JP2009053157A - 薄膜コート層膜厚測定方法および膜厚測定装置 - Google Patents

薄膜コート層膜厚測定方法および膜厚測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】屈折率差の小さいベース樹脂上の光透過性膜を形成してなる被測定物における光透過性コート膜の膜厚を、非接触、非破壊で確実にかつ精度よく測定する膜厚測定方法、この方法を実施するための膜厚測定装置を提供すること。
【解決手段】所望波長領域のスペクトル光を放射する光源からの光を照明領域を制限した顕微鏡光学系を介した対物レンズにより集光し、集光光束をベース樹脂上の光透過性コート膜に垂直入射させ、前記光透過性コート膜表面とベース樹脂表面とにより反射して互いに干渉した反射光を、前記対物レンズを介して顕微鏡光学系に戻し、検出光伝送用ファイバにより分光手段に導いて分光し、分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に、前記反射率を任意の大きさに拡大することにより前記反射率が極小及び極大となる波長を求め、前記極小と極大を与える各波長と、前記膜の屈折率とに基づき前記光透過性コート膜の膜厚を演算算出することを特徴とする薄膜コート層膜厚測定方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベース樹脂上の薄膜コート層膜厚測定方法および膜厚測定装置に関する。
代表的な薄膜コート体である電子写真用クリーニングブレード体では、プロセス内での他の部材と当接した際の摩耗を防止するため、表面に、例えばアクリル樹脂などを薄膜コートすることによりクリーニングブレード体の長寿命化が図られている。(特許文献1:特許第3602898号公報参照)
これらコート膜の厚さを測る際に、光透過性コート膜とサブストレイトとなるベース樹脂との屈折率差が小さく界面反射が十分に得られない場合は、干渉の基本原理が成り立たなくなるため、一般的に良く用いられる光干渉式膜厚計で膜厚を計測することが困難となり、従来からベース樹脂からコート膜の高さを計測する段差膜厚測定法、或いは破壊計測であるSEM断面観察を用いた膜厚の測定法が用いられてきた。
段差膜厚測定法は、基準となるベース樹脂の表面からコート膜表面までの高さを定義するものであるが、前述した電子写真用クリーニングブレード体などではベース樹脂上のコート膜塗工端で段差を計測せざるを得ず、この場合は塗工端ではコート膜厚にばらつきがあることから平均的なコート層付着量をモニターすることは実質不可能となり、他方、コート膜形成前に測定部位にマスキングを行なって光透過性コート膜厚の膜厚をモニターする方法も考えられるが、マスキング部でコート膜厚が盛り上がるなどの膜厚変動を起こしてしまい、やはり平均的なコート層付着量をモニターすることが困難となる。また、ベース樹脂が弾性体の場合は接触子を当てた段階で弾性変形してしまい、光透過性コート層の付着量を高精度で定義することも難しい。
SEM断面観察法は、ベース樹脂とコート層界面を含めた状態で観察可能であるから、スケールを用いて断面写真から直接層厚を測定できる利点を有している。しかし乍ら、ベース樹脂がエラストマーの様な弾性体である場合はコート膜が非弾性体であっても、SAICAS等の機械的な手段を用いて切断面を形成する際にベース樹脂が弾性変形してしまうことに依り、切断のための刃がコート膜中に入っていかず、所望の観察断面状態を得ることができないという問題が生ずる。
断面観察法を用いるための他の方法、例えばFIB法を用いて断面を確保することも考えられるが、試料調整をしてSEM断面観察することは工数的に容易ではなく、また破壊検査であるためのデメリットも多い。
従来、代表的な薄膜コート材である電子写真用クリーニングブレード体の開発はこれらの測定法によって達成されているが、非接触、非破壊でベース樹脂と屈折率の近い光透過性コート膜の膜厚を直接測る技術が確立されていなかった。
本発明者は、以上の認識に基づき、屈折率差の小さいベース樹脂上の光透過性コート膜評価技術として、顕微鏡光学系と分光反射率法を用いたコート層膜厚測定の可能性を検討した。
システム構成として考えている顕微鏡光学系を用いたベース樹脂上の光透過性コート膜厚測定装置としては、海外ではFilmetrics社製F40(米)(例えば、非特許文献1参照。)などが上市されている。
Filmetrics社製F40は、市販装置の仕様でセオリー通りの測定を行なった場合、屈折率差0.1近傍の2つの媒体の界面から、振動する反射率を効果的に抽出することができず、屈折率差0.1近傍のベース樹脂上の光透過性コート膜計測を精度良く行なうことは困難である。
他に、本発明の課題と構成に近いものとして、微粉体上の光透過性膜を形成してなる被測定物における光透過性コート膜の膜厚を非接触、非破壊で確実にかつ精度良く測定するという課題を解決するため、顕微鏡光学系に対物レンズを有した干渉式薄膜測定装置(例えば、特許文献2:特開2004−361382号公報参照)が提案されているが、薄膜コート微粉体では、微粉体に対するコート膜の屈折率に0.5以上の差があることから、サブストレイトとなる芯材とコート膜界面での反射が強く、干渉計測を行なうための必要十分条件を満たすことが容易であるが電子写真用クリーニングブレード体の場合は、ベース樹脂とコート膜の屈折率差が0.5に満たない場合があり、特にベース樹脂−コート膜界面での反射を稼げないことから、当該装置ではベース樹脂上のコート膜の膜厚を繰り返し反射干渉法(光干渉法)で計測するには技術的に不充分であることが判明した。
該特許文献2は、「分光した分光スペクトル強度から反射光を演算する際に、前記反射率を任意の大きさに拡大することにより前記反射率が極小及び極大となる波長を求めること」を示唆するものでないのは否めない。
またコート膜厚測定技術としては、顕微鏡光学系の構成は無いが、分光反射率法を用いたコーティング層膜厚測定装置として、Filmetrics社や大塚電子工業製の既製の膜厚計を用いた事例(例えば特許文献3:特開2004−290857号公報参照)もあるが、これらの装置で屈折率差の小さい界面からの反射を検出して光干渉計測で膜厚計測を行なうことは困難である。
特許第3602898号公報(第1頁、請求項1) 特開2004−361382号公報 特開2004−290857号公報 インターネット<URL:http://www.filmetrics.com/f40.html
本発明の課題は、上述した事情に鑑み、屈折率差の小さいベース樹脂上の光透過性膜を形成してなる被測定物における光透過性コート膜の膜厚を、非接触、非破壊で確実にかつ精度よく測定する膜厚測定方法、この方法を実施するための膜厚測定装置を提供することである。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。
(1)「所望波長領域のスペクトル光を放射する光源からの光を照明領域を制限した顕微鏡光学系を介した対物レンズにより集光し、集光光束をベース樹脂上の光透過性コート膜に垂直入射させ、前記光透過性コート膜表面とベース樹脂表面とにより反射して互いに干渉した反射光を、前記対物レンズを介して顕微鏡光学系に戻し、検出光伝送用ファイバにより分光手段に導いて分光し、分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に、前記反射率を任意の大きさに拡大することにより前記反射率が極小及び極大となる波長を求め、前記極小と極大を与える各波長と、前記膜の屈折率とに基づき前記光透過性コート膜の膜厚を演算算出することを特徴とする薄膜コート層膜厚測定方法」、
(2)「前記ベース樹脂の屈折率が、光透過性コート膜屈折率の±0.1以上の範囲であることを特徴とする前記第(1)項に記載の薄膜コート層膜厚測定方法」、
(3)「前記対物レンズを介して顕微鏡光学系に戻した反射光が、対物レンズの合焦点位置と共役な位置に置いたピンホールを通過させた後、検出光伝送用ファイバーに導くことを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の薄膜コート層膜厚測定方法」、
(4)「前記集光光束を光透過性コート膜に垂直入射させる方法が、ケーラー照明系の開口絞りを絞ることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定方法」、
(5)「前記集光光束の光透過性コート膜への入射角が0〜18度であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定方法」、
(6)「前記照明領域制限方法が、ケーラー照明系の視野絞りを絞ることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定方法」、
(7)「所望波長領域のスペクトル光を放射する光源と、この光源からの光を集光して集光光束を前記光透過性コート膜に入射させるための照明領域を制限する機能及び光透過性コート膜に垂直入射させる機能を有した顕微鏡光学系及び対物レンズと、前記被測定物により反射され、前記対物レンズを介して前記検出光伝送用ファイバにより伝送された検出光を分光する分光手段と、この分光手段により分光された検出光の分光スペクトル強度を検出するスペクトル強度検出手段と、分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に前記反射率を任意の大きさに拡大することにより反射率の極小及び極大を与える各波長と、前記光透過性コート膜の屈折率とに基づき、ベース樹脂上の光透過性コート膜の膜厚を演算算出する演算手段とを有することを特徴とする薄膜コート層膜厚測定装置」、
(8)「前記対物レンズを介して前記検出光伝送用ファイバにより伝送された検出光を分光する分光手段において、対物レンズの合焦点位置と共役な位置にピンホールを設置し、そのピンホールの後段に前記検出光伝送用ファイバを設置したことを特徴とする前記第(7)項に記載の薄膜コート層膜厚測定装置」、
(9)「前記対物レンズの開口数:NAが0.4以上であり、作動距離が3mm以上、30mm以下であることを特徴とする前記第(7)項又は第(8)項に記載の薄膜コート層膜厚測定装置」、
(10)「前記対物レンズがプラン型のフルオリートレンズであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(9)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置」、
(11)「前記対物レンズがプラン型のアポクロマートレンズであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(9)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置」、
(12)「前記対物レンズが反射対物レンズであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(9)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測装置」、
(13)「前記分光手段が、回折格子もしくはプリズムあるいは分光フィルタであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(12)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置」、
(14)「前記スペクトル強度検出手段が、CCDラインセンサもしくはシリコンフォトダイオード列であることを特徴とする前記第(7)項乃至第(13)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置」、
(15)「前記分光手段が0.5〜5nm/素子の波長分解能の範囲であることを特徴とする前記第(7)項乃至第(14)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置」、
(16)「前記演算手段が、測定対象となりうる1種以上の光透過性コート膜の分光屈折率データを利用可能に記憶していることを特徴とする前記第(7)項乃至第(15)項のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置」。
本発明によれば、ベース樹脂上の屈折率差の小さい光透過性コート膜に対する新規な膜厚測定方法および膜厚測定装置を実現できる。また、本発明の膜厚測定方法及び装置は、上記の如く「ベース樹脂上に光透過性コート膜を形成してなる被測定物における光透過性コート膜の膜厚」を、容易、確実且つ高い精度をもって測定することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の薄膜コート層膜厚測定方法は「ベース樹脂上に光透過性コート膜を形成してなる被測定物におけるコート膜の膜厚を測定する方法」であって、以下のような特徴を有するものである。
即ち、所望波長領域のスペクトル光を放射する光源からの光を、照明領域を制限したケーラー照明系を備えた顕微鏡光学系を介して対物レンズにより集光し、集光光束を上記光透過性コート膜に垂直入射させる。スペクトル光の「所望波長領域」は、コート膜厚測定を可能ならしむる波長領域を意味し、光透過性コート膜の光学的特性により定められる。
この場合、上記光透過性コート膜表面とベース樹脂表面とにより反射して互いに干渉した反射光を、上記対物レンズを介して顕微鏡光学系に戻し、検出光伝送用ファイバにより分光手段に導いて分光する。分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に、前記反射率を任意の大きさに拡大することにより得られる反射率の極小及び極大を与える各波長と、上記膜の屈折率とに基づき、光透過性コート膜の膜厚を演算算出する。
即ち、この発明の膜厚測定方法は、周知の「光干渉膜厚計測方式」の原理を利用する。 ここで、一般的に、分光反射率計や分光光度計、光干渉膜厚計では、測定前に必ず基準となるアルミ蒸着板やSi−Waferで校正を行なっているが、本発明ではセオリー通りの校正を行なっていない。後に詳細に説明するように、膜厚測定には波長情報と屈折率情報だけが必要となるので、この観点からすれば、図3等に示す縦軸の反射率(図3等に示す縦軸)は重要ではなく、横軸の波長情報のみが必要ということになる。
本発明に用いられる膜厚測定方法における測定対象となる「光透過性の膜」の形成された被測定物は、上記の如く「ベース樹脂上に光透過性コート膜が形成」され、ベース樹脂と光透過性コート膜の上記屈折率差に基き、ベース樹脂表面と光透過性コート膜表面とで反射される光の干渉が可能なものであればよく、被測定物に対する他の制限は特にない。
また、分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に、前記反射率を任意の大きさに拡大することにより、反射率を増加させることができ、光透過性コート膜表面反射と合わせて良好な干渉波形を取得することが可能となる。
本発明に用いられる膜厚測定方法において、被測定物であるベース樹脂上における光透過性コート層は、ベース樹脂の表面に光透過性コート膜を設けたものであり、この場合には、対物レンズを介して顕微鏡光学系に戻した反射光が対物レンズの合焦位置と共役な位置に置いたピンホールを通過させた後、検出光伝送用ファイバーに導くことによって、周辺からの擾乱光を低減し、光透過性コート膜厚を所謂、光干渉法に依って良好に測定することができる。対物レンズの合焦位置とピンホールが共役な関係であると、薄膜コート微粉体の合焦位置以外の散乱/回折光はピンホールにおいて遮断され、検出光伝送用ファイバーに入らない。このため、可視性の高い干渉波形が得られる様になる。
更に、集光光束を光透過性コート膜に垂直入射させる方法が、ケーラー照明系の開口絞りを絞ることによって光透過性コート膜厚を良好に測定できる。ケーラー照明系の開口絞りは絞ることによって照明系のNAを小さくでき、集光光束を垂直入射に近い状態にできるので、「光干渉膜厚計測方式」に必要な「垂直入射/垂直受光」の基本原理を満たしやすくなる。
特に集光光束の光透過性コート膜への入射角が0〜18度までであれば、平行光束と同様の取り扱いが可能となり、対物レンズの斜め入射に伴う誤差が小さくなる。
また、照明領域制限方法がケーラー照明系の視野絞りを絞ることで光透過性コート膜厚を良好に測定できる。
ベース樹脂の表面に光透過性コート膜を設けた薄膜コート膜は、膜中や回りに散乱体が存在した状態で測定されることが多く、顕微鏡光学系のケーラー照明系の視野絞りを絞り、試料面での照射領域を小さくすることによって、高精度の分光スペクトル強度計測が達成される。
ケーラー照明系は、高輝度で均一な平行光で試料面を照らすため、干渉計測に必要な「垂直入射/垂直受光」の基本原理が達成しやすい。また、ケーラー照明系の視野絞りは、絞っていくと六角形や八角形などの多角形に視野が狭くなっていく。この絞りを絞っても測定像の明るさは変わらないが、不必要に広い範囲を照明することが避けられるので、分光スペクトル測定時に迷光を押さえる働きがある。ケーラー照明系の視野絞りの大きさを変えれば、試料面での照明領域を調整できる。
被測定物であるベース樹脂上における光透過性コート層は、その光透過性コート層とベース樹脂との間に明確な界面を有した対象物として考えることができ、この場合には、ベース樹脂の屈折率が、光透過性コート膜屈折率の±0.1以上の範囲で光干渉法に依り膜厚を測定できる。
屈折率差は、媒質と媒質の屈折率差が小さくなれば、界面反射が小さくなり、透明に近くなってしまうことと同じで、ベース樹脂と光透過性コート層の屈折率差が大きくなれば、そこに界面反射が生じ、干渉計測が可能な様になる。
屈折率差が±0.1以上の範囲であれば、ベース樹脂と光透過性コート膜の界面反射も確保でき、光透過性コート膜中での繰り返し反射干渉を達成することが可能となる。
0.1以下であると水中(n=1.33)の氷(n=1.39)と同じく界面反射が弱くなり、屈折率差0.06では光学的には殆ど透明となってしまう。
ベース樹脂及び光透過性コート膜の屈折率は、同じ材料のものが掲載されていれば文献:「Handbook of optical constants in Solids (Palik)」から引用しても良いし、掲載されていない材料に関しては、Si-wafer上に例えばキャスト形成した膜を、分光エリプソメータ(J. A. Woolam社WVASE32)で測定し、複素屈折率から屈折率を求めれば良い。この場合、膜が誘電体であれば消光係数:κはゼロとなる。
本発明における「ベース樹脂の屈折率が光透過性コート膜屈折率の±0.1以上」は、前記特許文献2の特開2004−361382号公報記載の「微粒子の屈折率が、コート膜屈折率の+0.2〜−0.2の範囲」とは本質的に異なる内容を示している。該特許文献2に記載の内容は「コート膜中」の「微粒子」が膜中で“光散乱体”とならない条件を示しているものであり、前記のように、一般に良く知られる大気中(屈折率:1.0)の氷(屈折率:1.39)は屈折率差が大きく、氷と空気の界面における光の反射も大きくなるため人間の目でもその存在を良く認識できることに対して、水(屈折率:1.33)中の空気の混じっていない完全なロックアイス(氷、屈折率:1.39)は双方の屈折率差がないため、氷の表面での光の反射が弱くなり、透過する光の成分が増加するため、氷の存在が判らなくなる現象と等価となる。即ち、「微粒子」が「コート膜中」に存在していても“光散乱体”にならない効果を示している。
一方、本発明の場合、ベース樹脂上の光透過性膜の界面反射を利用して光干渉法により膜厚を計測できることを可能にすることを目的としているので、二つの媒質の屈折率差は大きければ大きい程好ましいが、どちらも透明な樹脂で屈折率差が殆どない媒体であり、そのため界面反射も同様に殆どなく、光干渉法での膜厚測定を困難にするものであるが、前述例の技法を用いることにより、微弱な界面反射を抽出することが可能となり、先の水中の氷の界面反射を抽出するように、ベース樹脂(例えば後述の実施例1のポリウレタンベース:屈折率1.61)表面上の光透過性コート膜(例えば同実施例1のアクリルウレタン:屈折率1.49)の界面反射を取得して、光干渉計測を成し得るものとなる。
本発明の膜厚測定装置は、光源と、照明領域を制限できる顕微鏡光学系と、対物レンズと、検出光伝送用ファイバと、分光手段と、スペクトル強度検出手段と、演算手段とを有する。
「光源」は、所望波長領域のスペクトル光を放射する。
「顕微鏡光学系」は、光源からの光をケーラー照明系の開口絞り、視野絞り、及び対物レンズを介して照明系のNAを可変し照明領域を制限して被測定物側へ導光し、また被測定物からの反射光を対物レンズを介して導光し、検出光伝送用ファイバへと伝送する。
「対物レンズ」は、顕微鏡光学系の開口絞りから射出した照射光を被測定物の膜に向って集光させる。
「分光手段」は、被測定物により反射され、対物レンズ及び顕微鏡光学系を介して検出光伝送用ファイバにより伝送された検出光を分光する。
「スペクトル強度検出手段」は、分光手段により分光された検出光の分光スペクトル強度を検出する。
「演算手段」は、分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に、前記反射率を任意の大きさに拡大し、前記反射率の極小と極大を与える各波長と膜の屈折率とに基づき、被測定物における光透過性の膜の膜厚を演算算出する。
本発明の膜厚測定装置において、対物レンズの合焦点位置と共役な位置にピンホールを設置し、そのピンホールの後段に上記検出光伝送用ファイバを設置することが好ましい。
合焦位置以外の樹脂コート膜のボケ像や周囲からの散乱光をピンホールでカットできるので、可視性の極めて高い干渉波形を得ることができる。
本発明の膜厚測定装置において用いられる対物レンズは、開口数:NAが0.4以上であり、作動距離が3mm以上、30mm以下であることが好ましい。
NAは対物レンズの性能を決める重要な値であり、焦点深度(空間分解能)、明るさに関係する値となる。NA(Numerical Aperture)とも呼び、以下の式で表されるものである。
NA=n・sinθ(ここでnは膜と対物レンズの間の媒質の屈折率、θは光軸と対物レンズの最も外側に入る光線とがなす角を示す)であり、NAが大きく成る程、空間分解能は向上する。但し、通常は市販対物レンズには単体のNAが記載されている。
同じ倍率の対物レンズの場合は、NAを少し小さくし作動距離を長くした対物レンズを用いることにより、「光干渉膜厚計測方式」の原理に必要な「垂直入射/垂直受光」の基本原理が成立しやすくなり、分光スペクトル強度の抽出が容易に実現できる様になる。対物レンズとしては、色収差と像面湾曲を補正したプラン型フルオリートレンズ、プラン型アクロマートレンズ、プラン型アポクロマートレンズなどのほかに、反射対物レンズ等を利用できる。
対物レンズをプラン型フルオリートレンズとすることにより、像面を平坦に近くした状態での集光時・受光時における色収差を除去でき、また近紫外域の良好な透過性があるため、波長範囲を広く取ることができ、高い集光性と波長精度の良い分光スペクトル強度を検出できる。フルオリートレンズは、セミアポクロマートとも呼ばれ、アクロマートとアポクロマートの中間の性能を持つ。
また、対物レンズをプラン型アポクロマートレンズとすることにより、像面を平坦に近くした状態で集光時・受光時における色収差を可視域内で完全に除去でき、高い集光性と波長精度の良い分光スペクトル強度を検出できる。
更に、屈折系の対物レンズでは、対応できる波長範囲が狭く、特に近赤領域の色収差補正が困難であるが、反射対物レンズを用いることにより透過率、色収差等の問題を解決できるので、波長検出精度の良い分光スペクトル強度を検出できる。
一般に、開口数が大きいほど焦点深度は浅くなり、ビームを細く絞ることが可能となる。逆に焦点深度が深くなると、即ち、開口数が小さいと焦点深度は深くなり、膜厚測定領域は大きくなるが、この場合はビームスポット径が逆に大きくなってしまい、光透過性コート膜中に存在する散乱体(気泡や不純物)の影響を受けてしまう。
本発明者の実験より、対物レンズのNAが0.4以上であり作動距離が3mm以上、30mm以下の長作動距離タイプの対物レンズを用いることでベース樹脂上の光透過性コート層からの良好な干渉スペクトル抽出と、膜厚測定に必要な最低限度のスポット径と焦点深度を確保できることを確認している。
光源としては、特に限定されないが、放射される光が可視域下限から近赤外域までの極めて広い分光分布を持つ「ハロゲン−タングステンランプ」を用いることが好ましい。
ハロゲン−タングステンランプから放射される光は、広い波長領域に分光分布を持つので、上述の「所望波長領域のスペクトル光」を容易に実現できる。
光源としては、他に400〜1000nmに発光分布を持つLED等を利用できる。
本発明の膜厚測定装置に用いられる分光手段として、回折格子もしくはプリズムあるいは分光フィルタを用いることができる。
回折格子等の分光手段は、回転により分光波長領域を変化させる回転方式のものを用いることもできるが、「固定型の分光手段(空間的に固定して用いられる回折格子等)、例えばポリクロメータ」を用いると、回転のためのスペースや回転機構が不要となるため、膜厚測定装置のコンパクト化が可能になる。
本発明の膜厚測定装置に用いられるスペクトル強度検出手段としては、CCD等のラインセンサや、所定の分光波長位置にシリコンフォトダイオードを配列した「シリコンフォトダイオード列」を好適に用いることができる。
CCDラインセンサは、シリコンフォトダイオードと比較して感度が高く、顕微鏡光学系を用いた微弱計測の場合でも充分な計測感度を有しており、小型、軽量、安価でもある。
また本発明の膜厚測定装置においては、分光手段が0.5〜5nm/素子の波長分解能の範囲であることが好ましい。
ベース樹脂上の光透過性コート膜のような薄膜試料での分光スペクトル強度は、ブロードであり0.5nm/素子以上の波長分解能で充分な場合が多い。但し、大き過ぎると分光手段の段階でスムージングが掛かり、1μm以上の膜厚となった場合は分光スペクトル強度の信号の一部が失われることもあるため、上限として5nm/素子程度としておくことが好ましい。
波長分解能は、分光手段の測定波長領域を用いるスペクトル強度検出手段の素子数で割ることにより求めることができる。
本発明の膜厚測定装置において用いられる演算手段に「測定対象となりうる1種以上の光透過性コート膜の分光屈折率データ」を利用可能に記憶させることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、膜厚測定装置の実施の1形態を説明する。
図1は、膜厚測定装置の実施の1形態を要部のみ示した説明図である。
図1において、(10)で示される被検体は、ベース樹脂上に光透過性コート層が形成され、顕微鏡光学系のX−Y粗・微動機構を用いて、測定光軸上に測定ポイントが設定される。
本発明の測定方法の対象となる被検体(10)としては、上述のように特に限定されず、種々の構成のものを用いることができるが、ベース樹脂上にコート膜を有する電子写真用コーティングブレード体を例にとって本発明を説明する。
図2に示すものは、ベース樹脂となるウレタン樹脂(1)上に光透過性コート膜(2)となるアクリル樹脂が塗布形成されたものである。
図2において、光透過性コート膜(2)は、電子写真プロセス内においてクリーニング部材ベース樹脂の摩耗加速を防止するための機能を持っている。
光透過性コート膜(2)の膜厚は0.1〜10μmが好ましく、ベース樹脂(1)の厚みは、1〜3mmが好ましい。
ベース樹脂用としての樹脂としては、ウレタンエラストマー等公知のものを利用できる。
コート用光透過性樹脂として、以下のものを単独または混合して使用することが可能である。
即ち、例えば、アクリルウレタン、ラクトン変性アクリルウレタン、アクリルシリコーン、熱可塑性ウレタン、フェノール樹脂等が挙げられる。
本発明のコート層の形成方法は、スプレードライ法、浸漬法などの公知の方法が使用できる。
この場合、ベース樹脂(1)と透過性コート膜(2)の屈折率差を±0.1以上とすると、ベース樹脂と透過性コート膜との境界面の入射光の反射が確保できるようになり、干渉計測に必要な繰返し反射の現象が成立し、「検出光の良好な分光スペクトル強度」を得ることができる。
図1において、膜厚測定装置(9)は、所望波長領域のスペクトル光を放射する光源(91)と、照明系のNAを可変する開口絞り(99)及び照明領域を制限する視野絞り(100)を有するケーラー照明系(92)を備えた顕微鏡光学系(93)と、顕微鏡光学系(93)に含まれ、開口絞り(99)及び視野絞り(100)を経た光を被測定物側に向けて射出させ、被測定物の膜(図2中の光透過性コート膜(2))に向って集光させる対物レンズ(94)と、被測定物(10)により反射され、対物レンズ(94)と共焦点光学系を有した顕微鏡光学系(93)を介して検出光伝送用ファイバ(95)により伝送された光を分光する分光手段(96)と、分光手段(96)により分光された検出光の分光スペクトル強度を検出するスペクトル強度検出手段(97)と、分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に、前記反射率を任意の大きさに拡大することにより前記反射率が極小及び極大となる波長を求め、前記極小と極大を与える各波長と、上記光透過性コート膜の屈折率とに基づき被測定物における光透過性の膜の膜厚を演算算出する演算手段(98)とを有し、照射光を被測定物の表面に垂直入射させるように構成されている。
対物レンズ(94)は、開口数(NA)が0.4以上であり、作動距離が3mm以上、30mm以下のものであるが、説明中の例においては、NA0.5、倍率:50×、作動距離10.6mm、焦点深度±1.0μmの「プラン型のフルオリートレンズ」を用いている。対物レンズ(94)は、顕微鏡(93)に固定され、顕微鏡(93)はファイバプローブ(95)の射出側端部を保持している。
光源(91)は「ハロゲン−タングステンランプ」で、可視領域から近赤外領域にわたる広い波長領域のスペクトル光を放射する。放射された光は、顕微鏡光学系を経て対物レンズ(94)へ導光される。顕微鏡光学系から射出した光は対物レンズ(94)により、光透過性コート膜表面に光スポットとして集光される。
分光手段(96)は「回折格子」であり、具体的には、固定型ツェルニターナ型回折格子で、分光領域:400〜1000nm、分解能:0.6nm/ポイントのものである。分光手段(96)としては、前述のように、回折格子に代えて「プリズムあるいは分光フィルタ」を用いることもできる。
スペクトル強度検出手段(97)は「CCDラインセンサ」であり、可視域から1050nmの範囲で感度を持ち、受光素子数:1024のものを用いている。
光透過性コート膜のコート層膜厚測定の原理を、被検体(10)の構成として、光透過性コート膜の代表である電子写真用コーティングブレード体を例にとって図2の如き場合を例として説明する。
即ち、この場合、ベース樹脂(1)と光透過性コート膜(2)により構成される。光透過性コート膜(2)は、例えばベース樹脂と±0.1以上の屈折率の差があるものである。
この場合、光透過性コート膜(2)をアクリルとした場合は屈折率は1.5程であり、したがって、ベース樹脂(1)となるウレタン樹脂の屈折率が1.6程であれば、屈折率差が0.1以上あり、膜厚測定に当たってベース樹脂と光透過性コート膜(2)の界面反射は干渉計測が可能な程度確保できると考えることができる。
測定される分光スペクトル強度の周期的な振動の振幅、即ち極大と極小の値の差は、例えば空気 < 光透過性コート膜 < ベース樹脂の屈折率の大小関係が成立した場合、光透過性コート膜とベース樹脂の屈折率差に依存し、屈折率差が大きい時には極大と極小の振幅値は大きくなり、屈折率差が小さい時には振幅値が小さくなるという関係も合わせ持つ。
光透過性コート膜表面に集光された光は、一部が、表面即ち光透過性コート膜(2)の表面で反射され、一部は、光透過性コート膜(2)内に入射し、ベース樹脂(1)との界面で反射される。
これら反射光は対物レンズ(94)及び顕微鏡光学系(93)を介して「検出光伝送用ファイバ(95)の端面」に集光され、同ファイバ(95)により分光手段(96)へ「検出光」として伝送される。伝送された検出光は分光手段(96)により分光され、その分光スペクトル強度がスペクトル強度検出手段(97)により検出される。
図3は、上記のようにしてスペクトル強度検出手段(97)により検出されたデータから反射率を演算する際に、反射率を任意の大きさに拡大した(検出値)あと、演算手段(98)において非線形最小2乗法(例えば、シンプレックス法等のカーブフィットアルゴリズム)により「理論上の反射率曲線」として演算されたもの(演算値)である。
図3に示すように、演算値は、可視域を含む、波長:450nmから波長750nmの300nmの領域にわたって有限であり、全波長領域で強度が波長とともに振動的に変化する。
演算値のこのような振動的な変化は「検出値(反射率)における干渉」の結果であるが、検出値の振動的な変化の振幅は、波長:450nmより短波長側と750nmより長波長側ではノイズが急激に重畳してくる。
これは、顕微鏡光学系と対物レンズの透過率が急激に低下することに起因しており、この場合、膜厚が薄く、透過波長領域が狭いと、膜厚計測に必要な分光スペクトル強度の極小と極大を与える各波長の検出ができなくなり、膜厚計測の精度が著しく低下する。
波長:450nm〜750nmの波長領域において、演算値の反射率の変化において「隣接する極大と極小」の適当なものを選択し、これら極大・極小を与える波長を、λ2m、λ2m+1とする。mは「干渉の次数」であり適宜に定めることができる。
そうすると、光透過性コート膜の厚さ:dと、光透過性コート膜の屈折率:nと、上記干渉の次数:mとの間には以下の関係が成り立つ。
2m=4nd/λ2m
2m+1=4nd/λ2m+1
これらから干渉次数:mを消去すると、
d=λ2m・λ2m+1/4(λ2m−λ2m+1
が得られる。
したがって、上記極大・極小を与える波長:λ2m、λ2m+1が判ると、光透過性コート膜の光学的膜厚:ndが知られ、さらに、屈折率:nが判れば、求める光透過性コート膜の厚さ:dは、
d=λ2m・λ2m+1/4n(λ2m−λ2m+1)……(1)
として算出することができる。
上記(1)式に示す様に、膜厚測定には波長情報と屈折率情報だけが必要となるので、この観点からすれば、図3等に示す縦軸の反射率は重要ではないことになり、横軸の波長情報のみが必要となる。
そのため、通常は光透過性コート膜とベース樹脂の屈折率差が小さい場合は出現しない図3に示す様な干渉波形を、縦軸の反射率が拡大できるように(2)式の分母を操作して、そこから波長情報のみを抽出するようにする。
屈折率:nは、光透過性コート膜(2)の材質が定まれば一義的に定まるものであり、その分光特性、即ち、波長による屈折率の変化(分光屈折率)を予め制御手段(98)内にテーブルあるいは「波長の関数」として記憶しておくことができ、このようにして、反射率における極小と極大を与える各波長:λ2m+1、λ2mと、光透過性コート膜(2)の屈折率:nとに基づき光透過性コート膜の膜厚:dを、上記(1)式に従って演算算出することができる。
この際、式(1)からも明らかなように光透過性コート膜の膜厚の演算に際しては、反射率の絶対値は必要無く、極大及び極小を与える波長が高精度で取得できれば、コート層の分光屈折率を用いて、コート膜の膜厚dが測定できる。そこで、反射率の極大及び極小を与える波長の精度を高めるために反射率を任意の大きさに拡大している。
一般に、分光光度計、分光反射率測定計、光干渉膜厚計等で直接測定されるのは、試料からの反射光量、即ち分光スペクトル強度で、反射率を求めるためには、反射率が既知の標準試料を事前に測定して校正する必要がある。これにより、試料の反射率R(λ)は、
R(λ)=(I(λ)−I(λ))/(I(λ)−I(λ))・r(λ)……(2)
として算出することができる。ここでI(λ)は、試料からの反射光を受光して演算手段内で扱われるデジタルデータ、I(λ)は、演算手段内で扱われる受光器の暗電流成分のデジタルデータ、I(λ)は、標準試料からの反射光として演算手段内で扱われるデジタルデータ、r(λ)は、標準試料の既知反射率を意味する。
ここで例えば分母となる、標準試料からの反射光I(λ)を本来の値より小さく変化させ取得させておけば反射率R(λ)を任意の大きさに拡大ことが可能となる。
この様に、演算手段(98)は、スペクトル強度検出手段(97)により検出されたデータを演算する際に、反射率を任意の大きさに拡大する。更に、得られた反射率に対して光学モデルから理論上の反射率曲線を更に計算させた後、理論反射率曲線に対して微分演算等により、極小・極大を与える各波長:λ2m+1、λ2mを特定し、光透過性コート膜(2)の屈折率:nとに基づき光透過性コート膜の膜厚:dを、上記の(1)式に従って演算算出する。
上記の如き条件で、実験したところでは、光透過性コート膜の厚さを0.05μm以下の分解能で精度良く測定することができた。
図8に、通常の膜厚測定法を用いて得られる反射率の一例を示す。ここでは、反射率を任意の大きさに全く拡大していないので、元々存在するベースノイズとのSNが悪化し、演算しても反射光の反射率の極大及び極小を明確に分離できず、λ2m及びλ2m+1を求めることが困難となり、測定精度が低下する。
演算手段(98)は、コート膜の分光屈折率を利用可能に記憶していることが好ましい。これにより、コート膜の膜厚の演算に、分光屈折率を用いることができる。膜厚測定装置の汎用性を高め、複数種の被測定物に対して適応できるように、演算手段(98)は、1種以上のコート膜の分光屈折率を利用可能に記憶していることが好ましい。
図4に、光透過性コート膜の材質における分光屈折率データの具体的な2例を示す。
Aは、図2に示す光透過性コート膜の分光屈折率データ、Bは、別の光透過性コート膜の分光屈折率データである。上述したように、膜厚の演算算出においては、分光屈折率:nは波長:λ2m〜λ2m+1の範囲で一定とみなされる。
上述したように、膜厚測定装置(9)により、ベース樹脂上(1)に光透過性コート膜(2)を形成してなる被測定物における光透過性コート膜(2)の膜厚を測定する方法であって、所望領域の波長スペクトル光を放射する光源(91)からの光を開口絞り(99)及び照明領域を制限可能な視野絞り(100)を有した顕微鏡光学系(93)により導光して、この放射光束を対物レンズ(94)により被測定物(10)に垂直入射させて光透過性コート膜(2)に照明領域を制限して集光させ、光透過性コート膜(2)表面とベース樹脂(1)表面とにより反射して互いに干渉した反射光を、対物レンズ(94)、共焦点光学系を有した顕微鏡光学系(93)を介して、検出光伝送用ファイバ(95)の端面に戻し、検出光伝送用ファイバ(95)により分光手段(96)に導いて分光し、分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に、前記反射率を任意の大きさに拡大することにより前記反射率が極小及び極大となる波長を求め、前記反射率の極小と極大を与える各波長:λ2m、λ2m+1と、膜の屈折率:nとに基づきベース樹脂上の光透過性コート膜の膜厚を演算算出する膜厚測定方法が実施されることになる。
(実施例1)
分光エリプソメータ(J. A. Woolam社WVASE32)で別途測定済みのポリウレタンベース、屈折率=1.61、厚さ2mm(340mm×10mm)上に同じく計測済みのベース樹脂との屈折率差:−0.12となるアクリルウレタン、屈折率=1.49、厚さ4μmを形成してなる電子写真用クリーニングブレード体に、ハロゲンランプからの光を、開口絞り及び視野絞りを有した顕微鏡光学系:OLYMPUS BX60により導光して、この放射光束を対物レンズ:OLYMPUS LM Plan FL BD 50×(対物レンズに記載済み:NA=0.5、作動距離:10.6mm)により被測定物に入射角0度で垂直入射させてアクリルウレタンコート膜に照明領域を制限して集光させ、アクリルウレタンコート膜表面とポリウレタン表面とにより反射して互いに干渉した反射光を、対物レンズ、共焦点光学系を有した顕微鏡光学系を介して、検出光伝送用ファイバの端面に戻し、検出光伝送用ファイバにより分光手段:ポリクロメータ(分光波長:400〜1000nm、受光素子数:1024で、波長分解能:(1000−400)/1024=0.6nm/素子)に導いて分光し、分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に、(2)式に従って前記反射率を任意の大きさに拡大することを実施したところ図3に示す様な反射率曲線が得られ、この反射率曲線から反射率が極小及び極大となる波長を求め、前記反射率の極小と極大を与える各波長:λ2m、λ2m+1と、図4中、Aに示す膜の屈折率:nとに基づきベース樹脂上の光透過性コート膜の膜厚を演算算出した結果、膜厚は2.79μmとなった。
また、他手法として段差膜厚測定法により得られた光透過性コート膜厚が3μmであり、測定時に弾性変形分精度的には劣るが本測定法と近い値が得られている。
(比較例1)
前述したように、実施例1の膜厚測定方法・膜厚測定装置では、対物レンズ(94)により、開口絞り(99)及び視野絞り(100)を備えたケーラー照明系(92)を有する顕微鏡光学系(93)を経た光を、照射領域を制限して被測定物(10)の光透過性コート膜(2)に集光させている。このように、顕微鏡光学系を経た対物レンズ(94)を用いて集光させる代わりに、図6に示すように光源を備えた分光器から出た投・受光ファイバプローブ(7)の射出端にアクロマティックレンズ(8)(NA=0.3)を取り付け、ビーム径を絞って射出光を光透過性コート層(2)に照射、受光する以外は実施例1と同様にしたところ、任意の大きさに拡大済みの反射率は図5の如くになった。
図5から明らかなように、反射率は、振動の振幅(極大値と極小値の差)が判断できず、このため、波長:λ2m、λ2m+1の特定が困難となり、光透過性コート膜(2)の測定値を演算算出することができないことが判る。
(比較例2)
また、照射領域を制限して集光させる代わりに、図1に示す顕微鏡光学系(93)において、視野絞り(100)を開放状態にして射出光を光透過性コート層に照射、受光する以外は実施例1と同様にしたところ、検出光の分光スペクトル強度は図7(a)の如くになった。図7(b)は、視野絞り(100)を絞った状態の分光スペクトル強度図である。
図7から明らかなように、視野絞りを開にした場合の反射率は、図7(a)に示す通り、700nmから上の近赤外域の波長帯域と480nm以下の可視域でフレア光のノイズが重畳するようになり、このため、コート膜が存在する場合の振動の振幅(極大値と極小値の差)が特に薄膜になった場合は上手く検出できず、波長:λ2m、λ2m+1の特定が困難となり、光透過性コート膜(2)の測定値を演算算出することが困難であった。
「視野絞り閉」とした以外は比較例2と同様にした場合はノイズが重畳しない図7(b)の様になり、光透過性コート膜(2)の測定値を演算算出することが容易になる。
(比較例3)
光透過性コート膜をアクリル樹脂、屈折率=1.53とし、ベース樹脂との屈折率差を0.1以下とした以外は実施例1と同様にして、光透過性コート膜厚の測定を実施したところ、図9に示す様に、反射率を任意の大きさに拡大しても、膜厚計測に必要な干渉波形が得られず、光透過性コート膜の測定を達成することができなかった。
膜厚測定装置の要部の一例を示した図である。 ベース樹脂上にコート膜を有する電子写真用コーティングブレードの一例を示した図である。 スペクトル強度検出手段により検出された反射光を任意の大きさに拡大した検出値と、演算手段において演算された演算値の関係を示す図である。 光透過性コート膜の材質における分光屈折率データの例を示した図である。 検出光の分光スペクトル強度(反射光)の関係を示した図である。 顕微鏡光学系以外の光学系を示す図である。 波長と反射率の関係を示した図である。 反射光を任意の大きさに拡大していない通常の膜厚測定法を用いて得られる反射率の一例を示す図である。 波長と反射率の関係を示した図である。
符号の説明
1 ベース樹脂
2 光透過性コート膜
9 膜厚測定装置
10 被検体
91 光源
92 ケーラー照明系
93 顕微鏡光学系
94 対物レンズ
95 検出光伝送用ファイバ(ファイバプローブ)
96 分光手段
97 スペクトル強度検出手段
98 演算手段
99 開口絞り
100 視野絞り

Claims (16)

  1. 所望波長領域のスペクトル光を放射する光源からの光を照明領域を制限した顕微鏡光学系を介した対物レンズにより集光し、集光光束をベース樹脂上の光透過性コート膜に垂直入射させ、
    前記光透過性コート膜表面とベース樹脂表面とにより反射して互いに干渉した反射光を、前記対物レンズを介して顕微鏡光学系に戻し、検出光伝送用ファイバにより分光手段に導いて分光し、
    分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に、前記反射率を任意の大きさに拡大することにより前記反射率が極小及び極大となる波長を求め、
    前記極小と極大を与える各波長と、前記膜の屈折率とに基づき前記光透過性コート膜の膜厚を演算算出することを特徴とする薄膜コート層膜厚測定方法。
  2. 前記ベース樹脂の屈折率が、光透過性コート膜屈折率の±0.1以上の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜コート層膜厚測定方法。
  3. 前記対物レンズを介して顕微鏡光学系に戻した反射光が、対物レンズの合焦点位置と共役な位置に置いたピンホールを通過させた後、検出光伝送用ファイバーに導くことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜コート層膜厚測定方法。
  4. 前記集光光束を光透過性コート膜に垂直入射させる方法が、ケーラー照明系の開口絞りを絞ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定方法。
  5. 前記集光光束の光透過性コート膜への入射角が0〜18度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定方法。
  6. 前記照明領域制限方法が、ケーラー照明系の視野絞りを絞ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定方法。
  7. 所望波長領域のスペクトル光を放射する光源と、この光源からの光を集光して集光光束を前記光透過性コート膜に入射させるための照明領域を制限する機能及び光透過性コート膜に垂直入射させる機能を有した顕微鏡光学系及び対物レンズと、前記被測定物により反射され、前記対物レンズを介して前記検出光伝送用ファイバにより伝送された検出光を分光する分光手段と、この分光手段により分光された検出光の分光スペクトル強度を検出するスペクトル強度検出手段と、分光した分光スペクトル強度から反射率を演算する際に前記反射率を任意の大きさに拡大することにより反射率の極小及び極大を与える各波長と、前記光透過性コート膜の屈折率とに基づき、ベース樹脂上の光透過性コート膜の膜厚を演算算出する演算手段とを有することを特徴とする薄膜コート層膜厚測定装置。
  8. 前記対物レンズを介して前記検出光伝送用ファイバにより伝送された検出光を分光する分光手段において、対物レンズの合焦点位置と共役な位置にピンホールを設置し、そのピンホールの後段に前記検出光伝送用ファイバを設置したことを特徴とする請求項7に記載の薄膜コート層膜厚測定装置。
  9. 前記対物レンズの開口数:NAが0.4以上であり、作動距離が3mm以上、30mm以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の薄膜コート層膜厚測定装置。
  10. 前記対物レンズがプラン型のフルオリートレンズであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置。
  11. 前記対物レンズがプラン型のアポクロマートレンズであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置。
  12. 前記対物レンズが反射対物レンズであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測装置。
  13. 前記分光手段が、回折格子もしくはプリズムあるいは分光フィルタであることを特徴とする請求項7乃至12のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置。
  14. 前記スペクトル強度検出手段が、CCDラインセンサもしくはシリコンフォトダイオード列であることを特徴とする請求項7乃至13のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置。
  15. 前記分光手段が0.5〜5nm/素子の波長分解能の範囲であることを特徴とする請求項7乃至14のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置。
  16. 前記演算手段が、測定対象となりうる1種以上の光透過性コート膜の分光屈折率データを利用可能に記憶していることを特徴とする請求項7乃至15のいずれかに記載の薄膜コート層膜厚測定装置。
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