JP6101107B2 - エアリフトポンプを有する汚水浄化槽及び当該汚水浄化槽の運転方法 - Google Patents

エアリフトポンプを有する汚水浄化槽及び当該汚水浄化槽の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般家庭等から排出される生活排水を処理する汚水浄化槽及びその運転方法に関する。
処理対象人員が5〜50人に該当する小規模合併処理浄化槽では、嫌気処理と好気処理を組み合わせた処理方式が多く見られるようになった(例えば特許文献1)。嫌気処理と好気処理を組み合わせた汚水浄化槽は、上流側から順に嫌気処理槽(嫌気濾床槽、沈殿分離槽、固液分離槽等)、好気処理槽(接触ばっ気槽、担体流動槽、生物濾過槽等)が配列された構造を有する。
このような、小規模合併処理浄化槽は、好気処理槽で処理した処理水の一部を循環水として嫌気処理槽に移送する構成を有する。
循環水を嫌気処理槽に移送することにより、汚水の流入のない時間帯でも嫌気処理槽で処理された処理水が順次、好気処理槽に移流して好気処理槽で処理を受けることができる。したがって、循環水の移送がない場合よりも効率的な処理が可能となる。さらに、循環水として移送される処理水には好気処理槽で硝化された亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素が含まれており、この処理水が移送されると、嫌気処理槽では脱窒反応が生じるため、処理水中から窒素が除去される。
これらの利点から、嫌気処理と好気処理を組み合わせた処理方式において、好気処理槽の処理水の一部を循環水として嫌気処理槽に移送する機能が採用されている。
ところで、生物学的処理では、嫌気処理、好気処理にかかわらず、汚水中に含まれる有機物等の汚濁物質が生物体に転換されることによって浄化が進行する。そのため、定期的に増加した生物体、すなわち、余剰汚泥を処理槽外に引き抜く必要が生じる。
特に、微生物の増殖速度の速い好気処理槽では、嫌気処理槽に比べて生物体への転換量が多くなる。処理対象人員が5〜50人に該当する小規模合併処理浄化槽では、好気処理槽の濾材に付着した生物膜が肥厚化するので、定期的に生物膜を剥離させる洗浄が必要になる。また、近年では、好気処理槽として生物濾過槽を採用するケースが増加しつつある。生物濾過槽においては、槽内の濾床に充填されている担体(濾材)が、処理水中の浮遊物質(SS)を捕捉するため、目詰まり防止を目的として濾床を定期的に洗浄することが必要になる。濾床の洗浄は、ばっ気を行うことにより付着した生物膜又は浮遊物質を剥離させて行うことができる。
嫌気処理と好気処理を組み合わせた汚水浄化槽では、剥離させた生物膜又は浮遊物質は、洗浄排水として汚泥貯留部となる嫌気処理槽に移送して貯留させている。嫌気処理槽では生物体の増殖速度が遅いため、前記洗浄排水を含む汚泥は、ゆっくりと消化されながら貯留することになる。そして、嫌気処理槽で貯留された汚泥は、最終的に嫌気処理槽の汚泥が貯留限界を迎えた時点、あるいは、浄化槽法に定められた清掃頻度(一年に一回)を迎えた時点で、引き抜かれる。
このように、嫌気処理と好気処理を組み合わせた処理方式を有する汚水浄化槽では、好気処理槽で肥厚化した生物膜や濾床で捕捉した浮遊物質を洗浄排水として嫌気処理槽へ移送する機能が採用されている。
以上に述べたように、処理対象人員が5〜50人に該当する小規模合併処理浄化槽では、好気処理槽から嫌気処理槽へ循環水と洗浄排水の移送がなされている。移送の手段としては、実用的な観点から、故障が少なく、構造が簡単で、維持管理が容易で、コストが安価であるエアリフトポンプが採用されている。
特開平9−248584号公報
循環水量は、少な過ぎると、処理効率が落ち、処理水質を低下させることになるが、逆に多過ぎても、移送先となる嫌気処理槽で貯留している汚泥を巻き上げて、下流側の好気処理槽に汚泥を流出させ、処理水質を低下させることになる。そのため、循環水量は、適正量に設定することが重要であり、流入水量(日平均汚水量)に対して3〜4倍が適正量とされている。5人槽で換算すると、循環水量の適正量は、1日当たりで3,000L〜4,000Lとなり、保守点検作業で実用的に管理される単位として1分間当たりに換算して、2.1〜2.8L/分に相当する。
洗浄排水も、循環水量と同様に適正量が存在する。濾床の洗浄は、濾床をばっ気等により、肥厚化した生物膜や濾床に捕捉した浮遊物質を槽内に拡散させる行為であり、処理性能への影響を極めて少なく抑えるために、流入汚水がほとんどない深夜等の時間帯に短時間で実施するように設定されている。洗浄排水の移送水量としては、採用した好気処理槽の種類や容量、濾材充填量、洗浄速度(好気処理槽の断面積当たりの洗浄排水量)等によって異なるが、5人槽規模では、数10L/分になる。
このように、循環水と洗浄排水の適正な移送水量はそれぞれ異なることから、循環水と洗浄排水を移送するエアリフトポンプは、従来別々に設置されていた。その結果構造が複雑となり、コスト高を招き、さらに保守点検時の手間が増加するという課題があった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、ひとつのエアリフトポンプで移送水量の異なる循環水と洗浄排水を移送するエアリフトポンプを備えた汚水浄化槽の提供を目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)前段処理槽とその後段に配される好気処理槽とを有する汚水浄化槽であって、前記好気処理槽の濾床をばっ気により洗浄するばっ気洗浄装置と、前記好気処理槽内又はその後段に配され、前記好気処理槽で処理水を好気処理する通常運転状態の場合に前記好気処理槽で処理された処理水の一部を循環水として前段処理槽に移送し、前記好気処理槽の濾床を洗浄する場合に前記ばっ気洗浄装置による洗浄により発生する洗浄排水を前段処理槽に移送するエアリフトポンプと、を有し、前記エアリフトポンプが、前記循環水及び洗浄排水の移送経路となる揚水管と、前記揚水管に接続され、前記通常運転状態の場合に前記循環水を揚水するために必要な空気を供給する第1空気配管と、前記揚水管に接続され、前記濾床を洗浄する場合に前記循環水よりも多量の前記洗浄排水を揚水するために必要な空気を供給する第2空気配管と、を備えていることを特徴とする汚水浄化槽。
(2)前記第1空気配管の経路中に供給する空気量を調整するためのオリフィス又は空気調整バルブが設けられていることを特徴とする項(1)に記載の汚水浄化槽。
(3)前記第2空気配管の経路中に供給する空気量を調整するためのオリフィス又は空気調整バルブが設けられていることを特徴とする項(1)又は(2)に記載の汚水浄化槽。
(4)前記第2空気配管の開口部が、前記第1空気配管の開口部より深い位置に形成されていることを特徴とする項(1)から(3)の何れか一項に記載の汚水浄化槽。
(5)前記第2空気配管の管径が、前記第1空気配管の管径より大きく形成されていることを特徴とする項(1)から(4)の何れか一項に記載の汚水浄化槽。
(6)前記前段処理槽が、嫌気処理槽であることを特徴とする項(1)から(5)の何れか一項に記載の汚水浄化槽。
(7)前段処理槽とその後段に配される好気処理槽とを有する汚水浄化槽の運転方法であって、前記汚水浄化槽が、前記好気処理槽の濾床をばっ気により洗浄するばっ気洗浄装置と、前記好気処理槽内又はその後段に配され、前記好気処理槽で処理水を好気処理する通常運転状態の場合に前記好気処理槽で処理された処理水の一部を循環水として前段処理槽に移送し、前記好気処理槽の濾床を洗浄する場合に前記ばっ気洗浄装置による洗浄により発生する洗浄排水を前段処理槽に移送するエアリフトポンプと、を有し、前記エアリフトポンプが、前記循環水及び洗浄排水の移送経路となる揚水管と、前記揚水管に接続される第1空気配管及び第2空気配管を備えており、前記通常運転状態の場合に、第1空気配管に空気を供給することによって前記循環水を揚水し、前記濾床を洗浄する場合に前記ばっ気洗浄装置に空気を供給するとともに第2空気配管に空気を供給することによって前記循環水よりも多量の前記洗浄排水を揚水することを特徴とする汚水浄化槽の運転方法。
本発明の汚水浄化槽は、好気処理槽内又はその後段から前段処理槽に循環水及び洗浄排水を移送するエアリフトポンプを有しており、当該エアリフトポンプには、揚水管と、揚水管に接続される2系統の空気配管(第1空気配管及び第2空気配管)が接続されている。
したがって、これらの2系統の空気配管に循環水を移送するための空気、又は洗浄排水を移送するための空気をそれぞれ供給することによって、好気処理槽で処理水を好気処理してその一部を循環水とする通常運転状態の場合と、好気処理槽の濾床を洗浄して洗浄排水を前段処理槽へ移送する場合において、循環水又は洗浄排水として適正な水量の移送水を前段処理槽に移送することができる。即ち、1つのエアリフトポンプで量の異なる循環水と洗浄排水を移送することができるため、構造が単純となり、コストが低減され、保守点検作業を軽減することができる。
また、循環水よりも移送水量の多い洗浄排水が定期的にエアリフトポンプ内に通水されるので、揚水管の内部において生物膜の肥厚化を抑制することができ、循環水の移送水量を安定化することができる。
本発明の汚水浄化槽の第1実施例の概略図であり、図1(a)は上面図であり、図1(b)は横断面図であり、図1(c)は縦断面図である。 本発明の汚水浄化槽に採用されるエアリフトポンプを示す図であり、図2(a)〜図2(e)は、それぞれ第1〜第5実施例のエアリフトポンプを示す概略図である。 本発明の汚水浄化槽における第1実施例のエアリフトポンプに採用される空気供給部を示す模式図であり、図3(a)は、空気供給部の概略を示し、図3(b)は、空気供給量調整機構の概略を示す。 図3に示す空気供給部の変形例を示す模式図である。
本発明で述べる前段処理槽は、嫌気処理槽が好適に用いられる。嫌気処理槽は、固液分離機能、汚泥貯留機能を有している槽であれば、特に制限されるものではなく、具体的には、沈殿分離槽、嫌気濾床槽等を用いることができる。
嫌気処理槽の内部に濾床を有する場合には、濾床には、板状、網様板状、網様円筒状を規則充填した濾材等、捕捉性の弱い濾材を好適に充填させることができる。捕捉性が弱い濾材は、濾床上部に汚泥が溜まりにくく、汚泥がスカム化して次槽に流出することを防止できる。そして、濾材の設置位置(上面位置)は、濾床上部に汚泥が溜まりにくいことから、固液分離槽の上方の水面に近い位置とすることもできる。
また、嫌気処理槽の内部に濾床を有さない場合には、処理水から固形物又は汚泥の沈降・浮上による分離がなされるように、水面積負荷を考慮して固液分離槽の断面積を確保し、垂直方向でみて中間部に流入管と流出管を配置することが好ましい。
また、嫌気処理槽は、2室に区分することが可能であり、沈殿分離槽と嫌気濾床槽を組み合わせて用いることもできる。近年では、特許第4702748号公報にみられるように、沈殿分離槽にばっ気型の汚泥貯留部を組み込んだものも考案されているが、本発明においても、ばっ気型の汚泥貯留部を嫌気処理槽に組み合わせることも可能である。
本発明で述べる好気処理槽は濾床を備え、当該濾床には処理水の処理に寄与する微生物を生息させる濾材(担体を含む)が充填されている。その濾材に溶存酸素を供給できれば、特に制限されるものではなく、具体的には、接触ばっ気槽、生物濾過槽等を用いることができる。
また、好気処理槽は、2室に区分することが可能であり、接触ばっ気槽と生物濾過槽を組み合わせて用いることもできる。
本発明の循環水と洗浄排水を移送するエアリフトポンプは、揚水管と、揚水管に接続される2系統の空気配管(第1空気配管及び第2空気配管)と、当該2系統の空気配管に空気を供給する空気供給装置とから構成される。2系統の空気配管のうち、第1空気配管は循環水を移送するための空気が供給され、第2空気配管は洗浄排水を移送するための空気が供給される。この様な構成を有することで、1つのエアリフトポンプで循環水と洗浄排水を移送することが可能となる。また、循環水よりも移送水量の多い洗浄排水が定期的にエアリフトポンプ内に通水されるので、揚水管の内部において生物膜の肥厚化を抑制することができ、循環水の移送水量を安定化することができる。
揚水管とそれぞれの空気配管の接続方法は、揚水管の外側に接続する方法と、揚水管の内側に二重になるように接続する方法があるが、特に制限されるものではなく、図2(a)〜(e)に例示するように、それぞれの方法を組み合わせて使用することができる(詳しくは実施例において後述する)。また、空気配管の浸漬深さ(水面から空気配管の開口までの距離)、揚水管の管径、空気配管の管径は、循環水、又は、洗浄排水の移送量に応じて適宜選択することができ、さらに、それぞれの空気配管に対して、それぞれの移送水量に応じた空気量を送気することにより、所定の循環水及び洗浄排水の移送水量を得ることが可能になる。
それぞれの空気配管には、空気量を調整するために、オリフィスや空気調整バルブを設けることで各空気配管に供給する空気量を直接調整することができるようになるため好ましい。特に循環水を移送するための空気を供給する第1空気配管に、オリフィスや空気調整バルブを設けることで、適量の循環水を移送することができるようになる。
なお、特開平11−676号公報には、揚水管に2つの空気配管が接続されている循環エアリフトポンプが開示されている。この循環エアリフトポンプは、循環水量を少量に調整するために吸込み口に絞り部が設けられており、当該絞り部を設けたことによって揚水が通過する通路が狭くなるため、汚泥や生物膜による閉塞を防ぐ目的で2つ目の空気配管から供給される空気によって間欠的に洗浄するという構成を有している。
本発明において第1空気配管にオリフィスや空気調整バルブを設ける場合においては、適量の空気を送気することで適量の循環水を移送することが可能となるため、吸込み口に絞り部を設ける必要がない。
前記の従来技術は、吸込み口に絞り部を設けたことによる課題を解決するためのものであり、本発明とは前提とする技術が異なる。本発明の汚水浄化槽は、2種類(循環水と洗浄排水)で、かつ、水量の異なる排水を1つのエアリフトポンプで移送することを目的としており、前記の従来技術とは全く目的・効果の異なるものと言える。
本発明のエアリフトポンプの吸込み口は、好気処理槽で処理された処理水の一部を循環水として前段処理槽へ移送することでき、さらに、好気処理槽の濾床の洗浄排水を前段処理槽へ移送することができれば、特に制限されるものではなく、直接好気処理槽に接続しても、好気処理槽の後段処理に設けられる処理水槽や沈殿槽に接続しても良い。ただし、処理水槽や沈殿槽に接続する場合には、好気処理槽から遠くなると、洗浄排水の移送が非効率になることから、好気処理槽の移流口に近づけることが好ましい。
以下、本発明による一実施例を図面によって説明する。図1(a)〜(c)は、本発明の第1実施例に係る汚水浄化槽1の概略断面図を示したものである。
図1(a)〜(c)に示す汚水浄化槽1は、周壁1Aと底壁1Bと天井壁1Cにより構成された槽構造の内部に、上流側から順に嫌気処理槽(前段処理槽)30と好気処理槽31と処理水槽6、消毒槽7を配置している。
汚水浄化槽1においてその入口側の一端に流入口24が出口側の一端に流出口23が形成され、流入口24側から流出口23側にかけて順次間隔をあけて仕切壁1D、1Eが形成されている。また、仕切壁1Eによって、嫌気処理槽30側と好気処理槽31、処理水槽6、消毒槽7側とが区分されている。
嫌気処理槽30としては嫌気濾床槽が採用され、当該嫌気処理槽30は、仕切壁1Dによって上流側から嫌気濾床槽第1室2と嫌気濾床槽第2室3に区分されている。
さらに、図1(a)に示すように、仕切壁1Eの下流側には、並列するように仕切壁1F、1Gが形成されており、仕切壁1F、1Gによって仕切られた領域は、仕切壁1F、1Gと直交するように仕切壁1Hが設けられている。仕切壁1F、1G、1Hによって、前記仕切壁1Eの下流側は、4つの槽に区分されており、上流側から2槽が、好気処理槽31となっている。好気処理槽31として好気濾床槽が採用され、上流側から接触ばっ気部4と生物濾過部5に区分されている。また、前記好気処理槽の後段には、処理水槽6、消毒槽7が配置されている。
嫌気濾床槽第1室2は、隔壁8Bによって濾床8と移流部25に区分されている。濾床8の上下には、濾材として充填された網様円筒状濾材を通すことは無いが、処理水を通す濾材流出抑止板8A、8Aが設けられている。
同様に、嫌気濾床槽第2室3は、隔壁9Bによって、濾床9と移流部26に区分され、濾床9の上下には、濾材として充填された骨格球状濾材を通すことは無いが、処理水を通す濾材流出抑止板9A、9Aが設けられている。
これらの濾床8、9を処理水が通過することにより、処理水(汚水)中に含まれる固形物を捕捉し、さらに網様円筒状濾材及び骨格球状濾材に付着した微生物により、汚水中に含まれる有機物と捕捉した固形物の分解を行う。
嫌気濾床槽第1室2において、濾床8の上方には、生物反応により生じたガスと一緒に浮上した汚泥をスカムとして貯留するスカム貯留部2aが設けられ、下方には、消化して細かくなり沈降した汚泥を堆積汚泥として貯留する汚泥貯留部2bが設けられている。
同様に、嫌気濾床槽第2室3において濾床9の上方には、生物反応により生じたガスと一緒に浮上した汚泥をスカムとして貯留するスカム貯留部3aが設けられ、下方には、消化して細かくなり沈降した汚泥を堆積汚泥として貯留する汚泥貯留部3bが設けられている。
図1(a)、(b)に示すように、嫌気濾床槽第2室3の移流部26に流量調整装置10が設けてある。本実施例の流量調整装置10は、エアリフトポンプと流量調整マス(分配マス)を組み合わせたものを採用することができる。
また、浴槽排水等のように短時間で多くの水量が流入する場合に貯留しておくスペースとして、嫌気処理槽30(嫌気濾床槽第1室2及び嫌気濾床槽第2室3)の上部に流量調整部11を設けている。
嫌気処理槽30にて嫌気処理された汚水は、流量調整装置10により好気処理槽31の接触ばっ気部4移送される。この流量調整装置10により汚水の移送量を調節することにより、嫌気処理槽30の内部に収容される汚水量を図1(b)に示すL.W.L(低水位)からH.W.L(高水位)の間に調整しながら汚水処理を行うことができる。即ち、流量調整部11に一時的に処理水を貯留することが可能となり、流入水の水量負荷を緩和することができる(流量調整機能、あるいは、ピークカット機能)。
なお、本実施例の汚水浄化槽1は流量調整機能を有するが、本発明の汚水浄化槽は流量調整装置を有していなくとても良い。
好気処理槽(好気濾床槽)31は、接触ばっ気部4と生物濾過部5とから構成されている。図1(c)に示すように、接触ばっ気部4と生物濾過部5を区分する仕切壁1Fの上部と下部にそれぞれ移流口12、13が設けられており、当該移流口12、13によって、接触ばっ気部4と生物濾過部5との間で処理水が循環している。
好気処理槽31の接触ばっ気部4には濾床27が設けられ濾材としてヘチマ様板状濾材が充填されている。接触ばっ気部4の底部には、散気管14が設置されており、通常処理時には接触ばっ気部4はばっ気状態にある。
また、好気処理槽31の生物濾過部5には濾床16が設けられ濾材として粒状担体が充填されている。通常の運転を継続すると濾床16の粒状担体が、捕捉した浮遊物質や成長した生物膜により目詰まりを起こすので、濾床16の定期的な洗浄が必要になる。生物濾過部5の底部には、散気管(ばっ気洗浄装置)15が設置されており、当該散気管15から空気を供給することにより(逆洗)、捕捉した浮遊物質並びに生物膜が粒状担体から剥離されて流動するようになる。
また、後段の処理水槽6と好気処理槽31の接触ばっ気部4とを隔てる仕切壁1Gの下部には、移流口17が設けられている。
処理水槽6は、好気処理槽31の生物濾過部5からの流出水(処理水)を貯留し、後段の消毒槽7に至るまでの導水路になっている。また、消毒槽7は、処理水槽6から移流してくる処理水を薬剤筒に内装した塩素系固形消毒材に接触させ、消毒槽7内で反応させた後に、流出口23から汚水浄化槽1外に流出するようになっている。
処理水槽6には、貯留された処理水を嫌気処理槽30の嫌気濾床槽第1室2に移送するためのエアリフトポンプ18Aが設置してある。このエアリフトポンプ18Aは、処理水槽6から嫌気濾床槽第1室2に循環水及び洗浄排水を移送するために備えられている。
処理水槽6に貯留された処理水を循環水として嫌気処理槽30に移送することにより、汚水の流入のない時間帯でも嫌気処理槽30から好気処理槽31への処理水の移流を促し、効率よく汚水の処理ができる。また、循環水として移送される処理水には好気処理槽31で硝化された亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素が含まれているため嫌気処理槽30で脱窒反応が起こり処理水中から窒素を除去することができる。
好気処理槽31の生物濾過部5においては、浮遊物質や生物膜によって詰まりを起こすことを防ぐため、ばっ気による濾床16の定期的な洗浄が必要となる。洗浄によって濾床16から剥離した浮遊物質や生物膜は、洗浄排水として前記エアリフトポンプ18Aによって嫌気処理槽30に移送する。
図2(a)に本発明の第1実施例の汚水浄化槽1に備わるエアリフトポンプ18Aの概略図を示す。
エアリフトポンプ18Aは、循環水及び洗浄排水の移送経路となる揚水管21と、当該揚水管21に各々接続された第1空気配管20A及び第2空気配管22Aと、前記第1空気配管20A及び第2空気配管22Aに空気を供給する空気供給装置40(図3(a)参照)から主に構成される。
揚水管21は、上下方向に延在する鉛直揚水部21aと、当該鉛直揚水部21aの上部21b付近に接続される水平導入部21cとから構成される。
図1(a)〜(c)に示すように、鉛直揚水部21aの下端部には吸込み口19が備えられており、処理水槽6の循環水又は洗浄排水は、吸込み口19から吸い込まれ、仕切壁1E、1Gに沿って鉛直に延びる鉛直揚水部21aを通り揚水される。揚水された循環水又は洗浄排水は、仕切壁1E、1Aを跨いで形成される水平導入部21cを通り、嫌気処理槽30の嫌気濾床槽第1室2の濾床8に移送される。
エアリフトポンプ18Aの吸込み口19は、処理水槽6において好気処理槽31の生物濾過部5と連結する移流口17付近に配置される。吸込み口19は、洗浄排水に含まれる浮遊物質をより確実に吸い込み嫌気処理槽30に移送するために、移流口17になるべく近い位置とすることが望ましい。
図2(a)に示すように、本実施例におけるエアリフトポンプ18Aは、鉛直揚水部21aの上部21bから第1空気配管20Aが接続されている。この第1空気配管20Aは、揚水管21の鉛直揚水部21aに内装されるように下方に延び、揚水管21の吸込み口19より上方かつ水面より下方に開口部20aを構成している。また、エアリフトポンプ18Aの第2空気配管22Aは、揚水管21の鉛直揚水部21aの側部であって前記第1空気配管20Aの開口部20aの下方であり、揚水管21の吸込み口19より上方の領域に開口部22aを形成して接続されている。
前記第1空気配管20Aには、循環水を揚水するために必要な空気が供給される。また、第2空気配管22Aには、洗浄排水を揚水するために必要な空気が供給される。
第1空気配管20A又は第2空気配管22Aから空気が供給されると、この空気は揚水管21の鉛直揚水部21a内部で気泡となり上昇する。このとき、気泡より上に位置する循環水又は洗浄排水は空気に押し上げられ鉛直揚水部21aの内部を気泡とともに上昇し、水平導入部21cとの接続部に到達する。さらに水平導入部21cを空気とともに進み、嫌気処理槽30の嫌気濾床槽第1室2の濾床8の上方で排出される。
また、気泡が揚水管21の鉛直揚水部21aを上昇するとともに、吸込み口19下からは新たな処理水(循環水又は洗浄排水)が呼び込まれる。
通常の運転、即ち処理水槽6に貯留された処理水の一部を循環水として定期的に循環させる運転状態では、第1空気配管20Aに空気を供給し第2空気配管22Aには空気を供給せずにエアリフトポンプ18Aを運転させる。これにより、エアリフトポンプ18Aには循環水が流れ、当該循環水は嫌気処理槽30の嫌気濾床槽第1室2に移送される。
好気処理槽31の生物濾過部5の濾床16を洗浄する場合は、生物濾過部5の底部に設置された、散気管(ばっ気洗浄装置)15によってばっ気を行い、濾床16に付着した浮遊物質や生物膜を剥離させ(図1(c)参照)、同時に第1空気配管20Aには空気を供給せずに第2空気配管22Aに空気を供給し、エアリフトポンプ18Aを運転させる。ばっ気によって剥離した浮遊物質や生物膜は、処理水の一部とともに洗浄排水としてエアリフトポンプ18Aの吸込み口19から吸い込まれ嫌気処理槽30の嫌気濾床槽第1室2の濾床8に移送される。
ところで、循環水と洗浄排水とでは単位時間当たりの最適な移送水量が異なる。一例として5人槽で換算すると、循環水は2.1〜2.8L/分とすることが適正であり、洗浄排水は、数10L/分が適正であるとされる。
第1空気配管20Aと第2空気配管22Aは、エアリフトポンプの設計理論に基づき、上述した移送水量となるように、水面から第1及び第2空気配管20A、22Aの開口部20a、22aまでの距離である浸漬深さh、h、第1及び第2空気配管20A、22Aの管径d、d、揚水管21の鉛直揚水部21aの管径D等のパラメータを適宜設定する。
次に、図3を基に、空気供給装置40から第1空気配管20A及び第2空気配管22Aへ空気を供給する空気供給部50に関して説明する。
図3(a)に示すように、第1及び第2空気配管20A、22Aは、空気供給装置40と接続されている。また、第1及び第2空気配管20A、22Aの途中には空気供給量調整機構41、42がそれぞれ備えられている。
本実施例において、第1空気配管20Aに備えられた空気供給量調整機構41は、図3(b)に示すように、オリフィス41aと空気調整バルブ41bから構成されており、オリフィス41aによって空気の供給量を大きく調整し、さらに微調整を空気調整バルブ41bによって行う構成を有する。
また、第2空気配管22Aに備えられた空気供給量調整機構42も、同様にオリフィス42aと空気調整バルブ42bから構成されている。
上述したように、循環水の単位時間当たりの揚水量に対して洗浄排水の単位時間当たりの揚水量は多くなる(5人槽で換算すると循環水は2.1〜2.8L/分、洗浄排水は数10L/分が適正)。循環水を揚水するために第1空気配管20Aを経路として揚水管21に供給される単位時間当たりの空気量に対して、洗浄排水を揚水するために第2空気配管22Aを経路として揚水管21に供給される単位時間当たりの空気量を多くすることによって、循環水と洗浄排水との単位時間当たりの揚水量を変化させることができる。
したがって、第1空気配管20Aに備えられる空気供給量調整機構41(即ち、オリフィス41a及び空気調整バルブ41b)に対して、第2空気配管22Aに備えられる空気供給量調整機構42(即ちオリフィス42a及び空気調整バルブ42b)は、空気をより多く流す構造となっている。具体的には、空気供給量調整機構42のオリフィス42aが、空気供給量調整機構41のオリフィス41aに対して孔径が大きく形成され、空気がより多く流れるようになっている。
なお、第1及び第2空気配管20A、22Aに備えられる空気供給量調整機構41、42は、揚水管21に供給する空気量を各々適正に制御することができれば、オリフィス又は空気調整バルブの何れか一つであっても良い。
また、空気供給装置40の出力が、洗浄排水の揚水するための供給量と一致している場合は、第2空気配管22Aには、空気供給量調整機構42を設けず、第1空気配管20Aにのみ空気供給量調整機構41を設けても良い。
空気供給装置40としては、ダイアフラム型のブロワを好適に使用することができる。
空気供給装置40には、第1及び第2空気配管20A、22Aがそれぞれ接続されている。空気供給装置40には切替弁40aが備えられており、空気の供給先を第1空気配管20Aと第2空気配管22Aの何れかに切り替えることができる。切替弁40aとしては、電磁弁や電動弁等を採用することができる。
切替弁40aは、切替弁制御部40bと接続されている。切替弁制御部40bは、例えばタイマ機能を有しており、一定時間が経過すると切替弁40aを機能させ、空気供給装置40が空気を供給する空気配管を切り替えて、エアリフトポンプ18Aの揚水量を変更させることができる。
なお、切替弁制御部40bによる切替弁40aの制御は、図1(b)、(c)に示す散気管(ばっ気洗浄装置)15に空気を送るブロワと同期して行うことが好ましい。即ち、散気管15に空気を送り濾床16を洗浄すると同時に、切替弁40aを動作させ第2空気配管22Aを経路として揚水管21に空気を供給する。これにより、洗浄によって発生した洗浄排水を即座に移送することが可能となる。また、散気管15への空気の供給を停止すると同時に、切替弁40aを動作させることで、第2空気配管22Aを経路とする揚水管21への空気供給を停止させ、第1空気配管20Aを経路とする揚水管21への空気供給に切り替え通常の運転状態である循環水の移送を開始することができる。
図4に、上述した空気供給部50の変形例である空気供給部51を示す。変形例の空気供給部51は、2つの空気供給装置43、44を備えた構成を有している。即ち、第1空気配管20Aには、第1空気供給装置43が接続され、第2空気配管22Aには、第2空気供給装置44が接続されている。また、第1及び第2空気供給装置43、44は空気供給装置制御部45と電気的に接続されている。空気供給装置制御部45は、例えばタイマ機能を有しており、一定時間が経過すると第1及び第2空気供給装置43、44の運転を切り替えて、エアリフトポンプ18Aの揚水量を変更させることができる。
しかしながら、変形例の空気供給部51においては、2台の空気供給装置43、44が必要となる。したがって、コスト面を考慮すると一定の空気を供給する1台の空気供給装置40に第1空気配管20Aと第2空気配管22Aを接続し、切替弁40aによって空気の供給経路を切り替えることができる図3の空気供給部50を採用することが望ましい。
これによって、空気供給装置40から第1空気配管20A又は第2空気配管22Aの何れかを経路として開口部20a又は開口部22aから循環水及び洗浄排水の移送水量に応じた空気量を送気し、所定の移送水量を得ることができる。また、第1及び第2空気配管20A、22Aの経路途中には、送気する空気量を調整する空気供給量調整機構41、42(オリフィス又は空気調整バルブ)を設けることによって、循環水と洗浄排水の揚水量を調整することができる。
図2(b)〜(e)は、本発明における汚水浄化槽1に採用可能な第2〜第5実施例のエアリフトポンプ18B、18C、18D、18Eを示したものである。
図2(b)〜(e)に示す第2〜第5実施例のエアリフトポンプ18B、18C、18D、18Eにおいて、先の第1実施例のエアリフトポンプ18Aと同等の構成要素には同一符号を付し、同一要素の説明は省略する。また、これらのエアリフトポンプ18B、18C、18D、18Eにおいて、空気供給装置40を含む空気供給部は、図3及び図4を基に説明した空気供給部50、51を採用することができる。
第2〜第5実施例のエアリフトポンプ18B、18C、18D、18Eは、第1実施例のエアリフトポンプ18Aと比較して、第1及び第2空気配管の構成に違いを有する。
図2(b)に示す第2実施例のエアリフトポンプ18Bにおいて、第1及び第2空気配管20B、22Bはともに、揚水管21の鉛直揚水部21aの上部21bから接続され、鉛直揚水部21aに内装されるように下方に延び、揚水管21の吸込み口19より上方かつ水面より下方に開口部20a、22aを構成している。第1空気配管20Bの開口部20aは第2空気配管22Bの開口部22aより上方に形成されている。
図2(c)に示す第3実施例のエアリフトポンプ18Cにおいて、第1及び第2空気配管20C、22Cはともに、揚水管21の鉛直揚水部21aの側部であって揚水管21の吸込み口19より上方かつ水面より下方に開口部20a、22aを形成して接続されている。第1空気配管20Cの開口部20aは第2空気配管22Cの開口部22aより上方に形成されている。
図2(d)に示す第4実施例のエアリフトポンプ18Dにおいて、第1及び第2空気配管20D、22Dは、合流点33Dで合流し合流配管32Dとして揚水管21に接続している。合流配管32Dは、揚水管21の鉛直揚水部21aの上部21bから接続され、鉛直揚水部21aに内装されるように下方に延び、揚水管21の吸込み口19より上方かつ水面より下方に開口部32aを構成している。
図2(e)に示す第5実施例のエアリフトポンプ18Eにおいて、第1及び第2空気配管20E、22Eは、第4実施例のエアリフトポンプ18Dと同様に、合流点33Eで合流し合流配管32Eとして揚水管21に接続している。合流配管32Eは、揚水管21の鉛直揚水部21aの側部であって揚水管21の吸込み口19より上方かつ水面より下方に開口部32aを形成して接続されている。
図2(b)、(c)を基に説明した実施例2、3のエアリフトポンプ18B、18Cにおいても、第1実施例のエアリフトポンプ18Aと同様に、各空気配管の浸漬深さh、h、各空気配管の管径d、d、鉛直揚水部21aの管径D等のパラメータを適宜選択することによって、循環水及び洗浄排水におうじた所定の移送水量を得ることができる。また、第1実施例のエアリフトポンプ18Aと同様に、各空気配管の経路途中に送気する空気量を調整するオリフィスや空気調整バルブ(空気供給量調整機構41、42)を設けることができる。
図2(d)、(e)を基に説明した実施例4、5のエアリフトポンプ18D、18Eにおいては、第1及び第2空気配管20D、22D(又は20E、20E)が合流点33D(33E)で合流し合流配管32D(32E)として揚水管21に接続されている。
したがって、実施例4、5のエアリフトポンプ18D、18Eは、水面から合流配管32D(32E)の開口部32aまでの距離である浸漬深さh、第1及び第2空気配管20D、22D(又は20E、20E)の管径d、d、並びに合流配管32D(32E)の管径d、揚水管21の鉛直揚水部21aの管径D等のパラメータ等を適宜選択することによって、上述した循環水と洗浄排水の各移送水量となるように設計することができる。
また実施例1のエアリフトポンプ18Aと同様に、送気する空気量を調整するオリフィスや空気調整バルブ(空気供給量調整機構41、42)を設けることができ、この場合は、合流点33D(33E)以前の第1及び第2空気配管20D、22D(又は20E、20E)の経路途中に設けることで、合流配管32D(32E)の開口部32aから、循環水及び洗浄排水に応じた空気を供給することができる。
次に処理水(汚水)を処理する工程について説明する。
まず、処理水は、流入口24を通って、汚水浄化槽1内部の嫌気濾床槽第1室2に流入する。嫌気濾床槽第1室2では、処理水が濾床8を通過する際に、固形物の捕捉と、濾床8に付着している微生物による有機物の分解や亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の脱窒が行われる。嫌気濾床槽第1室2で処理された処理水は、移流部25に移り、嫌気濾床槽第2室3に移流する。
嫌気濾床槽第2室3では、嫌気濾床槽第1室2と同様に、固形物の捕捉と、濾床9に付着している微生物による有機物の分解や亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の脱窒が行われる。嫌気濾床槽第2室3で処理された処理水は、移流部26に移り、流量調整装置10を介して好気処理槽31に移流する。流量調整装置10による移送は、水量が制限されており、浴槽排水等のようなピーク流入があった場合には、当該制限により移送できなかった処理水を嫌気濾床槽第1室2と嫌気濾床槽第2室3の濾床8、9上部に設けた流量調整部11に一時的に貯留する。この貯留された処理水は、ピーク流入が終わった後に、流量調整装置10により好気処理槽31へ順次移送される。
好気処理槽31に移流した処理水は、接触ばっ気部4と生物濾過部5の循環処理を受ける。接触ばっ気部4の濾床27は、ヘチマ様板状濾材が上下に開口するように充填されており、底部に設置されている散気管14から供給される空気により接触ばっ気部4内部が上向流となり、濾床27のヘチマ様板状濾材に付着した微生物と処理水が接触することにより、有機物(BOD)の分解、アンモニア性窒素の硝化が進行する。
接触ばっ気部4で処理された処理水は、上部の移流口12から生物濾過部5に順次移流する。生物濾過部5の濾床16には、比重が1より若干大きい粒状担体が充填されており、その上下には粒状担体を通さないが、処理水を通す担体流出抑止板28、29が配置してある。通常運転では、生物濾過部5の底部に設置した散気管15からのばっ気は行われないので、粒状担体が下方の担体流出抑止板29側に沈降した状態で濾床16が形成されている。処理水は、この濾床16を下向流で通過し、濾床16に付着した微生物と接触することにより、有機物(BOD)の分解とアンモニア性窒素の硝化が進行する。同時に、処理水に含まれる浮遊物質が濾床16で捕捉され、処理水の清澄化が図られる。
生物濾過部5で処理された処理水は、下部の移流口13から接触ばっ気部4に再度移流し、接触ばっ気部4での処理、生物濾過部5での処理を繰り返しに受けることになる。このように好気処理槽31の循環処理を受けた処理水は、流量調整装置10からの移送水量に相当する水量(処理水槽6から嫌気濾床槽第1室2への移送される循環水量に相当する水量も含まれる)だけ、生物濾過部5と処理水槽6の仕切壁1Gの下部に設けられた移流口17を介して処理水槽6へ移流する。
処理水槽6に移流した処理水は、処理水槽6で一旦貯留され、最終的には消毒槽7へ移流する。また、貯留されている一部の処理水をエアリフトポンプ18Aにより、嫌気濾床槽第1室2に移送する。本実施例では、エアリフトポンプ18Aは、図2(a)に示されている通り、循環水を揚水するための第1空気配管20Aを揚水管21の鉛直揚水部21aに内装するように上部21bから接続し、洗浄排水を揚水するための第2空気配管22Aを鉛直揚水部21aの側面から接続してあるものを採用している。
通常運転では、第1空気配管20Aに空気が供給され、第2空気配管22Aには空気が供給されないようになっており、移送先の嫌気濾床槽第1室2には、処理水を循環水として流入水量(日平均汚水量)の約3倍になるように移送している。
消毒槽7に移流した処理水は、薬剤筒に内装した塩素系固形消毒材と接触して消毒されて、流出口23から汚水浄化槽1外に流出している。
一方、通常の運転を継続すると、生物濾過部5の濾床16の粒状担体が捕捉した浮遊物質や成長した生物膜により目詰まりを起こすので、定期的な濾床16の洗浄が必要になる。濾床16の洗浄は、生物濾過部5の底部に設置した散気管(ばっ気洗浄装置)15から空気を供給することにより、濾床16の下方であり担体流出抑止板29上に沈降していた粒状担体が上下の担体流出抑止板28、29の間で流動状態となり、捕捉した浮遊物質並びに生物膜が担体間から剥離されて流動するようになる。この散気管15への空気供給と同時に、エアリフトポンプ18Aに接続されている第2空気配管22Aにも空気が供給されることにより、生物濾過部5との移流口17付近に設置された揚水管21の吸込み口19から剥離した浮遊物質を含む洗浄排水を嫌気濾床槽第1室2へ移送している。
<実施例>
図2(a)を基に第1実施例として説明したエアリフトポンプ18Aを用いて本発明の効果を確認した。
本実施例で使用したエアリフトポンプ18Aは、揚水管21として管径D(内径)30mmの塩ビパイプ(VP30)、第1空気配管20A及び第2空気配管22Aとして管径d、d(内径)13mmの塩ビパイプ(VP13)を使用した。これらを組み立て、処理水槽6の水面(汚水浄化槽1の底壁1Bから1240mmの水位)に対して、揚水管21の浸漬深さが1190mm、揚程が160mm、第1空気配管20Aの浸漬深さhが1100mm、第2空気配管22Aの浸漬深さhが1150mm(揚水管21との接続が直角になるので、第2空気配管22Aの中心で表示)とした。
また、第1空気配管20Aには、空気供給量調整機構41として直径1.4mmのオリフィス41aが設けられている。また、第2空気配管22Aには空気供給量調整機構42として直径2.3mmのオリフィス42aが設けられている。
このエアリフトポンプ18Aにおいて、空気供給装置40から第1空気配管20Aを経路として揚水管21に空気を供給することによって、2.4L/分の循環水を移送することができた。さらに、空気供給装置40から第2空気配管22Aを経路として揚水管21に空気を供給することによって、11.5L/分の洗浄排水を移送することができた。
このように、本発明により1つのエアリフトポンプ18Aによって、循環水又は洗浄排水として適正な水量の移送水を移送することができることが確認された。
なお、洗浄排水は、運転時間の経過とともに好気処理槽31及び処理水槽6の水位が低下し、これに伴い移送水量も低下するため洗浄開始直後の水量で示した。
また、このエアリフトポンプ18Aを備えた汚水浄化槽1(5人槽)を戸建住宅(実使用人員5人)に設置し、循環水を常時移送し、また一日あたり3回の洗浄排水の移送を行った結果、浄化槽法で定められた保守点検の間隔である4ヶ月間にわたり、循環水量及び洗浄排水量は、著しく増減することなく、所定の設定範囲内で推移し、安定した移送機能を発揮させることができた。
1…汚水浄化槽、1A…周壁、1B…底壁、1C…天井壁、1D、1E、1F、1G、1H…仕切壁、2…嫌気濾床槽第1室、2a、3a…スカム貯留部、2b、2b…汚泥貯留部、3…嫌気濾床槽第2室、4…接触ばっ気部、5…生物濾過部、6…処理水槽、7…消毒槽、8、9、16、27…濾床、8A、9A…濾材流出抑止板、8B、9B…隔壁、10…流量調整装置、11…流量調整部、12、13、17…移流口、14…散気管、15…散気管(ばっ気洗浄装置)、18A、18B、18C、18D、18E…エアリフトポンプ、19…吸込み口、20A、20B、20C、20D、20E…第1空気配管、22A、22B、22C、22D、22E…第2空気配管、20a、22a、32a…開口部、21…揚水管、21a…鉛直揚水部、21b…上部、21c…水平導入部、23…流出口、24…流入口、25、26…移流部、28、29…担体流出抑止板、30…嫌気処理槽、31…好気処理槽、32D、32E…合流配管、33D、33E…合流点、40…空気供給装置、40a…切替弁、40b…切替弁制御部、41、42…空気供給量調整機構、41a、42a…オリフィス、41b、42b…空気調整バルブ、43…第1空気供給装置、44…第2空気供給装置、45…空気供給装置制御部、50、51…空気供給部、D…管径、d、d、d…管径、h、h、h…浸漬深さ

Claims (7)

  1. 前段処理槽とその後段に配される好気処理槽とを有する汚水浄化槽であって、
    前記好気処理槽の濾床をばっ気により洗浄するばっ気洗浄装置と、
    前記好気処理槽内又はその後段に配され、前記好気処理槽で処理水を好気処理する通常運転状態の場合に前記好気処理槽で処理された処理水の一部を循環水として前段処理槽に移送し、前記好気処理槽の濾床を洗浄する場合に前記ばっ気洗浄装置による洗浄により発生する洗浄排水を前段処理槽に移送するエアリフトポンプと、を有し、
    前記エアリフトポンプが、前記循環水及び洗浄排水の移送経路となる揚水管と、
    前記揚水管に接続され、前記通常運転状態の場合に前記循環水を揚水するために必要な空気を供給する第1空気配管と、
    前記揚水管に接続され、前記濾床を洗浄する場合に前記循環水よりも多量の洗浄排水を揚水するために必要な空気を供給する第2空気配管と、を備えていることを特徴とする汚水浄化槽。
  2. 前記第1空気配管の経路中に供給する空気量を調整するためのオリフィス又は空気調整バルブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の汚水浄化槽。
  3. 前記第2空気配管の経路中に供給する空気量を調整するためのオリフィス又は空気調整バルブが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚水浄化槽。
  4. 前記第2空気配管の開口部が、前記第1空気配管の開口部より深い位置に形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の汚水浄化槽。
  5. 前記第2空気配管の管径が、前記第1空気配管の管径より大きく形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の汚水浄化槽。
  6. 前記前段処理槽が、嫌気処理槽であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の汚水浄化槽。
  7. 前段処理槽とその後段に配される好気処理槽とを有する汚水浄化槽の運転方法であって、
    前記汚水浄化槽が、
    前記好気処理槽の濾床をばっ気により洗浄するばっ気洗浄装置と、
    前記好気処理槽内又はその後段に配され、前記好気処理槽で処理水を好気処理する通常運転状態の場合に前記好気処理槽で処理された処理水の一部を循環水として前段処理槽に移送し、前記好気処理槽の濾床を洗浄する場合に前記ばっ気洗浄装置による洗浄により発生する洗浄排水を前段処理槽に移送するエアリフトポンプと、を有し、
    前記エアリフトポンプが、前記循環水及び洗浄排水の移送経路となる揚水管と、
    前記揚水管に接続される第1空気配管及び第2空気配管を備えており、
    前記通常運転状態の場合に、第1空気配管に空気を供給することによって前記循環水を揚水し、
    前記濾床を洗浄する場合に前記ばっ気洗浄装置に空気を供給するとともに第2空気配管に空気を供給することによって前記循環水よりも多量の前記洗浄排水を揚水することを特徴とする汚水浄化槽の運転方法。
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