JP6100652B2 - スクリュ圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、吸込口から吸い込んだ流体を圧縮して吐出口から吐出するスクリュ圧縮機に関する。
スクリュ圧縮機においては、特許文献1に開示されているように、吸気ポートおよび吐出ポートがロータに対してラジアル側とアキシャル側とにそれぞれ設けられる。ラジアル側の吸気ポートおよび吐出ポートは、十分な開口面積を確保するためのものである。また、ラジアル側の吸気ポートは、ロータの検査に用いられるものである。
ロータの検査は、ラジアル側の吸気ポートを介して吸込口からロータを目視することで行われる。そのため、ラジアル側の吸気ポートは、吸込口に対向する位置に設けられる。また、吐出時の流路抵抗を下げるために、ラジアル側の吐出ポートは、吐出口に対向する位置に設けられる。
特開2011−7048号公報
しかしながら、ラジアル側の吸気ポートが吸込口から直視できる位置に設けられているために、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側の吸気ポートを介して上流側へ漏れてしまうという問題がある。また、ラジアル側の吐出ポートが吐出口から直視できる位置に設けられているために、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側の吐出ポートを介して下流側へ漏れてしまうという問題がある。そのため、吸気ダクトなどの吸音機構を設置したり、スクリュ圧縮機に接続された配管からの放射音を低減させる対策を行ったりする必要があり、コストアップとなる。
本発明の目的は、コストの上昇を抑えながら、ラジアル側のポートを介して外部に漏れる騒音を低減させることが可能なスクリュ圧縮機を提供することである。
本発明におけるスクリュ圧縮機は、吸込口から吸い込んだ流体を圧縮して吐出口から吐出するスクリュ圧縮機において、一対のロータと、前記一対のロータを収容するロータ室、および、前記吸込口または前記吐出口である開口と前記ロータ室とを連通させるポートが形成されたケーシングと、を有し、前記開口は、前記一対のロータのラジアル側に設けられているとともに、前記ポートは、前記開口に対向する位置に設けられており、前記開口から前記ポートを直視できないように前記ポートを覆う遮音板が、前記ポートと前記開口との間に配置されており、前記遮音板は、前記開口から前記遮音板まで延びたサポート部材と、前記サポート部材に接続されて、前記ケーシングにおける前記開口の周縁部に外側から当接するフランジと、によって、前記開口から出し入れ自在に支持されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、開口からポートを直視できないようにポートを覆う遮音板を、ポートと開口との間に配置する。遮音板でポートを覆うことで、ポートから放射された騒音が遮音板にぶつかるので、騒音が開口に向かって直進するのが阻害される。これにより、圧縮時に発生する騒音の直達音がポートを介して外部に漏れるのを低減させることができる。よって、従来よりも吸音機構や放射音対策を簡素なものにできて、コストを低減させることができる。これにより、コストの上昇を抑えながら、ラジアル側のポートを介して外部に漏れる騒音を低減させることができる。また、ポートの面積や形状を変更しないので、スクリュ圧縮機の性能を維持することができる。また、遮音板を、開口からポートに向かって挿入したサポート部材で支持することで、遮音板を支持するための作業をポート付近で行なわなくて済む。これにより、開口とポートとの位置関係が変化して、開口から挿入した工具をポート付近で使用することができなくなるなど、ポート付近での作業が困難になった場合においても、遮音板を容易に設置することができる。また、ポートが吸気ポートである場合に、サポート部材を取り外すことで、吸気ポートが遮音板で覆われなくなるので、吸気ポートを介してロータの検査を好適に実施することができる。
また、本発明におけるスクリュ圧縮機において、前記開口は前記吸込口であり、前記ポートは、前記吸込口と前記ロータ室とを連通させる吸気ポートであってよい。上記の構成によれば、吸気ポートを覆う遮音板によって、圧縮時に発生する騒音の直達音が吸気ポートを介して上流側に漏れるのを低減させることができる。
また、本発明におけるスクリュ圧縮機において、前記開口は前記吐出口であり、前記ポートは、前記吐出口と前記ロータ室とを連通させる吐出ポートであってよい。上記の構成によれば、吐出ポートを覆う遮音板によって、圧縮時に発生する騒音の直達音が吐出ポートを介して下流側に漏れるのを低減させることができる。
また、本発明におけるスクリュ圧縮機においては、前記遮音板の前記ポート側に吸音機構が設けられていてよい。上記の構成によれば、遮音板のポート側に吸音機構を設けることで、ポートから放射される騒音そのものを小さくすることができる。これにより、ポートを介して外部に漏れる騒音を一層低減させることができる。
本発明のスクリュ圧縮機によると、遮音板でポートを覆うことで、圧縮時に発生する騒音の直達音がポートを介して外部に漏れるのを低減させることができる。よって、従来よりも吸音機構や放射音対策を簡素なものにできるので、コストの上昇を抑えながら、ラジアル側のポートを介して外部に漏れる騒音を低減させることができる。
スクリュ圧縮機の側面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 スクリュ圧縮機を吸込口の中心軸方向から見た側面図である。 吸気側遮蔽部材を示す図である。 スクリュ圧縮機を吸込口の中心軸方向から見た側面図である。 スクリュ圧縮機を吐出口の中心軸方向から見た側面図である。 音圧レベルの解析結果を示すグラフである。 図1のA−A断面図である。 スクリュ圧縮機を吸込口の中心軸方向から見た側面図である。 図10のG−G断面図である。 スクリュ圧縮機を吸込口の中心軸方向から見た側面図である。 図12のH−H断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
(スクリュ圧縮機の構成)
本発明の第1実施形態によるスクリュ圧縮機1は、図1に示すように、円筒形のケーシング2を有している。ケーシング2には、ケーシング2内に空気などの流体を吸い込む開口である吸込口3と、ケーシング2内から圧縮された流体を吐出する開口である吐出口4とがそれぞれ設けられている。ケーシング2における吸込口3が設けられた部分は、図示しない上流側配管が接続されるフランジ部2aとなっている。また、ケーシング2における吐出口4が設けられた部分は、図示しない下流側配管が接続されるフランジ部2bとなっている。
図1のA−A断面図である図2に示すように、ケーシング2の内部には、ロータ室5が形成されており、このロータ室5内には、噛合する一対のロータ6,7が収容されている。一対のロータ6,7の一方は、図示しない駆動モータにより回転され、他方はそれに従動して回転する。
また、ケーシング2には、ロータ室5と吸込口3とを連通させるラジアル側吸気ポート(ポート)8が、一対のロータ6,7のラジアル側に形成されている。また、ケーシング2には、ロータ室5と吸込口3とを連通させるアキシャル側吸気ポート(図示せず)が、一対のロータ6,7のアキシャル側に形成されている。
また、図1のB−B断面図である図3に示すように、ケーシング2には、ロータ室5と吐出口4とを連通させるラジアル側吐出ポート(ポート)9が、一対のロータ6,7のラジアル側に形成されている。また、ケーシング2には、ロータ室5と吐出口4とを連通させるアキシャル側吐出ポート(図示せず)が、一対のロータ6,7のアキシャル側に形成されている。
図2に示すように、吸込口3は、一対のロータ6,7のラジアル側であって、その中心軸Dが一対のロータ6,7の連設方向Cに対して斜めに交差する位置に設けられている。また、図3に示すように、吐出口4は、一対のロータ6,7のラジアル側であって、その中心軸Eが一対のロータ6,7の連設方向Cに対して斜めに交差する位置に設けられている。なお、吸込口3および吐出口4の位置は、その中心軸が連設方向Cに対して斜めに交差する位置に限定されず、例えば、連設方向Cに直交する位置であってもよい。
このような構成において、図示しない吸気調整弁で流量が調整された流体が、フランジ部2aに接続された上流側配管を通ってケーシング2の内部に流入し、ラジアル側吸気ポート8およびアキシャル側吸気ポートからロータ室5内に吸気される。ロータ室5内に吸気された流体は、一対のロータ6,7の回転によって圧縮された後に、ラジアル側吐出ポート9およびアキシャル側吐出ポートから吐出され、フランジ部2bに接続された下流側配管を通って外部に供給される。
ここで、スクリュ圧縮機1を吸込口3の中心軸D方向から見た側面図である図4に示すように、ラジアル側吸気ポート8は、吸込口3に対向する位置に設けられている。即ち、ラジアル側吸気ポート8を介して吸込口3から一対のロータ6,7を目視して、一対のロータ6,7の検査を行うことができるように、ラジアル側吸気ポート8がこのような位置に設けられている。なお、図4においては後述する吸気側遮音部材11を図示していない。
しかしながら、ラジアル側吸気ポート8が吸込口3に対向する位置に設けられているために、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側吸気ポート8を介して上流側へ漏れてしまうという問題がある。
また、同様にして、ラジアル側吐出ポート9は、吐出口4に対向する位置に設けられている。即ち、吐出時の流路抵抗を下げるために、ラジアル側吐出ポート9がこのような位置に設けられている。
しかしながら、ラジアル側吐出ポート9が吐出口4に対向する位置に設けられているために、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側吐出ポート9を介して下流側へ漏れてしまうという問題がある。
そこで、本実施形態のスクリュ圧縮機1は、フランジ部2aに取り付けられる吸気側遮音部材11、および、フランジ部2bに取り付けられる吐出側遮音部材21をそれぞれ有している。
吸気側遮音部材11は、上面図である図5(a)、側面図である図5(b)、および、図5(a)のF−F断面図である図5(c)に示すように、中央に開口12aを有するフランジ12と、フランジ12の開口端に一端がそれぞれ接続されて開口12aを挟んで対向する一対のサポート部材13とを有している。吸気側遮音部材11は、厚さが5mm程度の鋼板等で形成されている。一対のサポート部材13の各々は、開口12aの湾曲形状に沿って湾曲されているとともに、他端側が傾斜した形状にされている。一対のサポート部材13は、吸込口3からケーシング2内に挿入される(図2参照)。また、フランジ12のサポート部材13側の面12bは、サポート部材13がケーシング2内に挿入された際に、フランジ部2aの上流側端面に当接する(図2参照)。
また、吸気側遮音部材11は、一対のサポート部材13の他端間に固定された吸気側遮音板(遮音板)14を有している。この吸気側遮音板14は、厚さが5mm程度の鋼板等からなり、図5(a)に示されるように、開口12aから直視可能な範囲の一部を覆っている。
このような構成において、吸気側遮音部材11は、図2に示すように、サポート部材13が吸込口3からケーシング2内に挿入されるようにして、フランジ部2aに取り付けられる。吸気側遮音部材11がフランジ部2aに取り付けられると、フランジ12の開口12aが吸込口3に連通する。また、一対のサポート部材13で支持された吸気側遮音板14がラジアル側吸気ポート8と吸込口3との間に配置される。これにより、ラジアル側吸気ポート8は、吸込口3から直視できないように吸気側遮音板14で覆われる。
スクリュ圧縮機1を吸込口3の中心軸D方向から見た側面図である図6に示すように、ラジアル側吸気ポート8と吸込口3との間に配置された吸気側遮音板14でラジアル側吸気ポート8が覆われることで、吸込口3からラジアル側吸気ポート8を直視できなくなる。このように、吸気側遮音板14でラジアル側吸気ポート8を覆うことで、ラジアル側吸気ポート8から放射された騒音が吸気側遮音板14にぶつかるので、騒音が吸込口3に向かって直進するのが阻害される。これにより、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側吸気ポート8を介して上流側に漏れるのを低減させることができる。
また、吸気側遮音部材11による放射音への対策においては、ラジアル側吸気ポート8の面積や形状を変更する必要がない。よって、スクリュ圧縮機1の性能を維持することができる。
また、吸気側遮音板14を、吸込口3からラジアル側吸気ポート8に向かって挿入した一対のサポート部材13で支持することで、吸気側遮音板14を支持するための作業をラジアル側吸気ポート8付近で行なわなくて済む。これにより、吸込口3とラジアル側吸気ポート8との位置関係が変化して、吸込口3から挿入した工具をラジアル側吸気ポート8付近で使用することができなくなるなど、ラジアル側吸気ポート8付近での作業が困難になった場合においても、吸気側遮音板14を容易に設置することができる。
また、サポート部材13を取り外すことで、ラジアル側吸気ポート8が吸気側遮音板14で覆われなくなるので、ラジアル側吸気ポート8を介してロータ6,7の検査を好適に実施することができる。
また、吐出側遮音部材21は、吸気側遮音部材11と同様の構成をしており、フランジ22と、一対のサポート部材23と、吐出側遮音板(遮音板)24とを有している。吐出側遮音部材21は、図3に示すように、サポート部材23が吐出口4からケーシング2内に挿入されるようにして、フランジ部2bに取り付けられる。吐出側遮音部材21がフランジ部2bに取り付けられると、フランジ22の開口22aが吐出口4に連通する。また、一対のサポート部材23で支持された吐出側遮音板24がラジアル側吐出ポート9と吐出口4との間に配置される。これにより、ラジアル側吐出ポート9は、吐出口4から直視できないように吐出側遮音板24で覆われる。
スクリュ圧縮機1を吐出口4の中心軸E方向から見た側面図である図7に示すように、ラジアル側吐出ポート9と吐出口4との間に配置された吐出側遮音板24でラジアル側吐出ポート9が覆われることで、吐出口4からラジアル側吐出ポート9を直視できなくなる。このように、吐出側遮音板24でラジアル側吐出ポート9を覆うことで、ラジアル側吐出ポート9から放射された騒音が吐出側遮音板24にぶつかるので、騒音が吐出口4に向かって直進するのが阻害される。これにより、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側吐出ポート9を介して下流側に漏れるのを低減させることができる。
また、吐出側遮音部材21による放射音への対策においては、ラジアル側吐出ポート9の面積や形状を変更する必要がない。よって、スクリュ圧縮機1の性能を維持することができる。
また、吐出側遮音板24を、吐出口4からラジアル側吐出ポート9に向かって挿入した一対のサポート部材23で支持することで、吐出側遮音板24を支持するための作業をラジアル側吐出ポート9付近で行なわなくて済む。これにより、吐出口4とラジアル側吐出ポート9との位置関係が変化して、吐出口4から挿入した工具をラジアル側吐出ポート9付近で使用することができなくなるなど、ラジアル側吐出ポート9付近での作業が困難になった場合においても、吐出側遮音板24を容易に設置することができる。
(音圧レベル評価)
次に、ラジアル側吸気ポート8を吸気側遮音板14で覆った場合と覆わない場合とで、吸込口3における音圧レベルを解析により評価した。この解析は、大気圧の空気を用いて、ラジアル側吸気ポート8とアキシャル側吸気ポートにおいて加振することで行った。その結果を図8に示す。ラジアル側吸気ポート8を吸気側遮音板14で覆った場合、ラジアル側吸気ポート8を覆わない場合に比べて、吸込口3側で問題となる1600Hz以上の高周波帯域において、音圧レベルの低下がみられた。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るスクリュ圧縮機1によると、吸込口3からラジアル側吸気ポート8を直視できないようにラジアル側吸気ポート8を覆う吸気側遮音板14を、ラジアル側吸気ポート8と吸込口3との間に配置する。吸気側遮音板14でラジアル側吸気ポート8を覆うことで、ラジアル側吸気ポート8から放射された騒音が吸気側遮音板14にぶつかるので、騒音が吸込口3に向かって直進するのが阻害される。これにより、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側吸気ポート8を介して上流側に漏れるのを低減させることができる。よって、従来よりも吸音機構や放射音対策を簡素なものにできて、コストを低減させることができる。これにより、コストの上昇を抑えながら、ラジアル側吸気ポート8を介して上流側へ漏れる騒音を低減させることができる。また、ラジアル側吸気ポート8の面積や形状を変更しないので、スクリュ圧縮機1の性能を維持することができる。
また、吸気側遮音板14を、吸込口3からラジアル側吸気ポート8に向かって挿入したサポート部材13で支持することで、吸気側遮音板14を支持するための作業をラジアル側吸気ポート8付近で行なわなくて済む。これにより、吸込口3とラジアル側吸気ポート8との位置関係が変化して、吸込口3から挿入した工具をラジアル側吸気ポート8付近で使用することができなくなるなど、ラジアル側吸気ポート8付近での作業が困難になった場合においても、吸気側遮音板14を容易に設置することができる。また、サポート部材13を取り外すことで、ラジアル側吸気ポート8が吸気側遮音板14で覆われなくなるので、ラジアル側吸気ポート8を介してロータ6,7の検査を好適に実施することができる。
また、吐出口4からラジアル側吐出ポート9を直視できないようにラジアル側吐出ポート9を覆う吐出側遮音板24を、ラジアル側吐出ポート9と吐出口4との間に配置する。吐出側遮音板24でラジアル側吐出ポート9を覆うことで、ラジアル側吐出ポート9から放射された騒音が吐出側遮音板24にぶつかるので、騒音が吐出口4に向かって直進するのが阻害される。これにより、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側吐出ポート9を介して下流側に漏れるのを低減させることができる。よって、従来よりも吸音機構や放射音対策を簡素なものにできて、コストを低減させることができる。これにより、コストの上昇を抑えながら、ラジアル側吐出ポート9を介して下流側へ漏れる騒音を低減させることができる。また、ラジアル側吐出ポート9の面積や形状を変更しないので、スクリュ圧縮機1の性能を維持することができる。
また、吐出側遮音板24を、吐出口4からラジアル側吐出ポート9に向かって挿入したサポート部材23で支持することで、吐出側遮音板24を支持するための作業をラジアル側吐出ポート9付近で行なわなくて済む。これにより、吐出口4とラジアル側吐出ポート9との位置関係が変化して、吐出口4から挿入した工具をラジアル側吐出ポート9付近で使用することができなくなるなど、ラジアル側吐出ポート9付近での作業が困難になった場合においても、吐出側遮音板24を容易に設置することができる。
[第2実施形態]
(スクリュ圧縮機の構成)
次に、本発明の第2実施形態に係るスクリュ圧縮機201について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。本実施形態のスクリュ圧縮機201が第1実施形態のスクリュ圧縮機1と異なる点は、図1のA−A断面図である図9に示すように、吸気側遮音部材211が備える吸気側遮音板214のラジアル側吸気ポート8側に、吸音機構217が設けられている点である。
吸気側遮音部材211が備えるフランジ212は、フランジ部2aの上流側端面に当接されている。また、吸気側遮音部材211が備える一対のサポート部材213の間には、吸込口3側からラジアル側吸気ポート8側に向かって、吸気側遮音板214と多孔板215とがこの順番でそれぞれ固定されている。ここで、一対のサポート部材213は、第1実施形態のサポート部材13のように、ラジアル側吸気ポート8側が傾斜されていない。そのため、吸気側遮音板214は、フランジ212に対して平行に固定されているとともに、多孔板215は、一対のサポート部材213のラジアル側吸気ポート8側の端部において、フランジ212に対して平行に固定されている。
多孔板215は、多数の貫通孔を有している。本実施形態において、多孔板215は、アルミニウム製であり、板厚が0.3mm、貫通孔の孔径が0.5mmである。なお、多孔板215は、貫通孔の孔径が3mm以下で開口率が3%以下であることが好ましい。吸気側遮音板214と多孔板215との間の空間は、空気層216となっている。吸気側遮音板214と多孔板215と空気層216とによって、吸音機構217が構成されている。
このような構成において、ラジアル側吸気ポート8から放射された騒音が多孔板215の多数の貫通孔の中で往復運動する際に、粘性減衰作用により空気振動(音)が熱エネルギーへと変換される。これにより、音波が吸音される。よって、ラジアル側吸気ポート8から放射される騒音そのものを小さくすることができるので、ラジアル側吸気ポート8を介して上流側に漏れる騒音を一層低減させることができる。
なお、多孔板215を設けずに、吸気側遮音板214に多数の貫通孔を設けて吸音してもよい。また、スチールウールなどの多孔質材料を吸気側遮音板214のラジアル側吸気ポート8側に設けて吸音してもよい。この場合、多孔質材料が飛散してロータ室5内に侵入しないように、多孔質材料をパンチングメタルで覆うのが好ましい。
また、フランジ部2bに取り付けられた吐出側遮音部材221が備える吐出側遮音板のラジアル側吐出ポート9側に、同様の構成の吸音機構が設けられていてもよい。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るスクリュ圧縮機201によると、吸気側遮音板214のラジアル側吸気ポート8側に吸音機構217を設けることで、ラジアル側吸気ポート8から放射される騒音そのものを小さくすることができる。これにより、ラジアル側吸気ポート8を介して上流側に漏れる騒音を一層低減させることができる。
[第3実施形態]
(スクリュ圧縮機の構成)
次に、本発明の第3実施形態に係るスクリュ圧縮機301について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。本実施形態のスクリュ圧縮機301が第1実施形態のスクリュ圧縮機1と異なる点は、スクリュ圧縮機301を吸込口3の中心軸D方向から見た側面図である図10に示すように、吸気側遮音板314がラジアル側吸気ポート8の開口形状と同様の形状をしている点である。
図10のG−G断面図である図11に示すように、吸気側遮音部材311は、中央に開口12aを有するフランジ312と、フランジ312の開口端に一端が接続されたサポート部材313と、サポート部材313により片持ち支持された吸気側遮音板314とを有している。吸気側遮音板314は、吸込口3の中心軸D方向から見たラジアル側吸気ポート8の開口形状と同様の形状をしている。
図10に示すように、ラジアル側吸気ポート8と吸込口3との間に配置された吸気側遮音板314によって、吸込口3からラジアル側吸気ポート8を直視できないようにラジアル側吸気ポート8が覆われている。そのため、ラジアル側吸気ポート8から放射された騒音が吸込口3に向かって直進するのが阻害される。これにより、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側吸気ポート8を介して上流側に漏れるのを低減させることができる。
なお、フランジ部2bに取り付けられた吐出側遮音部材321が備える吐出側遮音板が、吐出口4の中心軸E方向から見たラジアル側吐出ポート9の開口形状と同様の形状をしていてもよい。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るスクリュ圧縮機301によると、第1実施形態のスクリュ圧縮機1と同様の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
(スクリュ圧縮機の構成)
次に、本発明の第4実施形態に係るスクリュ圧縮機401について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。本実施形態のスクリュ圧縮機401が第1実施形態のスクリュ圧縮機1と異なる点は、スクリュ圧縮機401を吸込口3の中心軸D方向から見た側面図である図12に示すように、吸気側遮音板414がケーシング2に一体に形成されている点である。
図12のH−H断面図である図13に示すように、吸気側遮音板414は、ロータ室5を形成する壁面に接続する脚部414aで支持されて、ラジアル側吸気ポート8と吸込口3との間に配置されている。吸気側遮音板414とラジアル側吸気ポート8との間には、流体が流通する流路418が形成されている。
図12に示すように、ラジアル側吸気ポート8と吸込口3との間に配置された吸気側遮音板414によって、後述する穴414bの部分を除いて、吸込口3からラジアル側吸気ポート8を直視できないようにラジアル側吸気ポート8が覆われている。そのため、ラジアル側吸気ポート8から放射された騒音が吸込口3に向かって直進するのが阻害される。これにより、圧縮時に発生する騒音の直達音がラジアル側吸気ポート8を介して上流側に漏れるのを低減させることができる。
また、吸気側遮音板414には穴414bが設けられている。この穴414bは、吸込口3からロータ室5内を直視できる位置に設けられている。よって、吸込口3からの目視により一対のロータ6,7の検査を行うことができる。
なお、吸気側遮音板414と同様に、吐出側遮音板がケーシング2に一体に形成されていてもよい。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、吸気側遮音板と吐出側遮音板とがそれぞれ設けられた構成に限定されず、どちらか一方のみが設けられた構成であってもよい。
1,201,301,401 スクリュ圧縮機
2 ケーシング
2a,2b フランジ部
3 吸込口
4 吐出口
5 ロータ室
6,7 ロータ
8 ラジアル側吸気ポート(ポート)
9 ラジアル側吐出ポート(ポート)
11,211,311 吸気側遮音部材
12,212,312 フランジ
13,213,313 サポート部材
14,214,314,414 吸気側遮音板(遮音板)
21,221,321 吐出側遮音部材
22 フランジ
23 サポート部材
24 吐出側遮音板(遮音板)
215 多孔板
216 空気層
217 吸音機構
418 流路

Claims (4)

  1. 吸込口から吸い込んだ流体を圧縮して吐出口から吐出するスクリュ圧縮機において、
    一対のロータと、
    前記一対のロータを収容するロータ室、および、前記吸込口または前記吐出口である開口と前記ロータ室とを連通させるポートが形成されたケーシングと、
    を有し、
    前記開口は、前記一対のロータのラジアル側に設けられているとともに、前記ポートは、前記開口に対向する位置に設けられており、
    前記開口から前記ポートを直視できないように前記ポートを覆う遮音板が、前記ポートと前記開口との間に配置されており、
    前記遮音板は、前記開口から前記遮音板まで延びたサポート部材と、前記サポート部材に接続されて、前記ケーシングにおける前記開口の周縁部に外側から当接するフランジと、によって、前記開口から出し入れ自在に支持されていることを特徴とするスクリュ圧縮機。
  2. 前記開口は前記吸込口であり、
    前記ポートは、前記吸込口と前記ロータ室とを連通させる吸気ポートであることを特徴とする請求項1に記載のスクリュ圧縮機。
  3. 前記開口は前記吐出口であり、
    前記ポートは、前記吐出口と前記ロータ室とを連通させる吐出ポートであることを特徴とする請求項1に記載のスクリュ圧縮機。
  4. 前記遮音板の前記ポート側に吸音機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のスクリュ圧縮機。
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