JP6102176B2 - 表示装置 - Google Patents

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本発明は、例えば車両に関連する情報を表示する表示装置に関するものである。
従来の車両用表示装置として、特許文献1に示されるものが知られている。特許文献1の車両用表示装置は、透過型スクリーンが運転者から見て前方側に凹む凹部として形成されており、プロジェクタによる光学像が凹部において前方へ凹んだ実像として目視されるようになっている。
具体的には、透過型スクリーンの凹部は、四角錐状に形成されており、最も前方側に凹んだ位置に対応する四角形の第1平面と、この第1平面の各辺から手前側に拡がるように接続された第2平面(下側の面)、第3平面(左側の面)、第4平面(右側の面)、および第5平面(上側の面)とを備えている。そして、凹部にはオートクルーズコントロール時における各種情報が表示されるようになっている。即ち、第1平面に自車両の車速値および前方車両のアイコンが表示され、また、第2〜第4平面に自車両と前方車両との間における等距離線、および車間距離の設定目盛線が表示され、更に、第2平面に車間距離の設定値、およびレーダ波形が表示されるようになっている。
これにより、運転者は、自車両の前後方向の内容を包含する情報をより直感的に認識できるようにしている。
特開2007−326419号公報
しかしながら、特許文献1では、クルーズコントロール時における前方車両に関する情報を凹部の形成された透過型スクリーンに立体的に表示したものに過ぎない。実際には透過型スクリーンに表示させるべき情報は多々あり、これらをいかに視認者に対して効果的に表示するかということが求められる。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、前後方向に奥行きのある表示部を活用して、より効果的な情報の表示を可能とする表示装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
本発明では、情報表示用の表示部(110)と、表示部(110)における情報の表示内容を制御する制御部(130)とを備える表示装置であって、
表示部(110)は、視認者の前方側で平面状を成して対向する平面部(111)と、平面部(111)の周囲から視認者側に向けてすり鉢状に拡がるすり鉢状面部(112)とを備えており、
すり鉢状面部(112)は、円錐状に形成されており、
制御部(130)は、所定の情報の表示をさせる際に、平面部(111)とすり鉢状面部(112)の手前位置とのうち、いずれか一方に表示させた後、すり鉢状面部(112)の面に沿って他方に移動させて表示させると共に、平面部(111)に表示するときよりも、すり鉢状面部(112)の手前位置に表示するときの方が、情報の表示が大きくなるように制御することを特徴としている。
この発明によれば、所定の情報を、平面部(111)とすり鉢状面部(112)の手前位置とのうち、いずれか一方に表示させた後に、他方に移動させて表示させるようにしているので、前後方向に奥行きのある表示部(110)を活用して、より効果的な情報の表示を可能とすることができる。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
表示装置の全体構成を示す概略図である。 (a)は運転者側から見たスクリーンを示す正面図、(b)は(a)のII−b方向から見たスクリーンを示す平面図である。 スクリーンにおける走行情報の表示状態を示す正面図である。 第1実施形態における警告情報をすり鉢状面部の手前位置に表示した場合を示す正面図である。 第1実施形態における警告情報をすり鉢状面部の手前位置から平面部に移動させた場合を示す正面図である。 第2実施形態における警告情報の移動軌跡を示す正面図である。 第3実施形態における警告情報を平面部からすり鉢状面部の手前位置に移動させた場合を示す正面図である。 第4実施形態における警告情報の移動軌跡を示す正面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態の表示装置100について図1〜図5を用いて説明する。本実施形態の表示装置100は、車両用コンビネーションメータに適用されたものであり、車両に関連する各種車両情報(走行情報、および警告情報等)を運転者(視認者)に表示するようになっている。
本実施形態で扱う車両情報は、大きく区分けすると走行情報と、警告情報とがある。走行情報は、例えば、車両の走行時における車速、シフトレバーによる変速機のギヤ位置を示すギヤポジション、燃料タンクにおける燃料残量、更には、エンジン水温、エンジン回転数、走行距離、平均燃費等である。また、警告情報は、例えば、他車の接近情報、路面凍結情報、エンジン油圧異常、ブレーキ異常、シートベルト非着用、ドアロック不備、充電不足等である。
表示装置100は、図1、図2に示すように、車両用コンビネーションメータとして、スクリーン110、プロジェクタ120、制御部130、および各種センサ群140等を備えている。スクリーン110、プロジェクタ120、制御部130は、車両運転席前のダッシュボード10内に設けられており、また各種センサ群140は、各種検出信号を得るために必要とされる車両の各部位に設けられている。
スクリーン110は、ダッシュボード10の開口部に配設されて、後述するプロジェクタ120からの表示光を透過しつつ、且つ拡散させて、運転者側の表面に高コントラストの光学像(上記各種車両情報の像)を結像させる透過型の表示部であり、平面部111とすり鉢状面部112とを備えている。本実施形態のスクリーン110は、以下で説明するように、例えば、円錐形状を基にして、円錐形状の先端部を円錐の底面に対して平行にカットしたような形状となっている。
平面部111は、運転者の前方で対向する平面を形成する表示面部であり、ダッシュボード10の開口部から奥まった位置に設定されている。平面部111は、ここでは円形状と成るように形成されている。また、すり鉢状面部112は、平面部111の周囲から運転者の手前側に向けてすり鉢状に拡がるように延びて形成された表示面部であり、延設された手前側の端部は、ダッシュボード10の開口部に接続されるように設定されている。すり鉢状面部112は、運転者側から見たときに、手前側の外周形状が上下方向につぶされた扁平状(楕円状)に形成されている。このように、平面部111は、円錐形状の先端部がカットされたときに形成される平面となっており、また、すり鉢状面部112は、円錐形状の周面に対応する曲面となっている。そして、スクリーン110は、運転者から見て、車両運転席のステアリング20の上側半分の領域内にほぼ収まるように配置されている(図2)。
平面部111には、例えば、図3に示すように、走行情報としての車速、ギヤポジション、燃料残量等が表示されるようになっている。また、すり鉢状面部112の所定位置、例えば、左右の面における表示位置112a〜112dには、その他の走行情報として、エンジン水温、エンジン回転数、走行距離、平均燃費等が表示されるようになっている。また、警告情報が発生したときには、この警告情報が平面部111、あるいはすり鉢状面部112に表示されるようになっている(詳細後述)。
プロジェクタ120は、スクリーン110に対して各種車両情報に対応する光学像を投影させる投影機であり、ダッシュボード10内において、スクリーン110よりも更に奥側(運転者から見て背面側)に配置されている。プロジェクタ120は、例えば、液晶パネルと、これを透過照明する光源とを備えた液晶プロジェクタから構成されている。プロジェクタ120によって形成される光学像の内容は、後述する制御部130によって制御されるようになっている。
制御部130は、スクリーン110における車両情報の表示内容を制御する制御手段である。具体的には、制御部130は、各種センサ群140から得られる各種検出信号に基づいて、現在の走行情報の内容を決定し、決定した走行情報をプロジェクタ120に光学像として形成させると共に、警告情報が発生したときにその警告情報をプロジェクタ120に光学像として形成させるようになっている。
各種センサ群140は、車両情報に関連する検出信号を生成するものとして、車速センサ、ギヤセンサ、フューエルセンダ、エンジン水温センサ、エンジン回転数センサ等がある。また、警告情報に関連する検出信号を生成するものとして、他車接近信号を生成する近接センサ、路面凍結状態を推測するための外気温度信号を生成する外気温センサ、更にはエンジン油圧センサ、ブレーキセンサ、シートベルトセンサ、ドアセンサ、バッテリセンサ等がある。
次に、上記構成に基づく表示装置100の作動について説明する。
制御部130は、各種センサ群140から得られる各種検出信号から、現在の車速、ギヤポジション、燃料残量、エンジン水温、エンジン回転数、走行距離、平均燃費等の走行情報の内容を決定し、プロジェクタ120にその表示内容を形成させる。プロジェクタ120は、制御部130からの指示に基づく光学像を形成し、スクリーン110に投影する。スクリーン110には、上記図3で説明したような表示が行われることになる。
運転者にとって遠方側となる平面部111に走行情報の中でも非常に基本的な情報(車速、ギヤポジション、燃料残量)が表示されることで、運転者は、前方視界を見ているときの目の焦点を大きく変えずに平面部111を見ることができる。
また、すり鉢状面部112の表示位置112a〜112dには、その他の走行情報(エンジン水温、エンジン回転数、走行距離、平均燃費等)が表示され、運転者は、これらの走行情報を、あたかも平面部111から手前側における円錐状の3次元空間に漂っているかのごとく、斬新なイメージをもって見ることができる。
ここで、制御部130は、スクリーン110に予め定めた所定の情報を表示させる際に、平面部111と、すり鉢状面部112の手前位置とのうち、いずれか一方に表示させた後に、他方に移動させて表示させるようにしている。所定の情報とは、本実施形態では、例えば、運転者に対する警告情報としている。また、この警告情報を表示する際の一方側の位置をすり鉢状面部112の手前位置とし、他方側の位置を平面部111としている。
具体的に説明すると、制御部130は、例えば、各種センサ群140(例えば近接センサ)から検出信号が得られると、プロジェクタ120に警告情報(例えば他車接近の警告表示)112Aを形成させる。そして、図4に示すように、制御部130は、この警告情報112Aを、まず、すり鉢状面部112の手前位置(例えば右下側)に投影させる。警告情報112Aは、例えば、運転者の目を引くように、赤色等の目立つ色で形成されることが好ましい。尚、警告情報としては、この他にも、車両走行時の状況に応じて、路面凍結情報、エンジン油圧異常、ブレーキ異常、シートベルト非着用、ドアロック不備、充電不足等が発生し得るものとなる。
次に、図5に示すように、制御部130は、この警告情報112Aの表示位置を平面部111内に移動させる。平面部111内においては、もともと表示されていた車速、ギヤポジション、燃料残量等の走行情報はそのままに、これら情報に上記警告情報112Aが追加されるようにする。あるいは、平面部111のスペース上の余裕が無ければ、車速、ギヤポジション、燃料残量等の走行情報のうち少なくとも1つを一時的に消して、上記警告情報112Aに置き換えるようにしても良い。
更に、上記説明の図4、図5において、制御部130は、警告情報112Aを表示させるにあたって、すり鉢状面部112の手前位置に表示させる場合では、平面部111に表示させる場合よりも、情報の表示が大きくなるように制御するようにしている。
以上のように、本実施形態では、所定の情報(ここでは警告情報)をスクリーン110に表示させる際に、制御部130は、平面部111と、すり鉢状面部112の手前位置とのうち、いずれか一方に表示させた後に、他方に移動させて表示させるようにしている。よって、前後方向に奥行きのある表示部110を活用して、より効果的な情報の表示を可能とすることができる。
また、所定の情報としては、警告情報112Aとしているので、これにより、運転者にとって重要な情報を効果的に表示することができる。
また、制御部130は、警告情報112Aを平面部111に表示するときよりも、すり鉢状面部112の手前位置に表示するときの方が、情報の表示が大きくなるように制御するようにしているので、これにより、すり鉢状面部112の奥行き感を活用した臨場感のある情報表示の演出が可能となる。
また、すり鉢状面部112は、円錐状に形成されるようにしているので、すり鉢状面部112における車両情報等を、あたかも平面部111から手前側における円錐状の3次元空間に漂っているかのごとく、臨場感のある斬新なイメージをもって表示させることが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態のスクリーン110を図6に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、スクリーン110上において所定の情報を移動させる際に、移動の軌跡112Bを表示するようにしたものである。
図6に示すように、制御部130は、警告情報112Aをすり鉢状面部112の手前位置から平面部111に移動させる際に、あたかも移動時の残像として見えるかのごとく、移動の軌跡112Bを表示させるようにしている。つまり、警告情報112Aが、すり鉢状面部112の手前位置から平面部111に向けて、コマ送りで順に表示されるようになっている。軌跡112Bの大きさは、すり鉢状面部112の手前位置から平面部111に向けて、順次小さくなっていくように表示される。
このように、移動の軌跡112Bを表示することにより、移動させる警告情報112Aに動きの伴う演出を加えることができるので、更に効果的な情報の表示が可能となる。
(第3実施形態)
第3実施形態のスクリーン110を図7に示す。第3実施形態は、上記第1、第2実施形態に対して、スクリーン110上において所定の情報を移動させる際に、平面部111側からすり鉢状面部112の手前位置側へ向けるようにしたものである。
即ち、制御部130は、各種センサ群140から警告情報に関連する検出信号を受けると、プロジェクタ120によって警告情報112Aを、まず、平面部111に表示させ、次に、すり鉢状面部112の手前位置(例えば右下側)に移動させて表示させる。この場合も、制御部130は、警告情報112Aを表示させるにあたって、平面部111で表示させる警告情報112Aよりも、すり鉢状面部112の手前位置で表示させる警告情報112Aが大きくなるように制御する。
本実施形態では、最初に平面部111に表示された警告情報112Aが、運転者の手前側となるすり鉢状面部112に大型化されて表示される形となるので、前後方向に奥行きのある表示部110を活用した強調効果を引き出すことができ、より効果的な情報の表示を可能とすることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態のスクリーン110を図8に示す。第4実施形態は、上記第3実施形態に対して、第2実施形態と同様に、スクリーン110上において所定の情報を移動させる際に、移動の軌跡112Bを表示するようにしたものである。移動の軌跡112Bを表示することにより、移動させる警告情報112Aに動きの伴う演出を加えることができるので、更に効果的な情報の表示が可能となる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、所定の情報をすり鉢状面部112の手前位置に表示させる際に、例えば、右下側として説明したが、これに限らず、左下側、右上側、左上側等としても良い。
また、所定の情報を警告情報112A(他車の接近情報等)として、移動表示するようにしたが、これに限らず、予め定めた運転者に対するメッセージ等としても良い。メッセージとは、例えば、運転開始時の「本日は○月○日です」、「本日はあなたの誕生日です」、また、運転終了時の「お疲れ様でした」等である。
また、平面部111と、すり鉢状面部112の手前位置とに表示する際の所定の情報の大きさは、両者同等としても良い。
また、すり鉢状面部112は、円錐状の曲面に限らず、角錐状の複数の平面としても良い。例えば、すり鉢状面部112は、四角錘の周面(上下、左右に拡がる4つの面)としても良い。あるいは、すり鉢状面部112は、曲面と平面との組合せとなるようにしても良い。また、すり鉢状面部112が円錐状の曲面の場合、平面部111は、円形となるようにしたが、これに限らず、楕円形となるようにしても良い。また、すり鉢状面部112が角錐状の複数の平面の場合は、平面部111は、角錐の断面に応じた多角形とすることができる。
また、表示部を、プロジェクタ120によって光学像が投影されるスクリーン110としたが、これに限らず、プロジェクタ120を廃止して、パネル自身で表示像の形成を可能とするELパネル(Electro Luminescence パネル)等を用いたもの(円錐状に形成したもの)としても良い。
また、本表示装置100を車両用コンビネーションメータに適用したが、これに限らず、他の空調装置の表示部等に適用しても良い。更に、車両用に限らず家庭用の機器(給湯装置用表示部等)に適用しても良い。
100 表示装置
110 スクリーン(表示部)
111 平面部
112 すり鉢状面部
112A 警告情報(所定の情報)
112B 軌跡
130 制御部

Claims (3)

  1. 情報表示用の表示部(110)と、前記表示部(110)における情報の表示内容を制御する制御部(130)とを備える表示装置であって、
    前記表示部(110)は、視認者の前方側で平面状を成して対向する平面部(111)と、前記平面部(111)の周囲から前記視認者側に向けてすり鉢状に拡がるすり鉢状面部(112)とを備えており、
    前記すり鉢状面部(112)は、円錐状に形成されており、
    前記制御部(130)は、所定の情報の表示をさせる際に、前記平面部(111)と前記すり鉢状面部(112)の手前位置とのうち、いずれか一方に表示させた後、前記すり鉢状面部(112)の面に沿って他方に移動させて表示させると共に、前記平面部(111)に表示するときよりも、前記すり鉢状面部(112)の手前位置に表示するときの方が、前記情報の表示が大きくなるように制御することを特徴とする表示装置。
  2. 前記所定の情報は、前記視認者に対する警告を示す情報(112A)であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記制御部(130)は、前記情報を移動させる際に、移動の軌跡(112B)を表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
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