JP6090127B2 - 光通信デバイス、送信装置、受信装置及び送受信システム - Google Patents

光通信デバイス、送信装置、受信装置及び送受信システム Download PDF

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Description

本開示は、光通信デバイス、送信装置、受信装置及び送受信システムに関する。
近年の情報化社会の発展に伴い、PC(Personal Computer)やサーバ等の情報処理装置において扱われる情報量(データ量、信号量)は、爆発的に増加している。このようなデータ量の増加に伴い、装置間、デバイス間又はチップ間でのデータの送受信に関して、より多くのデータをより高速に伝送する必要性が増している。そこで、従来の電気信号によるデータ伝送技術(電気信号通信技術又は電気インターコネクト技術)に代わるデータ伝送技術として、電気信号を光変調し、光によってデータの送受信を行う光通信技術(又は光インターコネクト技術)が提案されている。
光通信技術では、例えば光ファイバ等の導光部材によって装置間での光の伝搬が行われる。ここで、光ファイバと光通信用の入出力を行うモジュールとの接続においては、光ファイバのコア部分を含む中心軸が、当該モジュールにおける出射光又は入射光の光軸と一致するように接続されることが好ましい。また、光ファイバ同士の接続においては、光ファイバの中心軸同士が一致するように接続されることが好ましい。これらの軸のずれ量が大きくなると、光ファイバとモジュールとの間の接続面又は光ファイバ同士の接続面における光の損失(接続損失)が大きくなり、光通信の効率が低下してしまう可能性がある。
そこで、光ファイバの接続に用いられるコネクタについて、接続損失をより低減させる構造として、先端部にレンズが設けられたコネクタが提案されている。当該コネクタを用いた光ファイバ同士の接続では、レンズ同士が対向して接続されることとなる。送信側のコネクタでは、光ファイバを導光されてきた光がレンズによって拡散されて、対向するコネクタのレンズに向かって出射される。受信側のコネクタでは、レンズによって光が光ファイバの端面に集光され、当該光ファイバに光が入射する。このように、レンズ付きのコネクタでは、先端部に設けられるレンズにより光ファイバの端面に光が集光されるため、光ファイバ同士の中心軸の位置合わせの精度が比較的低い場合であっても接続損失を低減させることが可能となる。例えば、特許文献1には、レンズアレイが形成されたレンズ基板がハウジング(いわゆるフェルールに相当)の先端に接続されたコネクタであって、レンズアレイの各レンズに対応する位置にV溝を形成し、当該V溝に光ファイバを収容しながらハウジング内に光ファイバの先端を挿入することにより、レンズの光軸と光ファイバの中心軸との位置合わせの精度を向上させる技術が開示されている。
特開2008−535037号公報
ここで、コネクタの使用環境が変化し、コネクタを構成する部材に温度変化が生じた場合を想定する。温度変化が生じると、コネクタを構成する各部材は、各々の材料固有の線膨張係数(線膨張率)に応じて伸縮することとなる。
一方、上記特許文献1に記載のコネクタは、レンズ基板とハウジングとが互いに異なる材料によって別個の部材として形成され、両者がピンによって接続された構成を有する。従って、上記特許文献1に記載のコネクタにおいて温度変化が生じた場合には、レンズ基板を構成する材料の線膨張係数とハウジングを構成する材料の線膨張係数との違いから、レンズの光軸と光ファイバの中心軸との位置ずれ量(以下、軸ずれ量とも呼称する。)が大きくなり、大きな接続損失が生じる可能性がある。
また、近年、光通信においては、更に大量のデータを扱うために、より多くのチャンネルを用いてデータの伝送を行うことが求められている。チャンネル数が増加した場合、例えば、当該チャンネルは、光の出射面及び入射面において2次元状に配列され得る。上記特許文献1に記載の技術をより多チャンネルの光通信に適用しようとした場合には、レンズアレイとして、チャンネルの数に対応した数のレンズが、レンズ基板上に例えば2次元状に設けられることとなる。レンズが2次元状に設けられる場合には、温度変化によるレンズの相対的な位置の変化は、レンズ基板の縦方向及び横方向双方における熱変形量が合わさった2次元的な変化となるため、温度変化による軸ずれ量は更に拡大する可能性がある。このように、上記特許文献1に記載の技術では、例えば2次元状にチャンネルが配置されるようなより多くのチャンネルを用いた光通信においては、使用環境の変化により軸ずれ量が大きくなる恐れがあり、大きな接続損失をもたらすことが懸念される。
上記事情に鑑みれば、多チャンネルを用いた光通信において、レンズの光軸と光ファイバの中心軸との位置合わせを高精度に制御することにより、接続損失をより低減させる技術が求められている。そこで、本開示では、接続損失をより低減させることが可能な、新規かつ改良された光通信デバイス、送信装置、受信装置及び送受信システムを提案する。
本開示によれば、光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、を備え、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の両端部が、ピンを介して前記対向面に対して固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続される、光通信デバイスが提供される。
また、本開示によれば、光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、を有する、光通信デバイス、を備え、前記光通信デバイスにおいては、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の少なくとも両端部分が、ピンを介して前記対向面に固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続されており、前記光通信デバイスを介して、任意の装置に対して所定の情報が重畳された光を送信する、送信装置が提供される。
また、本開示によれば、光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、を有する、光通信デバイス、を備え、前記光通信デバイスにおいては、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の少なくとも両端部分が、ピンを介して前記対向面に固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続されており、前記光通信デバイスを介して、任意の装置から送信される所定の情報が重畳された光を受信する、受信装置が提供される。
また、本開示によれば、光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、を有する、光通信デバイス、を備え、当該光通信デバイスを介して、任意の装置に対して所定の情報が重畳された光を送信する、送信装置と、前記光通信デバイスを備え、当該光通信デバイスを介して、前記送信装置から送信される前記光を受信する、受信装置と、を備え、前記光通信デバイスにおいて、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の少なくとも両端部分が、ピンを介して前記対向面に固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続される、送受信システムが提供される。
本開示によれば、レンズ基板又はフェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域が、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割される。また、分割された当該複数の領域の各々の両端部が、ピンを介して対向面に対して固定されることにより、レンズ基板とフェルールとが接続される。従って、温度変化による分割された各領域における変形量が、レンズ基板とフェルールとで互いに追従することとなる。よって、温度変化によって生じる、レンズ基板に形成されるレンズの光軸とフェルールに設けられる貫通孔の中心軸との位置ずれ量を低減することができる。
以上説明したように本開示によれば、接続損失をより低減させることが可能となる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本実施形態に係る光通信デバイスが光通信モジュールに接続された概略構成を示す断面図である。 図1に示す構成において、本実施形態に係る光通信デバイスが光通信モジュールから取り外された様子を示す概略図である。 本実施形態に係る光通信デバイスの概略構成を示す分解斜視図である。 本実施形態に係る光通信デバイスのレンズ基板の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る光通信デバイスのフェルールの構成を示す概略図である。 一般的なレンズアレイ付きMTフェルールの概略構成を示す斜視図である。 図5に示す一般的なレンズアレイ付きMTフェルールに対して、ピンによる嵌合部の数を増加させた場合の一構成例を示す斜視図である。 フェルール部材の変形を抑制するための支持部材が追加される変形例に係る光通信デバイスの概略構成を示す分解斜視図である。 フェルール部材の変形を抑制するための支持部材が追加される他の変形例に係る光通信デバイスの概略構成を示す分解斜視図である。 フェルール部材の一部が互いに接続されている変形例に係る光通信デバイスの概略構成を示す分解斜視図である。 レンズ基板が複数の部材に分割される変形例に係る光通信デバイスの概略構成を示す斜視図である。 レンズ基板が互いに異なる複数の材料によって構成される変形例に係るレンズ基板の構成を示す概略図である。 図11に示す本変形例に係るレンズ基板を製作するための方法の一例について説明するための説明図である。 感光性ガラス材料におけるビアの加工プロセスの一例について説明するための説明図である。 本実施形態に係る光通信デバイスが、情報処理装置間の光通信に適用された場合の一構成例を示す概略図である。 本実施形態に係る光通信デバイスが、光ファイバ間の接続に適用された場合の一構成例を示す概略図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態
1−1.光通信デバイス及び光通信モジュールの構成
1−2.光通信デバイスの構成
2.一般的なコネクタとの比較
3.変形例
3−1.フェルール部材の変形を抑制するための支持部材が追加される変形例
3−2.フェルール部材の一部が互いに接続されている変形例
3−3.レンズ基板が複数の部材に分割される変形例
3−4.レンズ基板が複数の材料によって構成される変形例
3−5.フェルールとレンズ基板とが同一の材料によって形成される変形例
4.適用例
4−1.光通信モジュール間及び装置間の光通信
4−2.光ファイバ間の接続
5.補足
<1.本開示の一実施形態>
本開示の一実施形態に係る光通信デバイスは、例えば、光通信において光を伝搬する光ファイバと光通信用の入出力を行うモジュール(以下、光通信モジュールとも呼称する。)との接続、及び、光ファイバ同士の接続を行う際のコネクタとして機能する。以下では、本開示の一実施形態として、本実施形態に係る光通信デバイスにより光ファイバと光通信モジュールとが接続される場合を例に挙げて説明を行う。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、本実施形態に係る光通信デバイスは、光通信モジュールが搭載される装置間の接続に対して適用されてもよいし、上述したように光ファイバ同士の接続に対して適用されてもよい。
[1−1.光通信デバイス及び光通信モジュールの構成]
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る光通信デバイスが光通信モジュールに接続された際の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る光通信デバイスが光通信モジュールに接続された概略構成を示す断面図である。図2は、図1に示す構成において、本実施形態に係る光通信デバイスが光通信モジュールから取り外された様子を示す概略図である。
ここで、本実施形態における光通信モジュールは、電気信号と光との光電変換を行うことにより、光によってプロセッサ間でのデータの伝送を行う通信インターフェースである。具体的には、光通信モジュールは、プロセッサによって所定の処理が施され、所定の情報が重畳された電気信号を光に変換し、他の光通信モジュールに送信するデータ送信機能を有する。また、光通信モジュールは、所定の情報が重畳された光を他の光通信モジュールから受け取り、受け取った光を電気信号に変換し、プロセッサに提供するデータ受信機能を有する。1つの光通信モジュールが、データの送信機能及び受信機能を双方有するように構成されてもよいし、送信機能及び受信機能のいずれかを有するように構成されてもよい。
送信機能を有する光通信モジュール(以下、送信側の光通信モジュールとも呼称する。)は、発光素子及び当該発光素子の駆動回路を有し、当該駆動回路によって当該発光素子が適宜駆動されることにより、所定の情報が重畳された電気信号が光に変換され、当該所定の情報が光として送信され得る。受信機能を有する光通信モジュール(以下、受信側の光通信モジュールとも呼称する。)は、受光素子及び当該受光素子の駆動回路を有し、当該受光素子が受け取った光が、駆動回路によって所定の情報が重畳された電気信号として読み出されることにより、当該所定の情報が光として受信され得る。なお、以下の説明では、発光素子及び受光素子の少なくともいずれかの素子のことを光デバイスとも呼称する。
図1及び図2では、光通信モジュールの一例として、送信側の光通信モジュールを図示している。ただし、本実施形態では、受信側の光通信モジュールと送信側の光通信モジュールとは、設けられる光デバイスの種類(すなわち、受光素子又は発光素子)及び当該光デバイスを駆動する駆動回路の構成が異なるだけであり、その他の構成は同様である。従って、ここでは、図1及び図2に示す送信側の光通信モジュールの構成に基づいて、送信側及び受信側双方の光通信モジュールの構成について説明することとする。
図1及び図2を参照すると、プリント基板350、インターポーザ基板320及びプロセッサ331が表面に形成される信号処理基板330が、この順に積層されている。ここで、以下の説明では、図面において、プリント基板350、インターポーザ基板320及び信号処理基板330が積層される方向をz軸方向と定義する。また、z軸方向において、プリント基板350、インターポーザ基板320及び信号処理基板330がこの順に積層される方向をz軸の正方向と定義するとともに、z軸の正方向及び負方向のことを便宜的に、それぞれ、上方向及び下方向とも呼称する。更に、z軸方向と垂直な平面内において、互いに直交する2方向を、それぞれx軸方向及びy軸方向と定義する。
プリント基板350とインターポーザ基板320とは、例えばハンダバンプ341によって、プリント基板350上のパッド及びインターポーザ基板320上のパッドを介して電気的に接続されている。インターポーザ基板320と信号処理基板330とは、例えばハンダバンプ342によってインターポーザ基板320上のパッド及び信号処理基板330上のパッドを介して電気的に接続されている。信号処理基板330は、プロセッサ331が形成された面をインターポーザ基板320に対向させた状態でインターポーザ基板320の上に積層されており、プロセッサ331とインターポーザ基板320とがハンダバンプ342を介して電気的に接続されることとなる。
プロセッサ331は、電気信号に対して所定の処理を施す信号処理回路の一例である。プロセッサ331は、入出力インターフェース(I/O部)を有し、当該I/O部に設けられるパッドを介して、インターポーザ基板320とハンダバンプ342で電気的に接続されている。プロセッサ331は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Pocessor)等の各種の演算装置であり得る。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、信号処理回路としては、例えばLSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、所定の信号処理を行う各種の集積回路が光通信モジュール20に接続されてもよい。
プリント基板350の一部領域には開口部が設けられる。インターポーザ基板320の下面の当該開口部に対応する位置に、光デバイスである発光素子210が設けられることにより、光通信モジュール20が構成される。発光素子210は、例えば、少なくとも光通信のチャンネル数に対応する数だけ設けられる。
具体的には、光通信モジュール20は、インターポーザ基板320の第1の面(例えば下面)側に設けられる複数の発光素子210と、インターポーザ基板320の当該第1の面とは逆側の面である第2の面(例えば上面)側に設けられる駆動回路220と、を備える。また、発光素子210と駆動回路220とは、インターポーザ基板320を貫通して設けられる貫通ビア321を介して電気的に接続される。
図1及び図2に示すように、駆動回路220は、プロセッサ331とともに信号処理基板330上に形成される。例えば、駆動回路220は、信号処理基板330上において、インターポーザ基板320上での発光素子210の配設位置に対応する領域に形成される。そして、インターポーザ基板320と信号処理基板330とがハンダバンプ342によって電気的に接続される際に、駆動回路220と発光素子210とが、インターポーザ基板320を貫通して設けられる貫通ビア321を介して電気的に接続される。
発光素子210は、印加された電流値に応じた強度の光を発する光学素子である。発光素子210は、例えば半導体レーザであってよく、より具体的には垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)であり得る。発光素子210は、例えば光通信におけるチャンネルの数だけ、インターポーザ基板320の下面側に2次元状に配設される。なお、受信側の光通信モジュールでは、発光素子210の代わりに受光素子が設けられる。当該受光素子は、受光した光に応じた信号値を発生させる光学素子であり、例えばフォトダイオード(PD)であり得る。ただし、本実施形態で用いられる発光素子210及び受光素子はこれらの例に限定されず、一般的に光通信において用いられる各種の発光素子及び受光素子が適用されてよい。
駆動回路220は、発光素子210を駆動する回路である。具体的には、駆動回路220は、例えば発光素子210であるレーザダイオードを駆動するためのレーザダイオードドライバ(LDD:Laser Diode Driver)を含んでよい。なお、受信側の光通信モジュールにおいては、駆動回路220の代わりに受光素子を駆動する他の駆動回路が設けられる。受光素子を駆動する駆動回路は、例えば受光素子によって生じた信号値を増幅するTIA(Trans―Impedance Amplifier)を含んでよい。なお、本実施形態では、光通信モジュールにおける発光素子210及び受光素子を駆動する駆動回路の構成は任意であってよく、発光素子210及び受光素子の構成に応じて適宜設計されてよい。発光素子210及び受光素子を駆動する駆動回路の構成としては、例えば、一般的に光通信において用いられる各種の駆動回路の構成が適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
インターポーザ基板320の第1の面には、複数の発光素子210を覆うように、複数のレンズが2次元状に形成されたレンズ基板230が設けられる。レンズ基板230上の複数のレンズは、複数の発光素子210の配設位置に対応する位置にそれぞれ形成されており、発光素子210から出射された光は、当該レンズを介して外部に出力されることとなる。このように、レンズ基板230は、光通信モジュール20の光入出力面を構成しており、図1及び図2に示すように、x軸とy軸とで規定される平面(x−y平面)と平行になるように配置される。レンズ基板230に形成されるレンズは、例えば光通信におけるチャンネルの数だけ設けられる。発光素子210は、レンズ基板230上に、例えばハンダバンプ343によって、当該レンズ基板230と電気的に接続されるように配設される。また、レンズ基板230が、ハンダバンプ343によって貫通ビア321を介して駆動回路220と電気的に接続される。このように、発光素子210は、レンズ基板230、ハンダバンプ343及び貫通ビア321を介して駆動回路220と電気的に接続される。
本実施形態に係る光通信デバイス10は、光通信モジュール20のレンズ基板230と対向する位置に接続される。光通信デバイス10は、複数のレンズが第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板120と、レンズ基板120の当該第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の当該レンズの各々に対応する位置に光ファイバ340が挿通される貫通孔が設けられるフェルール110と、を備える。また、レンズ基板120とフェルール110とは、その互いに対向する面において互いに接触していてもよい。このように、本実施形態に係る光通信デバイス10は、レンズアレイが形成されたレンズ基板120がフェルールの先端部に接続された、いわゆるレンズアレイ付きMT(Mechanical Transfer)フェレールである。なお、以下の説明では、光通信デバイス10のフェルール110及びレンズ基板120において、フェルール110とレンズ基板120とが互いに対向する面のことを、対向面とも呼称する。
レンズ基板120に形成されるレンズ、フェルール110に形成される貫通孔は、例えば光通信におけるチャンネルの数だけ設けられる。フェルール110に設けられる貫通孔は、z軸方向と平行にフェルール110を貫通して設けられており、チャンネルの数に応じた複数の光ファイバ340が、z軸の負方向からフェルール110の当該貫通孔に挿通されることにより、その各端部がレンズ基板120に設けられる複数のレンズに対向することとなる。
光通信デバイス10は、レンズ基板120に形成されるレンズが、光通信モジュール20のレンズ基板230に形成されるレンズと対向するように接続される。具体的には、光通信デバイス10のレンズ基板120の一部領域には、位置決めピン240が嵌合される凹部である嵌合部が設けられる。位置決めピン240の一端はインターポーザ基板320の下面に固定的に接続されている。図1及び図2に示すように、位置決めピン240の他端が、光通信デバイス10のレンズ基板120の当該嵌合部と脱着することにより、光通信デバイス10と光通信モジュール20とが脱着される。
光通信モジュール20の各発光素子210から、所定の情報が重畳された光が出射され、レンズ基板230上の各レンズによって拡散された状態で、対向する光通信デバイス10のレンズ基板120上の各レンズに入射する。レンズ基板120上の各レンズに入射した光は、各光ファイバ340の端部に集光され、各光ファイバ340の内部に入射することとなる。このように、本実施形態では、レンズ基板230上の各レンズ及びレンズ基板120上の各レンズを介して、光通信モジュール20と光通信デバイス10との間で光がやり取りされるため、例えば発光素子210と光ファイバ340の中心軸との位置合わせの精度が比較的低い場合であっても接続損失を低減させることが可能となる。本実施形態では、このようにして多チャンネルでの光通信が実現される。
以上、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る光通信デバイス10が光通信モジュール20に接続された全体構成について説明した。次に、本実施形態に係る光通信デバイス10の構成についてより詳しく説明する。
[1−2.光通信デバイスの構成]
図3、図4A及び図4Bを参照して、本実施形態に係る光通信デバイス10の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る光通信デバイス10の概略構成を示す分解斜視図である。図4Aは、本実施形態に係る光通信デバイス10のレンズ基板120の構成を示す概略図である。図4Bは、本実施形態に係る光通信デバイス10のフェルール110の構成を示す概略図である。なお、図4A及び図4Bは、レンズ基板120及びフェルール110を光ファイバ340が挿入される方向、すなわち、z軸の負方向から見た様子を示している。
まず、レンズ基板120の構成について説明する。図3及び図4Aを参照すると、レンズ基板120には、複数のレンズ121が2次元状に配列されたレンズアレイが構成されている。レンズ基板120は、例えば、ポリカーボネート(Polycarbonate)、ポリエーテルイミド(PEI:Polyetherimide)系材料(例えば、ウルテム(登録商標))、ナイロンポリブチレニテレフタラート(PBT:Polybutyleneterephthalate)系材料(例えば、テラリンク(登録商標))、ポリオレフィン(Polyolefin)、環状オレフィンコポリマー(COC:Cycloolefin Copolymer)等の樹脂系材料によって形成される。また、レンズ基板120は、各種のガラス系材料によって形成されてもよい。なお、レンズ基板120が樹脂系材料によって形成される場合には、例えば射出成型法が用いられる。
図3及び図4Aに示す例では、12個のレンズ121がx軸方向に1行に配列されたレンズ行が、y軸方向に6行配列されており、合計で72個のレンズ121が形成されている。1つのレンズ行におけるレンズ121の中心間の距離(ピッチ)は、例えば約250(μm)である。上述したように、レンズ基板120のレンズ121は、例えば光通信におけるチャンネル数の分だけ形成されるため、図3、図4A及び図4Bに示す光通信デバイス10は、例えば72チャンネルの光通信に対応していることとなる。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、レンズ121は、チャンネル数に対応して2次元状に形成されればよく、その形成位置や形成数等は適宜設計されてよい。例えば、レンズ121は、y軸方向の1列に12個ずつ並ぶように形成されてもよい。なお、以下の説明では、レンズ121及び後述するフェルール110の貫通孔112の2次元状の配列において、x軸方向に延伸する並びを行とも呼称し、y軸方向に延伸する並びを列とも呼称することとする。
レンズ基板120の各レンズ行の両端近傍には、突起部であるボス部122が設けられる。図3及び図4Aに示す例では、ボス部122は、各レンズ行の両端に、合計で12個設けられることとなる。ボス部122は、例えば直径が約500(μm)の円柱形状を有する突起部として設けられる。ボス部122が、後述するフェルール110の嵌合部113と嵌合することにより、当該嵌合部位でフェルール110とレンズ基板120とが固定され、フェルール110とレンズ基板120とが接続されることとなる。例えば、図3に示すように、レンズ基板120とフェルール110とは、ボス部122と嵌合部113とを介して、その対向面が互いに接触した状態で接続される。
また、本実施形態では、ボス部122は、レンズ121と、例えば射出成型法によって一体成型されてよい。レンズ121とボス部122とが一体成型によって形成されることにより、ボス部122の形成位置とレンズ121の形成位置との位置合わせを高精度に制御することが可能となる。
ここで、本実施形態はかかる例に限定されず、フェルール110とレンズ基板120とは、ボス部122によって接続されなくてもよい。例えば、レンズ基板120にも、フェルール110の嵌合部113と対向する位置に凹部である嵌合部が設けられ、別個の部材であるピンの両端がフェルール110の嵌合部113及びレンズ基板120の当該嵌合部にそれぞれ嵌合することにより、フェルール110とレンズ基板120とが例えば互いに接触した状態で接続されてもよい。このように、本実施形態では、フェルール110とレンズ基板120とが、所定の面が互いに対向した状態でピンを介して接続されればよく、当該ピンの種類は限定されない。当該ピンは、図3及び図4Aに示すようにレンズ基板120上に形成されるボス部122であってもよいし、上述した例のようにフェルール110及びレンズ基板120とは別個の部材であるピンであってもよい。ピンの嵌合部位でフェルール110とレンズ基板120とが固定され、フェルール110とレンズ基板120とが固定的に接続されることとなる。
次に、フェルール110の構成について説明する。図3及び図4Bを参照すると、フェルール110は、対向面と平行な面内において行方向に複数のフェルール部材111に分割されている。図3及び図4Bに示す例では、フェルール110は、レンズ基板120のレンズ121の1つのレンズ行に1つのフェルール部材111が対応するように、対向面と平行な面内において行方向に6つのフェルール部材111に分割されている。フェルール110は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Polyphenylenesulfide)、液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystal Polymer)、エポキシ(Epoxy)等の樹脂系材料によって形成される。
ここで、本実施形態では、フェルール110が複数のフェルール部材111に分割される方向はかかる例に限定されず、フェルール110は、例えば列方向に分割されてもよい。フェルール110の分割方向や分割数は、レンズ121の配列方法に応じて適宜設計されてよい。また、本実施形態では、フェルール110の少なくとも対向面に垂直な方向(z軸方向)に所定の長さの領域が、当該対向面と平行な面内(x−y平面内)において行方向又は列方向に複数の領域に分割されればよく、例えば一部領域が分割されないまま互いに接続されていてもよい。なお、このような、フェルール110が完全には分割されない構成例については、本実施形態の一変形例として、下記[3−2.フェルール部材の一部が互いに接続されている変形例]で詳しく説明する。
各フェルール部材111の幅W(x軸方向の長さ)は、例えば約5〜7(mm)であってよい。また、フェルール部材111の長さH(z軸方向の長さ)は、例えば約8(mm)であってよい。また、フェルール部材111の厚さT(y軸方向の長さ)は、例えば約0.5〜2(mm)であってよい。また、フェルール部材111間の距離D(y軸方向におけるフェルール部材111間の間隔)は、例えば約0.1〜3(mm)であってよい。
複数のフェルール部材111の各々には、フェルール110とレンズ基板120とが互いに接続される際にレンズ121に対応する位置に、貫通孔112が設けられる。図3及び図4Bに示す例では、フェルール110は、各レンズ行に対応するように6つのフェルール部材111に分割されているため、貫通孔112は、各フェルール部材111に、12個ずつx軸方向に1行に配列するように形成される。貫通孔112の各々に、光ファイバ340がz軸の負方向から各々挿入されることにより、光ファイバ340の端部がレンズ121の各々と対向するように配置されることとなる。
貫通孔112は、その中心間の距離(ピッチ)Pがレンズ121のピッチに合わせて、例えば約250(μm)となるように形成される。また、貫通孔112の内径は、z軸方向において一定でなくてもよく、例えば、光ファイバ340が挿入されるz軸の負方向の開口部から途中までは約200(μm)であり、途中からz軸の正方向の開口部(すなわちレンズ121との対向面)までは約126(μm)であるように、段階的に変化してもよい。ここで、フェルール部材111の貫通孔112に光ファイバ340が挿入される際には、光ファイバ340の先端部から所定の長さの部分の被覆が剥がされた状態で挿入される。従って、上述した例では、貫通孔112の内径約200(μm)の部分は光ファイバ340の被覆された部分の外径に対応しており、内径約126(μm)の部分は光ファイバ340の被覆が剥がされた部分の外径に対応していてよい。なお、上述した数値は貫通孔112の形状の一例であり、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、貫通孔112の内径は光ファイバ340の外径に応じて適宜設計されてよい。
また、複数のフェルール部材111の各々には、そのx軸方向における両端部に、レンズ基板120のボス部122が嵌合する嵌合部113が形成される。レンズ基板120のボス部122と、フェルール部材111の嵌合部113とが嵌合することにより、複数のフェルール部材111の各々の両端部がボス部122によって対向面に対して固定され、フェルール部材111とレンズ基板120とが接続されることとなる。
嵌合部113は、ボス部122の形状に応じた形状を有する開口部であってよい。図3、図4A及び図4Bに示す例では、ボス部122は、例えば直径が約500(μm)の円柱形状を有する突起部として設けられるため、嵌合部113は、当該ボス部122が挿入可能な円形の開口部として形成され得る。ただし、本実施形態では、複数のフェルール部材111の各々の両端部が、ボス部122によって対向面に対して固定的に接続されることにより、レンズ基板120とフェルール110とが接続されるため、嵌合部113は、ボス部122が挿入可能であるとともに固定的に嵌合可能であるだけの余裕が確保された内径を有する円形の開口部として形成され得る。
また、フェルール部材111は、フェルール部材111同士が互いに接触しないように、レンズ基板120に接続され得る。例えば、フェルール部材111のz軸方向に対するy軸方向への傾きが、フェルール部材111の長さHとフェルール部材111間の距離Dとのタンジェントによって規定される角度(arctan(D/H))よりも大きい場合に、フェルール部材111同士が互いに接触することとなる。従って、フェルール部材111は、フェルール部材111のz軸方向に対するy軸方向への傾きが、フェルール部材111の長さHとフェルール部材111間の距離Dとのタンジェントによって規定される角度以下となるように、レンズ基板120に接続される。
以上、図3、図4A及び図4Bを参照して、本実施形態に係る光通信デバイス10の構成について説明した。
<2.一般的なコネクタとの比較>
ここで、上述した本開示の一実施形態をより明確なものとするために、一般的な既存の光ファイバ用のコネクタの構成について説明し、本実施形態に係る光通信デバイス10の構成と比較する。上述したように、本実施形態に係る光通信デバイス10は、いわゆるレンズアレイ付きMTフェレールの構成を有する。ここでは、比較のため、一般的な光ファイバ用のコネクタの一例として、一般的なレンズアレイ付きMTフェルールの構成について説明する。
図5を参照して、一般的なレンズアレイ付きMTフェルールの構成について説明する。図5は、一般的なレンズアレイ付きMTフェルールの概略構成を示す斜視図である。図5では、比較のため、本実施形態に係る光通信デバイス10と同様に、72チャンネルの光通信に対応した一般的なレンズアレイ付きMTフェルールの構成を図示している。
図5を参照すると、一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80は、複数のレンズが第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板820と、レンズ基板820の当該第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の当該レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔812が設けられるフェルール810と、を備える。図5では、レンズ基板820とフェルール810とが接続された様子を図示している。
レンズ基板820には、例えば光通信のチャンネル数に対応した72個のレンズ(図示せず。)が2次元状に形成されている。レンズ基板820は、例えば、ポリカーボネート、PEI系材料、ナイロンPBT系材料、ポリオレフィン、COC等の樹脂系材料によって形成される。また、レンズ基板820は、各種のガラス系材料によって形成されてもよい。なお、レンズ基板820が樹脂系材料によって形成される場合には、例えば射出成型法が用いられる。
一般的な構成においては、フェルール810は単一の部材によって構成される。フェルール810は、例えば、PPS、LCP、エポキシ等の樹脂系材料によって形成される。フェルール810には、フェルール810とレンズ基板820とが互いに接続された際にレンズ基板820のレンズに対向する位置に、例えばレンズの数に対応した72個の貫通孔812が設けられる。貫通孔812に、図中のz軸の負方向から光ファイバが挿入されることにより、光ファイバの端部がレンズ基板820のレンズの各々と対向するように配置されることとなる。
フェルール810の貫通孔812が設けられる面内の一部領域には、ピンの一端が嵌合される嵌合部813が形成される。嵌合部813は、ピンの断面形状に応じた形状を有する開口部であってよい。図5に示す例では、嵌合部813は、フェルール810の貫通孔812が設けられる面内において、x軸方向の端部に1箇所ずつ、合計計2箇所に設けられている。図示を省略するが、レンズ基板820にも、フェルール810の嵌合部813と対応する位置に開口部が設けられており、当該嵌合部にピンの他端が嵌合される。このように、一般的な構成においては、フェルール810及びレンズ基板820とは別個の部材であるピンの両端が、フェルール810及びレンズ基板820の対向面に設けられる嵌合部にそれぞれ嵌合されることにより、当該嵌合部位でフェルール810とレンズ基板820とが固定的に接続され得る。
以上、図5を参照して、一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80の構成について説明した。以上説明したように、一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80では、フェルール810及びレンズ基板820が、ともに単一の部材によって構成され、両者が例えば対向面内の互いに異なる2箇所においてピンを介して接続される。
ここで、以上説明した一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80と、上述した本実施形態に係る光通信デバイス10とを比較するために、光ファイバを接続する際の接続損失について説明する。光ファイバは、より屈折率の高い材料によって構成されるコアの周囲を、より屈折率の低い材料によって構成されるクラッドによって被覆した構成を有する。このように、光ファイバでは、コアとクラッドとの屈折率の違いを利用して、より中心軸に近いコアによって光を伝搬させる構造を有する。従って、レンズアレイ付きMTフェルール80において、より効率良く光を伝搬するためには、光ファイバの中心軸と、レンズ基板820に設けられるレンズの光軸とができるだけ一致していることが好ましい。これらの軸の位置ずれ量が大きい場合には、光ファイバからレンズ又はレンズから光ファイバへの光の伝搬の際に生じる光の損失(接続損失)が大きくなってしまう恐れがある。レンズアレイ付きMTフェルール80では、光ファイバの中心軸と光ファイバが挿通されるフェルール810の貫通孔812の中心軸とは略一致するため、接続損失を低減するためには、フェルール810の貫通孔812の中心軸とレンズ基板820のレンズの光軸とができるだけ一致するように、貫通孔812及びレンズの形成位置が高精度に制御されることが求められる。
例えば、光ファイバの中心軸(すなわち、貫通孔812の中心軸)とレンズの光軸との位置ずれ(以下、軸ずれとも呼称する。)による接続損失L(dB)は、下記数式(1)によって表現することができる。
Figure 0006090127
なお、dは軸ずれ量であり、ωはモードフィールド半径である。
上記数式(1)によれば、例えば軸ずれ量dが1(μm)である場合には、接続損失は約0.2(dB)となる。また、例えば、接続損失を2(dB)以下に抑えるためには、軸ずれ量dを10(μm)以下に抑えることが求められる。
ここで、上述したように、一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80では、フェルール810とレンズ基板820とがピンを介して接続される。フェルール810とレンズ基板820とがピンを介して接続される場合には、ピンの嵌合位置を位置合わせの基準として、フェルール810の貫通孔812やレンズ基板820のレンズの形成位置が決定されることとなる。従って、フェルール810の面内における嵌合部813と貫通孔812との相対的な位置関係、及び、レンズ基板820の面内における嵌合部とレンズとの相対的な位置関係がそれぞれ変化した場合には、軸ずれ量が大きくなると考えられる。
今、レンズアレイ付きMTフェルール80の使用環境が変化し、フェルール810及びレンズ基板820の温度が変化した場合を想定する。上述したフェルール810を構成する樹脂系材料(PPS、LCP、エポキシ等)は、その線膨張係数がいずれも23ppm程度であることが知られている。また、上述したレンズ基板820を構成する樹脂系材料(ポリカーボネート、ウルテム、テラリンク等)は、その線膨張係数が70〜100ppm程度であることが知られている。更に、レンズ基板820がガラス系材料によって形成された場合には、その線膨張係数は、約3〜4ppmであることが知られている。従って、温度変化が生じた場合の、フェルール810の面内における嵌合部813と貫通孔812との相対的な位置関係の変化量と、レンズ基板820の面内における嵌合部とレンズとの相対的な位置関係の変化量とは、大きく異なることとなる。このように、一般的な構成においては、フェルール810及びレンズ基板820が互いに異なる材料によって形成されているため、温度変化が生じた場合に、フェルール810を構成する材料の線膨張係数とレンズ基板820を構成する材料の線膨張係数との違いから、レンズの光軸と光ファイバの中心軸との位置が大きくずれてしまう可能性がある。
また、フェルール810とレンズ基板820とは、ピンによる嵌合部位で固定的に接続されている。従って、当該嵌合部位からの距離が遠いほど、温度変化による位置変化量は大きくなる。例えば、図5に示すように60チャンネルを超えるような多チャンネルの光通信に対応するために、フェルール810の貫通孔812及びレンズ基板820のレンズが2次元状に多数設けられる場合には、フェルール810及びレンズ基板820の対向面の面積が大型化する。従って、例えば図5に示す例であれば、y軸方向における端部に設けられる貫通孔812及びレンズは、嵌合部813からの距離が相対的に長くなり、温度変化による貫通孔812及びレンズの位置変化が、軸ずれ量に及ぼす影響も著しいものとなる。発明者らの試算によれば、図5に示す例であれば、例えば常温に対して50(度)温度が上昇した場合には、その軸ずれ量は最大で数μm以上にも及ぶため、大きな接続損失をもたらすことが懸念される。図5では、嵌合部813からの距離が比較的長い領域を、嵌合部813からの矢印で模式的に示している。
ここで、一般的な構成において、温度変化によるフェルール810の面内における貫通孔812の位置変化及びレンズ基板820の面内におけるレンズの位置変化を抑えるための1つの方法として、ピンによるフェルール810及びレンズ基板820の嵌合部の数を増加させることが考えられる。嵌合部の数を増加させることにより、フェルール810とレンズ基板820との固定箇所が増加するため、フェルール810とレンズ基板820との間における面内での相対的な位置ずれ量が低減する効果が期待される。
このような、一般的な構成に対して嵌合部の数を増加させた場合の一構成例を図6に示す。図6は、図5に示す一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80に対して、ピンによる嵌合部の数を増加させた場合の一構成例を示す斜視図である。
図6を参照すると、レンズアレイ付きMTフェルール90は、複数のレンズが第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板920と、レンズ基板920の当該第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の当該レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔912が設けられるフェルール910と、を備える。なお、レンズアレイ付きMTフェルール90は、図5に示すレンズアレイ付きMTフェルール80に対して嵌合部の数を増加させたものに対応し、その他の構成はレンズアレイ付きMTフェルール80と同様であるため、重複する構成については詳細な説明は省略する。
レンズ基板920には、例えば光通信のチャンネル数に対応した72個のレンズ(図示せず。)が2次元状に形成されている。レンズ基板920は、図5に示すレンズ基板820に対応する。
フェルール910は単一の部材によって構成される。フェルール910には、フェルール910とレンズ基板920とが互いに接続される際にレンズ基板920のレンズに対向する位置に、例えばレンズの数に対応した72個の貫通孔912が設けられる。なお、貫通孔912の構成は、図5に示すフェルール810の貫通孔812の構成と同様である。
フェルール910の貫通孔912が設けられる面内には、ピンの一端が嵌合される複数の嵌合部913が形成される。嵌合部913は、図5に示す嵌合部813に対応するものであり、ピンの断面形状に応じた形状を有する開口部であってよい。図6に示す例では、嵌合部913は、フェルール910の対向面内において、2次元状に並べられた貫通孔912の各行の両端に形成されており、合計で12箇所形成されている。また、図示を省略するが、レンズ基板920にも、フェルール910の嵌合部913と対応する位置に開口部からなる嵌合部が設けられており、当該嵌合部にピンの他端が嵌合される。
このように、より多数の嵌合部913が設けられ、より多数の箇所でフェルール910とレンズ基板920とが接続されることにより、上述したように、フェルール910とレンズ基板920とがより多くの箇所で固定されることとなるため、温度変化による貫通孔912の中心軸とレンズの光軸との位置ずれ量を低減させることができる可能性がある。
しかしながら、フェルール910とレンズ基板920とのピンを介した接続を行う場合には、フェルール910に設けられる嵌合部913と、レンズ基板920に設けられる嵌合部との対向面内における位置合わせが、高い精度で行われなければならない。対向する嵌合部間での開口部の中心軸同士の位置ずれ量が大きい場合には、ピンの両端を互いの嵌合部に嵌合することができなくなる恐れがある。従って、図6に示す構成を実現するためには、フェルール910の対向面内における嵌合部913の位置決めと、レンズ基板920の対向面内における嵌合部の位置決めとを、ともに高精度で行う必要がある。嵌合部の数が増加した場合に、全ての嵌合部において問題なくピンが嵌合されるようにするためには、製造ずれ等を考慮すると、嵌合部の穴径を大きくせざるを得ない。発明者らの検討によれば、例えば、フェルール910及びレンズ基板920において10(度)温度が変化しただけでも、嵌合部同士の位置ずれ量は約8.7(μm)になる。従って、図6に示す例であれば、嵌合部を形成する際の穴径の合わせマージンとして±10〜20(μm)は確保する必要がある。嵌合部における穴径の合わせマージンが大きくなれば、その分、貫通孔912の中心軸とレンズの光軸との位置合わせの精度が低下し、結果的に軸ずれ量も大きくなる可能性がある。
以上説明したように、一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80では、温度変化により貫通孔812の中心軸とレンズの光軸との位置ずれ量が大きくなる可能性がある。それを抑えるために、ピンの嵌合部、すなわちフェルール910とレンズ基板920とのピンによる固定位置を増加させたレンズアレイ付きMTフェルール90のような構成も考えられるが、多数の嵌合部の位置合わせを高精度で行うことは困難であり、嵌合部形成時の合わせマージンを考慮すると、やはり貫通孔912の中心軸とレンズの光軸との位置ずれ量が大きくなる可能性がある。
一方、上述したように、本実施形態に係る光通信デバイス10は、例えば行方向に複数のフェルール部材111に分割されたフェルール110を有する。従って、フェルール110の面内での貫通孔112の位置変化は、フェルール部材111内での行方向における位置変化に留まり、一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80のように、2次元的な熱変形による貫通孔112の2次元的な位置変化を考慮する必要がない。また、本実施形態では、複数のフェルール部材111の各々について、その行方向における両端部に、レンズ基板120のボス部122が嵌合する嵌合部113が形成される。このように、本実施形態では、フェルール部材111の両端部においてフェルール部材111とレンズ基板120とが固定される。よって、温度変化が生じ、レンズ基板120及びフェルール部材111が変形したとしても、その行方向における変形量は、互いの変形量にそれぞれ追従することとなる。従って、貫通孔112の中心軸とレンズ121の光軸とのずれ量をより抑制することが可能となる。発明者らの計算によれば、例えば図3に示す構成において、レンズ基板120をガラス系の材料で形成した場合であれば、貫通孔112の中心軸とレンズ121の光軸とのずれ量は約4(μm)程度であり、接続損失を大幅に抑えることが可能となる。
また、上述したように、一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80では、フェルール810及びレンズ基板820とは別個の部材であるピンの両端が、フェルール810及びレンズ基板820の対向面に設けられる嵌合部にそれぞれ嵌合されることにより、フェルール810とレンズ基板820とが接続される。従って、レンズアレイ付きMTフェルール80では、ピンが嵌合される嵌合部が設けられる位置を位置合わせの基準として、フェルール810の貫通孔812やレンズ基板820のレンズの形成位置が決定される。よって、各レンズの光軸と各光ファイバの中心軸とのずれ量は、フェルール810における各貫通孔812の形成位置と嵌合部の形成位置とのずれ量と、レンズ基板820における各レンズの形成位置と嵌合部の形成位置とのずれ量と、が合わさったものとなるため、各レンズの光軸と各光ファイバの中心軸との位置合わせを全て高精度に制御することは困難である。
一方、上述したように、本実施形態に係る光通信デバイス10においては、フェルール110とレンズ基板120とを接続するボス部122が、レンズ基板120のレンズ121と一体成型されてよい。ボス部122とレンズ121とが一体成型されることにより、レンズ基板120の対向面内におけるレンズ121のボス部122に対する位置決めを、高精度で制御することが可能となる。従って、各レンズ121の光軸と各貫通孔112の中心軸とのずれ量を制御するために、フェルール110における各貫通孔112の形成位置と嵌合部113の形成位置とのずれ量を主に考慮すればよくなるため、各レンズ121の光軸と各貫通孔112の中心軸との位置合わせをより高精度に行うことが可能となる。
また、フェルール110に対して光ファイバ340を挿入する際には多くの工程が存在し、そのための専用装置を用いる必要がある。例えば、光ファイバ340の先端部の被覆を剥がす工程や、光ファイバ340をフェルール110に挿入した後、複数の光ファイバ340の端面を同一平面上に揃えるために当該端面を研磨する工程等を行う必要がある。一方、光通信の分野においては、複数の光ファイバ340により複数のチャンネルでの光通信を行う場合には、12本の光ファイバ340が1組として用いられることが多く、12の倍数の数のチャンネルを用いることが一般的である。従って、光ファイバ340を挿入する際に行われる工程や、当該工程を行うための装置においては、12本の光ファイバ340を対象とした技術が多く提案されている。従って、例えば図5及び図6に示すレンズアレイ付きMTフェルール80、90の構成のように、2次元状に設けられた72個の貫通孔812、912に対して72本の光ファイバを挿入する場合には、既存の方法及び既存の装置をそのまま流用することが難しく、コストの増加につながることが懸念される。
一方、上述したように、本実施形態に係る光通信デバイス10では、フェルール110が複数のフェルール部材111によって構成され、各フェルール部材111には、貫通孔112が12個ずつ1行に配列される。従って、本実施形態では、光通信デバイス10を組み立てる際に、各フェルール部材111に光ファイバ340を挿入した後に、それらのフェルール部材111をレンズ基板120にそれぞれ接続することができる。各フェルール部材111に光ファイバ340を挿入する際には、既存の技術及び既存の装置を適用することができるため、本実施形態では、チャンネル数の増加に伴う光ファイバ340のフェルール110への挿入工程におけるコストの増加を抑えることが可能となる。
<3.変形例>
次に、本実施形態におけるいくつかの変形例について説明する。本実施形態は、以下のような構成を取ってもよい。
[3−1.フェルール部材の変形を抑制するための支持部材が追加される変形例]
図3に示すように、本実施形態に係る光通信デバイス10では、フェルール110が、複数のフェルール部材111によって構成されている。また、複数のフェルール部材111は、上述したように、フェルール部材111間の距離D(y軸方向におけるフェルール部材111間の距離)が例えば約0.1〜3(mm)となるように互いに所定の間隔を有して配列される。このように、フェルール部材111は、フェルール部材111同士が互いに接触しないように、レンズ基板120に接続され得る。
ここで、光通信デバイス10に温度変化が生じた場合を考えると、熱によってフェルール部材111が変形し、反りや傾きが生じてしまう可能性がある。例えば、図3に示す構成において、フェルール部材111の長さH(z軸方向の長さ)が8(mm)であり、フェルール部材111間の距離Dが1.05(mm)である場合に、熱による変形によってフェルール部材111がz軸方向に対してy軸方向に傾いたと仮定する。この場合、簡単のため傾きが直線的なものであると仮定すれば、arctan(1.05(mm)/8(mm))の計算結果から、フェルール部材111が約7.5度傾くだけで、フェルール部材111同士が接触してしまうこととなる。
そこで、本変形例では、図3に示す光通信デバイス10の構成に対して、このようなフェルール部材111の変形を抑制し、フェルール部材111間の接触を防止するための支持部材が追加される。図7を参照して、図3に示す光通信デバイス10の構成に対して、フェルール部材111の変形を抑制するための支持部材が追加される変形例について説明する。図7は、フェルール部材111の変形を抑制するための支持部材が追加される変形例に係る光通信デバイスの概略構成を示す分解斜視図である。
図7を参照すると、本変形例に係る光通信デバイス30は、複数のレンズ121が第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板120と、レンズ基板120の当該第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数のレンズ121の各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔112が設けられるフェルール310と、を備える。なお、本変形例に係る光通信デバイス30は、図3に示す光通信デバイス10の構成に対して、フェルール110に後述する支持部材311が追加されたものに対応する。その他の構成は光通信デバイス10と同様であるため、重複する事項についてはその詳細な説明を省略する。
図7に示すように、本変形例に係るフェルール310は、行方向に分割された複数のフェルール部材111と、フェルール部材111の対向面とは逆側の面に設けられ、複数のフェルール部材111に架設される棒状の支持部材311と、を備える。棒状の支持部材311は、y軸方向に延伸しており、複数のフェルール部材111のそれぞれに対して固定的に接続される。また、支持部材311は、図7に示すように、フェルール部材111の貫通孔112の行方向の配列方向における両端(すなわち、x軸方向における両端)に、1つずつ設けられてよい。
支持部材311は、例えば線膨張係数及び弾性係数が比較的小さく、熱及び外力によって変形し難い材料によって形成される。従って、温度変化が生じ、フェルール部材111が変形しようとする場合であっても、支持部材311によってその変形が抑制される。よって、温度変化によるフェルール部材111の傾きや反りが抑制され、フェルール部材111間の接触が防止される。
ここで、本変形例では、フェルール部材111の変形を抑制するために設けられる支持部材は、上述した棒状の支持部材311に限定されず、他の形状を有してもよい。図8を参照して、このような、フェルール部材111の変形を抑制するための支持部材として、他の形状を有する支持部材が追加される変形例について説明する。図8は、フェルール部材111の変形を抑制するための支持部材が追加される他の変形例に係る光通信デバイスの概略構成を示す分解斜視図である。
図8を参照すると、本変形例に係る光通信デバイス40は、複数のレンズ121が第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板120と、レンズ基板120の当該第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数のレンズ121の各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔412が設けられるフェルール410と、を備える。なお、本変形例に係る光通信デバイス40は、図3に示す光通信デバイス10の構成に対して、フェルール110に後述する支持部材411が追加されたものに対応する。その他の構成は光通信デバイス10と同様であるため、重複する事項についてはその詳細な説明を省略する。
図8に示すように、本変形例に係るフェルール410は、行方向に分割された複数のフェルール部材111と、フェルール部材111の間に設けられる支持部材411と、を備える。支持部材411は、フェルール部材111間の間隙の各々に、当該間隙を埋めるように配設される。
支持部材411は、例えば線膨張係数及び弾性係数が比較的小さく、熱及び外力によって変形し難い材料によって形成される。従って、温度変化が生じ、フェルール部材111が変形しようとする場合であっても、支持部材411によってその変形が抑制される。よって、温度変化によるフェルール部材111の傾きや反りが抑制され、フェルール部材111間の接触が防止される。
以上、図3に示す光通信デバイス10の構成に対して、フェルール部材111間の接触を防止するための支持部材が追加される変形例について説明した。以上説明したように、本変形例では、フェルール部材111の温度変化による変形を抑制するように、支持部材311、411が適宜設けられる。従って、温度変化によるフェルール部材111の傾きや反りが抑制され、フェルール部材111間の接触が防止される。
[3−2.フェルール部材の一部が互いに接続されている変形例]
上述した本実施形態に係る光通信デバイス10では、フェルール110は、複数のフェルール部材111に分割されており、フェルール部材111間は互いに接触していなかった。しかし、本実施形態はかかる例に限定されず、上述したように、フェルール110の少なくとも対向面に垂直な方向(z軸方向)に所定の長さの領域が、当該対向面と平行な面内(x−y平面内)において行方向又は列方向に複数の領域に分割されればよく、例えば一部領域が分割されないまま互いに接続されていてもよい。
図9を参照して、図3に示す光通信デバイス10の構成において、フェルール部材111の一部が互いに接続されている変形例について説明する。図9は、フェルール部材111の一部が互いに接続されている変形例に係る光通信デバイスの概略構成を示す分解斜視図である。
図9を参照すると、本変形例に係る光通信デバイス50は、複数のレンズ121が第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板120と、レンズ基板120の当該第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数のレンズ121の各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔512が設けられるフェルール510と、を備える。なお、本変形例に係る光通信デバイス50は、図3に示す光通信デバイス10の構成において、フェルール部材111がその一部領域において互いに接続されたものに対応する。その他の構成は光通信デバイス10と同様であるため、重複する事項についてはその詳細な説明を省略する。
フェルール510のレンズ基板120と対向する面には、レンズ基板120に設けられる複数のレンズ121と対向する位置に、光ファイバが挿入される貫通孔512が設けられる。貫通孔512は、レンズ基板120のレンズ121に対応して、面内において2次元状に形成される。
ここで、図9に示すように、本変形例に係るフェルール510は、対向面に垂直な方向(z軸方向)に所定の長さの領域が、当該対向面と平行な面内(x−y平面内)において行方向に複数の領域511に分割されている。具体的には、フェルール510は、対向面とは逆側の面に行方向に延伸する複数の溝514を有し、当該溝514により行方向に複数の領域511が形成される。フェルール510は、各領域511が、x軸方向に1行に並べられた12個の貫通孔512を有するように分割される。また、各領域511の貫通孔512の配列方向における両端部には、レンズ基板120に設けられるボス部122が嵌合する嵌合部513が設けられる。当該嵌合部513にボス部122が嵌合することにより、各領域511の両端が固定された状態で、フェルール510とレンズ基板120とが接続されることとなる。
このように、フェルール510は、光ファイバが挿入される面では行方向に分割されているが、レンズ基板120との対向面においては一様な面が形成されている構成を有する。これは、図3に示す光通信デバイス10の構成において、複数のフェルール部材111が、対向面においてのみ互いに接続された構成であると言える。本変形例のように、フェルール510が完全に分割されていない場合であっても、溝514の幅、深さ等、その形状を適切に形成することにより、温度変化が生じた場合に、フェルール510の行方向の変形量と、レンズ基板120の行方向の変形量とが互いに追従するようにすることが可能である。
なお、本変形例に係るフェルール510は、一体的な部材として形成されてもよいし、図3に示す構成のように複数のフェルール部材111を形成した後に、その一部を別途の部材によって接続することにより構成されてもよい。また、上記では、フェルール510の対向面が一様な面として形成されている、すなわち、対向面においてフェルール部材111が互いに接続されている構成を有する場合について説明したが、本変形例はかかる例に限定されない。フェルール部材111が互いに接続される位置は、対向面に対応する位置に限定されず、他の場所であってもよい。本変形例では、温度変化が生じた場合にフェルール510の行方向の変形量とレンズ基板120の行方向の変形量とが互いに追従すればよく、フェルール部材111が互いに接続される位置は、適宜選択されてよい。
[3−3.レンズ基板が複数の部材に分割される変形例]
上述した本実施形態に係る光通信デバイス10では、レンズ基板120は単一の部材によって形成され、フェルール110が対向面と平行な面内において複数のフェルール部材111に分割されていた。しかし、本実施形態はかかる例に限定されず、レンズ基板120が対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の部材に分割されてもよい。
図10を参照して、レンズ基板が複数の部材に分割される変形例について説明する。図10は、レンズ基板が複数の部材に分割される変形例に係る光通信デバイスの概略構成を示す斜視図である。
図10を参照すると、本変形例に係る光通信デバイス60は、複数のレンズが第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板620と、レンズ基板620の当該第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の当該レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔612が設けられるフェルール610と、を備える。
レンズ基板620には、例えば光通信のチャンネル数に対応した複数のレンズ(図示せず。)が2次元状に形成されている。図10に示す例では、レンズ基板620は、行方向に複数のレンズ部材621に分割されている。例えば、レンズ基板620は、2次元状に配列されたレンズを1行ずつに分割するように、行方向に複数のレンズ部材621に分割され得る。図10に示す例では、レンズ基板620には、例えば光通信のチャンネル数に対応した72個のレンズが形成されているため、レンズ基板620は、6つのレンズ部材621に分割されている。なお、レンズ基板620が複数のレンズ部材621に分割される方向はかかる例に限定されず、レンズ基板620は、例えば列方向に分割されてもよい。レンズ基板620の分割方向や分割数は、レンズ基板620上に設けられるレンズの配列方法に応じて適宜設計されてよい。
また、各レンズ部材621のレンズの配列方向における両端近傍には、突起部であるボス部(図示せず。)が設けられる。図10に示す例であれば、当該ボス部は、各レンズ部材621の両端に、合計で12個設けられることとなる。当該ボス部は、図3に示す構成におけるボス部122に対応するものであり、当該ボス部が、後述するフェルール610の嵌合部613と嵌合することにより、フェルール610とレンズ基板620とが、例えば対向面が互いに接触した状態で接続されることとなる。
本変形例においては、フェルール610は単一の部材によって構成される。フェルール610には、フェルール610とレンズ基板620とが互いに接続される際にレンズ基板620のレンズに対向する位置に、例えばレンズの数に対応した72個の貫通孔612が設けられる。貫通孔612は、図3に示す構成における貫通孔112に対応するものである。各貫通孔612に、図中のz軸の負方向から光ファイバがそれぞれ挿入されることにより、各光ファイバの端部がレンズ基板620の各レンズに対向するように配置されることとなる。
フェルール610の対向面内における、2次元状に設けられる貫通孔612の各行の両端部に対応する領域には、上述したレンズ部材621のボス部の一端が嵌合する嵌合部613が形成される。嵌合部613は、図3に示す構成における嵌合部113に対応するものである。各レンズ部材621に設けられるボス部がフェルール610の嵌合部613に嵌合することにより、各レンズ部材621の両端が固定された状態で、フェルール610とレンズ基板620とが接続されることとなる。
このように、本変形例に係る光通信デバイス60は、図3に示す光通信デバイス10の構成において、フェルール110が単一の部材によって構成され、レンズ基板120が行方向に複数のレンズ部材に分割された構成に対応している。本変形例のように、フェルール610ではなくレンズ基板620が分割された場合であっても、上記<2.一般的なコネクタとの比較>で説明した本実施形態によって奏される効果と同様の効果を得ることができる。また、上記[3−1.フェルール部材の変形を抑制するための支持部材が追加される変形例]及び上記[3−2.フェルール部材の一部が互いに接続されている変形例]では、フェルールが複数のフェルール部材に分割されている場合に対する変形例について説明したが、これらの変形例と同様の構成が、上述した複数のレンズ部材621に対して適用されてもよい。
[3−4.レンズ基板が複数の材料によって構成される変形例]
上述した本実施形態に係る光通信デバイス10では、レンズ基板120は、例えば、ポリカーボネート、PEI系材料、ナイロンPBT系材料、ポリオレフィン及びCOC等の樹脂系材料のうちから選択され得る単一の材料によって形成されていた。しかし、本実施形態はかかる例に限定されず、レンズ基板120は、互いに異なる複数の材料によって構成されてもよい。
図11及び図12を参照して、レンズ基板が互いに異なる複数の材料によって構成される変形例について説明する。図11は、レンズ基板が互いに異なる複数の材料によって構成される変形例に係るレンズ基板の構成を示す概略図である。なお、図11は、上述した図4Aに対応する図であり、本変形例に係るレンズ基板を光ファイバが挿入される方向、すなわち、z軸の負方向から見た様子を示している。また、図12は、図11に示す本変形例に係るレンズ基板を製作するための方法の一例について説明するための説明図である。
図11を参照すると、本変形例に係るレンズ基板720は、レンズアレイ部721と、外枠部726とが、互いに異なる材料によって形成される。レンズアレイ部721には複数のレンズ722が2次元状に形成される。レンズ722は、図4Aに示す構成におけるレンズ121に対応するものであり、光通信におけるチャンネル数に対応する数だけ形成される。
外枠部726は、レンズアレイ部721の周囲に設けられる。外枠部726には、レンズ基板720がフェルール(図示せず。)と接続する際に、当該フェルールに設けられる嵌合部に嵌合するボス部727と、レンズ基板120を例えば図1に示す光通信モジュール20に接続するための接続孔728と、が形成される。ボス部727は、図4Aに示す構成におけるボス部122に対応するものである。また、接続孔728は、図1に示す構成において、光通信モジュール20の位置決めピン240の先端が嵌合される、光通信モジュール20との接続用の開口部である。なお、上記の図1以外の各図面では図示を省略していたが、上述した実施形態及び各変形例に係るレンズ基板120、620においても、同様に、光通信モジュール20との接続用の開口部が設けられてよい。
本変形例では、レンズアレイ部721及びボス部727が第1の材料によって形成され、外枠部726におけるボス部727以外の部位は当該第1の材料とは異なる第2の材料によって形成される。第1の材料は、例えばレンズ722に求められる光学特性に基づいて選択される。具体的には、第1の材料は、レンズ722を通過する光の特性(例えば波長等)を考慮し、その透過率や屈折率等の光学特性が所定の値となるように選択され得る。一方、第2の材料は、光通信モジュール20との脱着が繰り返し行われる可能性があることを考慮して、例えば耐摩耗性に優れた材料が選択され得る。
レンズ基板720は、例えば射出成型法によって形成される。射出成型法では、レンズ基板720の形状を有する金型に加熱して軟化した材料を所定の圧力を加えて射出し、当該金型内に当該材料を充填させることにより、当該金型の形状に応じたレンズ基板720が製作される。本変形では、レンズ基板720は、2種類の互いに異なる材料によって構成されていることから、射出成型法の中でも、2種類の材料を用いた2色成型法が用いられる。
図12は、射出成型法における2色成型法を概念的に示している。図12を参照すると、2色成型法においては、金型750に対して、第1の開口部から第1の材料760が射出され、第2の開口部から第2の材料770が射出される。金型750は、例えばレンズ基板720の形状に基づいて製作されている。このように、金型750に対して、互いに異なる開口部から互いに異なる材料を所定の圧力で射出することにより、異種材料によってレンズ基板720を形成することができる。
以上、図11及び図12を参照して、レンズ基板720が複数の材料によって構成される変形例について説明した。以上説明したように、レンズ基板720が互いに異なる材料によって形成されることにより、例えば、レンズ722が形成されるために所定の光学特性が要求されるレンズアレイ部721と、物理的な接触が頻繁に行われるために所定の耐摩耗性が要求される外枠部726とで、それぞれの特性に応じた材料を選択することができる。よって、光学特性及び耐摩耗性の双方において優れた特性を有するレンズ基板720が実現される。また、本変形例では、レンズ722とボス部727とが同一の材料によって一体成型されるため、上述した実施形態と同様に、ボス部727の形成位置に対するレンズ722の形成位置の位置合わせの精度を向上させることができる。
なお、上記では、レンズ基板720が互いに異なる2種類の材料によって形成される場合について説明したが、本変形例はかかる例に限定されない。レンズ基板720は、2つよりも多くの種類の材料によって形成されてもよい。例えば、レンズ基板720は、3色成型法等、より多くの種類の材料を用いた射出成型法によって製作され得る。このように、レンズ基板720は、少なくとも2つの互いに異なる樹脂系材料を用いた、多色成型によって形成されてよい。なお、本変形例においてレンズ基板720を製作する際に用いられる射出成型法の具体的な加工装置の構成や加工条件等には、各種の公知の加工装置、加工条件等が適用されてよい。例えば、レンズ基板720を製作する際の射出成型法の具体的な加工条件は、用いられる材料の種類等に基づいて適宜設定されてよい。
[3−5.フェルールとレンズ基板とが同一の材料によって形成される変形例]
上述した本実施形態に係る光通信デバイス10では、フェルール110は、例えば、PPS、LCP、エポキシ等の樹脂系材料によって形成されていた。また、レンズ基板120は、例えば、ポリカーボネート、PEI系材料、ナイロンPBT系材料、ポリオレフィン及びCOC等の樹脂系材料、又は、各種のガラス系材料によって形成されていた。このように、上述した実施形態では、フェルール110及びレンズ基板120は、互いに異なる材料によって形成されていた。しかし、本実施形態はかかる例に限定されず、フェルール110及びレンズ基板120が同一の材料によって構成されてもよい。
例えば図5に示す一般的なレンズアレイ付きMTフェルール80においては、フェルール810及びレンズ基板820は、ともに樹脂系の材料によって形成される。フェルール810については、光ファイバが挿通される貫通孔812の形状を高い精度で加工可能であるとともに、貫通孔812に光ファイバを挿入した後に端面を研磨する際の加工性も考慮してその材料が選択される。一方、レンズ基板820の材料としては、レンズにおいて所定の光学特性を有するとともに、レンズの形状を高い精度で加工可能な材料が求められる。このように、フェルール810及びレンズ基板820の材料には、それぞれ異なる特性が求められるため、フェルール810及びレンズ基板820を同一の樹脂系材料で製作することは困難であった。従って、一般的な既存の技術では、フェルール810及びレンズ基板820を、互いに異なる線膨張係数を有する材料によって形成せざるを得ず、温度変化が生じた場合の、貫通孔812の中心軸とレンズ基板820のレンズの光軸との位置ずれ量が大きくなってしまっていた。
本変形例では、例えば図3に示す光通信デバイス10の構成において、フェルール110及びレンズ基板120をともにガラス系材料によって形成することにより、フェルール110とレンズ基板120を同程度の線膨張係数を有する材料によって形成することを可能とする。ガラス系材料は、その線膨張係数が3〜4(ppm)程度であることが知られている。ガラス系材料を用いることにより、フェルール110及びレンズ基板120を同程度の線膨張係数を有する材料によって形成することが可能となり、温度変化による、貫通孔112の中心軸とレンズ121の光軸との位置ずれ量を低減することができる。
具体的には、本変形例では、フェルール110の材料として感光性ガラス材料を用いる。感光性ガラス材料では、フォトマスクを用いた紫外線による露光、熱処理による露光部位の変性、変性部位のエッチング、の各処理を経ることにより、ビアを高精度に加工することができる。従って、感光性ガラス材料を用いることにより、フェルール110の貫通孔112を高精度で形成することが可能となる。
図13を参照して、感光性ガラス材料におけるビアの加工プロセスの一例について説明する。図13は、感光性ガラス材料におけるビアの加工プロセスの一例について説明するための説明図である。
図13を参照すると、当該プロセスにおいては、まず、感光性ガラス材料からなるガラス基板の厚さが、例えば約1(mm)に加工される(工程(a))。次いで、当該ガラス基板に対して、ビアの形成位置に対応する位置が開口されたフォトマスクが載せられた状態で、紫外線による露光が行われる(工程(b))。紫外線の光源としては、例えば、出力1kWのXe−Hgランプが用いられ、波長320(nm)の紫外線が2000mJ/cmの露光量で照射される。
次いで、フォトマスクが剥がされた後に、ガラス基板に対して熱処理が行われる(工程(c))。当該熱処理では、例えば、450度〜600度(例えば590度)で1時間の加熱が行われる。当該熱処理により、工程(b)で露光された箇所(すなわち、ビアの形成位置)が変性する。
次いで、熱処理後のガラス基板に対してエッチング処理が行われ、工程(c)で変性した箇所が除去されビアが形成される(工程(d))。当該エッチング処理では、例えば、希フッ化水素酸によるウェットエッチングが行われる。
以上(a)〜(d)の各工程を経ることにより、フェルール110の貫通孔112が高精度で加工され得る。なお、本変形例においてフェルール110に用いられるガラス系材料は、例えば、重量%で、SiO:55〜85%、Al:2〜20%、LiO:5〜15%、SiO+Al+LiO>85%を基本成分とし、Au:0.001〜0.05%、Ag:0.001〜0.5%、CuO:0.001〜l%を感光性金属成分として含んでよい。
感光性ガラス材料を用いて、上記工程(a)〜(d)により貫通孔112を形成した場合、当該貫通孔112の加工精度は、約0.2(μm)と高い精度を実現することができる。また、ガラス系材料の線膨張係数は、3〜4(ppm)程度である。従って、温度変化によるフェルール110での貫通孔112の位置変化を大幅に低減することが可能となる。また、レンズ基板120の材料としては、フェルール110に用いられた感光性ガラス材料の線膨張係数と同程度の線膨張係数を有するガラス系材料が、レンズ121の加工の容易性や、光学特性等を考慮して適宜選択され得る。このように、本変形例では、フェルール110及びレンズ基板120をともにガラス系材料によって形成することにより、フェルール110及びレンズ基板120を同程度の線膨張係数を有する材料によって形成することを可能とし、温度変化による、貫通孔112の中心軸とレンズ121の光軸との位置ずれ量を低減することができる。
なお、感光性ガラス材料においては、一般的に、熱処理における熱収縮ずれが懸念されるが、発明者らの検討によれば、図13に示すプロセスでは、当該熱収縮ずれは、約±133ppmの範囲に収まることが確認されている。当該熱収縮ずれを考慮すると、例えば、図3に示す構成において、貫通孔112が、y軸方向の間隔が2.3mmで形成される場合には、その位置ずれ量は約0.7(μm)である。従って、感光性ガラス材料を用いてフェルール110を形成した場合であっても、上記プロセスにおける熱収縮が貫通孔112の位置ずれ量に与える影響は十分小さい。
以上、フェルールとレンズ基板とが同一の材料によって形成される変形例について説明した。なお、上記では、フェルール110が感光性ガラス材料によって形成される場合について説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。フェルール110の材料としては、ビアの加工が高い精度で可能なガラス系材料であれば、他のガラス系材料が用いられてもよい。また、フェルール110の材料として他のガラス系材料が用いられる場合には、貫通孔112の加工方法は、上述したエッチング以外の各種の方法が用いられてよい。例えば、貫通孔112は、レーザ照射、サンドブラスト及び機械的なドリル加工等の各種の加工方法により形成され得る。
<4.適用例>
[4−1.光通信モジュール間及び装置間の光通信]
本実施形態に係る光通信デバイス10は、例えば図1に示す光通信モジュール20間の光通信に適用することができる。また、当該光通信モジュール20が搭載された装置、例えば、PCやワークステーション(WS:Work Station)、サーバ等の情報処理装置の間の光通信に好適に適用可能である。図14を参照して、本実施形態に係る光通信デバイス10が、例えば図1に示す光通信モジュール20が搭載された情報処理装置間の光通信に適用された場合の一構成例について説明する。図14は、本実施形態に係る光通信デバイス10が、情報処理装置間の光通信に適用された場合の一構成例を示す概略図である。
図14では、本適用例の一例として、図1に示す本実施形態に係る光通信デバイス10が情報処理装置間の光通信に適用された場合について図示している。図14を参照すると、光通信によって各種のデータが伝送される送受信システム1000は、送信装置1010及び受信装置1020を有する。送信装置1010及び受信装置1020は情報処理装置の一例であり、例えば、PC、WS、サーバ等、各種の情報処理装置であり得る。
送信装置1010及び受信装置1020は、例えば図1に示す構成を有する光通信モジュール20を備えている。送信装置1010は送信側の光通信モジュール20を備えており、受信装置1020は受信側の光通信モジュール20を備えている。当該光通信モジュール20間が本実施形態に係る光通信デバイス10によって接続されることにより、送信装置1010と受信装置1020との間で、当該光通信デバイス10を介して光通信によって各種のデータを伝送することができる。ここで、プロセッサ331は、例えば、送信装置1010及び受信装置1020に搭載されるCPUであり、所定のプログラムに従って動作することにより、送信装置1010及び受信装置1020の動作を統合的に制御する。実際には、送信装置1010に搭載されるプロセッサ331と、受信装置1020に搭載されるプロセッサ331との間で、光通信モジュール20を介したデータの伝送が行われ得る。
なお、図14では、送信装置1010及び受信装置1020の構成のうち、図1に示す構成以外の構成は図示を省略している。送信装置1010及び受信装置1020は、図示しない構成として、一般的な公知の情報処理装置が有する各種の構成を備えてもよい。図示しない構成は、一般的な情報処理装置に用いられる公知の構成であってよいため、詳細な説明は省略する。
図14に示す例では、送信装置1010と受信装置1020とが、本実施形態に係る光通信デバイス10を介して光ファイバ340によって接続されている。具体的には、送信装置1010及び受信装置1020の光通信モジュール20と光ファイバ340との接続が、光通信デバイス10によって行われる。光ファイバ340は、図示しない通信網(ネットワーク)を介して送信装置1010及び受信装置1020を接続していてよい。
送信装置1010が備えるプロセッサ331によって各種の処理が施された情報が、光電変換により電気信号から光に変換され、変換された所定の情報が重畳された光が、光通信モジュール20から光ファイバ340を介して受信装置1020に対して送信される。受信装置1020では、光通信モジュール20によって光ファイバ340を伝搬してきた光が受信され、光電変換により光から変換された、所定の情報が重畳された電気信号が、受信装置1020が備えるプロセッサ331に入力される。このようにして、本実施形態に係る光通信デバイスを介した送信装置1010及び受信装置1020間の光通信が実現される。
また、図14に示す例では、送信装置1010の送信側の光通信モジュール20と、受信装置1020の受信側の光通信モジュール20とが、光通信デバイス10及び光ファイバ340によって接続され、送信装置1010から受信装置1020に対してデータが伝送される場合について説明したが、本適用例はかかる例に限定されない。送受信システム1000は、送信装置1010が受信側の光通信モジュール20を更に備え、受信装置1020が送信側の光通信モジュール20を更に備え、これらの光通信モジュール20が光ファイバ340によって更に接続されることにより、送信装置1010と受信装置1020とが、光通信によって互いに各種の情報を送受信できるように構成されてもよい。
また、上記では、送信装置1010及び受信装置1020の2台の情報処理装置間でのデータの伝送について説明したが、本適用例はかかる例に限定されない。送受信システム1000は、2台よりも多い複数の情報処理装置間が光通信デバイス10及び光ファイバ340を介して接続され、光通信によって互いに各種の情報を送受信できるように構成されてもよい。
また、上記では、本適用例の一例として、図3に例示する光通信デバイス10が情報処理装置間の光通信に適用された場合について説明したが、本適用例はかかる例に限定されない。上述した本実施形態における各種の変形例に係る光通信デバイスであっても、同様に、情報処理装置間の光通信に適用可能である。
[4−2.光ファイバ間の接続]
本実施形態に係る光通信デバイス10は、光ファイバ間の接続に好適に適用可能である。図15を参照して、本実施形態に係る光通信デバイス10が、光ファイバ間の接続に適用された場合の一構成例について説明する。図15は、本実施形態に係る光通信デバイス10が、光ファイバ間の接続に適用された場合の一構成例を示す概略図である。
図15では、本適用例の一例として、図1に示す本実施形態に係る光通信デバイス10が光ファイバ間の光通信に適用された場合について図示している。図15を参照すると、1対の本実施形態に係る光通信デバイス10が、レンズ基板120のレンズ121が形成される面を互いに対向させるように配置されている。1対の光通信デバイス10は、対向するレンズ121の光軸同士が略一致するように、例えばレンズ基板120同士がピン(図示せず。)を介して固定的に接続されていてよい。光ファイバ340を伝搬されてきた光は、一方の光通信デバイス10のレンズ121を通過して拡散され、他方の光通信デバイス10のレンズ121に入射する。光が入射した光通信デバイス10では、レンズ121によって光ファイバの端部に光が集光され、光ファイバに光が入射することとなる。
以上、図15を参照して、本実施形態に係る光通信デバイス10が、光ファイバ間の接続に適用された場合の一構成例について説明した。なお、上記では、本適用例の一例として、図3に例示する光通信デバイス10が光ファイバ間の接続に適用された場合について説明したが、本適用例はかかる例に限定されない。上述した本実施形態における各種の変形例に係る光通信デバイスであっても、同様に、光ファイバ間の接続に適用可能である。
<5.補足>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
例えば、上述した実施形態及び各変形例に係る構成は、各々が単独に実現されなくてもよく、可能な限りにおいて互いに組み合わされてもよい。上述した各構成が組み合わされることにより、各構成において奏される効果を合わせた効果を得ることができる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、を備え、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の両端部が、ピンを介して前記対向面に対して固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続される、光通信デバイス。
(2)前記フェルールが、前記対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数のフェルール部材に分割される、前記(1)に記載の光通信デバイス。
(3)前記レンズ基板の前記対向面には、前記フェルール部材の各々の両端部に嵌合することにより前記フェルール部材と前記レンズ基板とを接続させるボス部が形成され、
前記ボス部は前記レンズと一体成型される、前記(2)に記載の光通信デバイス。
(4)複数の前記フェルール部材は、互いに接触しないように、前記レンズ基板に接続される、前記(2)又は(3)に記載の光通信デバイス。
(5)前記フェルール部材は、前記フェルール部材の前記対向面に垂直な方向に対する前記フェルール部材の配列方向への傾きが、前記フェルール部材の前記対向面に垂直な方向の長さと前記フェルール部材間の距離とのタンジェントによって規定される角度以下となるように、前記レンズ基板に接続される、前記(4)に記載の光通信デバイス。
(6)前記フェルールの前記対向面とは逆側の面に設けられ、複数の前記フェルール部材に架設される棒状の支持部材、を更に備える、前記(2)〜(5)のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
(7)複数の前記フェルール部材の間に設けられる支持部材、を更に備える、前記(2)〜(6)のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
(8)前記フェルールは、前記対向面と平行な面内における一部領域が接続されており、前記対向面に垂直な方向に所定の長さの領域のみが、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割される、前記(1)に記載の光通信デバイス。
(9)前記レンズ基板が、前記対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数のレンズ部材に分割される、前記(1)に記載の光通信デバイス。
(10)前記レンズ及び前記貫通孔は、1行又は1列に12個ずつ並べられて形成され、前記レンズ基板又は前記フェルールは、分割後の各領域が前記レンズ又は前記貫通孔が12個ずつ並べられた行又は列をそれぞれ含むように分割される、前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
(11)前記レンズ基板は、少なくとも2つの互いに異なる樹脂系材料を用いた、多色成型によって形成される、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
(12)前記レンズ基板のうち、前記レンズが形成される領域と、前記レンズが形成される領域以外の領域であって前記フェルールと接触する領域とは、互いに異なる材料によって形成される、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
(13)前記フェルールは樹脂系材料によって形成される、前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
(14)前記レンズ基板及び前記フェルールは、ガラス系材料によって形成される、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
(15)前記フェルールは、感光性ガラス材料によって形成される、前記(14)に記載の光通信デバイス。
(16)前記フェルールの前記貫通孔は、エッチング、サンドブラスト及びレーザ照射のいずれかの加工方法によって形成される、前記(14)に記載の光通信デバイス。
(17)前記光通信デバイスは、前記レンズ基板に形成される複数の前記レンズが、光通信用の入出力を行うモジュールにおける光の入出力面に設けられる他のレンズと対向するように、当該モジュールと接続される、前記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
(18)光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、を有する、光通信デバイス、を備え、前記光通信デバイスにおいては、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の少なくとも両端部分が、ピンを介して前記対向面に固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続されており、前記光通信デバイスを介して、任意の装置に対して所定の情報が重畳された光を送信する、送信装置。
(19)光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、を有する、光通信デバイス、を備え、前記光通信デバイスにおいては、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の少なくとも両端部分が、ピンを介して前記対向面に固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続されており、前記光通信デバイスを介して、任意の装置から送信される所定の情報が重畳された光を受信する、受信装置。
(20)光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、を有する、光通信デバイス、を備え、当該光通信デバイスを介して、任意の装置に対して所定の情報が重畳された光を送信する、送信装置と、前記光通信デバイスを備え、当該光通信デバイスを介して、前記送信装置から送信される前記光を受信する、受信装置と、を備え、前記光通信デバイスにおいて、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の少なくとも両端部分が、ピンを介して前記対向面に固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続される、送受信システム。
10、30、40、50、60 光通信デバイス
20 光通信モジュール
110、310、410、510、610 フェルール
111 フェルール部材
112、512、612 貫通孔
113、513、613 嵌合部
120、620 レンズ基板
121 レンズ
122 ボス部
311、411 支持部材


Claims (20)

  1. 光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、
    前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、
    を備え、
    前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に互いに接触しないように離隔された複数の領域に分割され、
    当該複数の領域の各々の両端部が、ピンを介して前記対向面に対して固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続される、
    光通信デバイス。
  2. 前記フェルールが、前記対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数のフェルール部材に分割される、
    請求項1に記載の光通信デバイス。
  3. 前記レンズ基板の前記対向面には、前記フェルール部材の各々の両端部に嵌合することにより前記フェルール部材と前記レンズ基板とを接続させるボス部が形成され、
    前記ボス部は前記レンズと一体成型される、
    請求項2に記載の光通信デバイス。
  4. 複数の前記フェルール部材は、互いに接触しないように、前記レンズ基板に接続される、
    請求項2又は3に記載の光通信デバイス。
  5. 前記フェルール部材は、前記フェルール部材の前記対向面に垂直な方向に対する前記フェルール部材の配列方向への傾きが、前記フェルール部材の前記対向面に垂直な方向の長さと前記フェルール部材間の距離とのタンジェントによって規定される角度以下となるように、前記レンズ基板に接続される、
    請求項4に記載の光通信デバイス。
  6. 前記フェルールの前記対向面とは逆側の面に設けられ、複数の前記フェルール部材に架設される棒状の支持部材、を更に備える、
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
  7. 複数の前記フェルール部材の間に設けられる支持部材、を更に備える、
    請求項2〜6のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
  8. 前記フェルールは、前記対向面と平行な面内における一部領域が接続されており、
    前記対向面に垂直な方向に所定の長さの領域のみが、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数の領域に分割される、
    請求項1に記載の光通信デバイス。
  9. 前記レンズ基板が、前記対向面と平行な面内において行方向又は列方向に複数のレンズ部材に分割される、
    請求項1に記載の光通信デバイス。
  10. 前記レンズ及び前記貫通孔は、1行又は1列に12個ずつ並べられて形成され、
    前記レンズ基板又は前記フェルールは、分割後の各領域が前記レンズ又は前記貫通孔が12個ずつ並べられた行又は列をそれぞれ含むように分割される、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
  11. 前記レンズ基板は、少なくとも2つの互いに異なる樹脂系材料を用いた、多色成型によって形成される、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
  12. 前記レンズ基板のうち、前記レンズが形成される領域と、前記レンズが形成される領域以外の領域であって前記フェルールと接触する領域とは、互いに異なる材料によって形成される、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
  13. 前記フェルールは樹脂系材料によって形成される、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
  14. 前記レンズ基板及び前記フェルールは、ガラス系材料によって形成される、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
  15. 前記フェルールは、感光性ガラス材料によって形成される、
    請求項14に記載の光通信デバイス。
  16. 前記フェルールの前記貫通孔は、エッチング、サンドブラスト及びレーザ照射のいずれかの加工方法によって形成される、
    請求項14に記載の光通信デバイス。
  17. 前記光通信デバイスは、前記レンズ基板に形成される複数の前記レンズが、光通信用の入出力を行うモジュールにおける光の入出力面に設けられる他のレンズと対向するように、当該モジュールと接続される、
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の光通信デバイス。
  18. 光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、
    前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、
    を有する、光通信デバイス、を備え、
    前記光通信デバイスにおいては、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に互いに接触しないように離隔された複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の少なくとも両端部分が、ピンを介して前記対向面に固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続されており、
    前記光通信デバイスを介して、任意の装置に対して所定の情報が重畳された光を送信する、送信装置。
  19. 光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、
    前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、
    を有する、光通信デバイス、を備え、
    前記光通信デバイスにおいては、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に互いに接触しないように離隔された複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の少なくとも両端部分が、ピンを介して前記対向面に固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続されており、
    前記光通信デバイスを介して、任意の装置から送信される所定の情報が重畳された光を受信する、受信装置。
  20. 光通信における複数のチャンネルに対応した複数のレンズが、第1の面に2次元状に形成されるレンズ基板と、
    前記レンズ基板の前記第1の面とは逆側の面である第2の面に対向して配置され、複数の前記レンズの各々に対応する位置に光ファイバが挿通される貫通孔が設けられるフェルールと、
    を有する、光通信デバイス、を備え、当該光通信デバイスを介して、任意の装置に対して所定の情報が重畳された光を送信する、送信装置と、
    前記光通信デバイスを備え、当該光通信デバイスを介して、前記送信装置から送信される前記光を受信する、受信装置と、
    を備え、
    前記光通信デバイスにおいて、前記レンズ基板又は前記フェルールの、少なくとも対向面に垂直な方向に所定の長さの領域は、当該対向面と平行な面内において行方向又は列方向に互いに接触しないように離隔された複数の領域に分割され、当該複数の領域の各々の少なくとも両端部分が、ピンを介して前記対向面に固定されることにより、前記レンズ基板と前記フェルールとが接続される、
    送受信システム。
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