JP2005188436A - スクロール型流体機械 - Google Patents

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Masanori Masuda
正典 増田
Nobuhiro Nojima
伸広 野島
Ryogo Kato
亮吾 加藤
Keiji Ashida
圭史 芦田
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Abstract

【課題】スクロールの大径化を回避しつつ、鏡板と別体に形成されたラップの剛性を増大する。
【解決手段】固定スクロール(40)は、ケーシング(11)及びハウジング(31)に固定された環状の外壁(41)と、外壁(41)から渦巻き状に中央に向かって延びる固定ラップ(42)とを備える。可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の両端面に対向して配置された第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)と、両鏡板(51,52)間に設けられ且つ固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備える。固定スクロール(40)に鏡板押え(64)及びピンホルダー(65)を接合し、このピンホルダー(65)に突設されたピン(63)を固定ラップ(42)の先端部(42b)に連結する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクロール型流体機械に関し、特に、ラップの剛性向上対策に係るものである。
従来より、スクロール型流体機械には、例えば、特許文献1に開示されているように、密閉容器内に電動機と圧縮部とを備えたスクロール圧縮機が知られている。この特許文献1の圧縮機の圧縮部には、内周に渦巻き状の固定ラップを有する固定スクロールと、このラップに噛み合う可動ラップと、両ラップが互いに噛み合った状態でこの両ラップを挟み込むように配置される2つの鏡板とが設けられている。
この各鏡板には、その前面側に可動ラップを嵌合させるためのラップ溝が形成される一方、可動ラップの高さを固定スクロールのラップよりも高く形成している。一方、各鏡板の背面側には、電動機のシャフトを支持するための軸受がそれぞれ形成されている。そして、圧縮部において、電動機の回転力を受けると、鏡板と可動ラップが一体となって公転を行う。
上記圧縮機は、可動ラップを鏡板のラップ溝に嵌め込むことにより、鏡板と固定スクロールのラップとの間の隙間を事実上ゼロとして、加工精度によるコストアップを低減するとともに高効率化を図っている。
特開2002−130158号公報
上記特許文献1の圧縮機は、可動スクロールのラップよりも固定スクロールのラップの厚さを厚くすることにより、自由端である固定スクロールのラップの強度を増大させている。
しかしながら、固定スクロールのラップを基端部から先端部に亘って全体に均一に厚くしているので、スクロールの大径化を招いてしまうという問題があった。つまり、固定スクロールのラップを厚くした場合には、両ラップが噛み合った状態で可動スクロールを旋回させる必要があるために、その分だけ両ラップ間の間隔も大きくする必要が生じ、その結果として、スクロールが大径化してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、スクロールの大径化を回避しつつ、鏡板と別体に形成されたラップの剛性を増大することを目的とする。
第1の発明は、固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とがケーシング(11)に収納されたスクロール型流体機械を前提としている。そして、上記固定スクロール(40)は、ケーシング(11)及び該ケーシング(11)内の基台(12)に固定された環状の外壁(41)と、該外壁(41)の内面に基端部(42a)が連続し、先端部(42b)が外壁(41)の中央に向かって渦巻き状に延びる固定ラップ(42)とを備えている。上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の両端面に対向して配置された第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)と、該両鏡板(51,52)の間に設けられ且つ上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備えている。加えて、上記固定ラップ(42)の先端部(42b)を基台(12)に連結する連結部材(63)が設けられている。
また、第2の発明は、第1の発明において、上記基台(12)は、第2鏡板(52)の外側に位置する支持部材(62)を備え、上記連結部材(63)は、支持部材(62)に突設され且つ固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入されたピンにより構成されている。
また、第3の発明は、第1の発明において、上記固定ラップ(42)が基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なる厚みに形成されている。
また、第4の発明は、第3の発明において、上記固定ラップ(42)は、駆動時に基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっている。
また、第5の発明は、第3の発明において、上記固定ラップ(42)の厚みは、基端部(42a)及び先端部(42b)からこれらの中間部(42d)へ向かうにしたがって薄くなっている。
また、第6の発明は、第1の発明において、上記固定ラップ(42)は、可動ラップ(53)よりも高剛性の材料からなる。
また、第7の発明は、第6の発明において、上記固定ラップ(42)は、可動ラップ(53)と同等の撓み変形量が得られる縦弾性係数を有する材料からなる。
また、第8の発明は、第1の発明において、上記基台(12)は、第1鏡板(51)の外側に位置する駆動軸(20)と第2鏡板(52)の外側に位置する支持部材(62)とを備え、上記連結部材(63)は、駆動軸(20)に突設され且つ固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入されたピン及び支持部材(62)に突設され且つ固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入されたピンにより構成されている。
また、第9の発明は、固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とを備えたスクロール型流体機械を前提としている。そして、上記固定スクロール(40)は、互いに平行な第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)と、該両鏡板(46,47)の間に設けられた渦巻き状の固定ラップ(42)とを備えている。上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の外側に配置された可動盤(71)と、該可動盤(71)に基端部(53a)が連続し且つ固定スクロール(40)の両鏡板(46,47)の間において先端部(53b)が両鏡板(46,47)の中央に向かって渦巻き状に延びて上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備えている。加えて、上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)と可動盤(71)との間には、可動ラップ(53)の先端部(53b)を可動盤(71)に連結する連結部材(63)が設けられている。
また、第10の発明は、第9の発明において、上記連結部材(63)は、固定スクロール(40)の一方の鏡板(46)の外側に位置する可動盤(71)に突設され且つ可動ラップ(53)の先端部(53b)に挿入されるピンにより構成されている。
上記連結部材(63)は、可動盤(71)に突設され且つ可動ラップ(53)の先端部(53b)に挿入されるピンにより構成されている。
また、第11の発明は、第9の発明において、上記可動ラップ(53)は、基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なる厚みに形成されている。
また、第12の発明は、第11の発明において、上記可動ラップ(53)は、駆動時に基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっている。
また、第13の発明は、第11の発明において、上記可動ラップ(53)の厚みは、基端部(53a)及び先端部(53b)からこれらの中間部へ向かうにしたがって薄くなっている。
また、第14の発明は、第9の発明において、上記可動ラップ(53)は、固定ラップ(42)よりも高剛性の材料からなる。
また、第15の発明は、第14の発明において、上記可動ラップ(53)は、固定ラップ(42)と同等の撓み変形量が得られる縦弾性係数を有する材料からなる。
また、第16の発明は、第9の発明において、上記連結部材(63)は、固定スクロール(40)の両鏡板(46,47)の外側に位置する2つの可動盤(71,74)に突設され且つ可動ラップ(53)の先端部(53b)に挿入される2つのピンにより構成されている。
また、第17の発明は、固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とを備えたスクロール型流体機械を前提としている。そして、上記固定スクロール(40)は、環状の外壁(41)と、該外壁(41)の内面に基端部(42a)が連続し、先端部(42b)が外壁(41)の中央に向かって渦巻き状に延びる固定ラップ(42)とを備えている。上記可動スクロール(50)は、固定スクロールの両端面に対向して配置された第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)と、該両鏡板(51,52)の間に設けられ且つ上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備えている。加えて、上記固定スクロール(40)の固定ラップ(42)は、基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なる厚みに形成されている。
また、第18の発明は、第17の発明において、上記固定ラップ(42)は、駆動時に基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっている。
また、第19の発明は、第17の発明において、上記固定ラップ(42)の厚みは、基端部(42a)から先端部(42b)へ向かうにしたがって薄くなっている。
また、第20の発明は、固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とを備えたスクロール型流体機械を前提としている。そして、上記固定スクロール(40)は、互いに平行な第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)と、該両鏡板(46,47)の間に設けられた渦巻き状の固定ラップ(42)とを備えている。上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の外側に配置された可動盤(71)と、該可動盤(71)に基端部(53a)が連続し且つ固定スクロール(40)の両鏡板(46,47)の間において先端部(53b)が両鏡板(46,47)の中央に向かって渦巻き状に延びて固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備えている。加えて、上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)は、基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なる厚みに形成されている。
また、第21の発明は、第20の発明において、上記可動ラップ(53)は、駆動時に基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっている。
また、第22の発明は、第20の発明において、上記可動ラップ(53)の厚みは、基端部(53a)から先端部(53b)へ向かうにしたがって薄くなっている。
また、第23の発明は、固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とがケーシング(11)に収納されたスクロール型流体機械を前提としている。そして、上記固定スクロール(40)は、ケーシング(11)及び該ケーシング(11)内の基台(12)に固定された環状の外壁(41)と、該外壁(41)の内面に基端部(42a)が連続し、先端部(42b)が外壁(41)の中央に向かって渦巻き状に延びる固定ラップ(42)とを備えている。上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の両端面に対向して配置された第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)と、該両鏡板(51,52)の間に設けられ且つ上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備えている。加えて、上記固定スクロール(40)の固定ラップ(42)は、基端部(42a)から先端部(42b)までの長さが上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)の基端部(53a)から先端部(53b)までの長さより短く設定されている。
また、第24の発明は、固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とを備えたスクロール型流体機械を前提としている。そして、上記固定スクロール(40)は、互いに平行な第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)と、該両鏡板(46,47)の間に設けられた渦巻き状の固定ラップ(42)とを備えている。上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の外側に配置された可動盤(71)と、該可動盤(71)に基端部(53a)が連続し且つ固定スクロール(40)の両鏡板(46,47)の間において先端部(53b)が両鏡板(46,47)の中央に向かって渦巻き状に延びて上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備えている。加えて、上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)は、基端部(53a)から先端部(53b)までの長さが固定スクロール(40)の固定ラップ(42)の基端部(42a)から先端部(42b)までの長さより短く設定されている。
すなわち、第1の発明では、固定スクロール(40)の外壁(41)が、ケーシング(11)及び該ケーシング(11)内の固定部材(31)より成る基台(12)に固定されている。また、固定ラップ(42)の先端部(42b)が、連結部材(63)によって基台(12)に連結されている。そして、可動スクロール(50)が自転することなく公転運動を行うと、両ラップ(42,53)間の作動室(39)の流体圧力が内周側ほど高く、外周側ほど低くなる。このため、固定ラップ(42)は、最も内側に位置する先端部(42b)ほど大きな流体圧力を受ける。しかし、固定ラップ(42)の先端部(42b)が連結部材(63)によって基台(12)に連結されているために、この先端部(42b)は、両鏡板(51,52)間において固定ラップ(42)及び可動ラップ(53)間の隙間を拡げるような方向に変位することはない。
第2の発明では、基台(12)の支持部材(62)に突設されたピン(63)が、固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入されている。これにより、ピン(63)は、固定ラップ(42)と可動ラップ(53)との噛み合いを邪魔することなく固定ラップ(42)の先端部(42b)の変位を抑止する。
一方、固定ラップ(42)の加工時には、固定ラップ(42)の先端部(42b)に形成されたピン(63)挿入用の穴(42c)を利用できる。すなわち、この穴(42c)に支持用のピンを挿入することにより、このピンで自由端となっている固定ラップ(42)の先端部(42b)を支持しながら固定ラップ(42)を加工することができる。
第5の発明では、固定ラップ(42)は、その基端部(42a)が固定スクロール(40)の外壁(41)に固定された固定端となっており、また先端部(42b)が支持部材(61)の連結部材(63)に連結された固定端となっている。そして、固定ラップ(42)が作動室(39)の流体圧力を受けると、基端部(42a)と先端部(42b)との間の中間部(42d)が変位することとなる。このとき、固定ラップ(42)の厚みが基端部(42a)及び先端部(42b)において厚く、そして、その中間部(42d)へ向かうにしたがって薄くなっている。このため、固定ラップ(42)は、固定端となる基端部(42a)及び先端部(42b)において剛性が高く、この基端部(42a)及び先端部(42b)での変形が抑制される。
第6の発明では、固定ラップ(42)は、基端部(42a)と先端部(42b)との間の中間部(42d)において作動室(39)の流体圧力を受けて変位することとなる。このとき、固定ラップ(42)が可動ラップ(53)よりも高剛性の材料により構成されているので、固定ラップ(42)の変形が抑制され、固定ラップ(42)が可動ラップ(53)よりも過大に変形するのが抑制される。
第8の発明では、基台(12)の駆動軸(20)及び支持部材(62)に突設されたピン(63)が、固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入されている。これにより、2つのピン(63)は、固定ラップ(42)と可動ラップ(53)との噛み合いを邪魔することなく固定ラップ(42)の先端部(42b)の変位を抑止する。
第9の発明では、可動ラップ(53)の先端部(53b)が連結部材(63)によって可動盤(71)に連結されている。そして、可動スクロール(50)が自転することなく公転運動を行うと、両ラップ(42,53)間の作動室(39)の流体圧力は内周側ほど高く、外周側ほど低くなる。このため、可動ラップ(53)は、最も内側に位置する先端部(53b)ほど大きな流体圧力を受ける。しかし、可動ラップ(53)の先端部(53b)が連結部材(63)によって可動盤(71)に連結されているために、この先端部(53b)は、両鏡板(46,47)間において固定ラップ(42)及び可動ラップ(53)間の隙間を拡げるような方向に変位することはない。
第10の発明では、可動盤(71)に突設されたピン(63)が、可動ラップ(53)の先端部(53b)に挿入されている。これにより、ピン(63)は、固定ラップ(42)と可動ラップ(53)との噛み合いを邪魔することなく可動ラップ(53)の先端部(53b)の変位を抑止する。
一方、可動ラップ(53)の加工時には、可動ラップ(53)の先端部(53b)に形成されたピン(63)挿入用の穴(53c)を利用できる。すなわち、この穴(53c)に支持用のピンを挿入することにより、自由端となっている可動ラップ(53)の先端部(53b)をこのピンで支持しながら可動ラップ(53)を加工することができる。
第13の発明では、可動ラップ(53)は、その基端部(53a)が可動盤(71)に固定された固定端となっており、また先端部(53b)が連結部材(63)によって可動盤(71)に連結された固定端となっている。そして、可動ラップ(53)が作動室(39)の流体圧力を受けると、基端部(53a)と先端部(53b)との間の中間部が変位することとなる。このとき、可動ラップ(53)の厚みが基端部(53a)及び先端部(53b)において厚く、そして、その中間部へ向かうにしたがって薄くなっている。このため、可動ラップ(53)は、固定端となる基端部(53a)及び先端部(53b)において剛性が高く、変形が抑制される。
第14の発明では、可動ラップ(53)は、基端部(53a)と先端部(53b)との間の中間部において作動室(39)の流体圧力を受けて変位することとなる。このとき、可動ラップ(53)が固定ラップ(42)よりも高剛性の材料により構成されているので、可動ラップ(53)の変形が抑制され、可動ラップ(53)が固定ラップ(42)よりも過大に変形するのが抑制される。
第16の発明では、可動盤(71,74)に突設された2つのピン(63)が、可動ラップ(53)の先端部(53b)に挿入されている。これにより、2つのピン(63)は、固定ラップ(42)と可動ラップ(53)との噛み合いを邪魔することなく可動ラップ(53)の先端部(53b)の変位を抑止する。
第17の発明では、固定ラップ(42)は、その基端部(42a)が固定スクロール(40)の外壁(41)に固定された固定端となっており、先端部(42b)が自由端となっている。そして、可動スクロール(50)が自転することなく公転運動を行うと、両ラップ(42,53)間の作動室(39)の流体圧力は内周側ほど高く、外周側ほど低くなる。このため、固定ラップ(42)は、先端部(42b)ほど大きな流体圧力を受けて径方向に撓む。
第19の発明では、固定端となっている固定ラップ(42)の基端部(42a)の厚みが厚く、このラップ(42)の厚みは、先端部(42b)へ向かうにしたがって薄くなっている。このため、固定ラップ(42)は、その基端部(42a)においてより剛性が高くなっており、変形が抑制される。
第20の発明では、可動ラップ(53)は、その基端部(53a)が可動盤(71)に固定された固定端となっており、先端部(53b)が自由端となっている。そして、可動スクロール(50)が自転することなく公転運動を行うと、両ラップ(42,53)間の作動室(39)の流体圧力は内周側ほど高く、外周側ほど低くなる。このため、可動ラップ(53)は、先端部(53b)ほど大きな流体圧力を受けて径方向に撓む。
第22の発明では、固定端となっている可動ラップ(53)の基端部(53a)の厚みが厚く、このラップ(53)の厚みは、先端部(53b)へ向かうにしたがって薄くなっている。このため、可動ラップ(53)は、その基端部(53a)においてより剛性が高くなっており、変形が抑制される。
第23の発明では、固定ラップ(42)の長さが可動ラップ(53)の長さより短いので、固定ラップ(42)の変形が抑制されると共に、作動室における局所的な高荷重が回避される。
第24の発明では、可動ラップ(53)の長さが固定ラップ(42)の長さよりより短いので、可動ラップ(53)の変形が抑制されると共に、作動室における局所的な高荷重が回避される。
第1の発明によれば、固定ラップ(42)の先端部(42b)を連結部材(63)によって基台(12)に連結するようにしたので、固定ラップ(42)の厚みを厚くすることなく固定ラップ(42)の剛性を向上でき、駆動時において作動室(39)の流体圧力による先端部(42b)の撓み変形を抑制することができる。この結果、スクロール(40,50)が大径化するのを回避しつつ両ラップ(42,53)間の側面隙間が拡大するのを抑制することができて漏れ損失を低減できる。また、駆動時に固定ラップ(42)が変形するのを抑制できるので、発生応力を抑制し、疲労破壊を生じ難くすることができることから、信頼性を向上することができる。
また、第2の発明によれば、基台(12)の支持部材(62)に突設されたピン(63)を固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入することにより、固定ラップ(42)を基台(12)に連結するようにしているので、両ラップ(42,53)の噛み合いを維持しつつ固定ラップ(42)の剛性を確実に向上することができる。
また、固定ラップ(42)の加工時には、固定ラップ(42)の先端部(42b)に形成された穴(42c)に支持用のピンを挿入することができるので、自由端となっている固定ラップ(42)の先端部(42b)をこのピンで支持することにより、加工時における固定ラップ(42)の支持剛性を高めることができる。この結果、固定ラップ(42)の加工精度を向上することができる。
また、第3の発明によれば、固定ラップ(42)の厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっているので、固定ラップ(42)の剛性を向上させるべくその厚さを一律に厚くした構成に比べスクロール(40,50)の外径を小さくしつつ、固定ラップ(42)の剛性を高くすることが可能となる。
また、第4の発明によれば、固定ラップ(42)が駆動時に基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように固定ラップ(42)の厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっているので、駆動時におけるラップ(42,53)同士の隙間をその全体に亘ってほぼ均一とすることができる。この結果、局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
また、第5の発明によれば、固定ラップ(42)の厚みを、基端部(42a)及び先端部(42b)からその中間部(42d)へ向かうにしたがって薄くしているので、駆動時において固定ラップ(42)の基端部(42a)及び先端部(42b)における変形を抑制できる。この結果、固定ラップ(42)の中間部(42d)における変位を抑制できるので、局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができる。これにより、スクロール(40,50)の大径化を回避しつつ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
また、第6の発明によれば、固定ラップ(42)を可動ラップ(53)よりも高剛性の材料により構成しているので、駆動時において固定ラップ(42)の撓み変形量が過大になるのを防止することができ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。つまり、上記固定ラップ(42)の不均一な変形を回避することができる。更に、固定ラップ(42)と可動ラップ(53)との間等の片当たりによる損傷を防止することができる。
また、第7の発明によれば、固定ラップ(42)が可動ラップ(53)と同等の撓み変形量が得られる縦弾性係数を有する材料により構成されているので、駆動時において局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを確実に防止することができ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
また、第8の発明によれば、基台(12)の駆動軸(20)及び支持部材(62)に突設された2つのピン(63)を固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入することにより、固定ラップ(42)を両側から基台(12)に連結するようにしているので、両ラップ(42,53)の噛み合いを維持しつつ固定ラップ(42)の剛性をより確実に向上することができる。
また、第9の発明によれば、可動ラップ(53)の先端部(53b)を連結部材(63)によって可動盤(71)に連結するようにしたので、可動ラップ(53)の厚みを厚くすることなく可動ラップ(53)の剛性を向上でき、作動室(39)内の流体圧力による先端部(53b)の撓み変形を抑制することができる。この結果、スクロール(40,50)が大径化するのを回避しつつ両ラップ(42,53)間の側面隙間が拡大するのを抑制することができて漏れ損失を低減できる。また、駆動時に可動ラップ(53)が変形するのを抑制できるので、発生応力を抑制し、疲労破壊を生じ難くすることができることから、信頼性を向上することができる。
また、第10の発明によれば、可動盤(71)のピン(63)を可動ラップ(53)の先端部(53b)に挿入することにより、可動ラップ(53)を可動盤(71)に連結するようにしているので、両ラップ(42,53)の噛み合いを維持しつつ可動ラップ(53)の剛性を確実に向上することができる。
また、可動ラップ(53)の加工時には、可動ラップ(53)の先端部(53b)に形成された穴(53c)に支持用のピンを挿入することができるので、自由端となっている可動ラップ(53)の先端部(53b)をこのピンで支持することにより、加工時における可動ラップ(53)の支持剛性を高めることができる。この結果、可動ラップ(53)の加工精度を向上することができる。
また、第11の発明によれば、可動ラップ(53)の厚さが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっているので、可動ラップ(53)の剛性を向上させるべくその厚さを一律に厚くした構成に比べスクロール(40,50)の外径を小さくしつつ、可動ラップ(53)の剛性を高くすることが可能となる。
また、第12の発明によれば、可動ラップ(53)が駆動時に基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように可動ラップ(53)の厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっているので、駆動時においてラップ(42,53)同士の隙間をその全体に亘ってほぼ均一とすることができる。この結果、局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
また、第13の発明によれば、可動ラップ(53)の厚みを、基端部(53a)及び先端部(53b)からその中間部へ向かうにしたがって薄くしているので、駆動時において固定側ラップ(53)の基端部(53a)及び先端部(53b)における変形を抑制できる。この結果、可動ラップ(53)の中間部における変位を抑制できるので、局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができる。これにより、スクロール(40,50)の大径化を回避しつつ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
また、第14の発明によれば、可動ラップ(53)を固定ラップ(42)よりも高剛性の材料により構成しているので、可動ラップ(53)の撓み変形量が過大になるのを防止することができ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。つまり、上記可動ラップ(53)の不均一な変形を回避することができる。更に、固定ラップ(42)と可動ラップ(53)との間等の片当たりによる損傷を防止することができる。
また、第15の発明によれば、可動ラップ(53)が固定ラップ(42)と同等の撓み変形量が得られる縦弾性係数を有する材料により構成されているので、駆動時において局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを確実に防止することができ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
また、第16の発明によれば、可動盤(71,74)の2つのピン(63)を可動ラップ(53)の先端部(53b)に挿入することにより、可動ラップ(53)を両側から可動盤(71,74)に連結するようにしているので、両ラップ(42,53)の噛み合いを維持しつつ可動ラップ(53)の剛性をより確実に向上することができる。
また、第17の発明によれば、固定ラップ(42)の厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっているので、固定ラップ(42)の剛性を向上させるべくその厚さを一律に厚くした構成に比べスクロール(40,50)の外径を小さくしつつ、固定ラップ(42)の剛性を高くすることが可能となる。
また、第18の発明によれば、固定ラップ(42)が基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように、固定ラップ(42)の厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっているので、ラップ(42,53)同士の隙間をその全体に亘ってほぼ均一とすることができる。この結果、駆動時において局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
また、第19の発明によれば、固定端となる固定ラップ(42)の基端部(42a)における剛性を高くすることができるので、この基端部(42a)での固定ラップ(42)の変形を抑制することにより先端部(42b)での変位量を低減することができる。この結果、駆動時において局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、スクロール(40,50)の大径化を回避しつつ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
また、第20の発明によれば、可動ラップ(53)の径方向の厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっているので、可動ラップ(53)の剛性を向上させるべくその厚さを一律に厚くした構成に比べスクロール(40,50)の外径を小さくしつつ、可動ラップ(53)の剛性を高くすることが可能となる。
また、第21の発明によれば、可動ラップ(53)が基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように、可動ラップ(53)の厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっているので、駆動時においてラップ(42,53)同士の隙間をその全体に亘ってほぼ均一とすることができる。この結果、局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
また、第22の発明によれば、固定端となる可動ラップ(53)の基端部(53a)における剛性を高くすることができるので、この基端部(53a)での可動ラップ(53)の変形を抑制することにより先端部(53b)での変位量を低減することとができる。この結果、駆動時において局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、スクロール(40,50)の大径化を回避しつつ、信頼性を向上させることができると共に、高効率化を図ることができる。
第23の発明では、固定ラップ(42)の長さが可動ラップ(53)の長さより短いので、固定ラップ(42)の変形を抑制することができると共に、作動室(39)における局所的な高荷重を回避することができる。
第24の発明では、可動ラップ(53)の長さが固定ラップ(42)の長さよりより短いので、可動ラップ(53)の変形を抑制することができると共に、作動室(39)における局所的な高荷重を回避することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈実施形態1〉
図1に示すように、本実施形態1は、本発明に係るスクロール型流体機械により構成されたスクロール圧縮機(10)である。このスクロール圧縮機(10)は、冷凍装置の冷媒回路に設けられる。
上記スクロール圧縮機(10)は、密閉容器状に形成されたケーシング(11)を備えている。ケーシング(11)の内部には、圧縮機構(30)と電動機(図示省略)とが配置されている。また、ケーシング(11)の内部には、上下に延びる駆動軸(20)が設けられている。
ケーシング(11)の内部は、圧縮機構(30)のハウジング(31)によって上下に仕切られている。このケーシング(11)の内部では、ハウジング(31)の上方の空間が低圧室となり、その下方の空間が高圧室となっている。スクロール圧縮機(10)の運転中において、低圧室の内圧は、スクロール圧縮機(10)へ吸入される冷媒の圧力(吸入圧力)と等しくなる。一方、高圧室の内圧は、圧縮機構(30)から吐出された冷媒の圧力(吐出圧力)と等しくなる。ケーシング(11)には、図示省略するが吐出管と吸入管が設けられている。この吐出管は、その一端が高圧室に開口している。また、吸入管は、その一端が低圧室に開口している。
電動機は高圧室に収納されている。この電動機は、ケーシング(11)の胴部に固定された固定子(図示省略)と、この固定子の内側に配置された回転子(図示省略)とを備えている。この回転子には駆動軸(20)が固定されていて、駆動軸(20)は、回転子と一体となって回転する。
圧縮機構(30)のハウジング(31)には、図2に示すように、軸受部(32)が設けられている。この軸受部(32)には、駆動軸(20)が回転自在に支持されている。駆動軸(20)において、ハウジング(31)の軸受部(32)よりも上方に突出する上端部は、駆動軸(20)の偏心部(21)を構成している。偏心部(21)は、駆動軸(20)の中心軸よりに対して偏心して形成されている。この偏心部(21)の偏心量が、可動スクロール(50)の公転半径となる。
圧縮機構(30)は、固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合する可動スクロール(50)とを備えている。これら固定スクロール(40)及び可動スクロール(50)は、低圧室に収納されている。
固定スクロール(40)は、ハウジング(31)の上に載置されている。つまり、上記ケーシング(11)及び該ケーシング(11)に固定された固定部材としてのハウジング(31)は、駆動軸(20)と共に基台(12)を構成し、該基台(12)に固定スクロール(40)が固定されている。該固定スクロール(40)は、厚肉の円環状に形成された外壁(41)と、この外壁(41)の内側に設けられた固定ラップ(42)とを備えている。固定ラップ(42)は、高さが一定の渦巻き壁状に形成されると共に、最も外側に位置する基端部(42a)において外壁(41)に一体に形成されている。つまり、固定スクロール(40)において、外壁(41)の内側面が固定ラップ(42)の内側面に連続している。固定ラップ(42)は、外壁(41)の内側において、渦巻き状で且つ片持ち梁状に外壁(41)の中央に向かって延びている。
固定ラップ(42)において、最も内側で且つ渦巻き中心の近くに位置する先端部(42b)には、後述する第2鏡板(52)に対面している面、即ち図1における上面にピン挿入穴(42c)が形成されている。このピン挿入穴(42c)は、断面円形状で且つ底面を有するように固定ラップ(42)の高さの半分以下の深さに形成されている。
固定スクロール(40)の外壁(41)には、吸入孔(44)が貫通形成されている。この吸入孔(44)は、固定ラップ(42)の基端部(42a)に近接して配置されていて(図2参照)、低圧室に連通するように形成されている。
また、外壁(41)には、図2に示すように、3つの挿通孔(41a)と4つのボルト孔(41b)とがそれぞれ形成されている。挿通孔(41a)とボルト孔(41b)とは、何れも外壁(41)をその厚さ方向に貫通している。
可動スクロール(50)は、第1鏡板(51)と第2鏡板(52)と可動ラップ(53)と支柱部材(58)(図2参照)とを備えている。第1鏡板(51)は、図1における第2鏡板(52)よりも下方に配置され、この第1鏡板(51)は、第2鏡板(52)との間に可動ラップ(53)を挟み込むように第2鏡板(52)と平行に配置されている。第1鏡板(51)は、可動ラップ(53)と一体に形成されている。つまり、本実施形態1では、両平板(51,52)と可動ラップ(53)とが一体となって公転運動をする。
第1鏡板(51)は、概ね円形の平板状に形成されている。図1に示すように、第1鏡板(51)には、その中央部に貫通孔(51a)が形成されている。また、第1鏡板(51)には、軸受部(57)が形成されている。この軸受部(57)は、略円筒状に形成され、第1鏡板(51)の背面側(図1における下面側)に突設されている。
第1鏡板(51)の軸受部(57)には、駆動軸(20)の偏心部(21)が挿入されている。駆動軸(20)には、図1に示すように、圧縮機構(30)から吐出された吐出冷媒を高圧室内へ導くための吐出通路(22)が形成されている。この吐出通路(22)の入口端は、偏心部(21)の上端面に開口している。この吐出通路(22)は、第1鏡板(51)の貫通孔(51a)に連通している。また、吐出通路(22)の出口端は、図示省略するが駆動軸(20)の側面に開口している。
また、第1鏡板(51)には、半径方向外側へ膨出した部分が3つ形成され、その膨出部分のそれぞれに支柱部材(58)が1つずつ立設されている。支柱部材(58)は、細長円状の断面を有する円柱状の部材であって、第1鏡板(51)とは別体に形成されている。この支柱部材(58)の先端部にはネジ部(58a)が立設されている。
可動ラップ(53)は、最も外側に位置する基端部(53a)から最も内側で中心の近くに位置する先端部(53b)に亘って高さが一定の渦巻き壁状に形成されている。そして、上記可動ラップ(53)は、第1鏡板(51)の前面側(図1における上面側)に立設されている。
図2に示すように、第2鏡板(52)は、第1鏡板(51)と概ね同じ形状に形成されている。第2鏡板(52)は、第1鏡板(51)及び可動ラップ(53)と別体に形成され、第1鏡板(51)に連結されている。すなわち、第2鏡板(52)は、第1鏡板(51)との間に支柱部材(58)、固定スクロール(40)及び可動スクロール(50)を挟み込んだ状態で、支柱部材(58)のネジ部(58a)にナット(図示省略)を螺合することによって第1鏡板(51)と締結されている。この支柱部材(58)は、固定スクロール(40)の外壁(41)に形成された挿通孔(41a)に通されている。挿通孔(41a)の直径は、可動スクロール(50)の公転中に支柱部材(58)が外壁(41)と接触しないような値に設定されている。図1に示すように、第2鏡板(52)には、その中央部に貫通孔(52a)が形成されている。この貫通孔(52a)は、第1鏡板(51)の貫通孔(51a)と概ね同じ大きさに形成されている。
第1鏡板(51)と第2鏡板(52)との間隔は、支柱部材(58)よって保持されている。この支柱部材(58)は、固定ラップ(42)と第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)との隙間が数十ミクロンオーダーになるように設定されている。また、固定ラップ(42)の上端面及び下端面にはチップシールが設けられている。尚、図1では、固定ラップ(42)と第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)との隙間を便宜上拡大して描いている。
固定ラップ(42)と可動ラップ(53)とは、互いに噛み合わされている。そして、第1鏡板(51)の前面(図1における上面)は、固定ラップ(42)の下端面と摺動する摺動面を構成している。また、可動スクロール(50)の第2鏡板(52)において、その前面(図1における下面)は、固定ラップ(42)の上端面と摺動する摺動面を構成している。そして、互いに摺接する固定ラップ(42)及び可動ラップ(53)と、両者を挟んで対向する第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)によって、作動室である圧縮室(39)が区画されている。この圧縮室(39)には、上記第1鏡板(51)の貫通孔(51a)が連通しており、圧縮室(39)で圧縮された冷媒が、この貫通孔(51a)を通して駆動軸(20)の吐出通路(22)に導かれるようになっている。すなわち、貫通孔(51a)は、圧縮された冷媒を吐出させるための吐出口を構成している。
ハウジング(31)と第1鏡板(51)との間には、オルダムリング(35)が設けられている。このオルダムリング(35)は、可動スクロール(50)の自転防止機構を構成している。また、ハウジング(31)と第1鏡板(51)との間には、環状のシール部材(37)が設けられている。このシール部材(37)は、該シール部材(37)の内側と外側とを気密状に仕切ることにより、シール部材(37)よりも内側を高圧室と同等の圧力に維持するためのものである。
基台(12)は、駆動軸(20)を備えると共に、第2鏡板(52)の外側、即ち図1における上側に配置された支持部材(62)を備えている。この支持部材(62)は、鏡板押え(64)とピンホルダー(65)とからなる。鏡板押え(64)は、固定スクロール(40)の外径と同じ外径を有する円環状に形成されている。鏡板押え(64)の中央開口は、第2鏡板(52)の外径よりも小さく、且つピン(63)の公転径よりも大きな内径を有している。鏡板押え(64)には、吸入口(64a)と、図外のボルトを通すためのボルト孔(64b)と、ピンホルダー(65)固定用の図外のボルトを締結するための締結孔(64c)とが形成されている。吸入口(64a)は、鏡板押え(64)を上下に貫通し、上端が支持部材(62)の上方の空間に開口している。ボルト孔(64b)は、固定スクロール(40)に密着する鏡板押え(64)の外周部に4つ設けられている。締結孔(64c)は、ピンホルダー(65)が密着する鏡板押え(64)の内周部に8つ設けられている。
固定スクロール(40)及び鏡板押え(64)は、ボルト孔(41b,64b)に通された図外のボルトにより、固定スクロール(40)及び鏡板押え(64)間に第2鏡板(52)を挟み込んだ状態でハウジング(31)の上面に締結固定されている。
ピンホルダー(65)は、第2鏡板(52)と概ね同じ外径を有する平板円板状に形成されている。このピンホルダー(65)には、鏡板押え(64)の内周部に対応した大きさの外壁(41)にボルト孔(65a)が複数形成されている。このボルト孔(65a)に図外のボルトを挿通し、このボルトを鏡板押え(64)の締結孔(64c)に螺合することにより、ピンホルダー(65)は、鏡板押え(64)の中央開口を塞ぐように鏡板押え(64)の上面に締結されている。
ピンホルダー(65)の下面における中央部には、連結部材としてのピン(63)が突設されている。つまり、ピン(63)は、支持部材(62)の中央部に突設されている。このピン(63)は、段差状に先細になるように下方に向かって延びている。そして、ピン(63)は、鏡板押え(64)の中央開口及び第2鏡板(52)の貫通孔(52a)を貫通するとともに、固定ラップ(42)の先端部(42b)に形成されたピン挿入穴(42c)に挿入されている。
鏡板押え(64)と第2鏡板(52)との間には、図1に示すように、環状のシール部材(38)が設けられている。このシール部材(38)は、該シール部材(38)の内側と外側とを気密状に仕切ることにより、シール部材(38)よりも内側の空間を吐出圧力に維持するためのものである。
本実施形態1において、固定ラップ(42)の径方向(図1における左右方向)の厚みは、基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっている。具体的に、図3に示すように、固定ラップ(42)の厚みは、基端部(42a)及び先端部(42b)において厚く、これらの中間部(42d)において薄くなっている。言い換えると、固定ラップ(42)の厚みは、基端部(42a)から内側へ向かうにしたがって次第に薄くなり、また先端部(42b)から外側へ向かうにしたがって次第に薄くなっている。そして、基端部(42a)及び先端部(42b)間の中間部(42d)において極小値となっている。
ここで、固定ラップ(42)の径方向の厚みを上述のように異ならせている理由を説明する。固定ラップ(42)は、図4に示すように、圧縮機(10)の駆動中において、径方向の外側に向かって流体圧力を受ける。この図4に示す状態では、両ラップ(42,53)間には、6つの圧縮室(39)が区画されている。これら各圧縮室(39)内の流体圧力を、外側から順にP1,P2,P3,P4,P5,P6とする。これら流体圧力は、P1<P2<P3<P4<P5<P6の関係にあり、最も外側に位置する圧縮室(39)の流体圧力P1は、吸入圧力PSに等しく、また最も内側に位置する圧縮室(39)の流体圧力P6は、吐出圧力PDに等しくなっている。この状態で、固定ラップ(42)の基端部(42a)には、圧力P1と圧力P3との差圧P3−P1が径方向外側に作用している。一方、先端部(42b)には、圧力P4と圧力P6との差圧P6−P4が径方向外側に作用している。そして、固定ラップ(42)に作用する圧力差は、先端部(42b)ほど大きく、外側に向かうほど小さくなっている。尚、図4に示す固定スクロール(40)と可動スクロール(50)とは、可動ラップ(53)が固定ラップ(42)よりも長く形成された非対称渦巻きに形成されている。
一方、固定ラップ(42)は、その基端部(42a)が固定スクロール(40)の外壁(41)に連続して形成された固定端となっており、また先端部(42b)がピンホルダー(65)のピン(63)に連結された固定端となっている。そして、固定ラップ(42)は、基端部(42a)と先端部(42b)との中間部(42d)において、径方向の変位が許容されている。そして、基端部(42a)及び先端部(42b)において厚みを厚くすることにより、固定ラップ(42)は、固定端となる基端部(42a)及び先端部(42b)において剛性が高くなる一方で、その中間部(42d)において剛性が低くなる。このため、固定ラップ(42)は、基端部(42a)及び先端部(42b)での変形が抑制され、これにより、中間部(42d)において固定ラップ(42)の径方向の撓み変形が小さくなるようになっている。尚、図4はラップ(42,53)に作用する流体圧力を示すための図であり、この図4では、便宜上吸入孔(44)、挿通孔(41a)及びボルト孔(41b)を省略している。
また、固定ラップ(42)は、駆動時に基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっている。つまり、固定ラップ(42)は、基端部(42a)及び先端部(42b)が固定される一方、駆動時には、上述したように各圧縮室(39)の流体圧力を受ける。そして、この各圧縮室(39)の流体圧力の大きさに基づいて、基端部(42a)から先端部(42b)における固定ラップ(42)の厚みが設定されている。
また、固定ラップ(42)は、可動ラップ(53)よりも高剛性の材料により構成されている。すなわち、可動ラップ(53)は、鋳鉄により構成されるのに対し、固定ラップ(42)は、この鋳鉄よりも高剛性の材料により構成されている。この高剛性材料例を図5に示し、このうちの高剛性鋼のラインナップを図6に示す。
図5に示すように、固定ラップ(42)を構成する高剛性材料として、鉄系合金、鋼(ニアネットシェイプ品)、あるいは高密度焼結材を使用することができる。これらの高剛性材料のヤング率(縦弾性係数)は、鋳鉄の約2倍〜3倍に相当している。このため、平板(51,52)と別体に形成された固定ラップ(42)の撓み変形量と、第1鏡板(51)と一体に形成された可動ラップ(53)の撓み変形量とを同等にすることができるようになっている。また、鉄系合金のうちの高剛性鋼のラインナップを図6に示している。この高剛性鋼、例えばP-HMS、M-HMSは、ヤング率が25,000〜30,000Kgf/mm2であり、鋳鉄の約3倍となっている。このため、固定ラップ(42)にこの高剛性鋼を用いると、両ラップ(42,53)の撓み変形量をより同等にすることができ、望ましいものとなる。ここで、上記P-HMSは、チタンホウ化物を体積百分率で30%含有する鉄系合金であり、焼結材からなる。また、上記M-HMSは、チタンホウ化物(TiB2)を体積百分率で20%含有する鉄系合金であり、鋳造により製造される。これらは、チタンホウ化物を鉄マトリックスに分散させてなり、高ヤング率で且つ低比重を実現している。
−運転動作−
上述のように、本実施形態のスクロール圧縮機(10)は、冷凍機の冷媒回路に設けられている。この冷媒回路では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。その際、スクロール圧縮機(10)は、蒸発器で蒸発した低圧冷媒を吸入して圧縮し、圧縮後の高圧冷媒を凝縮器へ送り出す。ここでは、スクロール圧縮機(10)が冷媒を圧縮する動作について説明する。
電動機で発生した回転動力は、駆動軸(20)によって可動スクロール(50)に伝達される。駆動軸(20)の偏心部(21)と係合する可動スクロール(50)は、オルダムリング(35)によって案内され、自転することなく公転運動だけを行う。これにより、低圧冷媒が吸入管を通してケーシング(11)内へ吸入される。そして、可動スクロール(50)が移動するにつれて圧縮室(39)の容積が小さくなり、圧縮室(39)内の冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は、第1鏡板(51)の貫通孔(51a)を通って圧縮室(39)から駆動軸(20)の吐出通路(22)へ流入する。その後、高圧冷媒は、吐出通路(22)から高圧室へ流入し、吐出管を通ってケーシング(11)から送り出される。
ここで、圧縮室(39)の内圧が上昇したときには、第1鏡板(51)にはこれを下方へ押し下げる軸方向荷重(スラスト荷重)が作用し、第2鏡板(52)にはこれを上方へ押し上げる軸方向荷重が作用する。一方、本実施形態の可動スクロール(50)において、第1鏡板(51)と第2鏡板(52)は、ボルトによって互いに連結されている。このため、第1鏡板(51)に作用する軸方向荷重と、第2鏡板(52)に作用する軸方向荷重とは、互いに打ち消し合う。従って、圧縮室(39)の内圧が上昇しても、見かけ上、可動スクロール(50)に作用する軸方向荷重は変動しない。
以上説明したように、本実施形態1に係るスクロール圧縮機(10)によれば、固定ラップ(42)の先端部(42b)を基台(12)に連結するようにしたので、固定ラップ(42)の厚みを厚くすることなく、圧縮室(39)内の流体圧力による先端部(42b)の撓み変形を抑制することができる。この結果、スクロール(40,50)が大径化するのを回避しつつ駆動時において両ラップ(42,53)間の側面隙間が拡大するのを抑制することができて漏れ損失を低減できる。また、駆動時において固定ラップ(42)の変形を抑制できるので、発生応力を抑制し、疲労破壊を生じ難くすることができることから、スクロール圧縮機(10)の信頼性を向上することができる。
また、本実施形態によれば、ピンホルダー(65)のピン(63)を固定ラップ(42)の上面に形成されたピン挿入穴(42c)に挿入することにより、固定ラップ(42)を基台(12)に連結するようにしているので、両ラップ(42,53)の噛み合いを維持しつつ固定ラップ(42)の剛性を確実に向上することができる。
また、固定ラップ(42)の加工時には、上記ピン挿入穴(42c)に支持用のピンを挿入することができるので、自由端となっている固定ラップ(42)の先端部(42b)をこのピンで支持することにより、加工時における固定ラップ(42)の支持剛性を高めることができる。この結果、固定ラップ(42)の加工精度を向上することができる。
また、本実施形態によれば、固定ラップ(42)の厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっているので、固定ラップ(42)の剛性を向上させるべくその厚みを一律に厚くした構成に比べスクロール(40,50)の外径を小さくしつつ、固定ラップ(42)の剛性を高くすることが可能となっている。
また、本実施形態によれば、固定ラップ(42)が駆動時に基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように、固定ラップ(42)の厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっているので、駆動時におけるラップ(42,53)同士の隙間をその全体に亘ってほぼ均一とすることができる。この結果、局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
また、本実施形態によれば、固定ラップ(42)の径方向の厚みを、基端部(42a)及び先端部(42b)からその中間部(42d)へ向かうにしたがって薄くしているので、駆動時において固定ラップ(42)の基端部(42a)及び先端部(42b)における変形を抑制できる。この結果、固定ラップ(42)の中間部(42d)における変位を抑制することができ、局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができる。これにより、スクロール(40,50)の大径化を回避しつつ信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
また、本実施形態によれば、固定ラップ(42)を可動ラップ(53)よりも高剛性の材料により構成しているので、駆動時において固定ラップ(42)の撓み変形量が過大になるのを防止することができ、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
また、本実施形態によれば、固定ラップ(42)が可動ラップ(53)と同等の撓み変形量が得られるヤング率を有する材料により構成することができるので、駆動時において局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを確実に防止することができる。つまり、上記固定ラップ(42)の不均一な変形を回避することができる。更に、固定ラップ(42)と可動ラップ(53)との間等の片当たりによる損傷を防止することができる。この結果、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
尚、本実施形態1において、可動ラップ(53)と第1鏡板(51)と第2鏡板(52)とを別体に形成した上で締結するようにしてもよい。あるいは、可動ラップ(53)と第2鏡板(52)とを一体に形成し、第1鏡板(51)を可動ラップ(53)と別体に形成した上でこれらを締結するようにしてもよい。
また、本実施形態1では、圧縮機として構成したが、これに代え、膨張機として構成してもよい。
また、本実施形態において、固定ラップ(42)は、低線膨張率の材料で形成するようにしてもよい。つまり、固定ラップ(42)は、可動ラップ(53)の線膨張率よりも低い材料で形成するようにしてもよい。この場合、固定ラップ(42)の熱変形による高さの変化を抑制することができる。この結果、固定ラップ(42)の上下両端部における噛み込みを防止することができる。
〈実施形態2〉
図7は本発明の実施形態2を示す。ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。尚、図7では、固定ラップ(42)と第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)との隙間を便宜上拡大して描いている。この実施形態2では、実施形態1と異なり、ケーシング(11)の内部は、ハウジング(31)の上方の空間とハウジング(31)の下方の空間との双方が高圧室となっている。以下、具体的に説明する。
ケーシング(11)を貫通している吸入管(14)は、固定スクロール(40)の吸入孔(44)に気密状に嵌挿されている。そして、圧縮機構(30)内において、環状のシール部材(37,38)よりも外側の空間がケーシング(11)内の低圧室に構成されている。
ピン(63)が貫通する第2鏡板(52)の貫通孔(52a)は、圧縮室(39)と連通するように形成されている。また、ピンホルダー(65)には、上下に貫通する貫通孔(65b)が形成されており、この貫通孔(65b)は、第2鏡板(52)の貫通孔(52a)と連通している。このことにより、圧縮室(39)で圧縮された冷媒ガスが固定スクロール(40)よりも上方の空間へ吐出されるようになっている。すなわち、本実施形態2では、第2鏡板(52)の貫通孔(52a)は、圧縮室(39)内で圧縮された冷媒ガスをケーシング(11)内の空間へ吐出させる吐出口を構成している。
尚、本実施形態2では、第1鏡板(51)の貫通孔(51a)は設けられておらず、また、駆動軸(20)の吐出通路(22)も設けられていない。また、本実施形態2において、吐出管は、圧縮機構(30)よりも上方の空間に開口するようにケーシング(11)に取り付けてもよく、あるいは、吐出管を圧縮機構(30)よりも下方の空間に開口するようにケーシング(11)に取り付けた上で、鏡板押え(64)、固定スクロール(40)及びハウジング(31)を貫通する連絡通路を設けるようにしてもよい。
したがって、本実施形態2では、可動スクロール(50)が公転運動を行うと、吸入管(14)を流れた低圧冷媒が固定スクロール(40)の吸入孔(44)を通して圧縮室(39)へ吸入される。圧縮室(39)で圧縮された冷媒は、第2鏡板(52)の貫通孔(52a)、鏡板押え(64)の中央開口、ピンホルダー(65)の貫通孔(65b)を順次通過して圧縮機構(30)よりも上方のケーシング(11)内の空間へ吐出される。この高圧冷媒は、吐出管を通してケーシング(11)外へ送り出される。
本実施形態2によれば、第1鏡板(51)の貫通孔(51a)及び駆動軸(20)の吐出通路(22)を省略できるので、スクロール圧縮機(10)の構成を簡素化することができる。その他の構成、作用及び効果は上記実施形態1と同様である。
〈実施形態3〉
図8は本発明の実施形態3を示す。ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。この実施形態3では、実施形態1と異なり、可動ラップ(53)が第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)とそれぞれ別体に形成されている。以下、具体的に説明する。
固定スクロール(40)は、第1鏡板(46)と、第2鏡板(47)と、固定ラップ(42)とを備えている。固定ラップ(42)は、高さが一定の渦巻き壁状に形成され、第2鏡板(47)の前面側(図8における下面側)に一体的に形成されている。第1鏡板(46)は、固定ラップ(42)とは別体に形成されている。そして、この第1鏡板(46)は、第2鏡板(47)と平行で且つ固定ラップ(42)の下側に配置され、該固定ラップ(42)の外周部に締結されている。この固定ラップ(42)の外周部とハウジング(31)とには、上下に貫通する連絡通路(68)が形成されている。
第1鏡板(46)には、第1貫通孔(46a)と第2貫通孔(46b)とが形成されている。この第1貫通孔(46a)は、第1鏡板(46)の中央部に設けられており、また第2貫通孔(46b)は、第1鏡板(46)の外周部に複数設けられている。これら第1貫通孔(46a)及び第2貫通孔(46b)は、それぞれ駆動軸(20)の偏心部(21)の公転直径よりも大きな内径を有している。
第2鏡板(47)には、第1貫通孔(47a)と第2貫通孔(47b)とが形成されている。第1貫通孔(47a)は、第2鏡板(47)の中央部に設けられており、圧縮室(39)と連通するように形成されている。第2貫通孔(47b)は、第2鏡板(47)の外周部に1つ設けられている。
可動スクロール(50)は、可動盤(71)と可動ラップ(53)とを備えている。可動盤(71)は、概ね円形の平板状に形成されていて、固定スクロール(40)の第1鏡板(46)とハウジング(31)との間に所定の隙間を有する状態で水平配置されている。つまり、可動盤(71)は、固定スクロール(40)の外側に配置されている。そして、可動盤(71)とハウジング(31)との間には、環状のシール部材(75)が配設されている。可動盤(71)の上面には、その中央部に連結部材としてのピン(63)が設けられている。ピン(63)は円柱状に形成されていて、第1鏡板(46)の第1貫通孔(46a)を貫通している。可動盤(71)と第1鏡板(46)との間には環状のシール部材(76)が配設されている。一方、可動盤(71)の下面には、軸受部(73)が設けられている。この軸受部(73)には、駆動軸(20)の偏心部(21)が挿入されている。尚、図8では、可動ラップ(53)と第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)との隙間を便宜上拡大して描いている。
可動盤(71)の外周部(72)は、上方へ突設された支柱部となっていて、この外周部は、第1鏡板(46)の第2貫通孔(46b)を貫通している。
可動ラップ(53)は、高さが一定の渦巻き壁状に形成されると共に、最も外側に位置する基端部(53a)において可動盤(71)の外周部(72)に一体に形成されている。つまり、この可動盤(71)と可動ラップ(53)とは、一体となって公転運動をするようになっている。そして、可動スクロール(50)において、可動盤(71)の外周部(72)の内側面が可動ラップ(53)の内側面に連続しており、可動ラップ(53)は、可動盤(71)の外周部(72)の内側において渦巻き状で且つ片持ち梁状に鏡板(46,47)の中央に向かって延びている。可動ラップ(53)において、最も内側で且つ渦巻き中心の近くに位置する先端部(53b)には、第1鏡板(46)に対面している面、即ち図8における下面にピン挿入穴(53c)が形成されている。このピン挿入穴(53c)は、断面円形状で且つ底面を有するように可動ラップ(53)の高さの半分以下の深さに形成されている。このピン挿入穴(53c)には、上記可動盤(71)のピン(63)が嵌め込まれている。
固定スクロール(40)の第2鏡板(47)の上面には、冷媒の通路を区画形成するための区画部材(78)が設けられている。この区画部材(78)には、上下に貫通する吸入通路(78a)と、径方向に延びる吐出通路(78b)とが形成されている。吸入通路(78a)は、圧縮機構(30)の上方の空間と、第2鏡板(47)の第2貫通孔(47b)とを連通するように区画部材(78)を上下に貫通している。吐出通路(78b)は、第2鏡板(47)の第1貫通孔(47a)と連絡通路(68)とを連通するように、一端が区画部材(78)の下面における中央部に開口する一方、他端が区画部材(78)の下面における外周部に開口している。区画部材(78)の下面において、吐出通路(78b)の中央部側の端部の周囲に環状のシール部材(80)が配設されている。
本実施形態3において、可動ラップ(53)の厚みは、基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっている。具体的に、実施形態1における固定ラップ(42)の厚みを示す図3と同様に、可動ラップ(53)の厚みは、基端部(53a)及び先端部(53b)において厚く、これらの中間部において薄くなっている。
また、可動ラップ(53)は、駆動時に基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっている。つまり、可動ラップ(53)は、基端部(53a)及び先端部(53b)が固定される一方、駆動時において上述したように各圧縮室(39)の流体圧力を受ける。そして、この各圧縮室(39)の流体圧力の大きさに基づいて、基端部(53a)から先端部(53b)における固定ラップ(42)の厚みが設定されている。
可動ラップ(53)は、固定ラップ(42)よりも高剛性の材料により構成されている。すなわち、固定ラップ(42)は、鋳鉄により構成されるのに対し、可動ラップ(53)は、この鋳鉄よりも高剛性の材料により構成されている。この可動ラップ(53)を構成する高剛性材料として、鉄系合金、鋼(ニアネットシェイプ品)、あるいは高密度焼結材を使用することができる。これらの高剛性材料のヤング率(縦弾性係数)は、鋳鉄の約2倍〜3倍に相当している。このため、平板(46,47)と別体に形成された可動側ラップ(42)の撓み変形量と、第2鏡板(47)と一体に形成された固定ラップ(42)の撓み変形量とを同等にすることができるようになっている。また、可動ラップ(53)にP-HMSやM-HMS等の高剛性鋼を用いると、両ラップ(42,53)の撓み変形量をより同等にすることができ、望ましいものとなる。
本実施形態3では、駆動軸(20)が回転して可動スクロール(50)が公転運動をすると、吸入管を流れた低圧冷媒が区画部材(78)の吸入通路(78a)を通過した後、第2鏡板(47)の第2貫通孔(47b)を通過する。この低圧冷媒は、圧縮室(39)へ吸入されて、圧縮室(39)で圧縮される。この圧縮冷媒は、第2鏡板(47)の第1貫通孔(47a)を通過した後、吐出通路(78b)及び連絡通路(68)を流れてハウジング(31)の下方の高圧室へ吐出される。この高圧冷媒は、吐出管を通してケーシング(11)外へ送り出される。
以上説明したように、本実施形態3に係るスクロール圧縮機(10)によれば、可動ラップ(53)の先端部(53b)を可動盤(71)に連結するようにしたので、可動ラップ(53)の厚みを厚くすることなく、圧縮室(39)内の流体圧力による先端部(53b)の撓み変形を抑制することができる。この結果、スクロール(40,50)が大径化するのを回避しつつ駆動時において両ラップ(42,53)間の側面隙間が拡大するのを抑制することができて漏れ損失を低減できる。また、可動ラップ(53)の変形を抑制できるので、発生応力を抑制し、疲労破壊を生じ難くすることができることから、スクロール圧縮機(10)の信頼性を向上することができる。
また、本実施形態によれば、可動盤(71)のピン(63)を可動ラップ(53)の下面に形成されたピン挿入穴(53c)に嵌入することにより、可動ラップ(53)を可動盤(71)に連結するようにしているので、両ラップ(42,53)の噛み合いを維持しつつ可動ラップ(53)の剛性を確実に向上することができる。
また、可動ラップ(53)の加工時には、上記ピン挿入穴(53c)に支持用のピンを挿入することができるので、自由端となっている可動ラップ(53)の先端部(53b)をこのピンで支持することにより、加工時における可動ラップ(53)の支持剛性を高めることができる。この結果、可動ラップ(53)の加工精度を向上することができる。
また、本実施形態によれば、可動ラップ(53)の厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっているので、可動ラップ(53)の剛性を向上させるべくその厚さを一律に厚くした構成に比べスクロール(40,50)の外径を小さくしつつ、可動ラップ(53)の剛性を高くすることが可能となっている。
また、本実施形態によれば、可動ラップ(53)が駆動時に基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように可動ラップ(53)の厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっているので、駆動時におけるラップ(42,53)同士の隙間をその全体に亘ってほぼ均一とすることができる。この結果、局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
また、本実施形態によれば、可動ラップ(53)の径方向の厚みを、基端部(53a)及び先端部(53b)からその中間部へ向かうにしたがって薄くしているので、駆動時において可動ラップ(53)の基端部(53a)及び先端部(53b)における変形を抑制できる。この結果、可動ラップ(53)の中間部における変位を抑制できるので、局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができる。これにより、スクロール(40,50)の大径化を回避しつつ、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
また、本実施形態によれば、可動ラップ(53)を固定ラップ(42)よりも高剛性の材料により構成しているので、駆動時において可動ラップ(53)の撓み変形量が過大になるのを防止することができ、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
また、本実施形態によれば、可動ラップ(53)が固定ラップ(42)と同等の撓み変形量が得られるヤング率を有する材料により構成することができるので、駆動時において局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを確実に防止することができる。つまり、上記可動ラップ(53)の不均一な変形を回避することができる。更に、固定ラップ(42)と可動ラップ(53)との間等の片当たりによる損傷を防止することができる。この結果、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
尚、本実施形態3において、固定ラップ(42)と第1鏡板(46)と第2鏡板(47)とは、それぞれ別体に形成した上で締結するようにしてもよい。あるいは、固定ラップ(42)と第1鏡板(46)とを一体に形成し、第2鏡板(47)を固定ラップ(42)と別体に形成した上で締結するようにしてもよい。また、本実施形態3では、圧縮機として構成したが、これに代え、膨張機として構成してもよい。
また、本実施形態において、可動ラップ(53)は、低線膨張率の材料で形成するようにしてもよい。つまり、可動ラップ(53)は、固定ラップ(42)の線膨張率よりも低い材料で形成するようにしてもよい。この場合、可動ラップ(53)の熱変形による高さの変化を抑制することができる。この結果、可動ラップ(53)の上下両端部における噛み込みを防止することができる。
その他の構成、作用及び効果は上記実施形態1と同様である。
〈実施形態4〉
図9は本発明の実施形態4を示す。ここでは、実施形態3と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。尚、図9では、可動ラップ(53)と第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)との隙間を便宜上拡大して描いている。この実施形態4では、実施形態3と異なり、圧縮室(39)で圧縮された冷媒を可動盤(71)を通して吐出するようにしている。以下、具体的に説明する。
可動盤(71)の中央部には、上下に貫通する貫通孔(71a)が形成されている。この貫通孔(71a)は、固定スクロール(40)の第1鏡板(46)に設けられている第1貫通孔(46a)と連通するように形成されている。
駆動軸(20)内には、上下に延びる吐出通路(22)が形成されている。この吐出通路(22)は、その上端が偏心部(21)の上面に開口しており、可動盤(71)の貫通孔(71a)と連通するようになっている。また、吐出通路(22)は、その他端が駆動軸(20)の側面に開口していて、高圧室と連通している。
本実施形態4では、固定スクロール(40)の第2鏡板(47)には、中央部の第1貫通孔(47a)が設けられておらず、また、固定ラップ(42)とハウジング(31)とに亘る連絡通路(68)も設けられていない。さらに区画部材(78)も設けられていない。
したがって、本実施形態4では、可動スクロール(50)が公転運動を行うと、吸入管を流れた低圧冷媒が第2鏡板(47)の貫通孔(47b)を通過して圧縮室(39)へ吸入される。圧縮室(39)で圧縮された冷媒は、第1鏡板(46)の第1貫通孔(46a)及び可動盤(71)の貫通孔(71a)を通過した後、駆動軸(20)内の吐出通路(22)を流れて圧縮機構(30)よりも下方の高圧室へ吐出される。この高圧冷媒は、吐出管を通してケーシング(11)外へ送り出される。
本実施形態2によれば、区画部材(78)を省略できるので、スクロール圧縮機(10)の構成を簡素化することができる。また、第2鏡板(47)中央部の貫通孔(47a)と連絡通路(68)を省略できるので、圧縮機構(30)の製造工程を削減することができる。
その他の構成、作用及び効果は上記実施形態3と同様である。
〈実施形態5〉
図10は本発明の実施形態5を示す。ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。尚、図10では、固定ラップ(42)と第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)との隙間を便宜上拡大して描いている。実施形態1では、固定ラップ(42)の先端部(42b)をピン(63)によって基台(12)に連結するようにしたが、この実施形態5では、かかる連結はされていない。そして、固定ラップ(42)は、基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なる厚みに形成されている。すなわち、固定ラップ(42)は、図11に示すように、その厚みが基端部(42a)から先端部(42b)へ向かうにしたがって次第に薄くなっている。
本実施形態5では、固定ラップ(42)の先端部(42b)がピン等に連結されていないために、圧縮機(10)の駆動中において、固定ラップ(42)は、圧縮室(39)内の冷媒圧力を受けて径方向に撓みやすい。しかしながら、固定ラップ(42)を基端部(42a)において厚く形成しているので、基端部(42a)における剛性が高くなっている。そして、この基端部(42a)から先端部(42b)へ向かうにしたがって次第に薄くすることにより、スクロール(40,50)が大径化するのを回避している。
また、固定ラップ(42)は、駆動時に基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっている。つまり、固定ラップ(42)は、基端部(42a)が固定端として形成される一方、駆動時において上述したように各圧縮室(39)の流体圧力を受ける。そして、この各圧縮室(39)の流体圧力の大きさに基づいて、基端部(42a)から先端部(42b)における固定ラップ(42)の厚みが設定されている。
したがって、本実施形態5によれば、固定端となる固定ラップ(42)の基端部(42a)における剛性を高くすることができるので、この基端部(42a)の変形を抑制することにより先端部(42b)での変位量を低減することができる。また、固定ラップ(42)が基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように固定ラップ(42)の厚みを基端部(42a)と先端部(42b)との間で異ならせているので、駆動時においてラップ(42,53)同士の隙間をその全体に亘ってほぼ均一とすることができる。この結果、駆動時において局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、スクロール(40,50)の大径化を回避しつつ、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
また、本実施形態によれば、固定ラップ(42)の厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっているので、固定ラップ(42)の剛性を向上させるべくその厚みを一律に厚くした構成に比べスクロール(40,50)の外径を小さくしつつ、固定ラップ(42)の剛性を高くすることが可能となる。
尚、本実施形態5では、支持部材(62)と、固定ラップ(42)のピン挿入穴(42c)とが設けられていない。また、可動スクロール(50)の第2鏡板(52)の貫通孔(52a)も設けられていない。
また、本実施形態5では、圧縮機として構成したが、これに代え、膨張機として構成してもよい。その他の構成、作用及び効果は上記実施形態1と同様である。
尚、本実施形態において、固定ラップ(42)は、低線膨張率の材料で形成するようにしてもよい。つまり、固定ラップ(42)は、可動ラップ(53)の線膨張率よりも低い材料で形成するようにしてもよい。この場合、固定ラップ(42)の熱変形による長さ及び高さの変化を抑制することができる。この結果、固定ラップ(42)の先端部(42b)及び上下両端部における噛み込みを防止することができる。
〈実施形態6〉
図12は本発明の実施形態6を示す。ここでは、実施形態3と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。尚、図12では、可動ラップ(53)と第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)との隙間を便宜上拡大して描いている。実施形態3では、可動ラップ(53)の先端部(53b)をピン(63)によって可動盤(71)と連結するようにしたが、この実施形態6では、かかる連結はされていない。そして、可動ラップ(53)の厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっている。すなわち、可動ラップ(53)は、実施形態5における固定ラップ(42)の厚みの変化を示す図11と同様に、径方向の厚みが基端部(53a)から先端部(53b)へ向かうにしたがって次第に薄くなっている。
本実施形態5では、可動ラップ(53)の先端部(53b)がピン等に連結されていないために、圧縮機(10)の駆動中において、可動ラップ(53)は、圧縮室(39)内の冷媒圧力を受けて径方向に撓みやすい。しかしながら、可動ラップ(53)を基端部(53a)において厚く形成しているので、基端部(53a)における剛性が高くなっている。そして、この基端部(53a)から先端部(53b)へ向かうにしたがって次第に薄くすることにより、スクロール(40,50)が大径化するのを回避している。
また、可動ラップ(53)は、駆動時に基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっている。つまり、可動ラップ(53)は、基端部(53a)が固定端に形成される一方、駆動時において上述したように各圧縮室(39)の流体圧力を受ける。そして、この各圧縮室(39)の流体圧力の大きさに基づいて、基端部(53a)から先端部(53b)における固定ラップ(42)の厚みが設定されている。
したがって、本実施形態6によれば、固定端となる可動ラップ(53)の基端部(53a)における剛性を高くすることができるので、この基端部(53a)の変形を抑制することにより先端部(53b)での変位量を低減することができる。また、可動ラップ(53)が基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように可動ラップ(53)の厚みを基端部(53a)と先端部(53b)との間で異ならせているので、駆動時においてラップ(42,53)同士の隙間をその全体に亘ってほぼ均一とすることができる。この結果、駆動時において局所的にラップ(42,53)同士の隙間が増大するのを防止することができ、スクロール(40,50)の大径化を回避しつつ、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機(10)を得ることができる。
また、本実施形態によれば、可動ラップ(53)の径方向の厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっているので、可動ラップ(53)の剛性を向上させるべくその厚みを一律に厚くした構成に比べスクロール(40,50)の外径を小さくしつつ、可動ラップ(53)の剛性を高くすることが可能となる。
尚、本実施形態6では、可動盤(71)のピン(63)は設けられておらず、また可動ラップ(53)のピン挿入孔(53c)も設けられていない。
また、本実施形態6では、圧縮機として構成したが、これに代え、膨張機として構成してもよい。その他の構成、作用及び効果は上記実施形態3と同様である。
尚、本実施形態において、可動ラップ(53)は、低線膨張率の材料で形成するようにしてもよい。つまり、可動ラップ(53)は、固定ラップ(42)の線膨張率よりも低い材料で形成するようにしてもよい。この場合、可動ラップ(53)の熱変形による長さ及び高さの変化を抑制することができる。この結果、可動ラップ(53)の先端部(53b)及び上下両端部における噛み込みを防止することができる。
〈実施形態7〉
図13は本発明の実施形態7を示す。ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。つまり、本実施形態は、実施形態1が1つのピン(63)を設けたのに代わり、2つのピン(63)を設けたものである。
具体的に、基台(12)の一部を構成する駆動軸(20)には、上端面に連結部材としてのピン(63)が突出形成されている。そして、ピン(63)は、第1鏡板(51)の貫通孔(51a)を貫通するとともに、固定ラップ(42)の先端部(42b)の下部に形成されたピン挿入穴(42c)に挿入されている。
したがって、本実施形態では、2つのピン(63)が固定ラップ(42)の先端部(42b)を上下両側から支持するので、両ラップ(42,53)の噛み合いを維持しつつ固定ラップ(42)の剛性をより確実に向上することができる。その他の構成、作用及び効果は、実施形態1と同様である。
〈実施形態8〉
図14は本発明の実施形態8を示す。ここでは、実施形態4と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。つまり、本実施形態は、実施形態4が1つのピン(63)を設けたのに代わり、2つのピン(63)を設けたものである。
具体的に、実施形態4の可動盤(71)の他、固定スクロール(40)の第2鏡板(47)の背面側に更に他の可動盤(74)が設けられている。この可動盤(74)は、第2鏡板(47)を貫通して可動ラップ(53)の基端部(53a)に一体に連結されている。
更に、上記可動盤(74)には、連結部材としてのピン(63)が突出形成されている。そして、ピン(63)は、第2鏡板(47)の中央孔を貫通するとともに、可動ラップ(53)の先端部(53b)の上部に形成されたピン挿入穴(53c)に挿入されている。
したがって、本実施形態では、2つのピン(63)が可動ラップ(53)の先端部(53b)を上下両側から支持するので、両ラップ(42,53)の噛み合いを維持しつつ可動ラップ(53)の剛性をより確実に向上することができる。その他の構成、作用及び効果は、実施形態4と同様である。
〈その他の実施形態〉
実施形態1及び実施形態2において、ピン(63)で固定ラップ(42)を支持すると共に、固定スクロール(40)の固定ラップ(42)を可動スクロール(50)の可動ラップ(53)より短くし、いわゆる非対称渦巻きに形成した。しかしながら、本発明は、ピン(63)を設けることなく、固定スクロール(40)の固定ラップ(42)を可動スクロール(50)の可動ラップ(53)より短くし、いわゆる非対称渦巻きに形成するのみであってもよい。
つまり、上記固定スクロール(40)の固定ラップ(42)は、基端部(42a)から先端部(42b)までの長さが上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)の基端部(53a)から先端部(53b)までの長さより短く設定するものであってもよい。この場合、固定ラップ(42)の長さが可動ラップ(53)の長さより短いので、固定ラップ(42)の変形が抑制されると共に、圧縮室(39)における局所的な高荷重が回避される。
また、実施形態3及び実施形態4において、ピン(63)で可動ラップ(53)を支持するようにしている。しかしながら、本発明は、ピン(63)を設けることなく、可動スクロール(50)の可動ラップ(53)を固定スクロール(40)の固定ラップ(42)より短くし、いわゆる非対称渦巻きに形成するのみであってもよい。
つまり、上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)は、基端部(53a)から先端部(53b)までの長さが固定スクロール(40)の固定ラップ(42)の基端部(42a)から先端部(42b)までの長さより短く設定するものであってもよい。この場合、可動ラップ(53)の長さが固定ラップ(42)の長さよりより短いので、可動ラップ(53)の変形が抑制されると共に、圧縮室(39)における局所的な高荷重が回避される。
以上説明したように、本発明は、流体の圧縮等を行うスクロール型流体機械に有用であり、特に、ラップと鏡板とが分離される場合に適している。
本発明の実施形態1のスクロール圧縮機構の主要部を示す断面図である。 実施形態1のハウジング、オルダムリング、可動スクロール、固定スクロール、支持部材を示す斜視図である。 実施形態1の固定ラップの径方向の厚みの変化を示す特性図である。 実施形態1の固定ラップに作用する冷媒圧力の一例を示す特性図である。 高剛性材料例を示す表である。 高剛性鋼のラインナップを示す表である。 本発明の実施形態2のスクロール圧縮機構の主要部を示す断面図である。 本発明の実施形態3のスクロール圧縮機構の主要部を示す断面図である。 本発明の実施形態4のスクロール圧縮機構の主要部を示す断面図である。 本発明の実施形態5のスクロール圧縮機構の主要部を示す断面図である。 実施形態5の固定ラップの径方向の厚みの変化を示す特性図である。 本発明の実施形態6のスクロール圧縮機構の主要部を示す断面図である。 本発明の実施形態7のスクロール圧縮機構の主要部を示す断面図である。 本発明の実施形態8のスクロール圧縮機構の主要部を示す断面図である。
符号の説明
12 基台
40 固定スクロール
41 外壁
42 固定ラップ
42a 基端部
42b 先端部
42d 中間部
46 第1鏡板
47 第2鏡板
50 可動スクロール
51 第1鏡板
52 第2鏡板
53 可動ラップ
53a 基端部
53b 先端部
62 支持部材
63 ピン
71 可動盤

Claims (24)

  1. 固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とがケーシング(11)に収納されたスクロール型流体機械であって、
    上記固定スクロール(40)は、ケーシング(11)及び該ケーシング(11)内の基台(12)に固定された環状の外壁(41)と、該外壁(41)の内面に基端部(42a)が連続し、先端部(42b)が外壁(41)の中央に向かって渦巻き状に延びる固定ラップ(42)とを備え、
    上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の両端面に対向して配置された第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)と、該両鏡板(51,52)の間に設けられ且つ上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備え、
    上記固定ラップ(42)の先端部(42b)を基台(12)に連結する連結部材(63)が設けられているスクロール型流体機械。
  2. 上記基台(12)は、第2鏡板(52)の外側に位置する支持部材(62)を備え、
    上記連結部材(63)は、支持部材(62)に突設され且つ固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入されたピンにより構成されている請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  3. 上記固定ラップ(42)は、基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なる厚みに形成されている請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  4. 上記固定ラップ(42)は、駆動時に基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっている請求項3に記載のスクロール型流体機械。
  5. 上記固定ラップ(42)の厚みは、基端部(42a)及び先端部(42b)からこれらの中間部(42d)へ向かうにしたがって薄くなっている請求項3に記載のスクロール型流体機械。
  6. 上記固定ラップ(42)は、可動ラップ(53)よりも高剛性の材料からなる請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  7. 上記固定ラップ(42)は、可動ラップ(53)と同等の撓み変形量が得られる縦弾性係数を有する材料からなる請求項6に記載のスクロール型流体機械。
  8. 上記基台(12)は、第1鏡板(51)の外側に位置する駆動軸(20)と第2鏡板(52)の外側に位置する支持部材(62)とを備え、
    上記連結部材(63)は、駆動軸(20)に突設され且つ固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入されたピン及び支持部材(62)に突設され且つ固定ラップ(42)の先端部(42b)に挿入されたピンにより構成されている請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  9. 固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とを備えたスクロール型流体機械であって、
    上記固定スクロール(40)は、互いに平行な第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)と、該両鏡板(46,47)の間に設けられた渦巻き状の固定ラップ(42)とを備え、
    上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の外側に配置された可動盤(71)と、該可動盤(71)に基端部(53a)が連続し且つ固定スクロール(40)の両鏡板(46,47)の間において先端部(53b)が両鏡板(46,47)の中央に向かって渦巻き状に延びて上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備え、
    上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)と可動盤(71)との間には、可動ラップ(53)の先端部(53b)を可動盤(71)に連結する連結部材(63)が設けられているスクロール型流体機械。
  10. 上記連結部材(63)は、固定スクロール(40)の一方の鏡板(46)の外側に位置する可動盤(71)に突設され且つ可動ラップ(53)の先端部(53b)に挿入されるピンにより構成されている請求項9に記載のスクロール型流体機械。
  11. 上記可動ラップ(53)は、基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なる厚みに形成されている請求項9に記載のスクロール型流体機械。
  12. 上記可動ラップ(53)は、駆動時に基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっている請求項11に記載のスクロール型流体機械。
  13. 上記可動ラップ(53)の厚みは、基端部(53a)及び先端部(53b)からこれらの中間部へ向かうにしたがって薄くなっている請求項11に記載のスクロール型流体機械。
  14. 上記可動ラップ(53)は、固定ラップ(42)よりも高剛性の材料からなる請求項9に記載のスクロール型流体機械。
  15. 上記可動ラップ(53)は、固定ラップ(42)と同等の撓み変形量が得られる縦弾性係数を有する材料からなる請求項14に記載のスクロール型流体機械。
  16. 上記連結部材(63)は、固定スクロール(40)の両鏡板(46,47)の外側に位置する2つの可動盤(71,74)に突設され且つ可動ラップ(53)の先端部(53b)に挿入される2つのピンにより構成されている請求項9に記載のスクロール型流体機械。
  17. 固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とを備えたスクロール型流体機械であって、
    上記固定スクロール(40)は、環状の外壁(41)と、該外壁(41)の内面に基端部(42a)が連続し、先端部(42b)が外壁(41)の中央に向かって渦巻き状に延びる固定ラップ(42)とを備え、
    上記可動スクロール(50)は、固定スクロールの両端面に対向して配置された第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)と、該両鏡板(51,52)の間に設けられ且つ上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備え、
    上記固定スクロール(40)の固定ラップ(42)は、基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なる厚みに形成されているスクロール型流体機械。
  18. 上記固定ラップ(42)は、駆動時に基端部(42a)から先端部(42b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(42a)と先端部(42b)との間で異なっている請求項17に記載のスクロール型流体機械。
  19. 上記固定ラップ(42)の厚みは、基端部(42a)から先端部(42b)へ向かうにしたがって薄くなっている請求項17に記載のスクロール型流体機械。
  20. 固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とを備えたスクロール型流体機械であって、
    上記固定スクロール(40)は、互いに平行な第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)と、該両鏡板(46,47)の間に設けられた渦巻き状の固定ラップ(42)とを備え、
    上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の外側に配置された可動盤(71)と、該可動盤(71)に基端部(53a)が連続し且つ固定スクロール(40)の両鏡板(46,47)の間において先端部(53b)が両鏡板(46,47)の中央に向かって渦巻き状に延びて固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備え、
    上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)は、基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なる厚みに形成されているスクロール型流体機械。
  21. 上記可動ラップ(53)は、駆動時に基端部(53a)から先端部(53b)に亘ってほぼ均一に変形するように、厚みが基端部(53a)と先端部(53b)との間で異なっている請求項20に記載のスクロール型流体機械。
  22. 上記可動ラップ(53)の厚みは、基端部(53a)から先端部(53b)へ向かうにしたがって薄くなっている請求項20に記載のスクロール型流体機械。
  23. 固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とがケーシング(11)に収納されたスクロール型流体機械であって、
    上記固定スクロール(40)は、ケーシング(11)及び該ケーシング(11)内の基台(12)に固定された環状の外壁(41)と、該外壁(41)の内面に基端部(42a)が連続し、先端部(42b)が外壁(41)の中央に向かって渦巻き状に延びる固定ラップ(42)とを備え、
    上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の両端面に対向して配置された第1鏡板(51)及び第2鏡板(52)と、該両鏡板(51,52)の間に設けられ且つ上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備え、
    上記固定スクロール(40)の固定ラップ(42)は、基端部(42a)から先端部(42b)までの長さが上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)の基端部(53a)から先端部(53b)までの長さより短く設定されているスクロール型流体機械。
  24. 固定スクロール(40)と、該固定スクロール(40)に噛合して自転することなく公転運動を行う可動スクロール(50)とを備えたスクロール型流体機械であって、
    上記固定スクロール(40)は、互いに平行な第1鏡板(46)及び第2鏡板(47)と、該両鏡板(46,47)の間に設けられた渦巻き状の固定ラップ(42)とを備え、
    上記可動スクロール(50)は、固定スクロール(40)の外側に配置された可動盤(71)と、該可動盤(71)に基端部(53a)が連続し且つ固定スクロール(40)の両鏡板(46,47)の間において先端部(53b)が両鏡板(46,47)の中央に向かって渦巻き状に延びて上記固定ラップ(42)と噛合する可動ラップ(53)とを備え、
    上記可動スクロール(50)の可動ラップ(53)は、基端部(53a)から先端部(53b)までの長さが固定スクロール(40)の固定ラップ(42)の基端部(42a)から先端部(42b)までの長さより短く設定されているスクロール型流体機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015121135A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 株式会社デンソー スクロール型圧縮機構
JP2020076370A (ja) * 2018-11-08 2020-05-21 有限会社スクロール技研 スクロール型真空ポンプ

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