図16の正面図に示されている面が被加熱物の対向面となる。
実施の形態4の発熱体ユニットにおいて、前述の図1に示した実施の形態1の発熱体ユニットと異なる点は、熱透過性を有する透熱管で構成された2重の容器内に収納されている発熱体構成部の構成である。従って、実施の形態4の発熱体ユニットにおいても、発熱体3を収納する第1の透熱管(第1の容器)1と、第1の透熱管1を覆う第2の透熱管(第2の容器)2と、を有している。第1の透熱管1と第2の透熱管2は、それらの両端部分に設けられた容器保持部10により所定の空隙(隙間)を有して固定されている。第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の隙間には反射板11が配設されており、反射板11が摺動軸部12と摺動受部13で構成された摺動部により所定位置で摺動可能に保持されている。
実施の形態4の発熱体ユニットの説明においては、発熱体構成部について説明し、その他の構成は実施の形態1の説明を援用する。なお、実施の形態4の発熱体ユニットにおいて、実施の形態1の発熱体ユニットと同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付して説明する。
実施の形態4の発熱体ユニットにおいては、第1の透熱管1の内部にフィルムシート状で帯状の発熱体20が配置されている。帯状の発熱体20は第1の透熱管1の長手方向に沿って延設されている。
実施の形態4の発熱体ユニットにおいて、発熱体構成部は、熱輻射膜体としての細長い帯状の発熱体20と、発熱体20の両端に取り付けられた保持具21と、内部リード線22と、サポートリング23と、モリブデン箔8と、及び外部リード線9とを有して構成されている。保持具21により挟着された発熱体20の端部に形成された貫通孔は、内部リード線22の端部により掛け止めされている。内部リード線22は第1の透熱管1の両端部分の溶着部分に埋設されたモリブデン箔8を介して、第1の透熱管1の両端から外部に導出する外部リード線9と電気的に接続されている。
図16及び図17に示すように、内部リード線22には、位置規制機能を有する位置規制部材であるサポートリング23が取り付けられている。内部リード線22は一本の線材、例えばモリブデン線で構成され、サポートリング23は、例えばモリブデン線をコイル状に形成したものである。
なお、実施の形態4における内部リード線22及びサポートリング23は、モリブデン線により形成された例で説明するが、タングステン、ニッケル、ステンレス等を材料とした金属線(丸棒形状、平板形状)を用いて形成してもよい。
以上のように、実施の形態4の発熱体ユニットにおいては、発熱体20の両側に、保持具21、内部リード線22、サポートリング23、モリブデン箔8、及び外部リード線9が設けられて、発熱体20を第1の透熱管1内の所定位置に張設している。
実施の形態4の発熱体ユニットにおけるサポートリング23は、内部リード線22に巻き付けられて固定され、コイル状に形成されている。サポートリング23は、発熱体20を第1の透熱管1内の所定の位置に配置するための位置規制部材としての機能を有しており、発熱体20の幅より大きな直径を有して、その外周部分が第1の透熱管1の内周面に近接した位置にある。このため、発熱体20は第1の透熱管1に接触することなく所望の位置(実施の形態4においては、第1の透熱管1の長手方向の中心軸と発熱体20の長手方向の中心軸が同軸となる位置)に配置される。
上記のように構成されたサポートリング23は、発熱体20に電力を供給するための内部リード線22に巻着する構成であり、サポートリング23には外部リード線9から発熱体20への電流径路が通らない構成である。このように、サポートリング23は発熱体20への電流が流れないため、その電流により発熱することがない。実施の形態4の発熱体ユニットにおけるサポートリング23は、発熱体20の位置規制機能を有するとともに、発熱体20から伝導してきた熱を放熱する放熱機能としても機能する。
実施の形態4の発熱体ユニットにおけるサポートリング23は、モリブデン線により形成された例で説明するが、発熱体20を位置規制できる剛性を有して、優れた熱伝導(放熱機能)と加工の容易な材料であれば、サポートリング23として用いることが可能であり、例えばニッケル、ステンレス、タングステン等の金属材料等を用いることができる。
実施の形態4の発熱体ユニットにおいては、発熱体20の材料自体が伸縮性を有し、且つ発熱体20の形状パターンが伸縮性を有するため、発熱体20における膨張収縮による変化を吸収するための機構が不要である。特に、実施の形態4において用いた発熱体20は熱膨張率が小さいため、製造時に張力を加えた状態で配設(張設)された発熱体20は、発熱時の膨張を発熱体自体及び発熱体20の形状パターンによる伸縮性により吸収できる。
本発明に係る実施の形態4の発熱体ユニットにおいて用いた発熱体20は、炭素系物質を主成分とし厚み方向において各層が互いに空隙をなすように一部が固着された積層構造で、優れた二次元的等方向性の熱伝導を有しており、熱伝導率が200W/m・K以上を有するフィルムシート状の材料で形成されている。したがって、帯状の発熱体20は温度ムラがなく均一に発熱する熱源となる。
発熱体20の材料であるフィルムシート素材は、高分子フィルム又はフィラーを添加した高分子フィルムを高温度、例えば2400℃以上の雰囲気中にて熱処理し、焼成してグラファイト化した耐熱性を有する高配向性のグラファイトフィルムシートであり、面方向の熱伝導率が200W/m・K以上であり、600から950W/m・Kの特性を有する。このように、実施の形態4において用いた発熱体20は、面方向の熱伝導率が600から950W/m・Kという優れた二次元的等方向性の熱伝導を有する。
ここで、二次元的等方向性の熱伝導とは、直交するX軸とY軸で設定される面における、あらゆる方向の熱伝導率が略同じであることを示すものである。したがって、本発明において二次元的等方向性とは、例えば炭素繊維が同じ方向に並設して形成された発熱体における炭素繊維方向である1方向(X軸方向)、又は炭素繊維をクロスに編んで形成された発熱体における炭素繊維方向である2方向(X軸方向とY軸方向)だけを指すものではなく、フィルムシート状の発熱体20における面方向において同じ性質を持つことを言う。
実施の形態4の発熱体ユニットにおいて用いた発熱体20の材料であるフィルムシート素材は、積層構造を有し、面方向の層表面が平坦な面、凹凸面或いは波うつ面等の各種の面形状を有しており、対向する各層の間には空隙が形成されている。このフィルムシート素材の積層構造において、各層間に形成される空隙の形成状態のイメージは、複数回(例えば、何十回、何百回)と重ね合わせるように折り曲げてパイ生地を作り、そのパイ生地を焼いて得た、パイの断面形状と類似している。即ち、発熱体20は、炭素系物質を含む材料により形成された複数の膜体が積層されて、積層方向が一部固着された層間構造を有しており、厚み方向に柔軟性を有するフィルムシート素材である。したがって、発熱体20の材料であるフィルムシート素材は、面方向の熱伝導率が同じである優れた二次元的等方向性の熱伝導性を有する材料である。
前述のように製造されたフィルムシート素材として用いられる高分子フィルムとしては、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリピロメリットイミド(ピロメリットイミド)、ポリフェニレンイソフタルアミド(フェニレンイソフタルアミド)、ポリフェニレンベンゾイミタゾール(フェニレンベンゾイミタゾール)、ポリフェニレンベンゾビスイミタゾール(フェニレンベンゾビスイミタゾール)、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレンのうちから選ばれた少なくとも一種類の高分子フィルムを挙げることができる。また、高分子フィルムに添加されるフィラーとしては、リン酸エステル系、リン酸カルシウム系、ポリエステル系、エポキシ系、ステアリン酸系、トリメリット酸系、酸化金属系、有機錫系、鉛系、アゾ系、ニトロソ系およびスルホニルヒドラジド系の各化合物を挙げることができる。より具体的には、リン酸エステル系化合物として、リン酸トリクレジル、リン酸(トリスイソプロピルフェニル)、トリブチルホスフェ−ト、トリエチルホスフェ−ト、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリスブトキシエチルフォスフェート等を挙げることができる。リン酸カルシウム系化合物としては、リン酸二水素カルシウム、リン水素カルシウム、リン酸三カルシウム、等を挙げることができる。また、ポリエステル系化合物としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸などと、グリコール、グリセリン類との反応により得られるポリマー等を挙げることができる。また、ステアリン酸系化合物としては、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル等を挙げることができる。酸化金属系化合物としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉛等を挙げることができる。トリメリット酸系化合物としては、ジブチルフマレート、ジエチルフタレート等を挙げることができる。鉛系化合物としては、ステアリン酸鉛、ケイ酸鉛等を挙げることができる。アゾ系化合物としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。ニトロソ系化合物としては、ニトロソペンタメチレンテトラミン等を挙げることができる。スルホニルヒドラジド系化合物としては、p−トルエンスルホニルヒドラジド等を挙げることができる。
前記フィルムシート素材を積層し、不活性ガス中において2400℃以上で処理し、グラファイト化の過程で発生するガス処理雰囲気の圧力を調整することにより制御してフィルムシート状の発熱体が製造される。更に、必要に応じて、前記のように製造されたフィルムシート状の発熱体を圧延処理することにより、さらに良質のフィルムシート状の発熱体を得ることができる。このように製造されたフィルムシート状の発熱体を実施の形態4の発熱体ユニットにおける発熱体20として用いる。
なお、前記フィラーの添加量は、0.2〜20.0重量%の範囲が適当であり、より好ましくは1.0〜10.0重量%の範囲である。その最適添加量は、高分子の厚さによって異なり、高分子の厚さが薄い場合には添加量が多い方がよく、厚い場合には添加量は少なくてよい。フィラーの役割は熱処理後のフィルムを均一発泡の状態にすることにある。即ち、添加されたフィラーは、加熱中にガスを発生し、このガスの発生した後の空洞が通り道となってフィルム内部からの分解ガスの穏やかな通過を助けるものである。フィラーはこのように均一発泡状態を作り出すのに役立つ。
上記のように製造されたフィルムシート素材は、例えばトムソン型やピナクル型の抜き型、ロータリーダイカッタ等の鋭利な刃物、若しくはレーザー加工等により所望の形状に加工される。
実施の形態4の発熱体ユニットにおける発熱体20は、厚みが100μmであり、発熱体20において発熱する発熱部分の幅が6.0mmであり、発熱部分の長さが300mmである。なお、発熱体2の長さや幅及び厚みについては、入力電圧及び発熱温度等により決定されるものであり、当該発熱体ユニットが用いられる熱源としての製品仕様及び用途に応じて適宜変更が可能である。
図17に示すように、実施の形態4の発熱体ユニットにおける発熱体20の発熱部分には、複数のスリットが発熱体20の長手方向に直交する方向に延設されている。発熱部分に形成されている複数のスリットは、発熱部分における電流の流れ方向を規制し、抵抗値を調整するものである。発熱部分に形成されるスリット形状としては、その発熱体ユニットが用いられる製品仕様及び用途等に応じて貫通した溝や、有底の溝等がある。また、凹部溝においては、その厚み方向の深さを変更することにより発熱部分の抵抗値を調整することが可能である。
また、実施の形態4の発熱体ユニットにおける発熱体20にスリットを形成することにより、発熱体自体の伸縮性と合わせて、このスリット形状による伸縮性により、発熱体20が大きな伸縮性を持つ特性を有するものとなる。
実施の形態4の発熱体ユニットにおいて用いた発熱体20は、軽薄で熱容量が小さく、通電による発熱時の立ち上がりが早いという優れた特性を有する。このため、実施の形態4の発熱体ユニットにおいては、優れた応答性を有して効率高く加熱することができる。また、実施の形態4の発熱体ユニットにおける発熱体20は軽薄であるため、発熱体20を張設するための張力が小さいものでよい。実施の形態4の発熱体ユニットにおいて、製造時に設定した小さい張力が付加された発熱体20は、容器内の所望の位置で熱膨張を吸収して確実に張設状態を維持できる。
以上のように、実施の形態4の発熱体ユニットにおいては、発熱体20が優れた立ち上がりを有し、高い応答性を有するため、第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の隙間に配設され、発熱体20からの輻射熱を効率高く反射する反射板11が摺動可能に設けられているため、優れた応答性を有し、効率の高い熱源を信頼性高く提供することができる。
実施の形態4で説明した発熱体20は、発熱体材料として、炭素系物質を主成分とし厚み方向において各層が互いに空隙をなすように一部が固着された積層構造で、優れた二次元的等方向性の熱伝導を有しており、熱伝導率が200W/m・K以上を有するフィルムシート状の材料で形成された例で説明したが、本発明はこのような発熱体材料に限定されるものではなく、例えば、コイル状のタングステン線、炭素繊維、或いは炭素繊維を編み込んだものであっても本発明と同様の効果を得ることができる。
実施の形態5
以下、本発明に係る実施の形態5の加熱装置について、添付の図18を用いて説明する。図18は実施の形態5の加熱装置の構造を示す断面図である。
実施の形態5の加熱装置は、前述の実施の形態1の発熱体ユニットを熱源として用いており、2組の発熱体ユニット30,31を被加熱物体の上下に配設して構成したものである。なお、図18に示す発熱体ユニット30,31は図1に示した実施の形態1の発熱体ユニットを用いた例であるが、他の実施の形態において説明した図3から図15の反射板及び摺動部を用いた発熱体ユニットでも同様の効果を有する。
図18に示すように、加熱装置は、実施の形態1で説明した発熱体ユニットと同じ構成の発熱体ユニット30,31が被加熱物体を載せる金網24の上下に配設されている。各発熱体ユニット30,31は、その両端側に設けられている容器保持部10の位置において、加熱領域である加熱空間を形成する内部筐体32に固定されている。なお、発熱体ユニット30,31と内部筐体32とは密閉用部材、例えばブッシュ等の耐熱性及び柔軟性を有する部材により固定してもよい。このように密閉用部材を用いることにより、加熱装置の外観を構成する外部筐体33と内部筐体32との間の装置内部空間は、加熱空間とは確実に液密状態で隔離され、加熱空間からの汚染物質の流入が防止される。
また、加熱装置において、内部筐体32と外部筐体33との間の内部空間には、各発熱体ユニット30,31における両端部分にある封止部分から導出した外部リード線9に電源を供給する電源供給回路26と、発熱体ユニット30,31への電源供給の制御を行う制御回路25が設けられている。
実施の形態5の加熱装置に設けられた発熱体ユニット30,31の反射板11は、各発熱体ユニット30,31の発熱体3の平面部分に交差する位置に配置され発熱体3の平面部から輻射された熱を反射してより広範囲を均一な状態で金網24上の被加熱物体19に反射するよう配置されている。図18に示す実施の形態5の加熱装置においては、熱源としての発熱体ユニット30,31が反射板11を有して広範囲の加熱領域を均一に加熱する構成であるため、内部筐体32の内部に反射板を設ける必要が無く、部品点数が少なくなり、組立が容易で加熱装置の小型化が可能な構成となる。
なお、実施の形態5の加熱装置は、第1の透熱管1と第2の透熱管2との間の隙間に反射板11を配設した発熱体ユニットを用いているため、加熱装置の内部には反射手段を設けない構成で説明したが、加熱装置内に金網24上の加熱領域をさらに効率高く加熱するために、上側の発熱体ユニット30の上方側と、下側の発熱体ユニット31の下方側に更なる反射手段を設けてもよい。このように加熱装置内に反射手段を設けることにより、各発熱体ユニットからの輻射熱が特定された加熱領域に対して更に効率高く加熱することが可能となる。
また、熱源として反射板11を有する発熱体ユニット30,31を設け、さらに加熱装置に反射手段を設けることにより、各発熱体ユニットにおける反射板11及び加熱装置の反射手段の位置や形状を変更することにより、加熱領域の広狭及び指向性を設定(制御)することが可能となり、使用用途に応じた利用が可能となる。
なお、実施の形態5の加熱装置においては、発熱体ユニット30,31に電源を供給し、制御する電気回路を内部空間に配置した構成で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、電気回路が加熱装置の外部筐体の外側に配置された構成でも同様の効果があることは言うまでもない。
上記のように実施の形態5の加熱装置においては、発熱体ユニットが熱源として配置され、広範囲な加熱、平行熱線による加熱、乱反射によるムラのない加熱、汚染されない加熱、及び輻射効率の高い加熱を行うことができ、被加熱物体と使用環境に応じた汎用性の高い加熱装置となる。
実施の形態5の加熱装置において、発熱体ユニットに対して制御回路により通電制御を行う場合、その通電制御の選択条件として温度条件を加味する制御も可能である。温度制御としては、例えばサーモスタット等の温度検知手段を用いたオンオフ制御、正確な温度を感知する温度感知センサを用いた入力電源の位相制御、さらに通電率制御、ゼロクロス制御等を単独で、若しくはそれらを組み合わせて行うことにより、高精度な温度管理が可能な加熱装置を実現できる。したがって、このように構成された実施の形態5の加熱装置によれば、発熱体の平面部分の指向変更制御と通電制御とにより、輻射特性に優れた加熱と高精度な温度管理が可能となる。
以上のように、本発明に係る発熱体ユニットにおいては、径の異なる2つの透熱管1,2を有し、発熱体3,20を内包する第1の透熱管1と、第1の透熱管1を内包する第2の透熱管2との空隙に、発熱体3,20に対向して反射板11が長手方向に摺動可能に設けられている。このように構成された本発明に係る発熱体ユニットは、発熱体3,20からの輻射熱の指向性を高くすると共に、摺動部を設けることにより発熱体3、20からの輻射熱による反射板11の熱膨張を吸収できる構造となり、信頼性高く、効率の高い熱源となる。また、本発明に係る発熱体ユニットにおいては、反射板11の汚染が防止されており、高い輻射効率を維持することができる。さらに、このように構成された発熱体ユニットを加熱装置の熱源として設けることにより、小型で指向性が高く、加熱効率の高い加熱装置を提供することができる。
本発明に係る発熱体ユニットは、信頼性及び効率の高い熱源となり、熱源を必要とする各種機器に用いることができるため汎用性が高く、各種分野において有用である。
本発明に係る実施の形態1の発熱体ユニットの構成を示す断面図 実施の形態1の発熱体ユニットにおける容器保持部の近傍を示す拡大断面図 本発明に係る実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板と摺動部の具体的な構成を示す斜視図 実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板と摺動部の他の具体的な構成を示す斜視図 実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板と摺動部の他の具体的な構成を示す斜視図 実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板と摺動部の他の具体的な構成を示す斜視図 実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板と摺動部の他の具体的な構成を示す斜視図 実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板と摺動部の他の具体的な構成を示す斜視図 実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板と摺動部の他の具体的な構成を示す斜視図 実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板と摺動部の他の具体的な構成を示す斜視図 実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板の他の具体的な構成を示す斜視図 実施の形態2の発熱体ユニットにおける反射板の他の具体的な構成を示す斜視図 本発明に係る実施の形態3の発熱体ユニットにおける摺動部を示す斜視図 図13に示した摺動部の別の構成を示す斜視図 図13及び図14に示した摺動受部と摺動軸部の構成を逆にした摺動部を示す斜視図 本発明に係る実施の形態4の発熱体ユニットの構成を示す平面図 本発明に係る実施の形態4の発熱体ユニットの構成を示す正面図 本発明に係る実施の形態5の加熱装置の内部構成を示す図
符号の説明
1 第1の透熱管
2 第2の透熱管
3 発熱体
4 保持部
5 コイル部
6 スプリング部
7 内部リード線
8 モリブデン箔
9 外部リード線
10 容器保持部
11 反射板
12 摺動軸部
13 摺動受部
14 接着材
15 接着材
16 摺動受部
17 摺動受部材
18 摺動受部材
19 被加熱物体
20 発熱体
21 保持具
22 内部リード線
23 サポートリング
24 金網
25 制御回路
26 電源供給回路
30 発熱体ユニット
31 発熱体ユニット
32 内部筐体
33 外部筐体

Claims (19)

  1. 長尺の発熱体を内部に収納する第1の容器と、
    前記第1の容器を覆う第2の容器と、
    前記第1の容器と前記第2の容器の隙間を所定距離を有して保持する容器保持部と、を備える2重構造の発熱体ユニットであって、
    前記隙間内に設けられ、前記発熱体と対向する位置に配置された長尺の反射板と、
    前記反射板の長手方向における外側に配設され、前記反射板を前記発熱体の長手方向に摺動可能に保持するための摺動部と、
    を具備する発熱体ユニット。
  2. 前記摺動部は、
    前記反射板の一端から前記発熱体の長手方向に導出する摺動軸部と、
    前記容器保持部における前記摺動軸部の導出方向の対向位置に設けられ、前記摺動軸部の先端部分を保持し、前記反射板を前記発熱体の長手方向に摺動可能に配置する摺動受部と、を有する請求項1に記載の発熱体ユニット。
  3. 前記摺動部は、
    前記反射板の一端から前記発熱体の長手方向に導出する摺動軸部と、
    前記摺動軸部の導出方向の対向位置に設けられ、前記摺動軸部の先端部分を保持し、前記反射板を前記発熱体の長手方向に摺動可能に配置する摺動受部が形成された摺動受部材と、を有する請求項1に記載の発熱体ユニット。
  4. 前記摺動部は、
    前記隙間内の前記発熱体の長手方向に導出する摺動軸部が形成された摺動軸部材と、
    前記反射板における前記摺動軸部の導出方向の対向位置に設けられ、前記摺動軸部の先端部分を保持し、前記反射板を前記発熱体の長手方向に摺動可能に配置する摺動受部と、を有する請求項1に記載の発熱体ユニット。
  5. 前記摺動軸部は、当該摺動軸部を有する前記反射板と一体的に形成された請求項2又は3に記載の発熱体ユニット。
  6. 前記摺動軸部は、当該摺動軸部を有する前記反射板に固定された請求項2又は3に記載の発熱体ユニット。
  7. 前記摺動軸部は、当該摺動軸部を有する前記反射板に形成された凹部に嵌合させて固着された請求項2又は3に記載の発熱体ユニット。
  8. 前記摺動受部は、当該摺動受部を有する前記容器保持部に形成された孔であり、当該孔に摺動軸部が保持されるよう構成された請求項2に記載の発熱体ユニット。
  9. 前記摺動受部材は、前記摺動軸部を保持する摺動受部と、当該摺動受部材を前記容器保持部に保持する摺動受保持部と、を有する請求項3に記載の発熱体ユニット。
  10. 前記摺動軸部材は、線材により形成され、前記発熱体の長手方向に導出する摺動軸部と、当該摺動軸部材を前記容器保持部に保持する摺動軸保持部と、を有する請求項4に記載の発熱体ユニット。
  11. 前記摺動受部材は、前記第1の容器に装着される摺動受装着部を有する請求項9に記載の発熱体ユニット。
  12. 前記摺動軸部材は、前記第1の容器に装着される摺動軸装着部を有する請求項10に記載の発熱体ユニット。
  13. 前記第1の容器及び前記第2の容器は、管状の熱透過性部材で形成された請求項2乃至12のいずれか一項に記載の発熱体ユニット。
  14. 前記摺動軸部は、前記反射板の長手方向に直交する断面が矩形状である請求項2乃至13のいずれか一項に記載の発熱体ユニット。
  15. 前記摺動軸部は、複数の棒状体で構成された請求項2乃至14のいずれか一項に記載の発熱体ユニット。
  16. 前記反射板は、当該反射板の長手方向に直交する断面が円弧状である請求項1乃至15のいずれか一項に記載の発熱体ユニット。
  17. 前記反射板は、当該反射板の長手方向に直交する断面が多角形状である請求項1乃至15のいずれか一項に記載の発熱体ユニット。
  18. 前記反射板は、当該反射板の長手方向に直交する断面の一部に凹部或いは凸部形状を有する請求項1乃至17のいずれか一項に記載の発熱体ユニット。
  19. 請求項1乃至18のいずれか一項に記載の発熱体ユニットを熱源として装備した加熱装置。
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