JP6091283B2 - 倒れこみ検出装置、及び倒れこみ検出方法 - Google Patents

倒れこみ検出装置、及び倒れこみ検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6091283B2
JP6091283B2 JP2013064023A JP2013064023A JP6091283B2 JP 6091283 B2 JP6091283 B2 JP 6091283B2 JP 2013064023 A JP2013064023 A JP 2013064023A JP 2013064023 A JP2013064023 A JP 2013064023A JP 6091283 B2 JP6091283 B2 JP 6091283B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolled material
curvature
point
rolling
profile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013064023A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014190731A (ja
Inventor
正和 加藤
正和 加藤
正宜 小林
正宜 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2013064023A priority Critical patent/JP6091283B2/ja
Publication of JP2014190731A publication Critical patent/JP2014190731A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6091283B2 publication Critical patent/JP6091283B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、熱間圧延にて条鋼を製造するに際し、起立状態の圧延材の倒れこみを検出する倒れこみ検出装置、及び倒れこみ検出方法に関する。
条鋼工場において、水平圧延機のみ(垂直方向の圧下)で条鋼を熱間で圧延するに際しては、条鋼の元材である圧延材を圧延途中で捻転装置(ツイスタ)で周方向に回転させて、熱間圧延(ツイスト圧延)を行っている。圧延材は、水平圧延機(以降、単に圧延機と呼ぶ。)での圧下による圧下面と自由面が交互に入れ替わりながら圧延されて、長尺の線材や棒鋼などの条鋼となる。
ツイスト圧延で条鋼を製造する際には、圧延材を捻転装置で回転させた後に、ほぼ直立した状態(ほぼ90°に起立した状態)で次の圧延機のワークロールに噛みこませることが重要となる。とはいえ、様々な原因により、圧延材の起立状態が実現できず、圧延材がの水平方向へ倒れ込むような状況下となる(例えば、80°程度の起立状態)。圧延材が倒れ込んだ場合、正常な圧延ができなくなるため、圧延材の倒れこみをオンラインで検出する必要がある。
従来、圧延材の倒れこみを検出するにあたっては、条鋼の製造に携わるオペレータによる目視での確認、または倒れこみの許容範囲(ギャップ)を付与したゲージ器(木片で形成されたゲージ器)による圧延材の型取りチェックにて、圧延材の倒れこみを検出している。
上記したような倒れこみの検出方法は、オペレータの的確な判断により、確実に実施されている。とはいえ、オペレータによる圧延材の倒れこみ検出には、人為的ミスに起因する事故(例えば、ギャップの設定不良)の発生、の可能性が常に付きまとうこととなる。
例えば、何らかの原因で圧延材が予め設定された閾値(範囲)より大きく倒れこんだまま、次の圧延機のワークロールに噛みこんだ場合、圧延材に局所的な圧縮がかかり、しわ疵や折れ込み疵が発生する可能性がある。また、オペレータが圧延材の倒れこみを直接検出するため、労力及び時間を要する。つまり、圧延材の倒れこみの検出をリアルタイムに行うことができない。
圧延材の倒れこみを検出する技術としては、特許文献1に開示された倒れこみ検出装置の技術が存在する。
特許文献1は、走行中の熱鋼条材の周囲をパスラインを軸として連続回転しながら一定時度毎に半回転をn等分(n>2)した測定点の直径及び角度信号を発生する投影式直径測定装置と、該信号より条材の極大値もしくは極小値発生角度を直径測定装置が半回転する毎に演算する極値角度演算装置と、条材の極大値もしくは極小値発生角度の変化より条材の捻れ量を直径測定装置が半回転する毎に演算する捻れ演算装置とを備える条材捻れ測定装置を開示する。
特開昭56−82407号公報
しかしながら、特許文献1は、形状測定による圧延材のプロファイルからこの圧延材の頂点位置を検出して、圧延材の倒れこみの判定を行っているが、頂点位置一点のみで圧延材の倒れこみを検出しているため、圧延材の倒れこみを検出できても、精度よく且つ定常的に圧延材の倒れこみを検出することができるか疑問が残る。また、特許文献1の図1に示すように、この条材捻れ測定装置は、大がかりな装置構成となっており、このような構成に伴うコスト高や設置スペースなどを避けられないものとなっている。
本発明は、上述の問題に鑑み、圧延機で条鋼を製造するに際して、精度よく且つ定常的に圧延材の倒れこみを検出して、圧延材の通材状態の良否を確実に判定することができる
倒れこみ検出装置、及び倒れこみ検出方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る倒れこみ検出装置は、圧延材を圧延する上下一対のワークロールを有する圧延機と、前記圧延機の出側に配備され、且つ前記圧延材を周方向に回転させながら下流側の圧延機に送る捻転装置とを有した圧延設備に備えられて、前記捻転装置から送り出された圧延材の倒れこみを検出する倒れこみ検出装置であって、前記圧延材は、断面が略楕円形状であって、当該圧延材の外周面における曲率がピークとなる点を少なくとも1つ以上有する輪郭形状を備えており、前記倒れこみ検出装置は、前記捻転装置の出側にて前記圧延材のプロファイル形状を測定するプロファイル測定手段と、前記プロファイル測定手段で得られたプロファイル形状を基に、当該プロファイル形状の頂点及びプロファイル形状の曲率ピーク点を求める特徴点算出手段と、前記特徴点算出手段で算出された頂点の位置と前記曲率ピーク点の位置との差の絶対値である判定値と、予め設定されている閾値とが近似した値乃至は同じ数値ではない場合、前記圧延材が倒れこんでいると判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
好ましくは、前記プロファイル測定手段は、略楕円形状の断面を有する圧延材の長径の延長線上に配備されているとよい。
好ましくは、前記圧延材の断面外周面は、2つの放物曲線を有する楕円形状で構成され、前記断面外周面には、一の放物曲線と他の放物曲線とが交わり、且つ圧延材の外周面における曲率がピークとなる点が存在していて、前記曲率がピークとなる点が、前記プロファイル形状の曲率ピーク点に対応するものとなっているとよい。
本発明における倒れこみ検出方法は、圧延材を圧延する上下一対のワークロールを有する圧延機と、前記圧延機の出側に配備され、且つ前記圧延材を周方向に回転させながら下流側の圧延機に送る捻転装置とを有した圧延設備において、前記捻転装置から送り出された圧延材の倒れこみを検出する倒れこみ検出方法であって、前記圧延材は、断面が略楕円形状であって、当該圧延材の外周面における曲率がピークとなる点を少なくとも1つ以上有する輪郭形状を備えているものとされ、前記捻転装置の出側にて前記圧延材のプロファイル形状を測定するプロファイル測定工程と、前記プロファイル測定工程で得られたプロファイル形状を基に、当該プロファイル形状の頂点及びプロファイル形状の曲率ピーク点を求める特徴点算出工程と、前記特徴点算出工程で算出された頂点の位置と前記曲率ピーク点の位置との差の絶対値である判定値と、予め設定されている閾値とが近似した値乃至は同じ数値ではない場合、前記圧延材が倒れこんでいると判定する判定工程と、を有することを特徴とする。
本発明の技術を用いることで、圧延機で条鋼を製造するに際して、精度よく且つ定常的に圧延材の倒れこみを検出して、圧延材の通材状態の良否を確実に判定することができる。
圧延設備の概略構成を示した図である。 本発明の倒れこみ検出装置が取り付けられた圧延機を示した図である。 (a)は、図1のA−A線矢視の断面図であり、(b)は、図1のB−B線矢視の断面図である。 本発明の倒れこみ検出装置を用いて、圧延材の倒れこみを検出している様子を示した図である。 (a)は、倒れこみ測定装置を用いて、圧延材のプロファイル形状を測定した結果を示した図であり、(b)は、(a)の結果より圧延材の曲率を算出した結果を示した図である。 圧延材のプロファイル形状より、曲率ピーク点を算出した結果を模式的に示した図である。
以下、図を参照しながら、本発明の倒れこみ検出装置10について、説明する。
その前に、図1を参照して、圧延設備1について説明する。
図1は、ビレットなどの圧延材Wを連続圧延して条鋼を製造する条鋼の圧延設備1を示したものである。
図1に示すように、圧延設備1は、上流側から下流側に向けて順に、圧延材Wを加熱する加熱炉(図示せず)、粗列圧延装置2、中間列圧延装置3(第1中間列3a、第2中間列3b)、仕上げ列圧延装置4、巻き取り装置5が順番に配設されている。これら粗列圧延装置2、中間列圧延装置3、及び仕上げ圧延装置は、複数の圧延機6(圧延スタンド)を備えている。
例えば、図1に示すように、粗列圧延装置2は7つの圧延機6を備えていて、中間列圧延装置3(例えば、第1中間列3a)は4つの圧延機6を備えている。これらの圧延機6は、水平方向を向く上下一対に配置されたワークロール7と、このワークロール7を回転駆動させる駆動装置(図示せず)とを有している。
さらに、上記した圧延設備1は、プロコンなどで構成された制御装置(図示せず)を有している。この制御装置は、加熱炉、粗列圧延装置2、中間列圧延装置3、仕上げ圧延装置、巻き取り装置5を制御する。
図2に示すように、粗列圧延装置2及び第1中間列圧延装置3aを構成する圧延機6の出側には、圧延材Wを周方向に回転させながら下流側の圧延機6に送る捻転装置8(ツイスタ)が配備されている。捻転装置8の下流側には、詳細は後述するが、この捻転装置8から送り出された圧延材Wの倒れこみを検出する倒れこみ検出装置10が配備されている。
捻転装置8は、上下一対に配置され、且つ圧延材Wを周方向に回転させるツイストローラ9と、このツイストローラ9の傾斜角、つまり圧延材Wの捻転角を調整する捻転角調整手段(図示せず)と、を有している。
このような条鋼の圧延設備1において、条鋼を製造するにあたっては、まず、圧延設備1の上流側に配備された加熱炉内に条鋼の元となる圧延材W(ビレット)を導入して加熱する(900℃〜1100℃程度)。加熱した圧延材Wをデスケーリングし、粗列圧延装置2及び中間列圧延装置3にて所定の輪郭形状(例えば、略楕円形状)になるまで圧延する。
ここで、圧延の途中にある圧延材W、特にその輪郭形状、すなわち圧延材Wの断面外周面の形状を説明する。
図3(a)は、図1のA−A線で切断し、圧延機6の出側から見た圧延材Wの状況を示した断面図である。また、図3(b)は、図1のB−B線で切断し、捻転装置8により回転された圧延材Wが下流側の圧延機6に導入される直前の状況を示した図である。
図3(b)に示すように、圧延材Wは、断面が略楕円形状であって、楕円の長径側の頂部(長径を延長した線が断面外周面と交わる部分)が外周面中途部(例えば、短径を延長した線が断面外周面と交わる部分)より偏平している輪郭形状を有している。この圧延材Wは、輪郭(外周面)における曲率kが極大となる曲率ピーク点X’を少なくとも1つ以上備えている。
詳しくは、圧延材Wの輪郭形状(断面外周面)は、曲率の異なる2つの放物曲線を有する楕円形状で構成され、断面外周面には、一の放物曲線と他の放物曲線とが交わり、且つ圧延材Wの外周面における曲率kがピークとなる点が存在していて、曲率kがピークとなる点が、後述するプロファイル形状の曲率ピーク点X’に対応するものとなっている。
圧延材Wの輪郭形状を構成する一の放物曲線は、ワークロール7のカリバ形状に即したものであり、ワークロール7の圧下により圧延材Wの側部が水平方向に向かって山型に突出しているものである。
圧延材Wの外周面における曲率kがピークとなる点X’は、ワークロール7と圧延材Wとが接する端点、一の放物曲線と他の放物曲線との交差点である。
上記のような輪郭形状を備えた圧延材Wは、捻転装置8で回転させられ圧下方向を交互に入れ替えながら、次の圧延機6へと導入されて圧延が進められる。
このとき、捻転装置8で回転させられた圧延材Wは、所定の傾き(捻れ量)より多く倒れこんでいることがある。そこで、倒れこみ検出装置10を用いて、この圧延材Wが所定
の傾きより多く倒れこんでいるか否かを検出する。
倒れこみ検出装置10は、リアルタイムで捻転装置8から送り出された圧延材Wの輪郭形状をプロファイル形状として検出し、予め設定された閾値αz(倒れこみ許容範囲)と比較している。倒れこみ検出装置10は、比較した結果、圧延材Wの倒れこみが予め設定された閾値αzより大きい(変位大)と判定した場合、その判定結果を操業に携わるオペレータに警報として通達する。そして、オペレータは、倒れこみ検出装置10からの警報に基づいて、捻転装置8のツイストローラ9の傾斜角などを調整し、圧延材Wの通材状態を良好なものに修正する。
そして、仕上げ列圧延装置4以降は、断面形状が略楕円形状から丸状になるように圧延し、最終的に目標とする形状(例えば、丸形状)の条鋼を製造する。
以下、本願発明の倒れこみ検出装置10について、詳細な説明を行う。
倒れこみ検出装置10は、捻転装置8の出側にて圧延材Wのプロファイル形状を測定するプロファイル測定手段11と、プロファイル測定手段11で得られたプロファイル形状を基に、当該プロファイル形状の頂点Xと曲率ピーク点X’とを求める特徴点算出手段12と、特徴点算出手段12で算出された頂点Xの位置情報と、曲率ピーク点X’の位置情報との差が、予め設定されている閾値αz以上の場合、圧延材Wが倒れこんでいると判定する判定手段13と、を有している。
図4に示すように、プロファイル測定手段11は、圧延材Wの上方であって、略楕円形状の断面を有する圧延材Wの長径の延長線上に備えられており、圧延材W上部の頂点X及び曲率ピーク点X’を捉えられる位置に配備されている。
本実施形態では、プロファイル測定手段11は、圧延材Wから300mm±145mmの距離に配備され、測定範囲は180mm、且つ少なくとも圧延材Wの頂点Xから±45°としている。なお、プロファイル測定手段11と圧延材Wとの間に防熱板を設置することが望ましい。
なお、このプロファイル測定手段11を用いて、圧延材Wのプロファイル形状を測定するにあたって、圧延材Wの長径をy座標とし、短径をx座標とする。
プロファイル測定手段11は、走行中の圧延材W(測定物)にレーザ光を照射し、反射したレーザ光を受光するヘッド部11aと、ヘッド部11aで受光(集光)されたレーザ光を基に、圧延材Wのプロファイル形状を求めるコントローラ部(図示せず)と、求められた圧延材Wのプロファイル形状を表示する表示モニタ(図示せず)とを有している。
本実施形態のプロファイル測定手段11は、レーザ式プロファイル測定器(レーザ変位計)を採用している。このプロファイル測定手段11は、圧延材Wとの波長帯(波長:600〜800nm)が干渉しない、青色レーザ(波長:400〜500nm)を用いて測定している。
プロファイル測定手段11は、ヘッド部11aよりレーザ光を圧延材Wに照射して、圧延材Wから反射した光がヘッド部11aで集光され受光素子へと結像され、受光素子を基にコントローラ部で、圧延材Wのプロファイル形状を求めている。このプロファイル測定手段11では、ヘッド部11aから圧延材Wまでのレーザ光の距離が変化すると、集光される反射光の角度が変わり、それに伴って受光素子上に結像される位置が変化するようになる。この受光素子上の結像位置の変位が圧延材Wのプロファイル形状と比例することから、結像位置の変位量を読み取り、圧延材Wのプロファイル形状として測定している。図5(a)には、計測されたプロファイル形状の一例が示されている。
このように、プロファイル測定手段11で通材中の圧延材Wの輪郭形状を測定することで、圧延材Wのプロファイル形状がリアルタイムでわかる。プロファイル測定手段11で得られた圧延材Wのプロファイル形状の情報は、特徴点算出手段12に送られ、プロファイル形状の頂点Xと曲率ピーク点X’を算出するために用いられる。
特徴点算出手段12は、プロファイル測定手段11で得られた圧延材Wのプロファイル形状の中から、通材中の圧延材Wの存在位置を示す特徴点、すなわちプロファイル形状の頂点Xの位置情報と曲率ピーク点X’の位置情報とを求めている。プロファイル形状の曲率ピーク点X’ の位置情報は、圧延材Wのプロファイル形状の曲率kを求めて曲率変化
を算出し、この曲率変化から求められている。
まず、プロファイル形状の頂点Xの位置情報を求める。プロファイル形状の頂点Xは、ヘッド部11aから圧延材Wまでのレーザ光の距離が最も短い点である。
ここで、基準となる圧延材をWaとし、測定対象となる圧延材をWbとし、移動した圧延材をWcとする。
図5(a)に示すように、プロファイル形状の頂点Xの位置情報は、圧延材Wのプロファイル形状の最も上方に突出した点であって、その点のx−y座標を読み取る。
圧延材Waに対応するプロファイル形状の頂点Xaの位置情報(実線)は、x座標がおよそ−1.2mm、y座標がおよそ57mmである。また、圧延材Wbに対応するプロファイル形状の頂点Xbの位置情報(破線)は、x座標がおよそ0.6mm、y座標がおよそ59mmである。移動した圧延材Wcに対応するプロファイル形状の頂点Xcの位置情報(一点鎖線)は、x座標がおよそ0mm、y座標がおよそ52mmである。なお、移動した圧延材Wcとは、通材されている圧延材Wが水平方向に振れてスライドしたものである。このようにして、それぞれのプロファイル形状の頂点Xの位置情報が求められる。
次に、プロファイル形状の曲率ピーク点X’の位置情報を求める。プロファイル形状の曲率ピーク点X’は、圧延材Wのプロファイル形状上に存在する複数のピーク点Xpのうち、x座標の値が小さい(または大きい)点を採用する。
ここで、プロファイル形状上に存在する複数のピーク点Xpのうち、x座標の値が小さい(または大きい)点X’ の算出方法について、詳細に説明する。
図5(b)は、圧延材Wのプロファイル形状より、プロファイル形状の曲率kを算出した結果を示した図である。縦軸に圧延材Wの曲率kを示し、横軸に圧延材Wの外周面(x座標)を示している。図6は、図5(b)の拡大図である。
特徴点算出手段12は、プロファイル測定手段11で測定された圧延材Wのプロファイル形状を基に、プロファイル形状の曲率k(言い換えるならば、圧延材Wの輪郭形状の曲率)を算出する。プロファイル形状の曲率kを算出するにあたっては、プロファイル形状の測定結果を式(1)に適用することで、曲率kを算出する。
Figure 0006091283
そして、算出された曲率kのうち、曲率kがピークを持つ点Xpを求め、複数のXpのうちx座標の値が最も小さい(または大きい)点である曲率ピーク点X’を算出する。例えば、図6に示すn点(n番目の点)が曲率ピーク点X’であるか否かを判断する。
始めに、x座標の最もマイナス方向側の位置にあるピーク点Xpであるn点と、n点に隣接する2点(n−1,n+1)と、n−1及びn+1に隣接する2点(n−2,n+2)、すなわちn点を含めた5点の曲率k(y座標の値)をそれぞれ比較する。
この5点の中で、曲率kの値が最小(絶対値が最大)となる点を検出する。図6より、n点が最小(絶対値が最大)であることが確認される。続いて、この5点の中で、曲率kの値が最大(絶対値が最小)となる点を検出する。図6より、n−2点が最大(絶対値が最小)であることが確認される。
そして、この曲率kの最大値と最小値との差を算出する。この差の絶対値が、予め設定された値β(βは任意の数値)以上である場合、n点を曲率ピーク点Xpと判断する。
上記の方法を用いて、曲率ピーク点Xpの検出をx座標のプラス方向に順次進めながら、求められた複数の曲率ピーク点Xpのうち最もマイナス方向側(または最もプラス方向側)にあるピーク点X’を求める。
図5(b)に示すように、圧延材Waに対応するプロファイル形状の曲率ピーク点X’aの位置情報(実線)は、x座標がおよそ−3.0mm、y座標がおよそ−0.4である。また、圧延材Wbに対応するプロファイル形状の曲率ピーク点X’bの位置情報(破線)は、x座標がおよそ−0.3mm、y座標がおよそ−0.4である。移動した圧延材Wcに対応するプロファイル形状の曲率ピーク点X’cの位置情報(一点鎖線)は、x座標がおよそ−1.5mm、y座標がおよそ−0.35である。なお、移動した圧延材Wcの曲率kは、通材中の圧延材Wが水平方向にスライドしたものであって、基準となる圧延材Wの曲率kと同じである。
このようにして、それぞれの圧延材Wの曲率ピーク点X’の位置情報が求められる。
そして、リアルタイムで算出された圧延材Wの曲率ピーク点X’の位置情報と頂点Xの位置情報は、判定手段13に送られ、圧延材Wが倒れこんでいるか否かの判定に用いられる。
判定手段13は、算出されたプロファイル形状の頂点Xの位置情報と、プロファイル形状の曲率ピーク点X’ の位置情報との差の絶対値αを算出する(|X−X’|=α)。算出された絶対値αを、圧延材Wの倒れこみを判定するための判定値αとする。
表1に示すように、圧延材Waの判定値αaは、|(−1.2)−(−3.0)|=1.8である。この判定値αaを圧延材Wの倒れこみを判定するための基準となる閾値αzとする。
また、圧延材Wbの判定値αbは、|0.6−(−0.3)|=0.9である。圧延材Wcの判定値αcは、|0−(−1.5)|=1.5である。
閾値αz(αa)と判定値αbとを比較する。比較した結果、|1.8−0.9|=0.9となり、閾値αzと判定値αbとの差が大きいため圧延材Wbは倒れこんでいると判定される。ゆえに、圧延材Wbの通材状態が良好ではないと判定され、圧延材Wbの倒れこみを修正する必要があるとオペレータに警報として通達される。
閾値αzと判定値αcとを比較する。比較した結果、|1.8−1.5|=0.3であり、閾値αzと判定値αcとの差が小さいため圧延材Wcは倒れこんでいないと判定される。ゆえに、圧延材Wcの通材状態が良好である判定される。
Figure 0006091283
以上述べた本発明の倒れこみ検出装置10を用いて、圧延材Wの倒れこみを検出する方法、言い換えれば圧延材Wの通材状態の良否を判定する方法について、説明する。
まず、倒れこみ検出装置10は、プロファイル測定手段11を用いて、捻転装置8から送り出された測定対象の圧延材Wのプロファイル形状を測定する。
圧延材Wの上方の備えられたプロファイル測定手段11は、測定対象の圧延材Wに対してレーザ光を照射し、圧延材Wから反射したレーザ光を集光する。集光されたレーザ光を受光素子へと結像し、その受光素子を基に圧延材Wのプロファイル形状(図5(a)参照)を求める。このようにして求められた圧延材Wのプロファイル形状の情報を特徴点算出手段12に送る。
特徴点算出手段12は、送られた圧延材Wのプロファイル形状を基に、プロファイル形状の頂点Xの位置情報と曲率ピーク点X’(特徴点)の位置情報とを算出する。
まず、プロファイル形状の頂点Xの位置情報を求める。プロファイル測定手段11のヘ
ッド部11aから測定対象の圧延材Wまでのレーザ光の距離が最も短い点を読み取り、その点をプロファイル形状の頂点Xとし、この点を位置情報として倒れこみ検出装置10に記憶する(図5(a)参照)。
次に、圧延材Wのプロファイル形状上に存在する複数のピーク点Xpのうち、x座標の値が小さい点であるプロファイル形状の曲率ピーク点X’ の位置情報を求める。特徴点算出手段12は、プロファイル形状の測定結果に式(1)に適用し、曲率kを算出する(図5(b)参照)。そして、算出された曲率kのうち、曲率kがピークを持つ点Xpを求め、複数のXpのうちx座標の値が最も小さい(または大きい)点である曲率ピーク点X’を算出する。
圧延材Wのプロファイル形状上に存在するピーク点Xpのうち、1点選び、その点が曲率ピーク点X’であるか否かを判断する。判断するにあたって、選択した1点とその点に隣接する4点とを比較する。これら5点のうち、曲率kの値が最小(絶対値が最大)となる点を検出する。続いて、この5点のうち、曲率kの値が最大(絶対値が最小)となる点を検出する。そして、この最大値と最小値との差を算出する。この差の絶対値が、予め設定された値β(βは任意の数値)以上、かつ検出されたピーク点Xpのうち最も小さい(または大きい)値の場合は、n点を曲率ピーク点X’と判断する。このようにして求められたプロファイル形状の頂点Xと曲率ピーク点X’の位置情報を判定手段13に送る。
判定手段13は、プロファイル形状の頂点Xの位置情報と、プロファイル形状の曲率ピーク点X’ の位置情報と、の差の絶対値αを算出し(|X−X’|=α)、この値を圧延材Wの倒れこみを判定するための判定値αとする。
算出した判定値αと予め設定されている閾値αzとを比較する。比較した結果、判定値αと閾値αzとの差が大きい、つまり判定値αと閾値αzとが近似した値、乃至は同じ数値ではない場合、圧延材Wは倒れこんでいると判定する。
ゆえに、判定手段13は、圧延材Wの通材状態が良好ではないと判定し、圧延材Wの倒れこみを修正する必要があるとオペレータに警報として通達する。
以上述べたように、本発明の倒れこみ検出装置10及び倒れこみ方法を用いることで、圧延機6で条鋼を製造するに際して、精度よく且つ定常的に圧延材Wの倒れこみを検出して、圧延材Wの通材状態の良否を確実に判定することができる。そして、この判定結果を基に、通材中の圧延材Wの倒れこみを修正することで、条鋼を製造する際に発生する圧延材Wの疵や圧延機6のミスロール防止することが可能である。その結果、圧延材Wの通材状態を良好に維持することができるという効果をもたらす。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 圧延設備
2 粗列圧延装置
3 中間列圧延装置
3a 第1中間列圧延装置
3b 第2中間列圧延装置
4 仕上げ列圧延装置
5 巻き取り装置
6 圧延機(圧延スタンド)
7 ワークロール
8 捻転装置(ツイスタ)
9 ツイストローラ
10 倒れこみ検出装置
11 プロファイル測定手段
11a ヘッド部
12 特徴点算出手段
13 判定手段
W 圧延材
Wa 基準となる圧延材
Wb 測定対象となる圧延材
Wc 移動した圧延材
X 頂点
X’ 曲率ピーク点
Xp ピーク点

Claims (4)

  1. 圧延材を圧延する上下一対のワークロールを有する圧延機と、前記圧延機の出側に配備され、且つ前記圧延材を周方向に回転させながら下流側の圧延機に送る捻転装置とを有した圧延設備に備えられて、前記捻転装置から送り出された圧延材の倒れこみを検出する倒れこみ検出装置であって、
    前記圧延材は、断面が略楕円形状であって、当該圧延材の外周面における曲率がピークとなる点を少なくとも1つ以上有する輪郭形状を備えており、
    前記倒れこみ検出装置は、前記捻転装置の出側にて前記圧延材のプロファイル形状を測定するプロファイル測定手段と、
    前記プロファイル測定手段で得られたプロファイル形状を基に、当該プロファイル形状の頂点及びプロファイル形状の曲率ピーク点を求める特徴点算出手段と、
    前記特徴点算出手段で算出された頂点の位置と前記曲率ピーク点の位置との差の絶対値である判定値と、予め設定されている閾値とが近似した値乃至は同じ数値ではない場合、前記圧延材が倒れこんでいると判定する判定手段と、を有する
    ことを特徴とする倒れこみ検出装置。
  2. 前記プロファイル測定手段は、略楕円形状の断面を有する圧延材の長径の延長線上に配備されていることを特徴とする請求項1に記載の倒れこみ検出装置。
  3. 前記圧延材の断面外周面は、2つの放物曲線を有する楕円形状で構成され、前記断面外周面には、一の放物曲線と他の放物曲線とが交わり、且つ圧延材の外周面における曲率がピークとなる点が存在していて、
    前記曲率がピークとなる点が、前記プロファイル形状の曲率ピーク点に対応するものとなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の倒れこみ検出装置。
  4. 圧延材を圧延する上下一対のワークロールを有する圧延機と、前記圧延機の出側に配備され、且つ前記圧延材を周方向に回転させながら下流側の圧延機に送る捻転装置とを有した圧延設備において、前記捻転装置から送り出された圧延材の倒れこみを検出する倒れこみ検出方法であって、
    前記圧延材は、断面が略楕円形状であって、当該圧延材の外周面における曲率がピークとなる点を少なくとも1つ以上有する輪郭形状を備えているものとされ、
    前記捻転装置の出側にて前記圧延材のプロファイル形状を測定するプロファイル測定工程と、
    前記プロファイル測定工程で得られたプロファイル形状を基に、当該プロファイル形状の頂点及びプロファイル形状の曲率ピーク点を求める特徴点算出工程と、
    前記特徴点算出工程で算出された頂点の位置と前記曲率ピーク点の位置との差の絶対値である判定値と、予め設定されている閾値とが近似した値乃至は同じ数値ではない場合、前記圧延材が倒れこんでいると判定する判定工程と、を有する
    ことを特徴とする倒れこみ検出方法。
JP2013064023A 2013-03-26 2013-03-26 倒れこみ検出装置、及び倒れこみ検出方法 Expired - Fee Related JP6091283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013064023A JP6091283B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 倒れこみ検出装置、及び倒れこみ検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013064023A JP6091283B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 倒れこみ検出装置、及び倒れこみ検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014190731A JP2014190731A (ja) 2014-10-06
JP6091283B2 true JP6091283B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=51837137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013064023A Expired - Fee Related JP6091283B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 倒れこみ検出装置、及び倒れこみ検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6091283B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5682407A (en) * 1979-12-10 1981-07-06 Nippon Steel Corp Measuring instrument of strip material torsion
JPS60127018A (ja) * 1983-12-12 1985-07-06 Kobe Steel Ltd 圧延材の姿勢検知誘導方法
JPH05126539A (ja) * 1991-10-31 1993-05-21 Kawasaki Steel Corp 被圧延材の捻転検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014190731A (ja) 2014-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9399246B2 (en) Methods and apparatus for monitoring and conditioning strip material
WO2007015484A1 (ja) 管のきず検出装置及び方法
JP4862771B2 (ja) 圧延中鋼板のキャンバー量の算出方法及び鋼板の製造方法
JP4697605B2 (ja) 管の定径圧延制御方法及び定径圧延制御装置
JP5994937B2 (ja) 板材の平坦度測定方法、板材の平坦度測定装置及び鋼板の製造方法
TWI732455B (zh) 用於矯直線材或帶狀材料的方法與裝置
US20130158699A1 (en) Method for monitoring the manufacturing process of hot-manufactured tubes made from steel
CN106914496B (zh) 带钢偏差控制装置
JP6091283B2 (ja) 倒れこみ検出装置、及び倒れこみ検出方法
KR20170076858A (ko) 압연 소재의 평탄 유지 장치 및 방법
US20150027186A1 (en) Plant to control the section area of a rolled product and corresponding method
JP2010110789A (ja) 鋼板採取可否判断方法
JP2018065190A (ja) 鋼板形状の矯正装置、矯正方法、および、鋼板の連続酸洗装置
JP4288757B2 (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP7338732B1 (ja) ロール情報算出装置、ロール情報算出方法、圧延設備の調整方法、及び丸棒製品の製造方法
WO2024042936A1 (ja) 冷間圧延方法及び冷間圧延設備
JP7222415B2 (ja) 熱間圧延鋼帯の蛇行量測定装置及び熱間圧延鋼帯の蛇行量測定方法
JP7209013B2 (ja) 油圧式のロール調整装置を備えた傾斜圧延機
KR101525536B1 (ko) 연속 소둔로 내에서의 강판의 속도제어장치 및 이를 포함하는 사행보정시스템
KR100711403B1 (ko) 선재 사상압연 구간에서 선재의 장력 측정장치
KR101448601B1 (ko) 조압연 소재 단면적 측정 시스템 및 조압연 장치의 롤 갭 조정 시스템
JPH0938706A (ja) 縞鋼板の板厚制御方法
RU2004103226A (ru) Способ непрерывной холодной прокатки полосы с натяжением
JPH0532130B2 (ja)
JP2011020124A (ja) 条鋼圧延材の圧延方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6091283

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees