JP6085736B2 - ディーゼルエンジンの燃料供給制御装置、ディーゼルエンジン及び燃料供給制御方法 - Google Patents
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Description
本明細書中においては、上記使用済の廃食油及び鉱物油の総称を「廃油」と表記する。
このような廃食油を精製して得られるバイオディーゼル燃料はカーボンニュートラルであるため環境負荷の少ない燃料として注目されている。
また、燃料価格が高いこと等が原因となってバイオディーゼル燃料の普及に遅れが生じている。
廃食油は一般的に粘度が高いため、例えば低温状況下でディーゼルエンジンを始動させた場合に燃料供給路内をスムーズに流れず、燃料供給が不安定になるおそれがある。したがって、廃食油を燃料供給路中で加熱することで適正な粘度に調整する技術が知られている。しかし、廃食油は加熱により酸化劣化し易いため、燃費悪化等の悪影響がでるおそれがある。
そこで、特許文献2には、低粘度の石油系燃料油と高粘度の非精製の廃食油を混合したものを燃料油とし、予め設定した粘度条件を満たしつつ且つ高粘度の非精製の廃食油の含有量が最大となるように、燃料油を加熱することなくその混合割合を補正していく技術が開示されている。これによれば、石油系燃料油と比較して価格及び二酸化炭素排出量の観点から有利な高粘度の非精製の廃食油を最大限に使用することができる。
すなわち、特許文献2に開示された技術は混合油の粘度に着目したものであり、ディーゼルエンジンへの供給に適した混合油の粘度条件を予め設定しておき、この粘度条件を満たすべく、混合割合と粘度と温度との対応関係を示す燃料マップを参照しながら混合割合を補正するものである。
したがって、予め設定しておいた粘度条件が適切でなかった場合や、ディーゼルエンジン運転中の環境変化(気温、湿度及び気圧の変化)や、廃食油の品質の変化及びバラツキに対応することが困難であるという問題があった。
したがって、ディーゼルエンジン運転中に燃料油の混合割合を正確に補正するには、使用予定の廃食油毎に燃料マップを作成する必要がある。換言すると、一種類の廃食油の原料に対して一種類の燃料マップを使用するものとすると、混合割合の補正を正確に行えず、ディーゼルエンジンを長期間にわたって安定して運転することが難しいという問題があった。
また、前記運転状態判定手段が、ディーゼルエンジンの排気温度に基づいて当該ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを判定することを特徴とする。
また、前記運転状態判定手段が、フライホイールの回転状態に基づいて当該ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを判定することを特徴とする。
また、前記運転状態判定手段が、ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かの判定を、ディーゼルエンジンの回転数の単位時間当たりの変動割合と、ディーゼルエンジンの排気温度と、フライホイールの回転状態のうち少なくとも一つに基づいて行うことを特徴とする。
本発明のディーゼルエンジンの燃料供給制御方法は、石油系燃料油と非精製の廃油とを混合し、当該混合油を燃料としてディーゼルエンジンに供給するディーゼルエンジンの燃料供給制御方法であって、運転状態判定手段が、ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを所定の時間間隔で判定すると共に当該判定結果を第1、第2・・・第n(nは正の整数)の判定情報として出力し続けるステップと、混合割合変更手段が、ディーゼルエンジンの運転が安定している旨及び今後不安定になる可能性がない旨の前記判定情報を受信する毎に前記廃油の混合割合を第1、第2・・・第n段と段階的に増加させていくステップと、混合割合変更手段が、ディーゼルエンジンの運転が不安定である旨又は今後不安定になる可能性がある旨の前記判定情報を受信した場合には、ディーゼルエンジンの運転が安定している旨及び今後不安定になる可能性がない旨の前記判定情報に基づいて決定された前記廃油の混合割合に対して2段階前の混合割合となるように前記廃油の混合割合を減少させ、記憶手段が当該減少させた状態での前記廃油の混合割合を最適な混合割合として記憶するステップとを備えることを特徴とする。
したがって、廃油をディーゼルエンジンの運転に不具合が生じない範囲内で、若干の安全マージンを取った混合割合で燃料として使用できるので、ディーゼルエンジンの運転コストを抑制し、且つ長期間安定して運転できる。廃油が比較的良質なものである場合は廃油の混合割合を90%程度と従来と比較して大幅に高めることができる。
また、温度、湿度等の周囲の環境の変化に起因して石油系燃料油及び非精製の廃油の質が変化した場合でも、当該変化に対応して混合割合を適当な値に調節するため、高温多湿地帯や寒冷地帯などの厳しい環境下でもディーゼルエンジンを長期間安定して運転できる。
また、当該ディーゼルエンジンの運転状態の判定をディーゼルエンジンの回転数の単位時間当たりの変動割合、ディーゼルエンジンの排気温度、フライホイールの回転状態に基づいて行う場合には、一般的なディーゼルエンジンが通常備えている機器を利用してこれらデータを得ることができるので、燃料供給制御装置の製造コストを抑えることができる。
次に本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に示すディーゼルエンジンの燃料供給制御装置10は、軽油等の石油系燃料油と、エステル化処理による改質を行っていない非精製の廃食油等の廃油とを混合し、この混合油をディーゼルエンジン20の燃料として供給するために使用するものである。
本実施の形態では発電機の駆動源として使用されるディーゼルエンジンに燃料供給制御装置を適用した例を示す。
ディーゼルエンジン20は、石油系燃料油と非精製の廃油との混合油を燃焼させることにより回転エネルギーを取り出すエンジン本体30と、エンジン本体30に混合油を供給する燃料供給手段40と、エンジン本体30に空気を供給する空気供給手段50と、エキゾーストマニホールド60を含んで構成される。
なお、燃料供給手段40からエンジン本体30に対して上記混合油ではなく、エンジンの駆動状況に応じて石油系燃料油のみを供給することもできるが、以下、混合油を供給する場合について主に説明する。
燃料供給手段40は、燃料供給ポンプ41と、噴射量制御装置(ガバナ一)42と、アクチュエータ43とを含んで構成される。
噴射量制御装置42は、後述するECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)80により制御されるアクチュエータ43によって駆動されるものであり、燃料供給ホンプ41から燃料噴射弁を介してシリンダ(図示省略)内に噴射される燃料の噴射量を調整する。
ディーゼルエンジン20の回転軸21の一端には、三相交流発電機22の回転軸23が継手24を介して連結されている。また、エンジン本体30には、ディーゼルエンジン20の回転数を検出する回転数検出器25が設けられている。
回転数検出器25は、回転軸26の一端に設けられ、外周縁の全周に亘り一定ピッチの突起が形成されてなる円盤形状のフライホイール25aと、このフライホイール25aの突起に近接して配置された回転センサ25bとから構成される。回転センサ25bは回転するフライホイール25aの突起を検知し、突起に対応した正弦波状の信号を生成する。この信号はECU80内の運転状態判定手段81にディーゼルエンジンの回転数算出用の情報として取り込まれる。
ディーゼルエンジンの燃料供給制御装置10は、図2に示すように運転状態判定手段81、混合割合変更手段82及び記憶手段83を含んで構成されており、更に、図1に示すように廃油を貯留する第1の燃料タンク11、石油系燃料油を貯留する第2の燃料タンク12、第1の燃料タンク11及び第2の燃料タンク12と繋がる燃料混合手段13、廃油量調節手段14、石油系燃料油量調節手段15、燃料切換バルブ16、ECU80、燃料リターン用切換バルブ17を備えている。なお、運転状態判定手段81、混合割合変更手段82及び記憶手段83はECU80内に格納されている。
液面計13cで検出される上限レベル及び下限レベルの信号はECU80に取り込まれ、廃油量調節手段14、石油系燃料油量調節手段15及び撹絆機13bの制御に供される。
石油系燃料油量調節手段15は、第2の燃料タンク12と燃料混合タンク13aの間を連通状態に接続する配管15aと、この配管15aの上流端側と下流端側にそれぞれ設けた開閉バルブ15b、15cと、第2の燃料タンク12からの石油系燃料油を燃料混合タンク13aに送給する電磁ホンプ15dと、電磁ホンプ15dからの石油系燃料油流量を制御する流量制御バルブ15eとを含んで構成されている。また、電磁ボンプ15d及び流量制御バルブ15eはECU80によって制御される。
燃料切換バルブ16は、燃料供給管41aに接続する管を混合油供給管13dと石油系燃料油供給管15fのいずれか一方に切り換えるために設けられており、ECU80から出力される指令信号に基づいて動作する。
なお、混合油供給管13dの上流側には開閉バルブ14fが設けられ、石油系燃料油供給管15fの上流側にも開閉バルブ15gが設けられている。
燃料リターン用切換バルブ17は、燃料戻し管41bに接続する管を混合油戻し管13eと石油系燃料戻し管15hのいずれか一方に切り換えるために設けられており、ECU80から出力される指令信号に基づいて動作する。
燃料供給ポンプ41から燃料噴射ノズルに供給される廃油のうち余剰分は燃料リターン用切換バルブ17の動作により混合油戻し管13eを介して燃料混合タンク13aに戻される。また、燃料供給ボンプ41から燃料噴射ノズルに石油系燃料油のみが供給される場合には、当該石油系燃料油のうち余剰分は燃料リターン用切換バルブ17の動作により石油系燃料戻し管15hを介して第2の燃料タンク12に戻される。
運転状態判定手段81はディーゼルエンジン20の運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを所定の時間間隔で判定し、判定結果を第1、第2・・・第n(nは正の整数)の判定情報として出力し続けるものである。
本実施の形態においては、運転状態判定手段81はディーゼルエンジン20の回転数の単位時間当たりの変動割合に基づいて上記判定を行う。
あるいは、回転数の変動は発電した電力の周波数の変動として表れるため、例えば電力の基準周波数を50Hzと定めると共に変動の許容範囲を48.5Hz〜50.5Hzと定めた上で、許容範囲を逸脱した場合に「ディーゼルエンジンの運転が不安定である」と判定し、許容範囲内で変動し続けている場合に「今後不安定になる可能性がある」と判定するものとしてもよい。
運転状態判定手段81は、この判定結果を単位時間が経過する度に第1、第2・・・第n(nは正の整数)の判定情報として混合割合変更手段82に出力し続ける。
単位時間の計測はECU80に接続するタイマー84によって行われる。タイマー84は単位時間の始期と終期に運転状態判定手段81に対して信号を出力し、運転状態判定手段81はこの信号を受信する度に上記回転数の単位時間当たりの変動割合を算出して、上記判定情報を出力する。
単位時間の設定は、燃料供給経路(混合油供給管13d、燃料供給管41a及び燃料供給ポンプ41)全てが当該混合割合の混合油で満たされるのに必要な時間と同程度あるいは少し長くするのが好ましく、経路の長さやポンプの能力等によって変動するものである。
具体的には、運転状態判定手段81から「ディーゼルエンジンの運転が安定している旨及び今後不安定になる可能性がない旨」の判定情報を受信する毎に、混合割合変更手段82は廃油量調節手段14の電磁ポンプ14d及び流量制御バルブ14eを制御すると共に、石油系燃料油量調節手段15の電磁ポンプ15d及び流量制御バルブ15eを制御して、第1の燃料タンク11から燃料混合タンク13aへ供給する廃油の量を増加させ、同時に第2の燃料タンク12から燃料混合タンク13aへ供給する石油系燃料油の量を減少させることで燃料中の廃油の混合割合を増加させる。
ここで、例えば、運転状態判定手段81から送信された第4の判定情報に基づいて廃油の量を増加させ石油系燃料油の量を減少させた場合には、その時点での混合割合を「第4段の混合割合」とし、次に第5の判定情報に基づいて廃油の量を増加させ石油系燃料油の量を減少させた場合には、その時点での混合割合を「第5段の混合割合」とする。このように運転状態判定手段81から「ディーゼルエンジンの運転が安定している旨及び今後不安定になる可能性がない旨」の判定情報が、第1、第2・・・第nの判定情報として出力される度に、混合割合変更手段82は廃油の混合割合を、第1、第2・・・第n段と段階的に増加させていく。
混合割合変更手段82によって廃油の混合割合が変更される度に、当該混合割合を記憶手段83が記憶していく。
具体的には、混合割合変更手段82は廃油量調節手段14の電磁ポンプ14d及び流量制御バルブ14eを制御すると共に、石油系燃料油量調節手段15の電磁ポンプ15d及び流量制御バルブ15eを制御して、第1の燃料タンク11から燃料混合タンク13aへ供給する廃油の量を減少させ、同時に第2の燃料タンク12から燃料混合タンク13aへ供給する石油系燃料油の量を増加させることで燃料中の廃油の混合割合を減少させる。
この際に、運転状態判定手段81から「ディーゼルエンジンの運転が不安定である旨又は今後不安定になる可能性がある旨」を第m(mは3以上の正の整数)の判定情報として出力された場合には、第(m−2)段目の廃油の混合割合を最適な混合割合として記憶手段83が記憶するのが好ましい。つまり「ディーゼルエンジンの運転が安定している旨及び今後不安定になる可能性がない旨」の判定情報に基づいて決定された廃油の混合割合に対して2段階前の混合割合を最適な混合割合とするのが好ましい。
なお、運転状態判定手段81から「ディーゼルエンジン20の運転が不安定である旨又は今後不安定になる可能性がある旨」を第m(mは3以上の正の整数)の判定情報として出力された場合に、第(m−1)段の廃油の混合割合を最適な混合割合としてもよいし、廃油の混合割合を一定値(例えば10%)減少させたものを最適な混合割合にしてもよい。
まず、操作者がディーゼルエンジン20を始動させた時点での燃料中の廃油の混合割合はゼロあるいは低く(例えば5%)抑えられている。
このステップ1での判定は、上述の通りディーゼルエンジン20の回転数の単位時間当たりの変動割合に基づいて行われる。
すなわち、単位時間が経過した時点で、タイマー84から単位時間の終期を告げる信号が運転状態判定手段81に出力されることにより、運転状態判定手段81では、回転数検出器25から出力された回転数算出用の情報に基づいて、単位時間当たりの回転数の変動割合を算出する。そして、算出した変動割合が予め設定している許容変動割合を逸脱している場合に(ステップ1において「YES」)、運転状態判定手段81は「ディーゼルエンジンの運転が不安定又は今後不安定になる可能性がある」と判定し、判定情報を混合割合変更手段82に送信すると共にステップ7に移行する。
そして、ステップ8において、混合割合変更手段82は当該減少させた状態での廃油の混合割合を最適な混合割合として決定すると共に、当該混合割合を記憶手段83が記憶する。
また、ステップ1において「NO」、すなわち「ディーゼルエンジンの運転が不安定又は今後不安定になる可能性がある」と判定しなかった場合にはステップ2に移行する。
ステップ2では、運転状態判定手段81は記憶手段83の記憶に基づき、混合割合が最適な状態になっているか否か、すなわち、記憶手段83に「最適な混合割合」が既に記憶されているか否かを判断する。
そして「最適な混合割合」が記憶されている(YES)と判断した場合にはステップ6へ移行する。
ステップ6では、廃油の混合割合を増減させずに維持することで一連のステップが終了し、その後は上記ステップ1に戻る。
一方、ステップ2において「最適な混合割合」がまだ記憶されていない(NO)と判断した場合にはステップ3へ移行する。
ステップ6では、廃油の混合割合を増減させずに維持して一連のステップが一旦終了し、その後は上記ステップ1に戻る。
また、ステップ4では、エンジン回転が安定しており(ステップ1で「NO」)、最適な混合割合が未だ記憶されておらず(ステップ2で「NO」)、変動割合の測定が終了している(ステップ3で「NO」)ことから、運転状態判定手段81は現時点での混合割合で「ディーゼルエンジンの運転が安定している及び今後不安定になる可能性がない」状態と判定し、この判定結果を第nの判定情報として混合割合変更手段82に出力すると共にステップ5に移行する。
なお、混合油中に占める廃油の最大割合(限界値)は廃油の種類毎に予め定められており、記憶手段83に記憶されている。したがって、最適な廃油の混合割合はこの限界値を超えない範囲で決定されることになり、廃油の混合割合が限界値に到達した場合には、当該限界値が最適な廃油の混合割合となる。
このように、「最適な混合割合」が一旦決定された後は原則当該最適な混合割合でディーゼルエンジンを安定的に運転し続けることになる。
しかし、最適な混合割合が決定された後でも、例えば廃油の一部に品質不良があった場合や、燃料供給路に一時的な目詰まりが発生した場合などにはディーゼルエンジンの運転が不安定になる場合がある。
本発明ではこのような場合を考慮して、一旦最適な混合割合を決定した後でも、ステップ1でディーゼルエンジンの運転が不安定等の場合はステップ7で廃油の混合割合を減らして、ステップ8で減らした後の混合割合を最適な混合割合として再記憶する。
つまり、廃油の混合割合を動的に変更するため、ディーゼルエンジンを長期間安定して運転することが可能となる。
つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明するが、上記第1の実施の形態と同様の構成になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、運転状態判定手段81が、ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを、当該ディーゼルエンジン20の排気温度に基づいて判定する点に特徴を有する。
温度センサ90で検出された各気筒の排気温度に関する信号は運転状態判定手段81に送信される。
運転状態判定手段81では、各気筒の排気温度に基づいてディーゼルエンジン20の運転状態を判定する。
つぎに、本発明の第3の実施の形態について説明するが、上記第1及び第2の実施の形態と同様の構成になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、図1に示すように、運転状態判定手段81が、ディーゼルエンジン20の運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを、フライホイール25aの回転状態に基づいてディーゼルエンジン20の各気筒の燃焼状態を判断し、判定する点に特徴を有する。
具体的には、上述の通り、フライホイール25aの外周縁全周に亘って形成した突起を回転センサ25bが検知して、当該突起に対応した正弦波状の信号(パルス)を運転状態判定手段81に送信している。
このように、フライホイール25aの回転状態に基づいて各気筒の燃焼状態を判断することで、ディーゼルエンジン20の運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを運転状態判定手段81が判定することができる。
図5は車両用のディーゼルエンジンに適用した場合の構成を示すものである。基本構成は上記各実施の形態で示したものと同様だが、ディーゼルエンジン20の出力が三相交流発電機22ではなく、ドライブシャフトや駆動輪等からなる車両駆動機構100に伝達される点及び噴射量制御装置42を駆動するためのアクチュエータ43を備えない点が相違する。なお、噴射量制御装置42は操作者がアクセルペダル(図示略)の踏み込み量を調節することで制御される。
11 第1の燃料タンク
12 第2の燃料タンク
13a 燃料混合タンク
14 廃油量調節手段
15 石油系燃料油量調節手段
20 ディーゼルエンジン
25 回転数検出器
25a フライホイール
25b 回転センサ
30 エンジン本体
40 燃料供給手段
50 空気供給手段
60 エキゾーストマニホールド
80 ECU
81 運転状態判定手段
82 混合割合変更手段
83 記憶手段
84 タイマー
90 温度センサ
100 車両駆動機構
Claims (8)
- 石油系燃料油と非精製の廃油とを混合し、当該混合油を燃料としてディーゼルエンジンに供給するディーゼルエンジンの燃料供給制御装置であって、
ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを所定の時間間隔で判定し、判定結果を第1、第2・・・第n(nは正の整数)の判定情報として出力し続ける運転状態判定手段と、
前記運転状態判定手段からの前記判定情報に基づいて前記石油系燃料油と前記廃油の混合割合を変更する混合割合変更手段と、
前記混合割合を記憶する記憶手段とを備え、
前記混合割合変更手段は、前記運転状態判定手段からディーゼルエンジンの運転が安定している旨及び今後不安定になる可能性がない旨の前記判定情報を受信する毎に前記廃油の混合割合を第1、第2・・・第n段と段階的に増加させていき、前記運転状態判定手段からディーゼルエンジンの運転が不安定である旨又は今後不安定になる可能性がある旨の前記判定情報を受信した場合には、ディーゼルエンジンの運転が安定している旨及び今後不安定になる可能性がない旨の前記判定情報に基づいて決定された前記廃油の混合割合に対して2段階前の混合割合となるように前記廃油の混合割合を減少させ、前記記憶手段が当該減少させた状態での前記廃油の混合割合を最適な混合割合として記憶することを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給制御装置。 - 前記運転状態判定手段が、ディーゼルエンジンの回転数の単位時間当たりの変動割合に基づいて当該ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料供給制御装置。
- 前記運転状態判定手段が、ディーゼルエンジンの排気温度に基づいて当該ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料供給制御装置。
- 前記運転状態判定手段が、ディーゼルエンジンの各気筒の排気温度を比較し、排気温度の最大値と最小値の差が一定割合又は一定量以上のときに当該ディーゼルエンジンの運転が不安定である又は今後不安定になる可能性があると判定することを特徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジンの燃料供給制御装置。
- 前記運転状態判定手段が、フライホイールの回転状態に基づいて当該ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料供給制御装置。
- 前記運転状態判定手段が、ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かの判定を、ディーゼルエンジンの回転数の単位時間当たりの変動割合と、ディーゼルエンジンの排気温度と、フライホイールの回転状態のうち少なくとも一つに基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料供給制御装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料供給制御装置を備えることを特徴とするディーゼルエンジン。
- 石油系燃料油と非精製の廃油とを混合し、当該混合油を燃料としてディーゼルエンジンに供給するディーゼルエンジンの燃料供給制御方法であって、
運転状態判定手段が、ディーゼルエンジンの運転が安定しているか否か及び今後不安定になる可能性があるか否かを所定の時間間隔で判定すると共に当該判定結果を第1、第2・・・第n(nは正の整数)の判定情報として出力し続けるステップと、
混合割合変更手段が、ディーゼルエンジンの運転が安定している旨及び今後不安定になる可能性がない旨の前記判定情報を受信する毎に前記廃油の混合割合を第1、第2・・・第n段と段階的に増加させていくステップと、
混合割合変更手段が、ディーゼルエンジンの運転が不安定である旨又は今後不安定になる可能性がある旨の前記判定情報を受信した場合には、ディーゼルエンジンの運転が安定している旨及び今後不安定になる可能性がない旨の前記判定情報に基づいて決定された前記廃油の混合割合に対して2段階前の混合割合となるように前記廃油の混合割合を減少させ、記憶手段が当該減少させた状態での前記廃油の混合割合を最適な混合割合として記憶するステップとを備えることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給制御方法。
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