JP6099821B2 - 電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法及びこれを利用したシステム - Google Patents

電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法及びこれを利用したシステム Download PDF

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Description

本発明は、電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法及びこれを利用したシステムに関し、より詳細には、定量的に電荷状態による分子軌道(molecular orbital)分布を比較できる新しい分析方法を利用した電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法及びこれを利用したシステムに関する。
分子内で電子(electron)の移動及び分布特性は、物質の電気化学的性質を決定する重要な役割をするので、これを正確に知ってから利用することは、物性評価及び改善された特性を有する新規物質開発に必ず必要である。電子の挙動をシミュレーションするために使用されるものは分子軌道(Molecular orbital、MO)である。特定位置で確率的な概念として電子の分布を表す分子軌道は実験的に求めることができず、量子力学的方法を利用したシュレーディンガー方程式(Schrodinger equation)を計算して求めることができる。
今まで、量子力学で計算された分子の分子軌道分布は、等高線プロット(contour plot)を介しての3次元や2次元図形を生成して視覚的に比較する定性的な方法(qualitative measurement)で評価している。例えば、図1は、OLEDの薄膜として使用されるNPB(N,N’‐Di[(1‐naphthyl)‐N,N’‐diphenyl]‐1,1’‐(biphenyl)‐4,4’‐diamine)分子のNeutral(中性)/HOMO状態のMO分布を示したものである。図1では、視覚化のために、MATERIAL STUDIOのプログラムのビジュアライザ(visualizer)を使用した。分子軌道分布されている領域(黄色/緑色で表示された領域)にのみ電子が位置する確率があるもので、図1の場合には、分子軌道が全般的に分子全領域にわたって均一に分布されていることが分かる。
しかし、上記の場合で分かるように、視覚化を介しての定性的確認だけでは同一の分子軌道分布に対しても、解析する基準によって評価が変わることができ、正確に比較し難い。例えば、上記の場合でも、(1)分子軌道が全般的に分子全体によく分布しているので、「分子軌道がよく分布する」と評価できるが、(2)両端のナフタレン(Naphthalene)で分布がよくならないため、「分子軌道が適当に分布している。」のように互いに異なる評価結果が出ることができる。このような定性的な比較方法が有する問題点は、上記の例のように、1個の物質に対する分子軌道分布評価の場合より、2個の物質の分子軌道分布を互いに比較しなければならない場合にさらに大きく浮び上がる。すなわち、分子A状態の分子軌道分布がB状態の分子軌道分布とある程度類似しているかを評価しなければならない場合、視覚を介しての定性的比較は、基準によって評価結果が大きく異なるようになることができるため、1個の分子軌道を評価することよりさらに不正確である。このような問題点は、定性的な方法による分子軌道分布比較にのみ発生するものではなく、全ての定性的な比較方法が有する最も根本的な限界点のうちの1つである。現在まで定性的な比較のみ可能な分子軌道分布を効果的に正確かつ信頼性あるように比較できる方法があれば、物質開発で電子親和度(electron affinity)などのような電子の移動により決定される基本物性とともに、分子軌道分布をさらに効果的に利用することができる。
また、原子内の陽子個数に対する分子内の最も外側の価電子シェル(valence shell)に存在する電子個数によって物質の電荷状態(charge state)が変わるようになり、このように変化する電荷状態は、物質の電気化学的特性に大きな影響を与える。一般に、物質の電荷状態は、下記のような3種類に区分して表す。
(1)中性(Neutral):陽子と同一の数の電子がある場合、全体の電荷は0
(2)アニオン(Anion):中性より電子が1個多い場合、全体の電荷は−1
(3)カチオン(Cation):中性より電子が1個少ない場合、全体の電荷は+1
上記のように、分子の電荷状態が変わると、電子の挙動や分布特性が変わるようになるため、これをシミュレーションする分子軌道分布特性も変わるようになり、そういう変化程度は物質毎に異なるようになる。例えば、物質A1は、電荷状態が変化しても全般的に分子軌道分布特性が変わらないことができ、物質A2は、電荷状態が変わることにより分子軌道分布が大きく変わることができ、物質A3は、特定電荷状態のみで分子軌道特性が大きく変わることもできる。したがって、電荷状態変化による分子軌道特性の変化程度は物質によって異なり、非常に複雑であろうと予想される。
このような分子軌道の特性評価のために使用されるものは、結合領域で最もエネルギーが高い分子軌道であるHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital,最高被占分子軌道)と非結合領域で最もエネルギーが低い分子軌道であるLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital,最低空分子軌道)である。このような理由は、HOMOとLUMOとの間で発生する差が物質の電気化学的特性に大きな影響を与えるためである。図2は、NPBの中性状態のLUMOに対して量子力学方法のうちの1つであるDFT(Density Functional Theory,密度汎関数理論)に基づいたACCELRYS社のMATERIAL STUDIOのDMol3を利用して計算した結果を視覚化させて示したものである。分子構造内で黄色/緑色で表した部分が分子軌道が分布する領域であり、それ以外の領域は分子軌道が分布しない。すなわち、分子軌道が特定領域で分布されなければ、その領域では電子が存在するか、移動できる領域でないということを表す。
また、電荷状態が変わるようになると、HOMO/LUMOの軌道分布も変わるようになる。図3は、NPB分子の電荷状態が中性、カチオン、アニオンに変わることにより異なるようになるHOMO/LUMOの分子軌道分布を示す。
図3において、中性の場合、HOMOとLUMOでの軌道分布が大きく違うが、電荷状態が変わってカチオンになると、HOMOとLUMOでの軌道分布が極めて類似するようになる。それに比べ、アニオンである場合は、HOMOとLUMOでの軌道分布類似度が中性よりは大きく、カチオンよりは小さいということが分かる。このように、電荷状態によって変化する分子軌道分布特性は、物質の固有な特性であり、これを体系的に比較して評価できるならば、以前には分からなかった電荷状態による分子軌道変化を介して電子挙動を評価することができ、物質の電気化学的特性評価に有用に使用され得るが、従来の評価方法では、定量的に比較することができなかった。
このような分子状態変化による変化を測定する従来の技術として、例えば、特許文献1の場合、フロンティア軌道以外の反応性分子軌道を考慮した量子学的計算に基づいて算出された分子の反応性指標を利用した新しい化学物質の活性度予測方法について開示しているが、2つの分子間の、特に、電荷状態による分子軌道分布差を定量的に比較するのには限界があるという問題がある。
特開2011−173821号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためのものであって、電荷状態による分子軌道分布特性の差を定量的に比較できる方法を提供することをその目的とする。
上記のような目的を達成するために、本発明は、
分子の中性、アニオン、及びカチオンの電荷状態による分子軌道(molecular orbital)特性を評価する方法であって、
a)中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の分子軌道分布特性の定量的差であるMOD‐Dscore値を下記i)〜iii)の方法によって得るステップと、
i)分子軌道(molecular orbital)分布を比較する中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMO分子軌道を選択した後、量子力学計算法を利用してこれらの分子軌道(molecular orbital)分布を計算するステップ、
ii)各分子軌道に対するRDM(radially discrete mesh,動径離散メッシュ)計算方法によって構造特性を計算した後、前記i)ステップで計算された分子軌道(molecular orbital)分布とマッチングさせてRDMを介しての構造特性による分子軌道分布を求めるステップ、及び
iii)前記ii)ステップで求めた2個のRDMを介しての構造特性による分子軌道(molecular orbital)分布を利用して下記式2のMOD‐Dscore(Molecular Orbital Distribution‐Deviation Score,分子軌道分布差スコア)値を求めるステップ、
b)前記中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を3D座標(3次元座標)に図示するステップと、c)3D座標に図示された、中性及びアニオン、アニオン及びカチオン、カチオン及び中性のHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を比較するステップとを含む電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法を提供する。
(式2)
MOD‐Dscore=1.0 − TPD
(前記式においてTPDは、下記式3のとおりである。)
(前記式において、Prof(A)とProf(B)とは、各々RDM(k)に属する分子軌道値を表し、Nは、RDMの総個数である。)
また、本発明は、分子の中性、アニオン、及びカチオンの電荷状態による分子軌道(molecular orbital)特性を評価するためのシステムであって、
a)中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の分子軌道分布特性の定量的差であるMOD‐Dscore値を下記i)〜iii)の方法によって得るMOD‐Dscore値決定モジュールと、
i)分子軌道(molecular orbital)分布を比較する中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMO分子軌道を選択した後、量子力学計算法を利用してこれらの分子軌道(molecular orbital)分布を計算するステップ、
ii)各分子軌道に対するRDM(radially discrete mesh,動径離散メッシュ)計算方法によって構造特性を計算した後、前記i)ステップで計算された分子軌道(molecular orbital)分布とマッチングさせてRDMを介しての構造特性による分子軌道分布を求めるステップ、及び
iii)前記ii)ステップで求めた2個のRDMを介しての構造特性による分子軌道(molecular orbital)分布を利用して前記式2のMOD‐Dscore(Molecular Orbital Distribution‐Deviation Score)値を求めるステップ、
b)前記中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を3D座標に図示する3D図示モジュールと、c)3D座標に図示された、中性及びアニオン、アニオン及びカチオン、カチオン及び中性のHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を比較する比較モジュールとを備える電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システムを提供する。
本発明に係る分子軌道分布特性の定量的比較分析方法によれば、MOD‐Dscore(Molecular Orbital Distribution‐Deviation Score)及びCD‐MOT(Charge Dependant−Molecular Orbital Triangle,電荷依存分子軌道三角形)を利用したプロファイル方法によって、分子軌道分布差を定量的な値(score)で表すことにより、量子力学に基づいた方法によって計算された分子軌道分布に対してMO‐Triangle構築を介しての3つの成分で構成されたベクトル特性を介して電荷状態による分子軌道分布変化の連関関係を細分化して表し、体系的に定量的な比較が可能であるという長所があり、これを介して、電荷状態が変わることにより異なるようになる分子軌道分布変化の相互連関性を知り出すことができ、電荷状態による電子の挙動特性を比較可能で、今後、物性評価に応用できるという効果がある。
本発明の実施例で使用したNPB分子の構造及び分子軌道分布を示した図である。 本発明の実施例で使用したNPB分子の構造及び中性状態でのLUMOの分子軌道分布を示した図である。 本発明の実施例で使用したNPB分子の中性、カチオン、アニオン状態によって変化するHOMO‐LUMOの分子軌道分布を示した図である。 本発明に係るRDM計算方法を示した図である。 本発明に係るCD‐MOTの計算過程をフローチャート(FLOW‐CHART)で示した図である。 本発明に係るCD‐MOTの計算過程で使用される3D座標に対する概念を示した図である。 本発明に係るCD‐MOTの計算過程で使用される3D座標に対する一実施例を示した図である。 本発明の実施例に係るCD‐MOTの計算過程を示した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法は、
a)分子軌道(molecular orbital)分布を比較するHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の分子軌道を選択した後、量子力学計算法を利用してこれらの中性、アニオン、及びカチオンの3つの電荷状態での分子軌道(molecular orbital)分布を計算するステップと、
b)各分子軌道に対するRDM(radially discrete mesh,動径離散メッシュ)計算方法によって構造特性を計算した後、前記a)ステップで計算されたHOMO及びLUMOの中性、アニオン、及びカチオンの3つの電荷状態での分子軌道(molecular orbital)分布とマッチングさせてRDMを介しての構造特性による分子軌道分布を求めるステップと、c)前記b)ステップでRDMにより求めた2個の構造特性による中性、アニオン、及びカチオンの3つの電荷状態でのHOMO及びLUMOの分子軌道(molecular orbital)分布を、プロファイル方法を利用して比較するステップとを含むことを特徴とする。
(式2)
MOD‐Dscore=1.0 − TPD
(前記式においてTPDは、下記式3のとおりである。)
(前記式において、Prof(A)とProf(B)とは、各々RDM(k)に属する分子軌道値を表し、Nは、RDMの総個数である。)
本発明者は、前記電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法を「CD‐MOT(Charge Dependant‐Molecular Orbital Triangle,電荷依存分子軌道三角形)」法と命名した。前記CD‐MOT法は、量子力学に基づいた方法によって計算された分子軌道分布に対してMO‐Triangle(分子軌道三角形)構築を介しての3つの成分で構成されたベクトル特性を介して電荷状態による分子軌道分布変化の連関関係を細分化して表し、体系的に定量的な比較が可能な方法である。以下、CD‐MOT法を詳細に説明する。
本発明は、前記a)ステップで中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の分子軌道分布特性の定量的差であるMOD‐Dscore値を下記i)〜iii)の方法によって得ることを特徴とする。
i)分子軌道(molecular orbital)分布を比較する2個の分子軌道を選択した後、量子力学計算法を利用してこれらの分子軌道(molecular orbital)分布を計算するステップと、
ii)各分子軌道に対するRDM(radially discrete mesh)計算方法によって構造特性を計算した後、前記i)ステップで計算された分子軌道(molecular orbital)分布とマッチングさせてRDMを介しての構造特性による分子軌道分布を求めるステップと、
iii)前記ii)ステップでRDMにより求めた2個の構造特性による分子軌道(molecular orbital)分布を利用して下記式2のMOD‐Dscore(Molecular Orbital Distribution‐Deviation Score,分子軌道分布差スコア)値を求めるステップ。
前記MOD‐Dscore値計算方法において、分子軌道は、分子内での電子の波動的(wave‐like)挙動を表す数学的な関数であると定義することができる。本発明において、分子軌道分布を比較しようとするHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の分子軌道は、1個の分子に対する2つの電子状態に対するものとなることができる(例えば、同一の分子に対するNeutral/HOMOとNeutral/LUMO)。上記のように、分子軌道分布特性の比較のためのHOMOとLUMOの分子軌道を決めてから、各々に対する量子力学計算によって中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMO状態での分子軌道分布を求める。前記分子軌道分布を求めるための量子力学的計算は、量子力学を利用した方法であれば、格別の制限はないが、好ましくは、物質の分子構造で計算される各点での軌道波動関数(orbital wave function、ψ)の自乗の電子密度(ψ)の分布を介して計算するものを使用することができ、単一点エネルギー(single point energy)計算または構造最適化(geometry optimization)計算を利用することもできる。具体的に、本発明の発明者らは、DFT(Density Functional Theory,密度汎関数理論)に基づいたACCELRYS社で開発したMATERIAL STUDIOのDMol3を利用して分子軌道の分布を計算した。
本発明は、前記i)ステップで各分子軌道に対するRDM(radially discrete mesh,動径離散メッシュ)計算方法によって構造特性を計算した後、前記i)ステップで計算された中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMO状態での分子軌道(molecular orbital)分布とマッチングさせてRDMを介しての構造特性による分子軌道分布を求めることを特徴とする。前記構造特性計算は、(x,y,z)の原子座標(atomic coordinates)を利用して計算することができ、このような情報を構造特性計算によって計算された分子軌道分布と連結させなければならない。前記のような構造特性化計算過程が必要な理由は、分子構造の座標(coordinates)情報をそのまま使用すれば、分子軌道分布はただ単に分子全体に散開されているデータであり、何らの情報を与えることができないためである。したがって、与えられた分子構造に対する特性化計算は、分子内の中心から出発するRDM(radially discrete mesh)を構成した後、各RDMに属している領域を求めることにより、分子構造全体に対するRDMを計算する。前記RDMは、分子の中心から出発して動径方向(radial direction)に一定の間隔を有して増加するメッシュ(mesh)を表す。前記RDMによる分子構造計算において、分子内の中心(x,y,z)を求める方法は、次の式1−1〜1−3のとおりである。
前記式1−1〜1−3でNATは、分子を構成する原子座標の総個数を表す。
前記のように構成されたRDM方法を使用することにより、分子構造を細分化してこれを分子軌道分布とマッチングさせる。
RDM計算は、図4を介してさらに具体的に分かることができるが、分子構造の原子等が全て含まれるまでRDM(1)、RDM(2)、…、RDM(n)に増加し、ここで、RDM(1)は、分子中心に最も近いRDMであり、RDM(n)は、全ての分子が含まれた分子中心から最も外側にあるRDMである。前記RDM計算において、RDMの総個数であるn値は、比較対象であるHOMO及びLUMOの分子軌道に対して同様に設定し、前記n値は、格別の制限はないが、好ましくは、50〜300の範囲を有し、より好ましくは、100〜300の範囲を有する。このように計算されたRDMに対して各RDMに含まれる分子軌道分布を計算する。これを介して分子構造に対して計算された分子軌道情報を総n個のRDMに変換された構造特性に対する分子軌道情報にマッチング(matching)させる。前記で求められたRDM情報を利用して後述するiii)ステップでグラフベースのプロファイル(graph‐based profile)計算に利用する。
本発明は、前記iii)ステップにおいて、前記ii)ステップで求めた2個のRDMを介しての構造特性による分子軌道(molecular orbital)分布を利用して下記式2のMOD‐Dscore(Molecular Orbital Distribution‐Deviation Score,分子軌道分布差スコア)値を求めて比較することを特徴とする。
本発明は、前記ii)ステップで計算された2個のRDM計算によってそれぞれのRDMに対して分子軌道がどのように分布されているか計算することができ、これをRDM‐profileという。本発明では、前記HOMO及びLUMOの分子軌道に対するRDM構造特性化を介してマッチングされた分子軌道分布に対してグラフベースのプロファイル(graph‐based profile)を構成し、グラフの分子軌道分布に対するプロファイル差(profile deviation)、すなわち、それぞれのRDMでの分子軌道分布特性の差を構造全体に対して計算するが、1つのRDMでのプロファイルの差は0〜1.0の間の値を有するようになる。前記プロファイルの差が0であれば、2つのプロファイルは同様なものであり、その値が大きくなるほど、差が大きいことを意味する。このように比較されたプロファイル比較を介して、HOMO及びLUMOの分子軌道による構造に対して各々RDM構成を介してマッチングされた分子軌道分布に対する定量的な差を分かることができ、これは、前記で求めた全てのRDMの場合に対して合算した下記式3のTPD(total profile deviation,総プロファイル差)値を求めることにより、さらに具体化することができる。
(前記式において、Prof(A)とProf(B)とは、各々RDM(k)に属する分子軌道値を表し、Nは、RDMの総個数である。)
また、本発明によれば、前記で求めたTPD値を用いてHOMO及びLUMOの分子軌道分布特性の差をさらに定量的に比較できるMOD‐Dscoreを下記式2のように計算することができる。
(式2)
MOD‐Dscore=1.0 − TPD
前記のように計算されたMOD‐Dscoreは、0.0〜1.0の間の値を有するようになり、HOMO及びLUMOの分子軌道分布が正確に同一であるときには、TPD値は0.0であり、最終MOD‐Dscoreの値は1.0を有するようになる。したがって、HOMO及びLUMOの分子軌道分布特性の差が大きければ大きいほど、MOD‐Dscoreは1.0より小さな値を有するようになる。このように、HOMO及びLUMOの分子軌道間の分布差をMOD‐Dscoreを介して定量的に分析することができる。
また、本発明の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法は、前記MOD‐Dscore計算方法を利用して、前記中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を3D座標に図示することができる。
このために、本発明の発明者は、各電荷状態の分子軌道分布特性の連関関係を計算するCD‐MOT(Charge Dependant‐Molecular Orbital Triangle,電荷依存分子軌道三角形)を開発した。前記CD‐MOTは、中性、アニオン、カチオンの3つの電荷状態によって変わるようになるHOMO‐LUMO間の分子軌道分布特性の連関関係を計算して分子軌道変化特性を評価する。図5は、CD‐MOTの計算過程を簡略に示したフローチャート(flow‐chart)である。図5を参考して、CD‐MOTの計算過程を説明すれば、次のとおりである。
(1)3つの電荷状態に対して量子力学方法を利用した分子軌道計算:
電荷状態による分子軌道変化特性を計算しようとする物質の分子構造を利用して3つの電荷状態(中性/アニオン/カチオン)でHOMOとLUMO状態の分子軌道分布を前述した量子力学を利用した方法を利用して各々計算する。具体的に、本発明の発明者らは、DFT(Density Functional Theory,密度汎関数理論)に基づいたACCELRYS社で開発したMATERIAL STUDIOのDMol3を利用して3つの電荷状態に対するHOMOとLUMOの分子軌道分布を計算した。
(2)MO‐Triangle計算:
3つの電荷状態で計算されたHOMOとLUMOの分子軌道分布を有して分子軌道分布特性の定量的差をMOD‐Dscoreを利用して計算する。HOMO‐LUMO間の分子軌道分布が正確に同一である場合には、MOD‐Dscoreが1.0の値を有し、分子軌道分布差が大きくなるほど、MOD‐Dscoreは、1.0より小さな値を表す。前記計算されたMOD‐Dscoreは、0.0<MOD‐Dscore≦1.0の範囲の値を表す。3つの状態に対して各々MOD‐Dscoreを計算する。このように計算された前記中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を、図6のように3D座標に(M(中性)、M(アニオン)、M(カチオン))のベクトル(Vector)で表すことができる。
図6においてM(Neutral/Anion/Cation)は、中性/アニオン/カチオン状態のHOMOとLUMOとの間で計算されたMOD‐Dscore値を表す。これを利用して、例えば、x軸は、M(Neutral)、y軸は、M(Anion)、z軸は、M(Cation)で構成された3次元分子軌道空間(Dimensional MO space)を作ることができる。このような3つの成分を連結すれば三角形を作ることができ、これをMO‐Triangle(Molecular Orbital‐Triangle,分子軌道三角形)と命名する。前記MO‐Triangleは、(M(中性(Neutral)),M(アニオン(Anion)),M(カチオン(Cation)))で構成されたベクトル特性を表す。
(3)CD‐MOT計算:
前記で求めたMO‐Triangleを介して3つの電荷状態での分子軌道分布差を定量化して分かることができる。これに基づいて、電荷状態が変わることにより異なるようになる分布特性を知るために、CD‐MOT(Charge Dependant‐Molecular Orbital Triangle)を利用して分布特性の連関関係を図7のように計算する。
前記CD‐MOTは、下記式4とCD‐MOT値で表すことができる。
(式4)
CD‐MOT=(tr(CS,CS),tr(CS,CS),tr(CS,CS))
(前記式4において、tr(CS,CS)=M(CS)/M(CS)であり、前記M(CS)は、CS状態でのHOMO及びLUMOに対するMOD‐Dscore値であり、前記CSは、中性状態、CSは、アニオン状態、CSは、カチオン状態である。)
前記CD‐MOTのtr(CS,CS)の値が1.0である場合は、電荷状態がCSからCSに変わることにより分子軌道分布特性が変わらずに類似しているということを表し、1.0より値が大きいか、小さくなると、電荷状態が変わることにより分子軌道分布特性が互いに異なるようになるということを表す。したがって、CD‐MOTは、MO‐Triangleを介して計算されたそれぞれの電荷状態での分子軌道分布間の連関関係を計算し、電荷状態と分子軌道特性との間の関係を評価することができる。
また、本発明は、前記において電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法を利用した電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システムを提供する。
前記電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システムは、
a)分子の中性、アニオン、及びカチオンの電荷状態による分子軌道(molecular orbital)特性を評価するためのシステムであって、中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の分子軌道分布特性の定量的差であるMOD‐Dscore値を下記i)〜iii)の方法によって得るMOD‐Dscore値決定モジュールと、
i)分子軌道(molecular orbital)分布を比較する2個の分子軌道を選択した後、量子力学計算法を利用してこれらの分子軌道(molecular orbital)分布を計算するステップ、
ii)各分子軌道に対するRDM(radially discrete mesh)計算方法によって構造特性を計算した後、前記i)ステップで計算された分子軌道(molecular orbital)分布とマッチングさせてRDMを介しての構造特性による分子軌道分布を求めるステップ、及び
iii)前記ii)ステップで求めた2個のRDMを介しての構造特性による分子軌道(molecular orbital)分布を利用して下記式2のMOD‐Dscore(Molecular Orbital Distribution‐Deviation Score)値を求めるステップ、
b)前記中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を3D座標に図示する3D図示モジュールと、
c)3D座標に図示された、中性及びアニオン、アニオン及びカチオン、カチオン及び中性のHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を比較する比較モジュールとを備えることを特徴とする。
(式2)
MOD‐Dscore=1.0 − TPD
(前記式においてTPDは、下記式3のとおりである。)
(前記式において、Prof(A)とProf(B)とは、各々RDM(k)に属する分子軌道値を表し、Nは、RDMの総個数である。)
前記MOD‐Dscore値決定モジュールにおいて、量子力学計算法は、前記分子軌道分布特性の定量的比較分析方法のように、物質の分子構造で計算される各点での軌道波動関数(orbital wave function、ψ)の自乗の電子密度(ψ)の分布を介して計算することができ、好ましくは、単一点エネルギー(single point energy)計算または構造最適化(geometry optimization)計算を利用することができる。
また、前記MOD‐Dscore値決定モジュールにおいて、構造特性計算は、前記分子軌道分布特性の定量的比較分析方法のように、(x,y,z)の原子座標(atomic coordinates)を利用して計算することができ、前記分子構造決定モジュールの構造特性計算は、RDM(radially discrete mesh)計算方法を利用することができる。
前記RDM計算は、前記分子軌道分布特性の定量的比較分析方法のように、それぞれのRDMに含まれる分子軌道分布をマッチングさせてRDM情報を得ることを特徴とする。
前記RDM(radially discrete mesh)計算方法のRDMの総個数(N)は、50以上300以下の整数であることが好ましく、より好ましくは、100以上300以下の整数でありうる。
また、前記MOD‐Dscore値決定モジュールでは、前記分子軌道分布特性の定量的比較分析方法のように、中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMO分子軌道のそれぞれのRDMでの分子軌道分布特性の差を比較するRDMプロファイル方法を利用することができる。
前記MOD‐Dscore値決定モジュールの構造特性計算のプロファイル方法は、下記式3のTPD(total profile deviation,総プロファイル差)値を利用することができる。
(前記式において、Prof(A)とProf(B)とは、各々RDM(k)に属する分子軌道値を表し、Nは、RDMの総個数である。)
前記MOD‐Dscore値決定モジュールの構造特性計算方法は、下記式2のMOD‐Dscore値を利用することができる。
(式2)
MOD‐Dscore=1.0 − TPD
また、本発明の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システムは、前記MOD‐Dscore計算方法を利用して、中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMO状態に対するMOD‐Dscore値を求めた後、これを3D座標で表した計算方法を利用することができる。また、前記3Dで表した計算方法は、前記式4のCD‐MOT値を利用することができる。
本発明においてモジュール(module)という用語は、特定の機能や動作を処理する1つの単位を意味し、これは、ハードウェアやソフトウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの結合で実現することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、下記に開示される本発明の実施形態はあくまで例示であり、本発明の範囲は、これらの実施形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に表示され、さらに、特許請求の範囲の記録と均等な意味及び範囲内での全ての変更を含有している。
(実施例)
電荷状態による分子軌道分布差に対する定量的な比較のために、本発明で開発したMOD‐Dscoreを利用してNPB物質に対する中性、アニオン、及びカチオンの3つの電荷状態の各々でHOMO‐LUMO間の分子軌道分布差を、図8のようにCD‐MOTを適用して定量的に比較した。前記計算では、ACCELRYS社で開発したMATERIAL STUDIOのDMol3を利用して分子軌道の分布を計算し、RDMの計算のためのN値は、200に設定した。
(実施例1:中性/アニオン/カチオン状態でのHOMOとLUMOの分子軌道差の比較)
図8のように、本発明のMOD‐Dscoreを利用して定量的な分布の比較をし、中性状態でのHOMOとLUMOとの間のMOD‐Dscore値は、0.815で、1.0より格段に小さな値を表し、アニオン状態でのHOMOとLUMOとの間のMOD‐Dscore値は、0.927の値を表し、カチオン状態でのHOMOとLUMOとの間のMOD‐Dscore値は、0.990で、ほとんど1に近い値を表した。
前記中性、アニオン、カチオン状態でのMOD‐Dscore値を、本発明の3次元分子軌道空間(3D‐MO space)でのMO‐Triangleで表すと、MO‐Triangle=(0.815,0.927,0.990)である。また、前記MO‐Triangleを利用して本発明のCD‐MOTを計算すれば、CD‐MOT=(1.137,1.068、0.823)である。
前記計算されたCD‐MOT計算値をみると、NPBの場合、tr(CS,CS)の値は1と類似した1.068の値を有するので、アニオン‐カチオン状態の分子軌道分布特性は、互いに類似するということが分かる。また、中性‐アニオンと中性‐カチオン状態に対しては、各々1.137と0.823で、1.0より格段に大きいか、格段に小さいので、電荷状態が変わることにより分子軌道分布特性が大きく異なるようになるということが分かる。
前記のように電荷状態が変わることにより分子軌道分布特性が異なるようになる場合もあり、分布特性が異なるようにならない場合もある。このように、電荷状態によって変化される分子軌道分布特性は、電子の挙動と関連のある物質の固有特性で、本発明のCD‐MOTを介してこれを体系的に評価することができ、今後、物質開発のための物性評価に重要に利用され得るであろうと期待される。

Claims (18)

  1. 分子の中性、アニオン、及びカチオンの電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較方法であって、
    a)中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOの分子軌道分布特性の定量的差であるMOD‐Dscore値を
    i)分子軌道分布を比較する中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMO分子軌道に対して、量子力学計算法を利用してこれらの分子軌道分布を計算するステップ、
    ii)各分子軌道に対するRDM計算方法によって構造特性を計算し、前記i)ステップで計算された分子軌道分布とマッチングさせてRDMを介しての構造特性による分子軌道分布を求めるステップ、及び
    iii)前記ii)ステップでRDMを介して求めた2個の構造特性による分子軌道分布を利用して下記(式2)のMOD‐Dscore値を求めるステップ
    の方法によって得るステップと、
    b)前記中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を3次元座標に図示するステップと、
    c)3次元座標に図示された、中性及びアニオン、アニオン及びカチオン、カチオン及び中性のHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を比較するステップと、
    を含み、
    (式2)
    MOD‐Dscore=1.0 − TPD
    であり、
    前記(式2)においてTPDは、下記(式3)
    のとおりであり、
    前記(式3)において、Prof(A)とProf(B)とは、各々RDM(k)に属する分子軌道値を表し、Nは、RDMの総個数であることを特徴とする電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法。
  2. 前記i)ステップの量子力学計算法は、物質の分子構造で計算される各点での軌道波動関数(ψ)の自乗の電子密度(ψ)の分布を介して計算されることを特徴とする請求項1に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法。
  3. 前記i)ステップの量子力学計算法は、単一点エネルギー計算または構造最適化計算を利用することを特徴とする請求項1に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法。
  4. 前記i)ステップの構造特性計算は、(x,y,z)の原子座標を利用して計算されることを特徴とする請求項1に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法。
  5. 前記ii)ステップのRDM計算方法は、分子の中心から出発して動径方向に一定の間隔を有して増加するメッシュを生成して計算されることを特徴とする請求項1に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法。
  6. 前記RDM計算方法のRDMの総個数(N)は、50以上300以下の整数であることを特徴とする請求項5に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法。
  7. 前記RDM計算方法のRDMの総個数(N)は、100以上300以下の整数であることを特徴とする請求項5に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法。
  8. 前記b)ステップは、前記中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を(M(中性),M(アニオン),M(カチオン))のベクトルで表すことを特徴とする請求項1に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法。
  9. 前記c)ステップは、下記(式4)のCD‐MOT値を計算して比較し、
    (式4)
    CD‐MOT=(tr(CS,CS),tr(CS,CS),tr(CS,CS))
    であり、
    前記(式4)においてtr(CS,CS)=M(CS)/M(CS)であり、前記M(CS)は、CS状態でのHOMO及びLUMOに対するMOD‐Dscore値であり、前記CSは中性状態、前記CSはアニオン状態、前記CSはカチオン状態であることを特徴とする請求項1に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析方法。
  10. 分子の中性、アニオン、及びカチオンの電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システムであって、
    a)中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOの分子軌道分布特性の定量的差であるMOD‐Dscore値を
    i)分子軌道分布を比較する中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMO分子軌道を選択し、量子力学計算法を利用してこれらの分子軌道分布を計算するステップ、
    ii)各分子軌道に対するRDM計算方法によって構造特性を計算し、前記i)ステップで計算された分子軌道分布とマッチングさせてRDMを介しての構造特性による分子軌道分布を求めるステップ、及び
    iii)前記ii)ステップでRDMを介して求めた2個の構造特性による分子軌道分布を利用して下記(式2)のMOD‐Dscore値を求めるステップ
    の方法によって得るMOD‐Dscore値決定モジュールと、
    b)前記中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を3次元座標に図示する3次元図示モジュールと、
    c)3次元座標に図示された、中性及びアニオン、アニオン及びカチオン、カチオン及び中性のHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を比較する比較モジュールと、
    を備え、
    (式2)
    MOD‐Dscore=1.0 − TPD
    であり、
    前記(式2)においてTPDは、下記(式3)
    のとおりであり、
    前記(式3)において、Prof(A)とProf(B)とは、各々RDM(k)に属する分子軌道値を表し、Nは、RDMの総個数であることを特徴とする電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システム。
  11. 前記MOD‐Dscore値決定モジュールの量子力学計算法は、物質の分子構造で計算される各点での軌道波動関数(ψ)の自乗の電子密度(ψ)の分布を介して計算されることを特徴とする請求項10に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システム。
  12. 前記MOD‐Dscore値決定モジュールの量子力学計算法は、単一点エネルギー計算または構造最適化計算を利用することを特徴とする請求項10に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システム。
  13. 前記MOD‐Dscore値決定モジュールの構造特性計算は、(x,y,z)の原子座標を利用して計算されることを特徴とする請求項10に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システム。
  14. 前記MOD‐Dscore値決定モジュールのRDM計算方法は、分子の中心から出発して動径方向に一定の間隔を有して増加するメッシュを生成して計算されることを特徴とする請求項10に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システム。
  15. 前記MOD‐Dscore値決定モジュールのRDM計算方法のRDMの総個数(N)は、50以上300以下の整数であることを特徴とする請求項10に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システム。
  16. 前記RDM計算方法のRDMの総個数(N)は、100以上300以下の整数であることを特徴とする請求項15に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システム。
  17. 前記3次元図示モジュールは、前記中性、アニオン、及びカチオンのそれぞれのHOMO及びLUMOのMOD‐Dscore値を(M(中性),M(アニオン),M(カチオン))のベクトルで表すことを特徴とする請求項10に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システム。
  18. 前記比較モジュールは、下記(式4)のCD‐MOT値を計算して比較し、
    (式4)
    CD‐MOT=(tr(CS,CS),tr(CS,CS),tr(CS,CS))
    であり、
    前記(式4)において、tr(CS,CS)=M(CS)/M(CS)であり、前記M(CS)は、CS状態でのHOMO及びLUMOに対するMOD‐Dscore値であり、前記CSは中性状態、前記CSはアニオン状態、前記CSはカチオン状態であることを特徴とする請求項10に記載の電荷状態による分子軌道分布特性の定量的比較分析システム。
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