JP6325292B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
しかし、上記した構成では、各室外ユニットがそれぞれバッテリーを備え、このバッテリーの電力で自機のエンジンを起動させる制御とするため、空気調和装置の構成が過剰となり、例えば、該空気調和装置のコストが上昇する問題がある。
更に、各室外ユニットの発電機で発電された電力量には限りがあるため、例えば、各室外ユニットに属する負荷の電力需要量の多寡に関わらず、発電電力を各負荷に有効に供給することが好ましい。
さらに、自立運転時の電力線を1系統化して負荷に接続したため、各室外ユニットに属する負荷の電力需要量の多寡に関わらず、また、例えば、一の室外ユニットの発電機が停止した場合であっても、各室外ユニットの負荷に安定して電力を供給することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置の電力系統を模式的に示す図である。
空気調和装置1は、大型のビルや学校等の施設に設置され、屋外に設置される複数台(本実施形態では4台)の室外ユニット2A〜2Dを備える。本構成では、商用系統電力の停電時の起動制御において、空気調和装置1は、予め定められた1台の室外ユニット2Aが親機として動作し、この室外ユニット2Aの制御の下、残りの3台の室外ユニット2B〜2Dが子機として動作する。
各室外ユニット2A〜2Dには、それぞれ屋内における所定エリアに設置される室内ユニット群3A〜3Dが接続されて独立した冷凍サイクル回路を形成し、各冷凍サイクル内でそれぞれ空調運転が行われる。各室内ユニット群3A〜3Dは、それぞれ複数台(本実施形態では各4台)の室内ユニット13a〜13dを備える。これら室内ユニットの台数は、空調対象エリアの広さ、及び、室外ユニットの能力によって適宜変更することができる。
電源切替盤50には、商用系統36と室外ユニット2A〜2Dの各発電機11で発電された発電電力の系統とを切り換える電源切替スイッチ52、152、252と、連結用リレー153と、自立負荷用リレー253とが設けられている。これら電源切替切換スイッチ及び各リレーについては後述する。
図2は、親機として動作する室外ユニット2Aと室内ユニット群3Aとを示す回路図である。
室外ユニット2Aと室内ユニット群3Aとは、液管4aおよびガス管4bからなるユニット間配管4で接続され、これによって空調運転を行うための冷凍サイクル回路が構成される。
室外ユニット2Aには、駆動源として機能するガスエンジン10(エンジン)と、このガスエンジン10の駆動力により発電を行う発電機11と、ガスエンジン10の駆動力により冷媒を圧縮する圧縮機12とが収容される。ガスエンジン10は、燃料調整弁7を経て供給されるガス等の燃料と、スロットル弁8を経て供給される空気との混合気を燃焼させて駆動力を発生する。
また、圧縮機12a,12bの吐出管12cおよび吸込管12dが、バイパス管18で接続され、このバイパス管18に、アンロード用のバイパス弁20が接続されている。本構成では、上記した各機器を備えて冷媒回路が形成されている。
なお、室内ユニット13a〜13dは並列接続されるため、各室内ユニット13a〜13dへ個別に冷媒を供給することができ、各室内ユニット13a〜13dを各々独立して運転することが可能である。
このガスエンジン10は水冷式であり、このガスエンジン10のウォータージャケットを循環した冷却水は、第1の三方弁22、逆潮流ヒータ23および第2の三方弁24を経て、ラジエータ25に供給される。このラジエータ25は、室外熱交換器17と併設されており、これらは同一の送風機26により送られる空気によって空冷される。このラジエータ25を経た冷却水は、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29の順に流れて、ガスエンジン10のウォータージャケットに戻される。
排ガス熱交換器29には、ガスエンジン10の排気ガスが通され、この排気ガスは、排気トップ30を経て、室外ユニット2Aの外に排出される。
第2の三方弁24は、例えば暖房運転時に切り替えられる電動弁であり、冷却水を、ラジエータ25をバイパスさせ、プレート式熱交換器31を経て、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29の順に流し、ウォータージャケットに戻す。
図1に示すように、本実施の形態の空気調和装置1では、各室外ユニット2A〜2Dの発電機11を、電力会社の電力系統である商用系統36(商用電源とも称する)に系統連系している。これにより、各発電機11の発電電力を、商用系統36の電力とともに、室外ユニット2A〜2D、室内ユニット13a〜13dおよび照明機器(他の電力負荷)38に供給することができる。
室外ユニット2A〜2Dおよび室内ユニット13a〜13dは、空気調和装置1の自己消費(自己電力消費)の電力負荷に相当しており、照明装置38及びコンセント(不図示)への供給電力が空気調和に関係しない他の電力負荷(非空調装置)に相当する。
最上流の第1電源切替スイッチ52には、親機である室外ユニット2Aと第1子機である室外ユニット2Bとが接続されて、一方の電源供給系列60が形成される。同様に、第2電源切替スイッチ152には、第2子機である室外ユニット2Cと第3子機である室外ユニット2Dが接続されて、他方の電源供給系列61が形成される。最下流の第3電源切替スイッチ252には、下流側給電ライン51bを介して、各室内ユニット13a〜13d及び各照明装置38が接続され、負荷側電源供給系列62が形成される。そして、他方の電源供給系列61及び負荷側電源供給系列62への電力の供給は、それぞれ連結用リレー153と、自立負荷用リレー253の開閉によって制御される。
すなわち、本実施形態では、各室外ユニット2A〜2Dに属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38は、それぞれ下流側給電ライン51b(電力線)を介して、1系統にまとめられて第3電源切替スイッチ252に接続されている。これにより、各室外ユニット2A〜2Dの発電機11が発電した発電電力を、各室内ユニット13a〜13d及び各照明装置38(負荷)の電力需要量の多寡に関わらず、該室内ユニット13a〜13d及び照明装置38に安定して供給できる。さらに、ある室外ユニット(例えば、室外ユニット2B)の発電機11が自立運転中に何らかの原因で停止した場合であっても、この室外ユニット2Bの属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38に、他の発電機11が発電した電力を供給できる。
また、電源線34aは、第3端子52cと室外ユニット2Aの系統連系インバータ33との間で分岐する電源分岐線34a1を備える。この電源分岐線34a1は、更に2つに分岐され、一方は、室外ユニット2Bの系統連系インバータ33に接続され、他方は、連結用リレー153と自立負荷用リレー253とを介して、最下流の電源切替スイッチ252に接続されている。
このため、第3端子52cと第1端子52aとを接続することにより、商用系統36から商用電力(本実施形態では200Vの交流電力)を、室外ユニット2A及び室外ユニット2Bの各系統連系インバータ33に供給することができる。さらに、第3端子52cと第2端子52bとを接続することにより、室外ユニット2Aの発電機11の発電電力を電源分岐線34a1に供給することができる。
この自立負荷用リレー253は、連結用リレー53と同様な構成であり、自立負荷用リレー253を開閉することにより、室外ユニット2Aの発電電力を室内ユニット13a〜13d及び照明装置38(負荷)へ供給するか否かを制御できる。
従って、空気調和装置1では、商用系統36および各室外ユニット2A〜2Dの発電機11から供給される電力を利用し、該室外ユニット2A〜2D、室内ユニット13a〜13d及び照明装置38を駆動する通常運転と、商用系統36から切り離して、各室外ユニット2A〜2Dの発電機11の発電電力によって該室外ユニット2A〜2D、室内ユニット13a〜13d及び照明装置38を駆動する自立運転とを選択的に行うことができる。
親機として機能する室外ユニット2Aは、図2に示すように、発電機11の発電電力を変換する系統連系インバータ33と、発電電力の一部を蓄えるバッテリー49とを備える。
発電機11の発電電力は、電力線32を介して系統連系インバータ33に出力される。系統連系インバータ33は、発電機11の発電電力である三相交流電力を、AC/DCコンバータを介して、直流電力に変換した後、200Vの交流の電力に再度変換して電源線34(発電電力出力線)に出力する。
この電源線34は、上記した系統連系用の電源線34aと、自立運転用の電源線34bとに分岐し、これら各電源線34a、34bは、第1電源切替スイッチ52の第1端子52a、第2端子52bにそれぞれ接続される。また、系統連系用の電源線34aは、電源線41を介して、室外側コントローラ39に接続され、この室外側コントローラ39を含む室外ユニット2Aに電力を供給可能となっている。
なお、発電電力の一部は、図1に示す電源線47bを介してバッテリー49に供給され、バッテリー49に発電電力が蓄電されるように構成されている。
ここで、自立運転用の電源線34bには、当該電源線34bに発電電力を流す際にオンにされる自立用リレー34cが設けられており、系統連系用の電源線34aにも、当該電源線34aに発電電力を流す際にオンにされる連系用リレー34dが設けられている。
室外側コントローラ39は、系統連系用の電源線34aを介して発電電力が供給可能な構成に加え、商用系統36から電源線41を介して動作電源を得ることができ、通信線42を介して各室内ユニット群3Aの室内側コントローラに通信可能に接続されている。
この室外側コントローラ39は、電源線54を介してバッテリー49の電力が直接供給される自立制御部(起動制御部)39aと、制御プログラム等の各種データを記憶する記憶部39bとを備えている。
自立制御部39aには、ユーザー等が手動で操作する手動スイッチである自立運転切り替えスイッチ56(自立運転スイッチ)が接続され、自立運転切り替えスイッチ56が操作されることで自立制御部39aが、自立運転モードへの切り替え動作を開始する。
室外側コントローラ39は、上述したように、室外ユニット2Aの各機器(例えば、ガスエンジン10、電磁クラッチ14a,14b、送風機26、バッテリー49および電源切替盤50等)の動作を中枢的に制御する制御部として機能する。また、室外ユニット2Aは親機として機能するため、この室外ユニット2Aの室外側コントローラ39は、停電時における各室外ユニット2A〜2Dの起動制御の主コントローラとなる。室外ユニット2Aの室外側コントローラ39は、図1に示すように、子機となる室外ユニット2B〜2Dの各室外側コントローラ39とそれぞれ通信線55で接続されている。
また、本実施形態では、これら通信線55を介して、各室外側コントローラ39と接続される集中コントローラ57(外部装置、シリパラともいう)が接続される。この集中コントローラ57は、自立運転時に、各発電機11の発電動作を監視し、発電の有無に応じて、各室外側コントローラ39に制御指示を行う。
すなわち、親機としての室外ユニット2Aは、停電時に自己のバッテリー49の貯蓄電力によって、自機(室外ユニット2A)を自立運転させることができるのに対し、子機としての室外ユニット2B〜2Dは、単独では停電時に自機を自立運転させることはできない。
このため、停電時に、空気調和装置全体を起動させようとすると、すべての室外ユニットにバッテリー等を備えた自立運転可能な構成とする必要があり、空気調和装置の構成が煩雑となっていた。
このため、本構成では、室外ユニット2Aの室外側コントローラ39が、自己の室外ユニット2A及び子機としての室外ユニット2B〜2Dを起動させる制御を行う自立制御部(起動制御部)39aを備える点に特徴を有する。
親機となる室外ユニット2Aの室外側コントローラ39は、子機となる室外ユニット2B〜2Dに対して起動指示を出し、各室外ユニット2B〜2Dの室外側コントローラ39は、起動指示に基づいて、自機の起動制御を行う。この場合、各室外ユニット2B〜2Dの室外側コントローラ39は、事前に自機のガスエンジン10を起動できない程度の異常が存在するか、または、起動を試みてガスエンジン10及び発電機11が実際に起動しない異常が存在するかを判別し、これらの異常があった場合には、親機となる室外ユニット2Aの室外側コントローラ39に発電不能な信号を発信する。
図3は通常運転時(通常運転モード)の空気調和装置1を示している。この図3において、電力が流れる線を太線で示している。
通常運転モードは、商用系統36から電力が供給されている場合の動作モードであり、このモードでは、図3に示すように、電源切替盤50は、室外ユニット2Aの室外側コントローラ39の自立制御部39aの制御の下、各電源切替スイッチ52、152、252がいずれも第1端子52a、152a、252a側に切り替えられる。また、連結用リレー153及び自立負荷用リレー253は、いずれもオフ(開放)するように制御される。
このため、商用系統36から供給される電力は、上流側給電ライン51a及び各電源切替スイッチ52、152及び、電源線(系統連系用)34a、34a1、134、234等を介して、各室外ユニット2A〜2Dの各部に供給される。さらに、第3電源切替スイッチ252、及び、下流側給電ライン51bを介して、各室内ユニット13a〜13dおよび照明装置38に供給される。
また、この通常運転時には、各室外ユニット2A〜2Dの発電機11は、該室外ユニット2A〜2Dをそれぞれ駆動するための駆動電力を全てまかなう発電電力を出力する。発電した余剰の電力は、系統連系インバータ33、電源線(系統連系用)34a、34a1、134、234、及び、下流側給電ライン51bを介して、各室内ユニット13a〜13dおよび照明装置38に供給される。
図4は、商用系統36の電力供給が停止(停電時)における自立運転の起動制御の手順を示すフローチャートである。この手順では、親機である室外ユニット2Aが制御主体として動作する。
停電等によって商用系統36からの電力供給が断たれると、室外ユニット2A〜2D、室内ユニット13a〜13dおよび照明装置38等は電力が供給されなくなって停止する。
この停電状態で、ユーザーの手動操作によって、室外ユニット2Aに設けられた自立運転切り替えスイッチ56が「オン」に操作される(ステップS1)と、このスイッチ56をオンしたタイミングでバッテリー49からの電力が室外側コントローラ39(自立制御部39a(図2参照))に供給され、室外側コントローラ39の制御の下、バッテリー49の電力が不図示のDC/DCコンバータを通してDC200Vとされ、室外側コントローラ39の電源として供給される。
この判別において、発電機11から自立運転用の電力が出力されなかった場合(ステップS3;NO)には、エラー警報を出力(ステップS4)して処理を終了する。
この場合、室外ユニット2Aの室外側コントローラ39は、連結用リレー153、自立負荷用リレー253をそれぞれオフ(開放)された状態に維持している。これらリレーをオン(閉鎖)状態とすると、室外ユニット2Aの発電電力が同時に複数の室外ユニット等に供給されるため、一台あたりの室外ユニットに供給される電力が低減される。このため、本実施形態では、実際に起動した室外ユニット2Aの台数(一台)と同じ台数の室外ユニット2Bにのみ発電電力を供給することで、この室外ユニット2Bのガスエンジン10を確実に起動可能としている。
具体的には、室外ユニット2Aの室外側コントローラ39は、室外ユニット2B(第1子機)の室外側コントローラ39に対して起動指示を送信し、室外ユニット2Bの室外側コントローラ39は、受信した起動指示に基づいて、自機のガスエンジン10を起動する。ガスエンジン10が起動すると、室外ユニット2Bの発電機11による発電が開始される。
室外ユニット2Bの室外側コントローラ39は、自機のガスエンジン10を起動するに際して、起動を妨げる異常が見つかった場合や、起動を試みるもガスエンジン10または発電機11が起動しなかった場合には、発電不能信号を室外ユニット2Aの室外側コントローラ39に送信する。
この判別において、発電機11から発電電力が出力されなかった場合(ステップS8;NO)には、エラー警報を出力(ステップS4)して処理を終了する。
室外ユニット2A(親機)の発電電力を用いて、他の室外ユニット2B〜2Dを起動させる場合には、各室外ユニット2B〜2Dを順次起動させる構成とすることもできる。しかし、この構成では、例えば四台の室外ユニットを起動させるには、計4回の起動動作を繰り返し行う必要がある。これに対して、本構成では、室外ユニット2A(親機)の発電機11が発電した発電電力を用いて、室外ユニット2B(第1子機)の起動させた後、室外ユニット2A及び起動した室外ユニット2Bの各発電機11が発電した発電電力を用いて、室外ユニット2Aと室外ユニット2Bの台数と同数である二台の室外ユニット2C、2D(第2子機、第3子機)を起動させる構成とした。このため、各室外ユニットの起動動作は計3回で済み、停電時における起動を短時間で行うことができる。この制御による効果は、室外ユニットの台数が増えればより顕著となる。
具体的には、室外ユニット2Aの室外側コントローラ39は、室外ユニット2C、2Dの室外側コントローラ39に対して起動指示を送信し、室外ユニット2C、2Dの室外側コントローラ39は、それぞれ受信した起動指示に基づいて、自機のガスエンジン10を起動する。
この場合、室外ユニット2C,2Dのガスエンジン10は、同時に起動させるのではなく、わずかな時間(例えば10秒)差で起動させる構成としている。これにより、起動時に供給される電力が同時に使用されることが防止され、ガスエンジン10の起動をより確実に実行することができる。
続いて、室外ユニット2Aの室外側コントローラ39は、室外ユニット2C、2Dの各発電機11から発電電力が出力されたか否かを判別する(ステップS12)。具体的には、発電機11から出力された発電電力は、系統連系インバータ33に入力されるため、室外ユニット2C、2Dの室外側コントローラ39を介して、該系統連系インバータ33への電力の入力の有無で判別される。または、室外ユニット2C、2Dの室外側コントローラ39から発電不能信号を受信したか否かで判別される。
また、発電機11から発電電力が出力された場合(ステップS12;YES)には、室外ユニット2Aの室外側コントローラ39は、系統連系インバータ33を通じて、該系統連系インバータ33を通じて出力される発電電力を、室外ユニット2A及び室外ユニット2Bから出力された発電電力に重畳させるように調整する(ステップS13)。これにより、室外ユニット2A(親機)及び室外ユニット2B〜2D(第1〜第3子機)から出力される発電電力は波長等を合わせた状態で下流側に供給される。
本構成では、室外ユニット2A〜2Dの各発電機11が駆動した後に、自立負荷用リレー253を閉じて、室内ユニット13a〜13d及び照明装置38に電力を供給するため、起動中に多大な電力が使用されて該室外ユニット2A〜2Dの起動が不調となることが防止され、該室外ユニットの起動後に安定した電力を負荷に供給できる。
また、各室外ユニット2A〜2Dに属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38は、それぞれ下流側給電ライン51b(電力線)を介して、1系統にまとめられて第3電源切替スイッチ252に接続されている。これにより、各室外ユニット2A〜2Dの発電機11が発電した発電電力を、各室内ユニット13a〜13d及び各照明装置38(負荷)の電力需要量の多寡に関わらず、該室内ユニット13a〜13d及び照明装置38に安定して供給できる。さらに、ある室外ユニット(例えば、室外ユニット2B)の発電機11が自立運転中に何らかの原因で停止した場合であっても、この室外ユニット2Bの属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38に、他の発電機11が発電した電力を供給できる。
また、自立運転時には、上流側給電ライン51aは電源切替盤50によって室外ユニット2A〜2Dから切り離されているため、電源切替盤50よりも上流側の商用系統36には各発電機11の電力は供給されない。このため、自立運転の際に商用系統36側へ逆潮流が生じることを簡単な構成で防止できるとともに、所望の室内ユニット13a〜13dおよび照明装置38を運転することができる。
したがって、発電能力が限られている発電機11で電力を供給する場合であっても、停電時に運転したい設備を稼働させることができる。
また、停電時の混乱状態にあっても、運転したい設備をその場で選定することなく、予め選定されて自立運転回路に配置されている設備を速やかに稼働させることができる。
図8は、室外ユニット2A〜2Dに接続される電源切替盤50の回路構成図である。図8において、上記した第1〜第3電源切替スイッチ52、152、252と、連結用リレー153と、自立負荷用リレー253については、同一の符号を付して説明を省略する。
上述のように、本実施形態では、各室外ユニット2A〜2Dに属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38は、それぞれ下流側給電ライン51b(電力線)を介して、1系統にまとめられて第3電源切替スイッチ252に接続されている。これにより、各室外ユニット2A〜2Dの発電機11が発電した発電電力を、各室内ユニット13a〜13d及び各照明装置38(負荷)の電力需要量の多寡に関わらず、該室内ユニット13a〜13d及び照明装置38に供給できる。
さらに、本構成では、例えば、室外ユニット2Bの発電機11が自立運転中に何らかの原因で停止した場合であっても、この室外ユニット2Bの属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38に、他の発電機11が発電した電力を供給することができる。
一方、室外ユニット2Bの属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38に、他の発電機11が発電した電力を供給した場合、負荷に供給される電力量が発電電力量を大きく上回ることが想定される。このため、発電機11(ガスエンジン10)が過負荷状態となって、異常停止する問題が生じる恐れがある。
また、電源切替盤50は、第3電源切替スイッチ252と、室外ユニット2A〜2Dに属する各負荷(室内ユニット13a〜13d及び照明装置38)との間に、それぞれ該負荷への電力供給を遮断する遮断リレー80A〜80D(負荷への電源供給を遮断する回路)を備える。
これら遮断リレー80A〜80Dは、それぞれコイル部81A〜81Dと接点部82A〜82Dとを備え、平常時は閉(NC)状態で接続されている。コイル部81A〜81Dには、それぞれ一端に室外側コントローラ39が接続されており、この室外側コントローラ39の制御により、該コイル部81A〜81Dに電圧が印加される。
コイル部81A〜81Dに電圧が印加されると、該当する接点部82A〜82Dが開き、負荷(室内ユニット13a〜13d及び照明装置38)への電力の供給が遮断される。
集中コントローラ57は、発電を停止した室外ユニット2Bの室外側コントローラ39に対して、室外ユニット2Bに相当する遮断リレー80Bに信号を出力し、該遮断リレー80Bの接点を開放する。
これにより、室外ユニット2Bの属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38への電力の供給が遮断されるため、負荷に供給される電力量と発電電力量との均衡を保つことができ、自立運転時における発電機11を安定して駆動させることができる。
接点部83Bは、各室外側コントローラ39と各遮断リレー80A〜80Dの接点部82A〜82Dの一端との間に直列に配置される。このため、商用電源運転時には、接点部83Bが開くことにより、万一、各室外側コントローラ39から各遮断リレー80A〜80Dのコイル部81A〜81Dに電圧が出力されたとしても、コイル部81A〜81Dに電圧が印加されることが防止されるため、遮断リレー80A〜80Dの動作を無効とすることができる。
図9は、別の実施形態にかかる空気調和装置100の電力系統を模式的に示す図である。
上記した実施形態では、電源切替盤50は、各室外ユニット2A〜2Dに属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38は、それぞれ下流側給電ライン51b(電力線)を介して、1系統にまとめられて第3電源切替スイッチ252に接続されていた。
これに対し、この別の実施形態では、空気調和装置100は、単一の電源切替盤150を備え、この電源切替盤150に室外ユニット2A〜2D、室内ユニット13a〜13d及び照明装置38(負荷)を接続している。この電源切替盤150は、自立運転時の下流側給電ライン51b(電力線)を各室外ユニット2A〜2D毎に分離して室内ユニット13a〜13d及び照明装置38(負荷)に接続する構成としている。
上記した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
また、電源切替盤150は、第2上流側給電ライン51a2に直列に設けられた第1〜第4電源負荷切替スイッチ161、261、361、461を備える。
これら電源負荷切替スイッチには、それぞれ室外ユニット2A〜2Dと、該室外ユニット2A〜2Dに属する負荷である室内ユニット13a〜13d及び照明装置38が分離して接続されている。
また、第1電源負荷切替スイッチ161は、自立運転ライン162の他端に設けられた第4端子161dと、下流側給電ライン51bを介して、室外ユニット2Aに属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38が接続される第5端子161eとを備える。
第1電源負荷切替スイッチ161は、第2端子161bの接続先を、第1端子161aと第3端子161cとのいずれか一方に切り替えるとともに、第5端子161eの接続先を、第1端子161aと第4端子161dとのいずれか一方に切り替えるスイッチ回路として機能する。
第2端子161bと第1端子161aとを接続することにより、室外ユニット2Aの発電機11の発電電力を第2上流側給電ライン51a2に供給することができ、第2端子161bと第3端子161cとを接続することにより、発電機11の発電電力を自立運転ライン162に供給することができる。
また、第5端子161eと第4端子161dとを接続することにより、自立運転ライン162に供給された発電電力を下流側給電ライン51bを介して、室外ユニット2Aに属する室内ユニット13a〜13d及び照明装置38に供給することができる。
第2〜第4電源負荷切替スイッチ261、361、461の構成は第1電源負荷切替スイッチ161と同一であるため、同種の符号を付して説明を省略する。
停電等によって商用系統36からの電力供給が断たれると、室外ユニット2A〜2D、室内ユニット13a〜13dおよび照明装置38等は電力が供給されなくなって停止する。
この停電状態で、ユーザーの手動操作によって、室外ユニット2Aに設けられた自立運転切り替えスイッチ56が「オン」に操作されると、このスイッチ56をオンしたタイミングでバッテリー49からの電力が室外側コントローラ39に供給され、室外側コントローラ39の制御の下、バッテリー49の電力が不図示のDC/DCコンバータを通してDC200Vとされ、室外側コントローラ39の電源として供給される。
さらに、室外ユニット2Aの室外側コントローラ39は、第1電源負荷切替スイッチ161の第2端子161bと第1端子161aとを接続する。これにより、発電機11から出力された自立運転用の電力は、第2上流側給電ライン51a2に供給される。
これにより、室外ユニット2Aの発電電力11が室外ユニット2Bに供給されるため、この供給された電力を用いて、室外ユニット2B(第1子機)のガスエンジン10のセルモーターを駆動し、該ガスエンジン10を起動させる。ガスエンジン10が起動すると、室外ユニット2Bの発電機11による発電が開始される。
これにより、室外ユニット2A及び室外ユニット2Bから出力される発電電力は、第2上流側給電ライン51a2、第3電源負荷切替スイッチ361、及び、電源線134を通じて、室外ユニット2C(第2子機)に供給される。さらに、この発電電力は、第2上流側給電ライン51a2、第4電源負荷切替スイッチ461、及び、電源線234を通じて、室外ユニット2D(第3子機)に供給される。
この場合、室外ユニット2C,2Dのガスエンジン10は、同時に起動させるのではなく、わずかな時間(例えば10秒)差で起動させる構成としている。これにより、起動時に供給される電力が同時に使用されることが防止され、ガスエンジン10の起動をより確実に実行することができる。
これにより、室外ユニット2A〜2Dからそれぞれ出力される発電電力は、これら室外ユニット2A〜2Dに属する負荷に個別に供給することができる。
この構成によれば、例えば、室外ユニット2Bの発電機11が停止した場合には、この室外ユニット2Bに属する室内ユニット13a〜13d、及び、照明装置38への電力の供給を停止することができ、空気調和装置100全体への影響を最小限に抑えることができる。
例えば、室外ユニット2Aの室外側コントローラ39(自立制御部39a)は、室外ユニット2A(親機)の発電機11が発電した発電電力を用いて、他の室外ユニット2B〜2Dを順次起動させる構成としても良いことは勿論である。
また、本実施形態では、自立負荷用リレー253を開いた所定時間に、特段の制御を行っていないが、この所定時間、すなわち、室内ユニット13a〜13d及び照明装置38への電力の供給を遮断した状態では、発電電力を自由に使えるため、この発電電力を使用して、例えば、不調によって停止したガスエンジン10の再起動を試みる制御を行ってもよい。
2A 室外ユニット(親機)
2B 室外ユニット(第1子機)
2C 室外ユニット(第2子機)
2D 室外ユニット(第3子機)
3A〜3D 室内ユニット群
10 ガスエンジン(エンジン)
11 発電機
12 圧縮機
13a〜13d 室内ユニット(負荷)
17 室外熱交換器
21a〜21d 室内熱交換器
33 系統連系インバータ
36 商用系統
38 照明装置(負荷)
39 室外側コントローラ
39a 自立制御部(起動制御部)
50、150 電源切替盤
51a1 第1上流側給電ライン
51a2 第2上流側給電ライン
52 第1電源切替スイッチ
80A〜80D 遮断リレー(負荷への電源供給を遮断する回路)
83 リレー
152 第2電源切替スイッチ
153 連結用リレー
160 開閉スイッチ
161 第1電源負荷切替スイッチ
252 第3電源切替スイッチ
253 自立負荷用リレー
261 第2電源負荷切替スイッチ
361 第3電源負荷切替スイッチ
461 第4電源負荷切替スイッチ
Claims (3)
- 冷凍サイクルの圧縮機を駆動するエンジンと、このエンジンに連結された発電機とを有する室外ユニットを、複数台並列に備えた空気調和装置であって、
少なくとも一台の室外ユニットがバッテリーを搭載し、
この室外ユニットのエンジンをバッテリーで起動し、発電機で発電した電力により残りのバッテリーを搭載しない室外ユニットのエンジンを起動する起動制御部を備えると共に、
各室外ユニットに属する複数台の室内ユニット及び負荷を、下流側給電ラインを介して1系統にまとめ、
前記下流側給電ラインに、前記バッテリーを搭載した室外ユニットを含む複数台の室外ユニットからなる電源供給系列と、商用電源とを選択的に接続する電源切替盤を備え、前記電源切替盤が前記下流側給電ラインと前記電源供給系列とを接続することによって、自立運転時の電力線を1系統化して前記室内ユニット及び負荷に接続した、
ことを特徴とする空気調和装置。 - 前記バッテリーを搭載した一台の室外ユニットを親機とし、その他の室外ユニットを子機として、各子機は発電の有無を外部装置に報知し、この外部装置の動作により、発電の無い室外ユニットに属する負荷への電源供給を遮断する回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 商用電源運転時には前記遮断する回路を無効とすることを特徴とする請求項2に記載の空気調和装置。
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