JP6095400B2 - 下顎枝矢状分割術における下顎骨近位骨片の位置決め装置 - Google Patents

下顎枝矢状分割術における下顎骨近位骨片の位置決め装置 Download PDF

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Description

本発明は、下顎枝矢状分割術における下顎骨近位骨片の位置決め装置に係り、詳しくは、下顎枝矢状分割術で分割した下顎骨の近位骨片の正確な復位(リポジショニング)のために、近位骨片と上顎の位置関係を記録する位置決め装置に関するものである。
下顎枝矢状分割術は下顎前突症・下顎後退症・開咬などの外科的矯正法において繁用されている手術である。下顎枝矢状分割術は、下顎角部から下顎枝にかけて、左右の骨を矢状方向に近位骨片と遠位骨片に分割し、遠位骨片を所定位置までずらして骨接合用のプレートあるいはネジで固定する。特許文献1には、下顎枝矢状分割術後の骨片の固定装置が記載されている。
下顎枝矢状分割術において、下顎骨体から分離された近位骨片は、筋肉の作用で閉口方向に回転する傾向があること等から、近位骨片は術前の位置から変位すると考えられ、近位骨片を術前の中心咬合位に相当する位置・角度に戻して下顎骨体と結合する必要がある。
したがって、本術式では分割した下顎骨近位骨片の正確な復位(リポジショニング)が重要であり、従来いくつかの復位方法が考案されていた。しかし、そのいずれも基本的には金属プレートによる近位骨片の位置の記録と再現で、手技が繁雑、一定の侵襲がある、金属プレート類が高価、などの不具合があった。図1は、従来の方法(ウルツブルグのシステム)を示す図であり、金属プレートの屈曲と適合、骨への穴開けとネジ止め、即時重合レジンによる接合、およびこれらの着脱など、操作数が多く繁雑である。非特許文献1にも、金属プレートを用いた手法が開示されている。
特表平11−508464
下顎枝矢状分割ネジ止め固定法における下顎枝外側骨片の位置復元法の開発 日本口腔外科学会雑誌 Vol.30 No.5, May 1984
本発明は、下顎枝矢状分割術における、上記従来の下顎骨近位骨片のリポジショ
ニング手法の欠点を解消することを目的とするものである。
本発明が採用した技術手段は、
下顎骨の近位骨片を把持する骨把持要素と、
上顎に設定した基準点を把持し、あるいは、基準点に当接し、あるいは、基準点に掛止することで当該基準点を規定する位置決め要素と、
前記位置決め要素を前記骨把持要素に対して位置調整可能に固定する連結要素と、
を備え、
前記骨把持要素が前記近位骨片を把持すると共に、前記位置決め要素が前記基準点を規定した状態で、前記骨把持要素に対する前記位置決め要素の姿勢を固定することで、前記骨把持要素と前記位置決め要素の三次元的位置関係を記録する、下顎枝矢状分割術における下顎骨近位骨片の位置決め装置、である。
記録された三次元的位置関係は、骨把持要素による把持点(下顎の基準点)と、上顎の基準点と、を用いて、下顎骨近位骨片と上顎との位置関係を記録し再現することができる。
1つの態様では、把持点は、骨把持要素の把持によってつけられた痕あるいは予め近位骨片に形成されたマーカーである。
1つの態様では、基準点は、上顎歯列に装着された矯正装置(ブラケットないしワイヤー)上の選択された点である。
後述する実施形態では、位置決め要素は、把持要素ないし挟持要素(いわゆるクランプ)からなり、上顎に設定した基準点を把持するものである。位置決め要素をクランプから構成することは有利である。手術では、近位骨片を下顎骨体に接合する操作中、クランプが上顎の基準点を規定した状態を継続して維持することが重要であるが、術野を確保する鉤が周囲軟組織を絶えず牽引しており、位置決め要素を単に基準点に当接させるようなものでは、基準点がズレるおそれがある。クランプからなる位置決め要素によって基準点を把持することで、近位骨片の接合中、基準点がズレることを防止する。
本発明において、近位骨片を下顎骨体に接合する操作中に位置決め要素と基準点との接触状態を維持できるものであれば、クランプ以外の位置決め要素は排除されるものではない。例えば、位置決め要素の先端に掛止部(例えばフックのようなもの)を形成し、上顎の基準点を被掛止部から形成することで、位置決め要素が基準点に掛止するようにしてもよい。被掛止部は矯正装置の部分であってもよく、あるいは、別途上顎歯列に取り付けたものでもよい。
近位骨片の接合中、位置決め要素を基準点に正確に当接し続けることが可能な状況(例えば、助手の技能)があれば、位置決め要素を基準点に当接させるものでもよい。また、位置決め要素の当接部及び被当接部(基準点)の一方を磁石、他方を磁性体から形成して、磁力を利用して位置決め要素を基準点に当接させてもよい。
1つの態様では、前記連結要素は、非ロック状態と、ロック状態と、をとることができ、
前記非ロック状態では、前記骨把持要素に対する前記位置決め要素の長さ方向の移動及び回転が許容され、
前記ロック状態では、前記骨把持要素に対する前記位置決め要素の長さ方向の移動及び回転が規制される。
1つの態様では、前記連結要素は、
互いに回動可能な第1部分と第2部分とからなり、
前記第1部分は前記骨把持要素に回動可能かつ長さ方向に移動可能に連結されており、
前記第2部分は前記位置決め要素に回動可能に連結されている。
こうすることで、第1部分と第2部分との位置関係が両部分の相対的な回転によって調整可能であり、第1部分と骨把持要素との位置関係が両部分の相対的な長さ方向の移動及び回転によって調整可能であり、第2部分と位置決め要素の位置関係が両部分の相対的な回転によって調整可能である。
後述する実施形態では、前記第1部分は、骨把持要素に形成されたガイド軸を長さ方向に移動可能かつ回転可能に受け入れる挿通部を備えており、前記第2部分は、位置決め要素に形成された回動軸を回転可能に受け入れる挿通部を備えている。
後述する実施形態では、前記連結要素は、第1部分及び第2部分に貫設された螺子(ロック要素)を備えており、第1部分及び第2部分は当該螺子の軸部回りに回動可能となっており、螺子を締めることで、第1部分と第2部分を圧接させることで、第1部分と第2部分の間の回転を規制してロック状態とする。さらに、当該螺子を締めることで、第1部分の挿通孔及び第2部分の挿通孔を縮径して、前記ガイド軸及び前記回動軸の移動を規制してロック状態とする。
1つの態様では、前記骨把持要素には、前記連結要素を当該骨把持要素の長さ方向可能に案内するガイドが形成されている。
1つの態様では、前記ガイドは、ガイド軸であり、当該ガイド軸は、骨把持要素に対する連結要素の長さ方向の位置調整及び回転位置調整のための要素である。
1つの態様では、前記骨把持要素は、枢軸を介して回動可能な第1アームと第2アームとを備え、前記枢軸の先端側が把持部を形成する前方アーム、後端側が柄部となっており、
前記ガイド軸は、前記第1アームにおいて、前記柄部に沿って延びるように形成されており、前記連結要素は前記ガイド軸を長さ方向に移動可能かつ回転可能に受け入れる挿通部を備えている。
1つの態様では、前記位置決め要素には、回動軸が突設されており、前記連結要素は前記回動軸を回転可能に受け入れる挿通部を備えている。
1つの態様では、前記位置決め要素は、枢軸を介して回動可能な第1アームと第2アームとを備え、前記枢軸の先端側が前方アーム、後端側が柄部となっており、
前記回転軸は、前記位置決め要素の前記第1アームに突設されている。
本発明では、骨把持要素によって近位骨片を把持し、位置決め要素によって上顎の基準点を把持し、あるいは、基準点に当接し、あるいは、基準点に掛止した状態で連結要素によって骨把持要素と位置決め要素の三次元的位置関係を固定することで、近位骨片と上顎骨との位置関係を三次元的に記録・再現するものであり、金属プレート等をネジ止めする手法に比べて、手技はきわめて簡便で迅速となり、リポジショニング処理の短縮による手術時間の短縮につながる。
本発明では、顎骨に穴開けするようなことはないので、従来手法に比べて侵襲を軽減することができる。
本発明では、骨把持要素、位置決め要素は通常の鉗子と同様に再利用可能であり、使い捨ての金属プレート類を使用しないため医療コストを削減することができる。
従来の方法(ウルツブルグのシステム)を示す図である。 本実施形態に係るリポジショニングシステムの構成要素を示す図である。 骨把持鉗子の斜視図である。 ポジショニングクランプの斜視図である。 自由関節要素の斜視図である。 自由関節要素をロック・ロック解除するための治具(ドライバー)である。 自由関節要素によって三次元的位置関係がロックされた状態の骨把持鉗子及びポジショニングクランプである。 骨把持鉗子とポジショニングクランプの連結部位の拡大図である。 リポジショニングシステムを用いた下顎近位骨片の位置決めを説明する図である。 図9の部分拡大図である。
本発明にかかるリポジショニングシステムについて図面を参照しつつ説明する。図2に示すように、リポジショニングシステムは、骨把持鉗子1と、ポジショニングクランプ2と、骨把持鉗子1にポジショニングクランプ2を連結する自由関節要素3と、を備えている。骨把持鉗子1、ポジショニングクランプ2、自由関節要素3は、左用、右用の左右一対用意される。本実施形態では、これらの部材は金属製(ステンレス製)であるが、材質は限定されず、本手術に必要な強度を備えていれば、樹脂製やセラミック製であってもよい。
図3に示すように、骨把持鉗子1は、枢軸を介して互い交差するように連結され、その枢軸回りに回動自在な第1アーム10と第2アーム11とを有する。第1アーム10および第2アーム11には、前記枢軸から先端側に延びる前方アーム100、110と、前記枢軸から基端側に延びる柄部101、111と、柄部101、111の後端に形成されたリング状の指環部102、112と、を備え、指環部102、112に指を入れて柄部101、111を開閉操作することで、枢軸の先端側の前方アーム100、110を開閉操作するようになっている。
一対の前方アーム100、110の先端が把持部となっており、一方の前方アーム110の先端には突部110aが形成され、他方の前方アーム100の先端には凹部(図面では隠れている)が形成されており、鉗子1が閉姿勢にある時には、突部110aが凹部に受け入れられている。柄部101、111は前方アーム100、110から直線状に一体的に延びる第1部位と、第1部位の基端から傾斜状に一体的に延びる第2部位を備え、第2部位の後端に指環部102、112が形成されていると共に、開閉操作時に互いに摺接する摺接ガイド片103、113が形成されている。図示の態様では、前方アーム100、110の長さは、枝部101、111の長さよりも短い。骨把持鉗子1の基本的な構成は従来の鉗子と同様であるため、さらなる詳細な説明は省略する。
第1アーム10には、柄部101の第1部位に平行して延びるようにガイド軸12が形成されている。図示の態様では、ガイド軸12は先端側が柄部101に連結されており、後方に向かって柄部101に離間平行して延びており、後端は柄部101から離間している。自由関節要素3は、ガイド軸12の後端から取り付けられる。図示の態様では、ガイド軸12は、枝部101の第1部位において、第2部位の傾斜方向とは反対側に位置して形成されている。
図4に示すように、ポジショニングクランプ2は、枢軸を介して互い交差するように連結され、その枢軸回りに回動自在な第1アーム20と第2アーム21とを有する。第1アーム20および第2アーム21には、前記枢軸から先端側に延びる前方アーム200、210と、前記枢軸から基端側に延びる柄部201、211と、柄部201、211の後端に形成されたリング状の指環部202、212と、を備え、指環部202、212に指を入れて柄部201、211を開閉操作することで、枢軸の先端側の前方アーム200、210を開閉操作するようになっている。
一対の前方アーム200、210の先端が把持部となっており、柄部201、211の後端には、開閉操作時に互いに摺接する摺接ガイド片203、213が形成されている。図示の態様では、前方アーム200、210の長さは、枝部201、211の長さよりも短い。ポジショニングクランプ2の基本的な構成は従来の鉗子と同様であるため、さらなる詳細な説明は省略する。
一対の前方アーム200、210の先端は湾曲状(指環部202、212に指を入れた使用状態で下側に湾曲している)に形成されており、一対の前方アーム200、210の先端による上顎の基準点の把持の操作性が良好になっている。第1アーム20には、前方アーム200の基端側に位置して、第1アーム20に対して略垂直に立ち上がり状に突出する回動軸22が突設されている。図示の態様では、回動軸22は、前方アーム200の外側部位(一対の前方アーム200、210が閉姿勢にある時に対向する内側部位と反対側の部位)から当該外側部位に対して略垂直状に側方に突成されている。
図5に示すように、自由関節要素3は、骨把持鉗子1に形成されたガイド軸12の挿通部300を備えた第1部分30と、ポジショニングクランプ2に形成された回動軸22の挿通部310を備え、第1部分30に対して回転自在に連結されている第2部分31と、を備えている。図示の態様では、第1部分30、第2部分31は、共に、C形状ないしU形状を備えており、対向する側片301、302の底側、対向する側片311、312の底側に挿通部300、310がそれぞれ形成されている。第1部分30、第2部分31の対向する側片301、302、311、312同士を並設させて(第1部分30の側片302と第2部分31の側片311を対向させて)4つの側片301、302、311、312を挿通するように螺子32の軸部(螺子が刻設された軸部321の先端部が図8に示してある)が設けてある。第1部分30、第2部分31はそれぞれ独立して軸部回りに回動可能である。
4つの側片301、302、311、312には、螺子32の軸部を挿通させる挿通孔が形成されているが、側片312の挿通孔には雌螺子が形成されており、軸部321の先端の雄螺子が前記雌螺子に螺合している。螺子32の頭部320は、側片301の外面に対向しており、螺子32を締めることで、頭部320が側片301の外面に当接し、側片312が引っ張られて、側片301、302、311、312がすべて圧接されてロック状態となる。螺子32は、図6に示すドライバーを用いて回転可能となっている。第1部分30、第2部分31に外力が作用していない自然な状態では、自由関節要素3は非ロック状態にある。ドライバーで螺子32を締めるというワンアクションで、頭部320を第1部分30の側片301に当接させ、螺子32により側片312が引きつけられることで第1部分30、第2部分31に外力が作用して、対向する側片301、302、側片311、312がそれぞれ接近し、第1部分30の側片302と第2部分31の側片311が圧接して、自由関節要素3はロック状態となる。
第1部分30の挿通部300の径は、外力が作用しない自然な状態では、骨把持鉗子1のガイド軸12を位置調整可能な状態で受け入れるような径となっており、ガイド軸12は挿通部300を長さ方向にスライド、かつ、挿通部300内で回転可能となっている。第1部分30に、対向する側片301、302を接近させるような外力を作用させると、挿通部300が縮径して、挿通部300の内周面がガイド軸12の外周面に密接して、挿通部300内でガイド軸12が固定され、ガイド軸12の移動が規制される。
第2部分31の挿通部310の径は、外力が作用しない自然な状態では、ポジショニングクランプ2の回動軸22を挿通部300内で回転可能に受け入れるような径となっている。第2部分31に、対向する側片311、312を接近させるような外力を作用させると、挿通部310が縮径して、挿通部310の内周面が回動軸22の外周面に密接して、挿通部310内で回動軸22が固定され、回動軸22の回転が規制される。
外力が作用しない自然な状態では、第1部分30、第2部分31はそれぞれ独立して軸部回りに回動可能であるが、第1部分30の側片302と第2部分31の側片311を圧接させるような外力を作用させると、圧接状態にある第1部分30の側片302と第2部分31の側片311の摩擦によって、第1部分30及び第2部分31の回転が規制される。
骨把持鉗子1とポジショニングクランプ2を自由関節要素3を介して連結した状態において、自由関節要素3が非ロック状態にある時には、骨把持鉗子1の長さ方向における自由関節要素3の位置(結果として、自由関節要素3に連結されたポジショニングクランプ2の長さ方向の位置)は、自由関節要素3の第1部分30が骨把持鉗子1に形成されたガイド軸12に沿って移動することで、可変となっている。
骨把持鉗子1に対するポジショニングクランプ2の姿勢(骨把持鉗子1の軸方向に対するポジショニングクランプ2の軸方向の角度)は、ポジショニングクランプ2の回動軸22が自由関節要素3の第2部分31に対して回転すること、第2部分31が第1部分30に対して回転すること、骨把持鉗子1のガイド軸12が自由関節要素3の第1部分30に対して回転すること、で可変となっている。図8に示すように、骨把持鉗子1とポジショニングクランプ2は、3つ軸(ガイド軸12、回動軸22、螺子32の軸部321)回りの回転によって任意の三次元的位置関係を取り得るように連結されている。自由関節要素3が非ロック状態にある時には、これら3つの軸回りの回転が自由となっている。
骨把持鉗子1に対するポジショニングクランプ2の姿勢が決定した状態で自由関節要素3を非ロック状態からロック状態とすると、ガイド軸12に対する第1部分30の移動、第1部分30に対する第2部分31の回転、回動軸22に対する第2部分31の回転が規制され、骨把持鉗子1に対するポジショニングクランプ2の姿勢を固定することができる。
このように構成されたリポジショニングシステムを用いた下顎枝矢状分割術について説明する。下顎枝矢状分割術の対象となる患者は、下顎枝矢状分割術に先だって、いわゆるワイヤー矯正が施されることが一般的である。ワイヤー矯正装置は、歯列の各歯に固定したブラケットと、ブラケットに通したワイヤーと、を用いることが当業者によく知られている(図1、図9、図10参照)。本実施形態では上顎歯列に装着した矯正装置の任意のブラケットないしワイヤーの部分を上顎の基準点として設定する。基準点は、術者において、例えば、左から○番目の歯のブラケット、というように適宜選択することができる。矯正装置が装着されていない場合には、上顎の基準点となる要素(例えばブラケット)を上顎歯列の選択された歯に装着すればよい。
下顎骨の分割の前に、骨把持鉗子1とポジショニングクランプ2の相対的な位置関係を調整しながら、骨把持鉗子1で近位骨片4を把持し(把持点P1)、ポジショニングクランプ2で上顎の基準点P2を把持し、ドライバーで螺子32を締めて自由関節要素3をロック状態すると、骨把持鉗子1とポジショニングクランプ2の三次元的位置関係が記録される。骨把持鉗子1とポジショニングクランプ2は、ロック状態にある自由関節要素3によって姿勢が固定された状態で、近位骨片4、基準点から取り外し、リポジショニングのために保存しておく(図7参照)。
骨把持鉗子1による把持点P1、上顎の基準点P2、前記記録された骨把持鉗子1とポジショニングクランプ2の三次元的位置関係から、下顎の近位骨片4と上顎の位置関係を記録することができる。把持点P1は、予め近位骨片4に設けたマーカーでもよく、あるいは、骨把持鉗子1により近位骨片4を把持した時の、第2アーム11の先端の突部110aが近位骨片4に当接した地点の痕を復位の際の「しるし(マーカー)」とすることができる。
自由関節要素3によって姿勢が固定された骨把持鉗子1とポジショニングクランプ2を取り外した後、下顎角部から下顎枝にかけて、左右の骨を矢状方向に近位骨片4と遠位骨片5に分割し、遠位骨片を所定位置まで移動させる。
次いで、保存しておいた自由関節要素3によって姿勢が固定された骨把持鉗子1とポジショニングクランプ2を用いて、骨把持鉗子1によって、第2アーム11の先端の突部110aが近位骨片4の把持点P1に当たるように近位骨片4を把持し、ポジショニングクランプ2によって、上顎の基準点P2を把持することで、上顎に対する下顎骨の近位骨片4の位置を再現し、下顎骨の近位骨片4の復位が行われる。分割前の近位骨片4の位置を再現した後に、近位骨片4と所定位置に移動した下顎骨体5とを骨接合用のプレートあるいはネジで固定する。
本実施形態では、自由関節要素3を螺子32の回転というワンアクションでロックすることで近位骨片4と上顎骨との位置関係を三次元的に記録・再現することができ、本実施形態に係る手技はきわめて簡便で迅速に行うことができる。また、把持点P1、基準点P2への着脱は、第1アーム10、20と第2アーム11、21の開閉操作で良いので、着脱の操作性が良好である。また、ポジショニングクランプ2は基準点P2を把持するものであるため、ポジショニングクランプ2と基準点P2との位置関係が把持状態によって維持され、近位骨片4の接合中、基準点P2がズレることを防止する。
図面に基づいて、骨把持鉗子1、ポジショニングクランプ2、自由関節要素3について説明した。説明した具体的な構成は一つの好ましい実施形態に過ぎないものであり、本発明に係るリポジショニングシステムの各構成要素の具体的な形態は図示の実施形態に限定されるものではなく、変更又は改良が加えられ得ることが当業者に理解される。例えば、位置決め要素としてのポジショニングクランプ2に代えて、先端が上顎の基準点に掛止ないし当接することで当該基準点を規定するようにした位置決め要素(例えば、軸状部材ないし長尺部材)を用いてもよい。自由関節要素3についても、多自由度の回転を許容すると共に、非ロック状態とロック状態をとることができる機械要素は当業者によく知られており、本実施形態における構成に限定されるものではない。骨把持鉗子1、ポジショニングクランプ2の形状によっては、ガイド軸12、回動軸22が設けられる部位が変更され得ることが当業者に理解される。また、図示の態様では、骨把持鉗子1にガイド軸12を設け、ポジショニングクランプ2に回動軸22を設けたが、ガイド軸12に相当する要素をポジショニングクランプ2に設け、回動軸22に相当する要素を骨把持鉗子1に設けてもよく、その場合、骨把持鉗子1、ポジショニングクランプ2の形状が変更され得ることが当業者に理解される。
1 骨把持鉗子
10 第1アーム
11 第2アーム
12 ガイド軸
2 ポジショニングクランプ
20 第1アーム
21 第2アーム
22 回動軸
3 自由関節要素
4 近位骨片
5 下顎骨体
P1 近位骨片上の把持点
P2 上顎上の基準点

Claims (2)

  1. 下顎骨の近位骨片を把持する骨把持要素と、
    上顎に設定した基準点を把持し、あるいは、基準点に当接し、あるいは、基準点に掛止することで当該基準点を規定する位置決め要素と、
    前記骨把持要素と前記位置決め要素を、前記位置決め要素が3つの軸回りの回転によって前記骨把持要素に対して任意の姿勢を取ることができ、かつ、前記骨把持要素の長さ方向に対する前記位置決め要素の位置が可変なように連結する連結要素と、
    を備え、
    前記連結要素は、前記骨把持要素に対する前記位置決め要素の3つの軸回りの回転及び長さ方向の移動を許容する非ロック状態と、前記骨把持要素に対する前記位置決め要素の3つの軸回りの回転及び長さ方向の移動を規制するロック状態と、をとり、
    前記連結要素を非ロック状態として、前記骨把持要素が前記近位骨片を把持すると共に、前記位置決め要素が前記基準点を規定した状態で、前記連結要素をロック状態として、前記骨把持要素に対する前記位置決め要素の姿勢及び長さ方向の位置を固定することで、前記骨把持要素と前記位置決め要素の三次元的位置関係を記録する、
    下顎枝矢状分割術における下顎骨近位骨片の位置決め装置。
  2. 前記連結要素は、
    互いに回動可能な第1部分と第2部分とからなり、
    前記骨把持要素は、当該骨把持要素の長さ方向に延びるガイド軸を備えており、
    前記第1部分は前記骨把持要素の前記ガイド軸に回動可能かつ長さ方向に移動可能に連結されており、
    前記第2部分は前記位置決め要素に回動可能に連結されており
    非ロック状態では、前記第1部分と前記第2部分との回動、前記ガイド軸に対する前記第1部分の回動及び長さ方向の移動、前記位置決め要素に対する前記第2部分の回動は可能となっており、
    ロック状態では、前記第1部分と前記第2部分との回動、前記ガイド軸に対する前記第1部分の回動及び長さ方向の移動、前記位置決め要素に対する前記第2部分の回動は規制される、
    請求項1に記載の位置決め装置。
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