JP6095447B2 - 中空構造板の製造方法及び中空構造板 - Google Patents

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本発明は、中空構造板の製造方法及びこの方法により製造される中空構造板に関する。より詳しくは、熱可塑性樹脂製の中空構造板における表面平滑性改善技術に関する。
樹脂製の中空構造板は、軽量で、かつ耐薬品性、耐水性、断熱性、遮音性及び復元性に優れ、取り扱いも容易であることから、箱材や梱包材などの物流用途、壁や天井用のパネル材などの建築用途を始めとして、幅広い分野に使用されている(例えば、特許文献1,2参照。)。このような中空構造板は、通常、複数の熱可塑性樹脂シートを積層し、融着することにより製造されている(例えば、特許文献3,4参照。)。
例えば、特許文献3に記載の製造方法では、2枚の熱可塑性樹脂シートを減圧チャンバー内に導入し、エンボスローラに突設されたピンにより、各シートに多数の中空凸部を形成すると共に、各中空凸部の端面同士を熱融着して、中空構造板を形成している。また、特許文献4に記載の製造方法では、先ず、多数のキャップ状突起をもつシートと、平坦なバックシートを貼り合わせ、その後、突起の頂部にライナーシートを押圧して貼り合わせることにより、中空構造板を形成している。
特開2009−107144号公報 特開2010−099963号公報 特開2008−260309号公報 特開2009−113382号公報
しかしながら、前述した従来の中空構造板の製造方法には、表面に凹凸が生じやすいという問題点がある。そして、例えば中空構造板の表面に一定以上の深さの凹みがあると、その後の印刷工程においてドット抜けなどの不具合が発生しやすい。また、製品に接触するような用途では、中空構造板の表面に凹凸があると、凹凸が転写されて製品の表面が変形する虞がある。
そこで、本発明は、表面平滑性が良好な中空構造板を安定して製造することが可能な中空構造板の製造方法及び中空構造板を提供することを主目的とする。
本発明者は、前述した課題を解決するために鋭意実験検討を行った結果、中空構造板の表面に凹みがあっても、その深さが250μm未満であり、かつ変形角度が8°以内であれば、印刷不良などの不具合は発生しないことがわかった。ここで、「変形角度」とは、平坦部に対する凹部の傾斜角である。
そこで、本発明者は、中空構造板表面の凹凸を低減するための方法について検討を行い、中間体に表面材を貼り合わせる際に、帯状の支持体を用いることにより、表面の平滑性を向上できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明に係る中空構造板の製造方法は、少なくとも一方の面に複数の凹部が形成された1又は2枚の成形シートで構成される中間体の少なくとも前記凹部が形成されている面に、熱可塑性樹脂からなり溶融状態又は軟化状態の表面材を貼り合わせる貼合工程を有し、該貼合工程では、前記表面材の非貼り合わせ面に帯状の支持体を密着させた状態で、前記表面材と前記中間体とを貼り合わせ、前記表面材が固化した後、前記表面材から前記支持体を剥離する剥離工程を行う。
本発明の中空構造板の製造方法では、前記貼合工程の前に、前記表面材に前記支持体を密着させる積層工程を行ってもよい。
前記支持体には、軟化温度が前記表面材を貼り合わせる温度よりも高いものを使用すればよい。
また、前記支持体の厚さは、例えば5μm〜5mmである。
更に、前記支持体には、マイクロスコープによる断面観察で測定した十点平均粗さRzが250μm以下のものを使用することができる。
一方、支持体としては、例えば樹脂製フィルムを用いることができる。
その場合の樹脂製フィルムは、例えば前記表面材と接する面の表面張力が、前記表面材の前記支持体と接する面の表面張力以上のものを使用することができる。
また、前記表面材がポリオレフィン樹脂で形成されている場合、前記支持体の少なくとも前記表面材と接する面は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂又はポリエチレンナフタレート樹脂で形成することができる。
更に、前記成形シートに形成されている凹部は、例えば逆錐台形状とすることができる。
本発明に係る中空構造板は、少なくとも一方の面に複数の凹部が形成された1又は2枚の成形シートからなる中間体の少なくとも前記凹部が形成されている面に、熱可塑性樹脂からなる表面材が積層された構成の中空構造板であって、前記凹部の大きさは、深さ1mm以上、開口部面積が0.5mm 以上であり、前記表面材が積層された面のうち少なくとも一の面は、平坦部を基準(0°)として凹部の傾斜角を測定した場合の変形角度が4°以下であり、かつ測定角20°における鏡面光沢度が10以上である。
本発明によれば、表面材の貼り合わせに帯状の支持体を用いているため、表面平滑性が良好な中空構造板を安定して製造することができる。
本発明の第1の実施形態の中空構造板の製造方法を示すフローチャート図である。 図1に示す各工程を模式的に示す図である。 図2に示す中間体を構成する成形シートの一形態を示す斜視図である。 図2に示す中間体を構成する成形シートの一形態を示す斜視図である。 図2に示す中間体を構成する成形シートの一形態を示す斜視図である。 図3に示す成形シート31を用いた中間体の構成を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態の中空構造板の製造方法を示すフローチャート図である。 図7に示す各工程を模式的に示す図である。 本発明の第4の実施形態の中空構造板の構成例を示す断面図である。 変形角度を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る中空構造板の製造方法について説明する。図1は本実施形態の中空構造板の製造方法を示すフローチャート図であり、図2はその各工程を模式的に示す図である。
本発明者の検討により、中空構造板表面の凹凸は、中間体に表面材を貼り合わせる工程において、装置周辺の様々な外的要因の影響で発生することがわかった。そのメカニズムとしては、次のようなことが考えられる。
中間体に表面材を貼り合わせる際は、表面材が完全に固化していない溶融状態又は軟化状態で熱融着させるため、表面材が非常に変形しやすい状態にあり、貼り合わせローラーと表面材との間に空気を噛み込むと凹みが生じることがある。また、ピン内部に空気を挟み込んだ状態で貼り合わせローラーを通過すると、ピン内部の空気が加熱されて膨張し、完全に固化していない表面材を持ち上げて、凸が生じることがある。
その他、中空構造板と貼り合わせローラーとの間の流れ及び幅方向におけるクリアランスのばらつき、表面材の厚みむら、加熱工程上の熱分布のむらなども、凹凸発生の原因となる。このように、中空構造板の表面における凹凸発生には、様々な要因が存在し、互いに複雑に影響しあうため、製造工程を変更せずに条件を調整するだけで凹凸を解消することは困難であった。
そこで、本実施形態の中空構造板の製造方法においては、製造工程を見直し、支持体を用いて、表面材を中間体に貼り合わせることとした。これにより、熱融着で必要な表面材の溶融状態又は軟化状態を維持しつつ、変形しにくい擬似的な固体状態にすることができる。
具体的には、図1に示すように、本実施形態中空構造板の製造方法では、溶融状態又は軟化状態の表面材を支持体に密着させた状態で、中間体に貼り合わせる貼合工程(ステップS1)と、固化後の表面材から支持体を剥離する剥離工程(ステップS2)とを行う。
[ステップS1:貼合工程]
貼合工程では、先ず、熱可塑性樹脂からなり溶融状態又は軟化状態の表面材2を用意する。溶融状態又は軟化状態の表面材2は、例えば押出機から熱可塑性樹脂を溶融押出しする方法や、熱可塑性樹脂フィルムを加熱などして溶融状態又は軟化状態にすることにより得られる。
次に、溶融状態又は軟化状態の表面材2と帯状の支持体1とを密着させて一体化した状態で、中間体3に表面材2を貼り合わせる。このとき、支持体1と表面材2とは密着した状態となっている。ここで、「密着」とは、すきまのないほどぴったりとくっついている状態をいう。
表面材2を形成する熱可塑性樹脂は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系樹脂やポリカーボネート(PC)などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。また、表面材2の厚さも、特に限定されるものではなく、中間体3や中空構造板の厚さや中空構造板の用途に応じて適宜設定することができる。
一方、支持体1の材質は、特に限定されるものではないが、生産安定性の確保の観点から、後述する軟化温度が、貼合工程において表面材を貼り合わせる温度よりも高いものが好ましい。また、支持体1の厚さも、特に限定されるものではないが、ローラー間を通過させる際のしわ防止及び再利用などの生産性及び取扱性などの観点から、5μm〜5mmであることが好ましい。
更に、支持体1は、十点平均粗さRzが250μm以下であることが好ましい。これにより、中空構造板の表面平滑性をより向上させることができる。なお、ここでいう十点平均粗さRzは、マイクロスコープ(キーエンス株式会社製 VHX−600)により、倍率を20倍として断面観察して測定した値である。
具体的には、支持体1には、樹脂製フィルムや金属薄板などを使用することができる。例えば、支持体1に樹脂製フィルムを用いる場合は、表面材2との密着性の観点から、表面材2の25℃下における表面張力以上のものを使用することが好ましい。なお、支持体1を構成する樹脂製フィルムが、多層構造であったり、表面処理が施されているような場合は、樹脂製フィルムの表面材2と接する面の表面張力が、表面材2の支持体1と接する面の表面張力以上であればよい。
そして、例えば、表面材2がオレフィン系樹脂(表面張力:約30〜33dyn/cm)である場合、支持体1を形成する樹脂には、ポリエチレンテレフタレート樹脂(表面張力:約44dyn/cm)、ポリイミド樹脂(表面張力:約44dyn/cm)、ポリエチレンナフタレート樹脂(表面張力:約44dyn/cm)及びナイロン(表面張力:約45〜46dyn/cm)などが好適である。また、支持体1は、金属材料(表面張力:約400〜2000dyn/cm)で形成することもできる。
また、剥離性の観点から、支持体1と表面材2とのSP値(溶解性パラメータ)の差は、少なくとも0.3以上であることが好ましい。ここでいう「SP値」は、例えば下記数式1〜3により算出することができる(井本稔著、「わかりやすい接着の基礎理論」、高分子学会編)。なお、下記数式1は、Fedors法による推定である。また、下記数式1,2におけるEは凝集エネルギーであり、下記数式1,3におけるVはモル体積(=分子量(g/mol)/密度(g/cm))である。
Figure 0006095447
Figure 0006095447
Figure 0006095447
本実施形態の中空構造板の製造方法では、ローラー14と表面材2との間に支持体1が存在しているため、表面材2はローラー14に直接接触しない。また、表面材1は、支持体1が密着して擬似的に固体(変形しにくい状態)になっている。このため、ローラー14を通過させる際に空気を噛み込んでも、表面材2はその影響をほとんど受けない。また、貼り合わせ時に中間体3の中空部内の空気が収縮しても、表面材1は支持体1が密着して擬似的に固体(変形しにくい状態)になっているため、、表面材2が中空部側に引き込まれる力よりも、表面材2と支持体1との間に作用する保持力(密着力)の方が大きくなる。このため、表面材2に凹みが生じることはなく、表面を平滑に維持することができる。
従来、貼り合わせローラー14の表面は、表面材2の貼り付きなどを防止するために、フッ素樹脂などによる表面処理が施されていたが、本実施形態の中空構造板の製造方法では、このような表面処理は不要となる。なお、本実施形態の中空構造板の製造方法においても、表面処理が施されている従来の貼り合わせローラーを使用することができ、その場合も前述した効果は得られる。
<中間体3>
ここで、本実施形態の中空構造板の製造方法に用いられる中間体3は、少なくとも一方の面に、複数の凹部が形成された1又は2枚の成形シートで構成されている。図3〜5は中間体3を構成する成形シートの一形態を示す斜視図である。中間体3を構成する成形シートは、表面、裏面又はその両方に、複数の凹部が形成されていればよく、その形態は特に限定されるものではない。
中間体3を構成する成形シートとしては、例えば、図3に示すような一方の面に逆円錐台形状の凹部31aが千鳥状に複数形成された成形シート31、図4に示すような深さ方向に断面積が変化する三角錐台形状の凹部32aが格子状に複数形成された成形シート32、図5に示すような四角柱状の凹部33aが格子状に複数形成された成形シート33などが挙げられる。
なお、成形シートは、これらの形状に限定されるものではなく、各種柱状、錐状、錐台形状又は台形状の凹部が、例えば千鳥状、格子状又は不規則に配置されたものを使用することができる。また、これらの成形シートは、成形ローラーなどを使用した真空成形などにより形成することができる。
一方、成形シートに形成される凹部2aの大きさは特に限定されるものではないが、本発明は、例えば、深さが1mm以上、開口部面積が0.5mm以上の中間体を用いる場合に好適であり、特に、深さが3mm以上、開口部面積が5mm以上の中間体に好適である。これらの範囲のものは、前述したメカニズムや原因により、中空構造板としたときに凹凸が発生しやすい傾向にあるためである。
成形シートの材質は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリカーボネート(PC)などの各種熱可塑性樹脂を使用することができる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、コスト、成形性及び物性の面から、特に、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン及びブロック状ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が好ましい。
また、成形シートを形成する熱可塑性樹脂には、タルク、マイカ及び炭酸カルシウムなどのフィラーや、ガラス繊維、アラミド繊維及び炭素繊維などのチョップドストランドが添加されていてもよい。これにより、中間体3の剛性を向上させることができる。更に、成形シートを形成する熱可塑性樹脂には、難燃性、導電性、濡れ性、滑り性、抗菌性及び耐候性などを向上させるための改質剤、顔料などの着色剤が添加されていてもよい。なお、中間体3を構成する2枚の成形シートは、通常、同じ材料及び同じで形成されるが、熱融着可能な範囲で相互に異なる材料及び形状で形成することもできる。
これらの成形シートは、1枚で中間体3として使用することもできるが、2枚の成形シートを熱融着して中間体3とすることもできる。その場合、2枚の成形シートを、凹部の開口部が外側になるように配置し、一方の成形シートの凹部の底部、即ち中空凸部の先端部分を、他方のシートに熱融着して一体化すればよい。具体的には、図3に示す成形シート31を用いた場合、中間体3は、例えば図6に示す構成とすることができる。
[ステップS2:剥離工程]
その後、表面材2が貼り合わされた中間体3は、自然冷却、又は空冷、冷却ロール及び冷却装置などの強制冷却によって冷却される。そして、表面材2が固化した後、表面材2から支持体1が剥離されて、中空構造板となる。なお、剥離された支持体1は、例えば巻き取りローラーなどにより巻き取られて回収されるが、回収された支持体1は、保持工程において再度利用することが可能である。
以上詳述したように、本実施形態の中空構造板の製造方法では、表面材2を、支持体1に密着させた状態で、中間体3と貼り合わせているため、表面材2の表面に凹凸が発生することを抑制し、表面が平滑な中空構造板を、安定して製造することができる。
なお、図2では、中間体3の一方の面にのみ表面材2を貼り合わせる場合の構成を示しているが、中間体3の裏面側も同様の構成にすることで、中間体3の両面に表面材2を貼り合わせることができる。また、本実施形態の中空構造板の製造方法は、厚さが1.1〜50mmの中空構造板を製造する際に好適であるが、この厚さのものに限定されるものではなく、任意の厚さのものに適用することが可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る中空構造板の製造方法について説明する。図7は本実施形態の中空構造板の製造方法を示すフローチャート図であり、図8はその各工程を模式的に示す図である。前述した第1の実施形態の方法では、少なくとも貼り合わせ工程において、支持体1に表面材2を密着させているが、中間体3に表面材2を貼り合わせる前に、予め支持体1と表面材2とを密着させておいてもよい。
具体的には、図7及び図8に示すように、本実施形態の中空構造板の製造方法では、溶融状態又は軟化状態の表面材2を支持体1に密着させて保持する支持工程(ステップS11)と、支持体1が密着した状態で表面材2を中間体3に貼り合わせる貼合工程(ステップS12)と、固化後の表面材2から支持体1を剥離する剥離工程(ステップS13)とを行う。
本実施形態のように、予め、表面材2と支持体1とを密着させておいても、前述した第1の実施形態と同様に、表面材2の表面に凹凸が発生することを抑制し、表面が平滑な中空構造板を、安定して製造することができる。
なお、本実施形態の中空構造板の製造方法における上記以外の構成は、前述した第1の実施形態と同様である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る中空構造板について説明する。図9は本実施形態の中空構造板の構成例を示す断面図である。図9に示すように、本実施形態の中空構造板10は、表面及び裏面の少なくとも一方に複数の凹部31aが形成された1又は2枚の成形シートからなる中間体3の表面及び/又は裏面に、熱可塑性樹脂からなる表面材2が積層された構成となっている。
そして、この中空構造板10は、表面材4が積層された面のうち少なくとも1つの面は、測定角20°における鏡面光沢度が10以上となっている。これにより、防滑性を向上させることができる。なお、中空構造板10の表面の「鏡面光沢度」は、市販の光沢計を用いて測定することができる。
表面材2が積層された面の測定角20°における鏡面光沢度の上限は、特に限定されるものではないが、鏡面光沢度が100を超えても、目視及び印刷のいずれにおいても品質向上度合いを確認することが難しくなる。よって、表面材2が積層された面の測定角20°における鏡面光沢度は100以下とすることが好ましい。
また、本実施形態の中空構造板10は、表面材2の上に、更に、熱可塑性樹脂シートやその他の材料を積層することができる。その積層材料としては、熱可塑性樹脂シート以外に、例えば熱硬化性樹脂シート、発泡シート、紙、織布、不織布、金属板、金属メッシュ体、金属酸化物板などが挙げられる。また、積層方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱融着、超音波融着、接着剤による接着、ラミネートなどの公知の方法を適用することができる。
そして、本実施形態の中空構造板10は、前述した第1〜第3の実施形態の中空構造板の製造方法により得ることができる。
本実施形態の中空構造板10は、表面材2が積層された面の測定角20°における鏡面光沢度が10以上であるため、表面平滑性が良好である。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。本実施例においては、支持体を使用し、図1及び図2に示す第1の実施形態の製造方法で、実施例1〜3の中空構造板を作製し、その表面平滑性を確認した。また、比較のため、支持体を使用せず、従来の方法で比較例1の中空構造板を作製し、同様に評価した。
<支持体>
支持体には、以下の樹脂製フイルムを使用した。
・ポリイミドフィルム(PI):宇部興産株式会社製 ユーピレックスS、厚さ35μm、幅530mm、25℃における表面張力γs=44dyn/cm
・ポリエチレンナフタレート(PEN):帝人デュポンフィルム株式会社製、厚さ50μm、幅300mm、25℃における表面張力γs=44dyn/cm
・ポリエチレンテレフタレート(PET):帝人デュポンフィルム株式会社製、厚さ50μm、幅330mm、25℃における表面張力γs=44dyn/cm
<評価方法>
(1)表面平滑性
実施例1〜3及び比較例1の中空構造板から、流れ方向に長さ30mmの試料を切り出し、任意の位置(3点)で厚さ2mmの断面サンプルを作製し、マイクロスコープ(キーエンス株式会社製 VHX−600、倍率:20倍)を用いて断面観察し、凹部の深さを測定し、表面平滑性の指標とした。
(2)変形角度
図10は変形角度θを示す図である。変形角度θは、マイクロスコープによる断面観察画像を用いて求めた。具体的には、図10に示すように、表面の平坦部を基準(0°)とし、凹部の傾斜角度を変形角度θとした。
(3)鏡面光沢度
JIS Z 8741に準じて、20°における鏡面光沢度を測定した。測定には、光沢度計を使用し、縦140mm、横300mmの試料の表面を、流れ方向及び幅方向それぞれについて、任意の位置で5回ずつ測定し、平均値を鏡面光沢度とした。
以上の結果を、下記表1にまとめて示す。
Figure 0006095447
上記表1に示すように、支持体を用いて形成した実施例1〜3の中空構造板は、従来法で製造したものに比べて、表面平滑性が優れており、変形角度も大幅に低下していた。
以上の結果から、本発明によれば、表面平滑性が良好な中空構造板を安定して製造できることが確認された。
1 支持体
2 表面材
3 中間体
10 中空構造板
12〜16 ローラー
31〜33 成形シート
31a、32a、33a 凹部
θ 変形角度

Claims (10)

  1. 少なくとも一方の面に複数の凹部が形成された1又は2枚の成形シートで構成される中間体の少なくとも前記凹部が形成されている面に、熱可塑性樹脂からなり溶融状態又は軟化状態の表面材を貼り合わせる貼合工程を有し、
    該貼合工程では、前記表面材の非貼り合わせ面に帯状の支持体を密着させた状態で、前記表面材と前記中間体とを貼り合わせ、
    前記表面材が固化した後、前記表面材から前記支持体を剥離する剥離工程を行う
    中空構造板の製造方法。
  2. 前記貼合工程の前に、前記表面材に前記支持体を密着させる積層工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の中空構造板の製造方法。
  3. 前記支持体の軟化温度は、前記表面材を貼り合わせる温度よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の中空構造板の製造方法。
  4. 前記支持体の厚さが5μm〜5mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中空構造板の製造方法。
  5. 前記支持体はマイクロスコープによる断面観察で測定した十点平均粗さRzが250μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空構造板の製造方法。
  6. 支持体として樹脂製フィルムを用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の中空構造板の製造方法。
  7. 前記樹脂製フィルムは、前記表面材と接する面の表面張力が、前記表面材の前記支持体と接する面の表面張力以上であることを特徴とする請求項6に記載の中空構造板の製造方法。
  8. 前記表面材がポリオレフィン樹脂からなり、
    前記支持体の少なくとも前記表面材と接する面は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂又はナイロンで形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の中空構造板の製造方法。
  9. 前記成形シートに形成されている凹部は逆錐台形状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の中空構造板の製造方法。
  10. 少なくとも一方の面に複数の凹部が形成された1又は2枚の成形シートからなる中間体の少なくとも前記凹部が形成されている面に、熱可塑性樹脂からなる表面材が積層された構成の中空構造板であって、
    前記凹部の大きさは、深さ1mm以上、開口部面積が0.5mm 以上であり、
    前記表面材が積層された面のうち少なくとも一の面は、平坦部を基準(0°)として凹部の傾斜角を測定した場合の変形角度が4°以下であり、かつ測定角20°における鏡面光沢度が10以上である中空構造板。
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