JP6091241B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置、冷蔵庫又は冷凍機等の冷凍サイクルに用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
一般に、密閉型圧縮機の圧縮機構部を構成するシリンダと端板との間は、ボルトによって締結されている。しかしながら、ボルト締結を用いた場合、シリンダや端板に歪みが生じやすいため、発生し得る歪みの大きさを超える隙間を圧縮室内に設ける必要がある。これにより、圧縮行程中に圧縮室から吸入室への冷媒漏れが多量に発生するため、漏れ損失の増大により圧縮機の体積効率が低下してしまうという問題点が生じる。特に、小型化された圧縮機では、各構成部品の寸法が小さいため歪みの影響が大きくなりやすい。したがって、小型で高効率の圧縮機を実現することは困難であった。
上記の問題点に対し、特許文献1には、シリンダと主端板とが接着剤によって固定される密閉型圧縮機が開示されている。同文献には、シリンダと主端板とを接着剤によって固定することにより、ボルトによる締結に比べて締結歪みが緩和され、また部品点数を減らすことができることが記載されている。
また、特許文献2には、ロータリー圧縮機を組み立てるときに、シリンダと前部側板及び後部側板との接触面であるシリンダの開口端面全周にシアノアクリレート系接着剤を塗布し、前部側板及び後部側板とシリンダとを接着し、固定支持部を圧縮室の組立てと同時に形成することが開示されている。同文献には、このような組立て方法により、前部側板及び後部側板とシリンダとがロータの半径方向に相対移動しないようになり、ロータリー圧縮機の体積効率の低下やロック等による信頼性の低下を防止できることが記載されている。
特開2009−281220号公報(第2−3頁、図1) 特開2000−303974号公報(第2−4頁、図4、5) 特開2007−187037号公報(第5−6頁、図1、3、4)
しかしながら、特許文献1に記載された密閉型圧縮機の構成では、接着剤を塗布する量や塗布する場所を厳密に管理しなければ、シリンダと主端板とを組み合わせる際に余剰の接着剤がシリンダの内部に漏れ出してしまう。シリンダの内部に接着剤が漏れ出してしまうと、シリンダの内部に配置されるローリングピストンの摺動が阻害される場合がある。また、ローリングピストンとシリンダの内壁面との間の隙間が大きくなり、漏れ損失が増大して圧縮機の体積効率が著しく低下する場合がある。さらに、最悪の場合には、ローリングピストンが駆動できずに圧縮機が停止してしまうことがある。
また、特許文献2に記載されたロータリー圧縮機では、接着剤で形成された固定支持部は、前部側板及び後部側板とシリンダとがロータの半径方向に相対移動することを防ぐためのものであり、前部側板及び後部側板とシリンダとの固定はボルト締結によっても行われている。したがって、前部側板及び後部側板やシリンダにはやはりボルト締結による歪みが生じるため、漏れ損失の増大により圧縮機の体積効率が低下してしまうという上記の問題点を解決することは困難である。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、漏れ損失を低減し、体積効率を向上させることができる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係る密閉型圧縮機は、密閉容器内に収容され、冷媒を圧縮する圧縮室が内部に形成されるシリンダと、前記シリンダの軸方向両端のうち少なくとも一方に配置され、環状の当接領域を介して前記シリンダと当接する端板と、前記当接領域における前記シリンダ側の表面及び前記端板側の表面の少なくとも一方に形成された溝部と、を有し、前記シリンダと前記端板とは、接着剤によって固定されており、硬化した前記接着剤は、前記当接領域のうちの前記溝部よりも外周側と、前記溝部の内部と、に存在していることを特徴とするものである。
本発明によれば、当接領域に溝部が形成されているため、溝部よりも外周側の領域に接着剤を塗布することにより、接着剤のうち内周側に押し流された余剰分を溝部に流入させることが可能である。これにより、接着剤がシリンダ内に漏れ出すことを防ぐことができるため、密閉型圧縮機の漏れ損失を低減し、体積効率を向上させることができる。また本発明によれば、シリンダと端板との間が接着剤のみによって固定されているため、ボルト締結に起因する歪みを防ぐことができる。これにより、密閉型圧縮機の漏れ損失を低減し、体積効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係るロータリー圧縮機1の概略構成を示す縦断面図である。 図1のA部を拡大して示す概略の断面図である。 本発明の実施の形態1に係るロータリー圧縮機1におけるシリンダ20の上端面20aの部分的な平面構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るロータリー圧縮機1における溝部の構成の変形例を示す図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係るロータリー圧縮機(密閉型圧縮機の一例)1について説明する。図1は、本実施の形態に係るロータリー圧縮機1の概略構成を示す縦断面図である。ロータリー圧縮機1は、例えば、空気調和装置、冷蔵庫、冷凍機、自動販売機、給湯器等に用いられる冷凍サイクルの構成要素の一つとなるものである。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
図1に示すロータリー圧縮機1は、流体(例えば、冷凍サイクルを循環する冷媒)を吸入し、その流体を圧縮して高温高圧の状態として吐出するものである。ロータリー圧縮機1は、圧縮機構部10と、この圧縮機構部10を駆動する電動機部50とを有している。圧縮機構部10及び電動機部50は、密閉容器60内に収容されている。密閉容器60の底部には、不図示の潤滑油が貯留されている。潤滑油としては、ナフテン油、パラフィン油若しくはアルキルベンゼン油を含む天然系の油、ポリエーテル系油若しくはポリオールエステル系油を含む合成油、又は上記天然系の油と上記合成油とを混合した混合油が用いられる。電動機部50は、固定子51と回転子52とを備えている。回転子52には、クランク軸53が嵌入されている。クランク軸53には、当該クランク軸53の回転軸からずれた位置に中心軸を有する偏心部54が形成されている。
圧縮機構部10は、円筒状の開口部を内側に備えたシリンダ20と、シリンダ20の軸方向上端(シリンダ20の上端面側)に配置された主端板30と、シリンダ20の軸方向下端(シリンダ20の下端面側)に配置された補助端板40と、を有している。主端板30及び補助端板40は、クランク軸53の軸受を兼ねている。主端板30の上面には、圧縮機構部10で圧縮されて吐出される冷媒の脈動を低減させる吐出マフラ35が取り付けられている。また圧縮機構部10は、偏心部54に嵌入されたローリングピストン25と、シリンダ20の内側を圧縮室と吸入室に仕切るベーン(図示せず)と、を有している。
シリンダ20には、クランク軸53が挿入されている。クランク軸53のうち偏心部54はシリンダ20内に配置されるようになっている。ローリングピストン25は、シリンダ20内で偏心回転運動可能となっている。
シリンダ20には、ベーンが摺動自在に挿入されている。ベーンは、例えばコイルばねで構成される付勢手段(図示せず)によってローリングピストン25に常時押接されている。ベーンは、シリンダ20とローリングピストン25との間に形成される空間を、圧縮室と吸入室に仕切る機能を有している。
また、ロータリー圧縮機1は、密閉容器60の外側に隣接して設けられ、外部(冷凍サイクルの蒸発器側)から流入した低圧冷媒を貯留して当該冷媒を気液分離するアキュムレータ63と、アキュムレータ63内の冷媒ガスをシリンダ20内の圧縮室に導く吸入管61と、圧縮室で圧縮されて密閉容器60内の空間に吐出された高圧冷媒を外部(冷凍サイクルの凝縮器側)に吐出する吐出管62と、を有している。
本実施の形態では、R22等のHCFC、R410AやR32等のHFC、アンモニア又はヘリウムを含む冷媒が用いられる。これらは、二酸化炭素と比較して動作圧力の低い冷媒である。
このように構成されたロータリー圧縮機1では、回転子52が回転することで回転子52に嵌入されたクランク軸53が回転し、クランク軸53の回転に伴って偏心部54が回転する。偏心部54が回転することで、シリンダ20の内部でローリングピストン25が回転摺動する。つまり、ローリングピストン25は、シリンダ20の内壁に沿って回転する。
これにより、吸入管61から圧縮室に冷媒ガスが吸引され、ローリングピストン25、シリンダ20、ベーン、主端板30及び補助端板40によって仕切られた空間(圧縮室)の容積が徐々に減少し、圧縮室内の冷媒ガスが圧縮されるようになっている。圧縮された高圧冷媒ガスは、主端板30に設けられた吐出弁から吐出されて一旦吐出マフラ35内の空間に入り、吐出マフラ35に設けられた吐出孔から密閉容器60内に吐出され、その後、吐出管62から密閉容器60の外部に吐出される。
次に、本実施の形態におけるシリンダ20、主端板30及び補助端板40等の固定構造について、図1を参照しつつ図2及び図3を用いて説明する。図2は、図1のA部を拡大して示す概略の断面図である。図3は、シリンダ20の上端面20aの部分的な平面構成を示す図である。図3中の破線は、シリンダ20の上端面20aに当接する主端板30の下端面30aの概略の外形を表す外形線である。なお、図3では下端面30aの外形を円形としているが、下端面30aの外形は円形に限られない。
本実施の形態では、シリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間は、締結用のボルトを用いず、接着剤のみによって互いに固定されている。シリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間のそれぞれの接着強度(引張り接着強さ)は、例えば10MPa以上である。以下、シリンダ20と主端板30との間の当接領域の構成、及びシリンダ20と主端板30とを組み立てる工程を例に挙げて説明する。
シリンダ20の上端面20aと主端板30の下端面30aとは、当接領域100を介して互いに当接している。ここで、当接領域100は、シリンダ20の上端面20aのうち主端板30に当接する当接面20bと、主端板30の下端面30aのうちシリンダ20に当接する当接面30bと、を含むだけでなく、2つの当接面20b、30b間に形成され得る微小な空間を含む場合がある。当接領域100は、平面的に見ると、環状(本例では円環状)の形状を有している。当接領域100の内周端はシリンダ20の内壁面20cであり、当接領域100の外周端は下端面30aの外形線(図3中の破線)である。
シリンダ20の当接面20bには、矩形状の断面を有する溝部21が形成されている。溝部21は、内壁面20cの周囲を囲むように、当接領域100(当接面20b)の全周に亘って切れ目なく形成されている。溝部21の平面形状は環状(本例では円環状)である。溝部21は、当接領域100の内周端と外周端との間の中心部よりも内周端寄りに形成されている。溝部21は、当接領域100の内周端(シリンダ20の内壁面20c)の近傍に形成されるのが望ましい。例えば、溝部21は、当接領域100のうち、内周端からの距離が当該内周端から外周端までの距離の20%以下となる範囲内に形成されるのが望ましい。溝部21を当接領域100の内周端近傍に形成することによって、接着面となる外周部20b2(後述)の幅を相対的に広げることができるため、シリンダ20と主端板30との間の接着強度を高めることができる。
当接面20bは、溝部21が形成されていることによって、溝部21よりも内周側に位置する環状の内周部20b1と、溝部21よりも外周側に位置する環状の外周部20b2とに分割される。溝部21は内周端寄りに形成されているため、外周部20b2の径方向の幅は、内周部20b1の径方向の幅よりも広くなっている。
シリンダ20と主端板30とを組み立てる際、接着剤は主に外周部20b2に塗布される。このため外周部20b2は、主端板30の当接面30bと接着される接着面となる。また溝部21は、外周部20b2に塗布された接着剤のうち、シリンダ20の当接面20bと主端板30の当接面30bとの当接により内周側に押し流された余剰分を流入させ、当該余剰分を捕捉できるようになっている。すなわち溝部21は、余剰の接着剤を収容する接着剤溜まりとして機能する。
本例において、溝部21の幅W1は、当接面20bの外周部20b2の幅の5%〜10%である。当接面20bの内周部20b1の幅は、溝部21の幅W1と同程度かそれより狭いことが望ましい。内周部20b1の幅を狭くすることにより、接着面となる外周部20b2の幅を相対的に広げることができるため、シリンダ20と主端板30との間の接着強度を高めることができる。溝部21の深さD1は、幅W1よりも大きいことが望ましい。溝部21の深さD1を大きくすることによって、捕捉可能な接着剤の量を多くすることができる。
シリンダ20と主端板30とを組み立てる工程では、まず、主に外周部20b2(又は主端板30の当接面30bのうち外周部20b2と当接する部分)に接着剤を塗布する。このとき、接着剤は、シリンダ20の開口部を囲むように外周部20b2の全周に塗布することが望ましい。本実施の形態では、余剰の接着剤を溝部21で捕捉できるため、接着剤を塗布する量や塗布する場所はさほど厳密に管理する必要はない。また接着剤は、外周部20b2に加えて、溝部21(又は主端板30の当接面30bのうち溝部21と対向する部分)に塗布するようにしてもよい。
本実施の形態では、接着固定後のシリンダ20と主端板30との間で10MPa以上の接着強度が得られる接着剤が用いられる。
また、本実施の形態で用いられる接着剤は、冷媒(本例では、HCFC、HFC、アンモニア又はヘリウム等)に対する所定の耐性を有している。ここで、冷媒に対する所定の耐性とは、ロータリー圧縮機1の製品寿命(例えば、10〜15年)に亘って上記冷媒が用いられた環境下で使用されても、必要な接着強度(例えば10MPa)を下回らないことをいう。
また、本実施の形態で用いられる接着剤は、潤滑油(本例では、ナフテン油、パラフィン油若しくはアルキルベンゼン油を含む天然系の油、ポリエーテル系油若しくはポリオールエステル系油を含む合成油、又は上記天然系の油と上記合成油とを混合した混合油)に対する所定の耐性を有している。ここで、潤滑油に対する所定の耐性とは、ロータリー圧縮機1の製品寿命に亘って上記潤滑油が用いられた環境下で使用されても、必要な接着強度を下回らないことをいう。
また、本実施の形態で用いられる接着剤は、100〜200℃の温度環境に対する所定の耐性を有している。ここで、温度環境に対する所定の耐性とは、ロータリー圧縮機1の製品寿命に亘って上記温度環境下で使用されても、必要な接着強度を下回らないことをいう。
また、本実施の形態で用いられる接着剤は、常温以上200℃以下、大気圧以上2MPa以下の加圧加温によって硬化するものである。接着剤を硬化させるときの圧力は、できるだけ低いことが望ましい。
以上のような特性を有する接着剤の一例として、フェノール樹脂系の接着剤がある。
接着剤を塗布した後、シリンダ20の上端面20a(当接面20b)と、主端板30の下端面30a(当接面30b)とを当接させ、シリンダ20と主端板30とを組み合わせる。このとき、上端面20aと下端面30aとの当接により、外周部20b2に塗布された接着剤の余剰分が内周側及び外周側に押し流される場合がある。外周部20b2から内周側に押し流された接着剤は、溝部21に流入して捕捉される。これにより、接着剤がシリンダ20内の空間に漏れ出すことを防ぐことができる。なお、外周部20b2から外周側に押し流された接着剤はシリンダ20及び主端板30の外側に漏れ出す場合があるが、接着剤がシリンダ20及び主端板30の外側に漏れ出すことは問題点とならないことが多い。接着剤が外側に漏れ出すことが問題点となり得る場合には、シリンダ20の当接面20bのうちの外周寄りにも溝部を形成し、その溝部と溝部21との間の領域に接着剤を塗布するようにしてもよい。
シリンダ20と主端板30とを組み合わせた後、接着剤を硬化させる工程(本例では、常温以上200℃以下、大気圧以上2MPa以下で加圧加温する工程)を経て、シリンダ20と主端板30との組立てが完了する。本実施の形態では、シリンダ20と主端板30との間は、締結用のボルトを用いずに接着剤のみにより固定されるため、組立て工程を簡略化することができる。
以上、シリンダ20と主端板30との間の当接領域100(シリンダ20の上端面20a)に形成された溝部21について説明したが、シリンダ20と補助端板40との間の当接領域(シリンダ20の下端面20d)にも、溝部21と同様の構成を有する溝部22が溝部21と同様の位置に形成されている。また、シリンダ20と補助端板40とを組み立てる工程では、シリンダ20と主端板30とを組み立てる工程と同様に、接着剤は、シリンダ20の下端面20d(当接面)のうち、主に溝部22よりも外周側の領域(又は補助端板40の上端面40aのうち当該領域と当接する部分)に塗布される。溝部22は、塗布された接着剤のうち内周側に押し流される余剰分を流入させて捕捉できるようになっている。
また本実施の形態では、主端板30と吐出マフラ35との間も、締結用のボルトを用いず、接着剤のみによって互いに固定されている。主端板30と吐出マフラ35との間の当接領域には溝部が形成されていないが、主端板30と吐出マフラ35との間の当接領域にも溝部を形成するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、シリンダ20と主端板30との当接領域100(シリンダ20の当接面20b)に溝部21が形成されている。また、接着剤は、溝部21よりも外周側の外周部20b2に塗布されるようになっている。これにより、塗布された接着剤のうち、シリンダ20と主端板30とを当接させることによって内周側に押し流される余剰分を溝部21に流入させることが可能である。したがって、圧縮室となるシリンダ20内の空間に接着剤が漏れ出すことを防ぐことができるため、ロータリー圧縮機1の漏れ損失を低減でき、体積効率を向上させることができる。シリンダ20と補助端板40との当接領域に形成された溝部22によっても同様の効果が得られる。
また本実施の形態では、シリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間が接着剤のみによって固定されている。ボルト締結の場合には部材同士を点で固定するのに対し、接着剤による固定の場合には部材同士を面で固定することができる。このため、シリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間を接着剤のみによって固定することにより、ボルト締結のみによって固定する場合又はボルト締結と接着剤との併用によって固定する場合のいずれと比較しても、圧縮機構部10の歪みを防ぐことができる。これにより、ロータリー圧縮機1の漏れ損失を低減でき、体積効率を向上させることができる。
また、本実施の形態のロータリー圧縮機1では高い体積効率が得られるため、ロータリー圧縮機1を冷凍サイクルに用いることによって、空気調和装置、冷蔵庫、冷凍機、自動販売機、給湯器等の省エネルギー化を実現することができる。
また本実施の形態によれば、シリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間をボルトによって締結する工程が不要となるため、ロータリー圧縮機1の製造工程を簡略化できる。また、締結用のボルトが不要となるため、ロータリー圧縮機1の部品点数を削減することができる。
また本実施の形態によれば、余剰の接着剤を捕捉する溝部21、22が形成されているため、溝部21、22又はその外周部に接着剤を塗布しさえすれば、接着剤を塗布する量や塗布する場所を厳密に管理する必要がない。したがって、接着剤を塗布する工程を簡略化することができる。また、接着剤を多めに塗布してもシリンダ20内の空間に接着剤が漏れ出すことを防ぐことが容易であるため、シリンダ20と主端板30及び補助端板40とを強固に接着することができる。これにより、シリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間を接着剤のみによって固定するのが容易になる。さらに、接着剤を溝部21、22又はその外周部の全周に塗布しているため、シリンダ20内の空間のシール性を確保することができる。
また本実施の形態では、接着剤がシリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間をそれぞれ10MPa以上の接着強度で固定している。これにより、シリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間を接着剤のみによって固定するのが容易になる。
また本実施の形態では、溝部21、22が当接領域100の内周端と外周端との中心部よりも内周端寄りに形成されている。これにより、接着面となる外周部20b2の幅を広くすることができ、接着面積を大きく確保することができるため、シリンダ20と主端板30及び補助端板40との接着強度を高めることができる。特に、溝部21、22が当接領域100の内周端近傍(例えば、当接領域100の内周端からの距離が当該内周端から外周端までの距離の20%以下となる範囲内)に形成されている場合には、接着面積をより大きく確保でき、シリンダ20と主端板30及び補助端板40との接着強度をより高めることができる。
また本実施の形態では、溝部21、22が当接領域100の全周に亘って切れ目なく形成されている。このため、溝部21、22によって、内周側に押し流された接着剤の余剰分を全周に亘って捕捉することができる。
また本実施の形態では、シリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間に加えて、主端板30と吐出マフラ35との間も接着剤のみによって固定されている。このため、ボルト締結に起因して生じていた圧縮機構部10の歪みをほぼ完全に解消することができる。これにより、ロータリー圧縮機1の漏れ損失をさらに低減でき、体積効率をさらに向上させることができる。また、ロータリー圧縮機1の製造工程をさらに簡略化できるとともに、ロータリー圧縮機1の部品点数をさらに削減できる。
ここで、本実施の形態のロータリー圧縮機1が動作する際には、高圧となっているシリンダ20内(圧縮室内)から主端板30及び補助端板40に向かって軸方向の力が作用することになる。例えば、二酸化炭素のように動作圧力が高圧となる冷媒を使用した場合には、この力が非常に大きくなる。このため、シリンダ20と主端板30又は補助端板40との間の接着強度が不足すると、シリンダ20と主端板30又は補助端板40とが剥離してしまうおそれがある。これを防止するためには、シリンダ20と主端板30との間の当接領域100、及びシリンダ20と補助端板40との間の当接領域を広くして接着面積を十分に大きくし、上記の力に耐え得る接着力を確保する必要がある。ところがこの場合、ロータリー圧縮機1全体の大きさが非常に大きくなってしまい、実用的な製品として使用することが困難になってしまうおそれがある。
この問題点を解決するため、本実施の形態では冷媒として、二酸化炭素と比較して動作圧力が低い、HCFC、HFC、アンモニア又はヘリウム等が用いられている。このため、シリンダ20と主端板30との間、及びシリンダ20と補助端板40との間を、それぞれ10MPa以上の接着強度が得られる接着剤で接着することにより、各当接領域の大きさを実用的な寸法範囲内に収めることができる。これにより、従来のロータリー圧縮機から寸法を変更することなく、体積効率の高いロータリー圧縮機1を得ることができる。
図4(a)、(b)は、本実施の形態における溝部の構成の変形例を示している。図4(a)に示す変形例では、溝部121は、略正方形の環状(枠状)の平面形状を有している。図4(a)に例示するように、溝部の平面形状は、多角形(例えば正多角形)の枠状やその他の形状であってもよい。
図4(b)に示す変形例では、溝部122a〜122dは、全体として概ね円環状の平面形状を有しているが、部分的に途切れて形成されている。溝部122a〜122dのそれぞれは、四半円弧状の平面形状を有している。図4(b)に例示するように、溝部は、必ずしも当接領域100の全周に亘って切れ目なく形成されている必要はなく、部分的に途切れて形成されていてもよい。
その他の実施の形態.
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば上記実施の形態では、シリンダ20と主端板30との間の当接領域100、及びシリンダ20と補助端板40との間の当接領域のそれぞれにおいて、シリンダ20側の端面(上端面20a、下端面20d)に溝部21、22が形成された例を挙げたが、主端板30の下端面30aや補助端板40の上端面40aに溝部が形成されていてもよい。また、シリンダ20の上端面20a及び主端板30の下端面30aの双方に溝部が形成されていてもよいし、シリンダ20の下端面20d及び補助端板40の上端面40aの双方に溝部が形成されていてもよい。
また上記実施の形態では、溝部21、22の幅が均一に形成された例を挙げたが、溝部の幅は不均一であってもよい。例えば、当接領域100の形状が円環状でない場合には、外周部20b2への接着剤の塗布量が周方向で不均一となることがある。この場合、接着剤の塗布量が相対的に多くなる部分の近傍では、溝部の幅を他の部分よりも広くしてもよい。
また上記実施の形態では、矩形状の断面を有する溝部21、22を例に挙げたが、溝部の断面形状は、半円状、三角形状等の他の形状であってもよい。
また上記実施の形態では、吐出マフラ35が主端板30のみに設けられた例を挙げたが、吐出マフラは、主端板30及び補助端板40の双方、又は補助端板40のみに設けられていてもよい。
また上記実施の形態では、1つのシリンダを備えたロータリー圧縮機1を例に挙げたが、2つ以上のシリンダを備えたロータリー圧縮機にも適用可能である。
また、上記実施の形態ではロータリー式の密閉型圧縮機を例に挙げたが、ロータリー式以外の密閉型圧縮機にも適用可能である。
また上記の各実施の形態や変形例は、互いに組み合わせて実施することが可能である。
1 ロータリー圧縮機、10 圧縮機構部、20 シリンダ、20a 上端面、20b 当接面、20b1 内周部、20b2 外周部(接着面)、20c 内壁面、20d 下端面、21、22、121、122a〜122d 溝部、25 ローリングピストン、30 主端板、30a 下端面、30b 当接面、35 吐出マフラ、40 補助端板、40a 上端面、50 電動機部、51 固定子、52 回転子、53 クランク軸、54 偏心部、60 密閉容器、61 吸入管、62 吐出管、63 アキュムレータ、100 当接領域。

Claims (9)

  1. 密閉容器内に収容され、冷媒を圧縮する圧縮室が内部に形成されるシリンダと、
    前記シリンダの軸方向両端のうち少なくとも一方に配置され、環状の当接領域を介して前記シリンダと当接する端板と、
    前記当接領域における前記シリンダ側の表面及び前記端板側の表面の少なくとも一方に形成された溝部と、を有し、
    前記シリンダと前記端板とは、接着剤によって固定されており、
    硬化した前記接着剤は、前記当接領域のうちの前記溝部よりも外周側と、前記溝部の内部と、に存在していること
    を特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 前記溝部は、前記当接領域の内周端と外周端との間の中心部よりも前記内周端寄りに形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記溝部は、前記当接領域の全周に亘って切れ目なく形成されていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記接着剤は、前記シリンダと前記端板とを10MPa以上の接着強度で固定するものであること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記端板に取り付けられ、前記圧縮室で圧縮された前記冷媒の脈動を低減させる吐出マフラをさらに有し、
    前記吐出マフラは、前記端板に接着剤によって固定されていること
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  6. 前記冷媒は、HCFC、HFC、アンモニア又はヘリウムを含んでおり、
    前記接着剤は、前記冷媒に対する所定の耐性を有していること
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  7. 前記接着剤は、ナフテン油、パラフィン油若しくはアルキルベンゼン油を含む天然系の油、ポリエーテル系油若しくはポリオールエステル系油を含む合成油、又は前記天然系の油と前記合成油とを混合した混合油に対する所定の耐性を有していること
    を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  8. 前記接着剤は、100〜200℃の環境に対する所定の耐性を有し、常温以上200℃以下、大気圧以上2MPa以下の加圧加温によって硬化するものであること
    を特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  9. 密閉容器内に収容され、冷媒を圧縮する圧縮室が内部に形成されるシリンダと、
    前記シリンダの軸方向両端のうち少なくとも一方に配置され、環状の当接領域を介して前記シリンダと当接する端板と、
    前記当接領域における前記シリンダ側の表面及び前記端板側の表面の少なくとも一方に形成された溝部と、を有する密閉型圧縮機を製造する方法であって、
    前記シリンダと前記端板とは、接着剤によって固定され、
    前記接着剤は、前記当接領域となる領域のうち前記溝部よりも外周側に塗布される密閉型圧縮機の製造方法。
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