JP6102165B2 - 着色の少ない核水素化ポリマーの製造方法 - Google Patents
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Description
R1COOR2 (1)
本発明では、以下の(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1つの方法により水素添加反応前のポリマー溶液中の水分濃度を0.5重量%以下とすることが好ましい。
(1)原料芳香族ポリマーを使用前に乾燥する
(2)蒸留法、又は乾燥剤を用いた化学的方法によって反応溶媒を乾燥する
(3)蒸留法、又は乾燥剤を用いた化学的方法によって水素添加反応前のポリマー溶液を乾燥する
触媒の分離は、濾過又は遠心分離などの公知の手法で行なうことができる。着色、機械物性への影響などを考慮すると、ポリマー内の残留触媒金属濃度は出来るだけ少なくする必要があり、10ppm以下が好ましく、さらに好ましくは1ppm以下である。
(1)原料ポリマー溶液中の水分量はTCD検出器を使用し、ガスクロマトグラフィー(GC)にて内部標準法で定量した。
(2)核水素化率は水素添加反応前後のUVスペクトル測定により求めた。すなわち、THFを溶媒として芳香環に特徴的な260nmの吸収スペクトルを測定し、原料MS樹脂を用いて検量することで、未水素添加芳香環の割合を計算した。
(3)重量平均分子量(Mw)はRI検出器を使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。溶媒としてTHFを用い、標準ポリスチレンで検量した。
(4)核水素化ポリマーのYI(イエローインデックス)は、日本電色工業(株)製、色差・濁度測定器COH−300Aを用いて、3.2mm厚の平板を透過法で測定した。
予め乾燥した重量平均分子量17万のMMAとスチレンからなる共重合体(樹脂1)(新日鐵化学社製、MS600(MMA/スチレンモル比=6/4)、モル比(A/B)は1.5)0.5部を、蒸留脱水によって水分を低減させたイソ酪酸メチル(東京化成製、以下、IBMと称する)4.5部に溶解し、2.0重量%Pd/ZrO2 (エヌイーケムキャット社製)0.025部と共に撹拌装置を備えた反応容器に仕込み、水素圧9MPa、温度180℃の条件にて15時間水素添加反応を行なった。その際の反応前ポリマー溶液中の水分量は0.04重量%だった。反応後は水素雰囲気のまま濾過操作によって触媒を除去、IBMを加熱留去して反応液をポリマー濃度が43重量%になるまで濃縮した。この濃縮液を窒素雰囲気下、ベント口を備えた脱揮押出機に導入して揮発分を脱揮、ストランドを切断してペレットを得た。この核水素化ポリマーの核水素化率は99.8%であり、YIは0.6だった。
未乾燥の樹脂1、0.5部をIBM5.0部に溶解したのち、ポリマー溶液から蒸留操作(共沸により0.5部留出)によって水分量の低減を行った。蒸留脱水後の水添反応前ポリマー溶液中の水分量は0.03重量%だった。得られた原料ポリマー溶液を実施例1と同様の条件で水素添加反応を行い、反応後に水素を脱圧、開放したのち濾過操作によって触媒を除去、IBMを加熱留去して反応液をポリマー濃度が43重量%になるまで濃縮した。この濃縮液を空気雰囲気下、ベント口を備えた脱揮押出機に導入して揮発分を脱揮、ストランドを切断してペレットを得た。このポリマーの核水素化率は99.6%であり、YIは1.3だった。
原料を重量平均分子量13万のMMAとスチレンからなる共重合体(樹脂2)(新日鐵化学社製、MS750(MMA/スチレンモル比=7.5/2.5)、モル比(A/B)は3.0)に変更すること以外は実施例1と同様の操作にて水素添加反応、ろ過、濃縮、脱揮押出を行い、核水素化ポリマーのペレットを得た。その際の反応前ポリマー溶液中の水分量は0.04重量%であり、その核水素化ポリマーの核水素化率は99.8%、YIは0.6だった。
触媒を1.0重量%Pd/Al2O3 (エヌイーケムキャット社製)0.05部に変更すること以外は実施例1と同様の操作にて水素添加反応、ろ過、濃縮、脱揮押出を行い、核水素化ポリマーのペレットを得た。その際の反応前ポリマー溶液中の水分量は0.05重量%であり、その核水素化ポリマーの核水素化率は99.2%、YIは0.7だった。
未乾燥の樹脂1をIBMに溶解させた後、蒸留操作による脱水を行わないこと以外は実施例1と同様の条件で水素添加反応を実施、反応後に水素を脱圧、開放したのち濾過操作によって触媒を除去、IBMを加熱留去して反応液をポリマー濃度が43重量%になるまで濃縮した。この濃縮液を空気雰囲気下、ベント口を備えた脱揮押出機に導入して核水素化ポリマーペレットを得た。その際の反応前ポリマー溶液中の水分量は0.9重量%であり、その核水素化ポリマーの核水素化率は99.4%、YIは3.5だった。
予め乾燥した樹脂1、0.5部を蒸留によって水分を低減させたテトラヒドロフラン(和光純薬工業製、安定剤無し、以下THFと称する)4.5部に溶解し、原料ポリマー溶液を調製した。その際の反応前ポリマー溶液中の水分量は0.05重量%だった。得られた原料ポリマー溶液を実施例1と同様の条件で水素添加反応を行い、水素雰囲気下でろ過、濃縮を実施した。その後トルエンでポリマー濃度が10重量%となるまで希釈、再濃縮することを繰り返して溶媒置換を行い、核水素化ポリマーの50重量%トルエン溶液を得た。この濃縮液を窒素雰囲気下、ベント口を備えた脱揮押出機に導入して核水素化ポリマーペレットを得た。このポリマーの核水素化率は98.3%であり、YIは0.7だった。
水素添加反応後に水素を脱圧、開放したのち濾過操作によって触媒を除去する以外は実施例5と同様の条件、雰囲気下で水素添加反応、ろ過、濃縮、溶媒置換、脱揮押出を行い、核水素化ポリマーペレットを得た。その際の反応前ポリマー溶液中の水分量は0.05重量%であり、その核水素化ポリマーの核水素化率は98.2%、YIは1.1だった。
原料ポリマーの乾燥及びTHFの蒸留による水分低減を行わないこと、かつ、水素添加反応後に水素を脱圧、開放したのち濾過操作によって触媒を除去すること以外は実施例5と同様の条件、雰囲気下で水素化反応、ろ過、濃縮、溶媒置換、脱揮押出を行い核水素化ポリマーペレットを得た。その際の反応前ポリマー溶液中の水分量は1.0重量%であり、その核水素化ポリマーの核水素化率は98.0%、YIは2.8だった。
Claims (9)
- 芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリレートとの共重合体である芳香族ポリマーの芳香環部を、水素添加触媒及び反応溶媒の存在下で水素添加し、該水素添加反応後のポリマー溶液から水素添加触媒及び揮発成分を分離して核水素化ポリマーを製造する方法であって、水素添加反応前のポリマー溶液中の水分濃度が0.5重量%以下であり、水素添加反応後のポリマー溶液から水素添加触媒を水素雰囲気下のまま分離し、さらに揮発成分を分離することを特徴とする核水素化ポリマーの製造方法。
- 以下の(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1つの方法により水素添加反応前のポリマー溶液中の水分濃度を0.5重量%以下とする請求項1に記載の製造方法。
(1)原料芳香族ポリマーを使用前に乾燥する
(2)蒸留法、又は乾燥剤を用いた化学的方法によって反応溶媒を乾燥する
(3)蒸留法、又は乾燥剤を用いた化学的方法によって水素添加反応前のポリマー溶液を乾燥する - 反応溶媒がエステル化合物、エーテル化合物又はそれらの混合物である請求項1または2に記載の製造方法。
- 反応溶媒が酢酸エステル、プロピオン酸エステル、n−酪酸エステル、イソ酪酸エステル、n−吉草酸エステル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルから選ばれる1種以上である請求項1または2に記載の製造方法。
- 反応溶媒がイソ酪酸メチル又はテトラヒドロフランである請求項1または2に記載の製造方法。
- 原料芳香族ポリマーの構成単位において芳香族ビニル化合物モノマーの構成単位(Bモル)に対する(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位(Aモル)のモル比(A/B)が0.25〜4.0である請求項1〜5いずれかに記載の製造方法。
- 水素添加触媒がパラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム又はニッケルを担持した固体触媒である請求項1〜6いずれかに記載の製造方法。
- 前記担体が活性炭、酸化ジルコニウム、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ又は珪藻土である請求項7に記載の製造方法。
- ポリマー溶液を窒素雰囲気下でベント口を供えた脱揮押出機に導入してペレットを得る請求項1〜8いずれかに記載の製造方法。
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