JP6089195B2 - 炉心上部機構の交換工法 - Google Patents

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Description

本発明は、高速炉の遮蔽プラグに設置されている炉心上部機構を交換する工法に関し、更に詳しく述べると、先ずジャッキアップ装置を用いて炉心上部機構をジャッキアップすることで遮蔽プラグの貫通スリーブから引き離し、その後、ワイヤ式揚重装置に吊り換えを行い引き抜くことで外寸の小さな原子炉プラント建屋内でも炉心上部機構の交換作業を適切に行うことができるようにした炉心上部機構の交換工法に関するものである。
原子炉プラントにおいては、そのメンテナンス等のために、使用している各種機器の交換が必要となる。高速炉の炉心上部機構は、遮蔽プラグの貫通スリーブに挿入固定されており、その交換作業では、先ず炉心上部機構を遮蔽プラグから引き抜いて撤去し、その後、新たな炉心上部機構を遮蔽プラグの貫通スリーブに挿入して固定することになる。
炉心上部機構の引き抜き装置として、ワイヤロープの巻上機構を用いる技術が提案されている(特許文献1参照)。ここでは、遮蔽プラグの上方にドアバルブを設置し、該ドアバルブ上に、炉心上部機構を収納可能な気密構造の筒状収納容器を設置し、該筒状容器の上部に位置する巻上機構から吊り降ろしたワイヤロープを炉心上部機構の頂部に固定されている吊金具に接続して、前記巻上機構の巻き上げあるいは巻き降ろしにより炉心上部機構を昇降させるように構成されている。
しかし、冷却材として液体ナトリウムが使用されている高速炉では、炉心上部機構と、該炉心上部機構が挿入されている遮蔽プラグの貫通スリーブとの隙間に、炉心部のナトリウム蒸気が冷えて堆積している。そのため、炉心上部機構引き抜きの際には、付着しているナトリウムを引き剥がす(せん断する)必要があり、大きな抵抗となることが予想される。しかも、ナトリウムの堆積量と引き上げに必要な抵抗力を事前に予測するのは困難である。そのため、ワイヤロープの巻上機構を用いる従来技術では、付着ナトリウムによる大きな引抜き抵抗のために炉心上部機構をスムーズに引き抜けない恐れがある。
また、炉心上部機構と貫通スリープとの設計上の隙間は、炉心上部機構の寸法に比べて比較的狭い場合が多く、炉心上部機構が長手方向の中央付近に直径の小さくなったくびれ部を持つなど複雑な形状をしている場合には、引き抜きの際に接触したり、くびれ部が引っ掛かる恐れがあるなど、不用意に引き上げると内部の機器を損傷させてしまう可能性が非常に高くなる。しかも、引き抜き時に隙間の狭い部分は直接目視できず、またセンサ等の手段で隙間を観測・監視しながら引き上げることが不可能であるために、内部機器を損傷させずに引き上げることは困難となる。
ところで、周知のように、大きな引き上げ力を発揮しうる一般的なジャッキアップ装置としては、油圧式やネジ式がある。特にネジ式は、油圧式とは異なり、油圧ホース接続部などからの油漏れによる周囲環境汚染の危険性がなく、装置構成を簡略化できる利点がある。しかし、いずれにしても、大きな揚程を得ることは難しく、遮蔽プラグに嵌まり込んだ炉心上部機構を完全に引き抜くには揚程が不足する。しかも、市販されている汎用のネジジャッキ装置では、引き抜き抵抗が不明で、特に引き上げに注意を要する上記のような用途に柔軟に対応することは困難である。
特開平11−109071号公報
本発明が解決しようとする課題は、高速炉遮蔽プラグの貫通スリーブに挿入固定されている炉心上部機構を、該遮蔽プラグから引き抜いて所定の保管場所へ搬出し、新たな炉心上部機構を搬入して遮蔽プラグの貫通スリーブに挿入固定する交換作業を、確実に実施できるようにすることである。
本発明は、高速炉の遮蔽プラグに形成されている貫通スリーブから炉心上部機構を引き抜き、新たな炉心上部機構を挿入固定する炉心上部機構の交換工法において、
遮蔽プラグの上方に炉心上部機構が出入り可能なガイド筒を設置し、該ガイド筒を通して炉心上部機構をジャッキアップ装置でジャッキアップすることにより遮蔽プラグの貫通スリーブから引き上げる炉心上部機構のジャッキアップ工程、
ジャッキアップした炉心上部機構を前記ガイド筒内で仮サポート部材により支持すると共に、ガイド筒内に装備されているシール機構で該ガイド筒内の上部と下部との間をシールし、その後、ガイド筒内上部を大気雰囲気にして前記ジャッキアップ装置を撤去し、ガイド筒上方にドアバルブを設置するジャッキアップ装置の撤去工程、
開閉自在の下部蓋を備えた筒状の遮蔽容器を、建屋内天井クレーンにより前記ドアバルブに被せ、前記遮蔽容器内をArガスで置換した後、ガイド筒のシール機構を解除し、前記遮蔽容器の上部に設置したワイヤ式揚重装置により炉心上部機構を保持した状態で前記仮サポート部材を解放し、前記ワイヤ式揚重装置により炉心上部機構を引き上げて遮蔽容器内に収容する炉心上部機構の吊り上げ工程、
前記下部蓋を閉じて遮蔽容器を密閉し、前記ドアバルブを閉止した後、建屋内天井クレーンを使用して遮蔽容器に収納した炉心上部機構を保管場所へ搬出する炉心上部機構の搬出工程、
上部に仮蓋揚重装置を備え内部に仮蓋が収容されている仮蓋輸送容器を前記ドアバルブ上に設置し、前記仮蓋揚重装置で前記仮蓋を吊り降ろして、該仮蓋に装備されているナトリウム掻き落とし部材によって貫通スリーブに残っている固化したナトリウムを掻き落とし、その後、前記仮蓋を吊り上げ仮蓋輸送容器に収容してドアバルブを閉止し、仮蓋輸送容器を搬出する付着ナトリウムの除去工程、
新しい炉心上部機構を収容したキャスクを建屋内天井クレーンで搬入して前記ドアバルブ上に設置し、前記キャスク上部に設置されているワイヤ式揚重装置によって新しい炉心上部機構を貫通スリーブに挿入し固定する新しい炉心上部機構の挿入工程、
を有することを特徴とする炉心上部機構の交換工法である。
前記ジャッキアップ工程では、遮蔽プラグの上方に設置した作業床から前記ガイド筒を吊設し、該ガイド筒の下部と遮蔽プラグとの間を、塩化ビニル等のシート状の樹脂材からなるプラスチック製バウンダリでシールし、ガイド筒内部をArガスに置換して作業を行うのが好ましい。また、上面に吊金具を備えた吊り蓋をスタッドボルトによって炉心上部機構の上部に取り付け、前記吊り蓋をジャッキアップ装置に結合することで、炉心上部機構の上部の既設機器との干渉を回避し、炉心上部機構を締結していた遮蔽プラグのボルト穴を利用してガイドボルトを植設し、このガイドボルトに沿ってジャッキアップすることで、ジャッキアップ初期のガイド筒によるガイド機能が期待できない領域での直線性を確保するのが好ましい。
また、前記ジャッキアップ装置の撤去工程では、ガイド筒の側面から内方に向けて仮サポート部材を突出させることでガイド筒内に位置する吊り蓋を保持し、ガイド筒内面の吊り蓋外周に対応する高さに予め設置されているシール機構で吊り蓋外周面とガイド筒内面との間をシールするのが好ましい。
前記ジャッキアップ装置は、例えばガイド筒の上部を塞ぐように設置したジャッキベースと、該ジャッキベースを貫通し下端部で吊り蓋を支持するジャッキネジを具備し、前記ジャッキベースに駆動装置とギア機構部を搭載し、前記ジャッキネジと螺合する回転ナットと前記ギア機構部とを噛合し、前記駆動装置により前記ギア機構部を介して前記回転ナットを回転駆動することでジャッキネジを昇降自在とし、前記吊り蓋を介して前記炉心上部機構を引き上げる構造のネジジャッキ装置とする。複数本のジャッキネジが円周上に均等に配列され、各ジャッキネジにそれぞれ回転ナットが螺合し、各ジャッキネジ毎に専用の駆動装置とギア機構部が設けられ、各回転ナットの回転を独立に制御するように構成するのが望ましい。ここで、ジャッキネジの本数を3本とするのが特に好ましい。前記駆動装置は、例えば電動機と減速機を組み合わせて、該減速機出力で前記回転ナットを駆動するように構成し、該回転ナットにより昇降するジャッキネジに荷重計と変位計を設ける。
本発明に係る炉心上部機構の交換工法によれば、最初はジャッキアップ装置を用いてジャッキアップするため、ナトリウムの付着などにより吊荷重量を超える過大な引き抜き抵抗力が作用しても、確実に「地切り」(付着ナトリウムのせん断)をして、周囲に損傷を与えることなく精度よく直線的に炉心上部機構を引き上げることができる。地切り後はワイヤ式揚重装置に吊り替えるため、縦型で嵌まり込んだ炉心上部機構を完全に吊り上げるのに揚程が不足することもなく、プラント建屋の外寸を小さくしようとする要求にも対応できる。また、ガイド筒内にシール機構を装備し、ジャッキアップした炉心上部機構をガイド筒内で仮サポート部材により支持するため、ジャッキアップ装置からワイヤ式揚重装置への吊り替え作業を大気雰囲気下で行うことができる。更に、吊り上げた炉心上部機構を遮蔽容器に収納した状態で保管場所へ搬出することができる。
このようにして本発明によれば、放射線・ナトリウム雰囲気の炉心上部に嵌まり込んでいる炉心上部機構を大気と隔離した状態を維持しつつ、大気雰囲気中の作業で、周囲に干渉しないように吊り上げて交換することができる。
本発明でジャッキアップ装置としてネジジャッキ装置を用いると、電動機を動力源とするため油漏れの恐れは全く無いし、ジャッキアップ速度を超低速から高速まで容易に制御でき、機器の損傷が心配されるジャッキアップ初期には超低速で、安全な領域に入ってからは高速でのジャッキアップが可能となり、安全性と作業効率向上の両立が可能となる。なお、油漏れの対策を行いストロークの制御を備えられれば、油圧ジャッキ装置を採用してもネジジャッキ装置と同様の効果を得ることができる。また本発明は、上から引き上げる方式であるので、作業床、ガイド筒、吊り蓋によって遮蔽した状態での作業となり、安全にネジジャッキ装置を撤去することができる。
ネジジャッキ装置を用いる場合、原理的にはジャッキネジの本数は任意であってよい。しかし、炉心上部機構のどの箇所が付着したナトリウムで重くなっているか不明である場合、炉心上部機構の「地切り」を安定して行うことは難しい。ジャッキネジを3本とすれば、各ジャッキネジにかかる荷重を計測し、各荷重が均等になるように制御することで、炉心上部機構の「地切り」を安定して行える利点がある。それに対して、ジャッキネジを2本にすると吊り荷のバランスを崩す恐れがあり、4本以上にすると各ジャッキネジにかかる荷重を均等に制御することが難しくなるため、内部機器を損傷させずに引き上げるには、上記のようにジャッキネジを3本で構成するのが好ましい。
本発明に係る炉心上部機構交換工法の工程説明図。 炉上部の障害物撤去後の状態を示す説明図。 ジャッキアップ作業の説明図。 炉心上部機構を仮保持した状態でのドアバルブ設置状況の説明図。 遮蔽容器の設置状態の説明図。 ワイヤ式揚重装置による吊り上げ作業の説明図。 ドアバルブの閉止状況の説明図。 遮蔽プラグ貫通スリーブの付着ナトリウム除去作業の説明図。 新しい炉心上部機構の挿入作業の説明図。 ネジジャッキ装置の駆動機構の一例を示す詳細説明図。 ネジジャッキ装置の制御システムの一例を示す説明図。
本発明に係る炉心上部機構交換工法の一例を図1に示す。本発明は、高速炉の遮蔽プラグに形成されている貫通スリーブから炉心上部機構を引き抜き、新たな炉心上部機構を挿入固定する炉心上部機構の交換工法であり、下記(A)〜(H)の各工程を備えている。
(A)炉上部の障害物撤去工程
この工程では、回転プラグの分解を含めて、炉心上部機構の引き抜き作業の障害となる機材等を予め撤去しておく。
(B)炉心上部機構のジャッキアップ工程
この工程では、ジャッキアップ装置を用いて、遮蔽プラグの貫通スリーブから炉心上部機構を「地切り」し1m程度引き上げる。まず、遮蔽プラグの上方の炉心上部機構の直上位置に該炉心上部機構が出入り可能なガイド筒を設置し、該ガイド筒の上部に設置したジャッキアップ装置で前記ガイド筒を通して炉心上部機構をジャッキアップする。このとき、炉心上部機構の下部に付着しているナトリウムが固化している可能性があり、吊荷(即ち、炉心上部機構等)の重量よりも大きな力で吊り上げる必要がある。ジャッキアップ装置によるジャッキアップにより、遮蔽プラグの貫通スリーブに嵌まっている炉心上部機構を「地切り」(付着ナトリウムのせん断)する。これによって、遮蔽プラグに嵌まっている炉心上部機構を、周囲の構造物などを傷つけないように、精度よく引き上げることができる。なお、ジャッキアップは、放射線・ナトリウム雰囲気の遮蔽のため、ガイド筒内をArガスで満たした環境で実施する。
(C)ジャッキアップ装置の撤去工程
この工程は、ジャッキアップ装置からワイヤ式揚重装置への切り替えの前工程である。例えば、ネジジャッキ装置によるジャッキアップでは揚程以上の長さのジャッキネジが必要となるため、全揚程を吊り上げるには建屋内に収容しきれなくなる恐れがある。油圧ジャッキ装置の場合も同様である。このため、「地切り」して炉内狭隘部から1m程度引き上げた後は、ワイヤ式揚重に切り換える。まず、ジャッキアップした炉心上部機構を前記ガイド筒内で仮サポート部材により仮保持し、次いで、ガイド筒内に装備されているシール機構で該ガイド筒内の上部と下部との間をシールする。これによって、ガイド筒内の上部を建屋内と同じ大気雰囲気にできる。この状態で、前記ジャッキアップ装置を撤去し、ガイド筒上方にドアバルブを設置する。
(D)炉心上部機構の吊り上げ工程
この工程では、前工程に引き続いて、ワイヤ式揚重装置への切り替えを行う。炉心上部機構は、下面が放射線に曝されており、そのままでは建屋内を移送できないため略筒状の遮蔽容器に収容する。まず、開閉自在の下部蓋を備えた筒状の遮蔽容器を、建屋内天井クレーンにより前記ドアバルブに被せる。その遮蔽容器の上部にワイヤ式揚重装置を設置する。次いで、前記遮蔽容器内をArガスで置換した後、ガイド筒のシール機構を解除する。前記ワイヤ式揚重装置により炉心上部機構を保持してから、仮サポート部材を解放し、その後、ワイヤ式揚重装置により炉心上部機構を引き上げて前記遮蔽容器内に収容する。このように、まず揚程の制限が厳しいジャッキアップ装置を用いて「地切り」を行い、次いでワイヤ式揚重装置を用いて大きな揚程を吊り上げる点に、本発明の一つの大きな特徴がある。
(E)炉心上部機構の搬出工程
この工程では、前記下部蓋を閉じて遮蔽容器を密閉し、前記ドアバルブを閉止する。次いで、建屋内天井クレーンを使用して遮蔽容器に収納した炉心上部機構を所定の保管場所へ搬出する。
(F)付着ナトリウムの除去工程
これは、新しい炉心上部機構を設置する前に、遮蔽プラグ貫通スリーブの炉心上部機構跡に残っている付着ナトリウムを除去するための工程である。上部に仮蓋揚重装置を備えると共に内部に仮蓋が収容されている仮蓋輸送容器を前記ドアバルブ上に設置する。前記仮蓋揚重装置で前記仮蓋を吊り降ろし、該仮蓋に装備されているナトリウム掻き落とし部材によって、貫通スリーブに残っている固化したナトリウムを掻き落とす。また、この仮蓋を設置して、ガイド筒と炉心部を遮断した状態で、新しい炉心上部機構で炉を開閉できるように、元の炉心上部機構と炉の間に設置されていたOリングを交換する。その後、仮蓋を吊り上げて仮蓋輸送容器に収容し、ドアバルブを閉止して仮蓋輸送容器を搬出する。
(G)新しい炉心上部機構の挿入工程
この工程では、新しい炉心上部機構を収容したキャスクを建屋内天井クレーンで搬入してドアバルブ上に設置する。そして、前記キャスク上部に設置されているワイヤ式揚重装置によって新しい炉心上部機構を貫通スリーブに挿入して固定する。その後、交換作業に用いた部材を撤去して炉心上部機構の交換を終える。
(H)炉上部の復旧工程
最後に、炉心上部機構の引き抜き作業の障害となるために予め撤去していた機材等を元の状態に戻す。
以下、各工程での機器の設置状況と動作を図面に基づき説明する。いずれも図面は、分かり易くするために簡略化して描いてある。この実施例では、ジャッキアップ装置としてネジジャッキ装置を用いている。
図2は、炉上部の障害物を撤去した初期状態を示している。炉心10を収容している炉容器11がペデスタル12で支持されている。冷却系配管などは図示するのを省略する。炉容器11の上部は蓋部となる遮蔽プラグ13で塞がれており、該遮蔽プラグ13に形成されている貫通スリーブに炉心上部機構14が嵌まり込んでいる。遮蔽プラグには大回転プラグや小回転プラグ等も組み込まれているが、それらは図示を省略する。遮蔽プラグ上には、大回転プラグや小回転プラグの駆動機構、制御棒駆動機構、燃料交換機などが設置されているが、それら炉心上部機構の引き抜き作業の障害となるものは、予め撤去しておく。
図3は、ネジジャッキ装置によるジャッキアップ工程を示す説明図である。ここで、Aは炉心上部機構のジャッキアップ前の状態を、Bはジャッキアップ後の仮保持状態を示している。
まずは、炉心上部機構の交換作業全般のために、遮蔽プラグ13の上方に設置されている作業床20の、貫通スリーブの直上位置から遮蔽プラグ近傍に至るようにガイド筒21を垂設する。該ガイド筒21は、各工程での作業の際に、炉心部のArガス環境の維持、炉心部からの放射線遮蔽の役割の一部を担う。また、ガイド筒21の下端部には、遮蔽プラグ13の上面に至るように、スカート状のプラスチック製バウンダリ22を取り付ける。該プラスチック製バウンダリ22は、炉心部で気化したナトリウムが空気中の水分と反応しないようにシールする機能を果たす。なお、炉心上部機構14の上部に既設機器が存在する場合には、それらの機器との干渉を回避するため、スタッドボルト23を埋め込むなどして、その上端に吊り蓋24を取り付ける。吊り蓋24の上面には吊金具25を設けておく。該吊り蓋24を介して炉心上部機構14を引き上げ可能とする。
予め、炉心上部機構14の上端フランジ部を縦貫するガイド穴に、当初のジャッキアップの案内のためのガイドボルト26を挿通して遮蔽プラグ13に植設しておくのがよい。ガイドボルト26の植設は、炉心上部機構14と遮蔽プラグ13との締結に使用していたボルト穴の何個かを利用することで容易に行える。
ネジジャッキ装置30は、前記ガイド筒21の上端部に載置する。前記ガイド筒21の上端部にジャッキベース31を設置して、その開口部を塞ぐ。該ジャッキベース31を貫通するようにジャッキネジ32を配設し、その下端部で吊り蓋24に結合する。前記ジャッキベース31に駆動装置33とギア機構部34を搭載し、前記ネジジャッキ32と螺合する回転ナット35を、前記ギア機構部34と噛合させる。駆動装置33によりギア機構部34を介して回転ナット35を回転駆動することでジャッキネジ32を昇降自在とし、吊り蓋23を介して炉心上部機構14を引き上げる構造である。ここでは、ジャッキネジ32を複数本(好ましくは3本)円周上に配列し、各ジャッキネジ32毎に専用の駆動装置33とギア機構部34を設けることで、各回転ナット35の回転駆動を独立に制御している。前記駆動装置33は、電動機と減速機の組み合わせからなり、減速機の出力で回転ナット35を駆動する。
炉心上部機構14の引き抜き作業前、遮蔽プラグ貫通スリーブは炉心上部機構14で塞がれているので、ガイド筒設置時、該ガイド筒21の内部は建屋内と同じ大気雰囲気である。炉心上部機構14の引き上げに際し、まず上端開口部がジャッキベース31で塞がれているガイド筒21の内部を、Arガスに置換する(図3のA参照)。前記プラスチック製バウンダリ22はArガスバウンダリとなる。そして、ネジジャッキ装置30を用いて、遮蔽プラグ13の貫通スリーブに嵌まっている炉心上部機構14を「地切り」し、該炉心上部機構14をガイドボルト26に沿ってジャッキアップする。前記ガイドボルト26は、ジャッキアップ初期のガイド筒16によるガイド機能が期待できない領域での直線性確保のために用いている。
図3のBに示されているように、前記ガイド筒16の中間部にはやや狭隘な部分が設けられており、その内周にシール機構として、ここではインフレータブルシール36が埋設されている。そのインフレータブルシール36が埋設されている位置に吊り蓋24の外周面がくるまで、炉心上部機構14をジャッキアップする。なお、インフレータブルシール36は、チューブ状で内部にガスを充填し膨らませることで隙間をシールする構造のシール機構である。炉心上部機構と貫通スリーブの隙間が大きければ、ガイド筒と炉心上部機構の芯をシール位置で合わせることも可能なので、リップシールなど他の型式のシール機構を採用することも可能であるが、炉心上部機構と貫通スリーブの隙間が小さく、引き抜き時にガイド筒と炉心上部機構に芯ずれが発生した場合、芯がずれたままシールすることが必要になるので、そのようにシール位置での芯ずれを考慮する必要がある場合には上記のようにインフレータブルシールを用いることが好ましい。
この位置で、ネジジャッキ装置30からワイヤ式揚重装置に吊り替えるため、引き上げている炉心上部機構14を一旦仮サポート部材37で仮保持する。具体的には、前記吊り蓋24の下面位置で、ガイド筒16の外から内へとガイド筒壁を貫通して複数本のボルト状の仮サポート部材37を差し込み(図3のBで拡大して示すC部参照)、ジャッキアップした炉心上部機構14を前記ガイド筒21内で仮保持する。次いで、ガイド筒21内に装備されているインフレータブルシール36を膨張させると、該ガイド筒21内で吊り蓋24の上部と下部との間がシールされる。これによってガイド筒21の内部上方を建屋内と同じ大気雰囲気にできる。この状態で、吊り蓋24の上方のArガスを大気に置換した後、ネジジャッキ装置30を撤去する。
この実施例では、円周上に3本以上の複数本のジャッキネジ32を配置し、個別に制御しているため、引き上げ中の抵抗不均一などの影響で炉心上部機構14が傾きそうになった場合、強制的に戻すような制御が可能である。前記ガイド穴とガイドボルト26との隙間を遠隔で目視監視しながら炉心上部機構14を引き上げることもできる。また、仮にジャッキアップ中に炉心上部機構14の下部で引っ掛かりが発生しても、各ジャッキネジを個別に制御して炉心上部機構14を意図的に傾けるなどの操作により、引っ掛かりを回避することも可能となる。更に、ジャッキアップ中の炉心上部機構14の水平度を確認する手段として、フランジ上に水準器38を設置し、その信号を元に各ジャッキの駆動量を調整することも可能である。なお、図3には示していない(後述する図10に示す)が、各ジャッキネジに荷重計と変位計とを設置するのが好ましい。
図4は、炉心上部機構を仮保持した状態でのドアバルブ設置状況を示している。ネジジャッキ装置を撤去するとジャッキベースも取り外されるので、ガイド筒21の上端開口部を開閉できるように、ガイド筒21の上端開口部にドアバルブ40を設置する。
引き上げた炉心上部機構14は、下面が放射線に曝されており、そのままでは建屋内を移送できないため遮蔽容器に収容する。その遮蔽容器の設置状態を図5に示す。遮蔽容器41は略筒状であり、建屋内天井クレーン42を使用して搬送し、前記ドアバルブ40上に被せるように設置する。
図6は、ワイヤ式揚重装置による吊り上げ作業を示している。必要に応じて、遮蔽容器41の周囲に足場(図示するのを省略)を仮設する。建屋内天井クレーン42を使用してワイヤ式揚重装置43を搬送して遮蔽容器41の頂部に設置する。遮蔽容器41の転倒防止を図り、ワイヤ式揚重装置43と吊り蓋24の吊金具25とを繋ぐ。遮蔽容器41の密閉性を確保した後、内部の空気をArガスで置換してからガイド筒21のインフレータブルシール36を解放する。ワイヤ式揚重装置43により炉心上部機構14を支え、該ワイヤ式揚重装置43に炉心上部機構重量が負荷された時点で、差し込まれていた仮サポート部材37を引き抜く。引き続いて、ワイヤ式揚重装置43により炉心上部機構14を吊り上げていき、最終的に炉心上部機構14を遮蔽容器41内に収容する。
ドアバルブの閉止状況を図7に示す。遮蔽容器41の下端開口部に下部蓋44をスライドさせて固定し該遮蔽容器41を密閉する。ドアバルブ40も閉止する。これによってガイド筒21の上端開口部が密封される。遮蔽容器41に収納した炉心上部機構14は、建屋内天井クレーン42を使用して保管場所へ搬出可能となる。
新しい炉心上部機構を設置する前に、それを円滑に遮蔽プラグ貫通スリーブに挿入できるように、撤去した炉心上部機構跡に残っている固化したナトリウムを除去する必要がある。それを行う遮蔽プラグ貫通スリーブの付着ナトリウム除去工程を図8に示す。貫通スリーブに残っている固化した付着ナトリウムの除去は、ナトリウム掻き落とし機能を備えた仮蓋50によって行う。該仮蓋50は仮蓋輸送容器51内に収容されており、該仮蓋輸送容器51の上部には仮蓋揚重装置52が設けられている。この仮蓋揚重装置52によって、仮蓋50を、仮蓋輸送容器51内から吊り降ろしたり、仮蓋輸送容器51内へ吊り上げたりできる構造である。
内部に仮蓋50が収容されている仮蓋輸送容器51を建屋内天井クレーン32でドアバルブ40上に移送し設置する。該ドアバルブ40を開放し、前記仮蓋揚重装置52で前記仮蓋50を吊り降ろし、遮蔽プラグ貫通スリーブに挿入して、該仮蓋50に装備されているナトリウム掻き落とし部材によって該貫通スリーブに残っているナトリウムを掻き落とす。ナトリウム掻き落とし部材は仮蓋50の底部周辺のエッジでもよいし、仮蓋50の底部に設けた固定型のスクレーパや上下方向に移動あるいは円周方向に回転するスクレーパなどでもよい。なお、このような付着ナトリウムの除去装置については、例えば特願2011−182523号に詳細な開示がある。
また、この仮蓋50を遮蔽プラグ貫通スリーブに設置して、ガイド筒21と炉心部を遮断した状態で、新しい炉心上部機構で炉を開閉できるように、元の炉心上部機構と炉の間に設置されていたOリングを交換する。その後、仮蓋50を吊り上げて仮蓋輸送容器51に収容しドアバルブ40を閉止して、建屋内天井クレーン42で仮蓋輸送容器51を搬出する。
図9は、新しい炉心上部機構の挿入工程を示している。新しい炉心上部機構を収容したキャスク60を建屋内天井クレーン42で搬入してドアバルブ40上に設置する。次に、引き抜き時と逆の手順で、前記キャスク60の上部に設置されているワイヤ式揚重装置61によって新しい炉心上部機構62を貫通スリーブに挿入して固定する。その後、交換作業に用いた機材を撤去して炉心上部機構の交換作業を終える。新しい炉心上部機構の設置には、ジャッキアップ装置を必要とせず、キャスク60の上部に設置されているワイヤ式揚重装置61のみによって行う。最後に、炉心上部機構の引き抜き作業の障害となるために予め撤去した機材を元の状態に戻す。
本発明で用いるネジジャッキ装置の駆動機構の一例を図10に示す。ジャッキベース31を貫通し軸受70により回転自在に支持されているジャッキネジ32に回転ナット71を噛み合わせ、該回転ナット71を、適切な減衰比に設定された減速機72を介して電動機73で駆動可能とする。他方、クラッチ74を備えた手回しハンドル75を設け、電動機軸76とハンドル軸77の先端部をベベルギア78で結合する。このような構成にすると、前記クラッチ74の切り替えによって、前記回転ナット71の駆動源として、自動(電動機)の他に手動(ハンドル)を選択することが可能となり、手動でもジャッキネジ32を上下方向に変位させることができる。ジャッキネジ32の上方には、その移動量を監視するための変位計79を設置する。また、ジャッキネジ32に荷重計80を設け、該荷重計80を介して吊り蓋24に連結する。前記変位計79によってジャッキネジ32の変位量(ジャッキアップ量)が監視可能となり、前記荷重計80によってジャッキネジ32に作用する負荷が監視可能となる。
このような駆動機構を用いると、特に機器の損傷が心配されるジャッキアップ初期には電動機73のサーボをオフにしてクラッチ74を連結状態にすることで、手回しハンドル75による手動操作で、安全を確保しながら臨機応変に引き上げ操作ができる。一方、炉心上部機構の姿勢を一定に保ちながら一定の速度でのジャッキアップが必要な場合には、クラッチ74を解除した上で、電動機73による定速駆動も可能である。更に、完全に安全が確認された後は、電動機73による高速ジャッキアップも可能であり、安全性と作業効率向上の両立が可能となる。
このような駆動機構では、各ジャッキネジ32に変位計79が装備されているため、それらの値をモニタすることでジャッキアップ量を直接監視できるし、各変位計79の値を元に炉心上部機構の傾き角度も監視可能となる。また、各ジャッキネジ32に荷重計80が装備されているため、ジャッキアップ作業実施時に、機器に損傷を与えるような過大な負荷が作用していないか、炉内で引っ掛かり等の異常が発生していないか、等の危険診断が可能となる。更に、各ジャッキネジ32に作用する負荷のばらつきを評価することで、炉内のどの部位で異常が発生しているのかの判断にも役立つこととなる。ここでは、クラッチ74を介して手回しハンドル75を駆動機構に接続した例で説明したが、クラッチを電動機出力軸に配置して、手回しハンドルを駆動機構に常時接続する運用も可能である。
ネジジャッキ装置の制御システムの一例を図11に示す。これは3本のジャッキネジを駆動する例である。この制御システムは、各変位計及び各荷重計からの信号を取り込む入力インターフェース90と、各電動機に動作指令を出力する出力インターフェース91を備えた制御装置(パソコンやPLC等)92からなる。制御装置92は、入力インターフェース90から取り込んだ変位計信号や荷重計信号をもとに、画面上で、それらの生値を表示(デジタル表示/トレンドグラフ表示など)したり、演算によって炉心上部機構の傾斜角度などに加工して表示する機能を備えている。その他、自動か手動かの制御モードを切り替える操作ボタン、自動制御の場合に3軸同期制御か各軸独立制御かを切り替える操作ボタン、駆動軸(ジャッキネジ)の選択ボタンなども備えている。自動制御の場合は、駆動速度、駆動量(ステップ)、荷重リミット、傾斜リミットを設定した後、駆動軸を選択してから動作(上昇、停止、下降)を選択する。動作の途中で、荷重リミットや傾斜リミットを超えた場合に、動作を停止する機能を設ける。手動操作の場合には、変位、荷重、傾斜等の監視機構、荷重/傾斜リミットを超えた場合のアラーム機能が使用できるようにする。このほか、手回しハンドルを装備した可搬式の遠隔操作盤を用意し、該手回しハンドルの回転を検出するセンサ信号を基に、装置の挙動を直近で観察しながら電動機を遠隔操作する運用も可能である。
このような制御システムを用いると、自動制御の場合でも駆動軸の選択や各種設定値をこまめに調整することができ、しかも1動作が、設定から駆動までのステップ動作であることを基本としているので、安全を期した慎重な動作が可能である。また、各種リミット値を設定でき、その値を超えると動作を停止する機能を持たせることで、機器の損傷を未然に防止できる。更に、手動の場合でも、各種監視信号のチェックやアラーム機能を利用することで、安全且つ効率的なジャッキアップ作業が可能となる。
なお、上記の実施例は複数本のジャッキネジを、それぞれ独立に駆動する構成であり、そのような構成が好ましいが、場合によっては複数本のジャッキネジを単一の駆動装置で連動させる構成も可能である。更に、ジャッキネジを中心に1本設置し、それによってジャッキアップする構成も可能である。
10 炉心
13 遮蔽プラグ
14 炉心上部機構
21 ガイド筒
22 プラスチック製バウンダリ
24 吊り蓋
30 ネジジャッキ装置
36 インフレータブルシール
37 仮サポート部材
40 ドアバルブ
41 遮蔽容器
42 建屋内天井クレーン
43 ワイヤ式揚重装置
50 仮蓋
51 仮蓋輸送容器

Claims (9)

  1. 高速炉の遮蔽プラグに形成されている貫通スリーブから炉心上部機構を引き抜き、新たな炉心上部機構を挿入固定する炉心上部機構の交換工法において、
    遮蔽プラグの上方に炉心上部機構が出入り可能なガイド筒を設置し、該ガイド筒を通して炉心上部機構をジャッキアップ装置でジャッキアップすることにより遮蔽プラグの貫通スリーブから引き上げる炉心上部機構のジャッキアップ工程、
    ジャッキアップした炉心上部機構を前記ガイド筒内で仮サポート部材により支持すると共に、ガイド筒内に装備されているシール機構で該ガイド筒内の上部と下部との間をシールし、その後、ガイド筒内上部を大気雰囲気にして前記ジャッキアップ装置を撤去し、ガイド筒上方にドアバルブを設置するジャッキアップ装置の撤去工程、
    開閉自在の下部蓋を備えた筒状の遮蔽容器を、建屋内天井クレーンにより前記ドアバルブに被せ、前記遮蔽容器内をArガスで置換した後、ガイド筒のシール機構を解除し、前記遮蔽容器の上部に設置したワイヤ式揚重装置により炉心上部機構を保持した状態で前記仮サポート部材を解放し、前記ワイヤ式揚重装置により炉心上部機構を引き上げて遮蔽容器内に収容する炉心上部機構の吊り上げ工程、
    前記下部蓋を閉じて遮蔽容器を密閉し、前記ドアバルブを閉止した後、建屋内天井クレーンを使用して遮蔽容器に収納した炉心上部機構を保管場所へ搬出する炉心上部機構の搬出工程、
    上部に仮蓋揚重装置を備え内部に仮蓋が収容されている仮蓋輸送容器を前記ドアバルブ上に設置し、前記仮蓋揚重装置で前記仮蓋を吊り降ろして、該仮蓋に装備されているナトリウム掻き落とし部材によって貫通スリーブに残っている固化したナトリウムを掻き落とし、その後、前記仮蓋を吊り上げ仮蓋輸送容器に収容してドアバルブを閉止し、仮蓋輸送容器を搬出する付着ナトリウムの除去工程、
    新しい炉心上部機構を収容したキャスクを建屋内天井クレーンで搬入して前記ドアバルブ上に設置し、前記キャスク上部に設置されているワイヤ式揚重装置によって新しい炉心上部機構を貫通スリーブに挿入し固定する新しい炉心上部機構の挿入工程、
    を有することを特徴とする炉心上部機構の交換工法。
  2. 前記ジャッキアップ工程では、遮蔽プラグの上方に設置した作業床から前記ガイド筒を吊設し、該ガイド筒の下部と遮蔽プラグとの間をプラスチック製バウンダリでシールし、ガイド筒内部をArガスに置換して作業を行う請求項1記載の炉心上部機構の交換工法。
  3. 前記ジャッキアップ工程では、上面に吊金具を備えた吊り蓋をスタッドボルトによって炉心上部機構の上部に取り付け、前記吊り蓋をジャッキアップ装置に結合することで、炉心上部機構の上部の既設機器との干渉を回避し、炉心上部機構を締結していた遮蔽プラグのボルト穴を利用してガイドボルトを植設し、このガイドボルトに沿ってジャッキアップするようにした請求項2記載の炉心上部機構の交換工法。
  4. 前記ジャッキアップ装置の撤去工程では、ガイド筒の側面から内方に向けて仮サポート部材を突出させることでガイド筒内に位置する吊り蓋を保持し、ガイド筒内面の吊り蓋外周に対応する高さに予め設置されているシール機構で吊り蓋外周面とガイド筒内面との間をシールする請求項3記載の炉心上部機構の交換工法。
  5. 前記ジャッキアップ装置は、ガイド筒の上部を塞ぐように設置したジャッキベースと、該ジャッキベースを貫通し下端部で吊り蓋を支持するジャッキネジを具備し、前記ジャッキベースに駆動装置とギア機構部を搭載し、前記ジャッキネジと螺合する回転ナットと前記ギア機構部とを噛合し、前記駆動装置により前記ギア機構部を介して前記回転ナットを回転駆動することでジャッキネジを昇降自在とし、前記吊り蓋を介して前記炉心上部機構を引き上げるようにしたネジジャッキ装置である請求項3又は4記載の炉心上部機構の交換工法。
  6. 複数本のジャッキネジが円周上に均等に配列され、各ジャッキネジにそれぞれ回転ナットが螺合し、各ジャッキネジ毎に専用の駆動装置とギア機構部が設けられ、各回転ナットの回転を独立に制御するように構成したネジジャッキ装置を用いる請求項5記載の炉心上部機構の交換工法。
  7. 前記ジャッキネジの本数が3本である請求項6記載の炉心上部機構の交換工法。
  8. 前記駆動装置は、電動機と減速機を組み合わせて、該減速機出力で前記回転ナットを駆動するように構成され、該回転ナットにより昇降するジャッキネジに荷重計と変位計が装備されているネジジャッキ装置を用いる請求項6又は7記載の炉心上部機構の交換工法。
  9. 前記駆動装置は、前記電動機のモータ軸と、手回しハンドルのハンドル軸とを、クラッチを介して結合した機構を備え、前記クラッチにより手動操作と自動制御の切り替えを可能としたネジジャッキ装置を用いる請求項8記載の炉心上部機構の交換工法。
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