JP6098509B2 - アクリルアミド水溶液の製造方法 - Google Patents
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Description
本願は、2011年5月19日に、日本に出願された特願2011−112428号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
アクリルアミドの工業的製造方法として、古くはアクリロニトリルを硫酸及び水とともに加熱してアクリルアミド硫酸塩水溶液を得る工程からなる硫酸加水分解法があるが、その後アクリロニトリルを銅触媒(金属銅、還元銅、又はラネー銅等)の存在下で水和させてアクリルアミド水溶液を得る銅触媒法に転換されている。さらに近年、副生成物の少ない製造方法として、微生物に由来するニトリル水和酵素等の生体触媒を利用してアクリルアミド水溶液を得る生体触媒法が提案され(たとえば特許文献1〜4)、前記生体触媒法による工業的製造も行われている。
アクリルアミドの重合を抑制して安定化させる方法として、安定化剤を用いる方法が提案されている。安定化剤としては、例えばチオ尿素、ロダンアンモン、ニトロベンゾール(特許文献5)、フェロン(特許文献6)、フリルジオキシム(特許文献7)、クロムのシアン錯化合物(特許文献8)、又はp−ニトロソジフェニルヒドロキシアミン(特許文献9)など、様々なものが提案されている。これらの安定化剤は、アクリルアミド製造工程での重合防止やアクリルアミド水溶液の安定化に用いられる。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、品質を低下させることなくアクリルアミドの重合を抑制でき、安定なアクリルアミド水溶液が得られる製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の側面を有する。
[1]アクリロニトリルを水和してアクリルアミドを生成させることによりアクリルアミド水溶液を製造する方法であって、前記アクリロニトリルとして、プロピオニトリルを3〜15mg/kg含有するものを使用する、アクリルアミド水溶液の製造方法、
[2]前記水和を生体触媒の存在下で行う、[1]に記載のアクリルアミド水溶液の製造方法、
[3]前記アクリロニトリルが、さらに、アセトニトリルを2〜20mg/kg含有する、[1]又は[2]に記載のアクリルアミド水溶液の製造方法。
[4]前記アクリルアミド水溶液中のアクリルアミド濃度を30〜60質量%とする、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のアクリルアミド水溶液の製造方法。
[1]アクリロニトリルを含む組成物を、ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒の存在下で水和してアクリルアミドを生成させることを含み、前記アクリロニトリルを含む組成物は前記アクリロニトリルを含む組成物の総量1kgに対してプロピオニトリルを3〜15mg含有し、さらに、前記アクリロニトリルを含む組成物の総量1kgに対してアセトニトリルを2〜20mg/kg含有するアクリルアミド水溶液の製造方法。
[2]前記アクリルアミド水溶液中のアクリルアミド濃度が、前記アクリルアミド水溶液全体の質量に対して30〜60質量%である、[1]に記載のアクリルアミド水溶液の製造方法。
本明細書において引用した全ての刊行物、例えば、技術文献及び公開公報、特許公報その他の特許文献は、その全体が本明細書において参考として組み込まれる。
本発明で使用するアクリロニトリルを含む組成物は、アクリロニトリルを含む組成物の総量1kgに対してプロピオニトリルを3〜15mg/kg、好ましくは5〜10mg/kg含有する。プロピオニトリルの含有量がアクリロニトリルを含む組成物の総量1kgに対して3mg未満のアクリロニトリルを含む組成物を水和してアクリルアミドを生成させるとアクリルアミドの重合を抑制する安定化効果はほとんど得られない。また、プロピオニトリルの含有量がアクリロニトリルを含む組成物の総量1kgに対して15mgを超えると、安定化効果が小さくなる。
プロピオニトリルは、原料のアクリロニトリル(すなわち、本発明のアクリロニトリルを含む組成物)中に、通常、不純物として存在する。
原料のアクリロニトリル(たとえば市販されているアクリロニトリルや当該分野で公知の方法によって合成されたアクリロニトリル)のプロピオニトリル含有量が所望の値である場合は、前記原料をそのまま水和に用いることができる。
原料のアクリロニトリルのプロピオニトリル含有量が所望の値よりも少ない場合は、前記原料にプロピオニトリルを添加して所望の含有量にすればよい。添加するプロピオニトリルは、市販されているものを用いてもよいし、当該分野で公知の方法によって合成されたものを用いてもよい。アクリロニトリルへのプロピオニトリル添加量が極微量となる場合は、添加し易いようにプロピオニトリルを希釈した液を添加することもできる。その際、希釈液としては水を用いてもよいが、プロピオニトリル希釈液添加によるアクリロニトリル濃度の低下が好ましくない場合は、プロピオニトリルを所望の濃度のアクリロニトリルに希釈し、この希釈液をアクリロニトリルに添加してもよい。
原料のアクリロニトリルのプロピオニトリル含有量が所望の値よりも多い場合は、前記原料を精製してプロピオニトリルを除去すればよい。アクリロニトリルを含む組成物中のプロピオニトリルを除去する精製方法としては、精留が挙げられる。アクリロニトリルを含む組成物の精留は公知の方法、例えば、特開2010−222309号公報に記載されている方法により実施できる。
アクリロニトリルを含む組成物中のプロピオニトリル含有量の調整は、プロピオニトリルを高含有量(例えば15mg/kg超)で含むアクリロニトリルを含む組成物と、プロピオニトリルを低含有量(例えば3mg/kg未満)で含むアクリロニトリルを含む組成物とを混合することによっても実施できる。各アクリロニトリルを含む組成物のプロピオニトリル含有量、又はそれらの混合比等を調節することにより、目的のプロピオニトリル含有量とすることができる。
アセトニトリルは、プロピオニトリルと同様、原料のアクリロニトリル中(すなわち、本発明のアクリロニトリルを含む組成物)中に、通常、不純物として存在する。
アクリロニトリルを含む組成物中のアセトニトリル含有量の調整は、プロピオニトリルの場合と同様にして実施できる。
アクリロニトリルを含む組成物中のプロピオニトリル含有量、及びアセトニトリル含有量は、それぞれ、ガスクロマトグラフィー質量分析法、又は液体クロマトグラフィー質量分析法などにより測定することができる。
生体触媒法は、生体触媒の存在下でアクリロニトリルを水和してアクリルアミドを生成する方法であり、数多くの文献、例えば、特公昭56−17918号公報、特公昭59−37951号公報、特開平2−470号公報及び国際公開第2009/113654号公報等に記載されている。本発明においては、水和させるアクリロニトリルとして特定のものを使用する以外は、それら公知の方法を利用できる。
前記処理物としては、動物細胞、植物細胞、細胞小器官又は微生物の菌体から抽出された酵素(粗酵素又は精製酵素);若しくは動物細胞、植物細胞、細胞小器官、微生物の菌体又は酵素自体を担体に固定化したもの;等が挙げられる。
固定化方法としては、包括法、架橋法、又は担体結合法等が挙げられる。包括法とは、菌体又は酵素を高分子ゲルの微細な格子の中に包み込むか、半透膜性の高分子の皮膜によって被覆する方法である。架橋法とは、酵素を2個又はそれ以上の官能基を持った試薬(多官能性架橋剤)で架橋する方法である。担体結合法とは、水不溶性の担体に酵素を結合させる方法である。
固定化に用いる単体(固定化担体)としては、例えば、ガラスビーズ、シリカゲル、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カラギーナン、アルギン酸、寒天及びゼラチン等が挙げられる。
前記微生物としては、例えば、ノカルディア(Nocardia)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター(Enterobavter)属、エルウィニア(Erwinia)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属及びシュードノカルディア(Pseudonocardia)属等に属する微生物等が挙げられる。
連続反応により行う場合、反応器への反応原料(生体触媒、原料水及びアクリロニトリルを含む)の連続的又は間歇的な導入と、反応器からの反応混合物(生成したアクリルアミドを含む)の連続的又は間歇的な取り出しを行いながら、反応器内の反応混合物を全量抜き出すことなく連続的にアクリルアミド水溶液を製造する。
バッチ反応により行う場合、反応原料を反応器に一度に全量仕込んでから反応させることにより、又は反応原料の一部を反応器に仕込んだ後、連続的又は間歇的に残りの反応原料を供給して反応させることにより、アクリルアミド水溶液を製造する。
反応器の形式としては、撹拌槽型、固定層型、流動層型、移動層型、管型、又は塔型等、種々の形式の反応器を用いることができる。反応器は、1つのみを使用してもよいし、複数を併用してもよい。複数の反応器を併用した場合、下流側ほど取り出される反応混合物中のアクリルアミド濃度が高くなる。そのため、反応器の数により、最終的に得られるアクリルアミド水溶液のアクリルアミド濃度を調節できる。
複数の反応器を用いて連続的に反応を行う場合、生体触媒、アクリロニトリルを導入する反応器は、反応の効率等を悪化させすぎない範囲内であれば、最も上流に位置する反応器のみには限定されず、それよりも下流の反応器に導入してもよい。
生体触媒の使用量は、用いる生体触媒の種類、形態によっても異なるが、反応器中に導入する生体触媒の活性が、反応温度10℃で乾燥菌体1mg当たり50〜500U程度となるように調整することが好ましい。ただし、前記単位U(ユニット)とは、1分間にアクリロニトリルからアクリルアミドを1マイクロモル生成させることを意味し、製造に用いるアクリロニトリルを用いて測定した値である。
アクリロニトリルを含む組成物の使用量は、用いる生体触媒の種類、形態によっても異なるが、反応原料中のアクリロニトリルの濃度が反応原料に対して0.5〜15.0質量%程度となるように調整することが好ましい。
反応時間は、限定はされないが、1〜50時間であることが好ましく、3〜30時間であることがより好ましい。
アクリルアミド水溶液の製造を連続反応により行う場合、反応器中から反応混合物を取り出す際の流体速度は、反応器内の反応混合物を全量抜き出すことなく連続的に製造できるように、アクリロニトリル及び生体触媒の導入速度に合わせて決定すればよい。
前記水溶性モノカルボン酸塩は、飽和モノカルボン酸塩、又は不飽和モノカルボン酸塩のいずれでもよい。飽和カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、又はn−カプロン酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、又はビニル酢酸などが挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩が代表的である。
前記水溶性モノカルボン酸塩の添加量は、最終的に得られる反応混合物(アクリルアミド水溶液)中のアクリルアミドに対し、酸として20〜5000mg/kgとなる量が好ましい。
アクリルアミド濃度が60質量%よりも高い場合、常温近くでアクリルアミドの結晶が析出しやすくなるため、加熱装置が必要となり設備コストが増加するだけでなく、温度管理などの操作性も複雑化する。したがって、本発明におけるアクリルアミド水溶液のアクリルアミド濃度は、常温近くでもアクリルアミドの結晶が析出することのない範囲であるかぎり特に限定されないが、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、最も好ましくは50質量%以下である。
一方、アクリルアミド濃度が30質量%よりも低いと、貯蔵や保管に用いるタンク容積が過大となったり、輸送コストが増大して、工業的には経済的に不利となる。したがって、アクリルアミド水溶液のアクリルアミド濃度は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、最も好ましくは40質量%以上である。
アクリルアミド水溶液のアクリルアミド濃度は、反応原料中のアクリロニトリル濃度、用いる生体触媒の種類や形態、又は反応条件(反応温度、反応時間、又は反応器の数等)等によって調整できる。
なお、以下の各例において「%」は、特に限定のない限り、「質量%」を示す。
pHは、25℃における値をガラス電極法により測定した。
(生体触媒の調製)
ニトリルヒドラターゼ活性を有するロドコッカス・ロドクロウス(Rodococcus rhodochrous)J1株(受託番号FERM BP−1478として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に1987年9月18日に国際寄託されている。)を、グルコース2%、尿素1%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、及び塩化コバルト0.05%を含む培地(pH7.0)により30℃で好気的に培養した。これを遠心分離機及び50mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用いて、集菌洗浄し、生体触媒としての菌体懸濁液(乾燥菌体15質量%)を調製した。
ダイヤニトリックス社製のアクリロニトリル(以下「アクリロニトリルA」)中のプロピオニトリル濃度及びアセトニトリル濃度を、ガスクロマトグラフィー(カラム:フューズドシリカキャピラリーNo.55 DB−225、カラム長さ:25m、オーブン温度:50℃から200℃に昇温、検出器温度:250℃、キャリアーガス:ヘリウム、スプリット比:1/50、検出器:FID、注入量:0.6μL)により分析した。その結果、アクリロニトリルA中のプロピオニトリル濃度は1mg/kg、アセトニトリル濃度は1mg/kgであった。
アクリロニトリルA99gに対し、プロピオニトリル(関東化学株式会社、純度99%)を0.1g添加して0.1%プロピオニトリル希釈液を調製した。次に、アクリロニトリルA100gに対し、0.1%プロピオニトリル希釈液を0.20g添加して、プロピオニトリル濃度が3mg/kg、アセトニトリル濃度が1mg/kgのアクリルニトリル(以下「アクリロニトリルB」)を得た。
以下の方法で、アクリロニトリルBを水和してアクリルアミド水溶液を得た。
内容積1Lのジャケット付反応器(内径10cm)を7槽直列に繋いだ。第1槽目に50mMリン酸緩衝液(pH7)を780mL/hrで、アクリロニトリルB214mL/hrで、菌体懸濁液2.0g/hrで連続的に添加し、2槽目にはアクリロニトリルBのみ182ml/hr、3槽目にはアクリロニトリルBのみ133mL/hr、4槽目にはアクリロニトリルBのみ55mL/hrで連続的に添加し、各槽とも攪拌を行った。反応温度は、第1槽目から第7槽目の液温が24、24、25、26、27、28、28℃となるように、ジャケットの冷却水(10℃)を用いて制御した。
1日後、第7槽目から流出してくる反応液を、ガスクロマトグラフィー(カラム:PoraPak−PS(Waters社製),1m,180℃、キャリアガス:窒素、検出器:FID)により分析した。その結果、アクリルアミドのみが検出され、未反応のアクリロニトリルは検出されなかった。反応液中のアクリルアミド濃度は50%であった。
上記のアクリルアミド水溶液を30g取り、50mLのポリプロピレン製容器(アズワン株式会社製、アイボーイ広口びん)に入れた。
ステンレス製ワッシャー(SUS304、内径9mm、外径18mm)をアセトンで洗浄した後、純水で洗浄し乾燥させた。乾燥後、このワッシャーを、アクリルアミド水溶液の入っている50mLのポリプロピレン製容器内へ入れた。このポリプロピレン製容器を70℃に保持した恒温器内へ入れ、アクリルアミド水溶液中のアクリルアミドが重合するまで(ポップコーン状の重合物が生成するまで)の日数を測定した。
その結果、15日後にポップコーン状の重合物が生成した。
アクリロニトリルA99gに対し、プロピオニトリル(関東化学株式会社、純度99%)を1.01g添加して1%プロピオニトリル希釈液を調製した。次に、アクリロニトリルA100gに対し、1%プロピオニトリル希釈液を0.14g添加して、プロピオニトリル濃度が15mg/kg、アセトニトリル濃度が1mg/kgのアクリルニトリル(以下「アクリロニトリルC」)を得た。このアクリロニトリルCを実施例1と同様の手順で水和してアクリルアミド水溶液を得た。
得られたアクリルアミド水溶液について、実施例1と同様の手順で安定性を評価したところ、21日後にポップコーン状の重合物が生成した。
アクリロニトリルB99.9gに対し、アセトニトリル(関東化学株式会社、純度99%)を0.01g添加して0.01%アセトニトリル希釈液を調製した。次に、アクリロニトリルB100gに対し、0.01%アセトニトリル希釈液を1.02g添加して、プロピオニトリル濃度が3mg/kg、アセトニトリル濃度が2mg/kgのアクリルニトリル(以下「アクリロニトリルD」)を得た。このアクリロニトリルDを実施例1と同様の手順で水和してアクリルアミド水溶液を得た。
得られたアクリルアミド水溶液について、実施例1と同様の手順で安定性を評価したところ、35日後にポップコーン状の重合物が生成した。
アクリロニトリルB99gに対し、アセトニトリル(関東化学株式会社、純度99%)を0.2g添加して0.2%アセトニトリル希釈液を調製した。次に、アクリロニトリルB100gに対し、0.2%アセトニトリル希釈液を0.96g添加して、プロピオニトリル濃度が3mg/kg、アセトニトリル濃度が20mg/kgのアクリルニトリル(以下「アクリロニトリルE」)を得た。このアクリロニトリルEを実施例1と同様の手順で水和してアクリルアミド水溶液を得た。
得られたアクリルアミド水溶液について、実施例1と同様の手順で安定性を評価したところ、38日後にポップコーン状の重合物が生成した。
アクリロニトリルB100gに対し、実施例4で調整した0.2%アセトニトリル希釈液を1.47g添加して、プロピオニトリル濃度が3mg/kg、アセトニトリル濃度が30mg/kgのアクリルニトリル(以下「アクリロニトリルF」)を得た。このアクリロニトリルFを実施例1と同様の手順で水和してアクリルアミド水溶液を得た。
得られたアクリルアミド水溶液について、実施例1と同様の手順で安定性を評価したところ、14日後にポップコーン状の重合物が生成した。
アクリロニトリルAを実施例1と同様の手順で水和してアクリルアミド水溶液を得た。
得られたアクリルアミド水溶液について、実施例1と同様の手順で安定性を評価したところ、3日後にポップコーン状の重合物が生成した。
アクリロニトリルA100gに対し、実施例2で調製した1%プロピオニトリル希釈液を0.19g添加して、プロピオニトリル濃度が20mg/kg、アセトニトリル濃度が1mg/kgのアクリルニトリル(以下「アクリロニトリルG」)を得た。このアクリロニトリルGを実施例1と同様の手順で水和してアクリルアミド水溶液を得た。
得られたアクリルアミド水溶液について、実施例1と同様の手順で安定性を評価したところ、6日後にポップコーン状の重合物が生成した。
また、このようにして得られたアクリルアミド水溶液の外観(着色の有無)、アクリルアミド重合体を製造する際の重合速度、得られたアクリルアミド重合体の分子量等を評価したところ、いずれも良好な結果が得られ、アクリルアミド水溶液の品質の低下は見られなかった。
Claims (2)
- アクリロニトリルを含む組成物を、ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒の存在下で水和してアクリルアミドを生成させることを含み、前記アクリロニトリルを含む組成物は前記アクリロニトリルを含む組成物の総量1kgに対してプロピオニトリルを3〜15mg含有し、さらに、前記アクリロニトリルを含む組成物の総量1kgに対してアセトニトリルを2〜20mg/kg含有するアクリルアミド水溶液の製造方法。
- 前記アクリルアミド水溶液中のアクリルアミド濃度が、前記アクリルアミド水溶液全体の質量に対して30〜60質量%である、請求項1に記載のアクリルアミド水溶液の製造方法。
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