JP2018104639A - 着色粘着フィルムの製造方法 - Google Patents

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雄一 倉田
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耕輔 ▲高▼田
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Abstract

【課題】着色粘着フィルムの製造歩留まりを向上させる。【解決手段】着色粘着フィルムの製造方法は、グラファイトシートを保護する着色粘着フィルムをロールトゥロール方式により製造する方法である。着色粘着フィルムの製造方法は、20μm以上80μm以下の厚みを有する剥離フィルムの走行過程で上記剥離フィルムに、1μm以上5μm以下の厚みを有する粘着剤層を形成することにより、上記剥離フィルム及び上記粘着剤層を有する粘着剤層付き剥離フィルムを形成することを含む。上記粘着剤層付き剥離フィルムの走行過程で、上記粘着剤層に1μm以上6μm以下の厚みを有する樹脂フィルムが貼り合わされることにより、粘着剤層付き剥離フィルムに前記樹脂フィルムが貼り合わされた粘着フィルムが形成される。上記粘着フィルムの走行過程で、上記樹脂フィルムの上記粘着剤層とは反対面に着色層が形成される。【選択図】図4

Description

本発明は、着色粘着フィルムの製造方法に関する。
携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ等の小型の電気製品においては、内部に設けた電子部品の放熱を促進させるため、放熱用のグラファイトシートが使用されている。グラファイトシートにおいては、その欠け、剥離等を防止するために、シート表面が着色粘着テープで保護される(例えば、特許文献1参照)。着色粘着テープについては、電気製品の小型化やグラファイトシートによる電子部品の放熱性を高めるため、その厚みをより薄くすることが望ましい。
着色粘着テープは、例えば、粘着剤層と、粘着剤層上に設けられた樹脂フィルムと、樹脂フィルム上に設けられた着色層とを具備する。粘着剤層は、例えば、グラファイトシートに接着する粘着剤層である。樹脂フィルムは、例えば、着色粘着テープの基材である。そして、着色層は、例えば、グラファイトシートの外観上の斑を目立たなくさせる遮蔽層として機能する。このような着色粘着テープは、例えば、剥離フィルムが貼り付けられた状態(以下、この状態を着色粘着フィルムとする。)で、例えば、ロールトゥロール方式により形成される。
特開2013−203965号公報
しかしながら、着色粘着テープをより薄くしようとすると、基材である樹脂フィルムの厚みが必然的に薄くなる。このような薄い樹脂フィルムを含む着色粘着フィルムに着色層を塗布する際に、樹脂フィルムに皺または弛みが発生すると、着色粘着フィルムの製造歩留まりが減少する場合がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、着色粘着フィルムの製造歩留まりを向上させる着色粘着フィルムの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る着色粘着フィルムの製造方法は、グラファイトシートを保護する着色粘着フィルムをロールトゥロール方式により製造する方法である。この着色粘着フィルムの製造方法は、20μm以上80μm以下の厚みを有する剥離フィルムの走行過程で上記剥離フィルムに、1μm以上5μm以下の厚みを有する粘着剤層を形成することにより、上記剥離フィルム及び上記粘着剤層を有する粘着剤層付き剥離フィルムを形成することを含む。上記粘着剤層付き剥離フィルムの走行過程で、上記粘着剤層に1μm以上6μm以下の厚みを有する樹脂フィルムが貼り合わされることにより、粘着剤層付き剥離フィルムに前記樹脂フィルムが貼り合わされた粘着フィルムが形成される。上記粘着フィルムの走行過程で、上記樹脂フィルムの上記粘着剤層とは反対面に着色層が形成される。
このような着色粘着フィルムの製造方法によれば、薄い上記樹脂フィルムに上記剥離フィルム及び上記粘着剤層が形成された厚い粘着フィルムが形成されて、上記粘着フィルムの上記樹脂フィルムの上記粘着剤層とは反対面に上記着色層が形成される。これにより、上記樹脂フィルムは、皺にならずまたは弛みにくくなり、上記着色粘着フィルムの製造歩留まりが向上する。
上記の着色粘着フィルムの製造方法においては、上記粘着フィルムを形成する工程において、前記粘着剤層付き剥離フィルムと前記樹脂フィルムを貼り合わせる際に、上記樹脂フィルムをニップ圧が50N/cm以上300N/cm以下で上記粘着剤層に貼り合わせてもよい。
このような着色粘着フィルムの製造方法によれば、上記樹脂フィルムはより皺が発生せずまたは弛みにくくなり、上記着色粘着フィルムの製造歩留まりが向上する。
上記の記載の着色粘着フィルムの製造方法においては、さらに、上記粘着フィルムを形成した後に、上記粘着フィルムに50N/m以上400N/m以下の張力を掛けながら、上記粘着フィルムが巻き取られてもよい。
このような着色粘着フィルムの製造方法によれば、上記の張力範囲で上記粘着フィルムが巻き取られることで、上記剥離フィルムの上記粘着剤層とは反対側に移行していた剥離剤が上記樹脂フィルムの着色層が形成される表面にさらに移行することが抑制される。これにより、一度巻き取られた上記粘着フィルムを再度繰り出しながら上記着色層の塗布液を塗布する際、上記着色層のはじきの発生を抑制できるため、均一なはじき欠陥のない上記着色層が形成さる。つまり、上記樹脂フィルムと上記着色層との間に剥離剤が混入しにくくなり、上記着色層が上記樹脂フィルムに密着よく均一に、効率よく塗布、形成される。
以上述べたように、本発明によれば、着色粘着フィルムの製造歩留まりが向上する。
図(a)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムが捲回された状態の概略立体図である。図(b)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムの概略断面図である。 図(a)は、本実施形態に係る放熱用シートの概略立体図である。図(b)は、本実施形態に係る放熱用シートの概略断面図である。 本実施形態に係る着色粘着テープ付のグラファイトシートが両面テープを介して筐体へ貼付された状態の概略断面図である。 図(a)及び図(b)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムを製造する製造装置の概略図である。 図(a)〜図(c)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムの製造工程を示す概略断面図である。 図(a)〜図(b)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムの製造工程を示す概略断面図である。 図(a)〜図(d)は、比較例に係る着色粘着フィルムの製造工程を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。
[着色粘着フィルムの構成]
図1(a)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムが捲回された状態の概略立体図である。図1(b)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムの概略断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る着色粘着フィルム2は、長尺シート状に構成されている。着色粘着フィルム2は、一軸方向において捲回できるフレキシブルな樹脂テープである。例えば、図1(a)の例では、着色粘着フィルム2は、長尺方向DLにおいて、巻取ロール(巻取芯)310に巻かれている。巻取ロール310に巻かれた着色粘着フィルム2の長尺方向DLにおける長さ(全長)は、例えば、6000m以上10000m以下である。例えば、巻取ロール310の直径は、6インチである。着色粘着フィルム2の長尺方向DLにおける長さが6000mの場合、巻取ロール310に巻かれた着色粘着フィルム2の直径は、約520mmである。長尺方向DLと直交する幅方向DW(短尺方向)における着色粘着フィルム2の長さは、例えば、800mm以上1500mm以下である。
巻取ロール310に巻かれた着色粘着フィルム2は、例えば、ロールツゥロール方式によって形成される。巻取ロール310に巻かれた着色粘着フィルム2は、所定の形状に切り出されて、例えば、グラファイトシートを保護する保護テープとして使用される。また、巻取ロール310に巻かれた着色粘着フィルム2は、幅方向DWにおいて、例えば100mmの幅ごとに裁断され、幅方向DWにおいて複数に分割されてもよい。分割された着色粘着フィルム2においては、再度、別の巻取ロールに巻き取られてもよい。例えば、直径が3インチの巻取ロールに巻かれ着色粘着フィルム2の長尺方向DLにおける長さが1000mの場合、着色粘着フィルム2の直径は、約220mmである。なお、本実施形態の図では、幅方向DWをX軸方向、長尺方向DLをY軸方向としている。
着色粘着フィルム2の断面構造について、以下に説明する。
図1(b)に示すように、着色粘着フィルム2は、樹脂フィルム11と、着色層12と、粘着剤層20と、剥離剤層40を含む剥離フィルム30とを具備する。図1(b)の例では、着色粘着フィルム2は、剥離フィルム30/粘着剤層20/樹脂フィルム11/着色層12の順に積層されている。
着色粘着フィルム2においては、剥離フィルム30と粘着剤層20との界面から剥離フィルム30を剥がすことができる。着色粘着フィルム2において、剥離フィルム30には、粘着剤層20の側に、剥離剤層40が形成されている。すなわち、剥離フィルム30は、剥離剤層40付の剥離フィルムである。本実施形態では、剥離フィルム30が着色粘着フィルム2から剥がされた構成を着色粘着テープ1とする。着色粘着テープ1は、樹脂フィルム11と、着色層12と、粘着剤層20とを具備する。
着色層12は、粘着剤層20とは反対側の樹脂フィルム11の表面に設けられている。樹脂フィルム11は、着色層12と粘着剤層20との間に設けられている。粘着剤層20は、樹脂フィルム11と剥離フィルム30との間に設けられている。剥離フィルム30は、樹脂フィルムとは反対側の粘着剤層20の表面に設けられている。
着色粘着フィルム2において、Z軸方向に隣り合う層同士は、直接的に接してもよく、間接的に接してもよい。間接的に接する場合には、Z軸方向に隣り合う層間に、密着性等を向上させる中間層(不図示)が介在してもよい。また、着色粘着フィルム2における各層は単層でもよく、複数の層から構成されてもよい。また、着色粘着フィルム2においては、着色層12上に、グラファイトシートの光沢を抑制する粗面化層(不図示)が設けられてもよい。さらに、着色粘着フィルム2においては、粗面化層を介して着色粘着フィルム2を保護するプロテクトテープが設けられてもよい(後述)。
着色粘着テープ1において、剥離フィルム30の厚みは、20μm以上80μm以下である。ここで、本実施形態における厚みとは、後述する複数点から測定された厚みの平均値である。剥離フィルム30の厚みが20μm以上80μm以下に設定される理由については後述する。
粘着剤層20の厚みは、1μm以上5μm以下である。粘着剤層20の厚みが1μm未満であると、粘着剤層20とグラファイトシートとの密着性が低く、グラファイトシートを十分に保護することが困難となる場合がある。粘着剤層20の厚みが5μmを超えると、着色粘着フィルム2が厚くなり薄型化の要求を満たさない。
樹脂フィルム11の厚みは、剥離フィルム30より薄く構成されている。樹脂フィルム11の厚みは、剥離フィルム30の1/5以下に構成されている。例えば、樹脂フィルム11の厚みは、1μm以上6μm以下である。樹脂フィルム11の厚みが1μm未満であると、樹脂フィルム11の強度が低くなり、ロールトゥロール方式によって搬送することが困難となる。樹脂フィルム11の厚みが6μmを超えると、着色粘着フィルム2が厚くなり薄型化の要求を満たさない。
着色層12の厚みは、例えば、0.5μm以上5μm以下である。着色層12の厚みが0.5μm未満であると、樹脂フィルム11と着色層12と合わせた粘着フィルムの全光線透過率が高くなり、着色粘着フィルム2がグラファイトシートの遮蔽層として機能しなくなることがある。また、着色層12の厚みが5μmを超えると、着色粘着フィルム2が厚くなり薄型化の要求を満たさない。
剥離フィルム30が剥がされ、着色粘着テープ1にプロテクトテープ及びグラファイトシート等が付設された放熱用シートの構造を以下に説明する。
図2(a)は、本実施形態に係る放熱用シートの概略立体図である。図2(b)は、本実施形態に係る放熱用シートの概略断面図である。
放熱用シート60は、着色粘着テープ1と、グラファイトシート100と、両面テープ101と、剥離フィルム31と、プロテクトテープ35とを具備する。両面テープ101は、粘着剤層101a、101cと、粘着剤層101aと粘着剤層101cとの間に設けられた樹脂フィルム101bとを有する。プロテクトテープ35は、プロテクト用樹脂フィルム32と、粘着剤層33とを有する。図2(b)の例では、放熱用シート60において、剥離フィルム31/両面テープ101/グラファイトシート100/着色粘着テープ1/プロテクトテープ35の順に積層されている。図2(a)に示すように、剥離フィルム31とプロテクトテープ35とに挟まれた領域S1に、両面テープ101/グラファイトシート100/着色粘着テープ1が配置されている。
両面テープ101は、剥離フィルム31の表面に設けられている。両面テープ101は、剥離フィルム31とグラファイトシート100との間に設けられている。グラファイトシート100は、両面テープ101と着色粘着テープ1との間に設けられている。着色粘着テープ1は、両面テープ101とは反対側のグラファイトシート100の表面に設けられている。プロテクトテープ35は、グラファイトシート100とは反対側の着色粘着テープ1の表面に設けられている。
また、プロテクト用樹脂フィルム32には、タブ部32tと、ミシン目32pとが設けられている。プロテクト用樹脂フィルム32において、ミシン目32pを基点にタブ部32tが折り曲げられる。これにより、タブ部32tを摘みやすくなり、タブ部32tを起点にプロテクトテープ35を着色粘着テープ1から剥がすことができる。
図3は、本実施形態に係る着色粘着テープ付のグラファイトシートが両面テープを介して筐体へ貼付された状態の概略断面図である。
図3に示すように、剥離フィルム30が剥がされた着色粘着テープ1は、例えば、粘着剤層20を介してグラファイトシート100に貼り付けられる。グラファイトシート100は、両面テープ101を介して筐体102に貼り付けられている。
図3に示す状態で、着色層12の上方に、熱源(例えば、電子部品)が配置された場合、熱源から放出された熱が着色層12、樹脂フィルム11及び粘着剤層20を経由して、グラファイトシート100にまで到達する。ここで、図3に示す着色粘着テープ1は、その厚みが2.5μm以上16μm以下であり、極薄の着色粘着テープになっている。これにより、着色粘着テープ1上の熱源から放出された熱は、着色粘着テープ1によって遮られにくくなり、グラファイトシート100にまで確実に到達する。グラファイトシート100にまで到達した熱は、グラファイトシート100内においてZ軸方向に拡散するとともに、X軸方向及びY軸方向にも拡散する。これにより、電子部品から発せられた熱は、効率よく放熱される。
また、着色粘着テープ1は、極薄であるため、小型の電気製品の内部スペースを害することなく、電気製品内に配置できる。さらに、着色粘着テープ1には、着色層12が設けられているため、グラファイトシート100の見栄えが良好になる。
但し、着色粘着テープ1においては、樹脂フィルム11が剥離フィルム30よりも薄く構成されている。このため、樹脂フィルム11を出発点として樹脂フィルム11に樹脂フィルム11以外の層(粘着剤層20、着色層12)を形成すると、樹脂フィルム11が薄い分、樹脂フィルム11に皺または弛みが発生する可能性がある。このような現象を抑制するために、本実施形態では、着色粘着フィルム2の構成において最も厚みが厚い剥離フィルム30を出発点として着色粘着フィルム2を形成している(後述)。
着色粘着フィルム2における各層の材料、物性値の測定方法は、以下の通りである。
[樹脂フィルム]
樹脂フィルムに使用する樹脂種は特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルからなるポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロース等のセルロースフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等の樹脂フィルム;これらの2種以上の積層体などをあげることができる。樹脂フィルムは、一軸延伸または二軸延伸されたものでもよい。これらの中でも、薄膜化に伴って要求される厚みの精度、表面平滑性、入手の容易さ等の観点から、ポリエステルフィルムが好ましい。ポリエステルフィルムとしては各種のポリエステルフィルムが使用できるが、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルムを単独或いは共重合したフィルムが使用できる。特にPETフィルムが好ましい。また、ポリエステルフィルムは寸法安定性・強度の点から二軸延伸したフィルムが好ましい。その中でも、二軸延伸したPETフィルムが好ましい。
[着色層]
着色層は、着色粘着テープが貼付される電子部品の色に合わせて、または調和する色で着色されていれば特に限定されるものではないが、隠蔽性等の点から黒の着色材料を含有する層であることが好ましい。
着色層は、着色材料と、バインダ樹脂を含有することが好ましい。バインダ樹脂として、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等があげられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。中でも、柔軟性が優れていることから、ポリエステルウレタン樹脂が好ましい。上記ポリエステルウレタン樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−30以上10℃以下であることが好ましい。
着色層は、硬化剤により硬化されていることが好ましい。硬化剤は特に限定されず、バインダ樹脂に合わせて適宜選択される。バインダ樹脂がポリエステルウレタン樹脂の場合、硬化剤として、例えば、イソシアネート硬化剤等があげられる。なお、ポリエステルウレタン樹脂に水酸基又はイソシアネート基が存在する場合は、硬化剤としてアミン硬化剤を用いてもよい。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
着色材料としては、公知慣用の顔料や染料を使用することができ、黒の場合はカーボンブラック、白の場合は酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、黄色の場合は黄色酸化鉄、赤の場合はべんがら、青の場合はシアニンブルー、銀の場合はアルミニウム粉、パールの場合は雲母チタン粉が、耐候性、耐熱性、バインダ樹脂に対する分散性から好ましい。中でも、カーボンブラックが隠蔽性に優れるため好ましい。
着色層は、必要に応じて、さらに、透明樹脂(メジウム)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有してもよい。
[粘着剤層]
着色粘着テープの粘着剤層を形成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤などの公知の粘着剤から適宜選択して用いることができる。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
粘着剤としては、特にアクリル系粘着剤が、接着信頼性が高いことから好適に用いることができる。アクリル系粘着剤は、アクリル系ポリマーを粘着性成分又は主剤とし、これに必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などの適宜な添加剤が含まれている。アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とするポリマーであり、必要に応じて(メタ)アルキルエステルに対して共重合が可能な単量体(共重合性単量体)を用いることにより調製されている。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C4−18アルキル(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル)エステル]などがあげられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、目的とする粘着性などに応じて適宜選択することができる。
また、前記(メタ)アルキルエステルに対して共重合可能な共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体又はその無水物;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニル;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどのヒドロキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体の他、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能性の共重合性単量体(多官能モノマー)などがあげられる。共重合性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。共重合性単量体としては、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの官能基を有する改質用モノマーを好適に用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、官能基を有する改質用モノマーを0.1〜20質量%含有することが好まししく、特に1〜10質量%含有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量は20万〜200万であることが好ましく、特に50万〜150万であることが好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
架橋剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が有する反応性基と反応するものであればよく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アミン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、アンモニウム塩系架橋剤等があげられ、中でも水酸基及びカルボキシル基との反応性に優れるイソシアネート系架橋剤が好ましい。架橋剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート系架橋剤は、少なくともポリイソシアネート化合物を含むものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などがあげられ、中でも(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体の反応性基との反応性の点から、トリメチロールプロパン変性の芳香族ポリイソシアネート、特にトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート及びトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートが好ましい。
架橋剤の配合量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、特に1〜10質量部であることが好ましい。架橋剤の配合量が上記の範囲にあると、後述する粘着剤のゲル分率を好ましい範囲に制御しやすくなる。
また、粘着剤層の粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加することも好ましい。また、これら粘着付与樹脂を添加することで、引張強度や引張破断強度を高くすることができることから、使用するアクリル系共重合体に応じて、粘着付与樹脂を適宜添加することで、引張強度や引張破断強度を調整できる。本発明の両面着色粘着テープの粘着剤層に添加する粘着付与樹脂としては、例えば、ロジンやロジンのエステル化合物等のロジン系樹脂;ジテルペン重合体やα−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン系樹脂;脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂;その他、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等があげられる。その中でもn−ブチル(メタ)アクリレートを主なモノマー成分とするアクリル系共重合体を使用した粘着剤組成物においては、薄型で粘着力と耐熱性を両立させるに際し、ロジン系樹脂とスチレン系樹脂を混合して使用することが好ましい。
また、粘着剤層は、所望により、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤、屈折率調整剤、染料、顔料、防錆剤などを含有してもよい。
[剥離フィルム]
剥離フィルムは、フィルム基材及びこのフィルム基材上に設けられた剥離剤層を有している。フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルからなるポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンからなるポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ酢酸ビニルフィルムなどのプラスチックフィルムのいずれか、または、これらの2種以上の材料層からなる積層体などをあげることができる。
剥離剤層は、例えば、剥離剤を含む剥離剤層形成用組成物の硬化物で形成される。剥離剤層形成用組成物としては、剥離剤層上に積層される任意の層を剥離フィルムから剥離させる機能を剥離剤層に付与できるものであれば特に制限はない。剥離剤としては、例えばシリコーン樹脂、長鎖アルキル樹脂、及びアルキド樹脂などがあげられる。
シリコーン系剥離剤としては、付加反応型シリコーン、縮合反応型シリコーン、エネルギー線硬化性シリコーンがあげられる。また、剥離力を調整するために、無官能のポリジメチルシロキサン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジン、シリカ、セルロース系化合物を添加剤として用いてもよい。
[全光線透過率の測定]
着色粘着テープの全光線透過率は、光透過率測定器により測定される。
<厚みの測定>
着色粘着フィルムの各層の厚み測定については、特に限定されないが、例えば、膜厚計によって機械的に求めることができる。
[着色粘着フィルムの製造方法]
図4(a)及び図4(b)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムを製造する製造装置の概略図である。本実施形態において、着色粘着フィルム2は、ロールトゥロール方式により製造される。着色粘着フィルム2は、例えば、大気中で製造される。図中の矢印DRは、フィルムの走行方向を示す。走行方向DRは、長尺方向DLに対応している。まず、図4(a)に示す製造装置200及び図4(b)に示す製造装置300の概要と、製造装置200、300を用いた着色粘着フィルム2の製造過程の概要を説明する。
図4(a)に示す製造装置200は、ロール状の巻取駆動部210と、巻出ロール211と、塗布機構220と、乾燥室230と、貼付機構240と、ガイドロール250a、250b、250c、250dを具備する。塗布機構220は、ロール220aと、ロール220bと、グラビアパン220cとを有する。グラビアパン220c内には、粘着剤が充填されている。貼付機構240は、巻出ロール240a、ロール240b、ロール240cを有する。製造装置200においては、巻出ロール211の下流に塗布機構220が設けられ、塗布機構220の下流に乾燥室230が設けられ、乾燥室230の下流に貼付機構240が設けられている。巻出ロール240aには、予め樹脂フィルム11が巻かれている。
巻出ロール211に予め巻き取られた剥離フィルム30は、剥離剤層付きの剥離フィルム30である。すなわち、剥離フィルム30の表面(粘着剤層20が形成される表面)には、予め剥離剤層40が形成されている。剥離フィルム30は、巻出ロール211の自転により連続的に繰り出され、ガイドロール250aを介して塗布機構220に導かれる。ここで、剥離フィルム30の速度は、30m/min以上80m/min以下に設定される。剥離フィルム30の厚みは、20μm以上80μm以下である。
塗布機構220は、例えば、粘着剤層20を剥離フィルム30に塗布するグラビア印刷機構(凹版印刷機構)を有する。塗布機構220によって、剥離フィルム30上に粘着剤層20が塗布される。粘着剤層20が塗布された剥離フィルム30の表面は、剥離フィルム30が粘着剤層20から剥がされる剥離フィルム30の剥離処理面になる。
塗布機構220による処理がなされた粘着剤層20付の剥離フィルム30は、ガイドロール250bを介して乾燥室230に導かれる。乾燥室230内では、粘着剤層20が熱風に晒され、所定の温度で乾燥される。乾燥後において、粘着剤層20の厚みは、例えば、1μm以上5μm以下である。これにより、剥離フィルム30と粘着剤層20とを有する粘着剤層付き剥離フィルム51が形成される。そして、乾燥室230による処理がなされた粘着剤層付き剥離フィルム51は、ガイドロール250cを介して貼付機構240に導かれる。
貼付機構240に導かれた粘着剤層付き剥離フィルム51の粘着剤層20には、貼付機構240によって樹脂フィルム11が貼り付けられる。樹脂フィルム11の厚みは、1μm以上6μm以下である。例えば、粘着剤層付き剥離フィルム51は、ロール240bとロール240cとの間に挟まれ、巻出ロール240aから樹脂フィルム11がロール240bとロール240cとの間に繰り出される。そして、粘着剤層付き剥離フィルム51と樹脂フィルム11とがロール240bとロール240cによる所定の圧力によりニップされ貼り付けられる。
これにより、樹脂フィルム11が粘着剤層20に貼り合わされ、剥離フィルム30、粘着剤層20及び樹脂フィルム11を有する粘着フィルム52が形成される。この後、粘着フィルム52は、ガイドロール250dを介して、巻取駆動部210の自転により巻取駆動部210に連続的に巻き取られる。粘着フィルム52が巻取駆動部210に巻き取られる際には、粘着フィルム52に所定の張力を掛けることができる。この張力は、巻取駆動部210の巻取張力を変えることで調整される。
続いて、巻取駆動部210に巻き取られた粘着フィルム52には、次の加工がなされる。
図4(b)に示す製造装置300は、巻取駆動部(巻取ロール)310と、巻出ロール311と、塗布機構320と、乾燥室330と、ガイドロール350a、350b、350c、前処理機構360とを具備する。塗布機構320は、ロール320aと、ロール320bと、グラビアパン320cとを有する。グラビアパン320c内には、着色層12用の塗布液が充填されている。製造装置300においては、巻出ロール311の下流に前処理機構360が設けられ、前処理機構360の下流に塗布機構320が設けられ、塗布機構320の下流に乾燥室330が設けられている。
巻出ロール311に設置された巻き取られた粘着フィルム52は、巻出ロール311の自転により連続的に繰り出され、塗布機構320に導かれる前に、前処理機構360によってコロナ放電処理が施されてもよい。これにより、着色層12の樹脂フィルム11に対する密着性が向上する。続いて、粘着フィルム52は、ガイドロール350aを介して塗布機構320に導かれる。ここで、粘着フィルム52の速度は、30m/min以上80m/min以下に設定される。塗布機構320は、例えば、着色層12を粘着フィルム52の樹脂フィルム11に塗布するグラビア印刷機構を有する。塗布機構320により、樹脂フィルム11に着色層12が塗布される。
着色層12の塗布液が塗布された粘着フィルム52は、ガイドロール350bを介して乾燥室330に導かれる。そして、乾燥室330内で、着色層12の塗布液が所定の温度で乾燥される。これにより、粘着フィルム52の樹脂フィルム11に着色層12が設けられた着色粘着フィルム2が形成される。そして、着色粘着フィルム2は、ガイドロール350cを介して巻取駆動部310の自転により巻取駆動部310に連続的に巻き取られる。
また、本実施形態においては、製造装置200と製造装置300とを複合させた製造装置を用いて、剥離フィルム30から着色粘着フィルム2を一括して製造されてもよい。
以上説明した着色粘着フィルム2の製造過程を断面図を用いて以下に説明する。本実施形態では、着色粘着フィルム2の構成のうち、厚みが最も厚い剥離フィルム30を出発点として着色粘着フィルム2が形成される。
図5(a)〜図6(b)は、本実施形態に係る着色粘着フィルムの製造工程を示す概略断面図である。
図5(a)に示すように、本実施形態では、厚みが樹脂フィルム11よりも厚い剥離フィルム30が予め準備される。剥離フィルム30の表面には、剥離剤層40が予め形成されている。剥離フィルム30の厚みは、20μm以上80μm以下である。
次に、図5(b)に示すように、剥離フィルム30の剥離剤層面上に粘着剤層20が形成される。例えば、剥離フィルム30は、製造装置200内で走行されながら、剥離フィルム30に粘着剤層20が塗布されて、これにより、剥離剤層40が粘着剤層20に接触するように、剥離フィルム30上に粘着剤層20が形成される。
この後、粘着剤層20が乾燥室230で乾燥される。粘着剤層20の厚みは、1μm以上5μm以下である。これにより、剥離フィルム30と、粘着剤層20とを有する粘着剤層付き剥離フィルム51が形成される。なお、粘着剤層20の塗布液の粘度は、乾燥室230で乾燥される前において1mPa・s以上30mPa・s以下である。
次に、図5(c)に示すように、粘着剤層20に樹脂フィルム11が貼り合わされる。例えば、粘着剤層付き剥離フィルム51が製造装置200内で走行されながら、粘着剤層付き剥離フィルム51の粘着剤層20に樹脂フィルム11が貼り合わされる。樹脂フィルム11の厚みは、1μm以上6μm以下である。これにより、粘着剤層付き剥離フィルム51と樹脂フィルム11とを有する粘着フィルム52が形成される。
次に、図6(a)に示すように、樹脂フィルム11の粘着剤層20とは反対側の面に着色層12が形成される。例えば、粘着フィルム52が製造装置300内で走行されながら、粘着フィルム52の樹脂フィルム11に着色層12の塗布液が塗布される。この後、着色層12の塗布液の溶媒が乾燥される。これにより、着色粘着フィルム2が形成される。着色層12の厚みは、例えば、0.5μm以上5.0μm以下である。着色粘着フィルム2においては、剥離フィルム30と粘着剤層20とが接しているので、図6(b)に示すように、剥離フィルム30を着色粘着フィルム2から容易に剥すことができる。
このように、本実施形態では、剥離フィルム30を出発点として、先に粘着フィルム52を作製し、その粘着フィルム52上に着色層12が形成される。つまり、着色層12を形成する際、加工対象として、樹脂フィルム11よりも厚い粘着フィルム52が用いられる。
また、本実施形態では、加工対象である粘着フィルム52の機械的な強度も強くなって、粘着フィルム52に高い張力を掛けることができる。これにより、製造工程で着色粘着フィルム2に皺または弛みが生じにくくなる。粘着フィルム52に皺または弛みが生じにくくなると、均一な厚みの着色層12が形成され、且つロール状に着色粘着フィルム2を巻き取った際にも巻ずれが起きにくくなる。
つまり、本実施形態によれば、着色粘着フィルム2の良品がより多く製造され、着色粘着フィルム2の製造歩留まりが向上する。
ここで、剥離フィルム30の厚みが20μmよりも小さいと、粘着剤層付剥離フィルム51及び粘着フィルム52の機械的な強度が充分でなくなる。この場合、粘着剤層20の形成時に粘着剤層20の厚みに斑、粘着フィルム52の皺、弛み、粘着フィルム52の巻きずれ、粘着剤層20と樹脂フィルム11との間に空気が入るラミネート不良が生じる可能性がある。一方、剥離フィルム30の厚みが80μmよりも大きいと、剥離フィルムのコストアップに伴う着色粘着フィルム自体の価格アップに繋がってしまう点や巻取りロール径は大きくなることで生産性が劣る可能性があり好ましくない。
また、本実施形態では、貼付機構240で粘着剤層付き剥離フィルム51と樹脂フィルム11とを貼り合わす際に貼付機構240によって粘着剤層付き剥離フィルム51及び樹脂フィルム11に所定の圧力によりニップされる。例えば、粘着剤層付き剥離フィルム51及び樹脂フィルム11に、50N/cm以上300N/cm以下、好ましくは50N/cm以上200N/cm以下、より好ましくは、50N/cm以上150N/cm以下の圧力によりニップされて、樹脂フィルム11が粘着剤層20に貼り合わされる。
ここで、上記のニップ圧が50N/cmより小さくなると、例えば、粘着剤層20と樹脂フィルム11との間に空気が入るラミネート不良が発生したり、粘着フィルム52に皺、弛みが発生したりする可能性があり好ましくない。一方、ニップ圧が300N/cmより大きくなると、例えば、ニップ圧が過剰になって粘着剤層20が粘着フィルム端部からシミ出しが発生したり、シミ出した粘着剤が貼付機構240のロールを汚染したりする可能性があり好ましくない。これにより、上記のニップ圧は、50N/cm以上300N/cm以下、好ましくは50N/cm以上200N/cm以下、より好ましくは、50N/cm以上150N/cm以下に設定されることが好ましい。
また、張力の具体的な設定は、以下の通りである。例えば、粘着フィルム52を巻取駆動部210で巻き取る際に、粘着フィルム52に、50N/m以上400N/m以下、好ましくは50N/m以上350N/m以下、より好ましくは50N/m以上250N/m以下の張力を掛けながら粘着フィルム52が巻取駆動部210に巻き取られる。
例えば、上記の張力が50N/mより小さくなると、粘着フィルム52を巻取駆動部210に巻き取る際に、粘着フィルム52に皺、弛みが発生したり、粘着フィルム52の巻きずれが起こったりする可能性があり好ましくない。一方、上記の張力が400N/mより大きくなると、以下に説明する現象が起きる。その現象を比較例として以下に説明する。
図7(a)〜図7(d)は、比較例に係る着色粘着フィルムの製造工程を示す概略断面図である。
上述したように、剥離フィルム30は、予めロール状に巻き取られた状態で使用されるまで保管されている。このため、剥離フィルム30の裏面(剥離剤層40が形成されていない面)30dと、剥離フィルム30の上面30uに形成された剥離剤層40とは、接触している。これにより、図7(a)に示すように、剥離フィルム30の上面30uから剥離フィルム30の裏面30dに微量な離型剤40aが移行する場合がある。この状態のロール状剥離フィルム30が巻出ロール211から塗布機構220に繰り出される。
剥離フィルム30が塗布機構220に繰り出されると、図7(b)に示すように、剥離フィルム30に剥離剤層40を介して粘着剤層20が形成される。これにより、剥離フィルム30と、粘着剤層20とを有する粘着剤層付き剥離フィルム51が形成される。この後、粘着剤層付き剥離フィルム51は、貼付機構240に走行され、図7(c)に示すように、粘着剤層20に樹脂フィルム11が貼り合わされる。これにより、粘着剤層付き剥離フィルム51と、樹脂フィルム11とを有する粘着フィルム52が形成される。続いて、粘着フィルム52は、巻取駆動部210に巻き取られる
但し、粘着フィルム52が巻取駆動部210に巻き取られると、剥離フィルム30の裏面30dと樹脂フィルム11の上面11uとが接触する。これにより、剥離フィルム30の裏面30dに移行していた剥離剤40aが樹脂フィルム11の上面11uにさらに移行してしまう場合がある。これにより、樹脂フィルム11の上面11uにも剥離剤40bが付着する。
次に、樹脂フィルム11に着色層12の塗布液を塗布する際に、樹脂フィルム11の上面11uに移行している剥離剤40bによって着色層12の塗布液にはじきが発生し、着色層12の塗布液の樹脂フィルム11に対する濡れ性が悪くなる。これにより、図7(d)に示すように、乾燥後の着色層12の厚みが不均一になったり、はじきが発生することに起因して着色層12が形成されていない箇所が発生したりする。これにより、着色粘着フィルムの製造歩留まりが低下する場合がある。
剥離剤40bは、粘着フィルム52が巻き取られる際の剥離フィルム30の裏面30dと、樹脂フィルム11の上面11uとの接触圧が高くなるほど、より移行されやすくなる。従って、剥離剤40bの移行を抑制するには、粘着フィルム52が巻取駆動部210に巻き取られる際の剥離フィルム30の裏面30dと樹脂フィルム11の上面11uとの接触圧を抑制すればよい。
このため、本実施形態では、粘着フィルム52が巻取駆動部210に巻き取られる際には、粘着フィルム52に掛けられる張力を400N/m以下、好ましくは350N/m以下、より好ましくは250N/m以下に抑制して、粘着フィルム52を巻取駆動部210に巻き取っている。これにより、剥離フィルム30の裏面30dと樹脂フィルム11の上面11uとの接触圧が抑制され、離型剤40aの樹脂フィルム11の上面11uへの移行が抑制される。
つまり、上記の張力範囲で粘着フィルム52が巻き取られることで、剥離フィルム30の粘着剤層20とは反対側に移行していた剥離剤が粘着フィルム52の着色層12が形成される樹脂フィルム表面にさらに移行することが抑制できる。これにより、一度巻き取られた粘着フィルム52を再度繰り出しながら着色層12の塗布液を塗布する際、着色層12のはじき発生を抑制できるため、均一で、はじき欠陥のない着色層12が形成できる。なお、張力の下限は、上述したように50N/mにすることが好ましい。この結果、着色粘着フィルム2の製造歩留まりが向上する。
また、張力の下限を50N/mにすることで、粘着フィルム52を巻取る際に、粘着フィルム52が蛇行することなく、粘着フィルム52の断面が揃った形状で粘着フィルム52が巻き取られる。
なお、剥離剤の転移量(移行量)は、蛍光X線分析法(XRF)によって測定されるケイ素原子の測定値が80cps以下であることが好ましく、60cps以下であることがより好ましく、さらに40cps以下であることが好ましい。転移量が80cpsよりも大きくなると、着色層12のはじきが発生する可能性があり、好ましくない。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。表1、2には、本実施形態に係る着色粘着テープの評価が示されている。
Figure 2018104639
Figure 2018104639
まず、表1に示す実施例1を説明する。
[実施例1]
<粘着剤組成物の調製>
アクリル酸ブチル95.5質量部と、酢酸ビニル3質量部と、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1質量部と、アクリル酸0.5質量部とを共重合させることにより、重量平均分子量100万のアクリル酸エステル共重合体が製造される。次に、このアクリル酸エステル共重合体100質量部(固形分換算;以下同じ)に対し、水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、パインクリスタル KE−100、軟化点:100℃)25質量部、重合ロジンエステル(荒川化学工業社製、ペンセル D−135、軟化点:135℃)4質量部及び石油系樹脂(三井化学社製、FTR6100、軟化点:95℃)24質量部が添加され、混合することで、粘着成分が形成された。粘着成分をトルエンに溶解し、固形分濃度13質量%の粘着剤溶液が調製された。
<着色層塗布液の調製>
着色層用の塗布液は、固形分濃度59質量%である大日精化工業社製、UTCO−591ブラック(NX)が用いられ、これが酢酸エチルで希釈され、固形分濃度10質量%、粘度15mPa・sに調整された。
<粘着フィルムの製造>
粘着剤組成物の固形分100質量部に対して、架橋剤としてトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートL)が1質量部(固形分換算)添加され、粘着剤組成物溶液(固形分濃度13質量%)が得られた。この粘着剤組成物溶液は、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面がシリコーン系剥離剤で剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製SP−PET251130、厚み25μm)の剥離処理面に、加工速度50m/minで乾燥後の厚みが2μmになるようにグラビア印刷された。この後、樹脂フィルム(東レ社製ET2F51L、厚み2μm)と、粘着剤層とがニップ圧100N/cmにて貼り合わされて、粘着フィルムが作製され、さらに、粘着フィルムが150N/mの張力で巻き取られた。
<着色粘着フィルムの製造>
粘着フィルムの粘着剤層とは反対面の樹脂フィルム面上に、着色層塗布液がグラビア印刷された。この後、着色層が乾燥され、厚みが30μmの着色粘着フィルムが作製された。
<厚みの測定>
着色粘着フィルムの各層の機械的な厚み測定は、膜厚計(Nikon社製膜厚計デジマイクロMH-15M)によって測定される。
<剥離剤の転移量の測定>
粘着フィルムがロール状にて50℃の環境温度にて2日間保管された。保管後のロールの芯部から長尺方向DLに10mの箇所の粘着フィルムの樹脂フィルムの表面(粘着剤層とは反対面)の剥離剤量(cps)が蛍光X線装置(波長分散卓上型蛍光X線分析計;リガク社製,商品名「Mini−Z」)によって測定された。
<全光線透過率の測定>
着色粘着テープの各層の全光線透過率の測定には、光透過率測定器(日本電色社製NDH5000)が用いられる。
<全光線透過率の最大値の測定>
長尺方向DLが6000m、幅方向DWが1300mmの着色粘着テープにおいて、幅方向DWに両側から100mmのピッチで12点、長尺方向DLに1000mのピッチで7点が選択される(計84点)。全光線透過率の最大値は、この84点から、最大値からの5点を除いた79点における全光線透過率中の最大値とする。なお、長尺方向6000m、幅方向1300mmより面積が小さい着色粘着テープから全光線透過率を求める場合の測定点の選択は、上記頻度により選択すればよい。
<粘着フィルムの弛み及び皺の検出>
粘着フィルムに張力を掛けた際、目視で弛み及び皺が確認されない場合は◎とした。粘着フィルムに張力を掛けた際、目視で弛み及び皺が若干確認されるが実使用上問題ないレベルの場合は〇とした。粘着フィルムに張力を掛けた際、目視で弛み及び皺が確認され実使用上問題がある場合は×とした。
<粘着フィルムの巻きずれの検出>
粘着フィルムを巻き取った際のロール断面を目視で確認し、巻きずれが発生していない場合は◎とした。若干巻きずれが発生しているが実使用上問題ないレベルの場合は〇とした。巻きずれが発生し、実使用上問題がある場合は×とした。
<粘着フィルムのラミネート不良の検出>
粘着剤層付き剥離フィルムと樹脂フィルムを貼り合わせた際、樹脂フィルムと粘着剤層界面において気泡の抱込みが発生しなかった場合は◎とした。若干気泡の抱込みは確認されたが実使用上問題ないレベルの場合は〇とした。樹脂フィルムと粘着剤層界面において気泡の抱込みが発生し、実使用上問題がある場合は×とした。
<樹脂フィルム上の着色層のはじきの検出>
粘着フィルムの樹脂フィルム表面に着色層を形成後、目視にて着色層のはじきの有無を確認した。はじきが発生していない場合は◎、若干はじきが確認されたが実使用上問題ないレベルの場合は○、はじきが発生していた場合は×とした。
<着色粘着テープ付グラファイトシートの見栄え評価>
着色粘着テープをSelen製グラファイトシート「SGS−025−APH」に貼付後、目視により、斑があるか否かが判断された。斑がない場合が◎、若干斑が確認されたが実使用上問題ないレベルの場合は○、斑が確認された場合が×で示されている。
<製造歩留まりの算出>
投入原材料から計算される生産可能数量(理論値)に対して、実際に良品が生産された数量を百分率にて表した。良品が90%以上で製造された場合が◎、良品が80〜90%未満で製造された場合が〇、良品が80%未満で製造された場合が×とした。
実施例1では、製造工程における条件が全て最適値の範囲内にある。例えば、剥離フィルムの速度は、50m/minに設定され、粘着フィルムの速度は50m/minに設定され、粘着フィルムの巻取張力が150N/mに設定され、粘着フィルム作製時のニップ圧が100N/cmに設定された。
また、実施例1では、粘着剤層の厚み、剥離フィルムの厚み、樹脂フィルムの厚み、着色層の厚み、着色粘着テープの厚み及び全光線透過率が全て最適値の範囲内にある。例えば、粘着剤層の厚みは、2μmであり、剥離フィルムの厚みは、25μmであり、樹脂フィルムの厚みは、2μmであり、着色層の厚みは、1μmであり、着色粘着テープの厚みは、5μmであり、着色粘着テープの全光線透過率は、4.3%である。着色粘着フィルムの厚みは、30μmである。また、実施例1では、剥離剤の転移量が30cpsになった。
[実施例2]
実施例2では、剥離フィルムの厚みが38μmであり、着色粘着フィルムの厚みが43μmであり、着色粘着テープの全光線透過率は、3.9%である。また、粘着フィルムの巻取張力が300N/mに設定され、粘着フィルム作製時のニップ圧が170N/cmに設定された。これら以外は、実施例1と同じである。また、実施例2では、剥離剤の転移量が55cpsになった。
[実施例3]
実施例3では、剥離フィルムの厚みが50μmであり、着色粘着フィルムの厚みが55μmであり、着色粘着テープの全光線透過率は、3.8%である。また、粘着フィルムの巻取張力が370N/mに設定され、粘着フィルム作製時のニップ圧が230N/cmに設定された。これら以外は、実施例1と同じである。また、実施例3では、剥離剤の転移量が70cpsになった。
[実施例4]
実施例4では、剥離フィルムの厚みが25μmであり、粘着フィルムの巻取張力が55N/mに設定され、粘着フィルム作製時のニップ圧が250N/cmに設定された。また、着色粘着テープの全光線透過率は、4.1%である。これら以外は、実施例1と同じである。また、実施例4では剥離剤の転移量が20cpsになった。
[実施例5]
実施例5では、粘着フィルム作製時のニップ圧が60N/cmに設定された。また、剥離フィルムの厚みが75μmであり、着色粘着フィルムの厚みが80μmであり、着色粘着テープの全光線透過率は、4.0%である。これら以外は、実施例1と同じである。また、実施例5では、剥離剤の転移量が25cpsである。
実施例1〜5においては、いずれも粘着フィルムの弛み、皺、粘着フィルムの巻きずれ、粘着フィルムのラミネート不良が「◎」になった。着色層のはじきについては、実施例1、4、5においては、いずれも「◎」になり、実施例2、3において、「○」になった。また、実施例1〜5においては、着色粘着テープの全光線透過率の最大値が10%以下になり、着色フィルム基材がグラファイトシートの外観上の斑を目立たなくさせる遮蔽基材として機能する。また、実施例1〜5においては、剥離剤の転移量が80cps以下に抑えられた。実施例1〜5においては、いずれも着色粘着テープ付のグラファイトシート見栄えが「◎」になった。そして、実施例1〜5においては、いずれも着色粘着フィルムの製造歩留まりが90%以上「◎」になった。
[実施例6]
実施例6では、粘着フィルムの巻取張力が50N/mよりも低く、45N/mに設定された。これ以外の製造条件は、実施例1と同じである。
実施例6では、剥離剤の転移量が20cpsに抑えられ、粘着フィルムの弛み、皺、巻きずれ及びラミネート不良が「○」になり、着色層のはじきが「◎」になった。また、実施例6では、着色粘着テープの全光線透過率の最大値が10%を超え、28.6%になったものの、着色粘着テープ付のグラファイトシート見栄えが「○」になり、製造歩留まりが「○」になった。
[実施例7]
実施例7では、粘着フィルムの巻取張力が400N/mよりも高く、420N/mに設定された。これ以外の製造条件は、実施例1と同じである。
実施例7では、剥離剤の転移量が80cpsを超え、90cpsになった。実施例7では、粘着フィルムの弛み、皺、巻きずれ、ラミネート不良及び着色層のはじきが「○」になった。実施例7では、着色粘着テープの全光線透過率の最大値が10%を超え、99.7%になったものの、着色粘着テープ付のグラファイトシート見栄えが「○」になり、製造歩留まりが「○」になった。
[実施例8]
実施例8では、粘着フィルム作製時のニップ圧が50N/cmよりも低く、45N/cmに設定された。これ以外の製造条件は、実施例1と同じである。
実施例8では、剥離剤の転移量が30cpsに抑えられ、粘着フィルムの弛み、皺、巻きずれ及びラミネート不良が「○」になり、着色層のはじきが「◎」になった。また、実施例8では、着色粘着テープの全光線透過率の最大値が10%を超え、36.2%になったものの、着色粘着テープ付のグラファイトシート見栄えが「○」になり、製造歩留まりが「○」になった。
[実施例9]
実施例9では、粘着フィルム作製時のニップ圧が300N/cmよりも高く、310N/cmに設定された。これ以外の製造条件は、同じである。
実施例9では、剥離剤の転移量が30cpsに抑えられ、粘着フィルムの弛み、皺、巻きずれ及びラミネート不良が「○」になり、着色層のはじきが「◎」になった。また、実施例9では、着色粘着テープの全光線透過率の最大値が10%を超え、15.5%になったものの、実施例9では、着色粘着テープ付のグラファイトシート見栄えが「○」になり、製造歩留まりが「○」になった。
[比較例1]
一方、比較例1では、粘着フィルムの巻取張力が370N/mであり、粘着フィルムの作成時のニップ圧が10N/cmに設定された。これら以外の製造条件は、実施例1と同じである。但し、比較例1では、厚みが20μmよりも低い15μmの剥離フィルムが使用された。着色粘着フィルムの厚みは、20μmである。
比較例1では、剥離剤の転移量が55cpsに抑えられ、着色層のはじきが「○」になったものの、粘着フィルムの弛み、皺、巻きずれ及びラミネート不良が「×」となった。また、比較例1では、着色粘着テープの全光線透過率の最大値が10%を超え、13.5%になった。比較例1では、着色粘着テープ付のグラファイトシート見栄えが「×」になり、製造歩留まりが「×」になった。
[比較例2]
比較例2では、粘着フィルムの巻取張力が50N/mよりも低く、45N/mに設定された。これ以外の製造条件は、実施例1と同じである。さらに、比較例2では、厚みが80μmよりも大きい85μmの剥離フィルムが使用された。着色粘着フィルムの厚みは、90μmである。
比較例2では、剥離剤の転移量が20cpsに抑えられ、着色層のはじきが「◎」になり、厚みを厚くさせた剥離フィルムが用いられたものの、粘着フィルムの弛み、皺、巻きずれ及びラミネート不良が「×」となった。また、比較例2では、着色粘着テープの全光線透過率の最大値が10%を超え、22.3%になった。比較例2では、着色粘着テープ付のグラファイトシート見栄えが「×」になり、製造歩留まりが「×」になった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
1…着色粘着テープ
2…着色粘着フィルム
11…樹脂フィルム
11u…上面
12…着色層
20…粘着剤層
30、31…剥離フィルム
30u…上面
30d…裏面
32…プロテクト用樹脂フィルム
32t…タブ部
32p…ミシン目
33…粘着剤層
35…プロテクトテープ
40…剥離剤層
40a、40b…剥離剤
51…粘着剤層付き剥離フィルム
52…粘着フィルム
60…放熱用シート
100…グラファイトシート
101…両面テープ
101a、101c…粘着剤層
101b…樹脂フィルム
102…筐体
200…製造装置
210…巻取駆動部
211…巻出ロール
220…塗布機構
220a、220b…ロール
220c…グラビアパン
230…乾燥室
240…貼付機構
240a…巻出ロール
240b、240c…ロール
250a、250b、250c、250d…ガイドロール
300…製造装置
310…巻取ロール(巻取駆動部)
311…巻出ロール
320…塗布機構
320a、320b…ロール
320c…グラビアパン
330…乾燥室
350a、350c、350b…ガイドロール
360…前処理機構

Claims (3)

  1. グラファイトシートを保護する着色粘着フィルムをロールトゥロール方式により製造する方法であって、
    20μm以上80μm以下の厚みを有する剥離フィルムの走行過程で前記剥離フィルムに、1μm以上5μm以下の厚みを有する粘着剤層を形成することにより、前記剥離フィルム及び前記粘着剤層を有する粘着剤層付き剥離フィルムを形成し、
    前記粘着剤層付き剥離フィルムの走行過程で、前記粘着剤層に1μm以上6μm以下の厚みを有する樹脂フィルムを貼り合わせることにより、粘着剤層付き剥離フィルムに前記樹脂フィルムが貼り合わされた粘着フィルムを形成し、
    前記粘着フィルムの走行過程で、前記樹脂フィルムの前記粘着剤層とは反対側の表面に着色層を形成する
    着色粘着フィルムの製造方法。
  2. 請求項1に記載の着色粘着フィルムの製造方法であって、
    前記粘着フィルムを形成する工程は、前記粘着剤層付き剥離フィルムと前記樹脂フィルムを貼り合わせる際に、50N/cm以上300N/cm以下のニップ圧を掛けて、前記樹脂フィルムを前記粘着剤層に貼り合わせることを含む
    着色粘着フィルムの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の着色粘着フィルムの製造方法であって、さらに、
    前記粘着フィルムを形成した後に、前記粘着フィルムに50N/m以上400N/m以下の張力を掛けながら、前記粘着フィルムを巻き取る
    着色粘着フィルムの製造方法。
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