JP6090709B2 - ガラス繊維用集束剤、ガラス繊維、及び繊維強化樹脂成型体 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス繊維用集束剤に関し、より具体的には、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(以下、FRTPという)の補強材として使用するガラス繊維に塗布するガラス繊維用集束剤、該ガラス繊維用集束剤が塗布されたガラス繊維、及び該ガラス繊維と熱可塑性樹脂を複合化させた繊維強化樹脂成型体に関するものである。
従来から、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を、補強材としてガラス繊維を用いた繊維強化樹脂成型体が、様々な場面で使用されている。繊維強化樹脂成型体は軽量であり、かつ機械的強度も高いため、様々な用途に使用されている。
また、最近は光の透過性に優れ、透明に近い熱可塑性樹脂も繊維強化樹脂成型体として使用されており、ガラス板の代替品としての使用頻度も増加している。
このような、光の透過性に優れた繊維強化樹脂成型体を作製する上で重要な要素として、補強材として使用されるガラス繊維の特性が挙げられる。具体的に説明すると、繊維強化樹脂成型体を目視で確認した際に、繊維強化樹脂成型体の着色を確認できないことが重要となってくる。
ガラス繊維を目視により確認し難くするために、ガラス繊維に塗布されるガラス繊維用集束剤の特性が重要となってくる。
特許文献1では、成形品中の繊維が見えるのを低減させ、より均一な色彩と表面外観を与えることを目的として、a)架橋しない飽和ポリエーテルから形成されるポリエーテルベースの熱可塑性ポリウレタンを含む第1 の被膜形成剤;b)i)ビニルアセテートグリシジルメタクリレートコポリマー、または、ii)ビニルアセテートグリシジルメタクリレートコポリマーおよびビニルアセテートホモポリマーの混合物、を含む第2の被膜形成剤;c)シランカップリング剤; およびd)水を含む組成物をガラス繊維に被覆させる旨が開示されている。
特表2002−506414
特許文献1の場合、シート成形コンパウンド(Sheet Molding Compound)(SMC)およびバルク成形コンパウンド(Bulk Molding Compound)(BMC)法によって形成されるコンポジットについて、表面外観及び着色均一性を改善させることを主な課題としており、光の透過性に優れた熱可塑性樹脂を用いた繊維強化樹脂成型体を想定したものではない。そのため、ガラス繊維が、ガラス繊維に被覆した組成物を用いた場合、繊維強化樹脂成型体の着色が目立つおそれがある。
本発明では、光の透過性に優れた維強化樹脂成型体に用いても、機械的強度が高いことはもとより、着色のない繊維強化樹脂成型体を得ることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ガラス繊維用集束剤に、グリシジル基を有する高分子を含有させることにより、機械的強度が高くなることを見出した。一方で、グリシジル基は、ガラス繊維が着色する原因となるため、所定量のヒドロキシル基を、グリシジル基を有する高分子に含ませるとともに、オレフィンを重合させることで、機械的強度を保ちながらも、着色のない繊維強化樹脂成型体を得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明のガラス繊維用集束剤は、
グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体を含有してなり、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体におけるオレフィンの質量割合(X)が65〜95質量%であり、
Xと、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のグリシジル基数(Y)と、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のヒドロキシル基数(Z)とが、
4≦(100−X)Y/(Y+Z)≦30
の関係を満たすことを特徴とする。
また、本発明のガラス繊維用集束剤は、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体が、グリシジルメタクリレート−エチレン共重合体であることを特徴とする。
本発明のガラス繊維は、表面に上記のいずれかのガラス繊維集束剤が塗布されてなり、前記ガラス繊維と前記ガラス繊維集束剤の固形物の合量に対する前記ガラス繊維集束剤の固形物の質量割合が、0.2〜2.0質量%であることを特徴とする。
本発明の繊維強化樹脂成型体は、上記のガラス繊維と、熱可塑性樹脂とを複合化させてなることを特徴とする。
また、本発明の繊維強化樹脂成型体は、前記熱可塑性樹脂が、ポリエステルまたはポリカーボネートであることを特徴とする。
本発明によれば、光の透過性に優れた維強化樹脂成型体に用いても、機械的強度が高いことはもとより、着色のない繊維強化樹脂成型体を得ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[ガラス繊維用集束剤]
本発明のガラス繊維用集束剤は、
グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体を含有してなり、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体におけるオレフィンの質量割合(X)が65〜95質量%であり、
Xと、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のグリシジル基数(Y)と、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のヒドロキシル基数(Z)とが、
4≦(100−X)Y/(Y+Z)≦30
の関係を満たす。以下、その詳細について説明する。
本発明のガラス繊維用集束剤は、グリシジルメタクリレート単量体とオレフィン単量体とが共重合体のユニットとして含まれており、これらの単量体等を共重合させることにより合成される。
グリシジルメタクリレートは、重合後も反応性に富むグリシジル基を有しており、グリシジル基中のエポキシ環に開環付加させることで種々の官能基を導入することができることにより、繊維強化樹脂成型体に様々な特性を付加できるととともに、開環していないグリシジル基自体は、複合化の際に熱可塑性樹脂の官能基と反応し、繊維強化樹脂成型体の機械的強度を高めることに大きく寄与する。また、所定量のオレフィンが重合することにより、維強化樹脂成型体の機械的強度が高くなる。
その一方で、グリシジル基が多く残存していると、繊維強化樹脂成型体が着色するおそれが高い。原因は明確ではないが、複合化の際には通常200℃以上の熱が加えられ、その熱により熱可塑性樹脂の官能基とグリシジル基が反応するが、熱により一部変性するためと考えられる。
そこで、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体に含まれる、開環していないグリシジル基と、ヒドロキシル基の官能基数を調整すること、及び所定量のオレフィンを重合させることで、繊維強化樹脂成型体の機械的強度を高めるとともに、繊維強化樹脂成型体の着色を抑制することができる。開環していないグリシジル基と、ヒドロキシル基の官能基数を調整する方法としては、300℃以上に加熱してグリシジル基を開環し、ヒドロキシル基とすることにより調整することができる。
具体的には、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体におけるオレフィンの質量割合(X)が65〜95質量%のものを用い、これを300℃以上に加熱し、
Xと、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のグリシジル基数(Y)と、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のヒドロキシル基数(Z)とが、
4≦(100−X)Y/(Y+Z)≦30
の関係を満たすように調整すればよい。上記要件を満たすことにより、繊維強化樹脂成型体の機械的強度を高めるとともに、繊維強化樹脂成型体の着色を抑制することができる。
なお、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のグリシジル基とヒドロキシル基の官能基数割合を調整する場合、共重合前の単量体のグリシジル基とヒドロキシル基の官能基割合を調整する方法と、共重合させた後にグリシジル基を開環させる方法が挙げられるが、共重合の際には、重合開始剤等を混合し、加熱しており、その際にグリシジル基が開環することがあるため、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体を合成した後にグリシジル基とヒドロキシル基の官能基数を調整する方法が好ましい。
なお、グリシジル基の開環は、カチオン、アニオン、配位重合触媒等の存在下で、水素を付加することにより行うことができる。他にも、BF3−エーテラートおよび2−メチルイミダゾール等の開環エステル化触媒の存在下で、エステル化させることにより行うこともできる。
また、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のグリシジル基の開環割合を測定する方法は、JIS K7236(2001)に規格化されている方法によりエポキシ当量を測定し、JIS K0070(1992)に規格化されている方法によりヒドロキシル基当量を測定し、これらの値から求めることができる。
オレフィンとしては、エチレンであることが好ましい。エチレンは、炭素鎖が短く、分岐が存在しないため、立体的な障害の少ないグリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体を得ることが可能となる。
グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体は、グリシジルメタクリレート単量体とオレフィン単量体とを共重合することにより合成される。
重合形態としては、ランダム共重合体 、交互共重合体、 ブロック共重合体、 グラフト共重合体などが挙げられるが、ランダム共重合体であれば、共重合体の全体に亘りグリシジル基が存在することとなるので好ましい。
また、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体は、特性を損なわない程度に、スチレン等の単量体も共重合させても良い。グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体におけるスチレン等の質量割合は、10質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
また、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体の、ガスパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が5000〜100000であることが好ましい。重量平均分子量が5000未満である場合、分子量が短いために機械的強度を十分に保てないおそれがある。一方、重量平均分子量が100000よりも大きい場合、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体の粘性が高くなりすぎるために、ガラス繊維用集束剤としてグリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体を使用した場合、ガラス繊維全体に塗布できないおそれがある。より好ましい重量平均分子量は、10000〜80000である。
なお、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体としては、例えば、ボンドファスト(登録商標)(グレード2C、E;住友化学(株)製)等が挙げられる。
ガラス繊維用集束剤中における、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体の含有量は、5〜30質量%であることが好ましい。グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体の含有量が5質量%未満である場合、含有量が少ない為に、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体をガラス繊維用集束剤に含有させたことによる効果を十分に享受できないおそれがある。一方、グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体の含有量が30質量%より多い場合、含有量に見合った機械的強度の改善効果、及び着色抑制効果が得られず、コスト高につながるおそれがある。より好ましいグリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体の含有量は、10〜25質量%である。
本発明に係るガラス繊維サイジング剤中には、上述の成分以外に、アミノシラン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、潤滑剤、及び帯電防止剤等の各成分を含むことができ、それぞれの成分の配合比は、必要に応じて決定すればよい。
アミノシランとしては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’ −β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。アミノシランは繊維強化樹脂成型体の機械的強度を向上させることに大きく寄与している。ガラス繊維用集束剤中における、アミノシランの含有量は、0.3〜2.0質量%であることが好ましい。アミノシランの含有量が0.3質量%未満である場合、繊維強化樹脂成型体の機械的強度を向上させる働きが低下するおそれがある。一方、アミノシランの含有量が2.0質量%よりも大きくなると、熱可塑性樹脂とガラス繊維を複合化させる際に、ガラス繊維の分散性が悪化するため好ましくない。より好ましいアミノシランの含有量は0.5〜1.5質量%である。
[ガラス繊維]
本発明のガラス繊維は、表面に上記に記載のガラス繊維集束剤が塗布されてなり、ガラス繊維とガラス繊維集束剤の固形物の合量に対するガラス繊維集束剤の固形物の質量割合が、0.2〜2.0質量%である。
ガラス繊維は、溶融ガラスを白金製のブッシングの底部に設けられた多数のノズルから引き出すことによって形成され、数十から数千本のガラス繊維モノフィラメントに、アプリケーターなどによってガラス繊維用集束剤が塗布された後、束ねられて1本のガラス繊維ストランドとされ、ケーキとして巻き取られる。
ガラス繊維用集束剤の付着率は、表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対する、JIS K0067(1992)に従う液体状のガラス繊維用集束剤の強熱減量試験による質量減量により求められる。具体的には、ガラス繊維を620℃で1時間加熱処理して不揮発成分を焼却除去し、加熱処理前後のガラスチョップドストランドの質量から計算できる。付着率は、加熱処理前のガラスチョップドストランドの質量をx、加熱処理後のガラスチョップドストランドの質量をyとすると、(x−y)/y×100で求められる。
ガラス繊維表面に塗布されたガラス繊維用集束剤の付着率が0.2質量%未満である場合、上述した性能を十分に発揮することができないおそれがある。一方、ガラス繊維表面に塗布されたガラス繊維用集束剤の付着率が2.0質量%より大きい場合、塗布量の増加にも関わらず、上記の諸性能の向上が認められず、コストパフォーマンスの低いものとなるので経済的ではない。より好ましい付着率は、0.5〜1.5質量%である。
本発明のガラス繊維は、上述に加え3〜50μmの平均直径を有するガラス長繊維であるならば、多様な複合化法を適用し、所望の形態のガラス繊維強化樹脂を得ることが容易であるので好ましい。
ガラス繊維の平均直径が3μm未満では、複合化の際に、熱可塑性樹脂の流動性が低下し、一方、50μmより大きいと、樹脂成型体として充分な強度、剛性が付与できないおそれがある。より好ましい平均直径は、3μm以上20μm以下である。
ガラス繊維の平均直径は、長さ1000mのガラス繊維の質量の計測、ガラス繊維の密度の計測などからガラス繊維の直径値を算出してもよく、またレーザー計測機などにより繊維径を計測して得たものであってもよい。
本発明のガラス繊維の形状は特に限定されず、DWR,ガラスチョップドストランド、ペーパー、マット、ヤーンなどがあるが、ガラスチョップドストランド、DWRが好ましい。
ガラス繊維を構成するガラスは、特に限定されない。ガラス繊維を構成するガラスとしては、Eガラス(アルカリ成分2.0質量%以下の組成を有する)、ARガラス(耐アルカリ性を有するガラスの組成を有する)、Cガラス(耐酸性を有するアルカリ石灰含有ガラスの組成を有する)、Dガラス(低誘電率を有するガラスの組成を有する)、Hガラス(高誘電率を有するガラスの組成を有する)、Sガラス(高強度、高弾性率を有するガラスの組成を有する)、Tガラス(高強度、高弾性率を有するガラスの組成を有する)、Mガラス(高弾性率を有するベリリウムを含有するガラスの組成を有する)、NEガラス(低誘電率、低誘電正接を有するガラスの組成を有する)などが挙げられる。
[繊維強化樹脂成型体]
本発明の繊維強化樹脂成型体は、上記に記載のガラス繊維と、熱可塑性樹脂とを複合化させてなることを特徴とする。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、などのポリエステル樹脂、6‐ナイロン樹脂、6,6‐ナイロン、などのポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、などのポリオレフィン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、などのスチレン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、などが挙げられる。これらは通常一種単独で用いられ、用途に応じて二種以上を併用することができる。
これらのなかでも、ポリエステル樹脂及び/又はポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂は、ガラス繊維と複合化させることにより、光の透過性に優れた繊維強化樹脂成型体を得ることができる。また、これらの繊維強化樹脂成型体は透明または半透明である。そのため、ガラス繊維が着色している場合、外観の低下が顕著となる。本発明に係るガラス繊維とポリエステル樹脂及び/又はポリカーボネート樹脂を複合化させることにより、他の熱可塑性樹脂を用いた時と比べて、ガラス繊維の着色を抑制したことによる外観の改善効果が顕著に現れる。
また、本発明の繊維強化樹脂成型体は、ガラス繊維含有率が5〜75質量%の範囲内とするのが好ましい。ガラス繊維含有率が5%未満であると、複合材料としての性能が十分発揮されず、ガラス繊維含有率が75%を超えると、ガラス繊維と熱可塑性樹脂とが十分混練されず、ガラス繊維が熱可塑性樹脂中に均一に混合されにくくなるおそれがある。より好ましいガラス繊維含有率は、15〜60質量%である。
本発明のガラス繊維強化ポリアセタール樹脂は、本発明の目的が損なわれない範囲で、
各種添加成分、例えば酸化防止剤、核剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、顔料、カーボンブラ
ック及び帯電防止剤などの添加剤や、炭素繊維、無機フィラー、合成繊維などの、ガラス
繊維以外の補強材を適量含有してよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下に、実施例である試料No.1〜3の集束剤の調製方法を示す。表1に示すように、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体エマルジョン(エチレンモノマーの質量割合(X)、グリシジル基基数(Y)とヒドロキシル基数(Z)との関係、及び(100−X)Y/(Y+Z)は表1参照)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン KBM903(信越化学工業株式会社製)(以下、アミノシラン)、及び脱イオン水を調製し、攪拌することで作製した。
以下に、比較例である試料No.4〜8の集束剤の調製方法を示す。試料No.4〜6は、表1に示すように、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体エマルジョン、アミノシラン、及び脱イオン水を調製し、攪拌することで作製した。また、試料No.7は、表1に示すように、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アミノシラン、及び脱イオン水を調製し、攪拌することで作製し、試料No.8は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アミノシラン、及び脱イオン水を調製し、攪拌することで作製した。
Eガラス材質の溶融ガラスを白金製のブッシングから連続的に引出すことで作製された、直径13.0μmのガラスフィラメントに、上記試料No.1〜No.8の集束剤を、強熱減量が1.0質量%となるようにアプリケーターにより塗布し、シューにより4000本のガラスフィラメントからなるガラスストランドを作製し、コレットに巻き取り、所定時間乾燥することによりケーキを作製した。ケーキからガラスストランドを引出し、切断機により長さ3mmとなるように連続的に切断し、ガラスチョップドストランドを作製した。
作製したガラスチョップドストランドとポリカーボネート樹脂(出光興産株式会社製 田フロンG1910:発明者、確認下さい。)とを210℃に加熱しながら混練し、ペレタイザーによりペレット化した後、このペレットを210℃で射出成形することによって略板状のFRTP成形品を作製した。なお、FRTP成形品中におけるガラス繊維含有量は30質量%であった。
得られた試料について、機械的強度と着色の度合いについて評価した。機械的強度については、ASTM D638に準拠して引張強度を測定し、評価した。なお、測定装置としては、強度試験装置(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製 4204)を使用した。
また、着色の度合いは、JIS Z 8722に基づいて色調測定し、評価した。
なお、ポリカーボネート樹脂を用いた成形品は、引張強度が121MPa以上であれば強度上、色調としては、L値が58以上であり、a及びbの絶対値が0に近い値、具体的にはaが0.5未満、bが14未満であれば外観上好ましい。
それぞれのFRTPについて引張強度及び色調を測定した結果を表1に表す。
以上のように、本発明のガラス繊維用集束剤を用いることで、引張強度等の機械的強度が高いことはもとより、繊維が目視で確認できず、着色のない繊維強化樹脂成型体を得ることが可能となる。

Claims (5)

  1. グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体を含有してなり、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体におけるオレフィンの質量割合(X)が65〜95質量%であり、
    Xと、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のグリシジル基数(Y)と、前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体中のヒドロキシル基数(Z)とが、
    4≦(100−X)Y/(Y+Z)≦30
    の関係を満たすことを特徴とするガラス繊維用集束剤。
  2. 前記グリシジルメタクリレート−オレフィン共重合体は、グリシジルメタクリレート−エチレン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維用集束剤。
  3. 表面に請求項1または2に記載のガラス繊維集束剤が塗布されてなるガラス繊維であって、
    前記ガラス繊維と前記ガラス繊維集束剤の固形物の合量に対する前記ガラス繊維集束剤の固形物の質量割合が、0.2〜2.0質量%であることを特徴とするガラス繊維。
  4. 請求項3に記載のガラス繊維と、熱可塑性樹脂とを複合化させてなることを特徴とする繊維強化樹脂成型体。
  5. 前記熱可塑性樹脂は、ポリエステルまたはポリカーボネートであることを特徴とする請求項4に記載の繊維強化樹脂成型体。
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