JP6090032B2 - 二次電池用電極層の形成方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、電極としたときの導電剤の分散が良く、電池としたときに抵抗が低い二次電池用電極層の形成方法を提供することである。
[1] 電極活物質、導電剤および結着剤を含むスラリーを噴霧乾燥して得られる複合粒子を、平均粒子径が前記複合粒子の0.15〜0.8倍になるように粉砕機により小粒径化する複合粒子小粒径化工程(1)と、前記複合粒子小粒径化工程(1)で小粒径化された複合粒子の一部が凝集した凝集物を解砕して再び小粒径化する複合粒子小粒径化工程(2)と、前記複合粒子小粒径化工程(2)で小粒径化された複合粒子を支持体上に供給し、当該支持体上で成形することにより、支持体付電極活物質層を形成する電極活物質層形成工程と、を含む二次電池用電極層の形成方法、
[2] 前記複合粒子小粒径化工程(1)が、乾式粉砕工程である[1]に記載の二次電池用電極層の形成方法、
[3] 前記乾式粉砕工程が、ジェットミル粉砕法を用いる[2]に記載の二次電池用電極層の形成方法、
[4] 前記ジェットミル粉砕法において、粉砕エア圧力が0.2MPa〜1.0MPaであり、粉砕時間が3〜30分である[3]に記載の二次電池用電極層の形成方法、
[5] 前記複合粒子小粒径化工程(2)が、凝集物を含む小粒径化された複合粒子に対して振動を与えることにより当該凝集物を解砕して再び小粒径化する工程を含む[1]に記載の二次電池用電極層の形成方法、
[6] 前記複合粒子小粒径化工程(2)が、凝集物を含む小粒径化された複合粒子を解砕用ロールを通過させることにより当該凝集物を解砕して再び小粒径化する工程を含む[1]に記載の二次電池用電極層の形成方法
が提供される。
本発明の複合粒子小粒径化工程(1)は、電極活物質、導電剤および結着剤を含むスラリーを噴霧乾燥して得られる複合粒子を、平均粒子径が前記複合粒子の0.15〜0.8倍になるように粉砕機により小粒径化する。
複合粒子の製造に用いるスラリーは電極活物質、導電剤、結着剤および必要に応じて添加される他の成分が分散媒に分散または溶解されてなる。
本発明の二次電池用電極層の形成方法により形成された電極層を例えば、リチウムイオン二次電池に使用する場合に、リチウムイオン二次電池正極用の電極活物質(正極活物質)としては、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能な金属酸化物が挙げられる。かかる金属酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、燐酸鉄リチウム等を挙げることができる。なお、上記にて例示した正極活物質は適宜用途に応じて単独で使用してもよく、複数種混合して使用してもよい。
本発明に用いる導電剤の具体例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ ベスローテン フェンノートシャップ社の登録商標)などの導電性カーボンブラックが挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラックおよびファーネスブラックがより好ましい。
これらの導電剤は、単独でまたは二種類以上組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる結着剤は、電極活物質を相互に結着させることができる化合物であれば特に制限はない。好適な結着剤は、溶媒に分散する性質のある分散型結着剤である。分散型結着剤として、例えば、シリコン系重合体、フッ素含有重合体、共役ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子化合物が挙げられ、好ましくはフッ素系含有重合体、共役系ジエン重合体およびアクリレート系重合体、より好ましくは共役ジエン系重合体およびアクリレート系重合体が挙げられる。
複合粒子の製造に用いるスラリーは、必要に応じて分散剤等の他の成分を含んでもよい。分散剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウムまたはアルカリ金属塩などが挙げられる。これらの分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
複合粒子は、電極活物質、導電剤、結着剤および必要に応じて添加される他の成分を含む上記スラリーを噴霧乾燥することにより得られる。ここで、複合粒子は、少なくとも電極活物質、導電剤および結着剤を含んでなるが、前記のそれぞれが個別に独立した粒子として存在するのではなく、構成成分である電極活物質、導電剤および結着剤を含む3成分以上によって一粒子を形成するものである。具体的には、前記3成分以上の個々の粒子の複数個が結合して二次粒子を形成しており、複数個(好ましくは数個〜数十個)の電極活物質が、結着剤によって結着されて粒子を形成しているものが好ましい。
本発明の複合粒子小粒径化工程(1)(以下、「小粒径化工程(1)」ということがある。)においては、上述のようにして得られた複合粒子の粒子径を小さくする小粒径化を行う。小粒径化工程(1)を行う方法としては、複合粒子の粒子径を小さくすることができる方法であれば特に限定されないが、ジェットミル、ボールミル、ナラミル、ミクロミル、回転ロータ式粉砕機等を使用して、目的とする粒子径が得られるように適宜調整する乾式粉砕方法;ディスパー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、コロイドミル等を使用して、目的とする粒子径が得られるように適宜調整する湿式粉砕方法;等を用いることができる。これらのなかでも、乾式粉砕方法により小粒径化を行うことが好ましく、ジェットミルにより小粒径化を行うことがさらに好ましい。
本発明の第1小粒径化複合粒子は、電極活物質、導電剤および結着剤に加え、外添剤を含んでいてもよい。
本発明の複合粒子小粒径化工程(2)(以下、「小粒径化工程(2)」ということがある。)においては、上述の複合粒子小粒径化工程(1)で小粒径化された複合粒子の一部が凝集した凝集物を解砕して再び小粒径化する。
また、解砕用ロール8A,8Bの回転速度は、プレス用ロール4A,4Bの回転速度の50%程度とすることが好ましい。
解砕用ロール8A,8Bの振動の条件は、例えば、周波数700Hz、振幅5μmなど、解砕用ロールを通過した粉体Pの厚みが不均一とならない程度に設定される。
本発明の電極活物質層形成工程は、複合粒子小粒径化工程(2)で小粒径化された複合粒子(以下、「第2小粒径化複合粒子」ということがある。)を支持体上に供給し、当該支持体上で成形することにより、支持体付電極活物質層を形成する。
電気化学素子は、上述のようにして得られる電気化学素子電極を正極および負極の少なくとも一方に用い、さらにセパレーターおよび電解液を備える。また、上述のようにして得られる電気化学素子電極を正極に用いることが好ましい。
リチウムイオン二次電池用の電解液としては、例えば、非水溶媒に支持電解質を溶解した非水電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が好ましく用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほど、リチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
負極としては、通常、集電体と、集電体の表面に形成された負極活物質層とを備えるものを用いる。負極の集電体としては、例えば、正極の集電体と同様のものを用いてもよい。中でも、負極用の集電体としては、銅が好ましい。また、負極として集電体を用いず、例えばリチウム、シリコンなどの金属やそれらの合金を用いてもよい。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、芳香族ポリアミド樹脂を含んでなる微孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート;などを用いることができる。
リチウムイオン二次電池の具体的な製造方法としては、例えば、正極と負極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。さらに、必要に応じてエキスパンドメタル;ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子;リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電を防止してもよい。二次電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。電池容器の材質は、電池内部への水分の侵入を阻害するものであればよく、金属製、アルミニウムなどのラミネート製など特に限定されない。
実施例及び比較例において、粉体の導電剤分散性、電解液注液性及び容量維持率の評価はそれぞれ以下のように行った。
日立ハイテク社製イオンミリング装置(E−3500)を用いて実施例および比較例で製造したリチウムイオン二次電池正極の断面の加工を行った。加工した正極の断面についてSEM(日立ハイテク社製S−3400N)で観察しながら、EDX(オックスフォードインスツルメンツ製INCA Energy350)を用いて炭素原子の含有量の検出を行った。
A:0.9以上1.0未満
B:0.7以上0.9未満
C:0.4以上0.7未満
D:0.1以上0.4未満
E:0.1未満
実施例および比較例で製造したリチウムイオン二次電池正極に電解液(溶媒:EC/DEC=1/2、電解質:濃度1モル/LのLiPF6)を2μL滴下し、滴下後から完全に液滴がなくなるまでの時間の測定を行った。この値が小さいほど、電解液注液性が高いことを示す。結果を下記の基準により評価し、表1に示した。
A:1分未満
B:1分以上2分未満
C:2分以上3分未満
D:3分以上
実施例および比較例で製造したリチウムイオン二次電池を、24時間静置した後に4.2V、0.1Cの充放電レートにて充放電の操作を行い、初期容量C0を測定した。さらに、4.2Vに充電し、60℃、28日間保存した後、4.2V、0.1Cの充放電レートにて充放電の操作を行い、高温保存後の容量C1を測定した。次に、△C=C1/C0×100(%)で示す容量変化率を算出した。容量変化率が高いほど高温保存特性に優れることを示す。算出した容量変化率を下記の基準により評価し、表1に示した。
A:85%以上
B:70%以上85%未満
C:60%以上70%未満
D:50%以上60%未満
E:50%未満
(結着剤の製造)
攪拌機付きのオートクレーブにイオン交換水300部、n−ブチルアクリレート93.8部、アクリロニトリル2部、アリルグリシンエーテル1.0部、メタクリル酸2.0部、N−メチロールアクリルアミド1.2部および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に攪拌した後、70℃に加温して重合し、結着剤として固形分濃度40%の結着剤の水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率は略99%であった。
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2、以下、「LCO」という。)(粒子径:6μm)92部、上記結着剤を固形分換算量で2.0部、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラック粉状品:粒子径35nm、比表面積68m2/g)5.0部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液(DN−800H:ダイセル化学工業社製)を固形分換算量で1.0部混合し、さらにイオン交換水を固形分濃度が40%となるように加え、混合分散して正極用スラリーを得た。この正極用スラリーをスプレー乾燥機(大川原化工機社製)を使用し、回転円盤方式のアトマイザ(直径65mm)を用い、回転数25,000rpm、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度を90℃として噴霧乾燥造粒を行い、複合粒子を得た。この複合粒子の平均体積粒子径は50μmであった。
ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック工業社製)を使用し、上記複合粒子の小粒径化を行い小粒径化工程(1)を行った第1小粒径化複合粒子を得た。ジェットミルの運転条件は、粉砕圧力0.6MPa、粉砕フィード2kg/h、処理時間10分とし、衝突板にはコーンを用いた。
上記で得られた第1小粒径化複合粒子100部、外添剤として鱗片状黒鉛粒子(KS−4、ティムカル社製、粒子径2μm)1部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)を用いて10分間混合し、外添剤を付着させた第1小粒径化複合粒子(外添粒子)を得た。この小粒径化複合粒子(外添粒子)の平均体積粒子径を表1に記載した(以降、実施例2〜10、比較例1〜3において同じ)。
次に、得られた外添粒子を10μmのアルミ箔上に供給し、2m/minの速度で搬送した。搬送方向に対して解砕用ロール8A,8B(図1参照)を周波数700Hz、振幅5μmで振動させることにより再び小粒径化したのちロールプレス機(押し切り粗面熱ロール、ヒラノ技研工業社製)のロール(ロール温度100℃、プレス線圧4kN/cm)で正極活物質層を厚さアルミ箔上にシート状に成形し、厚さ60μmのリチウムイオン二次電池正極を得た。
負極活物質として人造黒鉛(平均粒子径:24.5μm、黒鉛層間距離(X線回折法による(002)面の面間隔(d値):0.354nm)96部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(BM−400B)を固形分換算量で3.0部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液(DN−800H:ダイセル化学工業社製)を固形分換算量で1.0部混合し、さらにイオン交換水を固形分濃度が50%となるように加え、混合分散して負極用スラリーを得た。この負極用スラリーを厚さ18μmの銅箔に塗布し、120℃で30分間乾燥した後、ロールプレスして厚さ50μmの負極を得た。
上記のリチウムイオン二次電池正極を直径13mm、上記のリチウムイオン二次電池負極を直径14mmの円形に切り抜いた。また、多孔膜を備えるセパレーターを直径18mmの円形に切り取った。正極の電極活物質層側の面にセパレーター、負極を順に積層し、ポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器中に収納した。この容器中に電解液(溶媒:EC/DEC=1/2、電解質:濃度1モル/LのLiPF6)を空気が残らないように注入し、ポロプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ3.2mmのリチウムイオン二次電池(コインセルCR2032)を製造した。
小粒径化工程(1)において、アトマイザーの運転条件を回転数20,000rpm、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度を90℃として噴霧乾燥造粒を行い、平均粒子径80μmの第1小粒径化複合粒子を得た以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。
小粒径化工程(1)を行う際のジェットミルの運転条件を粉砕圧力0.6MPa、粉砕フィード2kg/h、処理時間5分とし、平均体積粒子径30μmの第1小粒径化複合粒子を得た以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池正極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。
小粒径化工程(1)を行う際のジェットミルの運転条件を粉砕圧力0.6MPa、粉砕フィード2kg/h、処理時間20分とし、平均体積粒子径11μmの第1小粒径化複合粒子を得た以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池正極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。
(結着剤の製造)
攪拌機付きのオートクレーブにイオン交換水300部、n−ブチルアクリレート93.8部、アクリロニトリル2部、アリルグリシンエーテル1.0部、メタクリル酸2.0部、N−メチロールアクリルアミド1.2部および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に攪拌した後、70℃に加温して重合し、結着剤として固形分濃度40%の結着剤の水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率は略99%であった。
正極活物質としてLCO(粒子径:6μm)92部、上記結着剤を固形分換算量で2.0部、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラック粉状品:粒子径35nm、比表面積68m2/g)5.0部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液(DN−800H:ダイセル化学工業社製)を固形分換算量で1.0部混合し、さらにイオン交換水を固形分濃度が40%となるように加え、混合分散して正極用スラリーを得た。この正極用スラリーをスプレー乾燥機(大川原化工機社製)を使用し、回転円盤方式のアトマイザ(直径65nm)を用い、回転数25,000rpm、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度を90℃として噴霧乾燥造粒を行い、複合粒子を得た。この複合粒子の平均体積粒子径は50μmであった。
ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック工業社製)を使用し、上記複合粒子の小粒径化を行い小粒径化工程(1)を行った第1小粒径化複合粒子を得た。ジェットミルの運転条件は、粉砕圧力0.6MPa、粉砕フィード2kg/h、処理時間3分とし、衝突板にはコーンを用いた。
上記で得られた第1小粒径化複合粒子100部、外添剤として鱗片状黒鉛粒子(KS−4、ティムカル社製、粒子径2μm)1部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)を用いて10分間混合し、外添剤を付着させた第1小粒径化複合粒子(外添粒子)を得た。
次に、得られた外添粒子を10μmのアルミ箔上に供給し、2m/minの速度で搬送した。搬送方向に対して逆方向に回転している解砕用ロール8A,8B(図1参照)にて再び小粒径化したのちロールプレス機(押し切り粗面熱ロール、ヒラノ技研工業社製)のロール(ロール温度100℃、プレス線圧4kN/cm)で正極活物質層を厚さアルミ箔上にシート状に成形し、厚さ60μmのリチウムイオン二次電池正極を得た。
負極活物質として人造黒鉛(平均粒子径:24.5μm、黒鉛層間距離(X線回折法による(002)面の面間隔(d値):0.354nm)96部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(BM−400B)を固形分換算量で3.0部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液(DN−800H:ダイセル化学工業社製)を固形分換算量で1.0部混合し、さらにイオン交換水を固形分濃度が50%となるように加え、混合分散して負極用スラリーを得た。この負極用スラリーを厚さ18μmの銅箔に塗布し、120℃で30分間乾燥した後、ロールプレスして厚さ50μmの負極を得た。
上記のリチウムイオン二次電池正極を直径13mm、上記のリチウムイオン二次電池負極を直径14mmの円形に切り抜いた。また、多孔膜を備えるセパレーターを直径18mmの円形に切り取った。正極の電極活物質層側の面にセパレーター、負極を順に積層し、ポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器中に収納した。この容器中に電解液(溶媒:EC/DEC=1/2、電解質:濃度1モル/LのLiPF6)を空気が残らないように注入し、ポロプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ3.2mmのリチウムイオン二次電池(コインセルCR2032)を製造した。
外添剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラック粉状品)を用いた以外は、実施例5と同様にリチウムイオン二次電池正極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。
用いる外添剤の量を5部とした以外は、実施例5と同様にリチウムイオン二次電池正極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。
用いる外添剤の量を0.05部とした以外は、実施例5と同様にリチウムイオン二次電池正極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。
外添剤としてSiO2(テイカ株式会社製 MSP-014 粒子径 40nm)を用いた以外は実施例5と同様にリチウムイオン二次電池正極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。
(比較例1)
小粒径化工程(1)を行う際のジェットミルの運転条件を粉砕圧力0.6MPa、粉砕フィード2kg/h、処理時間60分とし、平均体積粒子径7μmの第1小粒径化複合粒子を得た以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池正極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。
小粒径化工程(2)を行わなかった以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池正極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。即ち、解砕用ロール8A,8B(図1参照)の振動及び回転をいずれも行わなかった以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池正極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造を行った。
正極用スラリーを集電体上に塗布、乾燥することによりリチウムイオン二次電池正極を得た以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池の製造を行った。
Claims (5)
- 電極活物質、導電剤および結着剤を含むスラリーであって、前記電極活物質100重量部に対して前記結着剤を乾燥重量基準で0.1〜50重量部含むスラリーを噴霧乾燥して得られる複合粒子を、体積平均粒子径が5〜50μmであって、前記複合粒子の0.15〜0.8倍になるように粉砕機により小粒径化する複合粒子小粒径化工程(1)と、
前記複合粒子小粒径化工程(1)で小粒径化された複合粒子の一部が凝集した凝集物を解砕して再び小粒径化する複合粒子小粒径化工程(2)と、
前記複合粒子小粒径化工程(2)で小粒径化された複合粒子を支持体上に供給し、当該支持体上で成形することにより、支持体付電極活物質層を形成する電極活物質層形成工程と、
を含み、
前記複合粒子小粒径化工程(2)が、凝集物を含む小粒径化された複合粒子を解砕用ロールを通過させることにより当該凝集物を解砕して再び小粒径化する工程を含む二次電池用電極層の形成方法。 - 前記複合粒子小粒径化工程(1)が、乾式粉砕工程である請求項1に記載の二次電池用電極層の形成方法。
- 前記乾式粉砕工程が、ジェットミル粉砕法を用いる請求項2に記載の二次電池用電極層の形成方法。
- 前記ジェットミル粉砕法において、粉砕エア圧力が0.2MPa〜1.0MPaであり、粉砕時間が3〜30分である請求項3に記載の二次電池用電極層の形成方法。
- 前記複合粒子小粒径化工程(2)が、凝集物を含む小粒径化された複合粒子に対して振動を与えることにより当該凝集物を解砕して再び小粒径化する工程を含む請求項1に記載の二次電池用電極層の形成方法。
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