JP6100008B2 - 生体用インプラント - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤を封入し眼等の生体の所要部位に移植されて薬剤を徐放する生体用インプラント及びその薬剤放出濃度の調整方法に関する。
従来から、ヒトやそれ以外の動物の生体において、疾患のある生体の所要部位に、薬剤を封入した生体用インプラントを移植し、この生体用インプラントから薬剤を徐放して治療を行っている。例えば、生体の所要部位が眼部領域においては、その疾患として、多くの炎症性疾患や増殖性疾患、例えば、滲出型加齢性黄斑変性症(ARMD)、類嚢胞黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、ブドウ膜炎、網膜炎、脈絡膜炎、増殖性硝子体網膜症、増殖性糖尿病性網膜症等があり、これらを治療するために、徐放剤を封入した生体用インプラントが用いられている。
この種の生体用インプラントを用いて眼部領域を治療する方法としては、例えば、特表2007−535540号公報(特許文献1)に掲載された技術が知られている。これは、生体用インプラントを、薬剤としてデキサメタゾンのようなステロイド剤を生体分解性ポリマーに封入させて作成し、このインプラントを、患者の眼の硝子体等の領域に配置し、上記の眼疾患を治療する方法である。
また、この特許文献1記載の技術においては、インプラントの配置後、光活性剤を例えば静脈内に導入し、光活性剤を特に眼の患部内の血管内に局在させ、この状態で、患部にレーザ光を照射して光活性剤を活性化させ、患部自体の直接の治療も行っており、インプラントによる治療とレーザ光による治療とを併用している。
特表2007−535540号公報
しかしながら、上記従来の生体用インプラントにおいては、薬剤としてのステロイド剤の徐放により治癒効果はあるものの、一度、移植すると、眼部疾患の状態や生体個々の薬の効き具合に合わせてステロイド剤の放出濃度を調整することはできない。また、眼部領域の治療において、上記従来の技術で示されるようなレーザ光を用いる治療は、患部に直接照射されて、その治癒効果はあるが、ステロイド剤の放出濃度には寄与しない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、薬剤の放出濃度を容易に調節できるようにして生体の疾患の状態や生体個々の薬の効き具合に合わせた治療を行うことができるようにした生体用インプラントを提供することを目的とする。また、生体用インプラントのドラックデリバリーによる生体内の薬剤の放出濃度を調節することを容易にする薬剤放出濃度の調整方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、鋭意研究し、レーザ光を患部に照射するのではなく、生体用インプラントに対して照射することにより、インプラントの徐放機能を亢進させ、薬剤が飛散して周囲の薬剤の濃度を高めることを発案し、実証した。これにより、インプラントに封入された薬剤の適切な放出濃度を調整することができるようになる。本発明は、レーザ光を照射することにより、インプラントの徐放機能を亢進させ、薬剤が確実に飛散できるような生体用インプラントを提供するものである。
すなわち、本発明の生体用インプラントは、薬剤を封入し生体の所要部位に移植されて該薬剤を徐放する生体用インプラントにおいて、レーザ光の照射により上記薬剤の放出を亢進させる光活性剤を含有した構成としている。薬剤としては、例えば、抗炎症剤,抗生剤,抗癌剤,鎮痛剤等から1種もしくは2種以上選択されるが、これらに限定されない。
これにより、この生体用インプラントを用いるときは、これを生体の所要部位、例えば、レーザ光照射が可能な生体の皮膚や内部組織に移植する。そして、生体用インプラントのドラックデリバリーにより、生体内の組織や血液中に薬剤が徐放されていく。この過程において、適時に生体用インプラントにレーザ光を照射すると、インプラントには光活性剤が含有されているので、光活性剤がレーザ光からのエネルギーを吸収して薬剤の放出を亢進させ、その結果、生体のインプラント周囲に放出された薬剤の濃度が上昇する。そのため、例えば、レーザ光の照射強度,照射時間,照射回数等を調整することにより、生体内に放出される薬剤の放出濃度を調整することができ、疾患の状態や生体個々の薬の効き具合に合わせた治療を行うことができるようになる。
上記光活性剤として、例えば、ポルフィリン、ヘマトポルフィリン、ヘマトポルフィリン誘導体、フェオホルビド、フェオホルビド誘導体、ベンゾポルフィリン、ベンゾポルフィリン誘導体、バクテリオクロリン、プルプリン、メロシアニン、ポルフィセン、トリカルボシアニンの中から1種もしくは2種以上選択される構成としている。
この場合、上記トリカルボシアニンとして、インドシアニングリーンを選択したことが有効である。レーザ光を吸収し易くし、薬剤の放出を確実に行うことができる。
そして、本発明においては、上記生体の所要部位が眼の一部である構成としている。特に、上記生体の所要部位が眼の後眼部であることが有効である。眼の一部にインプラントを移植することは、眼科治療において有用であることは勿論のこと、眼以外の種々の疾患、例えば、全身の炎症性疾患、リウマチ、膠原病等にも有効である。即ち、薬物が眼の血液中に放出されるようになると、血液によって薬物が全身に搬送されるようになることから、血中の薬剤濃度を調整することができ、眼以外の全身疾患においても効果を奏することができる。
特に、眼において、インプラントの移植部位が後眼部であると、レーザ光を水晶体や硝子体を通してインプラントに至らしめることができ、そのため、インプラントの移植部位が眼以外の皮膚や内部組織である場合にはレーザ光を照射しにくいが、これに比較して、レーザ光をインプラントに照射し易い利点がある。また、眼底を見ることでインプラントの状態を視覚的に容易に把握することができる利点もある。更に、インプラントの移植により、逐一、薬剤を口から摂取しなくてもよいことから、例えば、痴呆で薬を飲むことができにくい人や、消化器が悪くて薬の摂取に障害がある人などには、極めて有効になる。
そしてまた、上記眼の一部が脈絡膜であることが有効である。本願発明者は、鋭意研究の結果、網膜や硝子体に薬剤を作用させるためには、網膜のすぐ隣にある脈絡膜から薬剤を徐放することが一層効果的であることを突き止め、脈絡膜へのインプラントの埋設を容易に行うための手術方法を開発し、先に、米国出願した(米国特許出願公開US2012/0172984号公報参照)。この手術方法は、後述もするが、眼球の硝子体ゲルを液化させた後、脈絡膜を露出させ、次いで硝子体液を吸引して硝子体内圧を低下させた後に、脈絡膜を接線方向に切開し、出血により脈絡膜を膨張させてスペースを作り、脈絡膜内にポケットを形成することで、脈絡膜へのインプラントの埋設を容易に行うことを可能にしている。
このように、生体用インプラントを脈絡膜に埋設した場合には、手術後において、インプラントから硝子体内に、あるいは血管内に薬剤が徐放されていく。この過程において、適時に、例えば、レーザ光治療を行う周知のレーザ光凝固装置等の装置を用い、外部から水晶体を通してレーザ光をインプラントに向けて照射する。これにより、インプラントには光活性剤が含有されているので、光活性剤がレーザ光からのエネルギーを吸収して薬剤の放出を亢進させ、その結果、硝子体内に、あるいは血管内に放出された薬剤の濃度が上昇する。そのため、例えば、レーザ光の照射強度,照射時間,照射回数等を調整することにより、硝子体内や血管内の血液中に放出される薬剤の放出濃度を調整することができ、疾患の状態や生体個々の薬の効き具合に合わせた治療を行うことができるようになる。
この場合、脈絡膜にインプラントを埋設してあるので、強膜に埋設する場合に比較して、インプラントを捕捉しやすく、また、レーザ光が確実に到達し、上記の放出亢進作用を確実に呈することができる。
また、必要に応じ、上記薬剤として、ステロイド剤を含む構成としている。ステロイド剤としては、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルオロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノール、フルアザコート、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンヘキサアセトニド、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、これらの誘導体等の中から1種もしくは2種以上選択されるが、これらに限定されない。本発明において、このようなステロイド剤を使用することは、特に、眼科治療においては有効である。
また、薬剤としてステロイド剤を用いる場合、必要に応じ、生体分解性ポリマーを含む構成としている。生体分解性ポリマーとして、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸・グリコール酸共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース等から1種もしくは2種以上選択されるが、これらに限定されない。
インプラントにおいては、ステロイド剤が、生体内分解性ポリマー成分と組み合わされている。例えば、ステロイド剤が、生体内分解性ポリマー成分に混合,結合,被覆されるなどしている。この生分解性ポリマーによって、レーザ光の照射の有無にかかわらず、ステロイド剤は眼液等へ溶解,拡散されていく。
このような、ステロイド剤,生体分解性ポリマー及び光活性剤を含有する生体用インプラントにおいては、ステロイド剤100重量部に対して、生体分解性ポリマーを100〜500重量部、光活性剤を0.02〜2重量部混合したことが有効である。
好ましくは、生体分解性ポリマーを200〜400重量部、光活性剤を0.05〜1重量部、より好ましくは、生体分解性ポリマーを250〜350重量部、光活性剤を0.1〜0.4重量部含有する。特に、眼科治療において有効である。
この場合、円柱状に形成し、直径Dを、0.05mm≦D≦0.5mm、長さLを、0.1mm≦L≦1.0mm、重量Wを、50μg≦W≦110μgにしたことが有効である。
また、上記目的を達成するため、本発明の生体用インプラントの薬剤放出濃度の調整方法は、上記の生体用インプラントを生体内に移植し、その後、適時に、上記インプラントに対してレーザ光を照射し、生体内に放出される薬剤の放出濃度を調整する構成としている。
これにより、生体用インプラントを生体の所要部位に移植すると、生体用インプラントのドラックデリバリーにより、生体内に薬剤が徐放されていく。この過程において、適時に生体用インプラントにレーザ光を照射すると、インプラントには光活性剤が含有されているので、光活性剤がレーザ光からのエネルギーを吸収して薬剤の放出を亢進させ、その結果、生体のインプラント周囲に放出された薬剤の濃度が上昇する。そのため、例えば、レーザ光の照射強度,照射時間,照射回数等を調整することにより、生体内に放出される薬剤の放出濃度を調整することができる。この結果、生体の疾患の状態や生体個々の薬の効き具合に合わせた治療を行うことができるようになる。また、この方法を動物検体に対して実施して、治療のための基礎データを得ることも可能になる。
この場合、上記レーザ光を、パルスにして照射することが有効である。パルスにして照射することにより、パルス数での制御が可能になる。即ち、パルス数に応じて、光活性剤が薬剤の放出を亢進させる度合いが異なることから、パルス数を変えることにより濃度調整を容易に行うことができる。
この際は、レーザ光の波長を、488nm〜647nmの範囲にし、レーザ光の強度を、100mW〜10Wに設定し、レーザ光のスポットサイズ(直径)を、5μm〜500μmに設定し、パルスの持続時間を、0.005秒〜0.5秒に設定し、照射数に応じてステロイド剤の放出濃度を変えることが有効である。
そして、必要に応じ、上記生体用インプラントを眼の後眼部に移植し、外部から水晶体を通してレーザ光をインプラントに向けて照射する構成としている。上述したように、眼の一部にインプラントを移植することは、眼科治療において有用であることは勿論のこと、眼以外の種々の疾患、例えば、全身の炎症性疾患、リウマチ、膠原病等にも有効である。即ち、薬物が眼の血液中に放出されるようになると、血液によって薬物が全身に搬送されるようになることから、血中の薬剤濃度を調整することができ、眼以外の全身疾患における治療においても効果を奏することができる。
特に、眼において、インプラントの移植部位が後眼部であると、レーザ光を水晶体や硝子体を通してインプラントに至らしめることができ、そのため、インプラントの移植部位が眼以外の皮膚や内部組織である場合にはレーザ光を照射しにくいが、これに比較して、レーザ光をインプラントに照射し易い利点がある。また、眼底を見ることでインプラントの状態を視覚的に容易に把握することができる利点もある。更に、インプラントの移植により、逐一、薬剤を口から摂取しなくてもよいことから、例えば、痴呆で薬を飲むことができにくい人や、消化器が悪くて薬の摂取に障害がある人などには、極めて有効になる。
この場合、上記生体用インプラントを眼の後眼部の脈絡膜に移植することが有効である。これにより、上述もしたように、網膜のすぐ隣にある脈絡膜から薬剤が徐放されると、網膜や硝子体に対して薬剤が一層効果的に作用する。また、脈絡膜にインプラントを埋設してあるので、強膜に埋設する場合に比較して、インプラントを捕捉しやすく、また、レーザ光が確実に到達し、上記の放出亢進作用を確実に呈することができる。
また、必要に応じ、上記生体用インプラントとして、上記のステロイド剤及び生体分解性ポリマーを含有した生体用インプラントを用いる構成としている。とりわけ、眼科治療に有用になる。
本発明によれば、生体の所要部位に移植した後に、適時に生体用インプラントにレーザ光を照射すると、インプラントには光活性剤が含有されているので、光活性剤がレーザ光からのエネルギーを吸収して薬剤の放出を亢進させ、その結果、生体のインプラント周囲に放出された薬剤の濃度が上昇する。そのため、例えば、レーザ光の照射強度,照射時間,照射回数等を調整することにより、生体内に放出される薬剤の放出濃度を調整することができ、疾患の状態や生体個々の薬の効き具合に合わせた治療を行うことができるようになる。
本発明の実施の形態に係る生体用インプラントを示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る生体用インプラントを眼の脈絡膜に移植してレーザ光照射を行っている状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る生体用インプラントの移植部の拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る生体用インプラントを脈絡膜へ埋設する埋設方法の概要を示す図である。 本発明の実施の形態に係る生体用インプラントを脈絡膜へ埋設する際における脈絡膜の切開、脈絡膜の膨張、脈絡膜へのポケット形成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る生体用インプラントを脈絡膜へ挿入する状態を示す図である。 試験例1に係り、実施例に係る生体用インプラントを生理食塩水内に入れたものに対してレーザ光照射を行った場合と行わない場合の生理食塩水中の、デキサメゾンの濃度変化を示すグラフ図である。 試験例2に係り、(A)は実施例に係る生体用インプラント(黒矢印)を示す図面台用写真、(B)は実施例に係る生体用インプラント(黒矢印)を検体の眼の脈絡膜に埋設するときの状態を示す図面台用写真である。 試験例3に係り、実施例に係る生体用インプラントを埋設した検体において、レーザ光の照射数と硝子体中のデキサメゾンの濃度との関係を示すグラフ図である。 試験例4に係り、実施例に係る生体用インプラントを埋設した検体において、レーザ光照射を行った場合と行わない場合の硝子体中のデキサメゾンの濃度変化を示すグラフ図である。 試験例5に係り、検体の眼底の図面台用写真であり、(A)はデキサメゾンを封入していない生体用インプラント(黒矢印)を埋設した検体の眼底状態を示し、(B)は実施例に係る生体用インプラント(黒矢印)を埋設した検体の眼底状態を示し、(C)は実施例に係る生体用インプラント(黒矢印)を埋設した検体において、レーザ光照射を行った後の眼底状態を示す。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る生体用インプラント及びその薬剤放出濃度の調整方法について詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る生体用インプラントは、生体として眼球を有するヒト若しくはそれ以外の動物用のものであり、生体の眼部領域の多くの炎症性疾患や増殖性疾患、例えば、滲出型加齢性黄斑変性症(ARMD)、類嚢胞黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、ブドウ膜炎、網膜炎、脈絡膜炎、増殖性硝子体網膜症、増殖性糖尿病性網膜症等の疾患を治療するためのものである。実施の形態に係る生体用インプラントは、薬剤を封入し生体の所要部位である眼の一部、特に、脈絡膜に移植され、この薬剤を徐放するものである。
尚、本発明によって脈絡膜にインプラントの埋設する対象はヒトに限定されるものではなく、兎や猿、犬、猫、馬、牛などヒトと同様の眼球構造を備えた種々の動物にも適用することが可能である。
薬剤としては、例えば、抗炎症剤,抗生剤,抗癌剤,鎮痛剤等、所要のものが1種もしくは2種以上選択される。薬剤は、ステロイド剤を含む。ステロイド剤としては、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルオロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノール、フルアザコート、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンヘキサアセトニド、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、これらの誘導体等の中から1種もしくは2種以上選択されるが、これらに限定されない。実施の形態では、デキサメタゾンを用いる。臨床で広く用いられ、眼科治療において、極めて有用なステロイド剤である。
また、生体用インプラントは、生体分解性ポリマーを含む。生体分解性ポリマーとして、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸・グリコール酸共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース等から1種もしくは2種以上選択されるが、これらに限定されない。実施の形態では、ポリ乳酸を用いる。ポリ乳酸は、医学領域で汎用され、極めて有用な生体分解性ポリマーである。
そしてまた、生体用インプラントは、レーザ光の照射により薬剤の放出を亢進させる光活性剤を含有している。
光活性剤として、ポルフィリン、ヘマトポルフィリン、ヘマトポルフィリン誘導体、フェオホルビド、フェオホルビド誘導体、ベンゾポルフィリン、ベンゾポルフィリン誘導体、バクテリオクロリン、プルプリン、メロシアニン、ポルフィセン、トリカルボシアニンの中から1種もしくは2種以上選択されるが、これらに限定されない。実施の形態では、トリカルボシアニンのうち、インドシアニングリーンを用いる。レーザ光を吸収し易くし、薬剤の放出を確実に行うことができる。
これらのステロイド剤,生体分解性ポリマー及び光活性剤の成分量は、ステロイド剤100重量部に対して、生体分解性ポリマーを100〜500重量部、光活性剤を0.02〜2重量部含有する。好ましくは、生体分解性ポリマーを200〜400重量部、光活性剤を0.05〜1重量部、より好ましくは、生体分解性ポリマーを250〜350重量部、光活性剤を0.1〜0.4重量部含有する。実施の形態で用いる、デキサメタゾン,ポリ乳酸及びインドシアニングリーンにおいても、上記の成分比で混合することが望ましい。
次に、生体用インプラントの加工方法例を示す。例えば、ステロイド剤,生体分解性ポリマー及び光活性剤を、適宜の有機溶媒に溶解し、凍結乾燥させて均一なパンケーキ状にする。デキサメタゾン,ポリ乳酸及びインドシアニングリーンの組合せでは、有機溶媒として例えばジオキサンを用いる。次に、これを周知のプレス機を用いて圧縮し、熱を加えて円柱状に加工する。その後、図1に示すように、これを所要の長さに切断し、チップ状に加工する。
インプラントSのチップの大きさは、例えば、直径Dを、0.05mm≦D≦0.5mm、好ましくは、0.1mm≦D≦0.3mm、より好ましくは、0.15mm≦D≦0.25mm、長さLを、0.1mm≦L≦1.0mm、好ましくは、0.3mm≦L≦0.7mm、より好ましくは、0.4mm≦L≦0.6mmにする。重量Wは、50μg≦W≦110μg、好ましくは、70μg≦W≦90μgである。実施の形態に係るデキサメタゾン,ポリ乳酸及びインドシアニングリーンの組合せでは、D=0.2mm、L=0.5mm、W=80μgにした。
尚、インプラントの形状は、円柱形状のものでなくても良く、例えばその水平断面が楕円形や矩形のものなどでも良く、上記に限定されない。
次にまた、レーザ光の条件について説明する。例えば、レーザ光治療を行う周知のレーザ光凝固装置等の装置を用い、外部から水晶体を通してレーザ光をインプラントに向けて照射する。
レーザ光は、例えば、488nm〜647nmの範囲の波長のものを用いる。例えば、アルゴン(Ar)レーザ(波長514nm)を用いる。白色レーザであるとインプラントへの吸収率に劣る。レーザ光の強度は、100mW〜10Wに設定する。例えば、1000mWに設定する。レーザ光はパルスにして照射する。レーザ光のスポットサイズ(直径)は、5μm〜500μmに設定する。例えば、50μmに設定する。パルスの持続時間は、0.005秒〜0.5秒に設定する。例えば、0.05秒に設定する。レーザ光の照射数は、疾患の状態等によって適宜に定める。照射数に応じてステロイド剤の放出濃度が変わる。例えば、5〜500発に設定する。
従って、実施の形態に係る生体用インプラントSを移植するときは、本願発明者が開発した独自の埋設方法により、脈絡膜へ埋設する。図2及び図3に示すように、眼は、眼球、眼球付属器、及び視神経からなる。眼球は、強膜1、脈絡膜2、網膜3、角膜4、虹彩5、毛様体6、チン小帯7等の外壁を構成する部分と、水晶体8、硝子体9、房水10等の内容物を構成する部分とからなる。硝子体9の内部は、硝子体ゲルからなる有茎硝子体9−1と、硝子体の液化した部分である液化硝子体9−2とに分けられる。液化硝子体9−2は、ヒトとの場合、成人するころから見られはじめ、加齢に従って、有茎硝子体9−1は小さくなり、液化硝子体9−2は大きくなっていく。また、眼球付属器は、涙器11、結膜12などからなる。後眼部の外壁は三層構造をなしており、外層は強膜1、中間層は脈絡膜2、内層は網膜3となっている。実施の形態では、この脈絡膜2へ生体用インプラントを埋設する。以下、埋設工程について説明する。
(A)硝子体ゲルの液化工程
まず、図4(a)に示すように、硝子体ゲルを液化する。硝子体に注射器aにより液化剤を注入して、硝子体ゲルを液化する。液化剤としては、タンパク質分解酵素を用いることができ、これにより硝子体ゲルを構成するタンパク質を分解して液化させることができる。なお、ヒトの場合、成人以降は硝子体ゲルの一部は既に液化しているが、これによってさらに液化させることができ、後の工程で吸引して除去することで、硝子体を柔軟化することができる。そして、1日〜7日間そのままの状態を保持する。
(B)脈絡膜の露出工程
1日〜7日間経過後、図4(b)に示すように、顕微鏡下で、下方の結膜を切開し、次いで角膜輪部から6mm付近の強膜1を切開して、脈絡膜2を露出させる。切開は、手術用のナイフなどの切開器具bを用いて行うことができる。
(C)硝子体液の吸引工程
さらに、硝子体用手術レンズを角膜上におき、顕微鏡下で眼底を観察しながら、毛様体扁平部から注射針を挿入し、乳頭直上で、硝子体液を所要量吸引する。これによって、硝子体9の内圧を低下させて柔軟な状態にすることができる。網膜が脈絡膜から薄くはがれ、脈絡膜2を切開するときに、網膜3への穿孔を生じ難くでき、網膜3を傷つけるおそれを低減させることが可能となる。
(D)ポケットの形成工程
次に、脈絡膜2において、インプラントSを埋設するためのポケットを形成する。このとき、図5(a)に示すように、露出させた脈絡膜2に対して、切開器具bを接線方向に対してやや傾けて、先端を脈絡膜2に浅く挿入する。
ここで、脈絡膜2には血管が多く含まれる層が存在しており、切開器具bの先端がその血管層に達すると出血が生じる。このため、出血が生じた位置でナイフを静止し、そのままの状態で0.5分〜2分程度経過させることで、図5(b)に示すように、脈絡膜2を大きく膨張させることができる。
このように、脈絡膜2に切開器具bを挿入してから一定時間待ち、脈絡膜2を膨張させた後、次いで切開器具bを脈絡膜2内において、脈絡膜2の層に対して並行に(接線方向に)移動させて切開することで、図5(c)に示すように、脈絡膜2にポケットを形成する。
このとき、切開器具bを脈絡膜2の層の厚みの半分の位置において、脈絡膜2の層に対して並行に(接線方向に)移動させて切開することが好ましい。なお、脈絡膜2に切開器具bを挿入してから一定時間待つ間、切開器具bをそのまま脈絡膜2に挿入している必要はなく、取り出していても良い。
脈絡膜2にポケットを形成するにあたっては、脈絡膜2を切開した部分から手術用のナイフ又はスパーテルなどの切開器具bを挿入して、脈絡膜2の層の厚みの半分の位置にポケット(ポケット状の空間)を作成する。
ポケットのサイズは、インプラントSを挿入できる大きさであり、切開器具を用いて、脈絡膜2の層に平行に、一辺の大きさが1mm〜2mm程度の正方形又は長方形の切り込みを形成することが好ましい。そして、ボスミンなどの強力な止血剤を用いて止血する。
このインプラントSの埋設方法においては、まず硝子体ゲルを液化した後、硝子体液を吸引することで、硝子体を柔らかくし、本来は薄い脈絡膜2を膨張させた後、即ち、脈絡膜2の厚みを増加させてからポケット形成を行うので、ポケットの形成を行い易くすることができ、また網膜3を傷つけるおそれを低減させることができる。尚、ここでいう「膨張させた後」とは完全に膨張が完了した後のみを意味するものではなく、例えば脈絡膜2の厚みを2倍〜5倍等の一定以上の厚みに膨張させた時点、すなわち膨張中を含むものである。
(E)インプラントの埋設工程
次に、図4(c)、及び図6(a)(b)に示すように、セッシcを用いて、ポケットにインプラントSを埋没させる。
(F)縫合工程
最後に、図4(d)に示すように、強膜1と、結膜を順に縫合し、眼軟膏を眼に入れて手術を終了する。
そして、手術後においては、図2及び図3に示すように、インプラントSから硝子体9内に薬剤が徐放されていく。この過程において、適時に、本発明の実施の形態に係る薬剤放出濃度の調整方法を実施する。この調整方法は、例えば、レーザ光治療を行う周知のレーザ光凝固装置等の装置を用い、外部から水晶体8を通してレーザ光をインプラントSに向けて照射する。レーザ光はパルスにして照射する。
これにより、インプラントSには光活性剤が含有されているので、光活性剤がレーザ光からのエネルギーを吸収してステロイド剤の放出を亢進させ、その結果、硝子体内に放出されたステロイド剤の濃度が上昇する。そのため、例えば、レーザ光の照射強度,照射時間,照射回数等を調整することにより、硝子体9内に放出されるステロイド剤の放出濃度を調整することができ、疾患の状態や生体個々の薬の効き具合に合わせた治療を行うことができるようになる。特に、レーザ光をパルスにして照射するので、パルス数での制御が可能になる。即ち、パルス数に応じて、光活性剤が薬剤の放出を亢進させる度合いが異なることから、パルス数を変えることにより濃度調整を容易に行うことができる。
また、この場合、脈絡膜2にインプラントSを埋設してあるので、強膜1に埋設する場合に比較して、インプラントSを捕捉しやすく、また、レーザ光が確実に到達し、上記の放出亢進作用を確実に呈することができる。
次に、本発明の実施例に係る生体用インプラントを示す。デキサメサゾン(DEX)(シグマ化学株式会社製)と、20kDaのポリ乳酸[Poly (DL-lactide)(PLA)](和光純薬工業株式会社製)と、インドシアニングリーン[indocyanine green (ICG)](第一製薬株式会社製)とを用いた。
デキサメサゾン(DEX)を50mg、ポリ乳酸(PLA)を150mg、インドシアニングリーン(ICG)を100μg用意し、これらを有機溶媒としてのジオキサン5mLに溶解し、−80°Cで、48時間凍結乾燥させ、均一なパンケーキ状にした。これを、プレスを用いて圧縮し、熱を加えて円柱状に加工し、切断した。できあがったインプラントは、重さ80μgで、直径0.2mm、長さ0.5mmであった。このインプラントには、デキサメサゾンが、25%wt/vol含まれる。
次に、この実施例についての試験例を示す。
試験例において、レーザ光照射機として「NOVUS SPECTRA」(ルミナス株式会社製)を用い、アルゴングリーンレーザー(波長514nm)を照射した。レーザ光の強度は、1000mWに設定した。レーザ光のスポットサイズ(直径)は50μmに設定した。パルスの持続時間は0.05秒に設定した。
<試験例1>生体外(ビトロ)での濃度測定
1mlの生理食塩水が入った1.5mlのチューブを8本用意し、各々に実施例に係るインプラントを入れ、そのうちの4本に対しては、アルゴングリーンレーザーのパルスの50発を照射した。各々について、1,2,4週後にデキサメゾンの濃度をエライザ(ELISA<Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay>)、一般に、「酵素結合免疫吸着法」などといわれる周知の方法で測定した。
結果を図7に示す。尚、図7中、符号Pは、有意差を示す。
デキサメサゾン(DEX)の濃度は、レーザ光なしでは、約4週にわたって徐放がみられた。レーザ光を照射したものでは、最初の1週で濃度が上昇し、その後はコントロールと似た徐放を示した。
この結果から、レーザ光の照射により、デキサメサゾン(DEX)の濃度調整を行うことができることが分かる。
<試験例2>インプラント挿入手術手技
図8に示すように、検体としてダッチウサギを用い、全身麻酔にて行った。上記の埋設方法により、検体の眼球において、強膜を切開し、露出した脈絡膜に半層切開を加え、そこにインプラントを挿入した。
図8(A)は、実施例に係る生体用インプラントを示す図面台用写真である。スケール(目盛1mm)の範囲にインプラントがある。
図8(B)は、実施例に係る生体用インプラントを検体の眼の脈絡膜に埋設するときの状態を示す図面台用写真である。インプラントが埋設されている状態が分かる。
<試験例3>検体(ビボ)での濃度測定(1)
レーザ光の強度と硝子体のデキサメサゾン(DEX)の濃度の関連をみるために、試験例2の検体を12羽用意し、4羽ずつの3群に分け、各グループ毎に、インプラントと同時に、各々、10、50、200発のアルゴングリーンレーザーを照射し、その直後の硝子体のデキサメサゾン(DEX)濃度を測定し、その平均値を求めた。
結果を図9に示す。尚、図9中、符号Pは、有意差を示す。
レーザ光の発数に依存して硝子体のデキサメサゾン(DEX)濃度の上昇が見られた、10発は、39.4 ± 8.1, 50発は、174.2 ± 27.6, 200発は、857.8 ± 80.2 ng/ml (n=4, mean ± SD)。3つの群の間で、統計的な差が認められた。
<試験例4>検体(ビボ)での濃度測定(2)
更に、レーザ光を用いた脈絡膜インプラントの有用性をみるために、試験例2の検体を12羽用意し、4羽ずつの3群に分け、これらを、デキサメサゾン(DEX)のないインプラントを埋設した検体(1群)、実施例に係るインプラント(デキサメサゾン(DEX)有)を埋設した検体(2群)、実施例に係るインプラント(デキサメサゾン(DEX)有)を埋設し50発のアルゴングリーンレーザーのパルスを照射した検体(3群)の3群に分け、1,7,14,28日後の硝子体のデキサメサゾン(DEX)濃度を質量分析にて測定した。硝子体液は、注射器で採取した。各群において濃度の平均値を求めた。
結果を図10に示す。尚、図10中、符号Pは、有意差を示す。
1群は測定されなかった。
2群は、1, 7, 14, 28 日後、各々、1.48 ± 0.45, 1.65 ± 0.49, 0.92 ± 0.41, 0.54 ± 0.42 ng/ml (n=4, mean ± SD)。
3群は、1, 7, 14, 28 日後は、各々、 85.0 ± 14.14, 11.58 ± 3.60, 1.97 ± 1.07, 0.98 ± 0.22 ng/ml (n=4, mean ± SD)。
2群と3群は、1および7日目に有意差がみられた。レーザ光照射により濃度が調節された。
<試験例5>眼底および組織検査
レーザ光を照射した検体の眼底は毎週検査し、組織は4週後に眼球摘出し検討した。これらの検体の眼底は、インプラントに相応した部で網膜の変性がみられたが、それは網膜全体の一部であり、その他の部位は特に異常は認められなかった。組織学的検査でも同様の所見であった。
図11に、眼底写真を示す。(A)はデキサメゾンを封入していない生体用インプラントを埋設した検体の眼底状態を示し、(B)は実施例に係る生体用インプラントを埋設した検体の眼底状態を示し、(C)は実施例に係る生体用インプラントを埋設した検体において、レーザ光照射を行った後の眼底状態を示す。
尚、上記実施の形態では、生体の所要部位を眼の一部の例で説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、眼以外の部位であってもよく、適宜変更して差し支えない。即ち、本発明は、上記実施の形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
本発明は、人間やペットの生体に薬剤を含有するインプラントを埋設して、レーザ光照射により薬剤の放出を調整し種々の疾患等の治療を行う場合や、兎などの実験動物の治験に用いる場合等に好適に利用することが可能である。
S 生体用インプラント
1 強膜
2 脈絡膜
3 網膜
8 水晶体
9 硝子体
a 注射器
b 切開器具
c セッシ

Claims (4)

  1. 薬剤を封入し生体の所要部位である後眼部の脈絡膜に移植されて該薬剤を徐放する生体用インプラントであって、
    レーザ光の照射により上記薬剤の放出を亢進させる光活性剤を含有し、上記薬剤として、ステロイド剤を含むとともに、生体分解性ポリマーを含み、ステロイド剤100重量部に対して、生体分解性ポリマーを100〜500重量部、光活性剤を0.02〜2重量部混合したことを特徴とする生体用インプラント。
  2. 円柱状に形成し、直径Dを、0.05mm≦D≦0.5mm、長さLを、0.1mm≦L≦1.0mm、重量Wを、50μg≦W≦110μgにしたことを特徴とする請求項1記載の生体用インプラント。
  3. 上記光活性剤として、ポルフィリン、ヘマトポルフィリン、ヘマトポルフィリン誘導体、フェオホルビド、フェオホルビド誘導体、ベンゾポルフィリン、ベンゾポルフィリン誘導体、バクテリオクロリン、プルプリン、メロシアニン、ポルフィセン、トリカルボシアニンの中から1種もしくは2種以上選択されることを特徴とする請求項1または2記載の生体用インプラント。
  4. 上記トリカルボシアニンとして、インドシアニングリーンを選択したことを特徴とする請求項3記載の生体用インプラント。
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