JP6097210B2 - 設備保全支援装置および支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビル等に設置された空調機器等の設備の保全を支援する設備保全支援装置およびその支援方法に関する。
ビル内の各所に設置された空調機器等の設備は、機器の保証情報(耐用年数、耐用運転時間、部品交換時期等)や稼働率に基づいた設備保全計画にしたがって、定期的に保守・点検がおこなわれ、故障等の障害発生を予防している。
空調機器やエレベータ・エスカレータの関連事業には、これらの設備保全がサービス事業のひとつとなっている。このサービスでは、サービス対象設備の保証情報や予定稼働率から作成された保全計画に基づいて作業内容や価格が決められ、サービスが提供されている。
設備保全サービスが開始された後は、機器の稼働履歴情報や保守記録に基づいて、サービス内容の見直しがおこなわれ、サービスの最適化がおこなわれている。例えば、特許文献1には、サービス対象の設備機器の運転時間を収集し、収集した運転時間とこれら設備の稼動開始日及び目標運転時間とから点検仮予測日を算出し、これとは別に、設備機器の故障率と設備機器についての劣化度情報とを取得し、点検仮予測日に故障率及び劣化度情報に基づく係数を掛け合わせることにより、設備機器の点検予測日を補正する設備保全支援システムが開示されている。
特開2013−125509号公報
上記の特許文献1のシステムによれば、点検保全計画、並びに点検にかかる修繕費用予算の計画立案業務の効率化を図ることが可能となる。しかし、特許文献1の開示技術は、設備機器の取得情報を基に設備管理をおこなうものである。このため、機器そのものでは異常を検知せず稼動しているが、機器側では検知できない外的要因により機器本来の性能を発揮できず非効率的に稼動していることがある。このような場合には、適切な設備保全をおこなえない問題がある。
また、上記のとおり、特許文献1のシステムは機器の情報に基づくものであり、非効率な設備運用や計画当初の設備稼働計画と異なる稼働状況にあったとしても、設備の利用環境を含めた問題点の分析をおこなえるものではなかった。
本発明の目的は、前記した問題を解決し、利用効率や運用コストが設備機器に最適になるよう運用支援をおこなう装置あるは支援方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明のビル内の各所に設置された空調機器の設備保全支援装置は、当該ビル内の所定のエリアの入退室人数を管理する入退室管理システムから取得したエリアの定員人数および実滞在人数と、ビル管理システムから取得した空調設備の運転状態・温湿度情報と、設備保全のための診断時間とが、前記入退室管理システムで管理する入退室エリアごとに記録される管理・設定情報の記録部と、前記管理・設定情報の記録部に入退室管理システムで管理するエリアごとに記録された、エリアの定員人数および実滞在人数と、空調設備の運転状態・モード状態・室温・運転開始時間・運転開始時の温度・空調設備の設定温度を基に前記管理・設定情報の記録部の空調設備の診断時間を修正する設備保全情報管理部とを備え、前記設備保全情報管理部は、モード状態が冷房または暖房のときに空調設備の運転開始時間からの温度変化により空調設備の診断をおこない、診断結果に応じて前記管理・設定情報の記録部の診断時間を変えて、入退室管理システムとビル管理システムに連係して空調設備の設備保全条件を変更するようにした。
前記課題を解決するため、本発明のビル内の各所に設置された空調設備の設備保全支援装置は、当該ビル内の所定のエリアの入退室人数を管理する入退室管理システムから取得したエリアの定員人数および実滞在人数と、ビル管理システムから取得した空調設備の運転状態・温湿度情報と、設備保全のための診断時間とが、前記入退室管理システムで管理する入退室エリアごとに記録される管理・設定情報の記録部と、前記管理・設定情報の記録部に入退室管理システムで管理するエリアごとに記録された、エリアの定員人数および実滞在人数と、空調設備の運転状態・モード状態・室温・運転開始時間・運転開始時の温度・空調設備の設定温度を基に前記管理・設定情報の記録部の空調設備の診断時間を修正する設備保全情報管理部とを備え、前記設備保全情報管理部は、モード状態が冷房または暖房のときに空調設備の運転開始時間からの温度変化により空調設備の診断をおこない、診断結果に応じて前記管理・設定情報の記録部の診断時間を変えて、入退室管理システムとビル管理システムに連係して空調設備の設備保全条件を変更するようにした。
本発明によるシステムによれば、入退室管理システム等のビルで運用される他のシステムと連携することで空調等の設備の運用状態を検出し、管理者に想定外の運用状態を通知できるので、設備保全システムの最適化や設備の稼働効率を高めることができる。
本発明の一実施形態による概略システム構成図である。 実施形態のビル管理システムでの監視・設定情報示す図である。 実施形態の入退室管理システムでの監視・設定情報示す図である。 実施形態の設備管理システムでの監視・設定情報示す図である。 実施形態の設備診断手順を示す図である。 実施形態のパッシブセンサと対応設備の対応情報を示す図である。 実施形態の設備診断の処理フローを示す図である。
以下に、本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は、実施形態の概略システム構成図である。
本実施形態のシステムは、ビルに設けられた設備の管理をおこなうビル管理システム100と、所定の部屋やエリアの人の出入りをチェックし、滞在員数を算出可能な入退室管理システム200と、設備保全システム300とがネットワーク400により接続して構成されている。
詳しくは、ビル管理システム100は、ビル内の各室やフロアに設けられた室内温度検出部104で検出した温度情報を、設備監視・制御部101で監視し、表示・操作部102で温度情報や監視内容を表示する。ここで、室内温度検出部104に替えて、各室あるいは各所に設けられた空調設備の温湿度センサ103で検出される吸気温度を室内温度として取得してもよい。この場合、詳細を後述するが、ネットワーク400を介して、設備保全システム300から取得してもよいし、設備監視・制御部101が直接取得してもよい。
また、ビル管理システム100は、室内温度検出部104あるいは空調設備の温湿度センサ103で検知した温度を基に、表示・操作部102により空調設備の運転温度の設定操作をおこなうことができる。
入退室管理システム200は、入退室情報管理・制御部201により、ビル内の所定の入退室管理エリアに設置されたカードリーダ203で入退室時におこなわれる認証処理の認証状況等の各種情報を監視し、表示・操作部202にて入退室管理エリアの員数を表示するとともに定員数設定等の設定をおこなう。
上記の構成は、ビルのセキュリティ管理システムとで供用してもよい。
入退室管理システム200のセンサにはパッシブセンサ203を併用する。パッシブセンサ203は、人体表面から放出する赤外線を受信し人を検出する人感センサ(赤外線受動センサ)であり、人を検出して員数を確認できれば他のセンサでもよい。また、パッシブセンサ203は所定の検出領域をもち、入退室管理をおこなうエリアの広さや形状に応じて、ひとつあるいは複数のセンサで構成されている。
設備保全システム300の設備保全情報管理部301は、前記ビル管理システム100で監視している情報及び入退室管理システム200で監視している。そして、管理・設定情報303に監視情報を取り込むことにより設備情報を管理するとともに、詳細を後述するとおり、空調設備毎のメンテナンス診断時間、及び、複数の空調設備が入退室エリアに設置されている場合には、パッシブセンサ203に対応した空調設備の表示や設定を表示・操作部302により行うことができる。
ネットワーク400は、LAN(Local Area Network)が用いられるが、WAN(Wide Area Network)、インターネット等で接続できるように構成することも可能であり、LANに限定されない。
上述のとおり、本実施形態のシステムは、前記ビル管理システム100及び入退室管理システム200で監視している各種情報を取り込んで設備保全情報管理部301により連係監視し、表示・操作部302で表示することができる設備保全システム300がネットワーク400を介して接続された機器により構成されたシステムである。
なお、図1に示した構成は、一例にすぎず、ビル管理システム100が、その機能として、入退室管理システム200の機能と設備保全システム300の機能を備えるようにしてもよい。
また、設備保全システム300は、設備保全サービスを提供する事業所に設けられ、各空調装置の情報がネットワーク400を介して設備保全システムに通知されようにしてもよい。
さらに、空調設備の管理がビル管理システム100でおこなわれるようにし、空調設備の空調温度の等の制御情報や説部内部の制御情報が、ビル管理システム100から設備保全システム300に通知されるようにしてもよい。
以下に、設備保全支援の処理内容を詳細に説明する。
図2は、ビル管理システム100の監視・設定登録情報105(図1を参照)の一例を示している。監視・設定登録情報105には、ビル管理システム100が管理する設備名111毎に、当該設備の運転あるいは停止の状態が運転状態112に記録され、当該空調設備の暖房あるいは冷房、送風の動作モードがモード状態113に記録され、表示・操作部102による当該空調設備の設定温度が設定温度117に記録される。さらに、当該空調設備に対応する室内温度検出部104で検出した室内温度が温度114に記録される。ここで、温度114には、当該空調設備の温湿度センサで検知した温度を取得して記録してもよい。
運転状態112とモード状態113と温度114については、空調設備側で状態変化があったとき及び周期的に取得・更新される。
また、監視・設定登録情報105には、運転状態112が停止から運転に変わったときの時刻とその時の室内温度あるいは空調設備の温湿度センサの値を、運転開始時間115と運転開始時の温度116に記録する。なお、モード状態113が送風だった場合には、停止から運転変わったとしても運転開始時間の記録は行われない。さらに、モード状態113が送風だった場合には、停止から運転変わったとしても運転開始時間の記録は行われない。
本実施形態は、上記の空調設備について述べたが、これに限らず、照明装置にも適用できる。この場合は、監視・設定登録情報105には、運転状態112に点灯あるいは消燈の状態が記録され、温度114と運転開始時の温度116、設定温度117に替えて、照度センサにより取得した照度値と、運転開始時の照度値と、設定照度が記録される。モード状態113は、記録されなくても問題がない。
つぎに、図3により、入退室管理システム200の監視・設定情報204(図1を参照)の一例を説明する。監視・設定登録情報204には、入退室管理システム200が管理するエリア名211毎に、当該エリアの定員人数が定員人数212に記録される。そして、カードリーダ203による入退室管理によって当該エリアに入室している員数が滞在人数213に記録される。この滞在人数は、入退室管理システムで採用している他の方法であってもよく、入室時の認証人数から退室人数を減じることにより求められる。
詳細は後述するが、本実施形態では、空調設備ごとの空調対象想定人数と実人数を参照している。認証により入退室管理をおこなっているエリアが複数の空調設備により空調されている場合には、空調設備に対応するエリアと入退室管理システム200の人感センサであるパッシブセンサ203の検出エリアが対応するようにする。これにより、空調設備ごとの空調対象想定人数と実人数を、パッシブセンサ203の検出値の比から算出する。
なお、パッシブセンサ203は、入退室管理システム200がもつ夜間等の警戒監視用のセンサを流用すればよい。また、空調設備が人感センサを内蔵するものであればその検出結果を利用してもよい。
入退室管理をおこなうエリアに複数の空調設備を設ける場合には、空調設備のそれぞれに対応してパッシブセンサ203(図1を参照)を用意する。エリア全体のパッシブセンサ203の検出値の合計に対する個々のパッシブセンサ203の検出比率を、パッシブセンサ情報(検知率)214として、検知・算出する。そして、入退室管理しているエリアの滞在人数にパッシブセンサの検知率を乗じた値を、空調設備ごとの滞在人数とする。空調設備あたりの定員人数は、空調エリア比とする。そして、空調設備当たりの滞在人数が、空調設備当たりの定員人数より多ければ、空調設備にとって過負荷な状態と判定する。このようにして、パッシブセンサ情報(検知率)214を診断時の負荷係数とする。
より具体的には、「入退室エリア2」の「パッシブセンサ2」の部分の想定される定員人数・滞在人数は、「入退室エリア2」の定員人数10人で空調エリア比が35%とすると、パッシブセンサ2で検知するエリアの想定定員人数は3.5人となり、「入退室エリア2」の滞在人数12人でパッシブセンサの検知率37%なので「パッシブセンサ2」で検知するエリアの想定滞在人数は4.4人となる。滞在人数が定員人数より多いため「パッシブセンサ2」に対応する空調設備は過負荷な状態と分かる。
図4は、設備保全システム300の管理・設定情報303(図1参照)の内容を説明する図である。管理・設定情報303には、エリア情報21と診断設備11と診断時間31の対応関係を示したものが格納されている。診断設備11には、先に説明したビル管理システム100の監視・設定登録情報105のすべての内容が取り込まれ、エリア情報21には、入退室管理システム200の監視・設定情報204のすべての内容が取り込まれる。そして、後述のとおり設備保全システム300は、これらの情報を参照することにより入退室管理システム200とビル管理システム100を連携して、周期的なメンテナンス・修繕計画の変更をおこなう。
図4の診断時間31は、対応するエリア情報21の診断時間の設定であり、設定された時間にエリア情報21に対応する診断設備11の診断処理をおこなう。ひとつのエリア情報に複数の空調設備が対応している場合には、対応する複数の空調設備のそれぞれの診断をおこなう。
つぎに、図5により、設備診断の処理手順を説明する。
設備保全システム300は、図4で説明した管理・設定情報303を参照し、図5のフローに従って空調対象エリアごとに設備の診断処理をおこなう。まず、設備保全システム300は、図4のエリア情報21に指定された設備が運転状態か否かを、図2の監視・設定登録情報105の運転状態112に対応する値を参照して判定する(S51)。運転状態(Yes)であればつぎのS52に進み、停止状態(No)であれば、当該設備の診断処理を終了する。
S52では、図4の管理・設定情報303の診断時間31を参照し、診断時間が経過したか否かを判定する(S52)。診断時間を経過していれば(Yes)、つぎのS53に進み、経過していなければ(No)、当該設備の診断処理を待機するため、診断処理を一時終了する。
S53では、図2のモード状態113に対応する値を参照してモード状態を判定する(S53)。モード状態が送風以外の暖房あるいは冷房であれば(送風以外)、つぎのS54に進み、送風であれば、当該設備の診断処理を終了する。
S54の設備診断の実施処理の詳細フローを図7に示す。
ここで、実施形態の空調設備は、運転開始時の温度116が設定温度117に近づくように冷房あるいは暖房の運転がおこなわれる。したがって、本実施形態の設備診断は、運転開始時の温度116及び温度114及び設定温度117の関係から空調設備の動作状態の診断をおこなうことができる。設備計画時には、空調対象のエリアに定員人数が滞在しているときに所定時間以内に設定温度になるように空調能力が設定される。しかし、冷房動作時にエリアの滞在人数が計画時の定員人数より多い場合には、空調能力不足となり、設定温度に達するまでの所要時間が長くなる。したがって、この場合には空調設備の故障とは言えない。このような状態はつぎのように診断処理する。
診断時間で診断をおこなった際に設定温度になっていない時には、空調対象のエリアの滞在人数を確認する。図3で説明したように、本実施例では、設備保全システム300が、入退室管理システム200のパッシブセンサ・カードリーダ203により空調対象のエリアの滞在人数を求め、計画時の定員人数と比較する。滞在人数が定員人数より多い場合には、空調設備にとって過負荷の状態と判定する。この状態を警告状態として設備保全システム300の表示・操作部302に警告表示するとともに、定員人数212に対する滞在人数213の割合を診断時間31に乗じて診断時間31の補正をおこなう。
図示していないが、冷房動作時に、室内温度114が設定温度117より低くなっている場合には、空調設備には問題がないので診断処理を中断する。
入退室管理エリアに複数の空調設備が設置されている場合には、図6に示されるように、空調設備のそれぞれに対応してパッシブセンサ203を設けるようにする。これにより、図3で説明したように、設備保全システム300は、パッシブセンサ203の検出割合をパッシブセンサ情報(検知率)214として、入退室管理エリアの定員人数と滞在人数にパッシブセンサ情報(検知率)214を乗じて、空調設備ごとに上記の判定をおこなう。
さらに、入退室管理エリアに複数の空調設備が設置されている場合には、設備保全システム300は、そのエリアの診断時間を、複数の空調設備の診断時間のうちで最も長い時間のものを、図4の診断時間31とする。
滞在人数213が定員人数212未満の場合には空調設備の性能に影響はないものと判断し診断時間31の補正は行わない。このとき、入退室管理システム200が管理エリアの扉や窓の開閉状態を検知しているものであれば、開状態の扉や窓の有無を判定するようにしてもよい。これにより、冷気が逃げることでエリアの空調性能が低下したものとして不具合の原因を推定できる。先と同様に、設備保全システム300は、表示・操作部302にその旨の警告表示をおこなう。
空調設備が暖房運転している場合には、設備保全システム300は、設定温度を超えて高温状態にあるか否かを判定し、高温状態に在る場合に、滞在人数213と定員人数212を比較して、滞在人数213が定員人数214より多いときには、設定温度を低温に変更する。入退室管理エリアに複数の空調設備が設置されている場合には、空調設備ごとに上述の判定を繰り返す。
さらに、設定温度にならない場合に、入退室管理システム200が管理エリアの扉や窓の開閉状態を検知しているものであれば、開状態の扉や窓の有無を判定するようにしてもよい。これにより、暖気が逃げることでエリアの空調性能が低下したものとして不具合の原因を推定できる。
以下に、上述の診断内容に対応する処理フローを図7により説明する。
S71で図2のモード状態113を参照して空調設備の動作(モード状態)が暖房であるか冷房であるかを判定する。冷房動作であった場合にはS72に進み冷房時の処理をおこない、暖房動作であった場合にはS78に進み暖房時の処理をおこなう。
図7のフローでは、冷房と暖房の両方の処理を記載しているが、冷房時のみの処理であってもよい。
以下に、空調設備の動作モードが冷房のときの処理を説明する。
S72で、運転開始時の温度116と設定温度117と現在の室内温度114を比較し、室温低下が所定であるか否かを判定し、正常だった場合(S72でOk)には空調設備の診断処理を終了する。
所定の室温低下していない場合(S72でNG)には、S73からS77により、入退室管理エリアに設置されている空調設備ごとに、滞在人数と定員人数を比較して、それぞれの空調設備が過負荷状態になっていないかチェックしている。
詳しくは、S74で、空調設備の空調エリア比から空調設備あたりの定員人数を求め、人員をカウントするパッシブセンサ203の検出比率と入退室システムが管理する滞在人数との積から、空調設備あたりの滞在人数を算出し(S74)、算出した定員人数と滞在人数を比較して(S75)、滞在人数が定員人数より多いときに(S75でYes)、診断時間31に滞在人数と定員人数の比を乗じて、診断時間を補正する(S76)。滞在人数が定員人数以下には(S75でNo)、診断時間の補正をおこなわずに、ひとつの空調設備の処理を終了する。
以上の処理を、入退室管理エリアに設置されている空調設備分繰り返す(S77)。
つぎに、空調設備の動作モードが暖房のときの処理を説明する。
S78で、運転開始時の温度116と設定温度117と現在の室内温度114を比較し、所定室温上昇しているか否かを判定し、正常だった場合(S78でOk)には空調設備の診断処理を終了する。
所定値以上の温度上昇していた場合(S78でNG)には、S79からS83により、入退室管理エリアに設置されている空調設備ごとに、滞在人数と定員人数を比較して、空調設備が低負荷状態になっていないかチェックしている。
詳しくは、S80で、空調設備の空調エリア比から空調設備あたりの定員人数を求め、人員をカウントするパッシブセンサ203の検出比率と入退室管理システム200が管理する滞在人数との積から、空調設備あたりの定員人数と滞在人数を算出し(S80)、算出した定員人数と滞在人数を比較して(S81)、滞在人数が定員人数より多いときに(S81でYes)、空調設備の設定温度を低い温度に設定する(S82)。
滞在人数が定員人数以下のときには(S81でNo)、設定温度の変更をおこなわずに、ひとつの空調設備の処理を終了する。
以上の処理を、入退室管理エリアに設置されている空調設備分繰り返す(S83)。
上記のとおり、ビル管理システム100で空調設備ごとに室内温度検出部104を設けるとともに、空調設備に対応して入退室管理システム200のパッシブセンサ203を設ける。診断時に前記室内温度検出部104で検出した室内温度と、空調設備の運転開始時の温度と、設定温度とを比較して、診断時の空調環境の状態を判定する。異常状態を検出したときに、パッシブセンサ203の検出比から、空調設備ごとの定員人数と滞在人数をもとめて、空調設備の動作環境の状態を検出する。これにより、空調設備の運用上の問題点や設備環境の問題点の把握が容易になる。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
100 ビル管理システム
101 設備情報監視・制御部
102 設備情報表示・操作部
103 空調設備・温湿度センサ
200 入退室管理システム
201 入退室情報管理・制御部
202 入退室情報表示・操作部
203 カードリーダ・各種センサ
300 設備保全システム
301 設備情報管理・制御部
302 設備情報表示・操作部
303 管理・設定情報
111 設備名
112 運転状態
113 モード状態
114 温度
115 運転開始時間
116 運転を開始した時点の温度
117 設定温度
211 エリア名
212 定員人数
213 滞在人数
214 パッシブセンサ情報(検知率)
11 診断設備(ビル管理システムから取り込み)
21 エリア情報(入退室管理システムから取り込み)
31 診断時間
41 パッシブセンサと診断設備の対応

Claims (12)

  1. ビル内の各所に設置された空調設備の設備保全支援装置であって、
    当該ビル内の所定のエリアの入退室人数を管理する入退室管理システムから取得したエリアの定員人数および実滞在人数と、ビル管理システムから取得した空調設備の運転状態・温湿度情報と、設備保全のための診断時間とが、前記入退室管理システムで管理する入退室エリアごとに設定される管理・設定情報の記録部と、
    前記管理・設定情報の記録部に入退室管理システムで管理するエリアごとに記録された、エリアの定員人数および実滞在人数と、空調設備の運転状態・モード状態・室温・運転開始時間・運転開始時の温度・空調設備の設定温度を基に前記管理・設定情報の記録部の空調設備の診断時間を修正する設備保全情報管理部とを備え、
    前記設備保全情報管理部は、モード状態が冷房または暖房の場合に空調設備の運転開始時間からの温度変化により空調設備の診断をおこない、診断結果に応じて前記管理・設定情報記録部の診断時間を変えて、入退室管理システムとビル管理システムに連係して空調設備の設備保全条件を変更する
    ことを特徴とする設備保全支援装置。
  2. 請求項1に記載の設備保全支援装置において、
    前記設備保全情報管理部は、
    前記モード状態が冷房である場合に、前記管理・設定情報記録部の室温が空調設備の設定温度になっていないときには、
    前記管理・設定情報記録部のエリアの定員人数と当該エリアの実滞在人数を比較し、実滞在人数が定員人数より多いときに、
    警告状態を記録するとともに、定員人数に対する実滞在人数の割合を管理・設定情報記録部の診断時間に乗じて前記管理・設定情報記録部の診断時間を補正する
    ことを特徴とする設備保全支援装置。
  3. 請求項2に記載の設備保全支援装置において、
    前記設備保全情報管理部は、
    複数の空調設備を有する入退室エリアについては、それぞれの空調設備に対応するエリアの定員人数と該エリアの実滞在人数を比較し、実滞在人数が定員人数より多いときに、
    警告状態を記録するとともに、定員人数に対する実滞在人数の割合を管理・設定情報の記録部の診断時間に乗じて補正をおこない、
    補正した診断時間のうちの最も長い診断時間を診断時間として前記管理・設定情報記録部の入退室エリアの診断時間を補正する
    ことを特徴とする設備保全支援装置。
  4. 請求項3に記載の設備保全支援装置において、
    さらに、前記空調設備の空調エリアに対応してパッシブセンサが設けられ、
    当該入退室エリアのパッシブセンサによる人数計数の合計値に対する当該空調エリアのパッシブセンサの検知比を算出し、入退室システムで検知した滞在人数に乗じて当該空調エリアの滞在人数とし、入退室エリアの定員人数に空調面積比を乗じて当該空調エリアの定員人数とする
    ことを特徴とする設備保全支援装置。
  5. 請求項4に記載の設備保全支援装置において、
    前記パッシブセンサは、入退室管理システムの構成部品であり、
    前記設備保全情報管理部は、ネットワークを介して、前記パッシブセンサの検出値を取得する
    ことを特徴とする設備保全支援装置。
  6. ビル内の各エリアに設置された空調設備の設備保全支援装置であって、
    前記空調設備ごとに設備の運転・停止と暖房・冷房・送風と運転開始時間と運転開始時温度と空調設定温度等の運転状況と診断時間を記憶する設備運転情報の記憶部と、
    所定のエリアの室内温度を検出する温度検出手段と、
    所定のエリアの滞在人数を検知する人数検知手段と、
    前記設備運転情報の記憶部の診断時間にしたがって、前記設備運転情報の記憶部の情報と前記温度検出手段と前記人数検知手段に基づいて空調設備の診断をおこない、前記診断時間を変更する設備保全情報管理部と、を有し、
    前記設備保全情報管理部は、空調設備ごとに、前記設備運転情報の記憶部の設備が冷房運転または暖房運転のときに、該空調設備の運転開始時からの温度変化により設備の動作判定をおこない、診断結果に応じて前記診断時間を変更する
    ことを特徴とする設備保全支援装置。
  7. 請求項6に記載の設備保全支援装置において、
    前記設備保全情報管理部は、前記設備運転情報の記憶部の設備が冷房運転の場合に、前記温度検出手段により検出したエリアの室内温度が、前記設備運転情報の記憶部の空調設定温度になっていない場合には、前記人数検知手段によりエリアの滞在人数を検知し、当該エリアの定員人数よりも滞在人数が多いときに、定員人数に対する滞在人数の割合を診断時間に乗じて、前記設備運転情報の記憶部の診断時間を補正する
    ことを特徴とする設備保全支援装置。
  8. 請求項7に記載の設備保全支援装置において、
    複数の空調設備を有するエリアの場合には、
    前記温度検出手段は、設備に対応する空調エリアごとに室温を検出し、
    前記人数検知手段は、設備に対応する空調エリアごとに滞在人員を検知し、
    前記設備保全情報管理部は、前記温度検出手段により検出した空調エリアの室内温度が、前記設備運転情報の記憶部の空調設定温度になっていない場合には、前記人数検知手段により空調エリアの滞在人数を検知し、当該エリアの定員人数に空調エリア比を乗じた値よりも滞在人数が多いときに、前記空調エリアごとの定員人数に対する滞在人数の割合を診断時間に乗じて、空調設備ごとに補正した診断時間のうちの最も長い診断時間をエリアの診断時間として前記設備運転情報の記憶部の診断時間を補正する
    ことを特徴とする設備保全支援装置。
  9. 請求項8に記載の設備保全支援装置において、
    前記人数検知手段は、空調設備ごとに設けられたパッシブセンサであり、
    当該エリアの複数のパッシブセンサによる人数計数の合計値に対する当該空調エリアのパッシブセンサの検知比を算出し、当該エリアの滞在人数に乗じて当該空調エリアの滞在人数とする
    ことを特徴とする設備保全支援装置。
  10. ビル内の各エリアに設置された空調設備の設備保全支援方法であって、
    設備運転情報の記憶部に記録された診断時間にしたがって、空調設備が冷房運転であるか否かを判定し、
    冷房運転の場合に、温度検出手段により検出したエリアの室内温度が、設備運転情報の記憶部の空調設定温度になっていないときには、人数検出手段によりエリアの滞在人数を検知し、当該エリアの定員人数よりも滞在人数が多いときに、定員人数に対する滞在人数の割合を診断時間に乗じて、前記設備運転情報の記憶部の診断時間を補正する
    ことを特徴とする設備保全支援方法。
  11. 請求項10に記載の設備保全支援方法において、
    前記エリアが複数の空調設備を有するエリアの場合には、
    温度検出手段により、設備に対応する空調エリアごとに室温を検出し、
    人数検知手段により、設備に対応する空調エリアごとに滞在人員を検知し、
    前記温度検出手段により検出した前記エリアの室内温度が、前記設備運転情報の記憶部の空調設定温度になっていない場合には、前記人数検出手段により前記エリアの滞在人数を検知し、当該エリアの定員人数に空調エリア比を乗じた値よりも滞在人数が多いときに、前記設備に対応する空調エリアごとの定員人数に対する滞在人数の割合を診断時間に乗じて補正をおこない、空調設備ごとに補正した診断時間のうちの最も長い診断時間を空調エリアの診断時間として前記設備運転情報の記憶部の診断時間を補正する
    ことを特徴とする設備保全支援方法。
  12. 請求項11に記載の設備保全支援方法において、
    前記人数検出手段は、空調設備ごとに設けられたパッシブセンサで人数を検知し、
    当該エリアの複数のパッシブセンサによる人数計数の合計値に対する当該空調エリアのパッシブセンサの検知比を算出し、入退室システムから取得した当該エリアの滞在人数に乗じて当該空調エリアの滞在人数とする
    ことを特徴とする設備保全支援方法。
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