JP6170426B2 - スクロール型圧縮機構 - Google Patents

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Description

本発明は、スクロール型圧縮機構に関する。
従来、平板状の基板部、および基板部から回転軸方向へ突出する渦巻き状の歯部を有する一対のスクロールを備えるスクロール型圧縮機構が知られている。この種のスクロール型圧縮機構では、双方のスクロールの歯部同士を噛み合わせた状態で、一方のスクロールを他方のスクロールに対して旋回(公転運動)させることによって、歯部同士の間に形成される作動室の容積を変化させる。
例えば、特許文献1には、スクロールの歯部を樹脂にて形成したスクロール型圧縮機構が開示されている。より詳細には、この特許文献1のスクロール型圧縮機構では、基板部に渦巻き状の溝部を形成し、この溝部に樹脂製の歯部を回転軸方向へ摺動変位可能に嵌め込むことによってスクロールを構成している。
これにより、特許文献1のスクロール型圧縮機構では、スクロールの軽量化を図るとともに、作動室の内圧によって一方のスクロールの歯部を他方のスクロールの基板部へ押しつけるように変位させて作動室の気密性を向上させようとしている。
特開平10−213081号公報
ところが、樹脂製の歯部を有するスクロールでは、歯部同士の間に形成される作動室の内圧が上昇するに伴って歯部が変形してしまいやすい。さらに、特許文献1のスクロール型圧縮機構のように、樹脂製の歯部を基板部の溝部に回転軸方向へ摺動変位可能に嵌め込む構成では、歯部の変位によって歯部の変形量も変化しやすい。
そして、歯部の変形量が変化してしまうと、作動室を適切に区画するために必要な歯部の側面同士の平行度や、歯部と基板部との直角度を確保できなくなってしまうことがある。その結果、特許文献1のスクロール型圧縮機構では、作動室の気密性を充分に向上させることができなくなってしまい、スクロール型圧縮機構として流体を圧縮することができなくなってしまうおそれがある。
本発明は、上記点に鑑み、少なくとも一部の構成部材が樹脂で形成されたスクロール型圧縮機構の剛性を向上させることを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、請求項1に記載の発明では、平板状の基板部(21a、22a)、および基板部(21a、22a)から突出する渦巻き状の歯部(21b、22b)を有する一対の第1、第2スクロール(21、22)を備え、第1、第2スクロール(21、22)の歯部(21b、22b)同士を噛み合わせた状態で、第1スクロール(21)を第2スクロール(22)に対して旋回させることによって、歯部(21b、22b)同士の間に形成される作動室(V)の容積を変化させるスクロール型圧縮機構であって、
第1、第2スクロール(21、22)のうち、少なくとも一方の基板部(21a、22a)および歯部(21b、22b)は、互いに別部材で形成されており、別部材で形成された基板部を専用基板部(21a)とし、別部材で形成された歯部を専用歯部(21b)としたときに、
専用基板部(21a)には、専用歯部(21b)の軸方向一端側が嵌め込まれる渦巻き状の溝部(21d)が設けられており、溝部(21d)に嵌め込まれた専用歯部(21b)は、軸方向他端側が他方のスクロール(22)の基板部(22a)に当接していることによって、第1スクロール(21)の回転軸の軸方向への変位が規制されており、さらに、専用歯部(21b)は、少なくとも一部が繊維強化樹脂で形成されており、専用歯部(21b)は、作動室(V)内の圧力が上昇した際に、少なくとも一部が溝部(21d)の内部で回転軸の径方向へ変位可能に溝部(21d)に嵌めこまれていることを特徴とする。
これによれば、専用基板部(21a)に対して別部材で形成された専用歯部(21b)の回転軸方向への変位が規制されているので、専用歯部(21b)が回転軸方向に変位することによる専用歯部(21b)の変形量の変化を抑制できる。さらに、専用歯部(21b)の少なくとも一部が繊維強化樹脂で形成されているので、通常の樹脂で形成されている場合よりも作動室(V)の内圧が上昇した際の専用歯部(21b)の変形を抑制できる。
従って、本請求項に記載の発明によれば、少なくとも一部の構成部材が樹脂で形成されたスクロール型圧縮機構の剛性を向上させることができる。その結果、スクロール(21、22)の軽量化を図ることができるとともに、樹脂にて形成された部位の変形によって作動室(V)の気密性が低下してしまうことを抑制できる。
また、請求項2に記載の発明では、平板状の基板部(21a、22a)、および基板部(21a、22a)から突出する渦巻き状の歯部(21b、22b)を有する一対の第1、第2スクロール(21、22)を備え、第1、第2スクロール(21、22)の歯部(21b、22b)同士を噛み合わせた状態で、第1スクロール(21)を第2スクロール(22)に対して旋回させることによって、歯部(21b、22b)同士の間に形成される作動室(V)の容積を変化させるスクロール型圧縮機構であって、
第1、第2スクロール(21、22)のうち、少なくとも一方の基板部(21a、22a)および歯部(21b、22b)は、互いに別部材で形成されており、別部材で形成された基板部を専用基板部(21a)とし、別部材で形成された歯部を専用歯部(21b)としたときに、
専用基板部(21a)には、専用歯部(21b)の軸方向一端側が嵌め込まれる渦巻き状の溝部(21d)が設けられており、溝部(21d)に嵌め込まれた専用歯部(21b)は、軸方向他端側が他方のスクロール(22)の基板部(22a)に当接していることによって、第1スクロール(21)の回転軸の軸方向への変位が規制されており、さらに、専用歯部(21b)は、少なくとも一部が繊維強化樹脂で形成されており、専用歯部(21b)は、作動室(V)内の圧力を上昇させた際に、少なくとも一部が回転軸の径方向へ変位可能に溝部(21d)に嵌めこまれており、さらに、専用歯部(21b)は、渦巻きの中心側を巻き始めとしたときに、巻き始めから予め定めた角度の範囲が金属で形成されており、金属で形成された部位よりも巻き方向の外周側の部位が繊維強化樹脂で形成されていることを特徴とする。
これによれば、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
なお、繊維強化樹脂は、母材としての樹脂の中に、強化材としての繊維を混ぜ込むことによって、強度を向上させた複合材料であり、FRP(強化材として炭素繊維を用いたものはCFRP)と記載されることもある。
また、この欄および特許請求の範囲に記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の圧縮機の軸方向断面図である。 第1実施形態の可動スクロールの分解斜視図である。 図1のX部の可動スクロールの拡大図である。 第2実施形態の可動スクロールの軸方向垂直断面図である。
(第1実施形態)
図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態では、本発明に係るスクロール型圧縮機構20を圧縮機1に適用している。さらに、本実施形態の圧縮機1は、車両用空調装置にて車室内へ送風される送風空気の温度を調整する蒸気圧縮式の冷凍サイクルに適用されており、この冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮して吐出する機能を果たす。
冷凍サイクルは、圧縮機1から吐出された高圧冷媒と外気とを熱交換させて高圧冷媒を放熱させる凝縮器、凝縮器にて放熱した冷媒を減圧させる膨張弁、膨張弁にて減圧された低圧冷媒と送風空気とを熱交換させて低圧冷媒を蒸発させる蒸発器、および圧縮機1等を冷媒配管等を介して環状に接続することによって構成されたものである。
また、本実施形態の冷凍サイクルでは、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。もちろん、冷媒としてHFO系冷媒(例えば、R1234yf)等を採用してもよい。さらに、冷媒には圧縮機1内の摺動部位を潤滑するための冷凍機油(オイル)が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
次に、圧縮機1の詳細構成について説明する。本実施形態の圧縮機1は、車両のエンジンルーム内に配置されており、電力を供給されることによって作動する電動圧縮機として構成されている。
より具体的には、圧縮機1は、図1に示すように、その外殻を形成するハウジング10の内部に、スクロール型圧縮機構20(以下、単に圧縮機構20と記載する。)、圧縮機構20を回転駆動する電動モータ30、および電動モータ30から圧縮機構20へ回転駆動力を伝達する駆動軸としてのシャフト25等を収容して構成されたものである。
なお、図1中の上下の各矢印は、圧縮機1を車両用空調装置に適用した(車両に搭載した)状態における上下の各方向を示している。従って、本実施形態の圧縮機1は、シャフト25の回転軸が水平方向に延びて、圧縮機構20と電動モータ30が水平方向に配置される、いわゆる横置きタイプとして構成されている。
ハウジング10は、複数の金属部材を組み合わせることによって構成された密閉容器構造のものである。より具体的には、本実施形態のハウジング10は、有底円筒状(カップ状)のフロントハウジング11、フロントハウジング11の内部に配置されてハウジング10の内部空間を区画するミドルハウジング12、フロントハウジング11の開口部側を閉塞するリアハウジング13等によって構成されている。
これらのフロントハウジング11、ミドルハウジング12、およびリアハウジング13は、圧入やボルト締め等の手段によって一体化されている。また、フロントハウジング11、ミドルハウジング12、およびリアハウジング13が互いに当接する当接部には、Oリング、ガスケット等からなるシール部材が介在されており、各当接部から冷媒が漏れることはない。
フロントハウジング11の軸方向一端側を形成する底面部11aには、ハウジング10の外部から低圧冷媒(具体的には、冷凍サイクルの蒸発器から流出した低圧冷媒)を吸入する吸入ポート11bが形成されている。この吸入ポート11bは、電動モータ30を収容するモータ側空間11cに連通しており、吸入ポート11bから吸入された低圧冷媒は、モータ側空間11cへ流入する。
さらに、フロントハウジング11の筒状部の外周側面には、略水平方向に広がる平坦面が形成されており、この平坦面には、電動モータ30へ電力を供給する駆動回路30aが取り付けられている。
電動モータ30は、フロントハウジング11の筒状部の内周側に配置されて、圧縮機構20を駆動するための回転駆動力を出力する。より具体的には、電動モータ30は、固定子をなすステータ31、および回転子をなすロータ32を有して構成されている。
ステータ31は、フロントハウジング11の筒状部の内周側面に固定されており、磁性材からなるステータコア31a、およびステータコア31aに巻き付けられたステータコイル31bによって構成されている。そして、駆動回路30aからステータコイル31bに電力が供給されると、ロータ32を回転させる回転磁界が発生する。
ロータ32は、永久磁石を有して構成されており、ステータ31の内周側に配置されている。さらに、ロータ32は、回転軸方向に延びる円筒状に形成されており、ロータ32の軸中心穴には、金属製のシャフト25が圧入によって固定されている。
シャフト25は、ロータ32よりも軸方向長さが長く形成されており、シャフト25の軸方向一端側の端部は、フロントハウジング11の底面部11aの略中心部に配置されたモータ側軸受け26aに回転可能に支持されている。一方、シャフト25の軸方向他端側(圧縮機構20側)は、略円板状に形成されたミドルハウジング12の略中心部に配置された圧縮機構側軸受け26bに回転可能に支持されている。
従って、ステータコイル31bに電力が供給されて回転磁界が発生すると、ロータ32およびシャフト25が一体となって回転する。なお、ミドルハウジング12は、その外周側面がフロントハウジング11の筒状部の内周側面に圧入されており、ハウジング10の内部空間を、電動モータ30を収容するモータ側空間11cおよび圧縮機構20を収容する圧縮機構側空間に区画している。
圧縮機構20は、それぞれ平板状の基板部、および基板部からシャフト25の軸方向へ突出する渦巻き状の歯部を有する一対のスクロールとしての可動スクロール21および固定スクロール22を備えている。
より詳細には、可動スクロール21は、円板状の可動側基板部21aおよび可動側基板部21aから固定スクロール22側へ向かって突出する可動側歯部21bを有している。固定スクロール22は、円板状の固定側基板部22aおよび固定側基板部22aから可動スクロール21側へ向かって突出する固定側歯部22bを有している。
さらに、本実施形態の可動側基板部21aおよび可動側歯部21bは、互いに別部材で形成されている。従って、本実施形態の可動側基板部21aおよび可動側歯部21bは、それぞれ、特許請求の範囲に記載された専用基板部および専用歯部を構成している。なお、可動スクロール21の詳細構成については後述する。
固定スクロール22は、固定側基板部22aの外周側面がフロントハウジング11の筒状部の内周側面に圧入されていることによって、フロントハウジング11に固定されている。可動スクロール21は、ミドルハウジング12と固定スクロール22との間に形成される空間に配置されている。
さらに、可動スクロール21および固定スクロール22は、それぞれの基板部21a、22aの板面が対向するように配置されているとともに、それぞれの歯部21b、22b同士が噛み合わされて、一方のスクロールの歯部の先端部が他方のスクロールの基板部に当接するように配置されている。
これにより、それぞれの歯部21b、22b同士が複数箇所で接触し、それぞれの歯部21b、22b同士の間には、回転軸方向から見たときに三日月形状に形成される作動室Vが複数個形成される。なお、図1では、図示の明確化のため、複数個の作動室Vのうち1つのみに符号を付しており、他の作動室については符号を省略している。
また、前述したシャフト25の軸方向他端側(圧縮機構20側)の端部には、シャフト25の回転中心に対して偏心した偏心部25aが形成されている。これに対して、可動スクロール21の可動側基板部21aのミドルハウジング12側の面の中心部には、シャフト25の偏心部25aが挿入される円筒状のボス部21cが形成されている。
さらに、可動スクロール21とミドルハウジング12との間には、可動スクロール21が偏心部25a周りに自転することを防止するピン−ホール式の自転防止機構27が設けられている。従って、シャフト25が回転すると、可動スクロール21は、偏心部25a周りに自転することなく、シャフト25の回転中心を公転中心として固定スクロール22に対して旋回(公転運動)する。
つまり、本実施形態では、可動スクロール21が特許請求の範囲に記載された第1スクロールを構成し、固定スクロール22が特許請求の範囲に記載された第2スクロールを構成している。
そして、この旋回(公転運動)により、前述した作動室Vが容積を減少させながら、回転軸回りに外周側から中心側へ変位する。さらに、本実施形態のミドルハウジング12には、最外周側に変位して最大容積となっている作動室Vとモータ側空間11cとを連通させる図示しない吸入側連通路が形成されている。
また、固定スクロール22の固定側基板部22aの中心部には、作動室Vで圧縮された冷媒を吐出する吐出穴22cが形成されている。吐出穴22cは、作動室Vで圧縮された高圧冷媒を流入させる吐出室13aに連通しており、吐出室13aには、冷媒が吐出穴22cを介して吐出室13a側から作動室V側へ逆流してしまうことを防止するリード弁28が配置されている。
吐出室13aは、固定スクロール22とリアハウジング13との間の空間によって形成されており、吐出室13aの冷媒流出口は、リアハウジング13の内部に形成されたオイルセパレータ40に連通している。
オイルセパレータ40は、圧縮機構20にて圧縮された高圧冷媒から冷凍機油を分離する機能を果たす。より具体的には、オイルセパレータ40は、リアハウジング13内に形成された鉛直方向(上下方向)に延びる円柱状空間40aの内部に、円柱状空間よりも小径のパイプ部材40bを配置することによって構成されている。
そして、このオイルセパレータ40では、吐出室13aから円柱状空間40a内へ流入した冷凍機油を含む高圧冷媒を、パイプ部材40bの周囲で旋回させ、遠心力の作用によって冷媒と冷凍機油とを分離している。
オイルセパレータ40にて分離された冷凍機油は、リアハウジング13、固定スクロール22、およびミドルハウジング12等に形成されたオイル通路40cを介して、圧縮機構20および電動モータ30の摺動部へ導かれる。一方、オイルセパレータ40にて分離された高圧冷媒は、リアハウジング13に形成されて高圧冷媒をハウジング10の外部へ吐出する吐出ポート13bへ導かれる。
次に、図2を用いて、本実施形態の可動スクロール21の詳細構成を説明する。前述の如く、本実施形態の可動スクロール21は、互いに別部材で構成された可動側基板部21aおよび可動側歯部21bによって形成されている。より具体的には、可動側基板部21aは金属(具体的には、アルミニウム合金)で形成されており、可動側歯部21bは炭素繊維強化樹脂にて形成されている。
可動側基板部21aには、可動側歯部21bの軸方向一端側が嵌め込まれる渦巻き状の溝部21dが設けられている。本実施形態では、可動側歯部21bが溝部21dに嵌め込まれると、渦巻き状に形成された可動側歯部21bの側面の数か所が溝部21dの側面に接触することによって、可動側歯部21bが溝部21dに係止される。従って、自重等によって可動側歯部21bが溝部21dから外れてしまうことはない。
これに対して、図3の拡大断面図に示すように、溝部21dの幅寸法Wは、可動側歯部21bの厚み寸法Tよりも大きく形成されているので、樹脂で形成された可動側歯部21bの少なくとも一部は、弾性変形することによって図3の太実線矢印に示すように、回転軸の径方向へ変位することができる。換言すると、可動側歯部21bは少なくとも一部が回転軸の径方向へ変位可能に溝部21dへ嵌め込まれている。
また、本実施形態では、可動側歯部21bを形成する炭素繊維強化樹脂として、フェノール樹脂の中に炭素繊維を混ぜ込んだものであって、ガラス転移温度が150℃以上のものを採用している。なお、本実施形態の固定スクロール22は、可動側基板部21aと同種の金属で形成されており、固定側基板部22aおよび固定側歯部22bが一体に形成されている。
次に、上記構成における本実施形態の圧縮機1の作動を説明する。電動モータ30に電力が供給されてロータ32およびシャフト25が回転すると、可動スクロール21が固定スクロール22に対して旋回(公転運動)する。これにより、圧縮機構20の作動室Vが容積を縮小させながら外周側から中心側へ変位する。
この際、最外周側に形成された最大容積となっている作動室Vがモータ側空間11cに連通することによって、最大容積となっている作動室Vに吸入ポート11bから吸入された低圧冷媒が供給される。そして、作動室Vが容積を縮小させながら外周側から中心側へ変位することによって作動室V内の冷媒が圧縮される。
さらに、作動室Vが中心側へ変位して、作動室V内の冷媒圧力がリード弁28の開弁圧を超えるとリード弁28が開き、作動室V内の高圧冷媒が吐出穴22cを介して吐出室13aへ流入する。吐出室13aから流出した高圧冷媒は、オイルセパレータ40にて冷凍機油が分離され、吐出ポート13bから吐出される。
以上の如く、本実施形態の圧縮機1によれば、冷凍サイクルにおいて、冷媒を吸入し、圧縮して吐出することができる。
さらに、本実施形態の圧縮機1では、可動スクロール21の可動側基板部21aおよび可動側歯部21bを互いに別部材で形成し、可動側歯部21bを樹脂で形成しているので、可動スクロールの軽量化を図ることができる。これにより、圧縮機構20全体としての軽量化を図ることができるとともに、電動モータ30が可動スクロール21を回転駆動させるために消費するエネルギを低減させることができる。
ここで、本実施形態の圧縮機1のように、スクロールの一部を樹脂で形成すると、作動室Vの内圧が上昇するに伴って樹脂で形成された部位(本実施形態では、可動側歯部21b)が変形してしまいやすい。さらに、可動側基板部21aおよび可動側歯部21bを別部材で形成し、可動側歯部21bを可動側基板部21aの溝部21dに嵌め込む構成では、可動側歯部21bの軸方向の変位によって可動側歯部21bの変形量も変化しやすい。
そして、可動側歯部21bの変形量が変化してしまうと、作動室Vを適切に区画するために必要な可動側歯部21bの側面同士の平行度や、可動側歯部21bと可動側基板部21aとの直角度を確保できなくなってしまうことがある。その結果、作動室Vの気密性を充分に向上させることができなくなってしまい、流体を圧縮することができなくなってしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態の圧縮機1によれば、可動側歯部21bが可動側基板部21aの溝部21dに嵌め込まれた状態で、可動側歯部21bの先端部が固定側基板部22aに当接しているので、可動側歯部21bが軸方向へ変位してしまうことが規制される。従って、可動側歯部21bが軸方向へ変位することによる可動側歯部21bの変形量の変化を抑制できる。
さらに、可動側歯部21bが炭素繊維強化樹脂で形成されているので、可動側歯部21bを通常の樹脂で形成する場合に対して、作動室Vの内圧が上昇しても可動側歯部21bの変形を抑制できる。従って、本実施形態の圧縮機1によれば、スクロールの一部が樹脂にて形成されたスクロール型圧縮機構の剛性を向上させることができる。
また、本実施形態の圧縮機1では、図2に示すように、可動側歯部21bの形状を帯状部材を渦巻き状に湾曲させた形状としているので、型成形によって形成する際に可動側歯部21bを金型から抜きやすい形状となる。従って、可動側歯部21bの側面同士の平行度や、可動側歯部21bの側面と可動側基板部21aの平坦面との直角度等の寸法精度を向上させることができる。
また、本実施形態の圧縮機1では、可動側歯部21bの少なくとも一部が回転軸の径方向へ変位可能に可動側基板部21aの溝部21dへ嵌め込まれている。従って、作動室V内の冷媒圧力が上昇しても、可動側歯部21bが僅かに径方向に変位することで、可動側歯部21bに作用する応力を緩和することができる。これにより、樹脂で形成された可動側歯部21bが強度不足によって変形したり破損したりしてしまうことを抑制できる。
ここで、本実施形態の圧縮機1のように、冷媒としてR134aを採用する冷凍サイクルに適用され、さらに、車両のエンジンルーム内に配置される圧縮機では、圧縮室V内の冷媒温度が100℃以上となることがある。
これに対して、本実施形態の圧縮機1では、可動側歯部21bとして、ガラス転移温度が150℃以上のものを採用しているので、高圧冷媒の温度によって可動側歯部21bが変形してしまうことを抑制できる。より好ましくは、可動側歯部21bとしてガラス転移温度が180℃以上のものを採用すればよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、可動側歯部21bの全体を繊維強化樹脂にて形成した例を説明したが、本実施形態では、図4の断面図に示すように、可動側歯部21bの一部を繊維強化樹脂にて形成し、残余の部分を可動側基板部21aと同種の金属で形成した例を説明する。
より具体的には、本実施形態の可動側歯部21bは、吐出穴22cに連通する作動室Vを形成する渦巻き中心側(巻き始めから180°〜360°程度の範囲)が金属部21eで形成されており、金属で形成された部位よりも外周側の部位21fが炭素繊維強化樹脂で形成されている。
このような可動側歯部21bは、渦巻き中心側を形成する金属部材の周りに樹脂を注入することによって金属部材と樹脂とを一体化する、いわゆるインサート成形によって形成することができる。その他の構成および作動は第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態の圧縮機1によれば、第1実施形態と同様に、冷凍サイクルにおいて、冷媒(流体)を吸入し、圧縮して吐出することができる。さらに、本実施形態の圧縮機1では、冷媒圧力が高くなる中心側の作動室Vを形成する可動側歯部21bの渦巻き中心側が金属で形成されているので、作動室V内の冷媒圧力の上昇によって可動側歯部21bが変形したり破損したりしてしまうことを効果的に抑制できる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、専用歯部としての可動側歯部21bを炭素繊維強化樹脂で形成した例を説明したが、専用歯部を形成する樹脂材料はこれに限定されない。
例えば、母材として、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂)あるいは熱可塑性樹脂(PPS:ポリフェニレンサルファイド樹脂、PEEK:ポリエーテルエーテルケトン樹脂)等のスーパーエンジニアリングプラスチックを採用し、強化材として、ガラス繊維あるいは炭素繊維を採用した繊維強化樹脂を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、専用歯部を繊維強化樹脂で形成した例を説明したが、専用基板部を繊維強化樹脂で形成してもよい。
また、上述の実施形態では、可動スクロール21の可動側基板部21aおよび可動側歯部21bを、別部材で形成した例を説明したが、もちろん固定スクロール22の固定側基板部22aおよび固定側歯部22bを、それぞれ専用基板部および専用歯部として別部材で形成してもよい。
(2)上述の実施形態では、可動側歯部21bを可動側基板部21aの溝部21dに係止した例(すなわち、可動側歯部21bの側面と溝部21dの側面との摩擦力によって可動側歯部21bを可動側基板部21aに固定した例)を説明したが、可動側基板部21a(専用基板部)と可動側歯部21b(専用歯部)との固定はこれに限定されない。例えば、専用歯部を専用基板部の溝部に圧入することによって固定してもよいし、接着によって固定してもよい。
(3)上述の実施形態では、スクロール型圧縮機構20を電動圧縮機に適用した例を説明したが、本発明に係るスクロール型圧縮機構の適用はこれに限定されない。例えば、内燃機関(エンジン)から回転駆動力を得るエンジン駆動式の圧縮機に適用してもよい。また、冷媒を多段階に昇圧する二段昇圧式の圧縮機等に適用してもよいし、シャフトが略鉛直方向に延びてスクロール型圧縮機構20と電動モータ30が鉛直方向に配置される、いわゆる縦置きタイプの圧縮機に適用してもよい。
さらに、流体の圧力エネルギを機械的エネルギ(回転エネルギ)に変換して出力する膨張機に適用してもよい。なお、膨張機に適用する場合は、圧縮機に適用する場合に対して逆流するように流体を流すことで、流体を膨張させながら機械的エネルギを出力させることができる。
(4)上述の実施形態では、固定スクロール22を金属で形成した例を説明したが、固定側歯部22bのように金属で形成された歯部の先端部に、作動室Vの気密性を向上させるためのチップシールを設けてもよい。このようなチップシールとしては、PEEK等にて、歯部の先端部の形状に沿って渦巻き状に形成されたものを採用することができる。
20 スクロール型圧縮機構
21 可動スクロール
21a 可動側基板部(専用基板部)
21b 可動側歯部(専用歯部)
21d 溝部
22 固定スクロール
22a 固定側基板部
22b 固定側歯部
V 作動室

Claims (5)

  1. 平板状の基板部(21a、22a)、および前記基板部(21a、22a)から突出する渦巻き状の歯部(21b、22b)を有する一対の第1、第2スクロール(21、22)を備え、
    前記第1、第2スクロール(21、22)の前記歯部(21b、22b)同士を噛み合わせた状態で、前記第1スクロール(21)を前記第2スクロール(22)に対して旋回させることによって、前記歯部(21b、22b)同士の間に形成される作動室(V)の容積を変化させるスクロール型圧縮機構であって、
    前記第1、第2スクロール(21、22)のうち、少なくとも一方の前記基板部(21a、22a)および前記歯部(21b、22b)は、互いに別部材で形成されており、
    別部材で形成された前記基板部を専用基板部(21a)とし、別部材で形成された前記歯部を専用歯部(21b)としたときに、
    前記専用基板部(21a)には、前記専用歯部(21b)の軸方向一端側が嵌め込まれる渦巻き状の溝部(21d)が設けられており、
    前記溝部(21d)に嵌め込まれた前記専用歯部(21b)は、軸方向他端側が他方の前記スクロール(22)の前記基板部(22a)に当接していることによって、前記第1スクロール(21)の回転軸の軸方向への変位が規制されており、
    さらに、前記専用歯部(21b)は、少なくとも一部が繊維強化樹脂で形成されており、
    前記専用歯部(21b)は、前記作動室(V)内の圧力が上昇した際に、少なくとも一部が前記溝部(21d)の内部で前記回転軸の径方向へ変位可能に前記溝部(21d)に嵌めこまれていることを特徴とするスクロール型圧縮機構。
  2. 平板状の基板部(21a、22a)、および前記基板部(21a、22a)から突出する渦巻き状の歯部(21b、22b)を有する一対の第1、第2スクロール(21、22)を備え、
    前記第1、第2スクロール(21、22)の前記歯部(21b、22b)同士を噛み合わせた状態で、前記第1スクロール(21)を前記第2スクロール(22)に対して旋回させることによって、前記歯部(21b、22b)同士の間に形成される作動室(V)の容積を変化させるスクロール型圧縮機構であって、
    前記第1、第2スクロール(21、22)のうち、少なくとも一方の前記基板部(21a、22a)および前記歯部(21b、22b)は、互いに別部材で形成されており、
    別部材で形成された前記基板部を専用基板部(21a)とし、別部材で形成された前記歯部を専用歯部(21b)としたときに、
    前記専用基板部(21a)には、前記専用歯部(21b)の軸方向一端側が嵌め込まれる渦巻き状の溝部(21d)が設けられており、
    前記溝部(21d)に嵌め込まれた前記専用歯部(21b)は、軸方向他端側が他方の前記スクロール(22)の前記基板部(22a)に当接していることによって、前記第1スクロール(21)の回転軸の軸方向への変位が規制されており、
    さらに、前記専用歯部(21b)は、少なくとも一部が繊維強化樹脂で形成されており、
    前記専用歯部(21b)は、前記作動室(V)内の圧力を上昇させた際に、少なくとも一部が前記回転軸の径方向へ変位可能に前記溝部(21d)に嵌めこまれており、
    前記専用歯部(21b)は、渦巻きの中心側を巻き始めとしたときに、巻き始めから予め定めた角度の範囲が金属で形成されており、前記金属で形成された部位よりも巻き方向の外周側の部位が前記繊維強化樹脂で形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機構。
  3. 前記溝部(21d)の径方向の幅寸法(W)は、前記専用歯部(21b)の径方向の厚み寸法(T)よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール型圧縮機構。
  4. 前記第1スクロール(21)の前記基板部(21a)および前記歯部(21b)は、互いに別部材で形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のスクロール型圧縮機構。
  5. 前記繊維強化樹脂は、炭素繊維およびフェノール樹脂からなるものであることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のスクロール型圧縮機構。
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