JP6100498B2 - 抹茶含有食品を製造する方法及び抹茶を含有する食品 - Google Patents

抹茶含有食品を製造する方法及び抹茶を含有する食品 Download PDF

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本発明は、抹茶含有食品を製造する方法及び抹茶を含有する食品に関する。
抹茶は様々な加工食品、特に和菓子及び洋菓子、の製造において広く用いられている。抹茶はより特には、生和菓子及び生洋菓子の製造において用いられる。
しかし、抹茶の色は退色しやすい。抹茶の色は、特に光、熱、pH、及び共存イオンの影響を受けやすい。抹茶を食品加工に用いた場合、抹茶の色はくすみ、そして緑色から黄緑色又は褐色に変化する。
下記特許文献1は、「銅イオン水と、乾燥茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態の液茶であり、且つ、含有されている銅イオン量が把握されたものであることを特徴とする緑色発色を維持した茶加工品。」(請求項1)を記載する。
下記特許文献2は、「抗酸化物質を含有する抹茶の分散液を乾燥することによって得られる、水分含量が15質量%以下の抹茶組成物。」(請求項1)を記載し、「抗酸化物質を含有する抹茶の分散液を乾燥することによって得られる抹茶組成物が、抹茶の退色および変色防止効果に優れること」(段落0007)を記載する。
特開2011−147347号公報 特開2006−217856号公報
上記特許文献1及び2に記載されるとおり、銅イオン及び有機酸により抹茶の退色を防止することは知られていた。しかし、銅イオン及び有機酸は抹茶の風味並びに食品の色及び味に影響を及ぼす。従って、銅イオン及び有機酸を用いることのできる食品は限定されていた。
本発明は、抹茶色の良い発色を有する抹茶含有食品を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、甘味料であるイソマルツロースが抹茶含有食品の抹茶色の発色を改善することを発見した。
本発明は、抹茶含有食品を製造する方法を提供する。当該方法は、食品に、抹茶及びイソマルツロースを同時に又は別々に添加する工程を含み、且つ、イソマルツロースの質量が抹茶の質量と少なくとも同じである
また、本発明は、抹茶及びイソマルツロースを含有する食品を提供する。当該食品において、イソマルツロースの含有量が、抹茶の含有量と少なくとも同じである。
また、本発明は、抹茶と当該抹茶の質量と少なくとも同じ質量のイソマルツロースとを含む抹茶組成物を提供する。
本発明において、イソマルツロースは、抹茶含有食品の抹茶色の発色を改善しつつ、抹茶の風味に影響を与えない。イソマルツロースは甘味料であるのでイソマルツロースの添加により食品の甘味度が増加するが、当該増加した甘味度は他の甘味料を減らすことにより適宜調節できる。従って、本発明により、抹茶の風味並びに食品の色及び味に影響を与えること無く、抹茶の食品加工における退色を防止することができる。以上のとおり、イソマルツロースは、抹茶の風味並びに食品の色及び味に影響を与えないので、幅広い抹茶含有食品において用いられうる。
本発明の製造方法により得られた抹茶含有食品及び本発明の抹茶含有食品は、砂糖のみを含有する抹茶含有食品と比べて、改善された抹茶色の発色を有する。さらに、本発明によって、抹茶色の食品加工による退色が防止される。また、本発明の抹茶組成物を添加した食品において、抹茶色の良い発色が得られる。
抹茶蒸しパンの写真である。
本発明において「イソマルツロース(isomaltulose)」とは、グルコースがフラクトースにα-1,6-グルコシル結合することによって構成された二糖をいう。イソマルツロースはパラチノース(palatinose)(登録商標)とも呼ばれる。以下本明細書において、イソマルツロースをパラチノースともいう。本発明において、イソマルツロースとして、例えば結晶パラチノース(商標)IC(三井製糖株式会社、イソマルツロース純度99.0%以上)を用いることができる。また、本発明において、イソマルツロースとして、酵素α-グルコシルトランスフェラーゼをショ糖液に作用させて得られたイソマルツロース含有糖液又は当該糖液を固形化した固形物を用いることもできる。当該イソマルツロース含有糖液として、パラチノースシロップ(商品名 パラチノースシロップ−ISN又は−TN、三井製糖株式会社製)を挙げることができる。当該イソマルツロース含有糖液又は当該固形物は、例えば特開2012−179045号公報に記載されたものであってもよい。当該イソマルツロース含有糖液又は当該固形物を用いる場合は、当該イソマルツロース含有糖液又は当該固形物中のイソマルツロース含有割合を考慮して、当該糖液又は当該固形物の添加量が決定される。
本発明において「抹茶」とは、茶の新芽を蒸したものを乾燥させ、当該乾燥させた碾茶を挽いて粉末にしたものであればよいが、これに限定されない。例えば、市販の抹茶を本発明において用いることができる。
本発明の製造方法は、食品に、抹茶及びイソマルツロースを同時に又は別々に添加する工程を含む。当該食品は、例えば以下で述べる菓子類又は当該菓子類の材料でありうる。当該菓子類の材料としては、蒸しパン生地、アイスクリーム生地、牛乳、卵、羊羹、生クリーム、バター、プリン生地、水、キャラメル、パウンドケーキ生地などが挙げられるが、これらに限定されない。上記別々に添加とは、抹茶を添加した後にイソマルツロースが添加すること、及びイソマルツロースを添加した後に抹茶を添加することを意味する。また、抹茶の添加とイソマルツロースの添加の間に、他の作業が行なわれてもよい。
当該工程によって、砂糖を添加された場合と比べて、得られる抹茶含有食品の抹茶色の発色が改善される。本発明において、抹茶含有食品の発色の改善は、下記実施例1に記載されたとおり、色彩色差計を用いてL*値、a*値、及びb*値を測定することにより判断される。色彩色差計としてCR-400(コニカミノルタセンシング株式会社)を挙げることができる。これらの値のうち、a*値が低ければ低いほど緑色が強く、鮮やかである。本発明において発色の改善とは、イソマルツロースを含む食品のa*値が、当該食品中のイソマルツロースが同質量の砂糖に置き換えられた食品のa*値と比較して、0.02以上低いこと、好ましくは0.03以上低いこと、より好ましくは0.04以上低いことをいう。
本発明の製造方法において、添加されるイソマルツロースの質量は、添加される抹茶の質量と少なくとも同じであり、好ましくは添加される抹茶の質量に対して少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、さらにより好ましくは少なくとも4倍の質量である。イソマルツロースの添加量が少なすぎる場合、抹茶の発色が十分に改善されない場合がある。また、イソマルツロースの量の上限は、食品の種類によって適宜設定されるものであるが、例えば添加される抹茶質量に対して最大で300倍、最大で250倍、又は最大で200倍である。本発明において、イソマルツロースの質量は、無水物として計算される。
本発明の製造方法はさらに、上記抹茶及びイソマルツロースが添加された食品を混合する工程を含みうる。当該抹茶及びイソマルツロースが添加された食品は、例えば、上記食品又は当該食品の製造工程の中間段階のもの又は当該食品の原料でありうる。当該混合により、イソマルツロース及び抹茶の食品中での均一な分散が確保される。また、当該混合の結果イソマルツロースの全部又は一部が溶解することによって、より好ましい発色が得られる。当該混合は、へら又はミキサーなどの任意の調理器具により行なわれうる。
本発明の製造方法はさらに、上記抹茶及びイソマルツロースが添加された食品を加熱する工程を含みうる。当該加熱の結果、イソマルツロースの全部又は一部が溶解することによって、より好ましい発色が得られる。当該加熱は、当業者に既知の任意の手段により行なわれうるが、イソマルツロースが分解されない温度で加熱されることが好ましい。当該加熱温度は、例えば30〜200℃、好ましくは50〜190℃、より好ましくは70〜180℃である。
本発明はまた、抹茶及びイソマルツロースを含有する食品を提供する。当該食品は、イソマルツロースの含有量が、前記抹茶の質量と少なくとも同じであり、好ましくは前記抹茶の質量に対して少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、さらにより好ましくは少なくとも4倍である。イソマルツロースの含有量が少なすぎる場合、抹茶の発色が十分に改善されない場合がある。また、イソマルツロースの含有量の上限は、食品の種類によって適宜設定されるものであるが、例えば抹茶質量に対して最大で300倍、最大で250倍、又は最大で200倍である。本発明において、イソマルツロースの含有量は、無水物として計算される。具体的には、イソマルツロースの結晶水5質量%分を差し引いた質量をイソマルツロースの質量とする。
本発明の食品中のイソマルツロース含有量は、特定保健用食品試験検査マニュアル(最終版)(財団法人日本健康・栄養食品協会編集、平成11年2月10日発行)の第127〜139頁に記載された方法により測定される。
本発明の製造方法により得られる食品及び本発明の食品として、菓子類、特には洋菓子又は和菓子など、が挙げられるが、これらに限定されない。和菓子としては、羊羹や錦玉などの棹菓子、蒸し菓子(饅頭)、大福もち及びすあまなどの餅菓子、くず桜、鹿の子、最中などの生菓子、どら焼きや栗饅頭のような焼き物菓子、落雁やおこしのような干菓子などが挙げられるがこれらに限定されない。洋菓子としては、カステラ、スポンジケーキ、バターケーキ、シュー菓子、イーストドーナツ、パイ、ワッフル、チョコレート、ビスケット、パン、及びクラッカーのような焼き菓子、抹茶生クリーム及び抹茶プリンなどの洋生菓子、並びに、抹茶アイスクリーム及び氷菓が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明はまた、抹茶と当該抹茶の質量と少なくとも同じ質量のイソマルツロースとを含む抹茶組成物を提供する。イソマルツロースの質量の好ましい範囲は、上記で述べたとおりである。当該抹茶組成物は、食品に抹茶色を付加する為に用いられうる。当該抹茶組成物を添加された食品は、抹茶色の発色を有し、当該抹茶色の退色が起こりにくい。当該組成物は、例えば抹茶とイソマルツロースとの混合粉末又は当該混合粉末を任意の形状に固めたものでありうる。
(抹茶含有蒸しパンの製造)
蒸しパン製造の為の材料を以下の表1に示す量で用意した。
全卵及び牛乳を混合した。当該混合物に抹茶を添加し、さらに混合した。次に、糖及びパラチノースICを添加し、さらに混合した。次に、篩った薄力粉及びベーキングパウダーを加え、これらの粉が見えなくなるまで泡だて器でさらに混合した。次に、サラダ油を添加し、さらに混合した。得られた混合物を50gずつカップにとり、15分間強火で蒸して、抹茶含有蒸しパン(以下、実施例1の蒸しパンという)を得た。上記配合において、パラチノースICは5質量%が水分であるので、イソマルツロースの質量は30.6gである。イソマルツロース質量は、抹茶の質量の5.8倍である。
(比較例1)
実施例1における材料のうち、グラニュー糖91.9g及びパラチノースIC32.1gに代えてグラニュー糖122.5gを用いた以外は、実施例1と同じ方法で抹茶含有蒸しパン(以下、比較例1の蒸しパンという)を製造した。なお、実施例1で用いたパラチノースICは5質量%が水であるとして、実施例1及び比較例1の糖質の量が同じになるように、糖質の量を調整した(当該調整は、以下の比較例でも行なわれた)。
(試験例1)
実施例1の蒸しパン及び比較例1の蒸しパンについて、L*a*b*測定を行なった。当該測定は色彩色差計(コニカミノルタセンシング株式会社、CR-400)を用いて、製造者の指示に従い行なわれた。測定結果を以下の表2に示す。
表2に示されるとおり、実施例1の蒸しパンのa*値は、比較例1の蒸しパンのa*値よりも低い。L*a*b*表色系において、a*値が低いほど緑色が強いことを意味する。すなわち、実施例1の蒸しパンは、比較例1の蒸しパンよりも緑色が鮮やかである。
また、実施例1の蒸しパン及び比較例1の蒸しパンの写真を図1に示す。図1に示されるとおり、実施例1の蒸しパンは、比較例1の蒸しパンよりも緑色が鮮やかである。
(抹茶アイスの製造)
抹茶アイス製造の為の材料を以下の表3に示す量で用意した。
篩った抹茶と糖質(グラニュー糖及びパラチノースIC)とを混合した。次に、卵黄及び牛乳を別途混合した。上記抹茶及び糖質との混合物を、卵黄及び牛乳の混合物に添加し、沸騰直前まで混合しながら加熱した。当該加熱した液を漉して、冷却した。当該冷却された液をアイスクリーマーで処理し、抹茶アイス(実施例2のアイス)を得た。上記配合において、パラチノースICは5質量%が水分であるので、イソマルツロースの質量は40gである。イソマルツロース質量は、抹茶の質量の8倍である。
(比較例2)
実施例2における材料のうち、グラニュー糖40g及びパラチノースIC42gに代えてグラニュー糖80gを用いた以外は、実施例2と同じ方法で抹茶アイス(以下、比較例2のアイスという)を製造した。
(試験例2)
実施例2のアイス及び比較例2のアイスについて、上記試験例1と同様に、L*a*b*測定を行なった。測定結果を以下の表4に示す。
表4に示されるとおり、実施例2のアイスのa*値は、比較例2のアイスのa*値よりも低い。すなわち、実施例2のアイスは、比較例2のアイスよりも緑色が鮮やかである。
(抹茶羊羹の製造)
抹茶羊羹製造の為の材料を以下の表5に示す量で用意した。
寒天及び水を鍋に入れ、15分間加熱して沸騰させ、寒天を溶かした。鍋を一旦火から下ろして、糖、白生餡、及び水飴を加えて混合し、混合物が500gになるまで煮詰めた。煮詰めたものに、抹茶(お湯で溶解したもの)を加え、全量が520gになるまでさらに煮詰めた。煮詰めたものを容器に充填し、冷却して、抹茶羊羹(実施例3の羊羹)を得た。上記配合において、パラチノースICは5質量%が水分であるので、イソマルツロースの質量は255gである。イソマルツロース質量は、抹茶の質量の85倍である。
(比較例3)
実施例3における材料のうち、パラチノースIC267.8gに代えてグラニュー糖255gを用いた以外は、実施例3と同じ方法で抹茶羊羹(以下、比較例3の羊羹という)を製造した。
(試験例3)
実施例3の羊羹及び比較例3の羊羹について、上記試験例1と同様に、L*a*b*測定を行なった。測定結果を以下の表6に示す。
表6に示されるとおり、実施例3の羊羹のa*値は、比較例3の羊羹のa*値よりも低い。すなわち、実施例3の羊羹は、比較例3の羊羹よりも緑色が鮮やかである。
(抹茶ホイップクリームの製造)
抹茶ホイップクリーム製造の為の材料を以下の表7に示す量で用意した。
表7に示される材料を混合し、泡だて器で泡立てて、抹茶ホイップクリーム(以下、実施例4のホイップクリームという)を得た。上記配合において、パラチノースICは5質量%が水分であるので、イソマルツロースの質量は16gである。イソマルツロース質量は、抹茶の質量の2倍である。
(比較例4)
実施例4における材料のうち、パラチノースIC16.8gに代えてグラニュー糖16gとした以外は、実施例4と同じ方法で抹茶ホイップクリーム(以下、比較例4−1のホイップクリームという)を製造した。また、実施例4における材料のうち、パラチノースIC16.8gに代えてトレハロース17.6gとした以外は、実施例4と同じ方法で抹茶ホイップクリーム(以下、比較例4−2のホイップクリームという)を製造した。比較例4−2の配合において用いたトレハロースは10質量%が水分であるので、トレハロースそのものの質量は16gである。
(試験例4)
実施例4のホイップクリーム及び比較例4−1及び4−2のホイップクリームについて、上記試験例1と同様に、L*a*b*測定を行なった。測定結果を以下の表8に示す。
表8に示されるとおり、実施例4のホイップクリームのa*値は、比較例4−1及び4−2のホイップクリームのa*値よりも低い。すなわち、実施例4のホイップクリームは、比較例4−1及び4−2のホイップクリームよりも緑色が鮮やかである。
(抹茶バタークリームの製造)
抹茶バタークリーム製造の為の材料を以下の表9に示す量で用意した。
パラチノースICを粉砕し、抹茶と混合し、熱湯で溶かした。別途、バターをクリーム状になるまで混ぜた。別途、卵白を角が立つメレンゲにした。上記パラチノースと抹茶とを溶かした液とメレンゲとを、メレンゲの泡を潰さないように混ぜ合わせた。当該混合物に、上記クリーム状バターを少量ずつ加えて混ぜ合わせて、抹茶バタークリーム(実施例5のバタークリーム)を得た。上記配合において、パラチノースICは5質量%が水分であるので、イソマルツロースの質量は20gである。イソマルツロース質量は、抹茶の質量の8倍である。
(比較例5)
実施例5における材料のうち、パラチノースIC21gに代えてグラニュー糖20gを用いた以外は、実施例5と同じ方法で抹茶バタークリーム(以下、比較例5のバタークリームという)を製造した。
(試験例5)
実施例5のバタークリーム及び比較例5のバタークリームについて、上記試験例1と同様に、L*a*b*測定を行なった。測定結果を以下の表10に示す。
表10に示されるとおり、実施例5のバタークリームのa*値は、比較例4のバタークリームのa*値よりも低い。すなわち、実施例4のバタークリームは、比較例5のバタークリームよりも緑色が鮮やかである。
(抹茶プリンの製造)
抹茶プリン製造の為の材料を以下の表11に示す量で用意した。
牛乳と生クリームを混合し、60℃に加熱した。別途、ゲル化剤、抹茶、及びパラチノースICをよく混ぜ、さらに水を加えて混ぜた後、火にかけた。上記60℃に加熱した牛乳及び生クリームの混合物を上記ゲル化剤含有液に加えて、全量が300gになるまで煮詰めた。煮詰めた液を容器に充填し、冷却して、抹茶プリン(以下、実施例6のプリンという)を得た。上記配合において、パラチノースICは5質量%が水分であるので、イソマルツロースの質量は15.3gである。イソマルツロース質量は、抹茶の質量の4.25倍である。
(比較例6)
実施例6における材料のうち、グラニュー糖35.7g及びパラチノースIC16.1gに代えてグラニュー糖51gを用いた以外は、実施例6と同じ方法で抹茶プリン(以下、比較例6のプリンという)を製造した。
(試験例6)
実施例6のプリン及び比較例6のプリンについて、上記試験例1と同様に、L*a*b*測定を行なった。測定結果を以下の表12に示す。
表12に示されるとおり、実施例6のプリンのa*値は、比較例6のプリンのa*値よりも低い。すなわち、実施例6のプリンは、比較例6のプリンよりも緑色が鮮やかである。
(抹茶プリンの製造(トレハロース及び異性化糖との比較))
抹茶プリン製造の為の材料を以下の表13に示す量で用意した。
実施例6に記載された手順で、プリン(以下、実施例7のプリンという)を製造した。上記配合において、パラチノースICは5質量%が水分であるので、イソマルツロースの質量は15.3gである。イソマルツロース質量は、抹茶の質量の4.25倍である。
(比較例7)
実施例7における材料のうち、グラニュー糖35.7g及びパラチノースIC16.1gに代えてグラニュー糖51gを用いた以外は、実施例7と同じ方法で抹茶プリン(以下、比較例7−1のプリンという)を製造した。また、実施例7における材料のうち、パラチノースIC16.1gに代えてトレハロース16.8gを用いた以外は、実施例7と同じ方法で抹茶プリン(以下、比較例7−2のプリンという)を製造した。また、実施例7における材料のうち、パラチノースIC16.1gに代えて異性化糖20.4gを用いた以外は、実施例7と同じ方法で抹茶プリン(以下、比較例7−3のプリンという)を製造した。なお、トレハロース及び異性化糖の量は、トレハロースの水分が10質量%及び異性化糖の水分が25質量%であるとして、実施例7における糖質の量とこれら比較例における糖質の量とが同じになるように調整された(以下の比較例9においても同じ)。すなわち、比較例7−2において用いたトレハロースの配合量(質量)は16.8gであるが、当該トレハロースは水分が10質量%であるので、添加されたトレハロースそのものの質量は15.3gである。比較例7−3において用いた異性化糖の配合量(質量)は20.4gであるが、当該異性化糖の固形分は75質量%(水分が25質量%)であるので、添加された異性化糖そのものの質量は15.3gである。また、比較例7−2及び7−3において、トレハロース及び異性化糖に含まれる水分量を差し引くために、添加される水の量(表13の最下行)を調整した。
(試験例7)
実施例7のプリン及び比較例7−1〜7〜3のプリンについて、上記試験例1と同様に、L*a*b*測定を行なった。測定結果を以下の表14に示す。
表14に示されるとおり、実施例7のプリンのa*値は、比較例7−1〜7〜3のプリンのa*値のいずれよりも低い。すなわち、実施例7のプリンは、比較例7−1〜7〜3のプリンよりも緑色が鮮やかである。
(抹茶キャラメルの製造)
抹茶キャラメル製造の為の材料を以下の表15に示す量で用意した。
抹茶をふるい、さらに糖(グラニュー糖とパラチノースICとの混合物)140gと合わせてふるった。牛乳及び生クリームを電子レンジ(700ワット)で2分間あたためた。鍋に残りの糖21gと水飴とを入れ、弱火で加熱した。糖が溶けたら、上記加熱した牛乳及び生クリームを加えた。さらに加熱し、沸騰したら、上記ふるった抹茶及び糖を加えた。さらに、中火で混ぜながら、全量が324gになるまで煮詰めた。煮詰めた液を、クッキングシートを敷いた型に流し、冷やし固めて、抹茶キャラメル(実施例8のキャラメル)を得た。上記配合において、パラチノースICは5質量%が水分であるので、イソマルツロースの質量は80.5gである。イソマルツロース質量は、抹茶の質量の4.6倍である。
(比較例8)
実施例8における材料のうち、グラニュー糖80.5g及びパラチノースIC84.5gに代えてグラニュー糖161gを用いた以外は、実施例8と同じ方法で抹茶キャラメル(以下、比較例8のキャラメルという)を製造した。
(試験例8)
実施例8のキャラメル及び比較例8のキャラメルについて、上記試験例1と同様に、L*a*b*測定を行なった。測定結果を以下の表16に示す。
表16に示されるとおり、実施例8のキャラメルのa*値は、比較例8のキャラメルのa*値よりも低い。すなわち、実施例8のキャラメルは、比較例8のキャラメルよりも緑色が鮮やかである。
(抹茶パウンドケーキの製造)
抹茶パウンドケーキ製造の為の材料を以下の表17に示す量で用意した。
バターに食塩を加え、クリーム状にした。薄力粉とベーキングパウダーとを合わせて篩い、上記クリーム状バターに加えてなめらかになるまで混ぜ合わせた。当該混合物に、糖(グラニュー糖及びパラチノースIC)を加え、さらに混ぜ合わせた。次に、全卵を半量程度加え、ミキシングした。次に、残りの卵を徐々に加え、ミキシングした。当該ミキシングの途中で、数回カキ落としを行なった。ミキシング後、牛乳を加え、抹茶20gを分量外の10gの水に分散させたものを添加してさらに混ぜ合わせた。得られたケーキ生地330gを、縦7.8×横18.0×高さ6.5cmのパウンド型に入れて、上火190℃及び下火185℃で35分間焼き上げた。上記配合において、パラチノースICは5質量%が水分であるので、イソマルツロースの質量は90gである。イソマルツロース質量は、抹茶の質量の4.5倍である。
(比較例9)
実施例9における材料のうち、グラニュー糖180g及びパラチノースIC94.5gに代えてグラニュー糖270gを用いた以外は、実施例9と同じ方法で抹茶パウンドケーキ(以下、比較例9−1のパウンドケーキという)を製造した。また、実施例9における材料のうち、パラチノースIC94.5gに代えてトレハロース99gを用いた以外は、実施例9と同じ方法で抹茶パウンドケーキ(以下、比較例9−2のパウンドケーキという)を製造した。また、実施例9における材料のうち、パラチノースIC94.5gに代えて異性化糖120gを用いた以外は、実施例9と同じ方法で抹茶パウンドケーキ(以下、比較例9−3のパウンドケーキという)を製造した。なお、比較例9−2において用いたトレハロースの配合量(質量)は99gであるが、当該トレハロースは水分が10質量%であるので、添加されたトレハロースそのものの質量は90gである。比較例9−3において用いた異性化糖の配合量(質量)は120gであるが、当該異性化糖の固形分は75質量%(水分が25質量%)であるので、添加された異性化糖そのものの質量は90gである。また、比較例9−2及び9−3において、トレハロース及び異性化糖に含まれる水分量を差し引くために、添加される全卵の量を調整した。
(試験例9)
実施例9のパウンドケーキ及び比較例9−1及び9−2のパウンドケーキについて、上記試験例1と同様に、L*a*b*測定を行なった。測定結果を以下の表18に示す。
表18に示されるとおり、実施例9のパウンドケーキのa*値は、比較例9−1及び9−2のパウンドケーキのa*値よりも低い。すなわち、実施例9のパウンドケーキは、比較例9−1及び9−2のパウンドケーキのいずれよりも緑色が鮮やかである。

Claims (8)

  1. 抹茶色の発色が改善された抹茶含有食品を製造する方法であって、食品に、抹茶及びイソマルツロースを同時に又は別々に添加する工程を含み、イソマルツロースの質量が抹茶の質量と少なくとも同じであり、前記抹茶含有食品が和菓子、ホイップリーム、バタークリーム、プリン、キャラメル、氷菓、又はアイスクリームであり、前記抹茶含有食品のa*値が当該抹茶含有食品中のイソマルツロースが同質量の砂糖に置き換えられた食品のa*値と比較して0.02以上低い場合に前記抹茶色の発色が改善されたとされ、前記a*値は色彩色差計を用いて測定されたものである、前記方法。
  2. イソマルツロースの質量が、前記抹茶の質量に対して少なくとも2倍である、請求項1に記載の方法。
  3. 抹茶及びイソマルツロースが添加された食品を混合する工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 抹茶及びイソマルツロースが添加された食品を加熱する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 抹茶色の発色が改善された抹茶含有食品であって、前記抹茶含有食品が抹茶及びイソマルツロースを含有し、イソマルツロースの含有量が抹茶の含有量と少なくとも同じであり、前記抹茶含有食品が和菓子、ホイップリーム、バタークリーム、プリン、キャラメル、氷菓、又はアイスクリームであり、前記抹茶含有食品のa*値が当該抹茶含有食品中のイソマルツロースが同質量の砂糖に置き換えられた食品のa*値と比較して0.02以上低い場合に前記抹茶色の発色が改善されたとされ、前記a*値は色彩色差計を用いて測定されたものである、前記食品。
  6. イソマルツロースの含有量が、前記抹茶の含有量に対して少なくとも2倍である、請求項5に記載の食品。
  7. 抹茶含有食品の抹茶色の発色を改善する為の抹茶組成物であって、抹茶と当該抹茶の質量と少なくとも同じ質量のイソマルツロースとを含み、前記抹茶組成物が抹茶とイソマルツロースとの混合粉末又は当該混合粉末を任意の形状に固めたものであり、前記抹茶含有食品のa*値が当該抹茶含有食品中のイソマルツロースが同質量の砂糖に置き換えられた食品のa*値と比較して0.02以上低い場合に前記抹茶色の発色が改善されたとされ、前記a*値は色彩色差計を用いて測定されたものである、前記抹茶組成物。
  8. イソマルツロースの質量が、前記抹茶の質量に対して少なくとも2倍である、請求項7に記載の組成物。
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