JP6097618B2 - 空気調和システム - Google Patents
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Description
このため、ユーザーが停電の復帰を確認して手動で自立運転を停止させる構成、または、復電を検知する回路を別途設け、復電が検知されると自動的に停止させる構成が想定される。
しかし、ユーザーによる手動操作の場合、ユーザーが停止操作を忘れてしまうと、長時間自立運転が継続してしまい、経済性が悪化する場合が多い。また、復電検知回路を設けると、回路構成が煩雑になるとともに部品コストがかかる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単かつ低コストの回路構成で自立運転を停止できる空気調和システムを提供することを目的とする。
前記商用系統と前記発電電力の系統とを切り替える電源切替盤を備え、この電源切替盤に前記室内ユニットを含む負荷を接続し、前記室外ユニットは、停電時に操作する自立運転スイッチと、停電時に前記ガスエンジンを始動するバッテリーと、運転制御手段と、を備え、停電時に自立運転スイッチが投入されると、前記運転制御手段は、前記バッテリーの電力で前記ガスエンジンを始動し、前記電源切替盤を前記発電電力の系統側に切り替えるとともに、前記ガスエンジンの駆動で前記発電機を発電させ、前記発電電力で前記室外ユニット、及び、前記電源切替盤に接続された前記負荷の自立運転を可能とし、予め定められた所定時間が経過した場合、当該運転制御手段は、前記発電を含む前記自立運転を停止するとともに、前記電源切替盤を前記商用系統側に切り替え、前記商用系統に前記負荷を接続することを特徴とする。
また、室外ユニットは、停電時に操作する自立運転スイッチと、停電時にガスエンジンを始動するバッテリーと、運転制御手段と、を備え、停電時に自立運転スイッチが投入されると、運転制御手段は、バッテリーの電力でガスエンジンを始動し、電源切替盤を発電電力の系統側に切り替えるとともに、ガスエンジンの駆動で発電機を発電させ、発電電力で室外ユニット、及び、電源切替盤に接続された負荷の自立運転を可能とし、予め定められた所定時間が経過した場合、当該運転制御手段は、発電を含む自立運転を停止するとともに、電源切替盤を商用系統側に切り替え、商用系統に負荷を接続するため、自立運転スイッチを投入するだけで、ユーザーの意思に応じて確実に且つ簡単に自立運転を開始できるとともに、自立運転継続時間が経過した際には、自立運転を確実に停止して商用系統の電力による運転にスムーズに移行できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和システムを示す回路図である。
空気調和システム1は、ビルや学校等の施設に設置されるシステムであり、室外ユニット2と室内ユニット3とを有している。室外ユニット2と室内ユニット3とは、液管4a及びガス管4bからなるユニット間配管4で接続され、これによって空調運転を行うための冷凍サイクル回路が構成される。室外ユニット2には、ガスエンジン10(エンジン)と、このガスエンジン10の駆動力により発電を行う発電機11と、ガスエンジン10の駆動力により冷媒を圧縮する圧縮機12とが収容されている。このガスエンジン10は、燃料調整弁7を経て供給されるガスなどの燃料と、スロットル弁8を経て供給される空気との混合気を燃焼させて駆動力を発生する。
また、圧縮機12a,12bの吐出管12c及び吸込管12dが、バイパス管18で接続され、このバイパス管18に、アンロード用のバイパス弁20が接続されている。本構成では、上記した各機器を備えて冷媒回路が形成されている。
なお、室内ユニット3a〜3cは並列接続されるため、各室内ユニット3a〜3cへ個別に冷媒を供給することができ、各室内ユニット3a〜3cを各々独立して運転することが可能である。
このガスエンジン10は水冷式であり、このガスエンジン10のウォータージャケットを循環した冷却水は、第1の三方弁22、逆潮流ヒータ23及び第2の三方弁24を経て、ラジエータ25に供給される。このラジエータ25は、室外熱交換器17と併設されており、これらは同一の送風機26により送られる空気によって空冷され、このラジエータ25を経た冷却水は、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29の順に流れて、ガスエンジン10のウォータージャケットに戻される。
排ガス熱交換器29には、ガスエンジン10の排気ガスが通され、この排気ガスは、排気トップ30を経て、室外ユニット2の外に排出される。
第2の三方弁24は、例えば暖房運転時に切り替えられ、冷却水を、ラジエータ25をバイパスさせ、プレート式熱交換器31を経て、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29の順に流れ、ウォータージャケットに戻される。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の空気調和システム1では、発電機11を、電力会社の電力系統である商用系統36(商用電源とも称する)に系統連系することにより、発電機11の発電電力を、商用系統36の電力とともに、室外ユニット2、室内ユニット3及び他の電力負荷38に供給することができる。
この場合、室外ユニット2及び室内ユニット3は、空気調和システム1の自己消費(自己電力消費)の電力負荷に相当しており、他の電力負荷38は、空気調和に関係しない電力負荷(非空調装置)に相当しており、これらの電力負荷が需要家負荷を構成している。他の電力負荷38は、設置場所やユーザーの希望に応じて適宜に接続される需要家負荷であり、以下、「他の需要家負荷」38と表記する。本実施形態の他の需要家負荷38は、室内を照らす照明装置となっている。
なお、需要家負荷は上記のものに限定されるものではなく、例えば、更に別の電力負荷を接続するように構成しても良い。
電源切替盤52は、上流側給電ライン51aが接続される第1端子52a(通常運転用端子)と、発電機11の発電電力が供給される後述する電源線34bが接続される第2端子52b(自立運転用端子)と、室内ユニット3及び他の需要家負荷38等が接続される下流側給電ライン51bが接続される第3端子52c(給電用端子)とを備え、配線58を介して、室外側コントローラ39の制御の下、第3端子52cの接続先を、第1端子52aと第2端子52bとのいずれか一方に切り替えるスイッチ回路として機能する。
このため、第3端子52cと第1端子52aとを接続することにより、商用系統36から商用電力(本実施形態では200Vの交流電力)を下流側給電ライン51bに供給することができ、第3端子52cと第2端子52bとを接続することにより、発電機11の発電電力を下流側給電ライン51bに供給することができる。
つまり、電源切替盤52は、下流側給電ライン51bへの電力源を、商用系統36と発電電力の系統(発電系統)との間で切り替える切替手段として機能する。この下流側給電ライン51bに供給された電力は、電源線41を介して室外側コントローラ39にも供給され、この電力により圧縮機12や送風機26等を駆動可能に構成されている。
発電機11の発電電力は、電力線32を介して系統連系インバータ33に出力される。系統連系インバータ33は、発電機11の発電電力である三相交流電力を、AC/DCコンバータを介して、直流電力に変換した後、200Vの交流の電力に再度変換して電源線34(発電電力出力線)に出力する。
この電源線34は、系統連系用の電源線34aと、自立運転用の電源線34bとに分岐し、系統連系用の電源線34aは、室外側コントローラ39を含む室外ユニット2に電力を供給する電源線41を介して下流側給電ライン51bに接続される。また、図1に示すように、系統連系用の電源線34aと下流側給電ライン51bとの間には、漏電時に遮断される漏電ブレーカ34Xが配設されている。
なお、発電電力の一部は、図2に示す電源線47bを介してバッテリー49に供給され、バッテリー49に発電電力が蓄電されるように構成されている。
ここで、自立運転用の電源線34bには、当該電源線34bに発電電力を流す際にオンにされる自立用リレー34cが設けられており、系統連系用の電源線34aにも、当該電源線34aに発電電力を流す際にオンにされる連系用リレー34dが設けられている。
室外側コントローラ39は、系統連系用の電源線34aを介して発電電力が供給可能な構成に加え、商用系統36から電源線41を介して動作電源を得ることができ、通信線42を介して各室内ユニット3の室内側コントローラに通信可能に接続されている。
この室外側コントローラ39は、電源線54を介してバッテリー49の電力が直接供給される自立制御部39aと、制御プログラム等の各種データを記憶する記憶部39bとを備えている。
自立制御部39aには、ユーザー等が手動で操作する手動スイッチである自立運転切り替えスイッチ56(自立運転スイッチ)が接続され、自立運転切り替えスイッチ56が操作されることで、自立制御部39aが自立運転モードへの切り替え動作を開始する。
室外側コントローラ39は、上述したように、室外ユニット2の各機器(例えば、ガスエンジン10、電磁クラッチ14a,14b、送風機26、バッテリー49、及び、電源切替盤52等)の動作を中枢的に制御する制御部(運転制御手段)として機能する。
また、系統連系インバータ33は、自身の出力電力、つまり、電源線54に供給される電力を検出する電力検出器33a(以下、第2電力検出器33aと言う)を有している。
図2は通常運転時(通常運転モード)の空気調和システム1を示している。
通常運転モードは、商用系統36から電力が供給されている場合の動作モードであり、このモードでは、図2に示すように、電源切替盤52は第1端子52a側に切り替えられる。このため、商用系統36から供給される電力は、上流側給電ライン51a、下流側給電ライン51b及び電源線41(図1参照)などを介して、室外ユニット2の各部、室内ユニット3a〜3c及び他の需要家負荷38に供給される。また、発電機11が発電した電力は、系統連系インバータ33の出力線である電源線34、系統連系用の電源線34a及び電源線41からなる電源線61(図2参照)を介して下流側給電ライン51bに流れ、室内ユニット3a〜3c及び他の需要家負荷38に供給される。
ここで、室内ユニット3a〜3cに供給される電力の大部分は、送風機6a〜6c(図1参照)で消費される。送風機6a〜6cの手前には、系統連系インバータ33からの交流電力を直流に変換するコンバータが設けられている。
また、この通常運転時には、発電機11は、室外ユニット2を駆動するための駆動電力を全てまかなう発電電力を出力し、発電した余剰の電力を室内ユニット3及び他の需要家負荷38に供給する。
図3に示すように、停電等によって商用系統36からの電力供給が断たれると、室外ユニット2、室内ユニット3a〜3c、及び、他の需要家負荷38は電力が供給されなくなって停止する。停電後にユーザーの手動操作によって自立運転切り替えスイッチ56が「オン」に操作されると、このスイッチ56をオンしたタイミングでバッテリー49からの電力が自立制御部39a(図1参照)に供給され、自立制御部39aの制御の下、バッテリー49の電力が不図示のDC/DCコンバータを通してDC200Vとされ、室外側コントローラ39の電源として供給される。
この自立運転時には、少なくともガスエンジン10を駆動して発電機11で発電する運転(発電運転)を継続し、室内ユニット3a〜3cのいずれかを運転する場合には、室外ユニット2内の電磁クラッチ14a,14bのいずれかをつないだ状態にして圧縮機12a,12bのいずれかを駆動して空調運転を行う。また、この自立運転時には、発電しているため、発電電力によって他の需要家負荷38を運転すること、つまり、照明装置を作動させることもできる。
したがって、発電能力が限られている発電機11で電力を供給する場合であっても、停電時に運転したい設備を稼働させることができる。
また、停電時の混乱状態にあっても、運転したい設備をその場で選定することなく、予め選定されて自立運転回路57に配置されている設備を速やかに稼働させることができる。
また、自立運転時には、電源線61は、発電機11で発電されて電源切替盤52の二次側に供給された電力を室外ユニット2側に戻す電力戻し回路として機能する。すなわち、発電機11から下流側給電ライン51bに流れた電力の一部は、電源線61の一部を構成する電源線41(図1参照)を通って室外ユニット2に戻り、電源線47a(図1)等を介して送風機26等の室外ユニット2の各部に供給される。この場合、バッテリー49にも電力が供給され、自立運転中もバッテリー49は充電される。
しかし、ユーザーによる手動操作の場合、ユーザーが停止操作を忘れてしまうと、商用系統36が復帰しているにも関わらず、長時間、自立運転が継続してしまい、経済性が悪化する場合が多い。また、復電検知回路を設ける場合には、この復電検知回路に発電機11からの電力を常時供給するための回路、及び、復電の検知によって、自立運転を停止させる回路を設ける必要があり、回路構成が煩雑になるとともに部品コストがかかる。
タイマカウンタ39cは、上記した自立運転切り替えスイッチ56が「オン」に操作された際に、自立制御部39aの制御の下、時間計測を開始する。室外側コントローラ39の記憶部39bには自立運転継続時間(例えば、計画停電を行う際の停電時間)が予め記憶されている。
空気調和システム1は、室外側コントローラ39に設けられる不図示の操作装置を備え、この操作装置がサービスマン等によって操作されることにより、上記した自立運転継続時間を設定することができる。
また、この構成によれば、商用系統36の復電を検知する回路、この回路に停電時に発電機11からの電力を常時供給するための回路、及び、復電の検知によって、自立運転を停止させる回路を設ける必要がなく、回路構成を簡素化して部品コストの低減を図ることができる。
更に、この構成によれば、自立運転継続時間を予め設定できるため、計画停電のように、停電時間が予め分かっているものについては、この停電時間相当の時間を自立運転継続時間として設定することにより、効果的に自立運転を行うことができる。
その後、自立運転切り替えスイッチ56がユーザーなどの意思によって手動で「オフ」に切り替えられると、室外側コントローラ39は室外ユニット2の稼働を許可し、次いで室外ユニット2の主電源スイッチ等によってユーザーによる室外ユニット2の再稼働の意思が入力されると、ガスエンジン10及び発電機11を含む室外ユニット2が再稼働され、通常運転が開始される。これにより、通常運転時には、自立運転切り替えスイッチ56は必ず「オフ」に切り替えられていることになるため、停電時にユーザーの意思による自立運転切り替えスイッチ56の手動操作なしに自立運転に切り替えられてしまうことがない。
また、本実施形態によれば、商用系統36の復電を検知する回路、この回路に停電時に発電機11からの電力を常時供給するための回路、及び、復電の検知によって、自立運転を停止させる回路を設ける必要がなく、回路構成を簡素化して部品コストの低減を図ることができる。
更に、本実施形態によれば、室外側コントローラ39の記憶部39bに自立運転継続時間を予め設定できるため、計画停電のように、停電時間が予め分かっているものについては、この停電時間相当の時間を自立運転継続時間として設定することにより、効果的に自立運転を行うことができる。
上記実施の形態では、他の需要家負荷38は、照明装置であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電力で駆動される他の装置等であっても良い。
2 室外ユニット
3a,3b,3c 室内ユニット(負荷)
10 ガスエンジン
11 発電機
12a,12b 圧縮機
17 室外熱交換器
21a,21b,21c 室内熱交換器
33 系統連系インバータ
36 商用系統
38 他の需要家負荷(負荷)
39 室外側コントローラ(運転制御手段)
39b 記憶部
52 電源切替盤
Claims (3)
- 圧縮機、室外熱交換器を有する室外ユニット、及び、室内熱交換器を有する室内ユニットを有し、前記室外ユニットが、前記圧縮機を駆動するガスエンジン、前記ガスエンジンで駆動される発電機、及び、前記発電機の発電電力を商用系統に出力する系統連系インバータを備えた空気調和システムにおいて、
前記商用系統と前記発電電力の系統とを切り替える電源切替盤を備え、この電源切替盤に前記室内ユニットを含む負荷を接続し、
前記室外ユニットは、停電時に操作する自立運転スイッチと、停電時に前記ガスエンジンを始動するバッテリーと、運転制御手段と、を備え、停電時に自立運転スイッチが投入されると、
前記運転制御手段は、前記バッテリーの電力で前記ガスエンジンを始動し、前記電源切替盤を前記発電電力の系統側に切り替えるとともに、前記ガスエンジンの駆動で前記発電機を発電させ、前記発電電力で前記室外ユニット、及び、前記電源切替盤に接続された前記負荷の自立運転を可能とし、予め定められた所定時間が経過した場合、当該運転制御手段は、前記発電を含む前記自立運転を停止するとともに、前記電源切替盤を前記商用系統側に切り替え、前記商用系統に前記負荷を接続することを特徴とする空気調和システム。 - 前記運転制御手段は、前記自立運転が停止した場合に、前記電源切替盤を前記発電電力の系統から前記商用系統に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。
- 前記自立運転スイッチが手動で解除されると、前記運転制御手段は、前記室外ユニットの稼働を許可することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
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