以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図1乃至図12は本発明の第1の実施形態に係わり、図1は内視鏡の構成を示す斜視図、図2は挿入部の先端部分の説明図、図3は撮像装置の要部断面図、図4は光学ユニットの分解斜視図、図5は光学ユニットの斜視図、図6は電磁駆動源の平面図、図7は撮像光学系の光路上にレンズを挿入して保持した状態の光学ユニットを示す平面図、図8は撮像光学系の光路からレンズを退避させる動作開始時の光学ユニットを示す平面図、図9は撮像光学系の光路からレンズを退避させる動作時の光学ユニットを示す平面図、図10は撮像光学系の光路からレンズを退避させて保持した状態の光学ユニットを示す平面図、図11は撮像光学系の光路上にレンズを挿入して保持した状態の光学ユニットの内部構造を示す平面図、図12は撮像光学系の光路からレンズを退避させて保持した状態の光学ユニットの内部構造を示す平面図、図13は電磁駆動源に供給される駆動電流の一例について説明するタイムチャートである。
図1に示す内視鏡1は、被検体内に挿入可能な長尺な挿入部2と、挿入部2の基端側に連設された操作部3と、操作部3の側部から延出されたユニバーサルコード4と、を有して構成されている。
操作部3は操作把持部を構成する操作部本体10を有し、この操作部本体10の先端側が、折れ止め部11を介して、挿入部2の基端側に接続されている。また、操作部本体10の先端寄りには、挿入部2内に処置具を挿通させる管路である処置具挿通チャンネル28(図2参照)の基端側の開口部となる処置具挿通口13が設けられている。一方、操作部本体10の基端寄りには、アングルレバー14が設けられるとともに、各種内視鏡機能のスイッチ類15が設けられている。
ユニバーサルコード4の一端側は、折れ止め部16を介して操作部本体10の側部に連設されている。一方、ユニバーサルコード4の他端側である延出端には、スコープコネクタ部20が設けられている。このスコープコネクタ部20の端部には、図示しない光源装置に着脱自在な光源側コネクタ21が設けられている。光源側コネクタ21には、挿入部2側から延在するライトガイド(図示せず)の基端部が突設されるとともに、電気接点22が配設されており、光源側コネクタ21が光源装置に接続されると、ライドガイドが光源装置内の光源と光学的に接続されるとともに、電気接点22が光源装置内の電源と電気的に接続される。また、スコープコネクタ部20の側部には、図示しないビデオプロセッサに着脱自在な電気コネクタ23が設けられている。
挿入部2は、先端部5と、先端部5の基端側に配設される湾曲自在な湾曲部6と、湾曲部6の基端側に配設され長尺で可撓性を有する可撓管部7と、が先端から順に連設されて構成されている。
例えば、図2に示すように、先端部5には、被検体内を照明するための照明光学系25や被検体を撮像するための撮像装置26等が設けられるとともに、被検体内の被検部位に向けて流体を供給する送気送水チャンネル27や鉗子等の処置具が導出される処置具挿通チャンネル28等が形成されている。
図3に示すように、撮像装置26は先端側にレンズ枠31を有し、このレンズ枠31内には、光学系としての撮像光学系30を構成する光学部材として、例えば、対物レンズ32と、絞り33と、レンズ34と、が先端側から順に光軸O方向に沿って保持されている。また、レンズ枠31内において、絞り33とレンズ34との間には、これらが形成する光路に対し、光学部材としての可動レンズ35を挿脱可能な光学ユニット50が配設されている。
また、レンズ枠31の基端側には撮像枠37が外嵌され、この撮像枠37内には、固体撮像素子等からなるイメージセンサ38がカバーガラス39を介して保持されている。また、撮像枠37内において、イメージセンサ38の基端側には電気基板40が配設され、この電気基板40には、イメージセンサ38に対する各種駆動信号の供給や、イメージセンサ38で取得した画像信号の伝送等を行うための信号ケーブル41が接続されている。
ここで、信号ケーブルからは駆動用ケーブル42が分岐されており、この駆動用ケーブル42は、撮像枠37及びレンズ枠31の内面に沿って配索された配線パターン43を介して、光学ユニット50に接続されている。これにより、光学ユニット50には、例えば、術者等によるスイッチ類15に対する操作入力に応じて、光源装置内等に配設された電源制御部70から駆動電流が供給される。
図4,5に示すように、光学ユニット50は、軸保持部材としてのハウジング51と、このハウジング51に回動可能に保持される軸部材52と、軸部材52に軸着された光学保持部材53と、軸部材52を回動動作させる電磁駆動源54と、を有して構成されている。
ハウジング51は、例えば、互いに対向する第1の基板56及び第2の基板57を有する。これら第1,第2の基板56,57は、円形部56a,57aと矩形部56b,57bとが一体となった外観形状をなす平板状の部材によって構成されている。
第1,第2の基板56,57には、円形部56a,57aの中央に、撮像光学系30の光路に対応して開口する開口部56c,57cが設けられている。また、第1,第2の基板56,57には、円形部56a,57aの開口部56c,57cから矩形部56b,57b寄りにオフセットした位置に、軸受孔56d,57dが設けられている。さらに、第1の基板56には、円形部56a上の反矩形部56b側にオフセットした位置に略L字状をなす第1のスペーサ58aが立設されるとともに、矩形部56b上の反円形部56a側にオフセットした位置に略I字状をなす第2のスペーサ58bが立設されている。そして、これら第1,第2のスペーサ58a,58bを介して第1,第2の基板56,57が連結されることにより、中空のハウジング51が構成されている。
軸部材52は、第1の磁極としてのS極と、第2の磁極としてのN極と、が軸対象に着磁された略円柱形状をなす永久磁石によって構成されている。そして、この軸部材52は、ハウジング51の第1,第2の基板56,57の軸受孔56d,57dに対して回動可能に挿通されている。
光学保持部材53は、一端側が接着等によって軸部材52に軸着されたアーム部53aと、アーム部53aの他端側に可動レンズ35を保持する円環状の光学保持部53bと、が一体形成された平板状の部材によって構成されている。この光学保持部材53は、ハウジング51内に配設されることにより、軸部材52の軸受孔56d,57dからの脱落を防止するとともに、軸部材52の回動に連動して第1の基板56の内面に沿って揺動することが可能となっている。
電磁駆動源54は、例えば、第2の基板57上に固設されるベース部材62と、このベース部材62の各端部にそれぞれ連設する第1,第2のコアアーム63,64と、が一体の磁性体によって形成されたヨーク61を有する。
本実施形態において、ベース部材62は、第2の基板57の円形部57aの外面において、開口部57cを挟んで軸受孔57dの反対側の位置に固設されている(図5参照)。ベース部材62の各端部には他の部位よりも細形に形成された第1,第2の連結部62a,62bが設けられ、これら第1,第2の連結部62a,62bには、第1,第2のコアアーム63,64の基端側がそれぞれ連結されている。
第1,第2のコアアーム63,64は、第2の基板57の外面に沿って、軸受孔57d側に延設されている。これら第1,第2のコアアーム63,64の外周部には、一連の巻線が順次巻回されることにより、第1,第2の電磁コイル65,66が形成されている。そして、これら第1,第2のコアアーム63,64と第1,第2の電磁コイル65,66とにより、第1,第2の電磁石67,68が構成されている。また、第1,第2の電磁石67,68の先端側には、第1,第2のコアアーム63,64の先端部が第1,第2のコアヘッド63a,64aとして突出され、これら第1,第2のコアヘッド63a,64aは、軸受孔57dから突出する軸部材52の側部に臨まされている。
ここで、このように構成された本実施形態の光学ユニット50において、ハウジング51を構成する第1,第2のスペーサ58a,58bは、光学保持部材53の回動を規制するストッパとしての機能を有している。そして、光学保持部材53は、第1のスペーサ58aに当接されて一方向への回動が規制されることにより、光学保持部53bを各円形部56a,57aの開口部56c,57cと同軸上に重畳させる位置に位置決めされる。すなわち、光学保持部材53は、可動レンズ35を光路上に挿入する挿入位置に位置決めされる(図11参照)。一方、光学保持部材53は、第2のスペーサ58bに当接されて他方向への回動が規制されることにより、光学保持部53bを矩形部56b側に配置させる位置に位置決めされる。すなわち、光学保持部材53は、可動レンズ35を光路から退避させる退避位置に位置決めされる(図12参照)。
また、軸部材52は、例えば、光学保持部材53が挿入位置にあるとき、N極が第1のコアヘッド63aに対向するとともに、S極が第2のコアヘッド64aに対向し(図7,8,11参照)、且つ、光学保持部材53が退避位置にあるとき、S極が第1のコアヘッド63aに対向するとともに、N極が第2のコアヘッド64aに対向するよう(図9,10,12参照)、アーム部53aとの相対位置(アーム部53aに対する回転位置)が設定されている。
また、第1,第2の電磁コイル65,66は、互いに異なる方向の磁場を発生するよう、その巻回方向が設定されている。すなわち、例えば、電源制御部70から電磁駆動源54に対して所定の正電流I(図6参照)が供給されたとき、第1の電磁コイル65は第1のコアヘッド63a側を第1の磁極であるS極に帯磁させる磁場を発生させ、第2の電磁コイル66は第2のコアヘッド64a側を第2の磁極であるN極に帯磁させる磁場を発生させる。一方、例えば、電源制御部70から電磁駆動源54に対して所定の負電流(図6参照)が供給されたとき、第1の電磁コイル65は第1のコアヘッド63a側を第2の磁極であるN極に帯磁させる磁場を発生させ、第2の電磁コイル66は第2のコアヘッド64a側を第1の磁極であるS極に帯磁させる磁場を発生させる。
また、第1,第2のコアアーム63,64が細形で剛性の低い第1,第2の連結部62a,62bを介してベース部材62に支持されていることにより、第1,第2の電磁石67,68は、第2の基板57の外面に沿って揺動することが許容されている。これにより、ベース部材62は、第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52から所定距離だけ離間させる位置(例えば、図8,9参照)と、第1,第2のコアヘッド63a、64aを軸部材52に当接させる位置(例えば、図7,10参照)と、の間で変位させることが可能となっている。すなわち、本実施形態において、ベース部材62は細形の第1,第2の連結部62a,62bを介して第1,第2のコアアーム63,64(第1,第2の電磁石67,68)を支持することにより、可変支持部材としての機能を実現する。
この場合において、ベース部材62(ヨーク61)を構成する磁性体は磁歪形状記憶合金であることが望ましく、第1,第2の連結部62a,62bは、第1,第2の電磁石67,68で所定の磁場が発生したとき、第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52から離間させる方向に変形(復元)するよう設定(形状記憶)されていることが望ましい。
次に、このような光学ユニット50の作用について、図7乃至図13を参照して説明する。
例えば、光学保持部材53が可動レンズ35を光路上に挿入する挿入位置(図11参照)にあり、且つ、電磁駆動源54に対して駆動電流が供給されていないとき、第1,第2のコアヘッド63a,64aは、軸部材52の磁力によって当該軸部材52の側部に当接されている(図7参照)。そして、これら第1,第2のコアヘッド63a,64aの軸部材52に対する当接は当該軸部材52の磁力によって維持され、光学保持部材53は、挿入位置に保持されている。
また、このように光学保持部材53が挿入位置に保持されている状態において、例えば、操作部3のスイッチ類15等に対する術者等の操作入力がなされると、電磁駆動源54には、電源制御部70から予め設定された負電流−I1(駆動電流)の供給が開始される(図13中のt1参照)。
この駆動電流−I1の供給により、第1,第2の電磁コイル65,66は励磁され、第1のコアヘッド63a側がN極に帯磁されるとともに、第2のコアヘッド64a側がS極に帯磁される。これらの帯磁により、第1のコアヘッド63aと軸部材52との間、及び、第2のコアヘッド64aと軸部材52との間には磁力による斥力が生じ、これらの斥力により、第1,第2の電磁石67,68は、第1,第2の連結部62a,62bを支点として第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52から離間させる方向に揺動する(図8参照)。加えて、例えば、ベース部材62(ヨーク61)が磁歪形状記憶合金で構成されている場合には、第1,第2の電磁コイル65,66が励磁された際に、第1,第2の連結部62a,62bにおいて磁歪による復元力が発生し、これら第1,第2の連結部62a,62bに記憶された形状への復元力により、第1,第2のコアヘッド63a,64aは的確に軸部材52から離間される。
そして、これら第1,第2のコアヘッド63a,64aの離間によって軸部材52の回動規制が解除されると、軸部材52は、第1,第2のコアヘッド63a、64aからの磁場に反発する斥力によって回動され(図9参照)、この回動に伴い、光学保持部材53が退避位置まで移動(変位)される(図12参照)。さらに、このような軸部材52の回動により、N極に帯磁されている第1のコアヘッド63aには軸部材52のS極が対向されるとともに、S極に帯磁されている第2のコアヘッド64aには軸部材52のN極が対向される。そして、軸部材52の磁極位置が変化すると、第1,第2のコアヘッド63a,64aと軸部材52との間には磁場による引力が発生し、第1,第2の電磁石67,68が第1,第2の連結部62a,62bを支点として軸部材52側に揺動され、第1,第2のコアヘッド63a,64aが軸部材52に当接される(図10参照)。
その後、例えば、通電開始から設定時間(例えば、0.数秒〜1秒程度)が経過すると、電源制御部70から電磁駆動源54に対する駆動電流I1の供給は終了するが(例えば、図13中のt1’参照)、第1,第2のコアヘッド63a,64aの軸部材52に対する当接は当該軸部材52の磁力によって維持され、光学保持部材53は退避位置に保持される。
なお、詳細な説明は省略するが、例えば、操作部3のスイッチ類15等に対する術者等の操作入力が再度なされると、電磁駆動源54には、予め設定された正電流I1(駆動電流)が供給され(図13中のt2〜t2’参照)、上述の動作と逆の動作により、光学保持部材53は挿入位置に変位し(図11参照)、第1,第2のコアヘッド63a,64aと軸部材52との当接による磁力によって保持される(図7参照)。
このような実施形態によれば、軸部材52を回動動作させていないときの位置が軸部材52を回動動作させているときよりも軸部材52に接近した位置に第1,第2のコアヘッド63a,64aを変位するよう、ベース部材62に対して第1,第2の電磁石67,68(第1,第2のコアアーム63,64)を揺動可能に支持し、軸部材52の非回動動作時に第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52の磁力によって当該軸部材52に当接させることにより、熱害を発生させることなく、可動レンズ35を所望の静止位置に保持することができる。
すなわち、第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52自身の磁力によって当接させ、これら第1,第2のコアヘッド63a,64aとの間の引力による摺動抵抗によって軸部材52の回動を規制することにより、通電によって電磁力を発生させることなく、可動レンズ35(光学保持部材53)を挿入位置及び退避位置に保持することができる。従って、第1,第2の電磁コイル65,66に対する通電時間を大幅に短縮することができ、第1,第2の電磁コイル65,66で発生する発熱量を大幅に削減することができる。
この場合において、第1,第2の連結部62a,62bを構成するヨーク61を磁歪形状記憶合金によって構成し、第1,第2の電磁石67,68で磁場が発生したとき、第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52から離間させる方向に変形(復元)するよう設定することにより、軸部材52の非回動動作時に第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52に当接させた場合にも、軸部材52の回動動作時には、第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52から的確に離間させることができる。
次に、図14乃至図16は本発明の第2の実施形態に係わり、図14は光学ユニットの分解斜視図、図15は光学ユニットの斜視図、図16は電磁駆動源に供給される駆動電流の一例について説明するタイムチャートである。なお、本実施形態は、第1,第2の電磁石67,68の揺動を所定に規制するための規制部材を設けた点、及び、第1,第2の電磁石67,68に対する通電方法が、上述の第1の実施形態に対して主として異なる。その他、同様の点については、適宜同符号を付して説明を省略する。
図14,15に示すように、本実施形態において、第2の基板57には、第1,第2の電磁石67,68(第1,第2のコアヘッド63a,64a)が軸部材52から離間する方向に揺動する際の変位量を規制するための規制ピン75a,75bが立設されている。
また、第2の基板57に開口する軸受孔57dには、軸受部材76が保持されている。この軸受部材76は、例えば、軸受孔57dに挿通される円筒部77と、この円筒部77の端部に設けられた外向フランジ部78と、が一体形成された樹脂等の非磁性体部材によって構成されている。
本実施形態において、円筒部77は、その外周側が軸受孔57dに対して回動不能に固定されており、内周側に軸部材52を回動可能に支持する。
また、外向フランジ部78には第1,第2のコアヘッド63a,64aが当接可能な当接面78a,78bが設定されており、第1,第2のコアヘッド63a,64aは、磁力によって軸部材52側に引き寄せられた場合であっても、当接面78a,78bによって、軸部材52との直接的な接触が禁止されている。すなわち、本実施形態において、外向フランジ部78は、第1,第2のコアヘッド63a,64aが軸部材52との当接位置まで変位することを規制するスペーサ(規制部材)としての機能を有する。
このような構成において、光学保持部材53は、上述した第1の実施形態と略同様の作用によって、挿入位置と退避位置とに変位する。但し、例えば、図16に示すように、本実施形態の電磁駆動源54には、非回動動作時においても、駆動電流I1(或いは、−I1)よりも微弱な保持電流(I2(或いは、−I2)が供給され、この保持電流I2(或いは、−I2)によって第1,第2の電磁石67,68が発生する磁場と軸部材52の磁場との引力により、光学保持部材53は退避位置或いは挿入位置に保持される。
ここで、非回動動作時に電磁駆動源54に供給される保持電流I2(或いは、−I2)は、発熱の影響を十分に無視できる程度の微弱な電流であるため、第1,第2の電磁石67,68で発生する熱は熱害の観点からは略無視することができる。その一方で、非回動動作時において、第1,第2のコアヘッド63a,64aは、軸部材52に対して当接していないものの、外向フランジ部78の各当接面78a,78bとの当接を通じて軸部材52に対して十分に接近しており、微弱な磁場であっても、光学保持部材53を退避位置或いは挿入位置に的確に保持することができる。加えて、本実施形態においては、第1,第2の電磁石67,68と軸部材52との間の磁場による引力によって光学保持部材53を保持する構成であるため、万が一、衝撃等によって光学保持部材53が所定位置から微少に変位等した場合にも、磁場による引力によって自己修復させることができる。
次に、図17乃至図20は本発明の第3の実施形態に係わり、図17は軸受部材を示す斜視図、図18は撮像光学系の光路上にレンズを挿入して保持した状態の光学ユニットを示す平面図、図19は撮像光学系の光路からレンズを退避させる動作時の光学ユニットを示す平面図、図20は撮像光学系からレンズを退避させて保持した状態の光学ユニットを示す平面図である。なお、本実施形態は、第1,第2の電磁石67,68の揺動を所定に規制するための規制部材を設けた点が、上述の第1の実施形態に対して主として異なる。その他、同様の点については、適宜同符号を付して説明を省略する。
図18乃至図20に示すように、本実施形態において、第2の基板57には、第1,第2の電磁石67,68(第1,第2のコアヘッド63,64)が軸部材52から離間する方向に揺動する際の変位量を規制するための規制ピン75a,75bが立設されている。
また、第2の基板57に開口する軸受孔57dには、軸受部材80が保持されている。例えば、図17に示すように、この軸受部材80は、軸受孔57dに挿通される円筒部81と、この円筒部81の端部に設けられた外向フランジ部82と、が一体形成された樹脂等の非磁性体部材によって構成されている。
本実施形態において、円筒部81の内周側は、軸部材52に対して回動不能に固定されている。一方、円筒部81の外周側は軸受孔57dに対して回動可能に挿通されており、これにより、円筒部81は、軸部材52を軸受孔57dに対して回動可能に支持する。
また、外向フランジ部82には、光学保持部材53が挿入位置に位置するとき第1,第2のコアヘッド63a,64aの側面が当接(面接触)可能な第1の当接面82a,82bと、光学保持部材53が退避位置に位置するとき第1,第2のコアヘッド63a,64aの側面が当接(面接触)可能な第2の当接面82c,82dと、が設定されている。そして、第1,第2のコアヘッド63a,64aは、磁力によって軸部材52側に引き寄せられた場合であっても、第1の当接面82a,82b、或いは、第2の当接面82c,82dに当接することによって、軸部材52との直接的な接触が禁止されている。すなわち、本実施形態において、外向フランジ部82は、第1,第2のコアヘッド63a,64aが軸部材52との当接位置まで変位することを規制するスペーサ(規制部材)としての機能を有する。
このような構成において、光学保持部材53は、上述の第1の実施形態と略同様の作用によって、挿入位置と退避位置とに変位する。但し、例えば、図18に示すように、光学保持部材53は、非回動動作時において、第1,第2のコアヘッド63a,64aが軸部材52の磁力によって軸受部材80の第1の当接面82a,82bに当接することにより、挿入位置に保持される。また、例えば、図20に示すように、光学保持部材53は、非回動動作時において、第1,第2のコアヘッド63a,64aが軸部材52の磁力によって軸受部材80の第2の当接面82c,82dに当接することにより、退避位置に保持される。この場合において、第1の当接面82a,82b、或いは、第2の当接面82c,82dを通じた保持は、第1,第2のコアヘッド63a,64aの側面との面接触によるものであるため、光学ユニット50に対して衝撃等が加わった場合にも、光学保持部材53を挿入位置或いは退避位置に的確に保持することが可能となる。
一方、電磁駆動源54に対して駆動電流I1(或いは、−I1)が供給されると(図13参照)、第1,第2のコアヘッド63a,64aは、例えば、図19に示すように、第1,第2の電磁石67,68で発生する磁場により、軸部材52から離間する方向に変位するとともに、軸部材52を回動動作させる。このとき、第1,第2のコアヘッド63a,64aと軸部材52との間には、非磁性体からなる軸受部材80が介装されているため、第1,第2のコアヘッド63a,64aが軸部材52に対して直接的に当接されている場合に比べて残留磁場等の影響を受けにくく、第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52から離間する方向に的確に変位させることができる。
次に、図21,22は本発明の第4の実施形態に係わり、図21は電磁駆動源の平面図、図22は電磁駆動源に対する模式的な回路図である。なお、本実施形態は、熱によって形状が変化する形状記憶合金を用いてベース部材62(ヨーク61)を構成した点が、上述の第1の実施形態に対して主として異なる。その他、同様の点については、適宜同符号を付して説明を省略する。
図21に示すように、本実施形態のヨーク61は、磁性体のうち、熱によって形状を変化(復元)させることが可能な形状記憶合金を用いて構成されている。そして、ヨーク61を構成するベース部材62の端部に設けられた第1,第2の連結部62a,62bは、所定の熱が付与されたとき、第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52から離間させる方向に変形(復元)するよう設定されている。
また、ベース部材62の中途には電気抵抗85が介装され、さらに、第1,第2のコアヘッド63a,64aには、駆動用ケーブル42及び配線パターン43を介して電源制御部70が接続されている。すなわち、図22に示すように、本実施形態の電磁駆動源54では、電源制御部70に対し、第1,第2の電磁コイル65,66と、電気抵抗85,第1,第2の連結部62a,62bと、が並列接続されている。
このような構成において、電磁駆動源54に対して駆動電流I1(或いは、−I1)が供給されると(図13参照)、第1,第2の電磁コイル65,66が励磁されるとともに、電気抵抗85が発熱する。そして、この電気抵抗85で発生した熱が第1,第2の連結部62a,62bに伝達されると、これら第1,第2の連結部62a,62bに記憶された形状の復元力により、第1,第2のコアアーム63,64(第1,第2の電磁石67,68)には、第1,第2のコアヘッド63a,64aを軸部材52から離間させる方向の力が作用する。
ここで、第1,第2の連結部62a,62bは他の部位よりも細形に形成されているため、当該部位は、ヨーク61上において他の部位よりも電気抵抗が大きくなることが想定される。従って、第1,第2の連結部62a,62bにおいて十分な電気抵抗を確保することが可能である場合、電気抵抗85を省略し、通電による第1,第2の連結部62a,62b自身の発熱によって当該部位を変形させることも可能である。或いは、通電時に第1,第2の電磁コイル65,66が励磁された際に第1,第2の連結部62a,62bに対して十分な熱量を伝達可能である場合、ヨーク61に対する配線についても省略することが可能である。
ところで、この種の光学ユニットにおいては、光学系の光路に対する光学部材の挿脱によって実現される2種類の光学特性の変更のみならず、さらに多様な光学特性の変更を行うことが望ましい。そこで、このような光学特性の多様化を実現するための実施形態について説明する。図23乃至図35は本発明の第5の実施形態に係わり、図23は光学保持部材に設けた回転機構を示す分解斜視図、図24は撮像光学系の光路からプリズムを退避させて保持した状態の光学ユニットの内部構造を示す平面図、図25は撮像光学系の光路上にプリズムを挿入する動作時の光学ユニットの内部構造を示す平面図、図26は撮像光学系の光路上におけるプリズムの回動動作時の光学ユニットの内部構造を示す平面図、図27は撮像光学系の光路からプリズムを退避させる動作時の光学ユニットの内部構造を示す平面図、図28は撮像光学系の光路から退避した位置におけるプリズムの回動動作時の撮像ユニットの内部構造を示す平面図、図29は図25のA−A線に沿う要部断面図、図30は図26のB−B線に沿う要部断面図、図31は図27のC−C線に沿う要部断面図、図32はプリズムを光路から退避させたときの視野を示す説明図、図33はプリズムを光路内に挿入したときの視野を示す説明図、図34はプリズムを光路内において回動させたときの視野を示す説明図、図35は電磁駆動源に供給される駆動電流の一例について説明するタイムチャートである。なお、本実施形態は、光学保持部材53上に保持した光学部材を回動させる機構を設けた点が、上述の第1の実施形態に対して主として異なる。その他、同様の点については、適宜同符号を付して説明を省略する。
図23に示すように、本実施形態の光学保持部53bには、例えば、部分円弧状のガイド孔53cが設けられている。
また、光学保持部53b上には、例えば、回動部材として円環状の回動プレート90が配置されている。この回動プレート90は、例えば、ガイド孔53c内に摺動可能に挿通される摺動ピン91を介して、光学保持部53b上に回動可能に保持されている。
また、回動プレート90上には、光軸周りに異方性を有する光学部材としてのプリズム93が固設され、さらに、回転用磁石94が固設されている。なお、本実施形態においては、プリズム93の回動動作について理解を容易にするため、平面視形状が矩形形状をなすプリズムを図示しているが、平面視形状が円形形状をなすプリズムであっても良いことは勿論である。
ここで、例えば、図25,29に示すように、回転用磁石94は、光学保持部材53が挿入位置に位置し、且つ、回動プレート90がガイド孔53cによって規定される一方の回動端部(以下、第1の回動位置と称す)に位置するとき、回転用磁石94のN極(第2の磁極)が、軸部材52よりも相対的に離間した位置において、第1のコアヘッド63aと干渉可能に対向するよう設定されている。また、例えば、図27,31に示すように、回転用磁石94は、光学保持部材53が退避位置に位置し、且つ、回動プレート90がガイド孔53cによって規定される他方の回動端部(以下、第2の回動位置と称する)に位置するとき、回転用磁石94のN極が、軸部材52よりも相対的に離間した位置において、第1のコアヘッド63aと干渉可能に対向するよう設定されている。
このような構成において、例えば、図24に示すように、光学保持部材53が退避位置に保持され、且つ、回動プレート90が光学保持部材53上の第1の回動位置に位置している状態において、操作部3のスイッチ類15等に対する術者等の操作入力がなされると、電磁駆動源54には、予め設定された正電流I1(駆動電流)が電源制御部70から供給される(図35中のt3〜t3’参照)。この駆動電流I1によって第1,第2の電磁コイル65,66は励磁され、第1のコアヘッド63aがS極に帯磁されるとともに、第2のコアヘッド64aがN極に帯磁される。これにより、第1,第2のコアヘッド63a,64aは、軸部材52から離間した後、当該軸部材52を回動させる。これにより、光学保持部材53は、退避位置から挿入位置に変位する(図25,29参照)。そして、この光学保持部材53の変位によってプリズム93が光路上に挿入されることにより、例えば、先端部5の略正面に指向していた撮像光学系30の視野(図32参照)が処置具挿通チャンネル28側にオフセットされる(図33参照)。
また、操作部3のスイッチ類15等に対する術者等の操作入力が再度なされると、電磁駆動源54には、予め設定された正電流I3(駆動電流)が電源制御部70から供給される(図35中のt4〜t4’参照)。ここで、駆動電流I3は駆動電流I1よりも高い電流値に設定されており、この駆動電流I3が供給されると、第1の電磁コイル65は軸部材52のみならず、回転用磁石94のN極に対しても干渉する強い磁場によって、第1のコアヘッド63a側をN極に帯磁させる。これにより、第1のコアヘッド63aと回転用磁石94との間には斥力が発生し、回動プレート90は、光学保持部材53上を第1の回動位置から第2の回動位置へと変位する(図26,30参照)。そして、この回動プレート90の変位によってプリズム93が光路上において、光軸周りに回動することにより、処置具挿通チャンネル28側にオフセットされていた撮像光学系30の視野(図33参照)が、処置具挿通チャンネル28側において、さらに他のオフセット位置に移動する(図34参照)。
また、操作部3のスイッチ類15等に対する術者等の操作入力が再度なされると、電磁駆動源54には、予め設定された負電流−I1(駆動電流)が電源制御部70から供給される(図35中のt5〜t5’参照)。この駆動電流−I1によって第1,第2の電磁コイル65,66は励磁され、第1のコアヘッド63aがN極に帯磁されるとともに、第2のコアヘッド64aがS極に帯磁される。これにより、第1,第2のコアヘッド63a,64aは、軸部材52から離間した後、当該軸部材52を回動させる。これにより、光学保持部材53は、挿入位置から退避位置に変位する(図27,31参照)。そして、この光学保持部材53の変位によってプリズム93が光路から退避されることにより、例えば、処置具挿通チャンネル28側にオフセットされていた撮像光学系30の視野(図34参照)が、先端部5の略正面に指向する視野へと復帰する(図33参照)。
また、操作部3のスイッチ類15等に対する術者等の操作入力が再度なされると、電磁駆動源54には、予め設定された負電流−I3(駆動電流)が電源制御部70から供給される(図35中のt6〜t6’参照)。この駆動電流−I3が供給されると、第1の電磁コイル65は軸部材52のみならず、回転用磁石94のN極に対しても干渉する強い磁場によって、第1のコアヘッド63a側をS極に帯磁させる。これにより、第1のコアヘッド63aと回転用磁石94との間には引力が発生し、回動プレート90は、光学保持部材53上を第2の回動位置から第1の回動位置へと変位する(図28参照)。
このような実施形態によれば、上述の各実施形態で得られる効果に加え、撮像光学系の光学特性を更に多様化することができるという効果を奏する。
次に、図36乃至図40は本発明の第6の実施形態に係わり、図36は光学ユニットの分解斜視図、図37は光学ユニットの要部断面図、図38及び図39は各種レンズとレンズカバーとの関係を示す説明図である。なお、本実施形態は、レンズに対してレンズカバーを設けた点が上述の第1の実施形態に対して主として異なる。その他、上述の第1の実施形態と同様の点については、適宜同符号を付して説明を省略する。
図36,37に示すように、本実施形態において、可動レンズ35には、円環状のレンズカバー100が冠設されている。このレンズカバー100の端面は、第2の基板57の内面に対して摺動可能な摺動面100aとなっており、これにより、ハウジング51内での可動レンズ35のがたつきが抑制されている。すなわち、光学保持部材53が第1の基板56の内面に対して摺動可能に配設され、且つ、レンズカバー100が第2の基板57の内面に対して摺動可能に配設されることにより、ハウジング51内において可動レンズ35の光軸方向の位置決めが精度良く行われ、がたつきが防止される。
この場合において、レンズカバー100は、各種仕様の可動レンズ35毎に設計されるものであるが、例えば、図38及び図39に示すように、可動レンズ35とレンズカバー100とのトータルの高さtが等しく、且つ、摺動面100aの有効面積が等しくなるよう設計されることが望ましい。このように設計することにより、各種可動レンズ35に対して共通のクリアランス管理等を行うことが可能となる。
また、例えば、図40に示すように、レイアウト上の理由等によって、レンズカバー100と軸部材52とが干渉する場合には、摺動面100aは維持したまま、レンズカバー100の一部を切り欠くことにより、他のレイアウトの光学ユニット50と共通のクリアランス管理等を行うことが可能となる。
次に、図41乃至図44は本発明の第8の実施形態に係わり、図41は光学ユニットを第1の基板56側から示す平面図、図42は図41のD−D線に沿う要部断面図である。なお、本実施形態は光学保持部材53を第2の基板57側に付勢する構成を追加した点が、上述の第7の実施形態に対して主として異なる。その他、上述の第7の実施形態と同様の点については、適宜同符号を付して説明を省略する。
図41,42に示すように、本実施形態において、第1の基板56の外面側には、光学保持部材53を第2の基板57側に付勢する付勢部材として渦巻きバネ105が配設されている。この渦巻きバネ105の大径側の端部は、第1の基板56の外面にロウ付け等によって固定されている。
一方、渦巻きバネ105の小径側の端部は、固定板106に対してロウ付け等によって固定されている。この固定板106には円筒状の連結パイプ106aが突設されており、固定板106は、この連結パイプ106aを介して軸部材52と回動自在に連結されている。ここで、固定板106は、軸部材52と連結された際に、第1の基板56の外面から若干外方にオフセットするよう設定されている。このオフセットにより、渦巻きバネ105は、軸部材52を介して、光学保持部材53を第2の基板57側に付勢する。そして、この光学保持部材53に対する付勢により、レンズカバー100が弱い付勢力によって第2の基板57に押しつけられ、可動レンズ35のがたつきが的確に防止される。
ここで、例えば、図43,44に示すように、固定板106と渦巻きバネ105との連結構造としては、渦巻きバネ105の小径側の端部に環状の係止部105aを形成し、この係止部105aを固定板106に係止することによって行うことも可能である。
次に、図45乃至図49は本発明の第9の実施形態に係わり、図45は光学ユニットの分解斜視図、図46は光学ユニットの要部断面図、図47は軸部材及び電磁石で発生する磁場の関係を示す説明図、図48は軸部材と電磁石との間に引力が作用しているときの説明図、図49は軸部材と電磁石との間に斥力が作用しているときの説明図である。なお、本実施形態は、第2の基板を廃止し、電磁駆動源54等を第1の基板56側に配置した点が、上述の第2の実施形態に対して主として異なる。その他、上述の第2の実施形態と同様の点については、適宜同符号を付して説明を省略する。
図45,46に示すように、本実施形態の光学ユニット50において、電磁駆動源54は、第1の基板56の外面側に配設され、この電磁駆動源54の第1,第2のコアヘッド63a,64aが軸受部材76を介して軸部材52に対向されている。
ここで、例えば、図47に示すように、軸部材52で発生する磁場は長手方向の中央部が最も高くなっており、この軸部材52の磁場のピークに対し、第1のコアヘッド63a(及び、第2のコアヘッド64a)は、反光学保持部材53側にオフセットする位置に配置されている。
そして、このように磁場のピークをオフセットさせることにより、例えば、電磁駆動源54に保持電流I2(或いは、−I2)が供給されている場合には(図16参照)、軸部材52には、第1,第2のコアヘッド63a,64aとの間に、軸方向成分を含む引力が発生する。そして、この引力によって光学保持部材53が第1の基板56に押し当てられることにより、可動レンズ35のがたつきが的確に防止される。
一方、例えば、電磁駆動源54に駆動電流I1(或いは,−I1)が供給されると(図16参照)、軸部材52には、第1,第2のコアヘッド63a,64aとの間に、軸方向成分を含む斥力が発生する。そして、この斥力によって光学保持部材53が第1の基板56から一瞬浮き上がった状態で回動する。これにより、可動レンズ35が挿入位置或いは退避位置に速やかに変位する。なお、回動後の軸部材52には、第1,第2のコアヘッド63a,64aとの間に引力が発生するため、光学保持部材53は、再び、第1の基板56に押し当てられる。
ここで、このような実施形態において、例えば、図50に示すように、第1のスペーサ58a等に、光学保持部材53に対する脱落防止用の抜け止め部材107を設けることも可能である。また、例えば、図51に示すように、光学保持部材53に対し、補剛用のリブ108を設けても良い。
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲内である。例えば、上述の各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよいことは勿論である。
また、上述の実施形態においては、光学部材として可動レンズ或いはプリズムを、光学系の光路に挿脱させる一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、絞り等を挿脱させる構成であってもよい。
また、本発明が適用される光学系としては、撮像光学系に限定されるものでなく、例えば、被写体等に対して照明光を照射する照明光学系等に対しても適用が可能である。
また、上述の各実施形態においては、S極を第1の磁極、N極を第2の磁極として説明したが、これら第1,第2の磁極の対応付けは逆であっても良いことは勿論である。
(付記)
上述の各実施形態によれば、以下の構成を得ることができる。
(付記項1)
第1の磁極と第2の磁極とが軸対象に着時された永久磁石からなる軸部材と、
前記軸部材を回動可能に保持する軸保持部材と、
光軸周りに異方性を有する光学部材と、
前記軸部材に軸着され、前記軸部材の回動に伴って前記光学部材を挿入する挿入位置と前記光路から前記光学部材を退避させる退避位置とに変位可能な光学保持部材と、
前記光学保持部材と前記光学部材との間に介装され、光軸周り回動によって前記光学部材を前記光学保持部材上の第1の回動位置と第2の回動位置とに変位可能に支持する回動部材と、
前記回動部材に固設された永久磁石からなる回転用磁石と、
前記光学保持部材が前記挿入位置に位置するとき前記軸部材の第2の磁極が干渉可能に対向するとともに、前記光学保持部材が前記退避位置に位置するとき前記軸部材の第1の磁極が干渉可能に対向する第1のコアヘッドを有する第1の電磁石と、
前記光学保持部材が前記挿入位置に位置するとき前記軸部材の第1の磁極が干渉可能に対向するとともに、前記光学保持部材が前記退避位置に位置するとき前記軸部材の第2の磁極が干渉可能に対向する第2のコアヘッドを有する第2の電磁石と、を備え、
前記第2の電磁石は、前記第1の電磁石が前記第1のコアヘッド側に発生する磁場と極性の異なる磁場を前記第2のコアヘッド側に発生し、
前記第1のコアヘッドは、前記光学保持部材が前記挿入位置に位置し且つ前記回動部材が前記第1の回動位置に位置するとき前記軸部材よりも相対的に離間した位置で前記回転用磁石の第2の磁極が干渉可能に対向するとともに、前記光学保持部材が前記退避位置に位置し且つ前記回動部材が前記第2の回動位置に位置するとき前記軸部材よりも相対的に離間した位置で前記回転用磁石の第2の磁極が干渉可能に対向することを特徴とする光学ユニット。