本願発明者は、次のような考え方に基づいて、本発明の目的を達成するための技術事項を検討し、本アタッチメントを創作した。[発明が解決しようとする課題]の欄に記述されるとおり、第2のバリカンに含まれる課題は、スリットを介して刃に案内される髪の量が少ないことに起因している。このため、スリットを介して刃に案内される髪の量を増加させるという考え方が、上記課題を解決するための手段の基礎を形成する。
この考え方に従うアタッチメントの一例によれば、第2のバリカンのアタッチメント900よりも櫛歯の数が多くなる。このアタッチメントは、髪をバリカンの刃側に案内し得る部分の面積を広くすることにより、スリットを介して刃に案内される髪の量を増やすことを意図している。しかし、櫛歯の数を単に増やすだけでは、刃に案内される髪の量が十分に増えないことがある。
第2のバリカンのアタッチメント900を基準の構造と位置付け、櫛歯の数を増やす構造を検討した場合、一例として、内側櫛歯910と外側櫛歯920との間に、これらの櫛歯の中間の長さを持つ中間櫛歯が形成されたアタッチメントが考えられる。このアタッチメントが取り付けられたバリカンである第3のバリカンによれば、耳周りおよび襟足の髪の長さが比較的綺麗に揃えられたテーパーカットを形成する場合、第2のバリカン等と同様に、各櫛歯の長手方向と交差する方向にバリカンが動かされる。
しかし、本願発明者は、第3のバリカンを用いて上記テーパーカットを形成する場合、第2のバリカンを用いた場合と比較して、カットに要する時間に関して有意な違いが生じにくいことを確認した。これは、中間櫛歯が追加された上記アタッチメントの構造が、刃に案内する髪の量を増やすことに対して十分に貢献していないことを示している。その理由は、次のように考えられる。
第3のバリカンが各櫛歯の長手方向と交差する方向に動かされるとき、一例として、内側櫛歯、中間櫛歯、および、外側櫛歯の順に各櫛歯がバリカンの進行方向側に存在する髪に接触していく。このとき、髪の一部は、内側櫛歯の側面と接触して刃側に案内される。一方、髪の別の一部は、内側櫛歯の縁と頭部との間に挟み込まれることがある。このように内側櫛歯および頭部に挟み込まれた髪は、髪を挟み込んでいる内側櫛歯が通過することにより、別の櫛歯の側面との接触、または、髪自身の弾性力により、刃に到達する機会が生じ得る。
第3のバリカンのアタッチメントによれば、各櫛歯の長さが内側櫛歯、中間櫛歯、および、外側櫛歯の順に短くなる。このため、頭部のうちの任意の部分との間に髪を挟み込んだ内側櫛歯が、この部分を通過したとしても、次にこの部分を通過する中間櫛歯が、この髪を引き続き頭部との間に挟み込みやすい。このため、内側櫛歯と頭部との間に挟み込まれた髪は、中間櫛歯の側面あるいは外側櫛歯の側面との接触、または、髪自身の弾性力により刃に到達する機会が得られにくい。
一方、下記〔1〕〜〔5〕に記載のアタッチメントが取り付けられたバリカンである本バリカンによれば、第3のバリカンに含まれる上記問題点が次のように生じにくくなる。本バリカンの補助櫛歯は、外側櫛歯および内側櫛歯よりも短いため、頭部との間に髪を挟み込みにくい。このため、バリカンが充てられた部分の髪は、各櫛歯の側面との接触、または、髪自身の弾性力により、刃に到達する機会が生じやすくなる。このため、本バリカンによれば、第3のバリカンと比較して、刃に案内される髪の量が増えやすい。このため、髪の長さを綺麗に揃えるためのカット作業に要する時間を短くすることに貢献する。このため、髪の長さが綺麗に揃えられた部分、および、自然な風合いを持つ部分を含むテーパーカットを比較的容易に形成することに貢献する。
〔1〕本バリカンのアタッチメントの独立した一形態によれば、バリカンにマウントされるボディと、前記ボディと結合し、バリカンのブレードユニットを覆うヘッドカバーと、前記ヘッドカバーに形成されてバリカンのブレードユニットを前記ヘッドカバーから露出させるスリット群と、前記ボディおよび前記ヘッドカバーの少なくとも一方と結合した櫛歯群とを含むバリカンのアタッチメントであって、前記櫛歯群が、外側櫛歯、内側櫛歯、および、補助櫛歯を含み、前記外側櫛歯が、前記アタッチメントの幅方向において前記内側櫛歯および前記補助櫛歯よりも外側に形成され、前記内側櫛歯が、前記アタッチメントの幅方向において前記補助櫛歯よりも内側に形成され、前記外側櫛歯よりも長く、前記補助櫛歯が、前記外側櫛歯よりも短い。
本アタッチメントが取り付けられるバリカンによれば、髪の長さを綺麗に揃えるカット動作が形成されるとき、主として、外側櫛歯および補助櫛歯の間に髪が案内されるようにバリカンが頭部に充てられる。一方、本バリカンによれば、補助櫛歯が外側櫛歯および内側櫛歯よりも短いため、頭部と補助櫛歯との間に髪が挟み込まれにくい。このため、髪の長さを綺麗に揃えるためのカット作業に要する時間を短くすることに貢献する。このため、髪の長さが綺麗に揃えられた部分、および、自然な風合いを持つ部分を含むテーパーカットを比較的容易に形成することに貢献する。
〔2〕前記バリカンのアタッチメントに従属する一形態によれば、前記スリット群に含まれる1つのスリットが、前記内側櫛歯と前記補助櫛歯との間に形成され、前記スリット群に含まれる別の1つのスリットが、前記外側櫛歯と前記補助櫛歯との間に形成され、前記1つのスリットよりも幅が広い。
本アタッチメントによれば、外側櫛歯と補助櫛歯との間に形成されるスリットが、内側櫛歯と補助櫛歯との間に形成されるスリットと比較して、ブレードユニットをより多く露出させる。このため、本アタッチメントが取り付けられるバリカンによれば、外側櫛歯と補助櫛歯との間に存在するブレードユニットの一部に案内される髪の量が、内側櫛歯と補助櫛歯との間に存在するブレードユニットの一部に案内される髪の量よりも多くなりやすい。このため、髪の長さを綺麗に揃えるためのカット作業に要する時間を短くすることに一層貢献する。
〔3〕前記バリカンのアタッチメントに従属する一形態によれば、前記アタッチメントの幅方向における前記外側櫛歯と前記補助櫛歯との間隔が、前記アタッチメントの幅方向における前記内側櫛歯と前記補助櫛歯との間隔よりも広い。
本アタッチメントによれば、外側櫛歯の側面と補助櫛歯の側面との間に形成される空間が、内側櫛歯の側面と補助櫛歯の側面との間に形成される空間と比較して広くなる。このため、外側櫛歯と補助櫛歯との間を通過する髪の量が多くなりやすい。このため、本アタッチメントが取り付けられるバリカンによれば、外側櫛歯と補助櫛歯との間に存在するブレードユニットの一部に案内される髪の量が、内側櫛歯と補助櫛歯との間に存在するブレードユニットの一部に案内される髪の量よりも多くなりやすい。このため、髪の長さを綺麗に揃えるためのカット作業に要する時間を短くすることに一層貢献する。
〔4〕前記バリカンのアタッチメントに従属する一形態によれば、前記アタッチメントが、髪をバリカンのブレードユニット側に案内するガイドをさらに含み、前記ガイドは、前記ヘッドカバー上において前記アタッチメントの幅方向の外側部分に形成され、前記外側櫛歯と結合し、前記アタッチメントの幅方向に広がる形状を有し、前記アタッチメントの幅方向において外側から内側に向かうにつれて前記外側櫛歯の頂部側から前記スリット群に含まれるスリット側に向けて傾斜した部分を含み、前記ブレードユニットが配置される領域を挟んで、前記ヘッドカバーのうちの前記ガイドを支持する部分の内面に臨む部分が、前記ブレードユニットの一部を露出させる構造を有している。
本アタッチメントによれば、外側櫛歯の周囲の髪が、ガイドにより外側櫛歯と補助櫛歯との間のスリットに案内されやすくなる。このため、本アタッチメントが取り付けられるバリカンによれば、外側櫛歯と補助櫛歯との間に存在するブレードユニットの一部によりカットされる髪の量が多くなりやすい。このため、ヘッドカバーのうちのガイドを支持する部分の内面に臨む部分が、ブレードユニットを覆う構造を有していると仮定した場合、ブレードユニットの周囲に多くの髪が溜まりやすい。一方、本アタッチメントによれば、ヘッドカバーのうちのガイドを支持する部分の内面に臨む部分が、ブレードユニットの一部を露出させる構造を有している。このため、カットされた髪がアタッチメントの外部に排出されやすい。
〔5〕前記バリカンのアタッチメントに従属する一形態によれば、前記アタッチメントが、前記アタッチメントの長手方向において前記ボディに対してスライドするスライドプレートをさらに含み、前記スライドプレートが、前記スリット群に含まれるスリットの一部分を覆う突出位置、および、前記突出位置よりも前記スリット群から離れた引込位置を取り、前記スライドプレートにおける前記櫛歯群側の縁は、前記アタッチメントの幅方向の外側において内側よりも前記櫛歯群側にせり出している。
本アタッチメントが取り付けられるバリカンは、上記〔2〕〜〔4〕の少なくとも1つの構成を含む。このため、外側櫛歯側においてカットされる髪の量が多くなりやすい。このため、上記構成を含まない場合と比較して、外側櫛歯側においてカットされる髪の量、および、内側櫛歯側においてカットされる髪の量に大きな差が生じるおそれがある。そして、このようにカットされる髪の量に差が生じた場合、カットされた髪の風合いが、頭部の所定の部位間において大きく異なるおそれがある。
しかし、本アタッチメントに含まれる上記スライドプレートに関する構造は、このような問題が生じるおそれを次のとおり低減する。本アタッチメントによれば、スライドプレートがボディに対して突出位置を取るとき、櫛歯群側の縁を含む部分によりスリット群の一部を覆う。この部分は、スリット群に対してこのような関係を持つとき、ブレードユニットに案内される髪の量を減らす役割を持つ。また、櫛歯群側の縁を含む部分は、アタッチメントの幅方向における外側の部分が、アタッチメントの幅方向における内側の部分よりも櫛歯群側にせり出している。
このため、スライドプレートが突出位置を取るとき、スライドプレートにおける幅方向の外側の部分は、スライドプレートにおける幅方向の内側の部分と比較して、対応するスリットの一部をより広く覆う。このため、スライドプレートにおける幅方向の外側の部分は、スライドプレートにおける幅方向の内側の部分と比較して、ブレードユニットに案内される髪の量を減らすことに対してより大きく貢献する。このため、外側櫛歯側においてカットされる髪の量、および、内側櫛歯側においてカットされる髪の量に大きな差が生じるおそれが小さくなる。
〔6〕本バリカンの一形態によれば、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかのアタッチメントが取り付けられる。このため、上記〔1〕〜〔5〕のアタッチメントにより得られる効果が得られる。
(実施形態)
図1は、バリカン10およびアタッチメント100の外観構成を示している。アタッチメント100は、バリカン10への取り付け、および、バリカン10からの取り外しが可能な構造を有している。
バリカン10は、機能的に結合した複数の構成要素により構成されている。バリカン10の主要な構成要素は、ケース20、ブレードユニット30、スイッチ40、および、駆動ユニット(図示略)である。ケース20およびスイッチ40は、一例として、汎用プラスチックにより形成されている。ブレードユニット30は、一例として、金属により形成されている。
駆動ユニットは、ケース20の内部に配置されている。駆動ユニットは、電気モーターおよび運動変換機構を含む。運動変換機構の入力部は、電気モーターの出力軸と結合している。運動変換機構は、電気モーターの出力軸の回転運動に基づいて、その出力部を並進運動させる。
ケース20の下方部分は、グリップ21を形成している。アタッチメントマウント22が、ケース20の上方部分の側面に形成されている。インジケーターランプ23が、グリップ21の下方部分の正面に形成されている。インジケーターランプ23は、ケース20に内蔵された電池(図示略)が外部から供給される電力により充電されているときに点灯する。
スイッチ40は、グリップ21の上方部分の正面に形成されている。スイッチ40がオンに設定されることにより、電気モーターが駆動する。スイッチ40がオフに設定されることにより、電気モーターが停止する。
バリカン10は、ケース20に内蔵された可動突起(図示略)を有している。可動突起は、スイッチ40の位置に連動してケース20に対して突出または没入する。スイッチ40がオフに設定されているとき、可動突起がケース20の内部に没入する。スイッチ40がオンに設定されているとき、可動突起がケース20の外部に突出する。
ブレードユニット30は、ケース20の先端部分と結合している。ブレードユニット30は、髪をカットする役割を持つ。ブレードユニット30は、固定刃31および可動刃32を含む。固定刃31は、ケース20の先端部分に固定されている。可動刃32は、運動変換機構の出力部と結合している。固定刃31の長手方向に広がる端面、および、可動刃32の長手方向に広がる端面が、互いに面している。可動刃32は、電気モーターが回転することにより、バリカン10の幅方向であるブレードユニット30の長手方向において、固定刃31に対して往復運動する。
図2(a)および図2(b)は、バリカン10にアタッチメント100が取り付けられた状態を示している。アタッチメント100が取り付けられたバリカン10によれば、ブレードユニット30が、アタッチメント100に形成されているスリット群140を介してアタッチメント100の外部を臨む。このため、バリカン10が頭部に充てられたとき、髪の一部がスリット群140を介してブレードユニット30に到達する。ブレードユニット30は、固定刃31および可動刃32の相対的な往復運動により髪をカットする。
図3A〜図3Fを参照して、アタッチメント100の構成について説明する。
アタッチメント100は、一例として、汎用プラスチックにより形成されている。アタッチメント100は、複数の機能部分を含む。複数の機能部分の一例は、ボディ110、ヘッドカバー120、櫛歯群200、2つのガイド150、および、テーブル160である。これらの機能部分は、それぞれ、1つの物体であるアタッチメント100の一部を構成している。
スライドプレート170および樹脂ばね180が、アタッチメント100に取り付けられている。アタッチメント100、スライドプレート170、および、樹脂ばね180は、機能的に結合して1つのアッセンブリを構成している。スライドプレート170および樹脂ばね180は、一例として、汎用プラスチックにより形成されている。
ボディ110は、アタッチメント100をバリカン10のケース20にマウントする役割を持つ。ボディ110は、ケース20にマウントされたとき、主としてケース20の上方部分の側面および背面を覆う。
ロック穴111が、ボディ110の内面に形成されている。ロック穴111は、アタッチメント100をバリカン10のケース20に固定する役割を持つ。ボディ110がバリカン10にマウントされているとき、ケース20から突出したバリカン10の可動突起(図示略)は、ロック穴111に嵌め込まれる。可動突起がロック穴111に嵌め込まれたとき、アタッチメント100がケース20に固定される。
櫛歯群200は、複数の外側櫛歯210、複数の内側櫛歯220、および、複数の補助櫛歯230を含む。各櫛歯210,220,230は、カットする髪の長さを規定する役割、および、髪をブレードユニット30側に案内する役割を持つ。櫛歯群200は、一例として、2本の外側櫛歯210、2本の内側櫛歯220、および、2本の補助櫛歯230を含む。
2本の外側櫛歯210は、ボディ110上に形成され、ボディ110の側壁からアタッチメント100の先端方向に向けて突出している。2本の外側櫛歯210は、アタッチメント100の幅方向において2本の内側櫛歯220および2本の補助櫛歯230よりも外側に形成されている。2本の外側櫛歯210は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有している。
2本の内側櫛歯220は、ボディ110およびヘッドカバー120にまたがり形成され、アタッチメント100の先端方向に向けて突出している。2本の内側櫛歯220は、アタッチメント100の幅方向において2本の補助櫛歯230よりも内側に形成されている。2本の内側櫛歯220は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有している。
2本の補助櫛歯230は、ヘッドカバー120からアタッチメント100の先端方向に向けて突出している。図3Fに示されるとおり、2本の補助櫛歯230は、それぞれ、中間刃カバー132上に形成されている。2本の補助櫛歯230は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有している。
ヘッドカバー120は、ブレードユニット30を含めたバリカン10の先端部分を覆う役割を持つ。ヘッドカバー120は、ボディ110がケース20にマウントされているとき、主として、ブレードユニット30を含むケース20の先端部分、ケース20の上方部分の正面、および、ケース20の上方部分の背面を覆う。ヘッドカバー120は、刃カバー群130およびスリット群140を含む。
刃カバー群130は、ヘッドカバー120のうちのブレードユニット30に対応する部分に形成されている。刃カバー群130は、複数の内側刃カバー131、複数の中間刃カバー132、および、複数の外側刃カバー133を含む。刃カバー群130は、ブレードユニット30の一部を覆う役割を持つ。刃カバー群130は、一例として、2つの内側刃カバー131、2つの中間刃カバー132、および、2つの外側刃カバー133を含む。
2つの内側刃カバー131は、アタッチメント100の幅方向において一方の内側櫛歯220と他方の内側櫛歯220との間に形成されている。2つの内側刃カバー131は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有している。
一方の中間刃カバー132は、アタッチメント100の幅方向において一方の外側刃カバー133と一方の内側櫛歯220との間に形成されている。一方の中間刃カバー132は、一方の補助櫛歯230のうちのブレードユニット30が配置される空間側の縁と結合している。他方の中間刃カバー132は、一方の中間刃カバー132に準じた構成を有している。2つの中間刃カバー132は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有している。
一方の外側刃カバー133は、アタッチメント100の幅方向において、一方の外側櫛歯210と一方の補助櫛歯230との間に形成され、一方の外側櫛歯210の側面212と結合している。他方の外側刃カバー133は、一方の外側刃カバー133に準じた構成を有している。2つの外側刃カバー133は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有している。
スリット群140は、ヘッドカバー120のうちのブレードユニット30に対応する部分に形成されている。スリット群140は、複数のスリットを含む。スリット群140は、ブレードユニット30の一部をヘッドカバー120から露出させる役割を持つ。スリット群140は、一例として、2つの第1スリット141、2つの第2スリット142、2つの第3スリット143、および、1つの第4スリット144を含む。
第1スリット141は、アタッチメント100の幅方向において互いに隣り合う外側刃カバー133と中間刃カバー132との間に形成されている。2つの第1スリット141は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有している。
第2スリット142は、アタッチメント100の幅方向において互いに隣り合う中間刃カバー132と内側櫛歯220との間に形成されている。2つの第2スリット142は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有している。
第3スリット143は、アタッチメント100の幅方向において互いに隣り合う内側櫛歯220と内側刃カバー131との間に形成されている。2つの第3スリット143は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有している。
第4スリット144は、アタッチメント100の幅方向において互いに隣り合う一方の内側刃カバー131と他方の内側刃カバー131との間に形成されている。第4スリット144は、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の形状を有する。
ガイド150は、外側櫛歯210の周囲の髪を第1スリット141に案内する役割を持つ。一方のガイド150は、一方の外側刃カバー133上に形成され、一方の外側櫛歯210の側面212と結合している。他方のガイド150は、他方の外側刃カバー133上に形成され、他方の外側櫛歯210の側面212と結合している。
テーブル160は、スライドプレート170および樹脂ばね180を支持する役割を持つ。テーブル160は、バリカン10の上方部分の正面と対応する部分に形成されている。テーブル160は、ヘッドカバー120と連続している。テーブル160は、ボディ110に対してバリカン10の正面側に突出している。テーブル160は、2つのストッパ161を含む。ストッパ161は、テーブル160に対する樹脂ばね180の位置を決める役割を持つ。
スライドプレート170は、スリット群140の各スリット141〜144の下方部分を、バリカン10の正面側から覆う役割を持つ。スライドプレート170は、テーブル160に取り付けられている。スライドプレート170は、テーブル160に対してアタッチメント100の長手方向に移動し得る。
樹脂ばね180は、テーブル160に対するスライドプレート170の位置を決める役割を持つ。樹脂ばね180は、テーブル160とスライドプレート170との間に配置され、スライドプレート170と結合している。樹脂ばね180は、腕181を含む。腕181は、テーブル160のストッパ161と接触している。
図4および図5を参照して、櫛歯群200の詳細な構成について説明する。
外側櫛歯210の頂部211は、R形状を有している。内側櫛歯220の頂部221は、R形状を有している。補助櫛歯230の頂部231は、R形状を有している。
外側櫛歯210の長さ、内側櫛歯220の長さ、および、補助櫛歯230の長さは、互いに異なる。各櫛歯210,220,230の長さは、一例として、基準位置から各櫛歯210,220,230の頂部までの寸法を示す。基準位置は、一例として、各スリット141〜144のいずれかの底を通過する仮想線により規定される。図3Aの二点鎖線は、この仮想線の一例を示している。
この規定に従う場合、各櫛歯210,220,230の長さは、次のように記述される。外側櫛歯210の長さは、外側櫛歯210における第1スリット141との付け根から頂部211までの寸法を示す。内側櫛歯220の長さは、内側櫛歯220における第2スリット142との付け根から頂部221までの寸法を示す。補助櫛歯230の長さは、補助櫛歯230における第1スリット141または第2スリット142との付け根から頂部231までの寸法を示す。内側櫛歯220の長さは、外側櫛歯210の長さ、および、補助櫛歯230の長さよりも長い。外側櫛歯210の長さは、補助櫛歯230の長さよりも長い。
外側櫛歯210の一方の側面212は、アタッチメント100の幅方向において互いに隣り合う補助櫛歯230の一方の側面232と対向している。補助櫛歯230の他方の側面は、アタッチメント100の幅方向において互いに隣り合う内側櫛歯220の一方の側面222と対向している。
内側櫛歯220の側面222の面積は、外側櫛歯210の側面212の面積、および、補助櫛歯230の側面232の面積よりも広い。外側櫛歯210の側面212の面積は、補助櫛歯230の側面232の面積よりも広い。
外側櫛歯210の縁213は、頂部211のR形状の部分、縁背面部分214、および、縁正面部分215を含む。縁背面部分214は、縁213のうちの頂部211よりもバリカン10の背面側の部分であり、直線的な形状を有している。縁正面部分215は、縁213のうちの頂部211よりもバリカン10の正面側の部分であり、緩やかに湾曲した形状を有している。
内側櫛歯220の縁223は、頂部221のR形状の部分、縁背面部分224、および、縁正面部分225を含む。縁背面部分224は、縁223のうちの頂部221よりもバリカン10の背面側の部分であり、直線的な形状を有している。縁正面部分225は、縁223のうちの頂部221よりもバリカン10の正面側の部分であり、緩やかに湾曲した形状を有している。
補助櫛歯230の縁233は、頂部231のR形状の部分、縁背面部分234、および、縁正面部分235を含む。縁背面部分234は、縁233のうちの頂部231よりもバリカン10の背面側の部分であり、直線的な形状を有している。縁正面部分235は、縁233のうちの頂部231よりもバリカン10の正面側の部分であり、緩やかに湾曲した形状を有している。
各櫛歯210,220,230の縁は、アタッチメント100の側面視において、任意の基準の櫛歯の縁が別の櫛歯の縁の内側に存在する第1の関係、および、任意の基準の櫛歯の縁が別の櫛歯の縁の外側に存在する第2の関係を形成している。これらの関係は、一例として、次のように記述される。各櫛歯210,220,230のうちの2つの櫛歯を同一の平面上に投影した場合において、基準とする一方の櫛歯の縁が他方の櫛歯の縁に囲まれている場合、これらの櫛歯の縁は、第1の関係を形成している。各櫛歯210,220,230のうちの2つの櫛歯を同一の平面上に投影した場合において、基準とする一方の櫛歯の縁が他方の櫛歯の縁を囲んでいる場合、これらの櫛歯の縁は、第2の関係を形成している。
各櫛歯210,220,230の縁は、一例として、次の関係を有している。アタッチメント100の側面視において、補助櫛歯230の縁233は、外側櫛歯210の縁213よりも内側に存在している。これらの縁213,233の関係は、第1の関係に相当する。アタッチメント100の側面視において、補助櫛歯230の縁233は、内側櫛歯220の縁223よりも内側に存在している。これらの縁223,233の関係は、第1の関係に相当する。アタッチメント100の側面視において、内側櫛歯220の縁223は、外側櫛歯210の縁213の外側に存在している。これらの縁213,223の関係は、第2の関係に相当する。
図6を参照して、各櫛歯210,220,230の間隔について説明する。
櫛歯群200によれば、アタッチメント100の幅方向において互いに隣り合う櫛歯同士の間隔が互いに異なる。アタッチメント100の幅方向における外側櫛歯210と補助櫛歯230との間隔である第1櫛歯間隔は、アタッチメント100の幅方向における補助櫛歯230と内側櫛歯220との間隔である第2櫛歯間隔よりも広い。アタッチメント100の幅方向における一方の内側櫛歯220と他方の内側櫛歯220との間隔である第3櫛歯間隔は、第1櫛歯間隔よりも広い。
第1櫛歯間隔および第2櫛歯間隔の関係によれば、外側櫛歯210の側面212と補助櫛歯230の側面232との間に形成される空間が、内側櫛歯220の側面222と補助櫛歯230の側面232との間に形成される空間と比較して広くなる。このため、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間を通過する髪の量が多くなりやすい。このため、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部に案内される髪の量が、内側櫛歯220と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部に案内される髪の量よりも多くなりやすい。すなわち、第1櫛歯間隔および第2櫛歯間隔の関係は、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部によりカットされる髪の量を増やすことに貢献する。
図3Eおよび図6を参照して、スリット群140の詳細について説明する。
スリット群140によれば、アタッチメント100の幅方向における各スリット141〜144の幅が互いに異なる。各スリット141〜144の幅は、一例として、次の関係を有している。第1スリット141の幅は、第2スリット142〜第4スリット144の幅よりも広い。第2スリット142の幅は、第3スリット143および第4スリット144の幅よりも広い。第3スリット143の幅は、第4スリット144の幅よりも広い。
スリット群140によれば、第1スリット141が、第2スリット142と比較して、ブレードユニット30をより多く露出させる。このため、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部に案内される髪の量が、内側櫛歯220と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部に案内される髪の量よりも多くなりやすい。すなわち、第1スリット141および第2スリット142の関係は、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部によりカットされる髪の量を増やすことに貢献する。
図3Fおよび図6を参照して、ガイド150の詳細について説明する。
ガイド150は、アタッチメント100の幅方向に広がる形状を有している。ガイド150は、アタッチメント100の幅方向において外側から内側に向かうにつれて外側櫛歯210の頂部211側から第1スリット141側に向けて傾斜した部分を含む。
このため、バリカン10によれば、外側櫛歯210の周囲の髪が、ガイド150により外側櫛歯210と補助櫛歯230との間の第1スリット141に案内されやすくなる。このため、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部によりカットされる髪の量が多くなりやすい。
図3E、図3F、図6、および、図7を参照して、刃カバー130群の詳細について説明する。なお、図7は、2つの内側刃カバー131およびその周辺の斜視構造を拡大して示している。
図3Fに示されるとおり、中間刃カバー132は、ブレードユニット30の一部の正面および背面を覆う構造を有している。中間刃カバー132の幅は、補助櫛歯230の幅よりも広い。中間刃カバー132におけるアタッチメント100の幅方向内側の縁は、補助櫛歯230の内側の側面232よりも幅方向の内側に突出している。中間刃カバー132におけるアタッチメント100の幅方向外側の縁は、補助櫛歯230の外側の側面232よりも幅方向の外側に突出している。
図7に示されるとおり、内側刃カバー131は、ブレードユニット30の一部の正面および背面を覆う構造を有している。一方、図3Eおよび図3Fに示されるとおり、外側刃カバー133は、開放空間135によりブレードユニット30の一部の正面をヘッドカバー120の外部に露出させる構造を有している。すなわち、内側刃カバー131と同様の骨格を有する仮想の刃カバーを基準の刃カバーと規定した場合、外側刃カバー133の構造は、基準の刃カバーの一部が省略されることにより、開放空間135が形成された構造に相当する。この開放空間135は、第1スリット141と連続している。
図3Fおよび図6に示されるとおり、基準の刃カバーにおいて省略される一部は、ブレードユニット30が配置される領域を挟んで、ヘッドカバー120のうちのガイド150を支持する部分である外側刃カバー133の内面134に臨む部分に相当する。
このような外側刃カバー133の構造を含めたヘッドカバー120の構造は、次のように記述できる。すなわち、ブレードユニット30が配置される領域を挟んで外側刃カバー133の内面134に臨む部分である開放空間135が、ブレードユニット30の一部の正面側をヘッドカバー120から露出させている。
バリカン10によれば、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部によりカットされる髪の量が多くなる。このため、ヘッドカバー120が外側刃カバー133に代えて基準の刃カバーを有していると仮定した場合、ブレードユニット30の周囲に多くの髪が溜まりやすい。一方、アタッチメント100によれば、ヘッドカバー120に開放空間135が形成されているため、カットされた髪が、ブレードユニット30の周囲から開放空間135を介してアタッチメント100の外部に排出されやすくなる。
図3A、図3B、および、図8を参照して、スライドプレート170の動作について説明する。なお、図3Bは、図3Aのアタッチメント100からスライドプレート170が省略された状態を示している。
スライドプレート170および樹脂ばね180は、テーブル160に対して一体的に移動し得る。スライドプレート170は、テーブル160に対して引込位置および突出位置を取り得る。図3Aは、スライドプレート170が引込位置を取る状態を示している。図8は、スライドプレート170が突出位置を取る状態を示している。
図3Aに示されるとおり、スライドプレート170が引込位置を取る状態において、スライドプレート170を突出位置に移動させる力がスライドプレート170に加えられたとき、図3Bに示される樹脂ばね180の腕181が変形する。このため、腕181がストッパ161を乗り越えながら、スライドプレート170および樹脂ばね180が突出位置に向けて移動する。腕181がストッパ161を乗り越えたとき(図示略)、図8に示されるとおり、スライドプレート170が突出位置を取る。スライドプレート170は、腕181の復元力により突出位置に保持される。
図8に示されるとおり、スライドプレート170が突出位置を取る状態において、スライドプレート170を引込位置に移動させる力がスライドプレート170に加えられたとき、樹脂ばね180の腕181が変形する。このため、腕181がストッパ161を乗り越えながら、スライドプレート170および樹脂ばね180が引込位置に向けて移動する。図3Bに示されるとおり、腕181がストッパ161を乗り越えたとき、図3Aに示されるとおり、スライドプレート170が引込位置を取る。スライドプレート170は、引込位置に保持される。
図9を参照して、スライドプレート170の機能について説明する。
バリカン10は、すでに記述された次の3つの構造を含む。1つ目の構造によれば、第1櫛歯間隔が第2櫛歯間隔よりも広い。2つ目の構造によれば、第1スリット141の間隔が別のスリット142〜144の間隔よりも広い。3つ目の構造によれば、外側櫛歯210と結合したガイド150が形成されている。
これらの構造は、それぞれ、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部によりカットされる髪の量を増やすことに貢献する。このため、バリカン10によれば、上記3つの構造の少なくとも1つを含まない場合と比較して、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30によりカットされる髪の量が多くなる。
このようなアタッチメント100の機能は、髪のカットに要する時間を短くすることに貢献する一方、アタッチメント100における外側櫛歯210側の領域および内側櫛歯220側の領域における髪のカット量に大きな差を生じさせるおそれを含む。そして、このようにカットされる髪の量に差が生じた場合には、カットされた髪の風合いが、頭部の所定の部位間において大きく異なるおそれがある。
しかし、スライドプレート170が含む構造によれば、このような問題が生じるおそれが次のとおり低減される。スライドプレート170は、ボディ110に対して突出位置を取るとき、縁171を含む端部172により各スリット141〜144の下方部分を覆う。端部172は、各スリット141〜144に対してこのような関係を持つとき、ブレードユニット30の一部に案内される髪の量を減らすことに貢献する。
図10Aは、スライドプレート170が引込位置に設定されている場合に、バリカン10が側頭部300に充てられた状態を示している。図10Bは、スライドプレート170が突出位置に設定されている場合に、バリカン10が側頭部300に充てられた状態を示している。図10Aおよび図10Bは、側頭部300に生えている多数の髪310の一部のみを示している。
図10Aに示されるとおり、スライドプレート170が引込位置を取るとき、髪310が、スライドプレート170の端部172に接触する前にブレードユニット30に到達しやすい。このため、スライドプレート170は、ブレードユニット30によりカットされる髪310の量に影響を及ぼしにくい。
図10Bに示されるとおり、スライドプレート170が突出位置を取るとき、髪310が、ブレードユニット30に到達する前にスライドプレート170の端部172に接触しやすい。端部172に接触した髪310は、ブレードユニット30に到達しにくい。このため、ブレードユニット30によりカットされる髪310の量が減少しやすい。すなわち、スライドプレート170は、ブレードユニット30によりカットされる髪310の量に影響を及ぼしやすい。
端部172は、アタッチメント100の幅方向における外側の部分が、アタッチメント100の幅方向における内側の部分よりも櫛歯群200側にせり出している。このため、スライドプレート170が突出位置を取るとき、端部172における幅方向の外側の部分は、端部172における幅方向の内側の部分と比較して、対応するスリットの下方部分をより広く覆う。このため、端部172における幅方向の外側の部分は、端部172における幅方向の内側の部分と比較して、ブレードユニット30の一部に案内される髪310の量を減らすことに対してより大きく貢献する。このため、外側櫛歯210側の領域においてカットされる髪310の量、および、内側櫛歯220側の領域においてカットされる髪310の量に大きな差が生じるおそれが小さくなる。
図11A、図11B、図12A、および、図12Bを参照して、バリカン10による髪310のカット形態について説明する。バリカン10によれば、一例として、自然なスキ刈り、自然なテーパーカット、および、別の自然なテーパーカットを形成できる。
図11Aおよび図11Bは、側頭部300に自然なスキ刈りを形成する場合におけるバリカン10の使用形態の一例を示している。側頭部300に自然なスキ刈りを形成する場合、最初にスライドプレート170が突出位置に設定される。次に、図11Aに示されるとおり、側頭部300のうちの下方の部分にバリカン10が充てられる。このとき、各外側櫛歯210の縁背面部分214、および、各内側櫛歯220の縁背面部分224(図4および図5参照)が、側頭部300に充てられる。そして、バリカン10の移動方向と櫛歯群200の長手方向とが実質的に一致するように、バリカン10が側頭部300の下方から上方に向けて動かされる。
このため、図11Bに示されるとおり、髪310が隣り合う櫛歯210,220,230の間を通過する。隣り合う各櫛歯210,220,230の間を通過した髪310の一部は、各スリット141〜144を介してブレードユニット30に到達する。一方、隣り合う各櫛歯210,220,230の間を通過した髪310の別の一部は、各刃カバー131〜133と接触する。このため、側頭部300に自然なスキ刈りが形成される。
図12Aおよび図12Bは、側頭部300に自然なテーパーカットを形成する場合におけるバリカン10の使用形態の一例を示している。側頭部300に自然なテーパーカットを形成する場合、最初にスライドプレート170が引込位置に設定される。次に、図12Aに示されるとおり、側頭部300のうちの下方の部分にバリカン10が充てられる。このとき、アタッチメント100の幅方向の中心線よりも一方側に存在する外側櫛歯210の縁背面部分214、および、内側櫛歯220の縁背面部分224(図4および図5参照)が側頭部300に充てられる。そして、バリカン10の移動方向が櫛歯群200の長手方向に対して交差するように、バリカン10が頭部の下方から上方に向けて動かされる。
このため、図12Bに示されるとおり、櫛歯群200の各櫛歯が、内側櫛歯220、補助櫛歯230、および、外側櫛歯210の順にバリカン10の進行方向側に存在する髪310に接触していく。このとき、髪310が、内側櫛歯220の側面222、補助櫛歯230の側面232、または、外側櫛歯210の側面212に接触し、ブレードユニット30側に案内される。各櫛歯210,220,230により案内された髪310の一部は、各スリット141〜144を介してブレードユニット30に到達する。一方、各櫛歯210,220,230により案内された髪310の別の一部は、各刃カバー131〜133と接触する。このため、側頭部300がテーパー状にスキ刈りされる。そして、上記のカット動作が繰り返されることにより、側頭部300が自然なテーパーカットに仕上げられていく。
側頭部300に別の自然なテーパーカットを形成する場合、自然なテーパーカットを形成するための上記カット動作に加えて、さらに、耳周りおよび襟足の髪310の長さを綺麗に揃えるカット動作である周囲カット動作が行われる。この周囲カット動作は、スライドプレート170が引込位置に設定された状態において、例えば、側頭部300が概ね自然なテーパーカットに仕上げられた後に行われる。
周囲カット動作は、主として次の2種類のバリカンの動作を含む。
1つ目のバリカンの動作によれば、バリカン10が概ね立てられた姿勢において、耳周りまたは襟足に充てられる。このとき、アタッチメント100の幅方向の中心線よりも一方側に存在する外側櫛歯210の縁背面部分214、および、内側櫛歯220の縁背面部分224(図4および図5参照)が、耳周りまたは襟足に充てられる。そして、バリカン10の移動方向が櫛歯群200の長手方向に対して交差するように、バリカン10が頭部の下方から上方に向けて動かされる。このため、櫛歯群200の各櫛歯が、内側櫛歯220、補助櫛歯230、および、外側櫛歯210の順にバリカン10の進行方向側に存在する髪310に接触していく。
2つ目のバリカンの動作によれば、バリカン10が概ね寝かせられた姿勢において、耳周りまたは襟足に充てられる。このとき、アタッチメント100の幅方向の中心線よりも一方側に存在する外側櫛歯210の縁背面部分214、および、内側櫛歯220の縁背面部分224が、耳周りまたは襟足に充てられる。そして、バリカン10の移動方向が櫛歯群200の長手方向に対して交差するように、バリカン10が側頭部300の後方から前方に向けて、または、側頭部300の前方から後方に向けて動かされる。このため、櫛歯群200の各櫛歯が、外側櫛歯210、補助櫛歯230、および、内側櫛歯220の順にバリカン10の進行方向側に存在する髪310に接触していく。
バリカン10は、以下に示される1つまたは複数の理由により、上記2種類の周囲カット動作に要する時間を短くすることに貢献する。このため、第3のバリカンと比較して、髪310の長さが綺麗に揃えられた部分、および、自然な風合いを持つ部分を含むテーパーカットである別の自然なテーパーカットを比較的容易に形成することに貢献する。
補助櫛歯230が存在しているため、補助櫛歯230が存在していない場合と比較して、髪310と接触し得る櫛歯群200の面積が広い。このため、ブレードユニット30側に案内される髪310の量が多くなりやすい。なお、補助櫛歯230が存在していない構成の一例は、補助櫛歯230が省略された点だけがアタッチメント100と相違し、その他の点がアタッチメント100と実質的に一致する。
補助櫛歯230の長さが、内側櫛歯220および外側櫛歯210よりも短い。このため、このような長さの関係が設定されていない場合と比較して、補助櫛歯230が頭部との間に髪310を挟み込みにくい。このため、髪310が、櫛歯群200の櫛歯の側面との接触、または、髪310自身の弾性力により、ブレードユニット30に到達する機会が生じやすくなる。なお、上記長さの関係が設定されていない構成の一例は、外側櫛歯210と内側櫛歯220との間に補助櫛歯230に代わる中間櫛歯を有する点においてアタッチメント100と相違し、その他の点がアタッチメント100と実質的に一致する。中間櫛歯の長さは、外側櫛歯210よりも長く、かつ、内側櫛歯220よりも短い。
スライドプレート170が、引込位置および突出位置を取り得る。周囲カット動作が行われるとき、スライドプレート170が引込位置に設定される。このため、各櫛歯210,220,230によりブレードユニット30側に案内された髪310が、スライドプレート170の端部172に接触しにくい。このため、案内された髪310が、スリット群140を介してブレードユニット30に到達しやすい。
バリカン10によれば、以下の効果が得られる。
(1)アタッチメント100が、補助櫛歯230を含む。補助櫛歯230が、外側櫛歯210および内側櫛歯220よりも短い。この構成によれば、髪310の長さを綺麗に揃えるカット動作が形成されるとき、主として、外側櫛歯210および補助櫛歯230の間に髪310が案内されるようにバリカン10が頭部に充てられる。一方、バリカン10によれば、頭部と補助櫛歯230との間に髪310が挟み込まれにくい。このため、髪310の長さを綺麗に揃えるためのカット作業に要する時間を短くすることに貢献する。このため、髪310の長さが綺麗に揃えられた部分、および、自然な風合いを持つ部分を含むテーパーカットを比較的容易に形成することに貢献する。
(2)アタッチメント100が、スリット群140を含む。第1スリット141の幅が、第2スリット142の幅よりも広い。この構成によれば、第1スリット141が第2スリット142と比較して、ブレードユニット30をより多く露出させる。このため、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部に案内される髪310の量が、内側櫛歯220と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部に案内される髪310の量よりも多くなりやすい。このため、髪310の長さを綺麗に揃えるためのカット作業に要する時間を短くすることに一層貢献する。
(3)第1櫛歯間隔が第2櫛歯間隔よりも広い。この構成によれば、外側櫛歯210の側面212と補助櫛歯230の側面232との間に形成される空間が、内側櫛歯220の側面232と補助櫛歯230の側面232との間に形成される空間と比較して広くなる。このため、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間を通過する髪310の量が多くなりやすい。このため、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部に案内される髪310の量が、内側櫛歯220と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部に案内される髪310の量よりも多くなりやすい。このため、髪310の長さを綺麗に揃えるためのカット作業に要する時間を短くすることに一層貢献する。
(4)アタッチメント100が、ガイド150を含む。この構成によれば、外側櫛歯210の周囲の髪310が、ガイド150により外側櫛歯210と補助櫛歯230との間の第1スリット141に案内されやすくなる。このため、外側櫛歯210と補助櫛歯230との間に存在するブレードユニット30の一部によりカットされる髪310の量が多くなる。このため、髪310の長さを綺麗に揃えるためのカット作業に要する時間を短くすることに一層貢献する。
(5)ヘッドカバー120に開放空間135が形成されていない場合、ブレードユニット30の周囲に多くの髪310が溜まりやすい。一方、アタッチメント100によれば、開放空間135が、ヘッドカバー120に形成されている。このため、カットされた髪310が開放空間135を介してアタッチメント100の外部に排出されやすい。このため、ブレードユニット30の周囲に多量の髪310が溜まることに起因して、ブレードユニット30の切れ味が低下することが抑制される。
(6)スライドプレート170の櫛歯群200側の縁が、アタッチメント100の幅方向の外側において内側よりも櫛歯群200側にせり出している。この構成によれば、スライドプレート170が突出位置を取るとき、スライドプレート170における幅方向の外側の部分は、スライドプレート170における幅方向の内側の部分と比較して、対応するスリットの一部をより広く覆う。このため、スライドプレート170における幅方向の外側の部分は、スライドプレート170における幅方向の内側の部分と比較して、ブレードユニット30に案内される髪310の量を減らすことに対してより大きく貢献する。このため、外側櫛歯210側においてカットされる髪310の量、および、内側櫛歯220側においてカットされる髪310の量に大きな差が生じるおそれが小さくなる。
(7)アタッチメント100は、自然なスキ刈り、自然なテーパーカット、および、別の自然なテーパーカットを実現するための機能をバリカン10に提供する。このため、これらのカットを実現するための機能を個別に提供する複数のアタッチメントを用いる場合と比較して、バリカン10の使用時においてアタッチメントを交換する手間が削減される。このため、バリカン10の利便性が高められる。
(8)補助櫛歯230の縁正面部分235が、内側櫛歯220の縁正面部分225よりも内側に存在している。この構成によれば、櫛歯群200に乗り上げた髪310の一部が、外側櫛歯210の側面212または内側櫛歯220の側面222に接触しやすい。このため、ブレードユニット30側に案内される髪310の量が多くなりやすい。
(その他の実施形態)
本バリカンのアタッチメントが取り得る具体的な形態は、実施形態に例示された形態に限定されない。本バリカンのアタッチメントは、本発明の目的が達成される範囲において、上記実施形態とは異なる各種の形態を取り得る。以下に示される上記実施形態の変形例は、本バリカンのアタッチメントが取り得る各種の形態の一例である。
・変形例のアタッチメント100によれば、第2櫛歯間隔が、第1櫛歯間隔よりも広い、または、第1櫛歯間隔と同じ寸法を有する。
・変形例のアタッチメント100によれば、第3櫛歯間隔が、第1櫛歯間隔よりも狭い、または、第1櫛歯間隔と同じ寸法を有する。
・変形例のアタッチメント100によれば、スリット群140が2〜6のいずれかの数、または、8以上のいずれかの数のスリットを含む。
・変形例のアタッチメント100によれば、刃カバー群130が2〜5のいずれかの数、または、7以上のいずれかの数の刃カバーを含む。
・変形例のアタッチメント100によれば、3本以上のいずれかの本数の外側櫛歯210が形成される。複数の外側櫛歯210は、櫛歯全体として、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有することが好ましい。
・変形例のアタッチメント100によれば、3本以上のいずれかの本数の内側櫛歯220が形成される。複数の内側櫛歯220は、櫛歯全体として、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有することが好ましい。
・変形例のアタッチメント100によれば、3本以上のいずれかの本数の補助櫛歯230が形成される。複数の補助櫛歯230は、櫛歯全体として、アタッチメント100の幅方向の中心線に対して線対称の関係を有することが好ましい。2本以上の補助櫛歯230が、アタッチメント100の幅方向において互いに隣り合う外側櫛歯210および内側櫛歯220の間に形成される場合、これらの補助櫛歯230は、互いに異なる長さを取り得る。
・変形例のアタッチメント100によれば、複数の機能部分であるボディ110、ヘッドカバー120、櫛歯群200、ガイド150、および、テーブル160が複数のグループに区分され、区分されたグループが個別の物体として製造される。そして、個別に製造された各グループの機能部分が互いに結合されることにより、アタッチメント100が構成される。
・変形例の外側刃カバー133によれば、上記実施形態の外側刃カバー133がブレードユニット30の一部を露出させている部分に、ブレードユニット30を覆う部分が形成される。すなわち、変形例の外側刃カバー133は、ヘッドカバー120のうちのブレードユニット30が配置される領域を挟んでガイド150の内面に臨む部分に、ブレードユニット30を覆う。
・変形例の刃カバー群130によれば、2つの内側刃カバー131、2つの中間刃カバー132、および、2つの外側刃カバー133のうち1種類または2種類が省略される。
・変形例の刃カバー群130によれば、中間刃カバー132に準じた構成を有する別の中間刃カバーが、補助櫛歯230と内側刃カバー131との間に形成される。この別の中間刃カバーは、一例として、内側櫛歯220のうちのブレードユニット30側が配置される空間側の縁と結合される。