JP6097602B2 - 光ファイバケーブル、光ファイバケーブルの分岐方法 - Google Patents

光ファイバケーブル、光ファイバケーブルの分岐方法 Download PDF

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本発明は、分岐作業性に優れる光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルの分岐方法に関するものである。
従来、光ファイバケーブルは、光ファイバ心線が外被で被覆されたものが用いられている。使用時には、このような光ファイバ心線が分岐され、複数の住居等に配線される。
このような、光ファイバケーブルとしては、例えば、光ファイバ心線の両側に引張り及び圧縮に対する耐力を有するテンションメンバを平行に配して、ケーブル外被で一括被覆し、テンションメンバが配されていない側の光ファイバ心線の両側部に、ケーブル外被とは接着一体化されず、光ファイバ心線の配列幅より幅広で、光ファイバ心線に接触するように合成樹脂製の剥離テープを配した光ファイバケーブルがある(特許文献1)。
特開2008−70601号公報
図5は、従来の光ファイバケーブル100を示す断面図である。光ファイバケーブル100は、光ファイバ心線103、防護壁105、テンションメンバ107、支持線111等が、外被101で一体に形成される。
光ファイバ心線103は、例えば3段に俵積みされる。すなわち、複数列×複数段に最密に配置される。俵積みされた光ファイバ心線103の上下方向には、一対の防護壁105が設けられる。防護壁105は、俵積みされた最上段または最下段の光ファイバ心線103と接触する。防護壁105は、例えばナイロンテープ製である。防護壁105は、敷設後にセミの産卵から内部の光ファイバ心線103を保護するものである。また、防護壁105によって、後述する光ファイバ心線103分岐時に、内部の光ファイバ心線103の取り出し性を高めるものである。
光ファイバ心線103の両側方には、一対のテンションメンバ107が設けられる。テンションメンバ107は、光ファイバケーブル100の張力を負担する。テンションメンバ107は、例えば亜鉛メッキ鋼線を使用することができる。
光ファイバ心線103が設けられるケーブル部には支持線部が連結され、支持線部には、支持線111が設けられる。支持線111は、光ファイバケーブル100を敷設する際に、光ファイバケーブル100を支持するためのものである。支持線111は、例えば亜鉛アルミニウムメッキ鋼線を使用することができる。
光ファイバ心線103、防護壁105、テンションメンバ107、支持線111は、外被101によって一体化される。外被101は、例えばLLDPE(直鎖状短鎖分岐ポリエチレン)等を使用することができる。外被101には、ノッチ109が形成される。ノッチ109は、例えばケーブル分割工具などによって、光ファイバケーブル100を分割する起点部となる。
図6は、光ファイバケーブル100を分割する方法を示す図である。まず、図6(a)に示すように、支持線部とケーブル部とを分割する。また、ノッチ109には、分割工具の切断刃113が配置される。
この状態から、切断刃113を防護壁105まで挿入して、外被101のノッチ109を長手方向に切断する。このようにすることで、図6(b)に示すように、防護壁105と、防護壁105の上下の外被101が分割され(図中矢印H方向)、テンションメンバ107を含む外被101が光ファイバ心線103と分割される(図中矢印G方向)。
ここで、防護壁105は、外被101とは接着または融着することがないため、容易に分割することができる。しかし、俵積みされた光ファイバ心線103の両側部に配置される光ファイバ心線103は、断面において、外周の180°以上を外被101で覆われる。したがって、外被101を分割する際に、光ファイバ心線103の一部が、外被101に埋まった状態で、分割される(図中矢印I方向)。
このように、光ファイバケーブル100を分割する際に、内部の光ファイバ心線103の一部が外被101に埋まってしまうと、外被101から光ファイバ心線103を取り出す必要があるため、作業工数が増加する。また、分割された外被101は切除されて、内部の光ファイバ心線103の分岐作業が行われるが、外被101を切断する際に、誤って光ファイバ心線103を切断してしまう恐れがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、分岐作業性に優れる光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルの分岐方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、複数の光ファイバ心線と、断面において、前記光ファイバ心線を挟み込むように配置される一対の防護壁と、前記防護壁の間であって、前記光ファイバ心線を両側方から挟み込み、前記光ファイバ心線を外被と接触させないように設けられる介在と、前記介在の両側方に設けられるテンションメンバと、前記防護壁、前記介在および前記テンションメンバを覆うように設けられる外被と、を具備し、前記介在は、1m当たり10回以上30回以下で撚られたヤーンであることを特徴とする光ファイバケーブルである。
前記光ファイバ心線は、外径がΦ0.25mmであり、断面において3段に俵積みされ、前記介在は1000デニールから2000デニールであることが望ましい。
前記介在と前記外被の接触部では、両者が一体化していることが望ましい。前記光ファイバ心線の上下には前記防護壁が接触し、前記光ファイバ心線の両側方には前記介在が接触し、前記介在が変形しながら前記光ファイバ心線を挟み込むことが望ましい。
第1の発明によれば、光ファイバ心線の両側部に介在が設けられているため、介在によって、光ファイバ心線と外被との接触を防止することができる。したがって、光ファイバ心線が外被に埋まることがない。このため、光ファイバケーブルを分割する際に、光ファイバ心線を外被から取り出す作業が不要であり作業性が良い。また、光ファイバ心線を誤って外被とともに切断することがない。
また、ヤーンが撚られているため、介在によって光ファイバ心線を挟み込んだ状態で保持することができる。このため、光ファイバ心線を確実に整列させることができる。
特に、Φ0.25mmの光ファイバ心線を3段俵積みした場合において、介在が1000デニールから2000デニールの範囲のヤーンで形成されることで、より確実に、光ファイバ心線を俵積みで整列させることができる。
また、介在と外被とを一体化することで、光ファイバケーブルを分割する際に、介在と外被とが一体で分割される。このため、分割片が増えることがない。このため、作業性が優れる。また、光ファイバ心線の上下には防護壁が接触し、光ファイバ心線の両側方には介在が接触し、介在が変形しながら光ファイバ心線を挟み込むことによって、光ファイバ心線は、上下左右から均一に力が加えられ、最密に配置することができる。
第2の発明は、第1の発明にかかる光ファイバケーブルを用い、前記防護壁に対応する位置の前記外被の外周部には、ノッチが形成され、前記ノッチから、前記外被を破断させることで、前記外被と前記防護壁と前記光ファイバ心線とを分離して、前記光ファイバ心線を取り出し、前記介在は、前記外被と一体で除去されるとともに、前記光ファイバ心線は、前記外被に対して埋め込まれずに分離可能であることを特徴とする光ファイバケーブルの分岐方法である。
第2の発明によれば、光ファイバケーブルの分割作業において、光ファイバ心線が外被に埋まることがなく、容易に分岐作業を行うことができる。
本発明によれば、分岐作業性に優れる光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルの分岐方法を提供することができる。
光ファイバケーブル1の断面図であり、(a)は全体図、(b)は(a)のA部拡大図。 光ファイバケーブル1の断面図。 光ファイバケーブル1を分割する方法を示す図で、(a)は支持線部側とケーブル部側とを分離した状態を示す図、(b)は外被3等を分割した状態を示す図。 (a)〜(c)は光ファイバケーブル1における光ファイバ心線7の整列異常を示す図。 従来の光ファイバケーブル100を示す断面図。 従来の光ファイバケーブル100を分割する方法を示す図で、(a)は支持線部側とケーブル部側とを分離した状態を示す図、(b)は外被101等を分割した状態を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、光ファイバケーブル1の断面図であり、図1(a)は全体図、図1(b)は図1(a)のA部拡大図である。光ファイバケーブル1は、外被3、介在5、光ファイバ心線7、テンションメンバ9、防護壁13、支持線15等により構成される。
介在5、光ファイバ心線7、防護壁13、テンションメンバ9、支持線15は、外被3によって一体化される。外被3は、例えばポリオレフィン系樹脂製であり、望ましくはLLDPE(直鎖状短鎖分岐ポリエチレン)等を使用することができる。外被3の外周には、ノッチ11が形成される。ノッチ11は、例えばケーブル分割工具などによって、光ファイバケーブル1を分割する起点部となる。
光ファイバケーブル1の断面略中央位置には、複数の光ファイバ心線7が配置される。光ファイバケーブル1では、一列8本の光ファイバ心線7が3段に俵積みされる。ここで、俵積みとは、各列の光ファイバ心線7が接触して複数段に配置され、全体として最密に配置するものをいう。すなわち、上下に隣接する各段の光ファイバ心線7が幅方向に半ピッチずれて、一方の段の光ファイバ心線7の間に、他方の段の光ファイバ心線7がはまるように配置される
俵積みされた光ファイバ心線7の全体を上下方向から挟み込むように、一対の防護壁13が設けられる。防護壁13は、例えばナイロンテープ等であり、外被3との剥離性が良いものが使用される。防護壁13は、光ファイバ心線7の整列範囲よりも幅広に形成される。なお、防護壁13は、最上段および最下段の光ファイバ心線7と接触する。防護壁13は、敷設後にセミの産卵から内部の光ファイバ心線7を保護するものである。また、防護壁13によって、後述する光ファイバ心線7の分岐時に、内部の光ファイバ心線7の取り出し性を高めるものである。
光ファイバ心線7の両側方には、一対のテンションメンバ9が設けられる。テンションメンバ9は、光ファイバケーブル1の張力を負担する。テンションメンバ9は、例えば鋼線、モノフィラメント、アラミド繊維等による繊維補強プラスチック等が使用でき、望ましくは亜鉛メッキ鋼線を使用することができる。
光ファイバ心線7が設けられるケーブル部には、支持線部が連結される。支持線部には、支持線15が設けられる。支持線15は、光ファイバケーブル1を敷設する際に、光ファイバケーブル1を支持するためのものである。支持線15は、例えば亜鉛アルミニウムメッキ鋼線を使用することができる。
光ファイバ心線7の両側方であって、防護壁13の間には、それぞれ介在5が設けられる。介在5は、俵積みされた光ファイバ心線7全体を両側方から挟み込むように設けられる。なお、一対の介在5と一対の防護壁13で囲まれた空間(光ファイバ心線7が積層される範囲)には、外被3は進入せず、光ファイバ心線7は、外被3とは接触しない。
介在5は、ヤーン(マルチフィラメント(繊維や線維状に加工したものの集合体)を含む)によって形成される。ヤーンの材質としては、ガラス繊維、アラミド繊維、PP(ポリプロピレン)繊維、PE(ポリエチレン)繊維、PET(ポリエステル)繊維、ナイロン繊維、カーボン繊維や、これらを複数層で構成したものを用いることができる。また、それぞれの繊維を単独ではなく複合して集合したものを用いることもできる。また、上記のモノフィラメント繊維を織物や不織布として紐状としたものや、またはポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステルやナイロンなどをスプリットヤーン加工したもの(延伸加工したフィルムを、延伸方向と直角に所定の幅と長さで複数のスリットを入れて網目状に加工したもの)を、更に細い紐状としたものなどを用いることもできる。
介在5は、ヤーンが所定量撚られて形成される。ヤーンの撚り量は、1m当たり10回以上30回以下であることが望ましい。1m当たり10回以上の撚りを加えることで、後述する外被3の押し出し時の圧力(1MPa〜30MPa)に対して、ヤーンの変形や繊維のばらけを抑制することができる。このため、光ファイバ心線7の配列乱れや、これに伴う伝送損失の増加を防止することができる。
また、ヤーンの撚り量を、1m当たり30回以下とすることで、ヤーンへの引張張力を解放した際に、ヤーンに発生する撚り戻りを防止することができる。これは、ヤーンに撚りを入れながら紙管やボビンに巻き取る際には、ヤーンの巻き崩れ(荷崩れ)防止のため、ヤーンには張力が加えられて巻き取られる。その後、ヤーンを繰り出しサプライにセットして、数十グラム程度の張力を負荷しながら押出機のニップルを通過して本光ケーブルが製造される。この数十グラムの張力では、30回/mを超える撚りを加えたヤーンには、撚り戻りが発生する。このヤーンの撚り戻りは、数十グラムの張力である程度は解消されるが、ヤーンに撚り戻りによるうねりが発生する恐れがある。このため、ヤーンがニップルを通過できずに詰まってしまったり、ヤーンがニップルを通過できてもヤーンのうねりによるケーブル外観異常や心線の配列乱れを発生する恐れがある。したがって、ヤーンの撚り量は1m当たり30回以下であることが望ましい。
また、8列×3段俵積みの光ファイバ心線7に対して用いられる介在5としては、1000デニール以上2000デニール以下であることが望ましい(デニール:1デニールは9000mの糸の質量をグラム単位で表したもの)。1000デニールより小さいヤーンでは、防護壁13と介在5との間の隙間が大きくなる。このため、外被3の押し出し時に、外被3の樹脂が光ファイバ心線7側へ流れ込んでしまう。樹脂が光ファイバ心線7と接触すると、前述した従来技術のように、光ファイバケーブル1の分解時に光ファイバ心線7の一部が外被3に埋め込まれてしまう恐れがある。したがって、ヤーンは1000デニール以上であることが望ましい。
また、2000デニールより大きいヤーンでは、ヤーンの緩衝効果(クッション性)により、ケーブルを曲げた際に光ファイバ心線7が移動して、光ファイバ心線7の心線の配列(整列)を保持することが困難となる。
これに対し、光ファイバ心線7が互いに完全に密着して保持されていれば、光ファイバ心線7が他の光ファイバ心線7に拘束されて、心線の移動が抑制される。したがって、ヤーンは2000デニール以下であることが望ましい。
なお、図1(b)に示すように、介在5は、上下の一対の防護壁13の少なくとも一方の対向面との間に、若干の隙間が形成されてもよい。隙間が小さければ、外被樹脂が隙間から光ファイバ心線7側に進入することを防止することができる。また、介在5は、上下の防護壁13と接触していてもよい。介在5は、容易に変形するため、防護壁13に挟まれたとしても、防護壁13を押し戻す程の力が小さいためである。
次に、光ファイバケーブル1の製造時の状態について説明する。図2は、光ファイバケーブル1の断面図である。前述したように、光ファイバケーブル1は、各構成が配置された状態で、外周に外被3が押し出し被覆されて一体成型される。この際、外被3の押し出し圧によって、防護壁13が上下方向から圧力を受ける(図中矢印C方向)。同様に、介在5が幅方向から圧力を受ける(図中矢印D方向)。したがって、光ファイバ心線7の全体に対して、上下左右から力が加えられる。なお、図示した例では、介在5は変形していないが、実際には、介在5は変形しながら光ファイバ心線7を挟み込む。
このように、俵積みされた光ファイバ心線7全体に外周から均一に力が加えられることで、光ファイバ心線7同士の間に隙間が形成されず、最密に配置することができる。したがって、光ファイバ心線7が互いに完全に密着させることができる。このように、光ファイバ心線7の上下には、確実に防護壁13が接触し、光ファイバ心線7の両側方には、確実に介在5が接触する必要がある。
また、介在5によって、光ファイバ心線7の全体に両側方から確実に力を伝達するためには、介在5にはある程度の剛性が必要となる。例えば、外被3の押し出し圧力に対して、介在5が容易に変形してつぶれてしまうとクッション層となり、光ファイバ心線7の両側方から付与される力が減少する。このため、光ファイバ心線7の整列に乱れが生じる恐れがある。
このため、介在5のヤーンは、ストレートではなく、撚りが加えられる。撚り量を1m当たり10回以上とすることで、ある程度の剛性を確保することができる。
なお、介在5を構成するヤーンの軟化点が、外被3の押し出し温度よりも低ければ、外被3の押し出し時に、介在5が軟化して、外被3と融着により一体化させることができる。なお、介在5と外被3との一体化は、融着だけでなく、接着等であってもよい。
次に、本発明にかかる光ファイバケーブル1を用いた分岐方法について説明する。まず、図3(a)に示すように、支持線部とケーブル部とを分割する。また、ノッチ11には、分割工具の切断刃23が配置される。
この状態から、切断刃23を防護壁13まで挿入して、外被3のノッチ11を長手方向に切断する。このようにすることで、図3(b)に示すように、防護壁13と、防護壁13の上下の外被3が分割され(図中矢印F方向)、テンションメンバ9および介在5を含む外被3が光ファイバ心線7と分割される(図中矢印E方向)。
このように、本発明によれば、防護壁13は、外被3等とは接着または融着することがないため、容易に分割することができる。また、前述したように、介在5と外被3とは一体化する。また、介在5は、光ファイバ心線7とは一体化せず容易に分離することができる。このため、光ファイバケーブル1を分割した際に、内部の光ファイバ心線7が外被3に埋め込まれることがない。したがって、光ファイバ心線7の分岐作業が容易である。また、光ファイバ心線7が確実に最密配置されるため、ケーブルを布設時に曲げても、光ファイバ心線7に心線整列の乱れも抑制することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
各種の介在を用いて、断面における光ファイバ心線7の配列(構造安定性)や、分岐容易性等を評価した。なお、光ファイバケーブルは、Φ0.25mmの光ファイバ心線を用いた4心間欠テープ心線を6枚用い、8列×3段の24心とした。防護壁は、0.2mm厚×3.1mm幅のナイロンテープを用いた。テンションメンバは、Φ0.5mmの亜鉛メッキ鋼線とした。支持線は、Φ2.6mm亜鉛アルミメッキ鋼線とした。外被は、LLDPEを用いた。外被は、JISK7210の溶融性試験(190℃、2.16kg)の結果は、MFR0.35g/10分であった。介在としては、ポリプロピレンスプリットヤーン(紐状)を用いた。
(心線への樹脂流れ込み評価)
光ファイバケーブルの両端断面構造をマイクロスコープで観察し、外被材料の光ファイバ心線への流れ込みを評価した。介在によって外被材料が止まっているものを合格(○)とし、介在を超えて光ファイバ心線まで外被材料が到達しているものを不合格(×)とした。
(心線への介在ヤーン繊維の進入評価)
光ファイバケーブルの両端断面構造をマイクロスコープで観察し、介在繊維の光ファイバ心線内への進入を評価した。介在が光ファイバ心線内に進入していないものを合格(○)とし、介在繊維が光ファイバ心線内に入り込んでいるものを不合格(×)とした。
(心線配列評価)
光ファイバケーブルの両端断面構造をマイクロスコープで観察し、光ファイバ心線に配列の乱れが無いものを合格(○)とし、外被材料や介在ヤーンの進入や側圧により心線に配列の乱れが発生しているものを不合格(×)とした。
(外被と介在ヤーンの一括解体性評価)
約1m長さのケーブル中間部300mmをケーブル解体工具で切り込みを入れ外被を分割した。ケーブル外被を開いたときに、介在と外被が一括で除去(外被と介在ヤーンの一部が一体化されるものを合格(○)とし、外被と介在ヤーンが分離して一括で除去できないもの(外被と介在ヤーンが分離しているもの)を不合格(×)とした。
Figure 0006097602
実施例1〜実施例5は、ヤーンが1000D(デニール)〜2000Dの範囲であり、ヤーンの撚り量が、10回/m〜30回/mの範囲であるため、すべての評価項目で「○」となった。
一方、比較例1は、ヤーンが2500Dと大きすぎるため、防護壁が光ファイバ心線に接触せずに、防護壁で光ファイバ心線を挟み込むことができなかった。このため、光ファイバ心線の配列が乱れ、心線配列の評価項目が「×」となった。
また、比較例2は、撚り量が30回/mを超えるため、光ファイバケーブルの製造時に、ヤーンのうねりによる心線の配列が乱れた。
比較例3は、介在に撚りがなく、ストレート状態のヤーンであるため、外被押し出し時に、形が変形して(ばらけて)しまった。このため、図4(a)に示すように、光ファイバ心線7の隙間に介在5(ヤーン)の一部が進入し、光ファイバ心線7の配列異常となり、さらに介在および防護壁13の偏心量異常となった。
比較例4は、介在(ヤーン)の形状が保持されるように5回/mで捻回したものである。このため、比較例1、2と比較すると設計に近く製造することができた。しかし、図4(b)に示すように、比較例1、2と同様に、介在5(ヤーン)の圧縮強度が不足するため、光ファイバ心線7が完全に俵積みとならず、光ファイバ心線同士の間に、隙間が形成され、配列異常となった。
比較例5は、比較例3と同様に、ストレート状態のヤーンであるため、外被押し出し時に、形が変形して(ばらけて)しまった。このため、図4(a)に示すように、光ファイバ心線7の隙間に介在5(ヤーン)の一部が進入し、光ファイバ心線7の配列異常となり、さらに介在および防護壁13の偏心量異常となった。
比較例6は、ヤーンが800Dと小さく、繊維量が少ないため、図4(c)に示すように、光ファイバ心線7の側面を完全にカバーすることができなかった。したがって、光ファイバ心線7の配列異常が生じるとともに、光ファイバ心線7と外被3とが接触した。
1………光ファイバケーブル
3………外被
5………介在
7………光ファイバ心線
9………テンションメンバ
11………ノッチ
13………防護壁
15………支持線
23………切断刃
100………光ファイバケーブル
101………外被
103………光ファイバ心線
105………防護壁
107………テンションメンバ
109………ノッチ
111………支持線

Claims (5)

  1. 複数の光ファイバ心線と、
    断面において、前記光ファイバ心線を挟み込むように配置される一対の防護壁と、
    前記防護壁の間であって、前記光ファイバ心線を両側方から挟み込み、前記光ファイバ心線を外被と接触させないように設けられる介在と、
    前記介在の両側方に設けられるテンションメンバと、
    前記防護壁、前記介在および前記テンションメンバを覆うように設けられる外被と、
    を具備し、
    前記介在は、1m当たり10回以上30回以下で撚られたヤーンであることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記光ファイバ心線は、外径がΦ0.25mmであり、断面において3段に俵積みされ、
    前記介在は1000デニールから2000デニールであることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記介在と前記外被の接触部では、両者が一体化していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記光ファイバ心線の上下には前記防護壁が接触し、前記光ファイバ心線の両側方には前記介在が接触し、
    前記介在が変形しながら前記光ファイバ心線を挟み込むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
  5. 請求項1から請求項のいずれかに記載の光ファイバケーブルを用い、
    前記防護壁に対応する位置の前記外被の外周部には、ノッチが形成され、
    前記ノッチから、前記外被を破断させることで、前記外被と前記防護壁と前記光ファイバ心線とを分離して、前記光ファイバ心線を取り出し、
    前記介在は、前記外被と一体で除去されるとともに、前記光ファイバ心線は、前記外被に対して埋め込まれずに分離可能であることを特徴とする光ファイバケーブルの分岐方法。
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