JP6095108B2 - 圧力測定装置 - Google Patents
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Description
1 接触部表面に形成した感圧素子による測定法(非特許文献1)
2 接触部に感圧塗料を塗布することや感圧紙を挟み込むことで、その発色から圧力を測定する方法(特許文献1、非特許文献2)
3 接触部に油膜がある場合において、油分子のラマンシフト、赤外線分光特性のシフトなどから圧力を測定する方法(非特許文献3、非特許文献4)
4 半透過膜・透過膜・反射膜の3層による干渉光の波長計測から変形量を求め圧力を測定する方法(非特許文献5)
などが知られている。
本発明は上記の問題点や制約に鑑みてなされたものであり、本発明により、マイクロメータオーダの高い2次元分解能で正確にMPa〜GPa台の高圧接触部の圧力分布とその時間変化を計測可能とする測定装置および方法を提供することを目的とする。
また、第4の発明は、該光源部が光源のみで構成され、該接触部が透明接触体、圧力によって光透過特性が可逆的に変化する該単色干渉フィルタの順に配置された構成で、該測定部が該単色干渉フィルタと該カメラの順に配置された構成であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第5の発明は、該光源部が特定の波長帯の光を発する光源のみの構成で、該接触部が透明接触体、圧力によって光透過特性が可逆的に変化する該単色干渉フィルタの順に配置された構成で、該測定部がカメラのみの構成であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第7の発明は、該接触部の該単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層の該不透明接触体側に光反射層を付与したことを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第8の発明は、前記光源部は光源、単色干渉フィルタ、偏光フィルタの順に配置されて構成され、前記接触部は単色干渉フィルタ、該単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層、不透明接触体の順に配置されて構成され、前記測定部が偏光フィルタ、カメラの順に配置されて構成され、前記1/2位相板層の不透明接触体側に光反射層が付与され、前記光源部から前記接触部への光の入射角が90度以下であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第10の発明は、該接触部の該単色干渉フィルタの該不透明接触体側に光反射層を付与したことを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第11の発明は、前記光源部が光源、単色干渉フィルタの順に配置されて構成され、前記接触部が単色干渉フィルタ、不透明接触体の順に配置されて構成され、前記測定部がカメラからなり、前記単色干渉フィルタの不透明接触体側に光反射層が付与され、前記光源部から前記接触部への光の入射角が90度以下であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第12の発明は、該単色干渉フィルタの組合せを、ショートパスフィルタとロングパスフィルタの組合せ、または、単色フィルタとロングパスフィルタの組合せ、または、単色フィルタとショートパスフィルタの組合せ、または、ある波長帯のみをブロックするブロックフィルタとショートパスフィルタの組合せ、または、ブロックフィルタとロングパスフィルタの組合せなど、光の透過領域が重なる組合せとし、あるいは単色光源を使用する場合においては光源の出射光波長と各種フィルタの透過領域が重なる組合せとし、かつ、少なくとも接触部を構成するフィルタを干渉フィルタとするように配置したことを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第14の発明は、該光源部が光源、単色干渉フィルタ、ビームスプリッタの順に配置された構成で、該接触部が透明体・半透過層・透明層・反射層からなる干渉発生板、透明接触体の順に配置された構成で、該測定部がビームスプリッタ、カメラの順に配置された構成であり、透明層の厚みが圧力Pによって変化し、干渉発生板での干渉状態が変化することによる光量の変化を計測することによって圧力Pを測定することを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第15の発明は、該測定部に顕微鏡等の拡大光学系を用いることを特徴とした圧力測定装置を構成する。
測定に用いる単色干渉フィルタは、表面が平滑であるため、非特許文献1で問題であった感圧素子の厚みにより表面に凹凸ができることに起因する圧力の誤差がなく、光量の分布をカメラでとらえるため、光学系に顕微鏡を使用することでマイクロメータオーダでの精細な2次元圧力分布計測が可能であり、感圧素子の大きさに起因する分解能の問題も解消される。
また、特許文献1、非特許文献2のように感圧塗料や感圧紙を挟む必要がないため、介在物による圧力の誤差などがなく正確な圧力を求めることが可能であり、さらに、画像を取り込むことで測定可能であるため、高速撮影可能なカメラを使用することで圧力分布の高速な時間変化をとらえることができる。また、油膜などが介在する場合の計測も可能である。
本発明の単色干渉フィルタの変形による圧力の検出は、用いる単色干渉フィルタの特性を選択することで、圧力に対する感度や測定範囲も広範囲に設定可能であり、単色干渉フィルタの波長に対する透過率の変化を急峻にすることで、圧力に対する感度を高く選定することができるため、非特許文献3、非特許文献4で問題であった感度不足を解消でき、介在する潤滑油の種類の影響も受けず、あらゆる潤滑油に対して適用できる。また、単色干渉フィルタの波長に対する透過率の変化を急峻にすることで、非特許文献5で問題であった圧力に対する感度不足を解消できる。
本発明には、図1に示すように単色フィルタとして単色干渉フィルタ4を用いる。単色干渉フィルタは透明体4aと多層干渉層4bで構成されている。多層干渉層に対して圧力が加わることで膜の厚さが弾性変形し、フィルタの分光特性が変化することを利用する。多層干渉層を構成する膜としては、誘電体膜、金属膜などを使うことが可能である。誘電体膜材料としては、酸化シリコン(SiO2)、酸化チタン(TiO2、TiO3、TiO5)、ニオブ(Nb2O5)、タンタル(Ta2O5)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化ハフニウム(HfO2)、ジルコニア(ZrO2)、酸化亜鉛(ZnO)などを用いることができる。金属膜材料としては、Al、Au、Pt、Cr、Ti、Ni、Mo、Cu、Agなどを用いることができる。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
光源1からの光は、単色干渉フィルタA2によってある分布特性を持つ単色光となる。光は、透明接触体3に入射し、透明接触体3と単色干渉フィルタB4の接触部に至る。単色干渉フィルタB4の多層干渉層4bは接触部分の接触圧力により圧縮され変形しているために、単色干渉フィルタB4の透過特性は、非接触時に単色干渉フィルタA2と同一であった特性から図2に例示するように変化している。このとき、接触している各部分により圧力が異なることによりそれぞれの部分でフィルタの透過特性が異なる。よってカメラ5で得られる画像は各部で明るさが変化し、図3に例示するように圧力の高い部分ほど暗くなる。この明るさの分布に対して、各部の光量と圧力との関係を図4に例示したようにあらかじめ校正しておき、この関係を適用することで測定された光量分布から圧力分布を求めることができた。すなわち、ヘルツの接触圧力(GPa、kgf/mm2等)は、荷重、2面の形状、弾性係数などから計算で求まるので、たとえば、平面と球面を用いると、静的に荷重をかけた状態での圧力分布を計算により求めることができる。この状態において、発明の構成によって求めた光の強度分布を調べることで、図4のような圧力と光量の校正曲線を作成し、接触状態で計測された画像の各点の光量から圧力値の分布を求めることができた。
図5では、単色干渉フィルタB4を平面とし、透明接触体3の接触面を球面としているが、実際の機械要素などの圧力分布測定に適用する場合には、接触部と等価な接触を外部に再現することで実機の圧力分布を模擬した測定が可能である。すなわち、接触する部品の接触部のモデルを透明体で作り、本発明の構成(図1)の3、4のように配置し観察する、あるいは、接触を構成する一方を平面とし、もう一方に両物体表面形状が合成された曲率を持つ等価な曲面を作り、本発明の構成(図1)の3、4のように配置し、観察することで測定を行う。ただし、一方の接触表面に単色干渉フィルタ層を形成することが必要となる。また、片方は透明体でなくとも以下の実施例の中で示すように測定の実施が可能である。接触面それぞれの運動を再現することで、介在する油膜などの影響を受ける場合の圧力分布計測も可能となる。
実際に、たとえば、転がり球軸受の場合は、外輪と転動体である球の接触を再現するには、転動体の転がり方向と回転軸方向の曲率を、外輪と球それぞれについて合成することで片方を平面とすることができる。同様に歯車の場合も可能である。自動車などに使われているCVTにいては、現在主流となっているベルト式CVTでは、プーリとエレメント(ベルトについているコマ)の接触状態を再現することで本発明による圧力分布測定が可能であり、チェーン式もチェーンのピンとプーリの接触を再現することで同様に可能である。また、トロイダル式CVTは転がり軸受と同様な接触状態であるので、軸受と同様な方法で可能である。
光源1の光は、単色干渉フィルタA2、偏光フィルタ7、ビームスプリッタ9、単色干渉フィルタB4、1/2位相板層11を通り、不透明接触体10で反射する。この反射光は、1/2位相板層11、単色干渉フィルタB4、ビームスプリッタ9、偏光フィルタ8を通り、カメラ5へ取り込まれ、得られた画像から接触圧力を測定することができる。
図14において圧力導入口17から容器18に導入された圧力は、単色干渉フィルタB4を変形させる。光源1からの光は、単色干渉フィルタA2を通過し単色光となり、透明窓19、単色干渉フィルタB4を通過し、カメラ5に入射する。得られた画像より容器内の圧力を計測することが可能である。本実施例でも、カメラ5のかわりに光量を計測できるセンサとする構成も可能である。
フィルタの組み合わせは、ショートパスフィルタとロングパスフィルタの組み合わせ、または、単色フィルタとロングパスフィルタの組み合わせ、または、単色フィルタとショートパスフィルタの組み合わせ、または、ある波長帯のみをブロックするブロックフィルタとショートパスフィルタの組み合わせ、または、ブロックフィルタとロングパスフィルタの組み合わせなど、光の透過領域が重なる、または近接した組み合わせとし、かつ、少なくとも接触部を構成するフィルタを干渉フィルタとする。また、ある特定の波長帯の光を発する光源を使用することで光源部のフィルタを用いない構成も可能である。
光源1からの光は、単色干渉フィルタA2によってある分布特性を持つ単色光となる。光は、干渉発生板14の透明体14aに入射し、半透過層14bを透過する。このとき、光の一部、たとえば25%が反射するようにしておく。透過した光は、透明層14cを透過して反射層14dで反射する。この2カ所からの反射光が干渉によって強め合う波長が、単色干渉フィルタA2による単色光の波長と同程度になるように透明層14cの厚さを設定しておく。
接触圧力によって透明層14cが圧縮されることによって2つの反射光による干渉状態が変化し、カメラ5で得られる画像の明るさが変化する。これを利用して接触圧力を計測することが可能である。
02 接触部
03 測定部
1 光源
2 単色干渉フィルタA
2a 透明体
2b 多層干渉層
3 透明接触体
4 単色干渉フィルタB
4a 透明体
4b 多層干渉層
5 カメラ
6 単色光光源
7 偏光フィルタA
8 偏光フィルタB
9 ビームスプリッタ
10 不透明接触体
11 反射層
12 1/2位相板層
13 潤滑油
14 干渉発生板
14a 透明体
14b 半透過層
14c 透明層
14d 反射層
15 ロングパスフィルタ
16 ショートパスフィルタ(干渉フィルタ)
17 圧力導入口
18 容器
19 透明窓
Claims (3)
- 光源と第1単色干渉フィルタと第1偏光フィルタとビームスプリッタの順に配置されて特定の波長帯の光を発する光源部と、
第2単色干渉フィルタと該第2単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層と不透明接触体の順に配置され、加えられた圧力によって前記第2単色干渉フィルタの光透過特性が可逆的に変化する接触部と、
前記ビームスプリッタと第2偏光フィルタとカメラの順に配置されて前記接触部で反射した光を計測して前記圧力を測定する測定部と、
からなることを特徴とする圧力測定装置。 - 請求項1において、前記1/2位相板層の前記不透明接触体側に光反射層を付与したことを特徴とする圧力測定装置。
- 光源と第1単色干渉フィルタと第1偏光フィルタの順に配置されて特定の波長帯の光を発する光源部と、
第2単色干渉フィルタと該第2単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層と光反射層と不透明接触体の順に配置され、加えられた圧力によって前記第2単色干渉フィルタの光透過特性が可逆的に変化する接触部と、
第2偏光フィルタとカメラの順に配置されて前記接触部で反射した光を計測して前記圧力を測定する測定部と、
からなるとともに、前記光源部から前記接触部への光の入射角が90度以下であることを特徴とする圧力測定装置。
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