JP6094994B2 - 原料ガス生成供給方法 - Google Patents

原料ガス生成供給方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6094994B2
JP6094994B2 JP2013019618A JP2013019618A JP6094994B2 JP 6094994 B2 JP6094994 B2 JP 6094994B2 JP 2013019618 A JP2013019618 A JP 2013019618A JP 2013019618 A JP2013019618 A JP 2013019618A JP 6094994 B2 JP6094994 B2 JP 6094994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
microreactor
plate
supply
reactant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013019618A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014150229A (ja
Inventor
秀治 清水
秀治 清水
芳彦 小林
芳彦 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Nippon Sanso Corp filed Critical Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority to JP2013019618A priority Critical patent/JP6094994B2/ja
Publication of JP2014150229A publication Critical patent/JP2014150229A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6094994B2 publication Critical patent/JP6094994B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、気相成長装置に、リアルタイムで、原料ガスであるアミノシラン、及びキャリアガスを含むガスを供給することの可能な原料ガス生成供給方法に関する。
化学気相成長法(CVD(Chemical Vapor Deposition)法、以下、単に「CVD法」という)では、気体状態とされた原料分子を、基板が載置されたチャンバ内に供給し、基板の表面における化学反応によって薄膜を形成する。CVD法を用いた薄膜を形成する際、使用される原料量は、多くても毎分数グラム程度である。
近年、半導体デバイスやディスプレイ、各種センサ、マイクロマシン等の分野において、微細化や三次元化が進展している。このため、段差被覆性に優れたCVD法による薄膜形成が求められている。
また、半導体デバイスの微細化及び高集積化に伴い、ゲート長の短縮も求められており、不純物の拡散をより厳格に防ぐ必要性等から、CVD法による低温での成膜が指向されている。このような従来技術として、例えば、下記特許文献1,2がある。
特許文献1には、常圧化学気相成長法(APCVD法)やLPCVD法により、アルキルアミノ置換ジシランを用いて、300〜600℃の成膜温度で薄膜(例えば、シリコン酸化膜)を形成する薄膜の形成方法が開示されている。
特許文献2には、処理容器内に被処理体を搬入し、被処理体の温度を350℃以下として、Siソースガスとしてのアミノシランガスと酸化ガス(OガスおよびOガスの少なくとも一方からなる第1酸化ガスと、HOガスおよびHガスの少なくとも一方からなる第2酸化ガス)とを処理容器内に供給し、被処理体の表面にシリコン酸化膜を形成する成膜方法及び成膜装置が開示されている。
また、特許文献2には、Siソースガス供給源からアミノシランガスを供給することが開示されている。
特表2007−509836号公報 特開2011−243620号公報
ところで、成膜する際の原料となるアミノシランの分子は、反応性が高いため(熱力学的に不安定なため)、生成したアミノシランを保存中に、自己分解が進行するもの(例えば、ビスジメチルアミノシランやジメチルアミノシラン等)や、大量に生成させることが困難なもの(例えば、テトラキスエチルアミノシランやトリスエチルアミノシラン等)が少なくない。
気相成長装置に、自己分解しやすく、かつ生成後保存されたアミノシランを供給して、薄膜(例えば、シリコン酸化膜)を成膜した場合、該薄膜の膜質がばらついてしまう。
特許文献1の薄膜の形成方法では、アミノシラン原料が比較的安定であるため、500℃以上の高温条件で、シリコン窒化膜(SiN膜)を成膜する必要であった。
また、原料由来のSi−Si結合が膜中に残存するため、リーク電流が高く、絶縁膜としてあまり適していないという問題もあった。
また、特許文献2には、シリコン酸化膜を成膜するにあたってSiソースガス供給源からアミノシランガスを供給することが開示されているが、どのように成膜装置に、自己分解しやすいアミノシラン(特許文献2の場合、ビスジメチルアミノシラン)を供給するか(生成されたアミノシランをどのタイミングで供給するか)について、なんら開示されていない。
このため、特許文献2に開示された成膜装置を用いた場合、アミノシランの自己分解により、成膜された薄膜の膜質がばらつく恐れがあった。
そこで、本発明は、気相成長装置に自己分解が抑制されたアミノシランを供給することの可能な原料ガス生成供給方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、第1のマイクロリアクタの反応用流路に、アルキルアミンを含む第1の溶液、及びクロロシランを含む第2の溶液を供給して、前記反応用流路で反応させることで、アミノシランを含む反応物を生成する反応物生成工程と、第2のマイクロリアクタの気液分離流路に、キャリアガス及び前記反応物を供給して、成膜時の原料ガスとなるアミノシラン、及び前記キャリアガスを含むガスと、未反応物質を含む液体と、を分離する気液分離工程と、気相成長装置に、前記第2のマイクロリアクタで生成された前記ガスをリアルタイムで供給する原料ガス供給工程と、を含み、さらに、前記反応物生成工程の前に、前記第1のマイクロリアクタ、及び直列に接続された複数の前記第2のマイクロリアクタよりなるマイクロリアクタ群を準備するマイクロリアクタ群準備工程を有し、前記気液分離工程では、複数の前記第2のマイクロリアクタのうち、前記第1のマイクロリアクタと接続されていない全ての前記第2のマイクロリアクタに、前記未反応物質を含む液体、及び前記キャリアガスを供給することで、前記ガスを取得することを特徴とする原料ガス生成供給方法が提供される。
また、請求項に係る発明によれば、前記マイクロリアクタ群準備工程では、複数の前記マイクロリアクタ群を準備し、前記原料ガス供給工程では、複数の前記マイクロリアクタ群により取得される前記ガスを前記気相成長装置に供給することを特徴とする請求項記載の原料ガス生成供給方法が提供される。
また、請求項に係る発明によれば、前記反応物生成工程では、下記式(1)で示される前記アミノシランを含む前記反応物を生成することを特徴とする請求項1または2記載の原料ガス生成供給方法が提供される。
Figure 0006094994
(上記式(1)において、nは1〜4。R及びRは、水素、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、イソブチル、ターシャリーブチルのうち、いずれかのアルキル基。)
本発明の原料ガス生成供給方法によれば、第1のマイクロリアクタの反応用流路に、クロロシランを含む第1の溶液、及びアルキルアミンを含む第2の溶液を供給して、反応用流路で反応させることで、アミノシランを含む反応物を生成し、次いで、第2のマイクロリアクタの気液分離流路に、キャリアガス及び反応物を供給して、成膜時の原料ガスとなるアミノシラン、及びキャリアガスを含むガスと、未反応物質を含む液体と、を分離し、その後、気相成長装置に、第2のマイクロリアクタで生成されたアミノシラン及びキャリアガスを含むガスをリアルタイムで供給することにより、生成したアミノシランを保存することなく、アミノシランの生成と気相成長装置への該アミノシランの供給とを同時に連続して行うことが可能となる。
これにより、自己分解が抑制されたアミノシランを気相成長装置に供給することができる。また、自己分解が抑制されたアミノシランを気相成長装置に供給することで、気相成長装置が低温(例えば、100〜300℃)で形成する膜の膜質を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態の原料ガス生成供給方法を実施する際に使用する原料ガス生成供給装置の概略構成を示す図である。 図1に示す原料ガス生成供給装置のA−A線方向の断面図である。 図1に示す原料ガス生成供給装置のB−B線方向の断面図である。 図1に示す原料ガス生成供給装置のC−C線方向の断面図である。 図1に示す原料ガス生成供給装置のD−D線方向の断面図である。 図1に示す原料ガス生成供給装置のE−E線方向の断面図である。 図1に示す原料ガス生成供給装置のF−F線方向の断面図である。 本発明の第2の実施の形態の原料ガス生成供給方法を実施する際に使用する原料ガス生成供給装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態の原料ガス生成供給方法を実施する際に使用する原料ガス生成供給装置の概略構成を示す図である。 実施例2及び比較例1のテトラキスエチルアミノシランの濃度と当該物質をボトルに充填した後バブリングによる供給を開始した時刻からの経過時間との関係を示す図である。 比較例1のテトラキスエチルアミノシラン、及び比較例2のビスジメチルアミノシランを評価する際に使用した評価装置の概略構成図である。 実施例4及び比較例2のビスジメチルアミノシランの濃度と当該物質をボトルに充填した後バブリングによる供給を開始した時刻からの経過時間との関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の原料ガス生成供給装置の寸法関係とは異なる場合がある。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の原料ガス生成供給方法を実施する際に使用する原料ガス生成供給装置の概略構成を示す図である。
図1では、説明の便宜上、第1及び第2の容器12,19は、断面図として図示し、第1及び第2のマイクロリアクタ27,42は、平面視した図として図示する。
また、図1では、説明の便宜上、原料ガス生成供給装置10の構成要素ではない気相成長装置101、原料ガス供給ライン102、及び接続部103を図示する。
始めに、図1を参照して、第1の実施の形態の原料ガス生成供給方法を行う際に使用する原料ガス生成供給装置10の構成について説明し、その後、第1の実施の形態の原料ガス生成供給方法について説明する。
図1を参照するに、原料ガス生成供給装置10は、第1の容器12と、第1の溶液供給ライン14と、第1のマイクロポンプ15と、第1の接続部材17と、第2の容器19と、第2の溶液供給ライン22と、第2のマイクロポンプ23と、第2の接続部材25と、第1のマイクロリアクタ27と、第1の板材29−1,29−2と、Oリング31と、第2の板材33−1,33−2と、挟み込み部材35と、第3の接続部材37と、反応物含有液体供給ライン38と、第4の接続部材39と、第2のマイクロリアクタ42と、キャリアガス供給部44と、キャリアガス供給ライン45と、第5の接続部材47と、第6の接続部材48と、液体排出ライン51と、第7の接続部材53と、原料ガス取り出しライン54と、を有する。
第1の容器12には、アルキルアミンを含む第1の溶液13が溜められている。第1の溶液13としては、例えば、エチルアミンを含有したテトラヒドロフラン溶液や、ジメチルアミンを含有したテトラヒドロフラン溶液等を用いることができる。
テトラヒドロフラン溶液に含まれるエチルアミンのモル濃度は、例えば、0.8mol/Lとすることができる。また、テトラヒドロフラン溶液に含まれるジメチルアミンのモル濃度は、例えば、0.4mol/Lとすることができる。
第1の溶液供給ライン14は、その一端が第1の溶液13に浸漬されている。第1の溶液供給ライン14は、第1のマイクロリアクタ27(具体的には、後述する第1の溶液供給用流路71)に第1の容器12内の第1の溶液13を供給するためのラインである。
第1のマイクロポンプ15は、第1の溶液供給ライン14に設けられている。第1のマイクロポンプ15は、第1のマイクロリアクタ27に所定の流速(例えば、1μL/min)で第1の溶液13を供給する。
図2は、図1に示す原料ガス生成供給装置のA−A線方向の断面図である。図2において、図1に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図1及び図2を参照するに、第1の接続部材17は、第1の溶液供給ライン14の他端に設けられている。第1の接続部材17は、第1の溶液供給ライン14により輸送された第1の溶液13を導出するための導出孔17Aを有する。
第1の接続部材17は、Oリング31を介して、第1のマイクロリアクタ27上に配置された第1の板材29−1の装着部29A(第1の板材29−1を貫通する孔)に装着されている。第1の接続部材17は、装着部29Aに対して着脱可能な構成とされている。
装着部29Aに対する第1の接続部材17の装着は、例えば、第1の接続部材17の外周及び装着部29Aの内壁に、それぞれねじ山を設け、2つのねじ山を螺合させることで行ってもよい。
また、例えば、第1の接続部材17としてプラグを用いると共に、第1の板材29−1の装着部29Aをソケットで構成することで、装着部29Aに対して第1の接続部材17をワンタッチで着脱させる構造を用いてもよい。
第2の容器19には、クロロシランを含む第2の溶液21が溜められている。第2の溶液21としては、例えば、テトラクロロシラン含有したジメチルスルホキシド溶液やジクロロシランを含有したジメチルスルホキシド溶液等を用いることができる。
ジメチルスルホキシド溶液に含まれるテトラクロロシランのモル濃度は、例えば、0.1mol/Lとすることができる。また、ジメチルスルホキシド溶液に含まれるジクロロシランのモル濃度は、例えば、0.1mol/Lとすることができる。
第2の溶液供給ライン22は、その一端が第2の溶液21に浸漬されている。第2の溶液供給ライン22は、第1のマイクロリアクタ27(具体的には、後述する第2の溶液供給用流路72)に第2の容器19内に溜められた第2の溶液21を供給するためのラインである。
上記第1及び第2の溶液13,21は、第1のマイクロリアクタ27を用いて、アミノシランを含む反応物を生成するための溶液である。
第2のマイクロポンプ23は、第2の溶液供給ライン22に設けられている。第2のマイクロポンプ23は、第1のマイクロリアクタ27に所定の流速(例えば、1μL/min)で第2の溶液21を供給する。
第2の接続部材25は、先に説明した第1の接続部材17と同様な構成とされている。第2の接続部材25は、第1の板材29−1に設けられ、かつ先に説明した装着部29Aと同様な構成とされた図示していない装着部(具体的には、第2の溶液供給用流路72の一端上に配置された装着部)に装着されている。第2の接続部材25は、該装着部に対して着脱可能な構成とされている。
図3は、図1に示す原料ガス生成供給装置のB−B線方向の断面図である。図3において、図1及び図2に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図1〜図3を参照するに、第1のマイクロリアクタ27は、第1の板状部材61と、第2の板状部材62と、第3の板状部材63と、第1の溶液供給用流路71と、第2の溶液供給用流路72と、反応用流路73と、を有する。
第1の板状部材61は、第1ないし第3の板状部材61〜63のうち、最下層に配置される部材である。第1の板状部材61は、矩形とされている。第1の板状部材61は、溝、切り欠き部、及び貫通部(具体的には、貫通溝や貫通孔等)等が形成されていない部材である。つまり、第1の板状部材61の表面及び裏面は、平坦な面とされている。
第1の板状部材61は、矩形とされた第2の板材33−1上に配置されている。第1の板状部材61の外形は、第1及び第2の板材29−1,33−1の外形よりも小さくなるように構成されている。
第1の板状部材61の材料としては、例えば、ガラスを用いることができる。この場合、第1の板状部材61の厚さは、例えば、500μmとすることができる。
第2の板状部材62は、第1の板状部材61上に配置されると共に、第1の板状部材61と第3の板状部材63との間に挟み込まれている。
第2の板状部材62は、矩形とされ、その外形が第1の板材29−1の外形よりも小さくなるように構成されている。第2の板状部材62の外形は、例えば、第1の板状部材61の外形と同じ大きさにすることができる。
第2の板状部材62は、第1の貫通溝65、第2の貫通溝66と、第3の貫通溝67と、を有する。第1の貫通溝65は、その一端が第1の接続部材17の下方に配置されており、他端が第2の貫通溝66の他端及び第3の貫通溝67の一端と一体とされている。
第2の貫通溝65は、その一端が第2の接続部材25の下方に配置されており、他端が第1の貫通溝66の他端及び第3の貫通溝67の一端と一体とされている。上記第1及び第2の貫通溝65,66よりなる貫通溝は、平面視V字形状とされている。
第3の貫通溝67は、その一端が第2の接続部材25の下方に配置されており、他端が第1の貫通溝66の他端及び第3の貫通溝67の一端と一体とされている。第3の貫通溝67は、第2の板状部材62の長手方向に延在している。
第2の板状部材62の外形は、第1及び第2の板材29−1,33−1の外形よりも小さくなるように構成されている。具体的には、第2の板状部材62の外形は、例えば、第1の板状部材61の外形と同じ大きさとすることができる。
第2の板状部材62の材料としては、例えば、ガラスを用いることができる。この場合、第2の板状部材62の厚さは、例えば、500μmとすることができる。
第3の板状部材63は、第2の板状部材62上に配置されている。第3の板状部材63は、装着部29Aに装着された第1の接続部材17の先端の外周を露出する貫通部63Aを有する。
なお、図示してはいないが、第3の板状部材63は、第2の接続部材25の先端の外周を露出する貫通部(図示せず)と、第3の接続部材37の先端の外周を露出する貫通部(図示せず)と、を有する。
第3の板状部材63の外形は、第1及び第2の板材29−1,33−1の外形よりも小さくなるように構成されている。具体的には、第3の板状部材63の外形は、例えば、第1の板状部材61の外形と同じ大きさとすることができる。
第3の板状部材63の材料としては、例えば、ガラスを用いることができる。この場合、第3の板状部材63の厚さは、例えば、500μmとすることができる。
第1の溶液供給用流路71は、第1の貫通溝65を上下方向から第1及び第3の板状部材61,63で挟み込むことで構成される流路である。第1の溶液供給用流路71には、第1の溶液供給ライン14及び第1の接続部材17を介して、第1の溶液13が供給される。第1の溶液供給用流路71は、反応用流路73に第1の溶液13を供給する。
第1の溶液供給用流路71の延在方向に対して直交する面方向で第1の溶液供給用流路71を切断した際の第1の溶液供給用流路71の切断面の形状は、例えば、四角形とすることができる。
第2の板状部材62の厚さが500μmの場合、第1の溶液供給用流路71の高さは、例えば、500μmとすることができる。この場合、第1の溶液供給用流路71の幅は、例えば、100μmとすることができる。
第2の溶液供給用流路72は、第2の貫通溝66を上下方向から第1及び第3の板状部材61,63で挟み込むことで構成される流路である。第2の溶液供給用流路72には、第2の溶液供給ライン22及び第2の接続部材25を介して、第2の溶液21が供給される。第2の溶液供給用流路72は、反応用流路73に第2の溶液21を供給する。
第2の溶液供給用流路72の延在方向に対して直交する面方向で第2の溶液供給用流路72を切断した際の第2の溶液供給用流路72の切断面の形状は、例えば、四角形とすることができる。
第2の板状部材62の厚さが500μmの場合、第2の溶液供給用流路72の高さは、例えば、500μmとすることができる。この場合、第2の溶液供給用流路72の幅は、例えば、100μmとすることができる。
反応用流路73は、第3の貫通溝67を上下方向から第1及び第3の板状部材61,63で挟み込むことで構成される流路である。反応用流路73の一端は、第1及び第2の溶液供給用流路71,72の他端と一体とされている。
反応用流路73は、第1の溶液供給用流路71を介して供給された第1の溶液13と、第2の溶液供給用流路72を介して供給された第2の溶液21と、を反応させて、アミノシランを含む反応物を生成するための流路である。
反応用流路73の延在方向に対して直交する面方向で反応用流路73を切断した際の反応用流路73の切断面の形状は、例えば、四角形とすることができる。
第2の板状部材62の厚さが500μmの場合、反応用流路73の高さは、例えば、500μmとすることができる。この場合、反応用流路73の幅は、例えば、100μmとすることができる。
なお、第1の溶液供給用流路71、第2の溶液供給用流路72、及び反応用流路73の幅及び高さは、上記数値に限定されない。具体的には、第1の溶液供給用流路71、第2の溶液供給用流路72、及び反応用流路73の幅及び高さは、例えば、1μm〜1mmの範囲内で適宜選択することができる。
また、第1の実施の形態では、第1の溶液供給用流路71、第2の溶液供給用流路72、及び反応用流路73の切断面の形状が四角形の場合を例に挙げて説明したが、第1の実施の形態では、第1の溶液供給用流路71、第2の溶液供給用流路72、及び反応用流路73の切断面の形状はこれに限定されない。
第1の実施の形態では、第1の溶液供給用流路71、第2の溶液供給用流路72、及び反応用流路73の切断面の形状としては、例えば、円形、楕円形、半円形状等を用いることができる。
図4は、図1に示す原料ガス生成供給装置のC−C線方向の断面図である。図4において、図1〜図3に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図1ないし図4を参照するに、第1の板材29−1は、Oリング31を介して、第3の板状部材63上に配置されている。このため、第1の板材29−1と第3の板状部材63との間には、隙間が形成されている。第1の板材29−1の形状は、矩形とされている。
第1の板材29−1の外形は、第1のマイクロリアクタ27の外形よりも大きくなるように構成されている。
第1の板材29−1は、第1の接続部材17が装着される装着部29Aと、第2の接続部材25が装着される装着部(図示せず)と、第3の接続部材37が装着される装着部(図示せず)と、を有する。2つの装着部(図示せず)は、先に説明した装着部29Aと同様な構成とされている。
上記3つの装着部(具体的には、装着部29A、及び2つの装着部(図示せず))は、第1の板材29−1を貫通するように設けられている。
第1の板材29−1としては、例えば、金属板やガラス板等を用いることができる。
図5は、図1に示す原料ガス生成供給装置のD−D線方向の断面図である。図5において、図1に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図5を参照するに、第1の板材29−2は、図示していないOリング(例えば、先に説明したOリング31と同様な構成とされたOリング)を介して、第2のマイクロリアクタ42上に配置されている。このため、第1の板材29−2と第2のマイクロリアクタ42との間には、隙間が形成されている。第1の板材29−2の形状は、矩形とされている。
第1の板材29−2の外形は、第2のマイクロリアクタ42の外形よりも大きくなるように構成されている。
第1の板材29−2は、第4の接続部材39が装着される装着部(図示せず)と、第5の接続部材47が装着される装着部(図示せず)と、第6の接続部材48が装着される装着部(図示せず)と、第7の接続部材53が装着される装着部(図示せず)と、を有する。
これら4つの装着部(図示せず)は、先に説明した装着部29Aと同様な構成とされている。
第1の板材29−2としては、例えば、金属板やガラス板等を用いることができる。
図2を参照するに、Oリング31は、第1の板材29−1に装着された第1の接続部材17の周囲を囲むように配置されており、第1の板材29−1及び第3の板状部材63と接触している。
なお、図示してはいないが、Oリング31は、第2の接続部材25(図1参照)、第3の接続部材37(図1参照)、第4の接続部材39(図1参照)、第5の接続部材47(図1参照)、第6の接続部材48(図1参照)、及び第7の接続部材53(図1参照)の周囲をそれぞれ囲むように配置されている。
つまり、第1の板材29−1と第1のマイクロリアクタ27との間には、3つのOリングが配置されており、第1の板材29−2と第2のマイクロリアクタ42との間には、4つのOリングが配置されている。
図2ないし図4を参照するに、第2の板材33−1は、第1の板状部材61の裏面(下面)と接触するように、第1の板状部材61の直下に配置されている。第2の板材33−1の形状は、矩形とされている。
第2の板材33−1の外形は、第1のマイクロリアクタ27の外形よりも大きくなるように構成されている。第2の板材33−1としては、例えば、金属板やガラス板等を用いることができる。
図5を参照するに、第2の板材33−2は、第2のマイクロリアクタ42の下面と接触するように、第2のマイクロリアクタ42の直下に配置されている。第2の板材33−2の形状は、矩形とされている。
第2の板材33−2の外形は、第2のマイクロリアクタ42の外形よりも大きくなるように構成されている。第2の板材33−2としては、例えば、金属板やガラス板等を用いることができる。
図1及び図4を参照するに、挟み込み部材35は、第1のマイクロリアクタ27を収容する第1及び第2の板材29−1,33−1の短辺を挟み込むように、2つ設けられている。2つの挟み込み部材35は、対向するように配置されている。
また、図1を参照するに、挟み込み部材35は、第2のマイクロリアクタ42を収容する第1及び第2の板材29−2,33−2の短辺を挟み込むように、2つ設けられている。2つの挟み込み部材35は、対向するように配置されている。
挟み込み部材35は、第1及び第2の板材29−1,33−1を介して、第1のマイクロリアクタ27を挟み込むための部材であると共に、第1及び第2の板材29−2,33−2を介して、第2のマイクロリアクタ42を挟み込むための部材である。
図1を参照するに、第3の接続部材37は、先に説明した第1の接続部材17と同様な構成とされている。第3の接続部材37は、第1の板材29−1に設けられ、かつ先に説明した装着部29Aと同様な構成とされた図示していない装着部(具体的には、反応用流路73の他端上に配置された装着部)に装着されている。第3の接続部材37は、該装着部に対して着脱可能な構成とされている。
反応物含有液体供給ライン38は、その一端が反応物含有液体供給ライン38と接続されており、他端が第1の板材29−2に装着された第4の接続部材39と接続されている。
反応物含有液体供給ライン38は、第2のマイクロリアクタ42に、第1のマイクロリアクタ27で生成されたアミノシランを含む反応物を供給するためのラインである。
図6は、図1に示す原料ガス生成供給装置のE−E線方向の断面図である。図7は、図1に示す原料ガス生成供給装置のF−F線方向の断面図である。図6及び図7において、図1に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図1及び図5〜図7を参照するに、第2のマイクロリアクタ42は、第1の板状部材76と、第2の板状部材77と、第3の板状部材78と、キャリアガス供給用流路81と、反応物供給用流路82と、気液分離用流路84と、ガス用流路85と、反応物用流路87と、を有する。
第1の板状部材76は、第1ないし第3の板状部材71〜73のうち、最下層に配置される部材である。第1の板状部材76は、先に説明した第1の板状部材61と同様な構成とされている。
第1の板状部材76は、矩形とされた第2の板材33−2上に配置されている。第1の板状部材76の外形は、第1及び第2の板材29−2,33−2の外形よりも小さくなるように構成されている。
第1の板状部材76の材料としてガラスを用いる場合、第1の板状部材76の厚さは、例えば、500μmとすることができる。
第2の板状部材77は、第1の板状部材76上に配置されると共に、第1の板状部材76と第3の板状部材78との間に挟み込まれている。
第2の板状部材77は、矩形とされ、その外形が第1の板材29−1の外形よりも小さくなるように構成されている。第2の板状部材77の外形は、例えば、第1の板状部材76の外形と同じ大きさにすることができる。
第2の板状部材77は、第2の板状部材77を貫通する第1の貫通溝91、第2の貫通溝92、第3の貫通溝93、第4の貫通溝94、及び第5の貫通溝95を有する。
第1の貫通溝91は、その一端が第1の板材29−2に装着された第5の接続部材47の下方に配置されており、他端が第2の貫通溝92の他端及び第3の貫通溝93の一端と一体とされている。平面視した際の第1の貫通溝91の形状としては、例えば、L字型を用いることができる。
第2の貫通溝92は、その一端が第4の接続部材39の下方に配置されており、他端が第1の貫通溝91の他端及び第3の貫通溝93の一端と一体とされている。第2の貫通溝92としては、例えば、第2の板状部材77の長手方向に延在する貫通溝を用いることができる。
第3の貫通溝93は、その一端が第1及び第2の貫通溝92,93の他端と一体とされており、他端が第4及び第5の貫通溝94,95の一端と一体とされている。
第3の貫通溝93としては、例えば、第2の板状部材77の長手方向に延在する第1の部分と、該第1の部分と一体とされ、かつ該長手方向に対して直交する方向に延在する第2の部分と、を少なくとも1つ以上有する貫通溝を用いることができる。
このように、第2の板状部材77の長手方向に延在する第1の部分と、該第1の部分と一体とされ、かつ該長手方向に対して直交する方向に延在する第2の部分と、を少なくとも1つ以上有する第3の貫通溝93(気液分離用流路84の構成要素の1つ)を設けることにより、第2の板状部材77の外形を大きくすることなく、気液分離用流路84の長さを長くすることができる。
第4の貫通溝94は、一端が第3の貫通溝93の他端及び第5の貫通溝95の一端と一体とされており、他端が第1の板材29−2に装着された第7の接続部材53の下方に配置されている。平面視した際の第4の貫通溝94の形状としては、例えば、L字型を用いることができる。
第5の貫通溝95は、一端が第3及び第4の貫通溝93の他端と一体とされており、他端が第1の板材29−2に装着された第6の接続部材48の下方に配置されている。第5の貫通溝95としては、例えば、第2の板状部材77の長手方向に延在する貫通溝を用いることができる。
第3の板状部材78は、第2の板状部材77上に配置されている。第3の板状部材78は、第1の板材29−2に装着された第4の接続部材39の先端の外周を露出する貫通部(図示せず)と、第1の板材29−2に装着された第5の接続部材47の先端の外周を露出する貫通部(図示せず)と、第1の板材29−2に装着された第6の接続部材48の先端の外周を露出する貫通部(図示せず)と、第1の板材29−2に装着された第7の接続部材53の先端の外周を露出する貫通部(図示せず)と、を有する。
第3の板状部材78の外形は、第1及び第2の板材29−2,33−2の外形よりも小さくなるように構成されている。具体的には、第3の板状部材78の外形は、例えば、第1の板状部材76の外形と同じ大きさとすることができる。
第3の板状部材78の材料としては、例えば、ガラスを用いることができる。この場合、第3の板状部材78の厚さは、例えば、500μmとすることができる。
キャリアガス供給用流路81は、第1の貫通溝91を上下方向から第1及び第3の板状部材71,73で挟み込むことで構成される流路である。キャリアガス供給用流路81には、キャリアガス供給ライン45及び第5の接続部材47を介して、キャリアガス(例えば、ヘリウムガス)が供給される。キャリアガス供給用流路81は、気液分離用流路84にキャリアガスを供給する。
キャリアガス供給用流路81の延在方向に対して直交する面方向でキャリアガス供給用流路81を切断した際のキャリアガス供給用流路81の切断面の形状は、例えば、四角形とすることができる。
第2の板状部材77の厚さが500μmの場合、キャリアガス供給用流路81の高さは、例えば、500μmとすることができる。この場合、キャリアガス供給用流路81の幅は、例えば、100μmとすることができる。
反応物供給用流路82は、第2の貫通溝92を上下方向から第1及び第3の板状部材76,78で挟み込むことで構成される流路である。反応物供給用流路82には、反応物含有液体供給ライン38及び第4の接続部材39を介して、第1のマイクロリアクタ27で生成されたアミノシランを含む反応物が供給される。反応物供給用流路82は、気液分離用流路84にアミノシランを含む反応物を供給する。
反応物供給用流路82の延在方向に対して直交する面方向で反応物供給用流路82を切断した際の反応物供給用流路82の切断面の形状は、例えば、四角形とすることができる。
第2の板状部材77の厚さが500μmの場合、反応物供給用流路82の高さは、例えば、500μmとすることができる。この場合、反応物供給用流路82の幅は、例えば、100μmとすることができる。
気液分離用流路84は、第3の貫通溝93を上下方向から第1及び第3の板状部材76,78で挟み込むことで構成される流路である。
気液分離用流路84は、気体用流路84Aと、液体用流路84Bと、を有する。気体用流路84Aは、液体用流路84Bと一体とされ、かつ液体用流路84Bと並走する流路である。気液分離用流路84を区画する第1ないし第3の板状部材76〜78の面は、疎水性処理(具体的には、例えば、第1ないし第3の板状部材76〜78の材料がガラスの場合、オクタデシルトリクロロシランをガラス表面のOH基と反応させる表面処理)が施されている。
このように、気液分離用流路84を区画する第1ないし第3の板状部材76〜78の面を疎水性処理することで、気体用流路84A側に未反応物質を含む液体(テトラクロロシランやエチルアミンを含むジメチルスルホキシド溶液)が流入することなく、気体用流路84Aにアミノシラン(原料ガス)及びヘリウムガス(キャリアガス)を含むガス(気体)のみを流すことができる。
液体用流路84Bは、気体用流路84Aと一体とされ、かつ気体用流路84Aと並走する流路である。液体用流路84Bを区画する第1ないし第3の板状部材76〜78の面は、親水性処理(例えば、酸素プラズマや水素プラズマなどで基板表面にOH基を形成する処理)が施されている。
このように、液体用流路84Bを区画する第1ないし第3の板状部材76〜78の面を親水性処理することで、液体用流路84B側に気体(アミノシラン及びヘリウムガスを含むガス)が流入することなく、液体用流路84Bに未反応物質を含む液体のみを流すことができる。
ガス用流路85は、第4の貫通溝94を上下方向から第1及び第3の板状部材76,78で挟み込むことで構成される流路である。ガス用流路85には、気体用流路84Aを介して、アミノシラン及びヘリウムガスを含むガス(混合ガス)が流入する。
ガス用流路85に流入したアミノシラン及びヘリウムガスを含むガスは、第7の接続部材53、原料ガス取り出しライン54、気相成長装置100の接続部103、及び気相成長装置100の原料ガス供給ライン102を介して、気相成長装置100(例えば、CVD装置)のチャンバ(図示せず)内に供給される。
平面視した状態において、ガス用流路85の形状は、例えば、L字型とすることができる。
反応物用流路87は、第5の貫通溝95を上下方向から第1及び第3の板状部材76,78で挟み込むことで構成される流路である。反応物用流路87には、液体用流路84Bを介して、未反応物質を含む液体が流入する。
反応物用流路87に流入した未反応物質を含む液体は、第6の接続部材48及び液体排出ライン51を介して、排出される。
上記構成とされた第2のマイクロリアクタ42は、一対の挟み込み部材35により、第1の板材29−2と第2の板材33−2との間に挟み込まれている。
キャリアガス供給部44は、キャリアガス供給ライン45の一端と接続されている。キャリアガス供給部44は、キャリアガス(例えば、ヘリウムガス)を供給するキャリアガス供給源である。
キャリアガス供給ライン45は、一端がキャリアガス供給部44と接続され、かつ他端が第5の接続部材47と接続されている。キャリアガス供給ライン45は、キャリアガス供給部44から供給されたキャリアガスをキャリアガス供給用流路81に供給する。
なお、キャリアガス供給ライン45に、キャリアガスの流量を制御する流量制御部(図示せず)を設けてもよい。
第5の接続部材47は、第1の板材29−2に形成された装着部(図示せず)に対して、着脱可能な構成とされている。第5の接続部材47は、キャリアガス供給ライン45を介して、キャリアガス供給部44と接続されている。第5の接続部材47は、先に説明した第1の接続部材17と同様な構成とされている。
第6の接続部材48は、第1の板材29−2に形成された装着部(図示せず)に対して、着脱可能な構成とされている。第6の接続部材48は、先に説明した第1の接続部材17と同様な構成とされている。
液体排出ライン51は、第6の接続部材48と接続されている。液体排出ライン51は、反応物用流路87により輸送された未反応物質を含む液体を排出する機能を有する。
第7の接続部材53は、第1の板材29−2に形成された装着部(図示せず)に対して、着脱可能な構成とされている。第7の接続部材53は、原料ガス取り出しライン54の一端と接続されている。ガス用流路85により輸送されたアミノシラン及びヘリウムガスを含むガスは、第7の接続部材53を介して、原料ガス取り出しライン54に導出される。
原料ガス取り出しライン54は、一端が第7の接続部材53と接続されており、他端が接続部103と接続されている。接続部103は、原料ガス供給ライン102と原料ガス取り出しライン54(気相成長装置101のチャンバ(図示せず)と接続されたライン)とを接続するための部材である。
原料ガス取り出しライン54は、気相成長装置101のチャンバ(図示せず)内に、接続部103及び原料ガス供給ライン102を介して、アミノシラン及びヘリウムガスを含むガスを供給する。
第1の実施の形態の原料ガス生成供給装置によれば、アルキルアミンを含む第1の溶液13、及びクロロシランを含む第2の溶液21を反応用流路73で反応させることで、アミノシランを含む反応物を生成する第1のマイクロリアクタ27と、第1のマイクロリアクタ27で生成されたアミノシランを含む反応物、及びキャリアガスが供給された際、アミノシラン及びキャリアガスを含むガスと、未反応物質を含む液体と、を分離し、かつアミノシラン及びキャリアガスを含むガスを、リアルタイムで気相成長装置101に供給する第2のマイクロリアクタ42と、有することにより、生成したアミノシランを保存することなく、アミノシランの生成と気相成長装置への該アミノシランの供給とを同時に連続して行うことが可能となる。
これにより、自己分解が抑制されたアミノシランを気相成長装置101に供給することができる。また、自己分解が抑制されたアミノシランを気相成長装置101に供給することで、気相成長装置101が低温(例えば、100〜300℃)で形成する膜の膜質を向上させることができる。
なお、第1の実施の形態では、3枚の板状部材を用いて、第1及び第2のマイクロリアクタ27,42をそれぞれ構成した場合を例に挙げて説明したが、2枚の板状部材を用いて、第1及び第2のマイクロリアクタ27,42をそれぞれ構成してもよい。
この場合、下層に配置される板状部材の上面側に貫通しない溝を設けた後、2枚の板状部材を重ね合わせることで、第1の溶液供給用流路71、第2の溶液供給用流路72、反応用流路73、キャリアガス供給用流路81、反応物供給用流路82、気液分離用流路84、ガス用流路85、及び反応物用流路87を構成することができる。
また、下層に配置される板状部材の上面側に貫通しない溝を設けた後、2枚の板状部材を重ね合わせる構成において、最下層に配置する板状部材に、熱媒体を流す流路を設けてもよい。これにより、液体が気化することを防止することができる。
次に、図1を参照して、図1に示す原料ガス生成供給装置10を用いた第1の実施の形態の原料ガス生成供給方法について説明する。
始めに、第1の容器12内に、第1の溶液13として、例えば、エチルアミン(例えば、モル濃度が0.8mol/L)を含有したテトラヒドロフラン溶液、或いはジメチルアミン(例えば、モル濃度が0.4mol/L)を含有したテトラヒドロフラン溶液を準備する。
次いで、第2の容器19内に、第2の溶液21として、例えば、テトラクロロシラン(例えば、モル濃度が0.1mol/L)を含有したジメチルスルホキシド溶液、或いはジクロロシラン(例えば、モル濃度が0.1mol/L)を含有したジメチルスルホキシド溶液を準備する。
次いで、第1のマイクロポンプ15を用いて、第1の溶液供給用流路71に、所定の流速(例えば、1μL/min)で第1の溶液13を供給すると共に、第2のマイクロポンプ23を用いて、第2の溶液供給用流路72に、所定の流速(例えば、1μL/min)で第2の溶液21を供給する。
その後、第1の溶液供給用流路71に供給された第1の溶液13と、第2の溶液供給用流路72に供給された第2の溶液21と、を反応用流路73で反応させることで、アミノシランを含む反応物を生成する(反応物生成工程)と同時に、反応物含有液体供給ライン38を介して、生成したアミノシランを含む反応物を反応物供給用流路82に供給する。
このとき、キャリアガス供給用流路81に、キャリアガス(例えば、ヘリウムガス)を供給する。
上記反応物生成工程では、下記式(2)で示されるアミノシランを含む前記反応物を生成する。当該のアミノシラン類(ケイ素原子にアミノ基(−NH)、アルキルアミノ基(NHR)、もしくはジアルキルアミノ基(−NR)が1〜4個結合した分子)は、モノシランと異なり自然性が無く、安全に取り扱うことができる。また、N−C結合が熱分解することにより、シリコン窒化膜(SiN膜)の形成時に反応中間体となるので、簡便にシリコン窒化膜(SiN膜)を形成できる。
Figure 0006094994
(上記式(2)において、nは1〜4。R及びRは、水素、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、イソブチル、ターシャリーブチルのうち、いずれかのアルキル基。)
その後、第2のマイクロリアクタ42の気液分離流路84に、キャリアガス及び反応物を供給して、アミノシラン(原料ガス)及びキャリアガスを含むガスと、未反応物質を含む液体と、を分離する。
このとき、アミノシラン及びキャリアガスを含むガスは、ガス用流路85を流れ、未反応物質を含む液体は、反応物用流路87を流れる。
次いで、原料ガス取り出しライン54により、ガス用流路85の他端からアミノシラン及びキャリアガスを含むガスを取得すると共に、アミノシラン及びキャリアガスを含むガスを、気相成長装置101のチャンバ(図示せず)内にリアルタイムで供給する。
第1の実施の形態の原料ガス生成供給方法によれば、第1のマイクロリアクタ27の反応用流路73に、クロロシランを含む第1の溶液13、及びアルキルアミンを含む第2の溶液21を供給して、反応用流路73で反応させることで、アミノシランを含む反応物を生成し、次いで、第2のマイクロリアクタ42の気液分離流路84に、キャリアガス及び反応物を供給して、成膜時の原料ガスとなるアミノシラン、及びキャリアガスを含むガスと、未反応物質を含む液体と、を分離して、アミノシラン及びキャリアガスを含むガスを取得し、その後、気相成長装置101に、第2のマイクロリアクタ42で生成されたガスをリアルタイムで供給することにより、生成したアミノシランを保存することなく、アミノシランの生成と気相成長装置101への該アミノシランの供給とを同時に連続して行うことが可能となる。
これにより、自己分解が抑制されたアミノシランを気相成長装置101に供給することができる。また、自己分解が抑制されたアミノシランを気相成長装置101に供給することで、気相成長装置101が低温(例えば、100〜300℃)で形成する膜の膜質を向上させることができる。
また、マイクロメートルサイズとされた流路を用いることで、(流体の表面積)/(流体の体積比)が大きくなるため、相分離、混合、抽出等の効率が良くなるため、クロロシランとアルキルアミンの反応速度やジメチルスルホキシドから気相へのアミノシランの分離速度の高速化が実現可能となるため、必要に応じた成膜原料の合成や精製を即時に実施することができる。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態の原料ガス生成供給方法を実施する際に使用する原料ガス生成供給装置の概略構成を示す図である。図8では、説明の便宜上、図1に示す第2のマイクロリアクタ42と同一構成とされた2つの第2のマイクロリアクタの符号を「42−1」及び「42−2」として図示する。
また、図8において、第2のマイクロリアクタ42−1の構成要素には、第2のマイクロリアクタ42の構成要素の符号に、「−1」を付し、第2のマイクロリアクタ42−2の構成要素には、第2のマイクロリアクタ42の構成要素の符号に、「−2」を付す。
さらに、図8では、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図8を参照するに、第2の実施の形態の原料ガス生成供給装置110は、第1の実施の形態の原料ガス生成供給装置10(図1参照)を構成する第1及び第2のマイクロリアクタ27,42に替えて、マイクロリアクタ群111、キャリアガス供給ライン114、反応物含有液体供給ライン115を有すること以外は、原料ガス生成供給装置10と同様に構成される。
マイクロリアクタ群111は、第1のマイクロリアクタ27と、先に説明した第2のマイクロリアクタ42と同様な構成とされた第2のマイクロリアクタ42−1,42−2(複数の第2のマイクロリアクタ)と、を有する。
第1のマイクロリアクタ27の反応用流路73の他端は、第3の接続部材37、反応物含有液体供給ライン38、及び第4の接続部材39−1を介して、第2のマイクロリアクタ42−1の反応物供給用流路82−1の一端と接続されている。
これにより、第2のマイクロリアクタ42−1の反応物供給用流路82−1には、第3の接続部材37、反応物含有液体供給ライン38、及び第4の接続部材39−1を介して、第1のマイクロリアクタ42−1で生成されたアミノシランを含む反応物が供給される。
第2のマイクロリアクタ42−1の反応物用流路87−1の他端は、第6の接続部材48−1、反応物含有液体供給ライン115、及び第4の接続部材39−2を介して、第2のマイクロリアクタ42−2の反応物供給用流路82−2の一端と接続されている。言い換えれば、第2のマイクロリアクタ42−1,42−2は、直列に接続されている。
これにより、第2のマイクロリアクタ42−2の反応物供給用流路82−2には、第6の接続部材48−1、反応物含有液体供給ライン115、及び第4の接続部材39−2を介して、第2のマイクロリアクタ27から排出されるアミノシランを含む反応物が供給される。
なお、第2のマイクロリアクタ42−1のキャリアガス供給用流路81−1からはヘリウムが供給され、気液分離用流路84−1において低沸点溶媒が蒸発し、ガス用流路85−1からは、低沸点溶媒を含むヘリウムが排出される。
第2のマイクロリアクタ42−2の第2のガス用流路85−2の他端は、第7の接続部材53−2、原料ガス取り出しライン54、接続部103、及び原料ガス供給ライン102を介して、気相成長装置101のチャンバ(図示せず)と接続されている。
第2のマイクロリアクタ42−2は、第7の接続部材53−2、原料ガス取り出しライン54、接続部103、及び原料ガス供給ライン102を介して、気相成長装置101のチャンバ(図示せず)内に、純度の高いアミノシラン、及びキャリアガスを含むガスを供給する。
キャリアガス供給ライン114は、その一端がキャリアガス供給部44と接続され、他端が第5の接続部材47−2と接続されている。キャリアガス供給ライン114は、キャリアガス供給用流路81−2の一端にキャリアガス(例えば、ヘリウムガス)を供給するためのラインである。
反応物含有液体供給ライン115は、その一端が第6の接続部材48−1と接続されており、他端が第4の接続部材39−2と接続されている。
第2の実施の形態の原料ガス生成供給装置によれば、第1のマイクロリアクタ27、及び直列に接続された第2のマイクロリアクタ42−1,42−2よりなるマイクロリアクタ群111を有することにより、第2のマイクロリアクタ42が1つの場合と比較して、不純物の除去性能が向上するため、純度の高いアミノシラン、及びキャリアガスを含むガスを取得することができる。
なお、図8では、一例として、1つの第1のマイクロリアクタ27、及び2つの第2のマイクロリアクタ42−1,42−2を有するマイクロリアクタ群111を図示して説明したが、マイクロリアクタ群111を構成する第2のマイクロリアクタ42−1,42−2の数は、2つ以上であればよく、図8に示す構成(数)に限定されない。
上記原料ガス生成供給装置110を用いた第2の実施の形態の原料ガス生成供給方法は、第1のマイクロリアクタ27を用いた反応物生成工程の前に、第1のマイクロリアクタ27、及び直列に接続された第2のマイクロリアクタ42−1,42−2よりなるマイクロリアクタ群111を準備すること以外は、先に説明した第1の実施の形態の原料ガス生成供給方法と同様な手法により行うことが可能であり、純度の高いアミノシラン、及びキャリアガスを含むガスを取得することができる。
これにより、自己分解が抑制され、かつ純度の高いアミノシランを気相成長装置101に供給することが可能となるため、気相成長装置101が低温(例えば、100〜300℃)で形成する膜の膜質をさらに向上させることができる。
(第3の実施の形態)
図9は、本発明の第3の実施の形態の原料ガス生成供給方法を実施する際に使用する原料ガス生成供給装置の概略構成を示す図である。図9において、図8に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図9を参照するに、第3の実施の形態の原料ガス生成供給装置120は、第2の実施の形態の原料ガス生成供給装置110の構成に、さらに、2つのマイクロリアクタ群111を設け、3つのマイクロリアクタ群111を構成する第2のマイクロリアクタ42−2と原料ガス取り出しライン54とを接続させたこと以外は、原料ガス生成供給装置110と同様に構成される。
第3の実施の形態の原料ガス生成供給装置によれば、第1のマイクロリアクタ27、及び直列に接続された第2のマイクロリアクタ42−1,42−2よりなるマイクロリアクタ群111を複数(図9の場合、3つ)有し、かつ各マイクロリアクタ群111を構成する第2のマイクロリアクタ42−2と原料ガス取り出しライン54とを接続させることで、純度の高いアミノシラン、及びキャリアガスを含むガスを多く取得することができる。
なお、図9では、3つよりも多くマイクロリアクタ群111を図示すると、図面見づらくなるため、3つのマイクロリアクタ群111のみを図示したが、マイクロリアクタ群111の数は、図9に示すマイクロリアクタ群111の数に限定されない。
例えば、気相成長装置101の原料ガスの使用量によっては、3つよりも多くのマイクロリアクタ群111を設けてもよい。
上記原料ガス生成供給装置120を用いた第3の実施の形態の原料ガス生成供給方法は、第1のマイクロリアクタ27を用いた反応物生成工程の前に、原料ガス取り出しライン54と接続された複数のマイクロリアクタ群111を準備すること以外は、先に説明した第1の実施の形態の原料ガス生成供給方法と同様な手法により行うことが可能であり、純度の高いアミノシラン、及びキャリアガスを含むガスを多く取得することができる。
これにより、自己分解が抑制され、かつ純度の高いアミノシランを大きな流量で気相成長装置101に供給することが可能となるため、気相成長装置101が低温(例えば、100〜300℃)で形成する膜の膜質をさらに向上できると共に、大型化された気相成長装置101(例えば、バッチ式でかつ大口径の基板に膜を成膜する装置)にも適用できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(実施例1)
実施例1では、図8に示す原料ガス生成供給装置110を用いることで、取得されるテトラキスエチルアミノシランの純度及び収率を評価した。
具体的には、以下の方法により、テトラキスエチルアミノシランを取得した。
第1の溶液供給用流路71にエチルアミン(0.8mol/L)を含有したテトラヒドロフラン溶液を1μL/minの供給速度で供給すると共に、第2の溶液供給用流路72にテトラクロロシラン(0.1mol/L)を含有したジメチルスルホキシド溶液を1μL/minの供給速度で供給した。
次いで、反応用流路73において、上記2つの溶液を反応させることで、テトラキスエチルアミノシランを含む粗反応物(流速が2μL/min)を得た。
次いで、反応物供給用流路82−1に、該粗反応物を供給し、低沸点のテトラヒドロフランを気相ヘリウム中に除去した。
次いで、反応物供給用流路82−2に、テトラキスエチルアミノシラン、ジメチルスルホキシド、及び副生成物を含む液体を供給し、蒸気圧の高いエチルアミノシランを気相のヘリウムガスキャリアと共に、気相流として取り出した。
その後、テトラキスエチルアミノシラン(流速が0.075mmol/min)の純度及び収率を測定したところ、純度が99%で、収率75%であることが分かった。
このとき、純度は、アネルバ社製のM−401QA四重極質量分析計を用いて測定し、収率は、アネルバ社製のM−401QA四重極質量分析計を用いて測定した。
なお、アミノシラン系化合物の販売価格を考慮すると、約66%以上の収率が好ましい。
(実施例2)
実施例2では、図9に示す原料ガス生成供給装置120(但し、20個のマイクロリアクタ群111を原料ガス取り出しライン54と接続した装置)を用いることで、取得されるテトラキスエチルアミノシランの純度及び収率を評価した。
このとき、評価に使用する装置として、原料ガス生成供給装置120を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件を用いて、テトラキスエチルアミノシランを取得した。
その後、テトラキスエチルアミノシラン(流速が1.5mmol/min(0.3g/min))の純度及び収率を測定したところ、純度が99%で、収率75%であることが分かった。
また、上記テトラキスエチルアミノシランの濃度について、フーリエ変換型赤外分光計(FT−IR)を用いて、120時間連続観測した。FT−IRとしては、米国のMIDAC COPORATION社製のI4000(型番)を用いた。この結果を図10に示す。
図10は、実施例2及び比較例1のテトラキスエチルアミノシランの濃度と当該物質をボトルに充填した後バブリングによる供給を開始した時刻からの経過時間との関係を示す図である。
図10を参照するに、経過時間が120時間の時点において、連続してテトラキスエチルアミノシランを合計10.8mol供給した場合でも、エチルアミノシランの相対濃度がほとんど変性しないことが確認できた。
このことから、量産工程においても、繰り返し再現性良く、同品質の薄膜を形成し続けることができると考えられる。
(比較例1)
比較例1では、以下の方法により、テトラキスエチルアミノシランを作成した。
始めに、エチルアミン(1mol/L)を含むテトラヒドロフラン溶液を12Lと、テトラクロロシラン510g(3mol)と、を10L用フラスコ内で混合して、テトラキスエチルアミノシランを含む粗反応物を得た。
次いで、ロータリーエバポレーターを用いて、テトラヒドロフラン溶媒を除去した後、蒸留することで、純度99%、収率66%とされたテトラキスエチルアミノシラン410g(2.0mol)を得た。
上記合成作業を6回繰り返すことで、12molのテトラキスエチルアミノシランを得た。
図11は、比較例1のテトラキスエチルアミノシラン、及び比較例2のビスジメチルアミノシランを評価する際に使用した評価装置の概略構成図である。
次いで、図11に示す評価装置130を用いて、テトラキスエチルアミノシランの濃度と経過時間との関係について調べた。
具体的には、まず、供給容器131内にテトラキスエチルアミノシランを移した。次いで、供給容器131内にテトラキスエチルアミノシランを、気化器132を介して、1.5mmol/min(0.3g/min)の流量で120時間連続気化供給した。このとき、気化器132としては、堀場エステック社製のVC−1310(型番)を用いた。
そして、濃度測定器133(この場合、FT−IR)を用いて、気化されたテトラキスエチルアミノシランの濃度変化を測定した。濃度測定器33であるFT−IRとしては、米国のMIDAC COPORATION社製のI4000(型番)を用いた。この結果を図10に示す。
図10を参照するに、90時間経過したところから、アミノシランの濃度が徐々に減少し、アミノシランが変性していることが確認できた。
これは、テトラキスエチルアミノシランが合成時に含まれる微量不純物、もしくは、圧送されたヘリウムガスに含まれる微量不純物と水との化学反応により、下記反応式(1)に示す反応により分解するためであると考えられる。
Si[NH(C)]+HO→Si(OH)[NH(C)]+NH(C)・・・(1)
(実施例3)
実施例3では、図8に示す原料ガス生成供給装置110を用いることで、取得されるテトラキスエチルアミノシランの純度及び収率を評価した。
具体的には、以下の方法により、ビスジメチルアミノシランを取得した。
第1の溶液供給用流路71にジメチルアミン(0.4mol/L)を含有したテトラヒドロフラン溶液を1μL/minの供給速度で供給すると共に、第2の溶液供給用流路72にジクロロシラン(0.1mol/L)を含有したジメチルスルホキシド溶液を1μL/minの供給速度で供給した。
次いで、反応用流路73において、上記2つの溶液を反応させることで、テトラキスエチルアミノシランを含む粗反応物(流速が2μL/min)を得た。
次いで、反応物供給用流路82−1に、該粗反応物を供給し、低沸点のテトラヒドロフランを気相窒素中に除去した。
次いで、反応物供給用流路82−2に、ビスジメチルアミノシラン、ジメチルスルホキシド、及び副生成物を含む液体を供給し、蒸気圧の高いビスジメチルアミノシランを気相のヘリウムガスキャリアと共に、気相流として取り出した。
その後、ビスジメチルアミノシラン(流速が0.08mmol/min)の純度及び収率を測定したところ、純度が99%で、収率80%であることが分かった。
(実施例4)
実施例4では、図9に示す原料ガス生成供給装置120(但し、マイクロリアクタ群111を20個接続した装置)を用いることで、取得されるビスジメチルアミノシランの純度及び収率を評価した。
このとき、評価に使用する装置として、原料ガス生成供給装置120を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件を用いて、ビスジメチルアミノシランを取得した。
その後、ビスジメチルアミノシラン(流速が1.6mmol/min(0.19g/min))の純度及び収率を測定したところ、純度が99%で、収率80%であることが分かった。
また、上記ビスジメチルアミノシランの濃度について、四重極質量分析計(QMS)を用いて、120時間連続観測した。四重極質量分析計(QMS)としては、アネルバ社製のM−401QA(型番)を用いた。この結果を図12に示す。
図12は、実施例4及び比較例2のビスジメチルアミノシランの濃度と当該物質をボトルに充填した後バブリングによる供給を開始した時刻からの経過時間との関係を示す図である。
図12を参照するに、経過時間が120時間の時点において、連続してビスジメチルアミノシランを合計10.8mol供給した場合でも、ビスジメチルアミノシランの相対濃度がほとんど変性しないことが確認できた。
このことから、量産工程においても、繰り返し再現性良く、同品質の薄膜を形成し続けることができると考えられる。
(比較例2)
比較例2では、以下の方法により、ビスジメチルアミノシランを作成した。
始めに、ジメチルアミン(1mol/L)を含むテトラヒドロフラン溶液を6Lとジクロロシラン510g(3mol)と、を10L用フラスコ内で混合して、ビスジメチルアミノシランを含む粗反応物を得た。
次いで、ロータリーエバポレーターを用いて、テトラヒドロフラン溶媒を除去した後、蒸留することで、純度99%、収率66%とされたビスジメチルアミノシラン410g(2.0mol)を得た。
上記合成作業を6回繰り返すことで、12molのビスジメチルアミノシランを得た。
次いで、図11に示す評価装置130を用いて、ビスジメチルアミノシランの濃度と経過時間との関係について調べた。
具体的には、まず、供給容器131内にビスジメチルアミノシランを移した。次いで、供給容器131内にビスジメチルアミノシランを、気化器132を介して、1.5mmol/min(0.3g/min)の流量で120時間連続気化供給した。
そして、濃度測定器133(この場合、QMS)を用いて、気化されたビスジメチルアミノシランの濃度変化を測定した。濃度測定器133となるQMSとしては、アネルバ社製のM−401QA(型番)を用いた。この結果を図12に示す。
図12を参照するに、90時間経過したところから、ビスジメチルアミノシランの濃度が徐々に減少し、ビスジメチルアミノシランが変性していることが確認できた。
これは、ビスジメチルアミノシランが不均化し、下記反応式(2)に示す反応により分解するためであると考えられる。
Si[NH(C)]+HO→Si(OH)[NH(C)]+NH(C)・・・(2)
本発明は、本発明は、気相成長装置に、リアルタイムで、原料ガスであるアミノシラン、及びキャリアガスを含むガスを供給することの可能な原料ガス生成供給方法に適用できる。
10,110,120…原料ガス生成供給装置、12…第1の容器、13…第1の溶液、14…第1の溶液供給ライン、15…第1のマイクロポンプ、17…第1の接続部材、17A…導出孔、19…第2の容器、21…第2の溶液、22…第2の溶液供給ライン、23…第2のマイクロポンプ、25…第2の接続部材、27…第1のマイクロリアクタ、29−1,29−2…第1の板材、29A…装着部、31…Oリング、33−1,33−2…第2の板材、35…挟み込み部材、37…第3の接続部材、38,115…反応物含有液体供給ライン、39,39−1,39−2…第4の接続部材、42,42−1,42−2…第2のマイクロリアクタ、44…キャリアガス供給部、45,114…キャリアガス供給ライン、47,47−1,47−2…第5の接続部材、48,48−1,48−2…第6の接続部材、51…液体排出ライン、53,53−1,53−2…第7の接続部材、
54…原料ガス取り出しライン、61,76…第1の板状部材、62,77…第2の板状部材、63,78…第3の板状部材、63A…貫通部、65,91…第1の貫通溝、66,92…第2の貫通溝、67,93…第3の貫通溝、71…第1の溶液供給用流路、72…第2の溶液供給用流路、73…反応用流路、76…第1の板状部材、77…第2の板状部材、78…第3の板状部材、81,81−1,81−2…キャリアガス供給用流路、82,82−1,82−2…反応物供給用流路、84,84−1,84−2…気液分離用流路、84A…気体用流路、84B…液体用流路、85,85−1,85−2…ガス用流路、87,87−1,87−2…反応物用流路、94…第4の貫通溝、95…第5の貫通溝、101…気相成長装置、102…原料ガス供給ライン、103…接続部、111…マイクロリアクタ群、130…評価装置、131…供給容器、132…気化器、133…濃度測定器

Claims (3)

  1. 第1のマイクロリアクタの反応用流路に、アルキルアミンを含む第1の溶液、及びクロロシランを含む第2の溶液を供給して、前記反応用流路で反応させることで、アミノシランを含む反応物を生成する反応物生成工程と、
    第2のマイクロリアクタの気液分離流路に、キャリアガス及び前記反応物を供給して、成膜時の原料ガスとなるアミノシラン、及び前記キャリアガスを含むガスと、未反応物質を含む液体と、を分離する気液分離工程と、
    相成長装置に、前記第2のマイクロリアクタで生成された前記ガスをリアルタイムで供給する原料ガス供給工程と、
    を含み、
    さらに、前記反応物生成工程の前に、前記第1のマイクロリアクタ、及び直列に接続された複数の前記第2のマイクロリアクタよりなるマイクロリアクタ群を準備するマイクロリアクタ群準備工程を有し、
    前記気液分離工程では、複数の前記第2のマイクロリアクタのうち、前記第1のマイクロリアクタと接続されていない全ての前記第2のマイクロリアクタに、前記未反応物質を含む液体、及び前記キャリアガスを供給することで、前記ガスを取得することを特徴とする原料ガス生成供給方法。
  2. 前記マイクロリアクタ群準備工程では、複数の前記マイクロリアクタ群を準備し、
    前記原料ガス供給工程では、複数の前記マイクロリアクタ群により取得される前記ガスを前記気相成長装置に供給することを特徴とする請求項1記載の原料ガス生成供給方法。
  3. 前記反応物生成工程では、下記式(1)で示される前記アミノシランを含む前記反応物を生成することを特徴とする請求項1または2記載の原料ガス生成供給方法。
    Figure 0006094994
    (上記式(1)において、nは1〜4。R及びRは、水素、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、イソブチル、ターシャリーブチルのうち、いずれか1つのアルキル基。)
JP2013019618A 2013-02-04 2013-02-04 原料ガス生成供給方法 Active JP6094994B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013019618A JP6094994B2 (ja) 2013-02-04 2013-02-04 原料ガス生成供給方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013019618A JP6094994B2 (ja) 2013-02-04 2013-02-04 原料ガス生成供給方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014150229A JP2014150229A (ja) 2014-08-21
JP6094994B2 true JP6094994B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=51572964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013019618A Active JP6094994B2 (ja) 2013-02-04 2013-02-04 原料ガス生成供給方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6094994B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG11201607251XA (en) * 2014-03-13 2016-09-29 Mks Instr Inc System for and method of fast pulse gas delivery
CN111295462A (zh) * 2017-10-12 2020-06-16 盖列斯特科技股份有限公司 用于薄膜制造中源化学品的集成合成、递送和加工的方法和系统

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6963006B2 (en) * 2003-01-15 2005-11-08 Air Products And Chemicals, Inc. Process for the production and purification of bis(tertiary-butylamino)silane
JP2005224764A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Fuji Photo Film Co Ltd マイクロリアクターを用いた反応方法及びマイクロリアクター
JP2005345279A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Sumitomo Electric Hardmetal Corp マイクロチップ及びその製造方法
JP4910909B2 (ja) * 2007-06-26 2012-04-04 株式会社日立プラントテクノロジー マイクロリアクタシステム
JP2011168576A (ja) * 2010-02-05 2011-09-01 Rohm & Haas Co 有機金属化合物を製造する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014150229A (ja) 2014-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6673886B2 (ja) 酸化ケイ素薄膜の高温原子層堆積
CN103224510B (zh) 烷氧基氨基硅烷化合物及其应用
TW201739752A (zh) 參(二矽烷基)胺
CN107406978A (zh) 用于碳掺杂含硅膜的组合物以及使用所述组合物的方法
US9916974B2 (en) Amino-silyl amine compound and the manufacturing method of dielectric film containing Si—N bond by using atomic layer deposition
KR20150040234A (ko) 질화규소 막을 증착시키는 방법
CN103582719A (zh) 用于沉积碳掺杂含硅膜的组合物和方法
JP6086250B2 (ja) 気液反応方法及びアミノシランの製造方法
JP6094994B2 (ja) 原料ガス生成供給方法
TW201704244A (zh) 五氯二矽烷
JP7117461B2 (ja) 異性体富化高級シランの製造方法
TW201708235A (zh) 二異丙基胺基五氯二矽烷
TWI769179B (zh) 氯二矽氮烷
CN110536893A (zh) 乙硅烷基胺化合物,其制备方法,以及包括其的含硅薄膜沉积组合物
JP7203232B2 (ja) 液体ポリシラン及び異性体エンリッチド高級シランを製造するためのプロセス
CN110431192A (zh) 用于沉积含硅薄膜的组合物及使用其制造含硅薄膜的方法
US11230474B2 (en) Process for producing isomer enriched higher silanes
TWI749067B (zh) 無SiH之乙烯基二矽烷
EP3246428A1 (en) Method for manufacturing metal carbonitride film or metalloid carbonitride film, metal carbonitride film or metalloid carbonitride film, and apparatus for manufacturing metal carbonitride film or metalloid carbonitride film
TWI746554B (zh) 胺基氯氫二矽烷
JP2022532933A (ja) 熱堆積ケイ素含有膜のための組成物およびそれを用いる方法
JP6243215B2 (ja) トリイソシアナトシランの精製方法及び供給方法
US20230088079A1 (en) Silicon precursors
JP7113136B2 (ja) 液体ポリシラン及び異性体エンリッチド高級シランを製造するためのプロセス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6094994

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250