JP6101396B1 - 着色粘着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型の着色粘着フィルムをロールトゥロール方式により加工する時の巻取適性に優れ、意匠性にも優れる粘着フィルムを提供する。【解決手段】着色粘着フィルムにおいて、剥離フィルムは、粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が0.5μm以下の第1構造面を有する。粘着剤層は、上記第1構造面とは反対側の上記剥離フィルムの表面に設けられる。樹脂フィルムは、上記剥離フィルムとは反対側の上記粘着剤層の表面に設けられる。着色層は、上記粘着剤層とは反対側の上記樹脂フィルムの表面に設けられ、黒色に着色される。粗面化層は、上記樹脂フィルムとは反対側の上記着色層の表面に設けられる。上記粗面化層は、粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が0.5μm以上であり、上記剥離フィルムに対する動摩擦係数が2以下である第2構造面を上記着色層とは反対側に有する。上記粗面化層は、硫酸バリウム粒子を含む無機粒子と、バインダ樹脂とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、着色粘着フィルムに関する。
携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ等の小型の電子製品においては、内部に設けた電子部品の放熱を促進させるため、放熱用のグラファイトシートが使用されている。これら小型の電子製品に使用されるグラファイトシートは、電子製品の薄型化や放熱性の向上のため、非常に薄型化されている。そのため、グラファイトシートにおいては、その欠け、剥離等を防止するために、シート表面が着色粘着テープで保護される(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1には、グラファイトシートの保護に使用される粘着テープとして、厚さが1μm以上6μm以下の樹脂フィルム層と、厚さが1μm以上6μm以下の粘着剤層と、厚さが0.5μm以上2μm以下の着色層とを有する着色基材の少なくとも一面に粘着剤層を有し、前記着色基材の光透過率が0.1%以上10%以下であり、テープの厚みが3μm以上10μm以下である着色粘着テープが開示されている。
特許文献2には、グラファイトシートの保護に使用される粘着テープとして、支持体に着色インキからなる着色層が設けられた着色フィルムの少なくとも一面に粘着剤層を有する着色粘着テープが開示され、前記着色層は、バインダ樹脂、着色材及び特定の平均粒子径を有するシリカ粒子を含有する着色インキからなることが開示されている。
着色粘着テープは、例えば、粘着剤層と、粘着剤層上に設けられた樹脂フィルムと、樹脂フィルム上に設けられた着色層と、着色層上に設けられた粗面化層とを具備する。樹脂フィルムは、例えば、着色粘着テープの基材である。そして、着色層は、例えば、黒色を呈し、グラファイトシートの外観上の斑を目立たなくさせる遮蔽層として機能する。この着色粘着テープにおいても、薄型化が要求されており、テープの厚みは10μm以下と非常に薄くなっている。このような着色粘着テープは、例えば、剥離フィルムとともに、ロールトゥロール方式により形成される。また、ロールトゥロール方式では、剥離フィルム付の着色粘着テープ(以下、この状態を着色粘着フィルムとする。)が巻取ロールに巻かれる。
この後、着色粘着フィルムは、ロールトゥロール方式により所定の幅に裁断加工され、グラファイトシートを保護する保護テープとして使用される。このように非常に薄い着色粘着フィルムをロールトゥロール方式により製造する場合、巻取り時に、ブロッキング(フィルム表面と、この上に接するフィルム裏面との貼り付き)、エア噛み(皺の拠り)等の巻取不良が発生することがあった。また、近年、この着色粘着フィルムにおいて、美観の点から、電子製品の内部に配置された際に、一体化しているように見える意匠性も求められている。
特開2013−203965号公報 特開2013−112695号公報
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、薄型の着色粘着フィルムをロールトゥロール方式により加工する時の巻取適性に優れ、意匠性にも優れる着色粘着フィルムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る着色粘着フィルムは、グラファイトシートを保護する着色粘着フィルムである。着色粘着フィルムは、剥離フィルムと、粘着剤層と、樹脂フィルムと、着色層と、粗面化層とを具備する。
上記剥離フィルムは、粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が500nm以下の第1構造面を有する。
上記粘着剤層は、上記第1構造面とは反対側の上記剥離フィルムの表面に設けられる。
上記樹脂フィルムは、上記剥離フィルムとは反対側の上記粘着剤層の表面に設けられる。
上記着色層は、上記粘着剤層とは反対側の上記樹脂フィルムの表面に設けられ、黒色に着色される。
上記粗面化層は、上記樹脂フィルムとは反対側の上記着色層の表面に設けられる。上記粗面化層は、粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が0.5μm以上であり、上記剥離フィルムに対する動摩擦係数が2以下である第2構造面を上記着色層とは反対側に有する。上記粗面化層は、硫酸バリウム粒子を含む無機粒子と、バインダ樹脂とを含む。
このような着色粘着フィルムによれば、着色粘着フィルムが巻取ロールに巻かれたとしても、着色粘着フィルムがブロッキング及びエア噛みの発生を起こしにくく、かつ薄型の着色粘着フィルムをロールトゥロール方式により加工する時の巻取適性に優れ、意匠性にも優れる。さらに、粗面化層の密着性も良好なものとなっている。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記粗面化層は、上記バインダ樹脂100重量部に対して40質量部以上の上記無機粒子を含んでもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記無機粒子は、シリカ粒子をさらに含み、上記粗面化層において、上記硫酸バリウム粒子の体積は、上記シリカ粒子の体積の1/2倍以上5倍以下でもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記バインダ樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂の少なくとも1種を含んでもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記着色層は、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂の少なくとも1種を含んでもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記着色層は、バインダ樹脂と、上記バインダ樹脂100重量部に対して10質量部以上70質量部以下の着色材料とを含んでもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記第2構造面の前記剥離フィルムに対する動摩擦係数は、0.5以上1.5以下であってもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記第2構造面の算術平均粗さ(Ra)は、0.1以上1.0μm以下であってもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記第2構造面の粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)は0.5μm以上5.0μm以下であってもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記第2構造面の10点平均粗さ(Rzjis)は、1.0μm以上9.0μm以下であってもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記粗面化層において、上記硫酸バリウム粒子に対する上記シリカ粒子の割合は、上記硫酸バリウム粒子100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下であってもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記第2構造面は、1%以上50%以下の60°鏡面光沢度を有してもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記粗面化層は、0.5μm以上10μm以下の厚みを有してもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記粘着剤層は、1μm以上5μm以下の厚みを有してもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記樹脂フィルムは、1μm以上6μm以下の厚みを有してもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記着色層は、0.5μm以上5μm以下の厚みを有してもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記シリカ粒子の平均粒径は、1μm以上10μm以下であり、上記硫酸バリウム粒子の平均粒径は、50nm以上1μm以下であってもよい。
上記の着色粘着フィルムは、長尺シート状に構成されてもよい。
上記の着色粘着フィルムにおいて、上記粘着剤層、上記樹脂フィルム、上記着色層及び上記粗面化層は、電子部品の内部に設置されたグラファイトシートの表面に貼り付けられる。
このような着色粘着フィルムによれば、着色粘着テープが巻取ロールに巻かれたとしても、着色粘着テープがブロッキング及びエア噛みの発生を起こしにくく、着色粘着テープが貼られたグラファイトシートにおいて、その見栄えがより向上する。また、粗面化層の密着性が良好なものとなっている。
以上述べたように、本発明によれば、薄型の着色粘着フィルムをロールトゥロール方式により加工する時の巻取適性に優れ、意匠性にも優れた着色粘着フィルムが提供される。
図(a)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムが捲回された状態の概略立体図である。図(b)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムの概略断面図である。図(c)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムにおける粗面化層の概略断面図である。 本実施形態に係る着色粘着テープ付のグラファイトシートが両面テープを介して筐体に貼り付けられた状態の概略断面図である。 本実施形態に係る着色粘着フィルムの製造工程を説明する概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。
[着色粘着フィルムの構成]
図1(a)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムが捲回された状態の概略立体図である。図1(b)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムの概略断面図である。図1(c)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムにおける粗面化層の概略断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る着色粘着フィルム2は、長尺シート状に構成されている。着色粘着フィルム2は、一軸方向において捲回できるフレキシブルな樹脂テープである。例えば、図1(a)の例では、着色粘着フィルム2は、長尺方向DLにおいて、巻取ロール(巻取芯)410に巻かれている。巻取ロール410に巻かれた着色粘着フィルム2の長尺方向DLにおける長さ(全長)は、例えば、6000m以上10000m以下である。長尺方向DLと直交する幅方向DW(短尺方向)における着色粘着フィルム2の長さは、例えば、800mm以上1500mm以下である。
巻取ロール410に巻かれた着色粘着フィルム2は、例えば、ロールトゥロール方式によって形成される。巻取ロール410に巻かれた着色粘着フィルム2は、ロールトゥロール方式によって所定の幅に裁断加工され、その後、所定の形状に切り出されて、例えば、電子部品の内部に設置されたグラファイトシートを保護する保護テープとして使用される。例えば、巻取ロール410に巻かれた着色粘着フィルム2は、幅方向DWにおいて、100mmの幅ごとに裁断され、複数に分割されてもよい。分割された着色粘着フィルム2においては、再度、別の巻取ロールに巻き取られてもよい。なお、本実施形態の図では、幅方向DWをX軸方向、長尺方向DLをY軸方向としている。
着色粘着フィルム2の断面構造について説明する。
図1(b)に示すように、着色粘着フィルム2は、樹脂フィルム11と、着色層12と、粗面化層15と、粘着剤層20と、剥離フィルム30とを具備する。図1(b)の例では、着色粘着フィルム2は、剥離フィルム30/粘着剤層20/樹脂フィルム11/着色層12/粗面化層15の順に積層されている。本実施形態では、剥離フィルム30の側を下側、粗面化層15の側を上側とする場合がある。
着色粘着フィルム2においては、剥離フィルム30と粘着剤層20との界面から剥離フィルム30を剥がすことができる。本実施形態において、剥離フィルム30が着色粘着フィルム2から剥がされた構成を着色粘着テープ1とする。着色粘着テープ1は、樹脂フィルム11と、粗面化層15と、着色層12と、粘着剤層20とを具備する。
剥離フィルム30は、樹脂フィルム11とは反対側の粘着剤層20の表面に設けられている。粘着剤層20は、剥離フィルム30の表面に設けられている。例えば、粘着剤層20は、剥離フィルム30の下面30dとは反対側の剥離フィルム30の表面に設けられている。例えば、粘着剤層20は、剥離フィルム30と樹脂フィルム11との間に設けられている。樹脂フィルム11は、剥離フィルム30とは反対側の粘着剤層20の表面に設けられている。例えば、樹脂フィルム11は、着色層12と粘着剤層20との間に設けられている。樹脂フィルム11は、着色粘着フィルム2の基材である。着色層12は、粘着剤層20とは反対側の樹脂フィルム11の表面に設けられている。例えば、着色層12は、樹脂フィルム11と粗面化層15との間に設けられている。着色層12は、着色粘着フィルム2に意匠性を付与するために設けられる。また、着色層12は、樹脂フィルム11と粗面化層15との間の密着性を向上させる層でもある。粗面化層15は、樹脂フィルム11とは反対側の着色層12の表面に設けられている。
図1(c)に、粗面化層15の断面の一例を示す。例えば、粗面化層15は、無機粒子15pと、無機粒子15pを含有するバインダ樹脂15bとを含んでいる。無機粒子15pは、必須成分として硫酸バリウム粒子を含む。粗面化層15の上面15uにおいて、無機粒子15pが露出されてもよく、バインダ樹脂15bが露出されてもよい。無機粒子15pの平均粒径は、50nm以上10μm以下である。
粗面化層15は、図1(b)の例において最上層である。すなわち、黒色に着色された着色層12上に、硫酸バリウム粒子を含む無機粒子と、バインダ樹脂とを含む粗面化層15が設けられている。ここで、硫酸バリウムの平均粒径は、50nm以上10μm以下である。粗面化層に含まれる無機粒子の種類によっては、グラファイトシート100の外観が黄色味を帯びる場合がある。これにより、グラファイトシート100の見栄えが低減する場合がある。
着色粘着フィルム2では、黒色に着色された着色層12上に、硫酸バリウム粒子を含む無機粒子と、バインダ樹脂が含有された粗面化層15が設けられている。これにより、着色粘着テープ1が貼り付けられたグラファイトシート100の外観は、黄色味を帯びることなく、グラファイトシート100の見栄えが向上する。例えば、グラファイトシート100の全面の見栄えがマット感を持った黒色になる。
また、着色粘着フィルム2が巻取ロール310に巻かれた際には、粗面化層15の上面15uが、剥離フィルム30の粘着剤層20とは反対側の面(下面30d)と接することになる。ここで、剥離フィルム30の下面30を第1構造面、粗面化層15の上面15uを第2構造面とする。粗面化層15の上面15uは、着色層12とは反対側の粗面化層15の表面である。
粗面化層15の上面15uの算術平均粗さRaは、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは、0.1μm以上1.0μm以下であり、さらに好ましくは、0.2μm以上0.5μm以下である。粗面化層15の粗さ曲線要素の平均高さRcは、0.5μm以上であり、好ましくは、0.5μm以上5.0μm以下であり、より好ましくは、0.8μm以上3.0μm以下であり、さらに好ましくは、1.0μm以上2.0μm以下である。粗面化層15の10点平均粗さRzjisは、好ましくは1.0μm以上であり、より好ましくは、1.0μm以上9.0μm以下であり、さらに好ましくは2.0μm以上7.0μm以下であり、特に好ましくは、2.5μm以上5.0μm以下である。
粗面化層15が上記範囲の構造面を有することにより、後述する動摩擦係数を所定の範囲とすることができる。これにより、着色粘着フィルム2が巻取ロール410に巻かれたとしても、着色粘着フィルム2がブロッキング及びエア噛みの発生を起こしにくく、かつ薄型の着色粘着フィルム2をロールトゥロール方式により加工する時の巻取適性に優れる。また、粗面化層15が上記範囲の構造面を有することにより、後述する粗面化層15の上面15uの60°鏡面光沢度を所定の範囲とすることができる。これにより、着色粘着フィルム2が貼られたグラファイトシート100を電子部品の内部に設置したときの意匠性が優れる。
例えば、粗面化層15の上面15uの剥離フィルム30の下面30dに対する動摩擦係数は、2以下であり、1.8以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。動摩擦係数の下限は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは、1以上である。動摩擦係数が2を超えると、着色粘着フィルム2が巻取ロール410に巻かれたときに、ブロッキングが発生する可能性がある。また、動摩擦係数は、0.5未満の場合は、着色粘着フィルム2が巻取ロール410に巻かれたときに、巻きずれが発生するおそれがある。
また、このような粗さを有する粗面化層15の上面15uの60°鏡面光沢度は、特に限定されないが、好ましくは0.5%以上50%以下であり、より好ましくは、1%以上9%以下、さらに好ましくは、1%以上5%以下である。これにより、着色粘着フィルム2が貼られたグラファイトシート100においては、その見栄えがマット調になり、着色粘着テープ1が電子部品の内部に設置されたときに、着色粘着テープ1が電子部品と一体化しているように見えるため、意匠性が優れたものとなる。
着色粘着フィルム2において、Z軸方向に隣り合う層同士は、直接的に接してもよく、間接的に接してもよい。間接的に接する場合には、Z軸方向に隣り合う層間に密着性等を向上させる中間層(不図示)が介在してもよい。また、着色粘着フィルム2における各層は単層でもよく、複数の層から構成されてもよい。
着色粘着フィルム2において、剥離フィルム30の厚みは、特に限定されないが、好ましくは20μm以上80μm以下であり、より好ましくは20μm以上30μm以下である。ここで、本実施形態における厚みとは、後述する複数点から測定された厚みの平均値である。
粘着剤層20の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1μm以上5μm以下であり、より好ましくは、1μm以上3μm以下である。粘着剤層20の厚みが1μm未満であると、粘着剤層20とグラファイトシートとの密着性が低く、グラファイトシートを十分に保護することが困難となる場合がある。粘着剤層20の厚みが5μmを超えると、着色粘着フィルム2が厚くなり薄型化の要求を満たさない。
樹脂フィルム11の厚みは、例えば、好ましくは1μm以上6μm以下であり、より好ましくは1μm以上3μm以下である。樹脂フィルム11の厚みが1μm未満であると、樹脂フィルム11の強度が低くなり、ロールトゥロール方式によって搬送することが困難となる。樹脂フィルム11の厚みが6μmを超えると、着色粘着フィルム2が厚くなり薄型化の要求を満たさない。
着色層12の厚みは、例えば、好ましくは0.5μm以上10μm以下であり、より好ましくは0.8μm以上3μm以下である。着色層12の厚みが0.5μm未満であると、樹脂フィルム11と粗面化層15との密着性が低くなり、粗面化層15が樹脂フィルム11から?がれる場合がある。また、着色層12の厚みが10μmを超えると、着色粘着フィルム2が厚くなり薄型化の要求を満たさない。
粗面化層15の厚みは、例えば、好ましくは0.5以上10μm以下であり、好ましくは、0.6μm以上3.0μm以下であり、より好ましくは、0.8μm以上2.0μm以下である。粗面化層15の厚みが0.5μm未満であると、所望の構造面が得られず、粗面化層15の厚みが10μmを超えると、着色粘着フィルム2が厚くなり薄型化の要求を満たさない。
各層の厚みを上記の範囲とすることにより、剥離フィルム30が剥がされた後の着色粘着テープ1の厚みが10μm前後になり、着色粘着テープ1は、極薄に構成される。
また、着色粘着テープ1の黄色度(b*)は、好ましくは、−1.5以下であり、より好ましくは、−1.6以下であり、さらに好ましくは、−1.65以下である。着色粘着テープ1の黄色度(b*)が−1.5を超えると、着色粘着テープ付のグラファイトシートの外観が黄色味を帯びる場合があり、グラファイトシート100の見栄えが低減する場合がある。黄色度(b*)の下限値は、特に限定されないが、−5.0以上が好ましく、−4.0以上がより好ましく、−3.0以上がさらに好ましい。
図2は、本実施形態に係る着色粘着テープ付のグラファイトシートが両面テープを介して筐体に貼り付けられた状態の概略断面図である。
図2に示すように、剥離フィルム30が剥がされた着色粘着テープ1は、例えば、グラファイトシート100に貼り付けられる。例えば、着色粘着テープ1の粘着剤層20の露出面がグラファイトシート100の表面に接着される。また、グラファイトシート100は、両面テープ101を介して筐体102(例えば、電子部品)に貼り付けられる。これにより、グラファイトシート100内において熱がZ軸方向、X軸方向及びY軸方向にも拡散する。これにより、電子部品から発せられた熱は、効率よく放熱される。
また、着色粘着テープ1は、極薄であるため、小型の電子製品の内部スペースを害することなく、電子製品内に配置できる。さらに、着色粘着テープ1には、着色層12が設けられているため、グラファイトシートの外観上の斑を目立たなくさせることができる。さらに、着色粘着テープ1には、粗面化層15が設けられているため、マット調の見た目になる。これにより、着色粘着テープ1が電子部品と一体化しているように見える(溶け込んで見える)ため、着色粘着テープ1が目立ちにくく意匠性も向上している。
また、着色粘着テープ1においては、粘着剤層20、樹脂フィルム11及び粗面化層15の少なくとも1つには、着色剤が含まれてもよい。着色剤は、特に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、黄色酸化鉄、べんがら、シアニンブルー、アルミニウム粉、雲母チタン粉等があげられる。これにより、グラファイトシート100の外観上の斑が目立たなくなり、グラファイトシート100の外観上の見栄えがさらに向上する。
着色粘着フィルム2における各層の材料、物性値の測定方法は、以下の通りである。
[樹脂フィルム]
樹脂フィルムに使用する樹脂種は特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルからなるポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロース等のセルロースフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等の樹脂フィルム;これらの2種以上の積層体などをあげることができる。樹脂フィルムは、一軸延伸または二軸延伸されたものでもよい。これらの中でも、薄膜化に伴って要求される厚みの精度、表面平滑性、入手の容易さ等の観点から、ポリエステルフィルムが好ましい。ポリエステルフィルムとしては、特にPETフィルムが好ましい。また、ポリエステルフィルムは寸法安定性・強度の点から二軸延伸したフィルムが好ましい。その中でも、二軸延伸したPETフィルムが好ましい。
[着色層]
着色層は、黒色に着色されている。これにより、グラファイトシート100の外観上の斑が目立たなくなり、着色粘着テープが貼付される電子部品の色に調和し、着色粘着テープ1が電子部品と一体化しているように見える(溶け込んで見える)ため、着色粘着テープ1が目立ちにくく意匠性も向上している。
着色層は、着色材料と、バインダ樹脂とを含有することが好ましい。バインダ樹脂として、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等があげられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。中でも、柔軟性が優れていることから、ポリエステルウレタン樹脂が好ましい。上記ポリエステルウレタン樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−30〜10℃であることが好ましい。
着色層は、硬化剤により硬化されていることが好ましい。硬化剤は特に限定されず、バインダ樹脂に合わせて適宜選択される。バインダ樹脂がポリエステルウレタン樹脂の場合、硬化剤として、例えば、イソシアネート硬化剤等があげられる。なお、ポリエステルウレタン樹脂に水酸基又はイソシアネート基が存在する場合は、硬化剤としてアミン硬化剤を用いてもよい。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
着色材料としては、公知慣用の黒色顔料や黒色染料を使用することができ、例えば、カーボンブラック等があげられる。
着色層は、必要に応じて、さらに、その他の顔料や染料、透明樹脂(メジウム)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有してもよい。着色層における着色材料の含有量は、特に制限されず、目的とする隠蔽性等に応じて適宜設定することができる。例えば、着色層は、バインダ樹脂と、バインダ樹脂100重量部に対して10質量部以上70質量部以下の着色材料とを含むことが好ましい。
[粘着剤層]
着色粘着テープの粘着剤層を形成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤などの公知の粘着剤から適宜選択して用いることができる。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
粘着剤としては、特にアクリル系粘着剤が、接着信頼性が高いことから好適に用いることができる。アクリル系粘着剤は、アクリル系ポリマーを粘着性成分又は主剤とし、これに必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などの適宜な添加剤が含まれている。アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とするポリマーであり、必要に応じて(メタ)アルキルエステルに対して共重合が可能な単量体(共重合性単量体)を用いることにより調製されている。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C4−18アルキル(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル)エステル]などがあげられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、目的とする粘着性などに応じて適宜選択することができる。
また、前記(メタ)アルキルエステルに対して共重合可能な共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体又はその無水物;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニル;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどのヒドロキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体の他、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能性の共重合性単量体(多官能モノマー)などがあげられる。共重合性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。共重合性単量体としては、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの官能基を有する改質用モノマーを好適に用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、官能基を有する改質用モノマーを0.1〜20質量%含有することが好ましく、特に1〜10質量%含有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量は20万〜200万であることが好ましく、特に50万〜150万であることが好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
架橋剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が有する官能基と反応するものであればよく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アミン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、アンモニウム塩系架橋剤等があげられ、中でも水酸基及びカルボキシル基との反応性に優れるイソシアネート系架橋剤が好ましい。架橋剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート系架橋剤は、少なくともポリイソシアネート化合物を含むものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などがあげられ、中でも(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体の反応性基との反応性の点から、トリメチロールプロパン変性の芳香族ポリイソシアネート、特にトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート及びトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートが好ましい。
架橋剤の配合量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、特に1〜10質量部であることが好ましい。架橋剤の配合量が上記の範囲にあると、後述する粘着剤のゲル分率を好ましい範囲に制御しやすくなる。
また、粘着剤層の粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加することも好ましい。また、これら粘着付与樹脂を添加することで、引張強度や引張破断強度を高くすることができることから、使用するアクリル系共重合体に応じて、粘着付与樹脂を適宜添加することで、引張強度や引張破断強度を調整できる。本発明の両面着色粘着テープの粘着剤層に添加する粘着付与樹脂としては、例えば、ロジンやロジンのエステル化合物等のロジン系樹脂;ジテルペン重合体やα−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン系樹脂;脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂;その他、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等があげられる。その中でもn−ブチル(メタ)アクリレートを主なモノマー成分とするアクリル系共重合体を使用した粘着剤組成物においては、薄型で粘着力と耐熱性を両立させるに際し、ロジン系樹脂とスチレン系樹脂を混合して使用することが好ましい。
また、粘着剤層は、所望により、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤、屈折率調整剤、染料、顔料、防錆剤などを含有してもよい。
[剥離フィルム]
剥離フィルムは、フィルム基材及びこのフィルム基材上に設けられた剥離剤層を有していることが好ましい。フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルからなるポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンからなるポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ酢酸ビニルフィルムなどのプラスチックフィルムのいずれか、または、これらの2種以上の材料層からなる積層体などをあげることができる。
剥離剤層は、例えば、剥離剤を含む剥離剤層形成用組成物の硬化物で形成される。剥離剤層形成用組成物としては、剥離剤層上に積層される任意の層を剥離フィルムから剥離させる機能を剥離剤層に付与できるものであれば特に制限はない。剥離剤としては、例えばシリコーン樹脂、長鎖アルキル樹脂、及びアルキド樹脂などがあげられる。
シリコーン系剥離剤としては、付加反応型シリコーン、縮合反応型シリコーン、エネルギー線硬化性シリコーンがあげられる。また、剥離力を調整するために、無官能のポリジメチルシロキサン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジン、シリカ、セルロース系化合物を添加剤として用いてもよい。
着色粘着フィルム2が巻取ロール410に巻かれた際に、粗面化層15の上面15u(第2構造面)が、剥離フィルム30の下面30d(第1構造面)と接することになる。このため、剥離フィルムの下面30dの算術平均粗さRaは、50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。下面30dのRaの下限は、例えば10nmである。下面30dの粗さ曲線要素の平均高さRcは、500nm以下であり、好ましくは、450nm以下である。下面30dのRcの下限は、例えば100nmである。下面30dの10点平均粗さRzjisは、好ましくは800nm以下であり、より好ましくは700nm以下である。下面30dのRzjisの下限は、例えば100nmである。
剥離フィルム30の下面30dのRa、Rc及びRzjisを上記範囲とすることで、粗面化層15との動摩擦係数を所望の範囲とすることができる。これにより、着色粘着フィルム2が巻取ロール310に巻かれた際に、粗面化層15の上面15uが剥離フィルム30の下面30dと接したとしても、剥離フィルム30の下面30dのRa、Rc及びRzjisが上記範囲に設定されているので、着色粘着フィルム2がブロッキング及びエア噛みの発生を起こしにくく、且つ薄型の着色粘着フィルム2がロールトゥロール方式により加工されるときの巻取適性に優れる。
[粗面化層]
粗面化層の第2構造面は、上面の算術平均粗さRa、粗さ曲線要素の平均高さRc及び10点平均粗さRzjisが所望の範囲であれば、材料は特に限定されない。粗面化層は、コロナ放電処理する方法、サンドブラスト処理、粗いロール面を上面の表面に圧着させて、ロール面の粗さを転写する方法等により、上面15uのRa、Rc及びRzjisを調整してあってもよい。
粗面化層は、硫酸バリウム粒子を含む無機粒子と、バインダ樹脂とを含む。無機粒子の平均粒径、配合量等を調整することで、上記粗さ等を容易に調整することもできる。無機粒子の平均粒径は、粗面化層の厚みより大きくてもよい。
バインダ樹脂として、特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられ、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等があげられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。中でも、柔軟性が優れていることから、熱可塑性樹脂が好ましく、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂が好ましい。中でも、無機粒子との分散性と密着性の観点から、バインダ樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂の少なくとも1種がより好ましく、ポリエステル樹脂がさらに好ましい。
粗面化層は、硬化剤により硬化されていてもよい。硬化剤は特に限定されず、バインダ樹脂に合わせて適宜選択される。バインダ樹脂がポリエステルウレタン樹脂の場合、硬化剤として、例えば、イソシアネート硬化剤等があげられる。なお、ポリエステルウレタン樹脂に水酸基又はイソシアネート基が存在する場合は、硬化剤としてアミン硬化剤を用いてもよい。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。また、粗面化層には、必要に応じて、着色層に含まれるものと同様に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有してもよい。
粗面化層15には、硫酸バリウム粒子以外の無機粒子や有機粒子が混在されてもよい。このように、その他の粒子を配合することで粗面化層15の色彩の選択幅を広げることができる。
有機粒子は特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート粒子等のアクリル樹
脂粒子、ポリスチレン粒子、ポリカーボネート粒子、ウレタン樹脂ビーズ、エポキシ樹脂
ビーズ、ポリエステル樹脂ビーズ、ポリエステルウレタン樹脂ビーズ等があげられる。こ
れらは、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
無機粒子としては、特に限定されず、例えば、シリカ(SiO)、酸化チタン、炭酸カルシウム等の粒子の少なくともいずれかがあげられる。これらは単独で用いられてもよく2種類以上が併用されてもよい。中でも、鏡面光沢度と色彩の選択幅を調整しやすさ、粒度調整の容易さ、及び、入手の容易さから、無機粒子が好ましく、シリカ粒子がより好ましい。
シリカと硫酸バリウムとの体積比率([シリカの体積]:[硫酸バリウムの体積])は、100:50から100:500の範囲に収められる。すなわち、粗面化層において、硫酸バリウム粒子の体積は、シリカ粒子の体積の1/2倍以上5倍以下に設定されることが好ましい。粗面化層において、シリカ粒子と硫酸バリウム粒子の割合(質量)は、硫酸バリウム粒子100質量部に対して、シリカ粒子が1質量部以上100質量部以下が好ましく、5質量部以上80質量部以下がより好ましく、10質量部以上50質量部以下がさらに好ましい。また、硫酸バリウムを含む無機粒子の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して、40質量部以上150質量部以下が好ましく、50質量部以上140質量部以下がより好ましく60質量部以上130質量部以下がさらに好ましく、80質量部以上125質量部以下が特に好ましい。添加される無機粒子の含有量がバインダ樹脂100質量部に対して、40質量部より小さくなると、粗面化層15の上面15uの剥離フィルム30の下面30dに対する動摩擦係数が2を超え、粗面化層15の60°鏡面光沢度が50%を超える可能性がある。
粗面化層15は、無機粒子の含有量が増加すると、樹脂フィルム11との密着性が低下する。特に無機粒子の含有量がバインダ樹脂100質量部に対して、60質量部以上の場合に、密着性が顕著に低下する。本実施形態に係る着色粘着フィルム2では、着色層12が、樹脂フィルム11と粗面化層15との間に設けられている。この着色層12は、樹脂フィルム11と粗面化層15との間の密着性を向上させる層として機能し、粗面化層15が、無機粒子の含有量がバインダ樹脂100質量部に対して60質量部以上の場合であっても、密着性が良好な着色粘着フィルム2となる。
上記粒子の平均粒子径は特に限定されないが、0.5μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましく、1.5μm以上3μm以下がさらに好ましい。上記平均粒子径が上記範囲以外の場合、所望の粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)の範囲に調整することが難しくなるため好ましくない。
なお、平均粒子径とは、コールターカウンタ法で測定したピークトップ値が平均粒径とされる。
また、着色粘着フィルム2において、粗面化層15内にシリカ、硫酸バリウムの少なくとも1種の粒子が分散された場合は、粗面化層15内におけるシリカ粒子と硫酸バリウム粒子との配合比を変えることで、粗面化層15の色彩の選択幅を広げることができる。例えば、硫酸バリウム粒子の量を相対的に増やすことにより、粗面化層15における色彩は、青色がより強くなる。また、硫酸バリウム粒子の含有量を相対的に減らすことにより、粗面化層15の60°鏡面光沢度を下げることができる。つまり、シリカ粒子と硫酸バリウム粒子との配合比を変えることで、グラファイトシート100における外観上の色の選択幅をさらに拡大させることができる。
また、粗面化層15内に粒子が分散された場合は、着色粘着フィルム2が巻き取られるとき、または、着色粘着フィルム2が移送されるときに、粗面化層15の上面15uに傷等の損傷が入りにくくなる。これにより、着色粘着フィルム2の生産性がさらに向上する。
また、粗面化層15内に粒子が分散された場合は、着色粘着フィルム2が巻取ローラ410に巻き取られるとき、または、着色粘着フィルム2が移送されるときに、粗面化層15の上面15uに傷等の損傷が入りにくくなる。これにより、着色粘着フィルム2の生産性がさらに向上する。
[平均粒径測定]
無機粒子及び有機粒子の平均粒径は、特に限定されないが、コールターカウンタ法で測定される。例えば、コールターカウンタ法で測定したピークトップ値が平均粒径とされる。
[厚みの測定]
着色粘着テープ1の各層の厚み測定については、特に限定されないが、公知の厚み計を用いることでき、例えば、膜厚計(ニコン社製膜厚計デジマイクロMH-15M)が用いられる。
[着色粘着フィルムの製造方法]
以下に本実施形態に係る粘着フィルムの製造工程を説明するが、これに限定されるものではない。図3(a)〜図3(c)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムの製造工程を説明する概略図である。本実施形態において、着色粘着フィルム2は、ロールトゥロール方式により製造される。着色粘着フィルム2は、例えば、大気中で製造される。図中の矢印DRは、フィルムの走行方向を示す。走行方向DRは、長尺方向DLに対応している。
図3(a)に示すように、剥離フィルム30は、巻出ロール211の自転により連続的に巻出ロール211から繰り出され、ガイドロール250aを介して塗布機構220に導かれる。剥離フィルム30の表面(粘着剤層20が形成される表面)には、剥離剤層が形成されている。
塗布機構220によって、巻出ロール211から繰り出された剥離フィルム30上に粘着剤層20の塗工液が塗布される。粘着剤層20付の剥離フィルム30は、ガイドロール250bを介して乾燥室230に導かれ、所定の温度で、例えば、10秒以上5分間以下で乾燥される。これにより、剥離フィルム30と粘着剤層20とを有する粘着剤層付き剥離フィルム51が形成される。粘着剤層付き剥離フィルム51は、ガイドロール250cを介して貼付機構240に導かれる。
貼付機構240に導かれた粘着剤層付き剥離フィルム51の粘着剤層20には、貼付機構240によって樹脂フィルム11が貼り付けられる。例えば、粘着剤層付き剥離フィルム51は、ロール240bとロール240cとの間に挟まれ、巻出ロール240aから樹脂フィルム11がロール240bとロール240cとの間に繰り出される。
これにより、樹脂フィルム11が粘着剤層20に貼り合わされ、剥離フィルム30、粘着剤層20及び樹脂フィルム11を有する粘着フィルム52が形成される。この後、粘着フィルム52は、ガイドロール250dを介して、巻取ロール210の自転により巻取ロール210に連続的に巻き取られる。
続いて、図3(b)に示すように、巻出ロール311に巻き取られた粘着フィルム52は、巻出ロール311の自転により連続的に繰り出され、ガイドロール350aを介して塗布機構320に導かれる。塗布機構320により、樹脂フィルム11に着色層12の塗工液が塗布される。
着色層12が塗布された粘着フィルム52は、ガイドロール350bを介して乾燥室330に導かれ、所定の温度で、例えば、10秒以上5分間以下で乾燥される。これにより、粘着フィルム52の樹脂フィルム11に着色層12が設けられた着色粘着フィルム53が形成される。そして、着色粘着フィルム53は、ガイドロール350cを介して巻取ロール310の自転により巻取ロール310に連続的に巻き取られる。
巻出ロール411に巻き取られた着色粘着フィルム53は、巻出ロール411の自転により連続的に繰り出され、ガイドロール450aを介して塗布機構420に導かれる。塗布機構420により、樹脂フィルム11に粗面化層15の塗工液が塗布される。
粗面化層15が塗布された着色粘着フィルム53は、ガイドロール450bを介して乾燥室430に導かれ、所定の温度で、例えば、10秒以上5分間以下で乾燥される。これにより、着色粘着フィルム53の着色層12に粗面化層15が設けられた着色粘着フィルム2が形成される。そして、着色粘着フィルム2は、ガイドロール450cを介して巻取ロール410の自転により巻取ロール410に連続的に巻き取られる。
また、塗布機構220、塗布機構320及び塗布機構420における塗布方法については、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等のいずれかの手法が適用されてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[実施例1]
<粘着性組成物の調製>
アクリル酸ブチル95.5質量部と、酢酸ビニル3質量部と、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1質量部と、アクリル酸0.5質量部とを共重合させることにより、重量平均分子量100万のアクリル酸エステル共重合体が製造される。次に、このアクリル酸エステル共重合体100質量部(固形分換算;以下同じ)に対し、水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、パインクリスタル KE−100、軟化点:100℃)25質量部、重合ロジンエステル(荒川化学工業社製、ペンセル D−135、軟化点:135℃)4質量部及び石油系樹脂(三井化学社製、FTR6100、軟化点:95℃)24質量部が添加されて、さらに混合することで、粘着成分が形成された。粘着成分をトルエンに溶解し、固形分濃度13質量%の粘着剤溶液が調製された。
<粗面化層用塗布溶液Aの調整>
粗面化層用塗布溶液Aは、バインダ樹脂としてのポリエステル樹脂(東洋紡製:バイロン20SS)100質量部(固形分換算)に対し、シリカ微粒子(東ソーシリカ社製、NIPSIL SS50B、平均粒径2.1μm)を22質量部、硫酸バリウム微粒子(堺化学工業株式会社製:BMH平均粒子径2.5μm)を100質量部添加し、トルエン/メチルエチルケトン(MEK)混合溶媒(トルエン:MEK(質量比)=50:50)で固形分濃度20質量%に調整された。
<粘着フィルムの製造>
ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面がシリコーン系剥離剤で剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製SP-PET251130、剥離フィルムの下面30dのRa:34nm、Rc:400nm、Rzjis:672nm、厚さ25μm)が繰り出され、その剥離処理面に、乾燥後の厚さが2μmになるように、粘着性組成物の塗布溶液がナイフコーターで塗布された後、得られた塗膜を90℃で1分間加熱処理して、剥離フィルム上に、厚さが2μmの粘着剤層が形成された。その後、樹脂フィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ、ET2F51L、厚さ2μm)が上記塗布層の露出面側に貼り合わされ、得られた粘着フィルムをロール状に巻き取った。
次いで、ロール状に巻き取った粘着フィルムを23℃、50%RHの条件下で7日間養生することにより、剥離フィルム/粘着剤層(厚さ:2μm)/樹脂フィルム(厚さ:2μm)からなる粘着フィルムが作製された。
次いで、ロール状に巻かれた粘着フィルムが繰り出され、樹脂フィルム面に、黒色インク(大日精化社製、「UTCO−591ブラック(NX)」)がグラビアコーターによって塗布し、さらに加熱処理され、厚さ1μmの着色層が粘着フィルム上に形成された。この後、得られた着色粘着フィルムがロール状に巻き取られた。
次いで、ロール状に巻かれた着色粘着フィルムが繰り出され、その着色層面に、粗面化層用塗布溶液Aが乾燥後の厚さが1μmになるようにグラビアコーターで塗布された後、得られた塗膜が90℃で1分間、加熱処理され、厚さ1μmの粗面化層が形成された。この後、得られた着色粘着フィルムがロール状に巻き取られた。
[実施例2]
粗面化層用塗布溶液Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムが形成された。
<粗面化層用塗布溶液Cの調整>
粗面化層用塗布溶液Cは、バインダ樹脂としてのポリエステル樹脂(東洋紡製:バイロン20SS)100質量部(固形分換算)に対し、硫酸バリウム微粒子(和光純薬工業社製:BMH平均粒子径2.0μm)を100質量部添加し、トルエン/メチルエチルケトン(MEK)混合溶媒(トルエン:MEK(質量比)=50:50)で固形分濃度20質量%に調整された。
[比較例1]
粗面化層用塗布溶液Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムが得られた。
<粗面化層用塗布溶液Bの調整>
粗面化層用塗布溶液Bは、バインダ樹脂としてのポリエステル樹脂(東洋紡製:バイロン20SS)100質量部(固形分換算)に対し、シリカ微粒子(東ソーシリカ社製、NIPSIL SS50B、平均粒径2.1μm)を117質量部添加し、トルエン/メチルエチルケトン(MEK)混合溶媒(トルエン:MEK(質量比)=50:50)で固形分濃度20質量%に調整された。
[表面粗さ測定]
粗面化層表面の粗さ曲線要素の平均高さRc、算術平均粗さRa及び10点平均粗さRzjisは、接触式表面粗さ計(ミツトヨ社製、製品名「SV3000S4」)を用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定した。
剥離フィルムの粘着剤層とは反対側の面(下面30d)の曲線要素の平均高さRc、算術平均粗さRa及び10点平均粗さRzjisは、接触式表面粗さ計(ミツトヨ社製、製品名「SV3000S4」)を用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定した。
[60°鏡面光沢度]
日本電色工業(株)製グロスメーター「VG7000」を用いて、JIS K 7105に準拠して測定した。
[動摩擦係数測定]
JIS K7125に準拠して、粘着フィルムの粗面化層表面と、剥離フィルムの粘着剤層とは反対側の面(下面30d)との動摩擦係数を測定した。荷重は200gとし、測定には万能型引張試験機テンシロン(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いた。
表1に、実施例1〜3、比較例1〜3における粘着フィルムの構成、表2、3に実施例1〜3、比較例1〜3における粗面化層の表面粗さ、着色層の表面粗さ、粘着フィルムの表面粗さ、粗面化層または着色層の剥離フィルムに対する動摩擦係数、粘着フィルムの60°鏡面光沢度、粘着フィルムの巻取適正、粘着フィルムの意匠性評価及び粗面化層と樹脂フィルムとの密着性を示す。
[巻取適性評価]
各工程で、ロール状に巻き取った後の巻ずれ発生の有無、巻取りの際にブロッキングの有無、エア噛み(皺の拠り)の有無を目視観察し、下記の基準に従って巻取適性を評価した。ここで、表3における巻取適性において、A、Bとは、
A:ブロッキング及びエア噛みの発生が全くなく、安定した巻取適性である。
B:ブロッキングまたはエア噛みが発生し、するが、実用上問題となる虞のある範囲である。
ことを意味する。
[意匠性評価]
剥離フィルムが剥がされた粘着フィルムをカネカ製グラファイトシート「グラフィニティー25μm」に貼り合せ、50mm×50mmのサイズにカットして評価サンプルが作製された。このサンプルの粘着フィルム表面を蛍光灯下で目視により観察し、下記の基準で評価した。当該目視観察は、5人の被験者を対象に行い総合的に判断した。ここで、表3における意匠性評価において、A、Cとは、
A:粘着フィルム表面のテカリまたはギラツキがほとんど視認されず、意匠性が良好だった。
C:粘着フィルム表面のテカリまたはギラツキがほとんど視認されなかったが、やや黄色味が強く、Aに比べて意匠性に劣っていた。
ことを意味する。
[密着性評価]
粘着フィルムの密着性評価として、碁盤目剥離試験が行われた。粘着フィルムの粗面化層の表面に、カッターナイフにより、1mm間隔で縦11本、横11本の切り込みが碁盤目状に形成され、合計100個の正方形が粗面化層に形成された。100個の正方形は、粘着テープ(ニチバン社製、「セロテープ(登録商標)」に貼られ、JIS K 5600−5−6(クロスカット法)の碁盤目テープ法に準拠して、粗面化層のセロテープ(登録商標)剥離試験が行われた。ここで、表3における密着性評価において、A、Bとは、
A:100個の正方形に剥がれが全くなかった。
B:100個の正方形の中、1つ以上の正方形が剥がれた。
ことを意味する。
[黄色度(b*)の測定]
23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、粘着フィルムが50mm×50mmのサイズに切断された。次に、剥離フィルムが除去され、粘着剤層がガラス板に貼付られ、試験サンプルが作製された。次に、カラーコンピュータ分光式色差計(日本電色社製、Spectro photometer SE6000)により、JIS K 7105に準じて、試験サンプルの黄色度(b*)が測定された。
Figure 0006101396
Figure 0006101396
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表2、3に示すように、実施例1、2においては、最上層である粗面化層のRcがいずれも0.5μm以上であり、粗面化層の剥離フィルムに対する動摩擦係数が2以下である。この場合、巻取適性は、「A」となった。
また、実施例1、2においては、60°鏡面光沢度がいずれも0.5%以上50%以下である。但し、無機粒子として、シリカ粒子を混在させた実施例1の方が実施例1よりも60°鏡面光沢度が低くなった。さらに、実施例1、2においては、黄色度がいずれも−1.5以下である。この場合、意匠性評価は、「A」となった。
また、実施例1、2においては、樹脂フィルムと粗面化層との間に着色層が設けられ、樹脂フィルムと粗面化層との密着性が「A」になった。
これに対し、比較例1では、黄色度がいずれも−1.5より大きく、意匠性評価は、「C」となった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
1…粘着テープ
2…着色粘着フィルム
11…樹脂フィルム
12…着色層
15…粗面化層
15p…無機粒子
15b…バインダ樹脂
15u…上面
20…粘着剤層
30…剥離フィルム
30d…下面
51…粘着剤層付き剥離フィルム
52…粘着フィルム
53…着色粘着フィルム
100…グラファイトシート
101…両面テープ
102…筐体
200…製造装置
210…巻取ロール
211…巻出ロール
220…塗布機構
230…乾燥室
240…貼付機構
240a…巻出ロール
240b…ロール
240c…ロール
250a、250b、250c、250d…ガイドロール
260…前処理機構
300…製造装置
310…巻取ロール
311…巻出ロール
320…塗布機構
330…乾燥室
350a、350b、350c…ガイドロール
400…製造装置
410…巻取ロール
411…巻出ロール
420…塗布機構
430…乾燥室
450a…ガイドロール
450b…ガイドロール
450c…ガイドロール

Claims (19)

  1. グラファイトシートを保護する着色粘着フィルムであって、
    粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が500nm以下の第1構造面を有する剥離フィルムと、
    前記第1構造面とは反対側の前記剥離フィルムの表面に設けられた粘着剤層と、
    前記剥離フィルムとは反対側の前記粘着剤層の表面に設けられた樹脂フィルムと、
    前記粘着剤層とは反対側の前記樹脂フィルムの表面に設けられ、黒色に着色された着色層と、
    前記樹脂フィルムとは反対側の前記着色層の表面に設けられ、粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が0.5μm以上であり、前記剥離フィルムに対する動摩擦係数が2以下である第2構造面を前記着色層とは反対側に有し、硫酸バリウム粒子を含む無機粒子と、バインダ樹脂とを含む粗面化層と
    を具備する着色粘着フィルム。
  2. 請求項1に記載の着色粘着フィルムであって、
    前記粗面化層は、前記バインダ樹脂100重量部に対して40質量部以上の前記無機粒子を含む
    着色粘着フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の着色粘着フィルムであって、
    前記無機粒子は、シリカ粒子をさらに含む、
    着色粘着フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記バインダ樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂の少なくとも1種、を含む
    着色粘着フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記着色層は、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂の少なくとも1種、を含む
    着色粘着フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記着色層は、バインダ樹脂と、前記バインダ樹脂100重量部に対して10質量部以上70質量部以下の着色材料とを含む
    着色粘着フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記第2構造面の前記剥離フィルムに対する動摩擦係数は、0.5以上1.5以下である
    着色粘着フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記第2構造面の算術平均粗さ(Ra)は、0.1以上1.0μm以下である
    着色粘着フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記第2構造面の粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)は0.5μm以上5.0μm以下である
    着色粘着フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記第2構造面の10点平均粗さ(Rzjis)は、1.0μm以上9.0μm以下である
    着色粘着フィルム。
  11. 請求項3〜10のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記粗面化層において、前記硫酸バリウム粒子に対する前記シリカ粒子の割合は、前記硫酸バリウム粒子100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下である
    着色粘着フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記第2構造面は、1%以上50%以下の60°鏡面光沢度を有する
    着色粘着フィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記粗面化層は、0.5μm以上10μm以下の厚みを有する
    着色粘着フィルム。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記粘着剤層は、1μm以上5μm以下の厚みを有する
    着色粘着フィルム。
  15. 請求項1〜14のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記樹脂フィルムは、1μm以上6μm以下の厚みを有する
  16. 請求項1〜15のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記着色層は、0.5μm以上5μm以下の厚みを有する
  17. 請求項3〜16のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記シリカ粒子の平均粒径は、1μm以上10μm以下であり、
    前記硫酸バリウム粒子の平均粒径は、50nm以上1μm以下である
    着色粘着フィルム。
  18. 請求項1〜17のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記着色粘着フィルムは、長尺シート状に構成されている
    着色粘着フィルム。
  19. 請求項1〜18のいずれか1つに記載の着色粘着フィルムであって、
    前記粘着剤層、前記樹脂フィルム、前記着色層及び前記粗面化層は、電子部品の内部に設置されたグラファイトシートの表面に貼り付けられる。
    着色粘着フィルム。
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