JP6094006B2 - B型二酸化チタンの製造方法、該二酸化チタンを負極活物質とする負極の製造方法、及びその負極を含む非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

B型二酸化チタンの製造方法、該二酸化チタンを負極活物質とする負極の製造方法、及びその負極を含む非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、B型二酸化チタンの製造方法、該二酸化チタンを含む負極活物質、その負極活物質により製造した非水電解質二次電池に関するものである。
近年、携帯機器、ハイブリット自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途に非水電解質二次電池の研究開発が盛んに行われている。これらの分野に用いられる非水電解質二次電池は、安全性の高さが求められており、その要求を満たすため、負極活物質にチタン系材料を用いた電池が開発されている。前記チタン系材料の中でも、容量が大きいB型二酸化チタン(TiO(B)、ブロンズ型二酸化チタンと呼ばれることもある。)が注目を浴びている。
しかしながら、B型二酸化チタンはタップ密度(タップ嵩密度)が小さいため、電池のエネルギー密度が小さくなるという問題点があった。この問題点を解決するため、B型二酸化チタンを製造するための前駆体である、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を粉砕し、イオン交換し、脱水してB型二酸化チタンを製造する方法が特許文献1〜3の実施例に記載されている。
国際公開第2009/028530号パンフレット 特開2008−117625号公報 特開2012−30989号公報
しかしながら、特許文献1,2には、粉砕した前駆体の具体的な大きさないし粒径が言及されていない。
また、特許文献3には、B型二酸化チタンの製造に用いた前駆体の具体的な粒径が特定されている。すなわち実施例1において、二酸化チタン(ルチル型)と水酸化ナトリウムを混合して乾燥させて解砕した後、るつぼへ移して焼成し、このようにして得た焼成物をアルミナ乳鉢で解砕して、Na2Ti37を得ている。得られたNa2Ti37の平均粒子径はX線回折法を用いれば 1.0μmである、との記載がある(段落[0107]〜[0108])。このように特許文献3では、平均粒子径が特定されているが、この平均粒子径の粉体を得るのに「アルミナ乳鉢で解砕した」とあるだけで、特定の大きさの粒径値を狙って製造したかどうかの根拠が明確でなく、その粒径値に基づく効果も不明である。よって、特許文献3記載の発明は、前駆体の粒径を最適に制御してB型二酸化チタンを製造しているとは言えない。
本発明者の試験結果によれば、前駆体の粒径を差異的に制御しない場合では、ブロンズ型からアナターゼ型に結晶構造が相変化しやすく、不可逆容量が大きくなるという問題点が発生した。また、タップ密度が低いB型二酸化チタンが生成するという問題点も発生した。一方、B型二酸化チタンを製造した後に粉砕する方法も試したが、この場合、容量がほとんど発現しないという問題点が生じた(後述する[実施例]参照)。
本発明は、かかる実情に鑑み、結晶構造の安定性及びタップ密度を向上させたB型二酸化チタンの製造方法、並びに該二酸化チタンを負極活物質とする負極の製造方法、及びその負極を含む非水電解質二次電池の製造方法を提供しようとするものである。
前記事情に鑑み、本発明者は検討を重ねた結果、平均粒子径が0.01μm以上、0.5μm以下に粉砕したMTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を用いることによって、結晶構造の安定性及びタップ密度を向上させたB型二酸化チタンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、平均粒子径が0.01μm以上、0.5μm以下のMTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の粉体を作製し、該粉体を用いてB型二酸化チタンを製造する方法に係るものである。
該B型二酸化チタンの製造方法少なくとも下記(1)〜(4)の製造工程を経る。(1)第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンとを混合・焼成し、M2Tin2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を作製する工程、(2)前記M2Tin2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を粉砕することによって、平均粒子径0.01μm以上、0.5μm以下の粉体を作製する工程、(3)前記工程(2)で得られたM2Tin2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)をイオン交換することによって、H2Tin2n+1(n=3以上の整数)を作製する工程、(4)前記H2Tin2n+1 (n=3以上の整数)を脱水することによって、B型二酸化チタンを製造する工程。
前記MがKあるいはCsであり、前記nが4若しくは5であってもよい
記B型二酸化チタンを用いて本発明の非水電解質二次電池用負極を製造することができる。その負極を用いて非水電解質二次電池を製造することができる。
本発明のB型二酸化チタンは、従来のものと比べタップ密度が高く、その結果、それを用いた製造した非水電解質二次電池は、電池容量が大きい。
本発明の実施例1に基づいて作成した半電池において、5回目の充放電曲線を、縦軸に電圧、横軸を容量にしてプロットしたグラフである。 本発明の実施例2に基づいて作成した半電池において、5回目の充放電曲線を、縦軸に電圧、横軸を容量にしてプロットしたグラフである。 本発明の比較例3に基づいて作成した半電池において、5回目の充放電曲線を、縦軸に電圧、横軸を容量にしてプロットしたグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
<1.B型二酸化チタン>
本発明の非水電解質二次電池に用いる負極活物質に用いるB型二酸化チタン(TiO2(B))は、少なくとも下記(1)〜(4)の工程を経て製造される。
(1)第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンとを混合及び焼成し、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を製造する工程。
(2)前記MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を粉砕することによって、平均粒子径0.01μm以上、0.5μm以下の粉体を得る工程。
(3)前記MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)をイオン交換することによって、HTi2n+1(n=3以上の整数)を製造する工程。
(4)前記HTi2n+1(n=3以上の整数)を脱水することによって、B型二酸化チタンを製造する工程。
まず前記(1)の「第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンとを混合及び焼成し、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を製造する」の工程について説明する。
前記(1)の第一族元素の炭酸化物とは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び炭酸セシウムが例示される。これらの混合比は、所望のMTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を形成できる割合であればよく、例えば第一元素の炭酸化物1molに対して、二酸化チタンがn(nは3以上の整数)mol以上の割合であることが好ましい。
前記(1)の第一族元素の二酸化チタンとは、ブロンズ型以外の結晶構造であればよく、アナターゼ型、ルチル型、ブルックカイト型が例示される。
前記(1)の「第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンとを混合する」とは、第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンとが均一に混ざっていれば特に方法は問わないが、効率的に均一に混ぜられることから、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、らい潰機、自動乳鉢、等を用いることが好ましい。
前記混合方法は、乾式でも湿式でもよい。乾式混合の場合は、第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンとで混合する。その後、ペレットにすると、取り扱いが容易となる。
形状をペレットにする場合は、混合した第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンとをペレットダイス、及び油圧ポンプで加圧することによって、形状をペレットにすることができる。
ペレットの形状は特に限定されないが、ペレットを焼成容器の中で積み重ねることが可能なため、円柱状であることが好ましい。またペレットの寸法は特に限定されないが、円柱状である場合、高さが1mm以上、50mm以下であることが好ましい。高さが1mm以下の場合、多数のペレットを作製する必要により時間がかかり、高さが50mm以上の場合、ペレットを粉砕することが困難となる。ペレットの直径は5mm以上であることが好ましい。直径が5mm以下の場合、多数のペレットを作製する必要により時間がかかり、直径が50mmより大きいの場合、ペレットを粉砕することが困難となる。
ペレット状にするときの圧力は5MPa以上100MPa以下であることが好ましい。圧力が5MPa以下の場合、混合した第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンを焼成したときにMTi2n+1の他に副産物が生成される可能性があり、100MPaより大きい場合、焼成したペレットを粉砕することが困難となる。
一方、湿式混合は、第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンとに、更に、メタノール、エタノール、プロパノール、水などの液体を加えて混合する。
前記(1)の焼成は、一般的な焼成炉でよく、電気炉、IR炉、ロータリーキルン等が例示される。
前記(1)の焼成温度は、600℃以上、1200℃以下で行うのが好ましい。600℃未満では、混合物のすべてが、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)に反応しないおそれがあり、1200℃より高い場合は、生成物が分解するおそれがある。反応の効率が優れることから、800℃以上、1000℃以下で行うのが特に好ましい。
前記(1)の焼成時間は、600℃以上、1200℃以下の範囲に、1時間以上、50時間以下で、行うのが好ましい。1時間未満の場合は、混合物のすべてが、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)に反応しないおそれがあり、50時間より長い場合は、光熱費がかかるためコストが上がるため好ましくない。
後述のようにM及びTi以外の金属をドープさせるためには、前記二酸化チタンにあらかじめ、M及びTi以外の金属をドープさせておくことが好ましい。前記二酸化チタンに、M及びTi以外の金属をドープさせる方法は、前記二酸化チタンとM及びTi以外の金属の酸化物、あるいは炭酸化物とを混合した後に焼成処理することによって得ることができる。
焼成の条件は、900℃以上、1600℃以下の範囲に、1時間以上、50時間以下が好ましい。
M及びTi以外の金属の酸化物、炭酸化物の量は、Ti1molに対して、0.01mol%以上、0.2mol%以下のM及びTi以外の金属が含まれるよう、任意の量を添加すればよい。M及びTi以外の金属は、安定性、タップ密度(タップ嵩密度)が向上することから、Nbが好ましい。
次に前記(2)の「MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を粉砕することによって、平均粒子径を0.01μm以上、0.5μm以下にする」工程について説明する。
前記(2)の「MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を粉砕する方法は、平均粒子径を0.01μm以上、0.5μm以下にすることができればよく、ハンマー、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、らい潰機、自動乳鉢で砕く方法が例示されるが、均一な大きさに砕くことができることから、ボールミル、らい潰機、自動乳鉢で砕く方法が好ましい。前記方法の中でも、所望の平均粒子径を得やすいことから、ボールミルで砕く方法が特に好ましい。
ボールミルに用いるボールの材料は、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の平均粒子径を0.01μm以上、0.5μm以下に粉砕できればよく、メノウ、アルミナ、ジルコニア、ステンレススチール、クローム鋼、タングステンカーバイトが好ましい。これらの材料のうち、メノウ、アルミナ、ジルコニアは、万が一、破片が混入しても電池反応に大きな影響をおよばさないことから特に好ましい。
ボールミルに用いるボールの大きさは、直径1mm以上、50mm以下であることが好ましい。ボールの大きさが直径1mm未満では、ボール間の隙間が小さいため、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の平均粒子径を0.01μm未満に粉砕するおそれがあり、一方、ボールの大きさが直径50mmより大きい場合では、ボール間の隙間が大きくなるため、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の平均粒子径を0.5μm以下に粉砕できないおそれがある。
ボールミルに用いるボールの個数は、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)1gに対して、5個以上、100個未満使用することが好ましい。5個未満では、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の平均粒子径を0.5μm以下に粉砕できないおそれがある。一方、100個より多い場合は粉砕後のMTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の回収が困難となるおそれがある。
粉砕時の工程は、乾式でも良いし、湿式でもよい。湿式の場合は、粉砕前にメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、水などの溶媒を加えて後に粉砕する。湿式の場合、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)1gに対して溶媒を0.1g以上、10g以下加えるのが好ましい。0.1g未満では、回収時に粉砕後のMTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)が舞うおそれがある。一方、10gより多い場合は、粉砕後のMTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の回収が困難となるおそれがある。
ボールミルの回転数は100rpm以上、1000rpm以下が好ましい。100rpm未満では、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の平均粒子径を0.01μm以上、0.5μm以下に粉砕できず、1000rpmより速い場合は、MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の平均粒子径が0.01μm未満になるおそれがある。
ボールミルの運転時間は、0.1間以上、24時間以下で、行うのが好ましい。0.5時間未満の場合は、平均粒子径を0.01μm以上、0.5μm以下に粉砕できず、24時間より長い場合は、平均粒子径が0.01μm未満になるおそれがある。ボールミルの時間は、連続でおこなっても良いし、途中に1分以上、1時間以下の回転停止時間を挟んでもよい。
前記(2)のMTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)の平均粒子径が0.01μm未満の場合、アナターゼ相が生成するおそれがあり、その結果、電池性能が低下するおそれがある。一方、0.5μmより大きい場合は、後述の工程により結晶が成長するため、タップ密度が向上しないおそれがある。
前記平均粒子径は、SEMにより粒子を観察することによって算出することができる。SEMでの観察は、10,000倍以上、50,000倍以下で行うことが好ましい。10,000倍未満の場合は、0.01μmの粒子の観察が困難となるおそれがあり、50,000倍より大きい場合は、0.5μmの粒子の観察が困難となる。0.01μm以上、0.5μm以下の粒子の観察が容易であることから、20,000倍以上、30,000倍以下がさらに好ましく、25,000倍で観察することが特に好ましい。
前記平均粒子径を算出するためには、前記SEM観察で任意の粒子10個以上観察することが好ましい。
粉砕時の工程は、乾式でも良いし、湿式でもよい。湿式の場合は、粉砕前にメタノール、エタノール、プロパノール、水などの液体を加えて後に粉砕する。
次に(3)「MTi2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)をイオン交換することによって、HTi2n+1(n=3以上の整数)を製造する」工程について説明する。
前記(3)のイオン交換とは、M(M=第一族元素)を水素に交換する工程である。イオン交換する方法は、一般的な酸で処理する方法が例示される。
イオン交換に使用される酸は、水素イオンが含まれる水溶液であればよい。例えば、硫酸、塩酸、シュウ酸、硝酸、フッ酸等が例示されるが、イオン交換のしやすさから、塩酸、硫酸が特に好ましい。このとき、イオン交換するM原子の数に対して水素原子の数が多いことが好ましいが、M原子の数に対して、水素原子の数は1〜500倍量あることが好ましい。1倍未満では、イオン交換できないおそれがあり、500倍以上ではイオン交換に用いる酸の量が多すぎるのでコストが上がる。
イオン交換時の温度は、5℃以上、80℃以下で行うのが好ましい。5℃未満では、イオン交換が進行しないおそれがあり、80℃より高い場合は溶媒である水が揮発する。
イオン交換時の時間は、0.1時間以上、200時間以下で行うのが好ましい。0.1時間未満では、イオン交換が進行しないおそれがあり、200時間より長い場合は、光熱費が増大することによりコストが上がるため好ましくない。
イオン交換後、未反応の酸を除去するため、脱イオン水で洗浄する。その後、乾燥させることによって、HTi2n+1(n=3以上の整数)が製造できる。
イオン交換後のHTi2n+1(n=3以上の整数)の平均粒子径は、0.01μm以上、1.0μm以下が好ましい。平均粒子径が0.01μm未満の場合、アナターゼ相が生成するおそれがあり、その結果、電池性能が低下するおそれがある。一方、1.0μmより大きい場合は、タップ密度が向上しないおそれがある。
次に(4)HTi2n+1(n=3以上の整数)を脱水することによって、B型二酸化チタンを製造する工程を説明する。
脱水工程とは、HTi2n+1から、HOを取り除き、B型二酸化チタンを製造する工程である。脱水する方法は、加熱により取り除く方法が、安定してB型二酸化チタンを製造できることから好ましい。
加熱温度は、脱水反応が進行すればよく、300℃以上、700℃以下、より好ましくは400℃以上、600℃以下、脱水の効果が大きくかつB型二酸化チタンを安定して製造できることから450℃以上、550℃以下が特に好ましい。300℃未満では脱水できなく、700℃より高い場合は、アナターゼ型になるおそれがある。
加熱時間は、300℃以上、700℃以下の範囲に、0.1時間以上、15時間以下で行うのが好ましい。0.1時間未満では、イオン交換が進行しないおそれがあり、15時間より長い場合は、光熱費が増大することによりコストが上がるため好ましくない。
本発明の製造方法で製造されたB型二酸化チタンの平均粒子径は、0.01μm以上、1.0μm以下が好ましい。平均粒子径が0.01μm未満の場合、アナターゼ相が生成するおそれがあり、その結果、電池性能が低下するおそれがある。一方、1.0μmより大きい場合は、タップ密度が向上しないおそれがある。ここで「平均粒子径」の算出方法は、限定されないが、粉体をある粒子径を基に2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となるメジアン径(d50)径を採用しても良い。この他に、出現比率がもっとも大きい粒子径であるモード径を採用しても良く、算術平均径を採用しても良い。
B型二酸化チタンの存在は、XRD(X-ray Diffraction)によって結晶構造を確認することによって確認することができる。
タップ密度は、0.2g/cm以上、1.0g/cm以下が好ましい。0.2g/cm未満の場合は、電池のエネルギー密度が低く、1.0g/cmより高い場合は、後述の負極の製造が困難になる。
タップ密度は、市販のタップ密度測定テスターを用いて、USP MethodやASTM規格に基づき測定しても良いし、測定装置が無い場合は、メスシリンダー(10mL)に3g以上の測定対象を入れ、体積が一定になるまで手動でタップすることによって測定することができる。手動で行う場合のタップ回数は、100回以上、5000回以下が好ましい。100回未満では、体積が一定にならないおそれがあり、5000回より多い場合は、多大な時間を要する。
本発明のB型二酸化チタンには、Li、Ti以外の異種金属がドープされていてもよい。異種金属の量は、Ti1molに対して1.0mol%以上、20.0mol%以下が好ましい。1.0mol%未満の場合は、ドープの効果が小さく、20.0mol%より多い場合は、B型二酸化チタンの容量が小さくなる。
異種金属の量の制御は、先述の(1)の混合時に、M及びTi以外の金属の酸化物、炭酸化物を含ませることによって製造することができる。Ti以外の金属は、安定性、タップ密度が向上することから、Nbが好ましい。
<2.負極>
本発明の負極には、少なくとも前記負極活物質が含まれる。
本発明の負極には、さらに導電助材を含有してもよい。導電助材としては、特に限定されないが、金属材料、炭素材料が好ましい。金属材料の場合は、銅、及びニッケルなど、炭素材料の場合は天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。これら導電助材は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明において、負極に含まれる導電助材の量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。前記範囲であれば、負極の導電性が確保される。また、後述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明において負極には、活物質を集電体に結着させるため、バインダーを使用してよい。バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、アクリル樹脂及びそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは負極の製造しやすさから、非水溶媒又は水に、溶解又は分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明において、負極に含まれるバインダーの量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。前記範囲であれば、負極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明において好ましい負極の形態としては、負極活物質、導電助材、及びバインダーの混合物を集電体上に形成することによって製造されるが、製造方法の容易さから、前記混合物及び溶媒でスラリーを製造し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって負極を製造する方法が好ましい。
本発明の負極に用いることのできる集電体は、銅、SUS、ニッケル、チタン、アルミニウム及びそれらの合金が好ましい。
なお、集電体は、金属材料(銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面に負極の電位で反応しない金属を被覆したものも用いることもできる。
<3.正極>
本発明の非水電解質二次電池に用いる正極に含まれる正極活物質は、特に限定されないが、リチウム遷移金属化合物であればよく、リチウムコバルト化合物、リチウムニッケル化合物、リチウムマンガン化合物、リチウム鉄化合物などが例示される。また、遷移金属は1種類に限定されず、2種類以上であってもよい。例えば、リチウムコバルトニッケルマンガン化合物、リチウムニッケルマンガン化合物などが例示される。また、リチウム遷移金属化合物の安定性を向上する効果が高いことから、例えばアルミニウム、マグネシウム、チタンなどの元素が微量含まれていてもよい。
本発明の正極活物質の表面は、導電性向上、あるいは安定性向上のため、炭素材料、金属酸化物、あるいは高分子等で覆われてもよい。
本発明の正極には導電助材を含有させてもよい。導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料が好ましい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。これら炭素材料は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明の正極に含まれる導電助材の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。前記範囲であれば、正極の導電性が確保される。また、後述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明の正極にはバインダーを含有させてよい。バインダーは、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、アクリル系樹脂及びそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは正極の製造しやすさから、非水溶媒又は水に溶解又は分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明の正極に含まれるバインダーの量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。前記範囲であれば、正極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明の正極の製造方法としては、正極活物質、導電助材、及びバインダーの混合物を集電体上に塗工することによって製造する方法が挙げられるが、製造方法の容易さから、前記混合物及び溶媒でスラリーを製造し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって正極を製造する方法が好ましい。
本発明の正極に用いる集電体は、アルミニウム及びその合金であることが好ましい。前記アルミニウムは、正極反応雰囲気下で安定であることから、特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウムであることが好ましい。
なお、集電体は、アルミニウム以外の金属(銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面にアルミニウムを被覆したものも用いることもできる。
<4.セパレータ>
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータは、前述の正極と負極との間に設置され、電子伝導性がなくかつリチウムイオン伝導性を有する物質であればよく、例えば、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリポロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、及びそれらを2種類以上複合したものの織布、不織布、微多孔膜などが挙げられる。セパレータには、各種可塑剤、酸化防止剤、難燃剤が含まれてもよいし、金属酸化物等が被覆されていてもよい。
セパレータの厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。10μm未満の場合、正極と負極との接触する場合があり、100μmより厚い場合は電池の抵抗が高くなる場合がある。経済性、取り扱いの観点から、15μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
<5.非水電解質>
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。
また、前記に加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、1、2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。また、高分子に電解液をしみこませたゲル状電解質も用いることができる。
溶質は、特に限定されないが、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SOCFなどは溶媒に溶解しやすいことから好ましい。電解液に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のリチウムイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。非水電解質には、難燃剤、安定化剤などの添加剤が微量含まれてもよい。
<6.非水電解質二次電池>
本発明の非水電解質二次電池の正極及び負極は、集電体の両面に同じ電極を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極、一方の面に負極を形成させた形態、すなわち、バイポーラ電極であってもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極、及びセパレータには、リチウムイオン伝導を担う非水電解質が含まれている。
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。0.1mL未満の場合、電極反応に伴うリチウムイオンの伝導が追いつかず、所望の電池性能が発現しない場合がある。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極及びセパレータに含ませてもよいし、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回、あるいは積層した後に添加してもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、前記積層体を倦回、あるいは複数積層した後にラミネートフィルムで外装してもよいし、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形の金属缶で外装してもよい。外装には発生したガスを放出するための機構が備わっていてもよい。積層体の積層数は、所望の電圧値、電池容量を発現するまで積層させることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、複数接続することによって組電池とすることができる。本発明の組電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって適宜直列、並列に接続することによって製造することができる。また、各電池の充電状態の確認、安全性向上のため、前記組電池に制御回路が付属されていることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
<実施例1>
B型二酸化チタンを以下のとおりに製造した。最初に、二酸化チタン20g(325メッシュ、アナターゼ)と炭酸カリウム9.0g(特級、炭酸カリウム(無水))とを一軸型ボールミル機を用いて混合した。ボールミルの条件は、15mmジルコニアボール25個を200mLのプラスチック容器に入れ180rpmで混合した。この二酸化チタンと炭酸カリウムとの混合物を、マッフル炉を用いて、900℃で24時間、2℃/分で昇温及び降温の条件で加熱処理することによって、粉砕前の前駆体KTiを製造した。この粉砕前の前駆体KTiを電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察した結果、粉砕前の前駆体KTiの平均粒子径は、0.91μmであった。
平均粒子径は、粉砕前の前駆体KTiを25,000倍で観察し、任意の粒子20個の大きさを測定したのち、その値を算術平均することによって算出した。
次に、この粉砕前の前駆体KTiを、遊星ボールミル機を用いて粉砕した。ボールミルの条件は、5mmジルコニアボールを30個、3gの前駆体KTi及び2mLのメタノールをジルコニア容器に加えた後に、12時間、600rpmの条件で粉砕した。この粉砕後の前駆体KTiを電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察した結果、粉砕後の前駆体KTiの平均粒子径は、0.21μmであった。平均粒子径は、粉砕前の前駆体KTiを25,000倍で観察し、任意の粒子20個の大きさを測定したのち、その値を算術平均することによって算出した この粉砕後の前駆体KTiをイオン交換することによって、HTiを製造した。前記イオン交換は、前駆体1g当たり200mLの1M塩酸水溶液を加え、25℃で72時間撹拌した後、粉末をろ過し、5mL脱イオン水で4回洗浄することによって実施した。
最後に、HTiを、マッフル炉を用いて500℃で30分間、2℃/分で昇温及び降温の条件で加熱処理することによって、実施例1のB型二酸化チタンを製造した。B型二酸化チタンであることは、XRD(X-ray Diffraction)で確認した。
<実施例2>Cs系前駆体で粉砕物
炭酸カリウム9.0g(和光特級、炭酸カリウム(無水))の代わりに、炭酸セシウム16.3g(和光一級、炭酸セシウム(無水))を用いたこと以外は実施例1と同様にB型二酸化チタンを製造した。実施例2での前駆体は、CsTi11であり、粉砕前、及び粉砕後の平均粒子径は、それぞれ1.14μm、及び0.18μmであった。
測定方法は実施例1と同様に行った。また、B型二酸化チタンであることは、XRD(X-ray Diffraction)で確認した。
<比較例1>K系前駆体粉砕なし
前駆体KTiを粉砕しないこと以外は、実施例1と同様に比較例1のB型二酸化チタンを製造した。粉砕していないKTiの平均粒子径は、前述したとおりの0.91μmであった。
<比較例2>Cs系前駆体粉砕なし
前駆体CsTi11を粉砕しないこと以外は、実施例2と同様に比較例2のB型二酸化チタンを製造した。粉砕していないCsTi11の平均粒子径は、前述のとおり1.14μmであった。
<比較例3>TiO(B)で粉砕
B型二酸化チタンを以下のとおりに製造した。最初に、二酸化チタン20g(325メッシュ、アナターゼ)と炭酸カリウム9.0g(特級、炭酸カリウム(無水))とを一軸型ボールミル機を用いて混合した。ボールミルの条件は、15mmジルコニアボール25個を200mLのプラスチック容器に入れ180rpmで混合した。この二酸化チタンと炭酸カリウムとの混合物を、マッフル炉を用いて、900℃で24時間、2℃/分で昇温及び降温の条件で加熱処理することによって、粉砕前の前駆体KTiを製造した。この粉砕前の前駆体K2Ti49を電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察した結果、前駆体KTiの平均粒子径は、0.91μmであった。
次に、このKTiをイオン交換することによって、HTiを製造した。前記イオン交換は、前駆体1g当たり200mLの1M塩酸水溶液を加え、25℃で72時間撹拌した後、粉末をろ過し、5mL脱イオン水で4回洗浄することによって実施した。
最後に、HTiを、マッフル炉を用いて500℃で30分間、2℃/分で昇温及び降温の条件で加熱処理することによって、未粉砕のB型二酸化チタンを製造した。
この未粉砕のB型二酸化チタンを、遊星ボールミル機を用いて粉砕した。ボールミルの条件は、5mmジルコニアボールを30個、3gの未粉砕のB型二酸化チタン及び2mLのメタノールをジルコニア容器に加えた後に、12時間、600rpmの条件で粉砕することによって、比較例3のB型二酸化チタンを作製した。比較例3のB型二酸化チタンを電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察した結果、平均粒子径は、0.18μmであった。平均粒子径は、実施例1と同様に算出した。
<タップ密度の測定>
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2のタップ密度を、B型二酸化チタン3gを10mLのメスシリンダーに入れ、手動で4000回タップした後に体積を測ることによって算出した。その結果を表1に示す。本発明の実施例1及び実施例2は、それぞれ比較例1及び2と比較してタップ密度が向上していることを確認した。
Figure 0006094006
ここで比較例3において、粉砕しない前駆体をイオン交換してH2Ti4O9を製造し、加熱処理して、その後粉砕して製造したB型二酸化チタンの方が、粉砕後の前駆体をイオン交換してH2Ti4O9を製造し、加熱処理して製造したB型二酸化チタンよりも、タップ密度が大きくなっている。この理由は推測であるが、前駆体よりもB型二酸化チタンがやわらかいため粉砕によって角が取れたと考えられる。
<充放電特性の測定>
実施例1、実施例2、及び比較例3のB型二酸化チタンを用いて半電池を作製し、充放電特性の測定を行った。半電池の作製及び充放電特性は下記のとおりに行った。
B型二酸化チタンを80重量部、導電助材(ケッチェンブラック)を10重量部、及びバインダー(固形分濃度12wt%、NMP溶液)を固形分10重量部混合してスラリーを作製した。このスラリーを銅箔(50μm)に塗工した後に、80℃で真空乾燥したのちに、16mmΦに打ち抜き充放電特性測定用の電極を作製した。
この電極を動作極、Li金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ/Li金属の順に試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=3/7vol%、LiPF 1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。この半電池を25℃、0.05mAで定電流放電(終止電圧:1.4V)及び定電流充電(終止電圧:3.0V)を5回繰り返した。
その2回目の充放電曲線を図1、図2及び図3に示す。これら充放電曲線の横軸の値が時間、すなわち定電流であるからB型二酸化チタンの容量を示し、多ければ多いほど良い。これらの図から、実施例1及び実施例2のB型二酸化チタンは、非水電解質二次電池用負極活物質として十分な容量を有していることが確認できた。一方、比較例3のB型二酸化チタンは実施例1及び実施例2と比べきわめて小さい容量であり、非水電解質二次電池に用いるには困難であることがわかった。

Claims (5)

  1. 少なくとも下記(1)〜(4)の製造工程を経るB型二酸化チタンの製造方法。
    (1)第一族元素の炭酸化物と二酸化チタンとを混合・焼成し、M2Tin2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を作製する工程、
    (2)前記M2Tin2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)を粉砕することによって、平均粒子径0.01μm以上、0.5μm以下の粉体を作製する工程、
    (3)前記工程(2)で得られたM2Tin2n+1(M=第一族元素、n=3以上の整数)をイオン交換することによって、H2Tin2n+1(n=3以上の整数)を作製する工程、
    (4)前記H2Tin2n+1 (n=3以上の整数)を脱水することによって、B型二酸化チタンを製造する工程。
  2. 前記MがKあるいはCsであり、前記nが4若しくは5である、請求項1に記載のB型二酸化チタンの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の製造方法によって製造されたB型二酸化チタンを電極活物質として含む負極を製造する、非水電解質二次電池用負極の製造方法
  4. 請求項3に記載の製造方法によって製造された非水電解質二次電池用負極と正極とを含む非水電解質二次電池を作成する、非水電解質二次電池の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法によって製造された非水電解質二次電池を複数接続して二次電池モジュールを作製する、二次電池モジュールの作製方法
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