JP6099856B1 - 把持処置具 - Google Patents

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Abstract

把持処置具(2)はベース部材(7)を有する。ベース部材(7)の先端部には第1の把持片(11)が配置されている。第2の把持片(12)の基端部にはリング部(21)が形成されている。リング部(21)は貫通孔(36、37)を有する。ベース部材(7)は貫通孔(41、42)を有する。これらの貫通孔(36、37、41、42)にピン部材(22)が挿通されている。ベース部材(7)の内部には、ベース部材(7)の長手軸(C)に沿って可動部材(17)が設けられている。可動部材(17)の先端部には凹部(35)が設けられている。リング部(21)のリング底壁(26)は凹部(35)に挿入されている。可動部材(17)が長手軸(C)に沿って移動すると、第2の把持片(12)が第1の把持片(11)に対して回動する。リング部(21)が第2の把持片(12)の剛性を高めている。

Description

本発明は、一対の把持片の間で処置対象を把持可能な把持処置具に関する。
特許文献1、特許文献2及び特許文献3のそれぞれには、エンドエフェクタを形成する一対の把持片の間で処置対象を把持可能な把持処置具が開示されている。これらの把持処置具のそれぞれでは、長手軸に沿って延設されるベース部材の先端部に、一方の把持片である第1の把持片が配置されている。そして、他方の把持片である第2の把持片がベース部材の先端部に回動可能に取付けられている。第2の把持片がベース部材に対して回動することにより、一対の把持片の間が開く又は閉じる。一対の把持片の間が閉じることにより、生体組織等の処置対象が把持される。
国際公開第2004/112844号公報 米国特許出願公開第2014/0005652号明細書 米国特許出願公開第2012/0110810号明細書
前記特許文献1乃至前記特許文献3の把持処置具のそれぞれでは、第2の把持片のベース部材への連結部分を通るベース部材の長手軸に垂直な断面(第2の把持片の延設方向に垂直な断面)において、第2の把持片の断面形状が、例えば略U字状等の、ベース部材の長手軸回りについて不連続な部分が存在する形状に、形成される。このため、第2の把持片では、ベース部材への連結部分及びその近傍での剛性が低くなり、例えば、一対の把持片の間で処置対象を把持した状態で捻りトルクが作用することにより、第2の把持片においてベース部材への連結部分及びその近傍が大きく変形する。第2の把持片での変形量が大きくなると、幅方向について一対の把持片が互いに対してずれ、把持片同士が適切に噛合わなくなる。これにより、一対の把持片の間での把持力が低下するとともに、把持片の間で把持される処置対象にエネルギーが適切に付与されず、処置性能が低下する可能性がある。
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、一対の把持片が互いに対して適切に噛合う把持処置具を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明のある態様の把持処置具は、先端及び基端を有し、基端側から先端側へ長手軸に沿って延設されるベース部材と、前記ベース部材の先端部に配置される第1の把持片と、前記ベース部材に対して回動することにより、前記第1の把持片に対して開く又は閉じる第2の把持片であって、前記ベース部材の前記先端部によって支持され、前記第2の把持片の前記ベース部材に対する回動軸を形成する被支持部と、前記被支持部が形成されるとともに、前記ベース部材の長手軸回りについて全周に渡って連続するリング状に形成されるリング部を備える第2の把持片と、前記第2の把持片を前記ベース部材に対して回動させる駆動力を前記リング部に伝達する可動部材と、を備え、前記ベース部材又は前記可動部材は、前記リング部と係合し、前記ベース部材の径方向について前記リング部と前記長手軸との間に設けられる凹部を備える。
本発明によれば、一対の把持片が互いに対して適切に噛合う把持処置具を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る把持処置具が用いられる処置システムを示す概略図である。 図2は、第1の実施形態に係るベース部材と第2の把持片との間の連結部分及びその近傍の構成を概略的に示す断面図である。 図3は、図2のIII−III線断面図である。 図4は、第1の実施形態に係る第2の把持片の構成を概略的に示す斜視図である。 図5は、第1の実施形態に係る第2の把持片をベース部材及び可動部材へ取付ける作業を説明する概略図である。 図6は、第2の実施形態に係るベース部材と第2の把持片との間の連結部分及びその近傍の構成を概略的に示す断面図である。 図7は、図6のVII−VII線断面図である。 図8は、第1の実施例に係るエンドエフェクタにおいてカッターが格納位置に位置する状態を、エンドエフェクタの幅方向に垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図9は、第1の実施例に係る第1の把持片及びカッターにおいてカッターが格納位置に位置する状態を、第2の把持片側から視た概略図である。 図10は、第1の実施例に係るエンドエフェクタを長手軸方向に垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図11は、第1の実施例に係るエンドエフェクタにおいてカッターが最突出位置に位置する状態を、エンドエフェクタの幅方向に垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図12は、第1の実施例に係る第1の把持片及びカッターにおいてカッターが最突出位置に位置する状態を、第2の把持片側から視た概略図である。 図13は、第1の比較例に係るエンドエフェクタを長手軸方向に垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図14は、第1の実施例の変形例に係る第2の把持片を概略的に示す斜視図である。 図15は、第1の実施例に係るエンドエフェクタを、エンドエフェクタの幅方向に垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図16は、第2の実施例に係るエンドエフェクタを長手軸方向に垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図17は、第2の比較例に係るエンドエフェクタを長手軸方向に垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図18は、第3の実施例に係るエンドエフェクタを長手軸方向に垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図19は、第3の比較例に係るエンドエフェクタを長手軸方向に垂直な断面で概略的に示す断面図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態の把持処置具(鉗子型処置具)2が用いられる処置システム1を示す図である。図1に示すように、把持処置具2は、保持可能なハウジング3と、ベース部材7と、を備える。ベース部材7は、先端及び基端を有し、中心軸として長手軸Cを有する。ここで、長手軸Cに沿う方向を長手軸方向とする。そして、長手軸方向の一方側を先端側(矢印C1側)とし、先端側とは反対側を基端側(矢印C2側)とする。ベース部材7は、基端側から先端側へ長手軸Cに沿って延設され、ベース部材7は、ハウジング3の先端側に連結される。
把持処置具2のハウジング3は、グリップ(固定ハンドル)5を備え、グリップ5は、長手軸Cに交差する(略垂直な)方向について長手軸Cから一方側へ離れて、位置する。ハウジング3には、ハンドル(可動ハンドル)6が回動可能に取付けられている。本実施形態では、ハンドル6は、長手軸Cを中心としてグリップ5と同一の側に位置し、グリップ5に対して先端側に位置する。ハンドル6がハウジング3に対して回動することにより、ハンドル6がグリップ5に対して開く又は閉じる。なお、ハンドル6は、グリップ5に対して基端側に設けられてもよい。また、本実施形態では、ハンドル6は、グリップ5に対する開動作及び閉動作のそれぞれにおいて、長手軸Cに平行な面に沿って移動するが、これに限るものではない。
ハウジング3には、ケーブル13の一端が接続されている。また、処置システム1では、ケーブル13の他端がエネルギー制御装置15に接続されている。エネルギー制御装置15は、バッテリ又はコンセント等の電源からの電力を把持処置具2に供給される電気エネルギーに変換する変換回路(図示しない)を備える。変換回路において変換された電気エネルギーは、ケーブル13の内部に延設される電気配線(図示しない)等を通して把持処置具2に向かって出力される。また、エネルギー制御装置15には、CPU(Central Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備えるプロセッサ、及び、メモリ等の記憶媒体が、設けられている。プロセッサによって、変換回路からの電気エネルギーの出力が制御される。例えば、ハウジング3に取付けられる操作ボタン(図示しない)で操作入力が行われることにより、プロセッサが操作入力を検知する。これにより、変換回路から電気エネルギーが出力され、把持処置具2に電気エネルギーが供給される。
また、把持処置具2には、生体組織等の処置対象を処置するエンドエフェクタ10が設けられている。エンドエフェクタ10は、ベース部材7の先端部に配置される第1の把持片(第1のジョー)11と、ベース部材7の先端部に回動可能に取付けられる第2の把持片(第2のジョー)12と、を備える。ハンドル6をグリップ5に対して開く又は閉じることにより、第2の把持片12はベース部材7に対して回動する。これにより、第2の把持片12が第1の把持片11に対して開く又は閉じ、一対の把持片11,12の間が開く又は閉じる。把持片11,12の間に処置対象が配置された状態で第2の把持片12を第1の把持片11に対して閉じることにより、把持片11,12の間で処置対象が把持される。第2の把持片12の開閉方向(矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)は、ベース部材7の長手軸方向(矢印C1及び矢印C2で示す方向)に対して交差する(略垂直である)。そして、第2の把持片12は、第1の把持片11に対する開動作によって矢印Y1側に移動し、第1の把持片11に対する閉動作によって矢印Y2側に移動する。
第1の把持片11は、ベース部材7の長手軸Cに対して略平行に延設される。また、第2の把持片12が第1の把持片11に対して閉じた状態では、第2の把持片12は、長手軸Cに対して略平行に延設される。なお、第1の把持片11は、ベース部材7の先端部に固定される等、ベース部材7の先端部に取付けられてもよく、ベース部材7の先端部と一体に形成されてもよい。また、ベース部材7の内部を通って長手軸Cに沿ってロッド部材(図示しない)が延設されるとともに、ロッド部材(プローブ)がベース部材7の先端から先端側へ突出し、ロッド部材のベース部材7からの突出部分によって第1の把持片11が形成されてもよい。
ある実施例では、一対の把持片11,12のそれぞれに電極(図示しない)が設けられ、エネルギー制御装置15から電気エネルギー(高周波電気エネルギー)が第1の把持片11の電極及び第2の把持片12の電極に供給される。処置対象が把持される状態で把持片11,12の電極に電気エネルギーが供給されることにより、処置対象を通して電極間で高周波電流が流れ、高周波電流を用いて処置対象が処置される。別のある実施例では、ベース部材7の内部を通って延設される前述のロッド部材によって第1の把持片11が形成され、ハウジング3の内部に圧電素子を含む超音波振動子(図示しない)が設けられている。この場合、エネルギー制御装置15から超音波振動子に電気エネルギーが供給されることにより、超音波振動子は、超音波振動を発生する。そして、発生した超音波振動は、振動伝達部材であるロッド部材において基端側から先端側へ伝達される。これにより、超音波振動がロッド部材(振動伝達部材)を介して第1の把持片11に伝達され、把持片11,12の間で把持される処置対象が超音波振動を用いて処置される。また、別のある実施例では、把持片11,12の少なくとも一方(エンドエフェクタ10)にヒータ等の発熱体(図示しない)が設けられ)、エネルギー制御装置15から発熱体に電気エネルギーが供給される。これにより、発熱体で熱が発生し、発生した熱を用いて把持片11,12の間で把持される処置対象が処置される。
図2は、ベース部材7と第2の把持片12との間の連結部分及びその近傍の構成を示す図であり、図3は、図2のIII−III線断面図である。図2は、第2の把持片12の幅方向(矢印W1及び矢印W2で示す方向)に略垂直な断面を示し、図3は、ベース部材7の長手軸C(第2の把持片12の延設方向)に略垂直な断面を示している。ここで、第2の把持片12(エンドエフェクタ10)の幅方向は、長手軸方向(矢印C1及び矢印C2で示す方向)に対して交差し(略垂直で)、かつ、第2の把持片12の開閉方向(矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)に対して交差する(略垂直である)。また、図4は、第2の把持片12の構成を示す図である。
図4に示すように、第2の把持片12は、第1の把持片11に対向する把持面(第2の把持面)45と、把持面45とは反対側を向く背面(第2の背面)46と、を備える。把持面45は、第2の把持片12が閉じる側(矢印Y2側)を向き、把持片11,12の間で処置対象が把持される状態において処置対象が接触する。また、背面46は、第2の把持片12が開く側(矢印Y1側)を向いている。
第2の把持片12の基端部には、リング部(環状部)21が形成されている。リング部21は、単一の部材から一体に形成され、リング部21の全体が一体となる。また、リング部21は、把持面45に対して基端側に位置する。リング部21は、ベース部材7の長手軸C回り(第2の把持片12の周方向)について全周に渡って連続するリング状(環状)に形成され、リング部21の内周側には、空洞29が形成されている。すなわち、リング部21では、ベース部材7の長手軸C回りについて不連続な部分が存在せず、空洞29は、第2の把持片12の周方向について全周に渡って、リング部21によって覆われている。なお、ベース部材7の長手軸(中心軸)Cは、リング部21の内周側に形成される空洞29を通過する。
リング部21は、リング上壁25、リング底壁26及びリング側壁27,28から形成されている。リング上壁25は、リング部21において第2の把持片12が開く側の壁部を形成し、リング底壁26は、リング部21において第2の把持片12が閉じる側の壁部を形成する。また、リング側壁(第1のリング側壁)27は、リング部21において第2の把持片12の幅方向の一方側(矢印W1側)の壁部を形成し、リング側壁(第2のリング側壁)28は、リング部21において第2の把持片12の幅方向の他方側(矢印W2側)の壁部を形成する。リング側壁27には、第2の把持片12の幅方向に沿って貫通孔36が形成され、リング側壁28には、第2の把持片12の幅方向に沿って貫通孔37が形成されている。貫通孔36,37は、長手軸Cに対して第2の把持片12が開く側(リング上壁25側)に位置している。また、貫通孔36,37は、第2の把持片12の幅方向については互いに対して離間しているが、貫通孔36,37は、ベース部材7の長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向について、互いに対してほとんどずれていない(ほぼ重なって位置している)。
ベース部材7の先端部には、長手軸Cに垂直な断面形状が略U字状に形成されるU字断面部23が設けられている。U字断面部23は、リング部21の内周側の空洞29に配置され、第2の把持片12が開く側に向かって開口している。U字断面部23は、U字底壁31及びU字側壁32,33から形成されている。U字底壁31は、U字断面部23において第2の把持片12が閉じる側の壁部を形成する。また、U字側壁(第1のU字側壁)32は、U字断面部23において第2の把持片12の幅方向の一方側の壁部を形成し、U字側壁(第2のU字側壁)33は、U字断面部23において第2の把持片12の幅方向の他方側の壁部を形成する。
U字側壁32には、第2の把持片12の幅方向に沿って貫通孔41が形成され、U字側壁33には、第2の把持片12の幅方向に沿って貫通孔42が形成されている。貫通孔41,42は、長手軸Cに対して第2の把持片12が開く側(リング上壁25側)に位置している。また、貫通孔41,42は、第2の把持片12の幅方向については互いに対して離間しているが、貫通孔41,42は、ベース部材7の長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向について、互いに対してほとんどずれていない(ほぼ重なって位置している)。さらに、貫通孔41,42のそれぞれは、第2の把持片12の幅方向について貫通孔36,37に対して離間しているが、貫通孔41,42のぞれぞれは、ベース部材7の長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向について、貫通孔36,37に対してほとんどずれていない(ほぼ重なって位置している)。
リング側壁27の貫通孔36,37及びU字側壁32の貫通孔41,42には、ピン部材22が挿通されている。ピン部材22の中心軸Zは、第2の把持片12の幅方向に沿って延設されている。第2の把持片12は、ピン部材22を介してベース部材7の先端部によって、支持されている。したがって、リング部21において貫通孔36,37を規定する規定面が、ベース部材7の先端部によって支持される被支持部となる。したがって、本実施形態では、リング部21に形成される被支持部(36,37)は、把持面45に対して基端側に位置し、ベース部材7の長手軸Cに対して第2の把持片12が開く側に位置している。
また、本実施形態では、リング側壁27の貫通孔36,37、U字側壁32の貫通孔41,42及びピン部材22によって、第2の把持片12のベース部材7に対する回動の回動軸(回動中心)Pが形成されている。本実施形態では、回動軸Pは、ピン部材22の中心軸Zと略同軸であり、第2の把持片12の幅方向に沿って延設される。また、回動軸Pは、貫通孔36,37,41,42を通過する。このため、本実施形態では、第2の把持片12の回動軸Pは、ベース部材7の長手軸Cに対して第2の把持片12が開く側に位置している。
また、ベース部材7の内部には、可動部材17がベース部材7の長手軸Cに沿って延設されている。可動部材17の基端部は、ハウジング3の内部においてハンドル6に連結されている。また、可動部材17の先端部は、第2の把持片12のリング部21に接続されている。ハンドル6をグリップ5に対して開く又は閉じることにより、可動部材17がベース部材7に対して長手軸Cに沿って移動する。これにより、第2の把持片12のリング部21に駆動力が作用し、第2の把持片12がベース部材7に対して回動軸Pを中心として回動する。すなわち、可動部材17によって、第2の把持片12を回動させる駆動力がリング部21に伝達される。
可動部材17の先端部には、凹状に形成される凹部35が設けられている。凹部35は、可動部材17の先端部において第2の把持片12が閉じる側の端面から第2の把持片12が開く側に向かって凹んでいる。また、凹部35は、第2の把持片12の幅方向に沿って延設され、第2の把持片12の幅方向について可動部材17の全寸法(全幅)に渡って形成されている。リング部21のリング底壁26が凹部35に挿入されることにより、リング部21が可動部材17の凹部35と係合する。これにより、可動部材17の先端部が第2の把持片12のリング部21に接続される。したがって、本実施形態では、可動部材17に形成される凹部35が、可動部材17がリング部21へ接続される接続位置となる。可動部材17のリング部21への接続位置(35)は、第2の把持片12の把持面45に対して基端側に位置している。本実施形態では、可動部材17のリング部21への接続位置(35)は、ベース部材7の長手軸Cに対して第2の把持片12が閉じる側に位置している。したがって、可動部材17のリング部21への接続位置(35)は、ベース部材7の長手軸C回り(第2の把持片12の周方向)について、第2の把持片12がベース部材7によって支持される被支持部(36,37)から離れて位置している。そして、可動部材17のリング部21への接続位置(35)は、第2の把持片12の被支持部(36,37)及び回動軸Pに対して、第2の把持片12の開閉方向についてベース部材7の長手軸Cを挟んで反対側に位置している。なお、凹部35は、ベース部材7の径方向についてリング部21と長手軸Cとの間に設けられている。
可動部材17がベース部材7の長手軸Cに沿って移動すると、第2の把持片12をベース部材7に対して回動させる駆動力は、リング部21の可動部材17への接続位置に作用する。したがって、リング部21において可動部材17と係合するリング底壁26が、第2の把持片12を回動させる駆動力が作用する作用位置(力点)となる。リング部21での駆動力の作用位置(26)は、第2の把持片12の把持面45に対して基端側に位置している。本実施形態では、リング部21での駆動力の作用位置(26)は、ベース部材7の長手軸Cに対して第2の把持片12が閉じる側に位置している。したがって、リング部21での駆動力の作用位置(26)は、ベース部材7の長手軸C回り(第2の把持片12の周方向)について、第2の把持片12がベース部材7によって支持される被支持部(36,37)から離れて位置している。そして、リング部21での駆動力の作用位置(26)は、第2の把持片12の被支持部(36,37)及び回動軸Pに対して、第2の把持片12の開閉方向についてベース部材7の長手軸Cを挟んで反対側に位置している。したがって、リング部21での駆動力の作用位置(26)及び第2の把持片12の被支持部(36,37)は、長手軸Cを挟んで互いに対して反対側に位置している。
本実施形態では、可動部材17の先端部での第2の把持片12が閉じる側の端面から第2の把持片12の回動軸P(U字断面部23の貫通孔41,42の中心)まで、第2の把持片12の開閉方向について基準寸法A1を有する。基準寸法A1は、可動部材17において長手軸Cに交差する(略垂直な)方向についてベース部材7の長手軸Cから最も離間した外縁から回動軸Pまでの距離に、一致する。また、リング部21の内周側の空洞29は、第2の把持片12の開閉方向について第1の空洞寸法(空洞鉛直寸法)A2を有し、第1の空洞寸法A2は、リング部21においてリング上壁25からリング底壁26までの距離と一致する。第1の空洞寸法A2は、第1の把持片11に対して第2の把持片12が移動する面上での長手軸Cに対して略垂直な方向(ベース部材7の径方向)についての、リング部21の内周側の空洞29の寸法と、一致する。基準寸法A1は、第1の空洞寸法A2より大きい。また、第1の把持片11は、エンドエフェクタ10(第2の把持片12)の開閉方向について、把持片厚さ寸法L1を有する。第1の空洞寸法A2は、把持片厚さ寸法L1より大きい。
空洞29は、エンドエフェクタ10(第2の把持片12)の幅方向について第2の空洞寸法(空洞幅寸法)B1を有する。第2の空洞寸法B1は、リング部21においてリング側壁27,28の間の距離と一致する。また、第1の把持片11は、エンドエフェクタ10(第2の把持片12)の幅方向について、把持片幅寸法L2を有する。第2の空洞寸法B1は、把持片幅寸法L2より大きい。
次に、本実施形態の把持処置具2の作用及び効果について説明する。まず、第2の把持片12の製造、及び、第2の把持片12のベース部材7及び可動部材17への取付けについて説明する。前述のように、リング部21は、単一の部材から一体に形成される。したがって、第2の把持片12においてリング部21が設けられる部材(第2の把持片12の本体)を、鋳造、金属粉末射出成形(MIM:metal injection molding)、切削加工等によって一体成形する。第2の把持片12の本体がリング部21とともに一体成形によって形成されるため、第2の把持片12において部品の数が少なくなり、第2の把持片12の製造における手間及びコストが低減される。
また、本実施形態では、リング部21によって第2の把持片12のベース部材7への連結部分及びその近傍が形成されている。このため、第2の把持片12のシースベース部材7への連結部分及びその近傍では、第2の把持片12の周方向(シースベース部材7の長手軸C回り)について、第2の把持片12が不連続になる部分が存在せず、第2の把持片12の周方向について全周に渡ってリング部21が連続している。このため、第2の把持片12では、ベース部材7への連結部分及びその近傍での剛性が高くなる。また、第2の把持片12の周方向(ベース部材7の長手軸C回り)について全周に渡って連続するリング部21が単一の部材から一体に形成されるため、第2の把持片12では、リング部21によって形成されるベース部材7への連結部分及びその近傍において、製造における寸法誤差が小さくなる。これにより、第2の把持片12のベース部材7への連結部分及びその近傍において、寸法精度が高くなる。
図5は、第2の把持片12をベース部材7及び可動部材17へ取付ける作業を説明する図である。図5に示すように、第2の把持片12をベース部材7及び可動部材17へ取付ける際には、第1の把持片11をリング部21の内周側の空洞29に先端側から挿通し、ベース部材7(第1の把持片11)及び可動部材17を第2の把持片12に対して先端側へ移動させる。ここで、空洞29の第1の空洞寸法(空洞鉛直寸法)A2は、第1の把持片11の把持片厚さ寸法L1より大きく、空洞29の第2の空洞寸法(空洞幅寸法)B1は、第1の把持片11の把持片幅寸法L2より大きい。このため、第1の把持片11を空洞29(リング部21)に容易に挿通可能となる。
そして、リング部21のリング底壁26を可動部材17の凹部35に挿入し、リング部21を凹部35と係合する。これにより、可動部材17の先端部が第2の把持片12のリング部21に接続される。また、リング部21のリング底壁26が可動部材17の凹部35と係合することにより、リング部21の貫通孔(被支持部)36,37を、ベース部材7の長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向についてベース部材7のU字断面部23の貫通孔41,42と重なる位置に、配置することが可能となる。そして、リング部21の貫通孔36,37が長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向についてU字断面部23の貫通孔41,42と重なる位置に配置された状態で、貫通孔36,37,41,42にピン部材22を挿通する。これにより、リング部21がベース部材7の先端部に連結され、第2の把持片12(リング部21)の被支持部(36,37)が、ベース部材7の先端部によって支持される。また、ピン部材22の中心軸Zと略同軸に、第2の把持片12の回動軸Pが規定される。
ここで、可動部材17の先端部での第2の把持片12が閉じる側の端面から第2の把持片12の回動軸P(U字断面部23の貫通孔41,42の中心)までの第2の把持片12の開閉方向について基準寸法A1は、空洞29の第1の空洞寸法A2より大きい。このため、例えばリング部21が可動部材17の先端部において第2の把持片12が閉じる側の端面に当接する状態等の、リング部21が可動部材17の凹部35と係合していない状態では、リング部21の貫通孔(被支持部)36,37を、ベース部材7の長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向についてベース部材7のU字断面部23の貫通孔41,42と重なる位置に、配置することができない。すなわち、リング部21が可動部材17の凹部35と係合した状態(可動部材17の先端部が第2の把持片12のリング部21に適切に接続された状態)でのみ、リング部21の貫通孔(被支持部)36,37をU字断面部23の貫通孔41,42と重なる位置に配置することが可能となり、リング部21をベース部材7の先端部へ連結可能となる。前述のようにして第2の把持片12がベース部材7及び可動部材17に取付けられることにより、適切に回動軸Pが規定され、かつ、第2の把持片12を回動させる駆動力が適切にリング部21に作用する位置で、第2の把持片12がベース部材7及び可動部材17に取付けられる。
次に、把持処置具2を用いた処置について説明する。把持処置具2を用いて処置を行う際には、腹腔等の体腔にエンドエフェクタ10を挿入する。そして、把持片11,12の間に生体組織(血管)等の処置対象を位置させる。この状態で、ハンドル6をグリップ5に対して閉じ、可動部材17を長手軸Cに沿って移動させことにより、リング部21のリング底壁26に駆動力が作用し、回動軸Pを中心として第2の把持片12が回動する。これにより、把持片11,12の間が閉じ、把持片11,12の間で処置対象が把持される。この際、第2の把持片12の把持面45が処置対象と接触する。なお、把持片11,12の間で処置対象が把持される状態において、例えばハウジング3に取付けられる操作ボタンでの操作入力に基づいて、前述のようにエネルギー制御装置15から電気エネルギーが出力され、高周波電流、超音波振動及び熱の少なくとも1つを用いて前述のように処置対象が処置されてもよい。
把持片11,12の間で処置対象を把持した状態では、第2の把持片12の周方向に捻りトルクが作用することがある。本実施形態では、第2の把持片12の周方向について全周に渡ってリング部21が連続しているため、第2の把持片12では、ベース部材7への連結部分及びその近傍での剛性が、リング状でない場合に比べて高くなる。したがって、第2の把持片12に捻りトルクが作用しても、第2の把持片においてベース部材への連結部分及びその近傍は変形し難く、エンドエフェクタ10の幅方向について一対の把持片11,12が互いに対してずれることが防止される。これにより、第2の把持片12に捻りトルクが作用しても、一対の把持片11,12が互いに対して適切に噛合い、把持片11,12での間で処置対象を把持する把持力が確保される。また、一対の把持片11,12が互いに対して適切に噛合うことにより、把持される処置対象に高周波電流等のエネルギーが適切に付与され、処置性能が確保される。
また、本実施形態では、可動部材17にリング部21と係合する凹部52が設けられ、凹部52は、ベース部材7の径方向についてリング部21と長手軸Cとの間に設けられる。このため、第2の把持片12を開閉させる際に可動部材17の先端部が力を受けて変形しても、可動部材17の先端部は、リング部21又は第1の把持片11と干渉する。これにより、凹部52がリング部21から外れることが、有効に防止される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図6は、本実施形態のベース部材7と第2の把持片12との間の連結部分及びその近傍の構成を示す図であり、図7は、図6のVII−VII線断面図である。図6は、第2の把持片12の幅方向(矢印W1及び矢印W2で示す方向)に略垂直な断面を示し、図7は、ベース部材7の長手軸C(第2の把持片12の延設方向)に略垂直な断面を示している。
図6及び図7に示すように、本実施形態でも、ベース部材7の先端部にU字断面部23が設けられ、U字断面部23は、U字底壁31及びU字側壁32,33から形成されている。ただし、本実施形態では、U字断面部23のU字底壁31に、凹状に形成される凹部52が設けられている。凹部52は、U字断面部23(U字底壁31)において第2の把持片が閉じる側の端面から第2の把持片12が開く側に向かって凹んでいる。また、凹部52は、第2の把持片12の幅方向に沿って延設され、第2の把持片12の幅方向についてベース部材7のU字断面部23の全寸法(全幅)に渡って形成されている。
本実施形態でも、第2の把持片12にリング部(環状部)21が設けられ、リング部21は、リング上壁25、リング底壁26及びリング側壁27,28から形成されている。リング部21のリング底壁26が凹部52に挿入されることにより、リング部21がベース部材7の凹部52と係合する。これにより、ベース部材7に第2の把持片12が取付けられ、第2の把持片12がベース部材7の先端部によって支持される。本実施形態では、リング部21のリング底壁26が、ベース部材7の先端部(凹部52)によって支持される被支持部となる。したがって、本実施形態では、リング部21に形成される被支持部(26)は、把持面45に対して基端側に位置し、ベース部材7の長手軸Cに対して第2の把持片12が閉じる側に位置している。なお、本実施形態でも、凹部52は、ベース部材7の径方向についてリング部21と長手軸Cとの間に設けられる。
また、本実施形態では、ベース部材7の凹部52及びリング底壁26によって、第2の把持片12のベース部材7に対する回動の回動軸(回動中心)Pが形成されている。すなわち、被支持部(26)がベース部材7の凹部52と係合することにより、第2の把持片12が回動軸Pを中心として回動可能に、ベース部材7によって支持される。本実施形態では、回動軸Pは、第2の把持片12の幅方向に沿って延設され、回動軸Pは、リング部21のリング底壁26及び凹部52を通過する。このため、本実施形態では、第2の把持片12の回動軸Pは、ベース部材7の長手軸Cに対して第2の把持片12が閉じる側に位置している。
また、本実施形態では、可動部材17の先端部に、凹部35の代わりに、貫通孔51が形成されている。貫通孔51は、第2の把持片12の幅方向に沿って延設されている。本実施形態でも、第2の把持片12のリング部21において、リング側壁27に貫通孔36が形成され、リング側壁28に貫通孔37が形成されている。貫通孔36,37,51は、長手軸Cに対して第2の把持片12が開く側(リング上壁25側)に位置している。また、貫通孔51は、第2の把持片12の幅方向について貫通孔36,37に対して離間しているが、貫通孔51は、ベース部材7の長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向について、貫通孔36,37に対してほとんどずれていない(ほぼ重なって位置している)。
本実施形態では、ピン部材22が貫通孔36,37,51を通って第2の把持片12の幅方向に沿って延設され、貫通孔36,37,51にピン部材22が挿通されている。これにより、可動部材17の先端部が第2の把持片12のリング部21に接続される。したがって、本実施形態では、可動部材17に形成される貫通孔51が、可動部材17がリング部21へ接続される接続位置となる。可動部材17のリング部21への接続位置(51)は、第2の把持片12の把持面45に対して基端側に位置している。本実施形態では、可動部材17のリング部21への接続位置(51)は、ベース部材7の長手軸Cに対して第2の把持片12が開く側に位置している。したがって、可動部材17のリング部21への接続位置(51)は、ベース部材7の長手軸C回り(第2の把持片12の周方向)について、第2の把持片12がベース部材7によって支持される被支持部(26)から離れて位置している。そして、可動部材17のリング部21への接続位置(51)及びピン部材22の中心軸Zは、第2の把持片12の被支持部(26)及び回動軸Pに対して、第2の把持片12の開閉方向についてベース部材7の長手軸Cを挟んで反対側に位置している。
本実施形態でも、可動部材17がベース部材7の長手軸Cに沿って移動すると、第2の把持片12をベース部材7に対して回動させる駆動力は、リング部21の可動部材17への接続位置に作用する。したがって、リング部21において可動部材17に接続される貫通孔36,37及び貫通孔36,37を規定する規定面が、第2の把持片12を回動させる駆動力が作用する作用位置(力点)となる。リング部21での駆動力の作用位置(36,37)は、第2の把持片12の把持面45に対して基端側に位置している。本実施形態では、リング部21での駆動力の作用位置(36,37)は、ベース部材7の長手軸Cに対して第2の把持片12が開く側に位置している。したがって、リング部21での駆動力の作用位置(36,37)は、ベース部材7の長手軸C回り(第2の把持片12の周方向)について、第2の把持片12がベース部材7によって支持される被支持部(26)から離れて位置している。そして、リング部21での駆動力の作用位置(36,37)は、第2の把持片12の被支持部(26)及び回動軸Pに対して、第2の把持片12の開閉方向についてベース部材7の長手軸Cを挟んで反対側に位置している。したがって、本実施形態でも、リング部21での駆動力の作用位置(36,37)及び第2の把持片12の被支持部(26)は、長手軸Cを挟んで互いに対して反対側に位置している。
本実施形態では、ベース部材7の先端部(U字断面部23)での第2の把持片12が閉じる側の端面からピン部材22の中心軸Z(可動部材17の貫通孔51の中心)まで、第2の把持片12の開閉方向について基準寸法A3を有する。基準寸法A3は、ベース部材17において長手軸Cに交差する(略垂直な)方向について長手軸Cから最も離間した外縁から回動軸Pまでの距離に、一致する。また、リング部21の内周側の空洞29は、第2の把持片12の開閉方向について第1の空洞寸法(空洞鉛直寸法)A4を有し、第1の空洞寸法A4は、リング部21においてリング上壁25からリング底壁26までの距離と一致する。第1の空洞寸法A4は、第1の把持片11に対して第2の把持片12が移動する面上での長手軸Cに対して略垂直な方向(ベース部材7の径方向)についての、リング部21の内周側の空洞29の寸法と、一致する。基準寸法A3は、第1の空洞寸法A4より大きい。また、第1の空洞寸法A4は、エンドエフェクタ10の開閉方向についての第1の把持片11の把持片厚さ寸法L1より大きい。
空洞29は、エンドエフェクタ10(第2の把持片12)の幅方向について第2の空洞寸法(空洞幅寸法)B2を有する。第2の空洞寸法B2は、リング部21においてリング側壁27,28の間の距離と一致する。また、第2の空洞寸法B2は、エンドエフェクタ10の幅方向についての第1の把持片11の把持片幅寸法L2より大きい。
本実施形態でも、リング部21は、単一の部材から一体に形成される。そして、第2の把持片12のベース部材7への連結部分及びその近傍では、第2の把持片12の周方向(ベース部材7の長手軸C回り)について、第2の把持片12が不連続になる部分が存在せず、第2の把持片12の周方向について全周に渡ってリング部21が連続している。このため、第1の実施形態と同様に、第2の把持片12の製造における手間及びコストが低減され、第2の把持片12においてベース部材7への連結部分及びその近傍での剛性が高くなる。また、第1の実施形態と同様に、第2の把持片12のベース部材7への連結部分及びその近傍において、寸法精度が高くなる。また、第2の把持片12においてベース部材7への連結部分及びその近傍での剛性が、リング状でない場合に比べて高くなるため、把持片11,12の間で処置対象を把持した状態での処置において第2の把持片12に捻りトルクが作用しても、一対の把持片11,12が互いに対して適切に噛合う。このため、第1の実施形態と同様に、把持片11,12での間で処置対象を把持する把持力が確保され、把持される処置対象にエネルギーが適切に付与される。
また、本実施形態でも、第2の把持片12をベース部材7及び可動部材17へ取付ける際には、第1の把持片11をリング部21の内周側の空洞29に先端側から挿通し、ベース部材7(第1の把持片11)及び可動部材17を第2の把持片12に対して先端側へ移動させる。ここで、空洞29の第1の空洞寸法(空洞鉛直寸法)A4は、第1の把持片11の把持片厚さ寸法L1より大きく、空洞29の第2の空洞寸法(空洞幅寸法)B2は、第1の把持片11の把持片幅寸法L2より大きい。このため、本実施形態でも、第1の把持片11を空洞29(リング部21)に容易に挿通可能となる。
そして、リング部21のリング底壁26をベース部材7(U字断面部23)の凹部52に挿入し、リング部21を凹部52と係合する。これにより、リング部21がベース部材7の先端部に連結され、第2の把持片12(リング部21)の被支持部(26)が、ベース部材7の先端部によって支持される。そして、リング底壁26を通過し、かつ、第2の把持片12の幅方向に沿う状態で、第2の把持片12の回動軸Pが規定される。また、リング部21のリング底壁26がベース部材7の凹部52と係合することにより、リング部21の貫通孔(駆動力の作用位置)36,37を、ベース部材7の長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向について可動部材17の貫通孔51と重なる位置に、配置することが可能となる。そして、リング部21の貫通孔36,37が長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向について可動部材17の貫通孔51と重なる位置に配置された状態で、貫通孔36,37,51にピン部材22を挿通する。これにより、可動部材17の先端部が第2の把持片12のリング部21に接続される。
ここで、ベース部材7の先端部(U字断面部23)での第2の把持片12が閉じる側の端面からピン部材22の中心軸Z(可動部材17の貫通孔51の中心)までの第2の把持片12の開閉方向について基準寸法A3は、空洞29の第1の空洞寸法A4より大きい。このため、例えばリング部21がU字断面部23において第2の把持片12が閉じる側の端面に当接する状態等の、リング部21がベース部材7の凹部52と係合していない状態では、リング部21の貫通孔(駆動力の作用位置)36,37を、ベース部材7の長手軸方向及び第2の把持片12の開閉方向について可動部材17の貫通孔51と重なる位置に、配置することができない。すなわち、リング部21がU字断面部23の凹部52と係合した状態(ベース部材7の先端部が第2の把持片12のリング部21に適切に連結された状態)でのみ、リング部21の貫通孔(駆動力の作用位置)36,37を可動部材17の貫通孔51と重なる位置に配置することが可能となり、可動部材17の先端部をリング部21へ接続可能となる。前述のようにして第2の把持片12がベース部材7及び可動部材17に取付けられることにより、本実施形態でも、適切に回動軸Pが規定され、かつ、第2の把持片12を回動させる駆動力が適切にリング部21に作用する位置で、第2の把持片12がベース部材7及び可動部材17に取付けられる。
(前述の実施形態が適用されるエンドエフェクタ10の実施例)
以下、第1の実施形態及び第2の実施形態が適用されるエンドエフェクタ10の実施例(適用例)について説明する。
[第1の実施例]
第1の実施例を図8乃至図12を参照して説明する。ここで、図8及び図11は、エンドエフェクタ10を幅方向に垂直な断面で示し、図9及び図12は、第1の把持片11及び後述するカッター73を第2の把持片12側から視た図を示している。そして、図10は、エンドエフェクタ10をベース部材7の長手軸方向に垂直な断面で示している。また、図8及び図9は、カッター73が最も基端側に(格納位置に)位置する状態を示し、図11及び図12は、カッター73が最も先端側に(最突出位置に)位置する状態を示している。
図8乃至図12に示すように本実施例では、第1の把持片11は、ベース部材7に対して固定されている。第1の把持片11は、支持部材(第1の支持部材)61、絶縁部材(第1の絶縁部材)62、電極部材(第1の電極部材)63及び(本実施例では複数の)受け部材68を備える。第1の把持片11では、電極部材63によって第2の把持片12に対向する把持面(第1の把持面)55が形成され、支持部材61によって把持面55とは反対側を向く背面(第1の背面)56が形成されている。支持部材61は、ベース部材7と一体に形成される、又は、ベース部材7に固定状態で取付けられる。絶縁部材62は、電気的に絶縁材料から形成され、支持部材61に対して把持面55側に固定される。電極部材63は、導電材料から形成され、絶縁部材62に対して把持面55側に固定される。また、受け部材68は、電気的に絶縁材料から形成され、把持面55において電極部材63に固定される。第1の把持片11では、把持面55から背面56側に向かって凹む溝(第1の溝)71が、絶縁部材62及び電極部材63によって形成されている。溝71は、長手軸方向に沿って延設されている。
第2の把持片12は、第1の実施形態と同様にピン部材22を介してベース部材7の先端部によって支持され、回動軸Pを中心として回動可能である。第2の把持片12は、支持部材(第2の支持部材)65、絶縁部材(第2の絶縁部材)66及び電極部材(第2の電極部材)67を備える。第2の把持片12では、電極部材67によって第1の把持片11に対向する把持面(第2の把持面)45が形成され、支持部材65によって把持面45とは反対側を向く背面(第2の背面)46が形成されている。支持部材65は、ベース部材7に回動可能に取付けられるとともに、可動部材17の先端部が接続される。また、前述したリング部21は、支持部材65に形成され、リング部21に、ベース部材7によって支持される被支持部(36,37;26)が設けられている。絶縁部材66は、電気的に絶縁材料から形成され、支持部材65に対して把持面45側(第2の把持片12が閉じる側)に固定される。電極部材67は、導電材料から形成され、絶縁部材66に対して把持面45側に固定される。第2の把持片12では、把持面45から背面46側(第2の把持片12が閉じる側)に向かって凹む溝(第2の溝)72が、絶縁部材66及び電極部材67によって形成されている。溝72は、長手軸方向に沿って延設されている。
把持片11,12の間が閉じた状態では、第2の把持片12の把持面45(電極部材67)は、第1の把持片11の受け部材68に当接可能である。第2の把持片12の電極部材67が第1の把持片11の受け部材68に当接した状態では、第2の把持片12の電極部材67は、第1の把持片11の電極部材63とは接触しない。
また、本実施例では、カッター73が、ベース部材7の内部を通って長手軸Cに沿って延設され、カッター73は、溝71,72に挿入されている。カッター73は、ベース部材7及び把持片11,12に対して長手軸Cに沿って移動可能である。カッター73は、例えばハウジング3に取付けられる操作レバー(図示しない)での操作入力に基づいて、ベース部材7の内部及び溝71,72を長手軸方向について移動する。カッター73は、最も基端側の位置である格納位置(図8及び図9に示す位置)と最も先端側の位置である最突出位置(図11及び図12に示す位置)との間で移動可能である。
カッター73は、第1の幅寸法部85と、第1の幅寸法部85の基端側に連続する第2の幅寸法部86と、を備える。第1の幅寸法部85は、カッター73の先端を形成し、カッター73の先端部のみに設けられている。また、第1の幅寸法部85は、カッター73の幅方向(第2の把持片12の開閉方向)について、第1のカッター幅寸法T1を有する。第2の幅寸法部86は、カッター73において第1の幅寸法部85以外の部位を形成し、カッター73の大部分を形成している。また、第2の幅寸法部86は、カッター73の幅方向(第2の把持片12の開閉方向)について、第1のカッター幅寸法T1より小さい第2のカッター幅寸法T2を有する。カッター73が格納位置に位置する状態では、第1の幅寸法部85は、第2の把持片12のリング部21(リング底壁26)に対して、先端側に位置する。したがって、カッター73が(格納位置と最突出位置との間の)いずれの位置に位置する状態でも、第1の幅寸法部85は、リング部21(リング底壁26)に対して先端側に位置する。
本実施例の処置においては、エネルギー制御装置15から電極部材(電極)63,67に高周波電気エネルギーが供給し、電極部材63,67(把持面45,55)の間で把持される処置対象を通して高周波電流を流す。これにより、処置対象を凝固する(シールする)。また、本実施例では、高周波電流を用いた処置に加えて、溝71,72でカッター73を長手軸Cに沿って移動させることにより、把持される処置対象がカッター73によって切開される。
ここで、第1の比較例のエンドエフェクタ10Aを図13に示す。第1の比較例のエンドエフェクタ10Aでも、第1の実施例と同様に、第1の把持片11Aは、支持部材61A、絶縁部材62A、電極部材63A及び受け部材68Aを備え、第1の把持片11Aには、溝71Aが形成されている。また、第2の把持片12Aは、支持部材65A、絶縁部材66A及び電極部材67Aを備え、第2の把持片12Aには、溝72Aが形成されている。そして、カッター73Aは、溝71A,72Aを長手軸Cに沿って移動可能である。ただし、第1の比較例では、第2の把持片12Aに前述のリング部21が設けられず、第2の把持片12Aのベース部材(図示しない)の連結部分及びその近傍において、ベース部材の長手軸C回りについて第2の把持片12Aが不連続になる部分が存在する。このため、第2の把持片12Aでは、ベース部材への連結部分及びその近傍での剛性が低くなり、例えば、一対の把持片11A,12Aの間で処置対象を把持した状態で捻りトルクが作用することにより、第2の把持片12Aにおいてベース部材への連結部分及びその近傍が大きく変形する。第2の把持片12Aでの変形量が大きくなると、図13に示すように、エンドエフェクタ10Aの幅方向(矢印W1及び矢印W2の方向)について一対の把持片11A,12Aが互いに対してずれる。
エンドエフェクタ10Aの幅方向について一対の把持片11A,12Aが互いに対してずれることにより、電極部材63A,67A(把持面45A,55A)の間で把持される処置対象に高周波電流が流れるエンドエフェクタ10Aの幅方向についての範囲S´が小さくなる。このため、処置対象が高周波電流によって凝固される(シールされる)範囲が小さくなり、高周波電流による処置対象の凝固性能(シール性能)が低下する。また、第1の比較例では、エンドエフェクタ10Aの幅方向について一対の把持片11A,12Aが互いに対してずれることにより、エンドエフェクタ10Aの幅方向について溝71A,72Aも互いに対してずれる。溝71A,72Aが互いに対してずれることにより、カッター73を長手軸Cに沿って移動させる操作の操作力量が大きくなる、又は、カッター73を移動させることが不可能になる。
これに対し、本実施例では、第2の把持片12にリング部21が設けられるため、第2の把持片12のベース部材7への連結部分及びその近傍での剛性が高くなる。したがって、第2の把持片12に捻りトルクが作用しても、エンドエフェクタ10の幅方向について一対の把持片11,12が互いに対してずれることが防止される。一対の把持片11,12が互いに対してずれないため、電極部材63,67(把持面45,55)の間で把持される処置対象に高周波電流が流れるエンドエフェクタ10の幅方向についての範囲Sが大きくなる。このため、処置対象が高周波電流によって凝固される(シールされる)範囲が大きくなり、高周波電流による処置対象の凝固性能(シール性能)が確保される。また、一対の把持片11,12が互いに対してずれないため、エンドエフェクタ10(第2の把持片12)の幅方向について溝71,72も互いに対してずれない。溝71,72が互いに対してずれないため、小さい操作力量でカッター73を長手軸Cに沿って容易に移動させることができる。
また、本実施例では、カッター73が第1の幅寸法部85及び第2の幅寸法部86から形成され、カッター73がいずれの位置に位置する状態でも、大きい第1のカッター幅寸法T1を有する第1の幅寸法部85は、リング部21(リング底壁26)に対して先端側に位置する。このため、カッター73とリング部21(リング底壁26)との干渉が防止され、カッター73を長手軸Cに沿ってさらに移動させ易くなる。
[第1の実施例の変形例]
また、図14及び図15に示す第1の実施例の変形例では、第2の把持片12のリング部21のリング底壁26に切欠き(スリット)75が形成されている。切欠き75は、リング底壁26の内周面において、第2の把持片12が閉じる側(矢印Y2側)に向かって凹む。また、本変形例では、カッター73は、長手軸方向についてカッター73の全長に渡って、カッター73の幅方向(第2の把持片12の開閉方向)についてカッター幅寸法T1を有し、長手軸方向についてカッター73の全長に渡ってカッター幅寸法T1が大きくなる。本変形例では、カッター73は、リング部21の内周側の空洞29において切欠き75に挿入されている。
カッター73の幅方向についてのカッター幅寸法が小さくなると、カッター73の厚さ方向(エンドエフェクタ10の幅方向)についてカッター73が座屈し易くなる(図12の点線で示す箇所を参照)。本変形例では、長手軸方向についてカッター73の全長に渡ってカッター幅寸法T1が大きくなるため、カッター73の厚さ方向についてカッター73が座屈することが防止される。カッター73の厚さ方向についての座屈が防止されることにより、溝71,72の規定面とカッター73との間の摩擦が小さくなる。これにより、カッター73を長手軸Cに沿ってさらに移動させ易くなる。また、リング底壁26に切欠き75が設けられるため、長手軸方向についてカッター73の全長に渡ってカッター幅寸法T1が大きくなっても、カッター73と第2の把持片12のリング部21(リング底壁26)との干渉が有効に防止される。
[第2の実施例]
図16に示す第2の実施例では、ハウジング3の内部に超音波振動子(図示しない)が設けられ、超音波振動子で発生した超音波振動を基端側から先端側へ伝達するロッド部材(プローブ)76がベース部材7の内部を通って延設されている。そして、ロッド部材(振動伝達部材)76のベース部材7からの先端側への突出部分によって、第1の把持片11が形成されている。
また、第2の把持片12は、回動軸Pを中心としてベース部材7に対して回動可能であり、支持部材77及びパッド部材78を備える。第2の把持片12では、支持部材77によって背面(第2の背面)46が形成され、パッド部材78によって把持面(第2の把持面)45が形成されている。支持部材77は、ベース部材7に回動可能に取付けられるとともに、可動部材17の先端部が接続される。また、前述したリング部21は、支持部材77に形成され、リング部21に、ベース部材7によって支持される被支持部(36,37;26)が設けられている。パッド部材78は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂によって形成され、支持部材77に対して把持面45側に固定される。また、パッド部材78は、把持面45において背面46側(第2の把持片12が開く側)に向かって凹む受け部79を形成する。把持片11,12の間を閉じることにより、第1の把持片11の把持面(第1の把持面)55は、パッド部材78の受け部79と当接可能となる。
本実施例の処置においては、エネルギー制御装置15から電気エネルギーを超音波振動子に供給し、超音波振動を発生させる。そして、発生した超音波振動は、ロッド部材76を通して第1の把持片11に伝達される。把持片11,12の間で処置対象Tが把持される状態で超音波振動が第1の把持片11に伝達されることにより、振動する第1の把持片11と処置対象Tとの間で摩擦熱が発生し、摩擦熱によって処置対象Tが凝固される(シールされる)。
ここで、第2の比較例のエンドエフェクタ10Bを図17に示す。第2の比較例のエンドエフェクタ10Bでも、第2の実施例と同様に、第1の把持片11Bは、ロッド部材76Bのベース部材(図示しない)の突出部分から形成され、第2の把持片12Bは、支持部材77B及びパッド部材78Bを備える。ただし、第2の比較例では、第2の把持片12Bに前述のリング部21が設けられず、第2の把持片12Bのベース部材への連結部分及びその近傍において、ベース部材の長手軸C回りについて第2の把持片12Bが不連続になる部分が存在する。このため、第2の把持片12Bでは、ベース部材への連結部分及びその近傍での剛性が低くなり、第2の把持片12Bにおいてベース部材への連結部分及びその近傍が大きく変形することがある。第2の把持片12Bでの変形量が大きくなると、図17に示すように、エンドエフェクタ10Bの幅方向(矢印W1及び矢印W2の方向)について一対の把持片11B,12Bが互いに対してずれる。
エンドエフェクタ10Bの幅方向について一対の把持片11B,12Bが互いに対してずれることにより、エンドエフェクタ10Bの幅方向について第1の把持片11Bが第2の把持片12Bの受け部79Bに対してずれる。これにより、把持片11B,12B適切に噛合わず、把持片11B,12B(把持面45B,55B)の間で把持される処置対象Tでは、エンドエフェクタ10Bの幅方向について摩擦熱によって凝固される(シールされる)範囲が小さくなる。このため、超音波振動(摩擦熱)による処置対象Tの凝固性能(シール性能)が低下する。
これに対し、本実施例では、第2の把持片12にリング部21が設けられるため、第2の把持片12のベース部材7への連結部分及びその近傍での剛性が高くなる。したがって、第2の把持片12に捻りトルクが作用しても、エンドエフェクタ10の幅方向について一対の把持片11,12が互いに対してずれることが防止される。一対の把持片11,12が互いに対してずれないため、エンドエフェクタ10Bの幅方向について第1の把持片11Bが第2の把持片12Bの受け部79Bに対してずれず、把持片11,12が適切に噛合う。これにより、把持片11,12(把持面45,55)の間で把持される処置対象Tでは、エンドエフェクタ10の幅方向について摩擦熱によって凝固される(シールされる)範囲が大きくなり、超音波振動(摩擦熱)による処置対象Tの凝固性能(シール性能)が確保される。
[第3の実施例]
図18に示す第3の実施例では、ベース部材7に固定される、又は、ベース部材7と一体の電極部材(第1の電極部材)81によって、第1の把持片11が形成されている。また、第2の把持片12は、回動軸Pを中心としてベース部材7に対して回動可能であり、電極部材82及び受け部材83を備える。第2の把持片12では、電極部材(第2の電極部材)82及び受け部材83によって把持面(第2の把持面)45が形成されている。電極部材82は、ベース部材7に回動可能に取付けられるとともに、可動部材17の先端部が接続される。また、前述したリング部21は、電極部材82に形成され、リング部21に、ベース部材7によって支持される被支持部(36,37;26)が設けられている。受け部材83は、電気的に絶縁材料から形成され、電極部材82に対して把持面45側に固定される。把持片11,12の間を閉じることにより、第1の把持片11の電極部材81が第2の把持片12の受け部材83と当接可能となる。第1の把持片11の電極部材81が受け部材83に当接している状態では、電極部材(電極)81,82は、互いに対して離間している。
本実施例の処置においては、エネルギー制御装置15から高周波電気エネルギーを電極部材81,82に供給し、把持片11、12の間で把持されている処置対象を通して、電極部材81,82の間で高周波電流を流す。これにより、処置対象が凝固される(シールされる)。
ここで、第3の比較例のエンドエフェクタ10Cを図19に示す。第3の比較例のエンドエフェクタ10Cでも、第3の実施例と同様に、第1の把持片11Cは、電極部材81Cを備え、第2の把持片12Cは、電極部材82C及び受け部材83Cを備える。ただし、第3の比較例では、第2の把持片12Cに前述のリング部21が設けられず、第2の把持片12Cのベース部材(図示しない)への連結部分及びその近傍において、ベース部材の長手軸C回りについて第2の把持片12Cが不連続になる部分が存在する。このため、第2の把持片12Cでは、ベース部材への連結部分及びその近傍での剛性が低くなり、第2の把持片12Cにおいてベース部材への連結部分及びその近傍が大きく変形することがある。第2の把持片12Cでの変形量が大きくなると、図19に示すように、エンドエフェクタ10Cの幅方向(矢印W1及び矢印W2の方向)について一対の把持片11C,12Cが互いに対してずれる。
エンドエフェクタ10Cの幅方向について一対の把持片11C,12Cが互いに対してずれることにより、電極部材81C,82Cが接触し、高周波電流の電流経路において短絡が発生し、処置対象に高周波電流が適切に付与されなくなる。このため、高周波電流による処置対象の凝固性能(シール性能)が低下する。
これに対し、本実施例では、第2の把持片12にリング部21が設けられるため、第2の把持片12のベース部材7への連結部分及びその近傍での剛性が高くなる。したがって、第2の把持片12に捻りトルクが作用しても、エンドエフェクタ10の幅方向について一対の把持片11,12が互いに対してずれることが防止される。一対の把持片11,12が互いに対してずれないため、電極部材81,82の互いに対する接触が防止され、高周波電流の電流経路における短絡の発生が防止される。これにより、高周波電流による処置対象の凝固性能(シール性能)が確保される。
(その他の実施形態)
なお、エンドエフェクタ10の態様は、前述した構成に限るものではない。
前述の実施形態等では、把持処置具(2)は、先端及び基端を有し、基端側(C2)から先端側(C2)へ長手軸(C)に沿って延設されるベース部材(7)と、ベース部材(7)の先端部に配置される第1の把持片(11)と、ベース部材(7)に対して回動することにより、第1の把持片(11)に対して開く又は閉じる第2の把持片(12)と、を備える。第2の把持片(12)は、ベース部材(7)の先端部によって支持され、第2の把持片(12)のベース部材(7)に対する回動の回動軸(P)を形成する被支持部(36,37;26)と、被支持部(36,37;26)が形成されるとともに、ベース部材(7)の長手軸(C)回りについて全周に渡って連続するリング状に形成されるリング部(21)と、を備える。そして、把持処置具(2)は、第2の把持片(12)を前記ベース部材(7)に対して回動させる駆動力を前記リング部(21)に伝達する可動部材(17)を備える。ベース部材(7)又は可動部材(17)は、リング部(21)と係合し、ベース部材(7)の径方向についてリング部(21)と長手軸(7)との間に設けられる凹部(52)を備える。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、本発明は前述の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。

Claims (10)

  1. 先端及び基端を有し、基端側から先端側へ長手軸に沿って延設されるベース部材と、
    前記ベース部材の先端部に配置される第1の把持片と、
    前記ベース部材に対して回動することにより、前記第1の把持片に対して開く又は閉じる第2の把持片であって、前記ベース部材の前記先端部によって支持され、前記第2の把持片の前記ベース部材に対する回動軸を形成する被支持部と、前記被支持部が形成されるとともに、前記ベース部材の長手軸回りについて全周に渡って連続するリング状に形成されるリング部を備える第2の把持片と、
    前記第2の把持片を前記ベース部材に対して回動させる駆動力を前記リング部に伝達する可動部材と、
    を具備し、
    前記ベース部材又は前記可動部材は、前記リング部と係合し、前記ベース部材の径方向について前記リング部と前記長手軸との間に設けられる凹部を備える、把持処置具。
  2. 前記リング部では、前記第2の把持片を前記ベース部材に対して回動させる前記駆動力が作用する作用位置が、前記ベース部材の前記長手軸回りについて前記被支持部から離れて位置する、請求項1の把持処置具。
  3. 前記リング部では、前記被支持部及び前記駆動力の前記作用位置が、前記ベース部材の前記長手軸を挟んで互いに対して反対側に位置する、請求項2の把持処置具。
  4. 前記第2の把持片は、前記第1の把持片に対して対向し、前記第1の把持片と前記第2の把持片との間で把持される処置対象が接触する把持面を備え、
    前記被支持部及び前記リング部は、前記把持面に対して前記基端側に位置する、
    請求項1の把持処置具。
  5. 前記リング部の全体は、一体である、請求項1の把持処置具。
  6. 前記凹部が設けられる前記可動部材又は前記ベース部材において前記長手軸に交差する方向について前記長手軸から最も離間した外縁から前記回動軸までの距離は、前記ベース部材の前記径方向についての前記リング部の内周側の空洞の寸法より、大きい請求項1の把持処置具。
  7. 前記第1の把持片は、前記第2の把持片に対向する第1の把持面を備えるとともに、前記第1の把持面から凹む第1の溝が形成され、
    前記第2の把持片は、前記第1の把持片に対向する第2の把持面を備えるとともに、前記第2の把持面から凹む第2の溝が形成され、
    前記把持処置具は、前記第1の溝及び前記第2の溝に挿入され、前記第1の溝及び前記第2の溝を移動可能なカッターをさらに備える、
    請求項1の把持処置具。
  8. 前記リング部は、前記カッターが挿入される切欠きが内周面に形成される、請求項7の把持処置具。
  9. 前記第1の把持片及び前記第2の把持片の少なくとも一方は、電気エネルギーが供給されることにより前記第1の把持片と前記第2の把持片との間に把持される処置対象に高周波電流を流す電極、及び、電気エネルギーが供給されることにより熱を発生する発熱体の少なくとも一方を備える請求項1の把持処置具。
  10. 前記ベース部材に挿通され、前記基端側から前記先端側へ超音波振動を伝達する振動伝達部材をさらに具備し、
    前記第1の把持片は、前記振動伝達部材の前記ベース部材からの突出部分から形成される、
    請求項1の把持処置具。
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