JP6084780B2 - 自動cad設計システム、自動cad設計方法および自動cad設計プログラム - Google Patents

自動cad設計システム、自動cad設計方法および自動cad設計プログラム Download PDF

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Description

本発明は、自動CAD設計システム、自動CAD設計方法および自動CAD設計プログラムに関し、特に、敷地に適した建築物の構造や構成を自動的に規定する自動CAD設計システム、自動CAD設計方法および自動CAD設計プログラムに関するものである。
従来、建築業者(建設業者、工務店、マンション開発業者(デベロッパー)および、住宅販売会社などを含む)における営業スタッフの営業手法の1つとして、担当する営業地域を歩いて空き地や遊休地、或いは、駐車場などのような新規の住宅やビルなどの建築に適した土地を「売り込み先候補地」として見つけ出すという作業がある。候補地を見つけた後、営業スタッフは会社に戻り、当該候補地の住宅地図や公図などを入手し、社内の設計スタッフに候補地に建てる建築物のラフな平面図や立面図の作成を依頼する。或いは、需要な売り込み先候補地の場合には、「パース図」などの完成予想図を作成することもある。依頼を受けた設計スタッフは、CADなどの製図ソフトウェアを用いて候補地に適したラフな図面などを作成する。このようなラフ図面が完成してはじめて営業スタッフは、候補地の所有者である施主の所に図面を携えて訪問し、本来の営業活動を開始することになる。
このように、従来型の営業手法では、営業スタッフの候補地の捜索作業、設計スタッフの図面の作成作業、営業スタッフの営業活動という3段階の作業が必要であった。また、営業スタッフによる候補地探しは基本的に徒歩で回る必要があるため、非常に効率が悪く、必ずしも候補地を探しあてることもできない。候補地探しのため、本来業務である施主候補者へのセリングに費やす時間が不足したり、徒歩での候補地探しの効率の悪さによる候補地不足のため、セリングの機会も不足したりするという事態に至っている。また、候補地に建築する建物の設計は、営業スタッフ以外の専門の設計スタッフを必要とするため、これも複数のスタッフの作業になるため効率が悪い。
このような営業スタッフの労力や設計コストを低減し、営業活動を支援するCADシステムとして、本出願人により「CAD情報生成システム、その方法およびプログラム」(特許文献1を参照されたい。)という技法が開発されている。この従来技術は、候補地を探し出すという作業および候補地に適したラフなCAD図面やラフなコスト計算は可能である。
また、設計した建築物が建築可能空間に収容可能か否かを簡易に判別するために「建築物の設計方法および該設計方法を用いた建築物の製造方法」(特許文献2を参照されたい。)という技法が開発されている。
特開2011−198293号公報 特開平11−236770号公報
しかしながら、特許文献1による従来技術では、建築物の部屋割りや内部構造が不明であるため、施主候補者にとっても実際の最終建築物のイメージを持つことが難しく、さらには、実際の事業収益性を判断するための実用的なコスト試算(フィジビリティ試算)などには適しない。即ち、実用的なコスト試算や部屋割りが済んだ建築物3D表示(2D表示、パース図など)は、実際に設計士が図面を作成した後でなければ不可能である。このように、この従来技術は営業活動支援システムとして依然として機能不足である。
また、特許文献2による従来技術では、設計した建築物が建築可能空間に収容可能か否かを判定することは可能であるが、判定対象の建築物を自動設計したり、事業成功可能性(即ち、採算性)を見積もったり、事業成功可能性の判断に資するのに十分裏づけをもった数値を出力したり、判定したりする機能はない。即ち、この従来技術では、設計した建築物の内部構造や付随する施設は全く考慮せずに、当該敷地に候補の外枠だけの建築物を収容可能か否かを判定する。よって、当該従来技術では、建築物の内部構造や部屋割りなどを考慮した実用に使用し得るような、見積り、積算、事業成功可能性の判定などを行うことは極めて困難である。或いは、避難経路が法律に準拠しているのかを考慮した自動設計を行うことが不可能であった。また、現在では、フルカラーの建築用の立体プリンタが実用化されているが、これに出力して立体模型を作製できようなCADデータを自動設計することも従来技術では困難であった。
そこで、本発明の目的は、上述した諸課題を解決した自動CAD設計システム、自動CAD設計方法および自動CAD設計プログラムを提供することである。
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
敷地を規定する敷地情報(面積、形状、方位、接道状況、角地情報、地理的情報など)、および、建築物タイプ情報(例えば、ワンルームマンションタイプ、1Kタイプ、2LDKタイプ、事務所タイプ、ホールタイプ、店舗タイプ、ホテルタイプ、上記タイプを複数含む複合タイプなど)を取得する取得部と、
少なくとも容積率を含む集団規定情報、および、各建築物タイプ情報に関連付けられた少なくとも1つの個別ユニットを規定する個別ユニット情報(例えば、1K、2LDK、会議室、事務所、応接室、機械室、エレベータ、エレベータ室、下水ユニット、駐車設備ユニット、駐輪施設ユニット、階段、屋根、屋上、床面、基礎などのユニットタイプ)を格納する記憶部と、
前記取得した敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する抽出部と、
前記取得した敷地情報に基づき、抽出した集団規定情報(建蔽率、容積率、斜線規制、高さ制限、日影規制など)を参照して、前記敷地上に建築可能な建築物の存在可能空間を求める空間計算部と、
前記取得した建築物タイプ情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計する自動設計部と、
を有する。
第2の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記敷地情報が、前記敷地の地理的情報(用途地域情報、住所、緯度経度情報、方位、方角など)、および/または、前記敷地の接道情報(接道面の長さ、接している道路の幅など)を含み、
前記抽出部が、
前記取得した、前記敷地の地理的情報、および/または、前記敷地の接道情報を含む敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する、
ことを特徴とする。
ここで、敷地情報は、GPS機能部を有する携帯端末(携帯電話、スマートフォンなど)で敷地の幾つかの地点でGPS測量して、敷地の地理的情報(緯度経度高度、これらの情報を演算した敷地面積、方位など)を取得することが好適である。その際には、GPS衛星のみならずの地上のGPS基地局や携帯電話の基地局も活用して、測位精度を向上させることが好適である。さらに敷地のみならず、敷地に接している道路の情報も道路上で幾つかの地点を取得するGPS測量で取得することが好適である。
また、第3の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記個別ユニットが、
中廊下ユニット(例えば、中廊下の寸法情報など)と、少なくとも1つの部屋を含む部屋ユニット(例えば、1K、2LDK,3LDKなどの個別住居、事務所、ホテルの居室、会議室など)とを含み、
前記自動設計部は、
前記敷地情報で規定される敷地の面積が、所定の数値未満のときは、
敷地の形状(または存在可能空間)に基づき建築物外周形状を作成し、建築物の平面的な重心を求め、該重心を通るように前記中廊下ユニットを配置し、前記部屋ユニットを前記中廊下ユニットの長手方向の両辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する(好適には存在可能空間に入るように)、
ことを特徴とする。
また、第4の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記個別ユニットが、
バルコニーユニット(例えば、バルコニーの基本形状および寸法情報など)と、部屋ユニット(例えば、1K、2LDK,3LDKなどの個別住居、十坪事務所、20坪事務所など)とを含み、
前記自動設計部は、
前記敷地情報で規定される敷地の面積が、所定の数値以上のときは、敷地の少なくとも一辺(好適には接道辺、公園や空き地などの見晴がよい隣接地に面した辺、或いは、南向きの一辺)に沿って前記バルコニーユニットを配置し、前記部屋ユニットを前記バルコニーユニットの長手方向の敷地内側の一辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する(好適には存在可能空間に入るように)、
ことを特徴とする。
また、第5の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記取得部が、
前記敷地情報に規定される敷地の地理的情報に基づき、外部のサーバから該敷地に適用される集団規定情報をさらに取得し、
前記抽出部が、
前記取得した集団規定情報を、該敷地に適用される集団規定情報として抽出する、
ことを特徴とする。
また、第6の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記個別ユニットが、
避難階段ユニットと、少なくとも1つの部屋と玄関を含む部屋ユニットと、部屋ユニットの玄関と別の部屋ユニットの玄関とを接続する通路ユニットとを含み、
前記記憶部が、
部屋ユニットの玄関から通路ユニットを経た避難階段ユニットまでの距離(例えば、30m以内、40m以内、準耐火のホテルでは50m以内など)、または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数(例えば、ホテルは2個以上、共同住宅の5階以上は2個以上、階数や延床面積などに応じて設定された個数など)を規定する避難経路設定情報を含む単体規定情報をさらに格納し、
前記自動設計部が、
自動設計された建築物の各部屋ユニットの各玄関から避難経路である避難階段ユニット(非常階段)までの距離が前記避難経路設定情報で規定された距離を満たすように、および/または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数を満たすように、前記建築物に少なくとも1つの非常階段ユニットを配置する、
ことを特徴とする。
また、第7の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記記憶部が、
複数の個別ユニットを含む建築物の1階分の複数のパターン化CAD情報をさらに格納し、
前記自動CAD設計システムが、
前記複数のパターン化CAD情報から選択される1つのパターン化CAD情報の指定を受け付ける第一の入力受付部をさらに有し、
前記自動設計部が、
前記受け付けたパターン化CAD情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、前記パターン化CAD情報の少なくとも一部を含む階層を順次積み上げて建築物を前記存在可能空間内で自動設計する、
ことを特徴とする。
また、第8の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記記憶部が、
個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報(例えば、基礎工事の坪単価情報、3階建ての基本坪単価情報、5階建ての坪単価情報、付随する設備費用、設備工事費など)をさらに格納し、
前記自動CAD設計システムが、
複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、前記ユニット単価情報、および/または、前記建築単価情報を参照して、該建築物の建築費用を計算する見積算出部をさらに有する、
ことを特徴とする。
また、第9の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記記憶部が、
コストおよび/または仕様が異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報、前記建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し、
前記自動CAD設計システムが、
前記複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける第二の入力受付部をさらに有し、
前記自動設計部が、
受け付けた建築グレードの入力に基づき、自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する、
ことを特徴とする。
また、第10の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記記憶部が、
コストおよび/または仕様が異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報と、
前記建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し
前記自動CAD設計システムが、
前記複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける第二の入力受付部をさらに有し、
前記自動設計部が、
受け付けた建築グレードの入力に基づき、建築物の自動設計を実行し、該建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する、
ことを特徴とする。
また、第11の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記記憶部が、
個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎、および/または、地域毎の賃貸標準単価情報をさらに格納し、
前記取得部が、
建設費用の頭金と、融資金利と、地域或いは住所の少なくとも一部をさらに取得し、
前記見積算出部が、
計算された建築費用と、取得された頭金と融資金利とに基づき、前記建築物に含まれる個別ユニットの少なくとも1つを、前記取得された地域或いは住所の少なくとも一部に基づき求めた賃貸標準単価情報で規定される賃料で賃した場合の時系列の収支計画を計算する(最終的には収支表として出力する)、
ことを特徴とする。
また、第12の発明による自動CAD設計システム(装置)は、
前記記憶部が、
収支計画による賃貸事業の事業採算性を評価するためのフィジビリティルールを規定するフィジビリティルール情報をさらに格納し、
前記見積算出部が、
前記フィジビリティルール情報に基づき前記見積算出部により計算された収支計画の事業採算性を評価する(例えば、事業の成功可能性80%(事業失敗リスクが20%)、95%の成功可能性などの事業の成否をリスク評価する)、
ことを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段をシステム(装置)として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。なお、下記の方法やプログラムの各ステップは、データの処理においては必要に応じて、CPU、DSPなどの演算処理装置(プロセッサ)を使用するものであり、入力したデータや加工・生成したデータなどを磁気テープ、HDD、メモリなどの記憶装置に格納するものである。
例えば、第13の本発明によるプログラムは、コンピュータを第1〜12の自動CAD設計システムとして機能させる自動CAD設計プログラムとして実現させたものである。
例えば、本発明を方法として実現させた第14の発明によるコンピュータを用いた自動CAD設計方法は、
敷地を規定する敷地情報(面積、形状、方位、接道状況、角地情報、地理的情報など)、および、建築物タイプ情報(例えば、ワンルームマンションタイプ、1Kタイプ、2LDKタイプ、事務所タイプ、ホールタイプ、店舗タイプ、ホテルタイプ、上記タイプを複数含む複合タイプなど)を取得する取得ステップと、
少なくとも容積率を含む集団規定情報、および、各建築物タイプ情報に関連付けられた少なくとも1つの個別ユニットを規定する個別ユニット情報(例えば、1K、2LDK、会議室、事務所、応接室、機械室、エレベータ、エレベータ室、下水ユニット、駐車設備ユニット、駐輪施設ユニット、階段、屋根、屋上、床面、基礎などのユニットタイプ)を格納する格納ステップと、
前記取得した敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する抽出ステップと、
前記取得した敷地情報に基づき、抽出した集団規定情報(建蔽率、容積率、斜線規制、高さ制限、日影規制など)を参照して、前記敷地上に建築可能な建築物の存在可能空間を求める空間計算ステップと、
前記取得した建築物タイプ情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内(建築可能空間内)で自動設計する自動設計ステップと、
を有する。
また、第15の発明による自動CAD設計方法は、
前記敷地情報が、前記敷地の地理的情報(用途地域情報、住所、緯度経度情報、方位、方角など)、および/または、前記敷地の接道情報(接道面の長さ、接している道路の幅など)を含み、
前記抽出ステップが、
前記取得した、前記敷地の地理的情報、および/または、前記敷地の接道情報を含む敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する、
ことを特徴とする。
また、第16の発明による自動CAD設計方法は、
前記個別ユニットが、
中廊下ユニット(例えば、中廊下の寸法情報など)と、少なくとも1つの部屋を含む部屋ユニット(例えば、1K、2LDK,3LDKなどの個別住居、事務所、ホテルの居室、会議室など)とを含み、
前記自動設計ステップは、
前記敷地情報で規定される敷地の面積が、所定の数値未満のときは、敷地の形状(または存在可能空間)に基づき建築物外周形状を作成し、建築物の平面的な重心を求め、該重心を通るように前記中廊下ユニットを配置し、前記部屋ユニットを前記中廊下ユニットの長手方向の両辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する(好適には存在可能空間に入るように)、
ことを特徴とする。
また、第17の発明による自動CAD設計方法は、
前記個別ユニットが、
バルコニーユニット(例えば、バルコニーの基本形状および寸法情報など)と、部屋ユニット(例えば、1K、2LDK,3LDKなどの個別住居、十坪事務所、20坪事務所など)とを含み、
前記自動設計ステップは、
前記敷地情報で規定される敷地の面積が、所定の数値以上のときは、敷地の少なくとも一辺(好適には接道辺、或いは、南向きの一辺)に沿って前記バルコニーユニットを配置し、前記部屋ユニットを前記バルコニーユニットの長手方向の敷地内側の一辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する(好適には存在可能空間に入るように)、
ことを特徴とする。
また、第18の発明による自動CAD設計方法は、
前記取得ステップが、
前記敷地情報に規定される敷地の地理的情報に基づき、外部のサーバから該敷地に適用される集団規定情報をさらに取得し、
前記抽出ステップが、
前記取得した集団規定情報を、該敷地に適用される集団規定情報として抽出する、
ことを特徴とする。
また、第19の発明による自動CAD設計方法は、
前記個別ユニットが、
避難階段ユニットと、少なくとも1つの部屋と玄関を含む部屋ユニットと、部屋ユニットの玄関と別の部屋ユニットの玄関とを接続する通路ユニットとを含み、
前記格納ステップが、
部屋ユニットの玄関から通路ユニットを経た避難階段ユニットまでの距離(30m以内、40m以内、準耐火のホテルでは50m以内など)、または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数(ホテルは2個以上、共同住宅の5階以上は2個以上、階数や延床面積などに応じて設定された個数など)を規定する避難経路設定情報を含む単体規定情報をさらに格納し、
前記自動設計ステップが、
自動設計された建築物の各部屋ユニットの各玄関から避難経路である避難階段ユニット(非常階段)までの距離が前記避難経路設定情報で規定された距離を満たすように、および/または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数を満たすように、前記建築物に少なくとも1つの非常階段ユニットを配置する、
ことを特徴とする。
また、第20の発明による自動CAD設計方法は、
前記格納ステップが、
複数の個別ユニットを含む建築物の1階分の複数のパターン化CAD情報をさらに格納し、
前記自動CAD設計方法が、
前記複数のパターン化CAD情報から選択される1つのパターン化CAD情報の指定を受け付ける第一の入力受付ステップをさらに有し、
前記自動設計ステップが、
前記受け付けたパターン化CAD情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、前記パターン化CAD情報の少なくとも一部を含む階層を順次積み上げて建築物を前記存在可能空間内で自動設計する、
ことを特徴とする。
また、第21の発明による自動CAD設計方法は、
前記格納ステップが、
個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報(基礎工事の坪単価情報、3階建ての基本坪単価情報、5階建ての坪単価情報、付随する設備費用、設備工事費など)をさらに格納し、
前記自動CAD設計方法が、
複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、前記ユニット単価情報、および/または、前記建築単価情報を参照して、該建築物の建築費用を計算する見積算出ステップをさらに有する、
ことを特徴とする。
また、第22の発明による自動CAD設計方法は、
前記格納ステップが、コストおよび/または仕様が異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報、前記建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し、
前記自動CAD設計方法が、
前記複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける第二の入力受付ステップをさらに有し、
前記自動設計ステップが、
受け付けた建築グレードの入力に基づき、自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する、
ことを特徴とする。
また、第23の発明による自動CAD設計方法は、
前記格納ステップが、
コストおよび/または仕様が異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報、前記建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し、
前記自動CAD設計方法が、
前記複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける第二の入力受付ステップをさらに有し、
前記自動設計ステップが、
受け付けた建築グレードの入力に基づき、建築物の自動設計を実行し、該建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する、
ことを特徴とする。
また、第24の発明による自動CAD設計方法は、
前記格納ステップが、
個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎、および/または、地域毎の賃貸標準単価情報をさらに格納し、
前記取得ステップが、
建設費用の頭金と、融資金利と、地域或いは住所の少なくとも一部をさらに取得し、
前記見積算出ステップが、
計算された建築費用と、取得された頭金と融資金利とに基づき、前記建築物に含まれる個別ユニットの少なくとも1つを、前記取得された地域或いは住所の少なくとも一部に基づき求めた賃貸標準単価情報で規定される賃料で賃した場合の時系列の収支計画を計算する(最終的には収支表として出力する)、
ことを特徴とする。
また、第25の発明による自動CAD設計方法は、
前記格納ステップが、
収支計画による賃貸事業の事業採算性を評価するためのフィジビリティルールを規定するフィジビリティルール情報をさらに格納し、
前記見積算出ステップが、
前記フィジビリティルール情報に基づき前記見積算出部により計算された収支計画の事業採算性を評価する(例えば、事業の成功可能性80%(事業失敗リスクが20%)、95%の成功可能性などの事業の成否をリスク評価する)、
ことを特徴とする。
本発明によれば、敷地情報からその敷地情報に応じた建築物を自動設計することが可能となる。
図1は、本発明の一実施態様による自動CAD設計システムの概要を示すブロック図である。 図2は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図3は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の概要を示す模式図である。 図4は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の概要を示す模式図である。 図5は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図6は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図7は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図8は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図10は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。こ 図11は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理と並行して実行される処理を示すフローチャートである。 図12は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図13は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図14は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図15は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図16は、1階の階層ブロックと2階の階層ブロックとをそれぞれ説明する模式図である。 図17は、1階の階層ブロック(店舗)と2階の階層ブロックとをそれぞれ説明する模式図である。 図18は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図19は、図18の処理で敷地面積が小さいと判定された場合の処理による個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図20は、敷地面積が小さい場合に効率良く自動設計する別ロジックによる個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。 図21は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の概要を示す模式図である。 図22は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の概要を示す模式図である。 図23は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図24は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図25は、本発明の一実施態様による自動CAD設計システムの概要を示すブロック図である。 図26は、図25に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図27は、複数の個別ユニットを含む建築物の1階分の複数のパターン化CAD情報PCIを示す説明図である。 図28は、与えられる情報や条件に応じて建築物が自動設計されることを説明するための説明図である。 図29は、与えられた情報や条件に応じて付随施設を含む建築物が自動設計されることを説明するための説明図である。 図30は、斜線規制、建蔽率、セットバック、高さ制限などの規制をクリアしているかをチェックするために建築物オブジェクト(個別ユニット)を拡大または厚さを増す処理を説明する模式図である。 図31は、地盤調査に応じた仮想支持層への杭を自動設計する様子を示す模式図である。 図32は、自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図33は、本システムの概略を説明するための概略図である。 図34は、本システムの概略の一部を説明するための概略図である。 図35は、本システムの概略の一部を説明するための概略図である。 図36は、本システムのスクリーンインターフェイスを説明するための概略図である。 図37は、本システムのスクリーンインターフェイスを説明するための概略図である。 図38は、本システムのスクリーンインターフェイスを説明するための概略図である。 図39は、本システムのスクリーンインターフェイスを説明するための概略図である。 図40は、本システムのスクリーンインターフェイスを説明するための概略図である。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施態様による自動CAD設計システムの概要を示すブロック図である。図に示すように、自動CAD設計システム100(ACDS)は、制御部(CPU、プロセッサ)110、記憶部120、入力部IN、出力部OUT、通信部COM、および、表示部DISを有する。制御部110は、敷地を規定する敷地情報(面積、形状、方位、接道状況、角地情報、地理的情報など)、および、建築物タイプ情報(例えば、ワンルームマンションタイプ、1Kタイプ、2LDKタイプ、事務所タイプ、ホールタイプ、店舗タイプ、ホテルタイプ、上記タイプを複数含む複合タイプなど)を取得する取得部ACQを有する。記憶部120は、少なくとも容積率を含む集団規定情報GRI、および、各建築物タイプ情報(或いは、建築物に関する諸条件である、間口の幅、奥行き、バルコニー有無やそのサイズ、窓の有無やそのサイズ、部屋面積、部屋割りである2居室+キッチンを示す2K、3部屋+リビング、ダイニングキッチンを示す3LDKなど、ユニットバス付きなど)に関連付けられた少なくとも1つの個別ユニットを規定する個別ユニット情報UI(例えば、1K、2K、2LDK、3LDK,会議室、事務所、応接室、機械室、エレベータ、エレベータ室、下水ユニット、汚水タック、共用トイレ、駐車設備ユニット、駐輪施設ユニット、階段、屋根、屋上、床面、基礎などのユニットタイプ)を格納する。個別ユニットのなかで最も重要なものは、一戸の事務所や住居の単位となる1K、2LDK、3DLK、事務所スペース(15坪タイプ、20坪タイプなど)などの成長対象の個別ユニットである。この個別ユニットを部屋ユニットと称することがある。本システムは、これらの成長対象の個別ユニットを与えられた敷地条件や建築タイプに応じて、自動抽出し、自動配置し、自動成長させ、最終的な建築物の3DCADオブジェクトを自動生成することが可能である。
制御部110は、抽出部EXT、空間計算部SPC、および自動設計部AUDをさらに有する。抽出部EXTは、取得した敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する。空間計算部SPCは、取得した敷地情報に基づき、抽出した集団規定情報(建蔽率、容積率、斜線規制、高さ制限、日影規制など)を参照して、敷地上に建築可能な建築物の存在可能空間を求める。自動設計部AUDは、取得した建築物タイプ情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、複数の個別ユニットを含む建築物を存在可能空間内で自動設計する。
取得部ACQは、通信部COM、ネットワークNETを介して、住所、緯度経度、地域名などの地理的な検索キーに基づき地理的情報を提供する地理的情報サーバGISから、地理的情報(例えば、敷地形状、接道情報、または隣接地情報を含む)として地図、住宅地図、公図などを取得すること、および、取得した地理的情報を記憶部120に格納したり、格納済みの情報を更新したりすることが可能である。また、取得部ACQは、通信部COM、ネットワークNETを介して、建築制限情報サーバCLSから、最新の集団規定情報を取得して、抽出部EXTの抽出処理に利用したり、記憶部120の情報を更新したりすることが可能である。
建築規制情報サーバCLSは、地理的情報サーバGISに包含されていてもよいし、地理的情報サーバGISの機能を包含していてもよい。建築規制情報サーバCLSや地理的情報サーバGISは、設計事務所、建築CADソフトウェア会社、地方自治体、国、公共機関が管理する建築法規関連サーバとすることが好適である。例えば、本システムは、地方自治体のサーバのアドレスやデータフォーマットを規定したアクセス手順を記憶部に格納してあり、そのサーバから住所をキーとして敷地の形状、面積、方角などを抽出したり、その敷地の用途地域、集団規定などの建築規制情報を抽出したりできる。本システムは、必要に応じてそのような外部サーバである幾つかの建築規制情報サーバCLSや地理的情報サーバGISにアクセスして必要な情報を参照したり、取得したりして、記憶部に格納しておくことが可能である。例えば、ある敷地情報として住所や緯度経度が入力された場合には、原則的な法令(集団規定)としては建築基準法を用いるが、当該住所の管轄自治体のウェブサイトを建築規制情報サーバCLSや地理的情報サーバGISを参照して(或いは記憶部にある地域別に規定された集団規定情報や単体規定情報)、当該地域の当該敷地に建築される建築物に適用されるべき法規制(集団規定や単体規定)を抽出して、抽出した法規制に基づく自動設計を行うことが可能である。即ち、典型的には、原則の建築基準法、自治体が定めた都市計画による設定規制、そして、自治体が定めた条例などの規制の優先順位(後者のものほど優先適用される)で、規制や設定数値などが更新されるが、本システムは、このような複雑な法規制の適用関係を容易かつ正確に決定し、その適用関係に基づく自動設計が可能である。
また、このとき、表示部に当該敷地の当該建築物に適用される法規制を表示して、設計者の参考に資することが可能である。例えば、建築基準法であれば10メートルの高さ規制や日影規制がある建築物であっても、区や市のような自治体の条例によって、規制緩和されて、より高い12メートルや30メートルの建築物や、より高い容積率や耐火構造にすることによってより大きな建蔽率を適用されることがあるが、そのような詳細な自治体による法規制の適用や非期用について、本システムは自動的に把握して、それに基づく自動設計を行うことが可能である。また、自動設計で作成された建築物に応じて適用される法規制は変動するが、本システムは、自動設計で作成される建築物に応じて、適用される法規制を動的に変動させて、自動設計される建築物が規制をクリアした適法建築物であることを保証することが可能である。
通信部COMは、建築会社の営業スタッフ、設計スタッフが持つ端末PC1,PC2、携帯端末PDA1.携帯電話端末MS1と接続し、情報のやり取りが可能である。出力部OUTは、プリンタPRNに本サーバに格納される情報や生成された情報を出力することができる。表示部DISも、本サーバに格納される情報や生成された情報を表示することができる。入力部INは、マウスMUSやキーボードKBDを介して入力される操作指示や情報入力を受け付ける。
このように、生成した情報や中間データおよび取得したデータを外部に送信したり、表示部に表示したり、生成した情報や中間データおよび取得したデータなどを記憶部に格納したりすることは、後述する他の実態態様でも同様に可能であることに注意されたい。なお、本システム(装置)は、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、サーバ、PCなどのコンピュータ、或いは、これらコンピュータに本システムの機能や処理手順(方法)をコンピュータ上で実現(実行)するプログラムモジュールをコンピュータが持つCPUや記憶部に保持したり、外部のサーバやストレージから読み込んだりすることで、コンピュータ上に本システムを構築することが好適であり、後続の各実施態様においても同様である。
図2は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、ステップS11にて、取得部ACQが、敷地を規定する敷地情報、および、建築物タイプ情報を取得する。次に、ステップS12にて、少なくとも容積率を含む集団規定情報、および、各建築物タイプ情報に関連付けられた少なくとも1つの個別ユニットを規定する個別ユニット情報を格納する。この格納ステップは、予め一回実施しておけば省略することが可能である。ステップS13にて、抽出部EXTは、取得した敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する。その後、ステップS14にて、空間計算部SPCは、取得した敷地情報に基づき、抽出した集団規定情報(建蔽率、容積率、斜線規制、高さ制限、日影規制など)を参照して、前記敷地上に建築可能な建築物の存在可能空間を求める。或いは、その敷地に適合した集団規定情報は、手動でユーザが抽出してもよい。最後に、ステップS15にて、自動設計部AUDは、記取得した建築物タイプ情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計する。ちなみに自動設計された建築物は、表示部DISにより表示されたり、通信部COMを介して接続される外部の端末やPCなどに送信され、当該端末の表示部に表示されたりする。
上述したうように、ステップS12などの格納ステップは、一回実施しておけば、その情報が変更されるまでは再実施する必要はない。或いは、格納ステップは、当該情報を格納したROMやフラッシュメモリをシステム(装置やコンピュータ)に搭載することで不要となる。
図3は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の概要を示す模式図である。図に示すように、本システムは、敷地SITE10を示す敷地情報を取得する。記憶部の集団規定情報GRIから敷地に対応する集団規定情報として「容積率:900%、高さ制限:10m」が抽出される。集団規定情報に基づき、敷地SITE10上に、建築可能空間AVS10(建築物存在可能空間)が設定(計算)される。次に、また、記憶部の個別ユニット情報UIから、指定された諸条件(建築物タイプ情報)に対応する個別ユニット情報として個別ユニットUI10が抽出される。この例では、個別ユニットは、そのまま1階層分のブロックとして使用可能なものである。抽出された個別ユニットUI10は、敷地SITE10の建築可能空間AVS10内に配置される。配置された個別ユニットUI10は、敷地SITE10内で平面的な複製(成長)を試行されるが、この例では、建築可能空間AVS10の平面内では成長余地がないため、平面的には複製されない。そこで、平面的な複製(成長)の試行を停止し、1階の階層分のブロックが決定される。次に、1階の階層ブロックが、建築可能空間内でかつ容積率の制限内で上方に順次複製される。この例では、自動設計により、容積率:900%、高さ制限:10mのどちらかで制限されるまで、階層を増やす。このようにして自動設計された9階建ての建築物OBJ10の建築費用を算出して、最終的な事業成功可能性を判断する。
図4は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の概要を示す模式図である。図に示すように、本システムは、敷地SITE20を示す敷地情報を取得する。記憶部の集団規定情報GRIから敷地に対応する集団規定情報として「容積率:900%、高さ制限:10m」が抽出される。集団規定情報の一部(この場合は、高さ制限)に基づき、敷地SITE20上に、建築可能空間AVS20(建築物存在可能空間)が設定(計算)される。次に、また、記憶部の個別ユニット情報UIから、指定された諸条件(建築物タイプ情報)に対応する個別ユニット情報として個別ユニットUI20が抽出される。個別ユニットUI20は、1つの独立した部屋ユニットであり、水平方向の4面のうちの1面が開口部(窓がある部分)、玄関部(玄関が設置された部分)、接続部(壁)となっており、接続部に部屋ユニットなどの個別ユニットを連結可能となっている。抽出された個別ユニットUI20は、敷地SITE20の建築可能空間AVS20内に配置される。配置された個別ユニットUI20は、敷地SITE20内で平面的な複製(成長)を試行されるが、この例では、建築可能空間AVS20の平面内では2つの成長余地があるため、平面的には2つだけ複製される。そこで、平面的な複製(成長)の試行を停止し、3個の個別ユニットUI20を含む1階の階層分のブロックBLK20が構築(生成)される。階層ブロックには、通常、廊下、階段、エレベータなどを含むが、作図、説明の便宜上ここでは省略するものとする。次に、1階の階層ブロックBLK20が、建築可能空間および容積率の制限内で上方に順次複製される。この例では、自動設計により、容積率:900%、高さ制限:10mのどちらかで制限されるまで(この例では、容積率の制限まで)、階層ブロックを積み上げていく。ここでは、階層ブロックBLK20−1、BLK20−2、…、BLK20−8と8個の階層ブロックが積み上げられ、9階建ての建築物OBJ20が自動構築(生成)される。このようにして自動設計された9階建ての建築物OBJ20の建築費用を算出して、最終的な事業成功可能性を判断する。例えば、個別ユニットの単価情報が1000万円である場合、この単価に個別ユニット数の27を乗ずれば、概算建築費用2億7千万円を自動見積りの概算コスト計算機能で求めることが可能である。
図5は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、道路RD30に接する敷地SITE30に対しては、本システムは、与えられた条件(建築物タイプ)に基づき、個別ユニットとしてバルコニーと、個別ユニットUI30とを抽出する。バルコニーは、長手方向の長さを伸縮可能なCAD部材である。このバルコニーは敷地の道路側に配置され、その辺の端部から他端部まで伸ばされバルコニーBLKN30として配置される。そして、バルコニーBLKN30の長手方向の敷地内側の一辺の端部に個別ユニットUI30が配置され、所定の自動設計ルール(例えば、敷地または建築可能空間において個別ユニットのうちの部屋ユニットの複製を最大限繰り返すなど)に基づき、複製される。なお、図示しないが、個別ユニットUI30は、その内部にバルコニー側に開口部(窓ユニット)およびその対抗する辺に玄関部(玄関ユニット)を有すること、さらには、その内部の部屋構成(例えば、20平方mのリビング、10平方mのキッチン、8平方mのユニットバスなど)を含むが好適である。或いは、CAD情報としてユニットを含ませなくても、玄関部や開口部がユニット内のどの位置に存在するのかをデータとして格納しておき、後述する避難経路の計算などに用いることが好適である。また、直通解題の避難経路以外に、予備の避難経路を設けるために、バルコニーユニットBLKN30には、緊急避難ハシゴユニットを含ませることが好適である。また、例えば、バルコニーユニットBLKN30は、バルコニーを仕切る仕切り板PTN30Nを設けて個別ユニットに対応するバルコニー部を分離して、各部屋の独立性を保持することが好適である。そして、個別ユニットUI30、UI30−1、UI30−2、UI30−3、UI30−4のバルコニーの側とは反対側に、廊下ユニットCLD30が自動配置される。このようにして、階層ブロックBLK30が自動設計される。この階層ブロックBLK30を垂直方向に積み重ねて、建築可能空間或いは容積率の制限値の範囲内で自動設計される。ここでは直通の非常階段(避難経路)は考慮されていないが、部屋割りが済んだ概略のCAD図面を描画することが可能であり、さらに、各個別ユニットの単価を積算して概算コストを求めることも可能である。もちろん、総建築坪数を求めて坪単価などでの概算見積りも可能である。
図6は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、道路RD30―Mに接する敷地SITE30−Mに対しては、本システムは、与えられた条件(建築物タイプ)に基づき、個別ユニットとして、バルコニーユニットMLKN30−Mと、廊下ユニットCLD30−Mとを含む部屋ユニットである個別ユニットUI30−Mを抽出する。この個別ユニットは、バルコニーと廊下とを合体した部屋ユニットであるため、自動設計の処理や成長ロジックの構成を簡便にすることが可能となる。バルコニーは敷地の道路側に配置される。個別ユニットUI30−Mは、所定の自動設計ルール(例えば、敷地または建築可能空間において個別ユニットのうちの部屋ユニットの複製を最大限繰り返すなど)に基づき、複製される。そして、個別ユニットUI30−Mは、4個複製して連結されて1つの階層ブロックBLK30−Mが自動設計される。この階層ブロックBLK30−Mを垂直方向に積み重ねて、建築可能空間或いは容積率の制限値の範囲内で自動設計される。ここでは、非常階段(避難経路)は考慮されていないが、部屋割りが済んだ概略のCAD図面を描画することが可能であり、さらに、各個別ユニットの単価を積算して概算コストを求めることも可能である。もちろん、総建築坪数を求めて坪単価などでの概算見積りも可能である。
図7は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、道路RD30―S,道路RD30−Eに接する敷地SITE30−Sに対しては、本システムは、与えられた条件(建築物タイプ)に基づき、階層ブロックBLK30−T1を自動設計で構築する。この階層ブロックを用いて上階の階層を積み上げて自動設計した候補建築物オブジェクトの容積率消化率(オブジェクトの延床面積を容積率限界の延床面積で除したときの百分率)が、所定の閾値(例えば、75%)よりも小さい場合は、敷地をまだ有効活用できていないとみなし、使っていない敷地内の空き領域にサブ階層ブロックBLK30−T2、BLK30−T3、BLK30−T4、BLK30−T41、BLK30−T5、BLK30−T6をそれぞれ追加して候補建築物オブジェクトを幾つか自動構築する。例えば、追加するサブ階層ブロックは、一旦、そのまま階層の形状で積み上げることになるが、斜線規制などで北側や隣接地側の一部の部屋ユニットや廊下ユニットなどは階段状に削除されることが多い。即ち、上階に行くほどサブ階層ブロックの床面積は減少していくことなる。非常階段やエレベータの位置などは、このような階層ブロックの状況も考慮して自動設計することが好適である。追加するサブ階層ブロックは、元となる階層ブロックの廊下にサブ階層ブロックの廊下が接続するように自動配置する。このようにサブ階層ブロックの配置や成長方向を変更しながら、幾つかの候補オブジェクトを構築して(即ち、階層ブロックと共に或いは独立してサブ階層ブロックを垂直方向に積み上げて)、それらの容積率消化率を比較して、最も高い容積率消化率の候補オブジェクトを最終の建築物オブジェクトに決定する。この図では、最も容積率消化率の高い、階層ブロックBLK30−T1とサブ階層ブロックBLK30−T6から構成される建築物オブジェクトOBJ30−Mが自動選択される。上記の処理を全て自動設計で行う。この処理技法によって、未消化の容積率を低減することで、敷地をより有効活用することが可能となる。詳しい処理ロジックの一例を図8で説明する。なお、図7では、敷地が2つの道路に接道する角地であるため、建蔽率の10=20%の緩和措置を受けることが可能である。本システムは、その緩和措置の適用を自動判断し、その建蔽率で自動設計を行うことが可能である。また、エントランスホール、エレベータホール、開放型の廊下などは、所定の場合には、それらの床面積は容積率の計算に不算入となるが、これらの算入、不算入も本システムは自動で判定し、それに基づき自動設計することが可能である。
図8は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、図2の処理などで一旦、候補の建築物オブジェクトを自動生成した後でオプションとして実行される。図に示すように、ステップA11にて、生成した候補建築物オブジェクトの容積率消化率が、記憶部に格納された所定の閾値(例えば70%)より小さいか否かを判定する。消化率が閾値よりも小さくない場合は、敷地を十分に活用した自動設計ができたとみなして、処理を終える。消化率が閾値よりも小さい場合は、敷地を十分に活用した自動設計ができていないとみなして、ステップA12に進む。ステップA12では、生成した建築物オブジェクトに含まれる階層ブロックに接続するサブ階層ブロックを追加して、階層積み上げを行い、候補建築物オブジェクトを生成する。次にステップA13では、サブ階層ブロックが追加された候補建築物オブジェクトの容積率消化率を計算する。そして、ステップA14では、候補建築物オブジェクトを記憶部に格納する。次に、ステップA15にて、実行可能な変更パターンが残っているか否かを判定する。変更パターンは、例えば、サブ階層の配置や成長方向をどれくらいのピッチでシフトしていくかによってパターン数が増減する。したがって、5メートルとか、10度とかの数値を適正なものに設定することによって、合理的な演算時間で処理が収束するように適宜設定しておく。或いは、所定の時間(例えば3分、5分)などで処理を打ち切るのも合理的である。実行可能な変更パターンが残っていると判定された場合は、ステップA16にて、サブ階層ブロックの既存階層ブロックへの接続位置またはサブ階層ブロックの成長の向きを変える。ステップA16の後は、ステップA12に戻り、ステップA15の条件から外れるまでA12−14を繰り返す。最終的には、ステップA15の判定条件を満たさない場合に、処理ループを抜け出し、ステップA17にて、候補建築物オブジェクトのうち最も高い容積率消化率のものを最終の建築物オブジェクトとして選択する。この処理技法によって、未消化の容積率を低減することで、敷地をより有効活用することが可能となる。また、このようにして生成した建築物オブジェクトについては、概算建築費用を求めたり、収支計算をしたりすることが可能である(後で詳細に述べる)。さらに、最終採用されなかった候補の建築物オブジェクトを格納しておくことで、後でユーザの嗜好によって、候補の建築物オブジェクトを比較のために表示したり、事業収支を比較したりすることが可能である。
図9は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、道路RD30―S,道路RD30−Eに接する敷地SITE30−Sに対しては、本システムは、与えられた条件(建築物タイプ)に基づき、階層ブロックBLK30−R1を自動設計で構築する。この階層ブロックを用いて上階の階層を積み上げて自動設計した候補建築物オブジェクトの容積率消化率(オブジェクトの延床面積を容積率限界の延床面積で除したときの百分率)が、所定の閾値(例えば、75%)よりも小さい場合は、敷地をまだ有効活用できていないとみなし、階層ブロック自体の配置場所(例えば、成長開始点)や成長方向などを変更しながら、最も消化率の高い配置パターンと試行錯誤で探し出す。また、配置パターンを変えながら、さらに、図7のようにサブ階層ブロックも追加するため、図7よりも消化率の高い建築物オブジェクトを探し出せる(即ち自動設計)可能性が高くなる。この例では、階層ブロック30−R1に加えて、階層ブロック30−R2、階層ブロック30−R3を構築して、それぞれにサブ階層ブロックBLK30−A1〜A6を追加している。また、この例では、容積率や建蔽率が許容する範囲内であれば、サブ階層ブロックを複数設けることも試行する。この実施態様では、最終的に、最も容積率消化率の高い、階層ブロックBLK30−R1とサブ階層ブロックBLK30−A5,A6から構成される建築物オブジェクトOBJ30−Rが自動選択される。他の生成した候補オブジェクトや階層ブロックのパターンは、後で利用するために記憶部に格納しておく。ユーザによっては、消化率よりも、配置パターンや建築費用などの理由で他の候補建築物オブジェクトを選択する場合があるため、これらの候補も表示したり、費用を比較したりすることが可能である。上記の処理を全て自動設計で行う。この処理技法によって、未消化の容積率を低減することで、敷地をより有効活用することが可能となる。詳しい処理ロジックを図10で説明する。
図10は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、図2の処理などで一旦、候補の建築物オブジェクトを自動生成した後でオプションとして実行される。図に示すように、ステップB11にて、生成した候補建築物オブジェクトの容積率消化率が、記憶部に格納された所定の閾値(例えば70%)より小さいか否かを判定する。消化率が閾値よりも小さくない場合は、敷地を十分に活用した自動設計ができたとみなして、処理を終える。消化率が閾値よりも小さい場合は、敷地を十分に活用した自動設計ができていないとみなして、ステップB12に進む。ステップB12では、生成開始点および/または生成方向を変えて候補建築物オブジェクトを生成する。このとき、建蔽率および容積率が許す限り、生成した階層ブロックに接続する1つまたは複数のサブ階層ブロックを追加して、階層積み上げを行い、候補建築物オブジェクトを生成する。次にステップB13では、候補建築物オブジェクトの容積率消化率を計算する。そして、ステップB14では、候補建築物オブジェクトを記憶部に格納する。次に、ステップB15にて、実行可能な変更パターンが残っているか否かを判定する。或いは、所定の時間(例えば5分)などで処理を打ち切るのも合理的である。実行可能な変更パターンが残っていると判定された場合は、ステップB12に戻り、ステップB15の条件から外れるまでB12−14を繰り返す。最終的には、ステップB15の判定条件を満たさない場合に、処理ループを抜け出し、ステップB16にて、候補建築物オブジェクトのうち最も高い容積率消化率のものを最終の建築物オブジェクトとして選択する。この処理技法によって、未消化の容積率を低減することで、敷地をより有効活用することが可能となる。また、このようにして生成した建築物オブジェクトについては、概算建築費用を求めたり、収支計算をしたりすることが可能である(後で詳細に述べる)。
図11は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理と並行して実行される処理を示すフローチャートである。図に示すように、ステップK11にて、記憶部が、部屋ユニットの玄関から通路ユニットを経た避難階段ユニットまでの距離(例えば、30m以内、40m以内、準耐火のホテルでは50m以内など)、または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数(ホテルは2個以上、共同住宅の5階以上は2個以上など)を規定する避難経路設定情報を含む単体規定情報をさらに格納する。次にステップK12は、自動設計部が、図2の処理で自動設計された建築物の各部屋ユニットの各玄関から避難経路である避難階段ユニット(非常階段)までの距離が前記避難経路設定情報で規定された距離を満たすように、および/または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数を満たすように、前記建築物に少なくとも1つの非常階段ユニットを配置する。
図12は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、道路RD40に接する敷地SITE40に対しては、本システムは、与えられた条件(ここでは、建築物タイプ)に基づき、個別ユニットとしてバルコニーと、個別ユニットUI40(部屋ユニット)とを抽出する。バルコニーは敷地の道路側に配置され、その辺の端部から他端部まで伸ばされバルコニーBLKN40として配置される。そして、バルコニーBLKN40の長手方向の敷地内側の一辺の端部に個別ユニットUI40が配置され、所定の自動設計ルール(例えば、敷地または建築可能空間において個別ユニットの複製を最大限繰り返すなど)に基づき、複製される。そして、個別ユニットUI40、UI40−1、UI40−2、UI40−3、UI40−4のバルコニーの側とは反対側に、廊下ユニットCLD40が自動配置される。個別ユニットUI40、UI40−1、UI40−2、UI40−3、UI40−4の各玄関から廊下CLD40を経た避難経路を集団規定情報の該当するルールに従って設定し、個別ユニット情報UIから、対応する非常階段ユニットを抽出する。そして、避難経路の基準を満たす位置および数の非常階段EMRS40を廊下CLD40に接続するように自動配置する。このようにして、階層ブロックBLK40が自動設計される。この階層ブロックBLK40を垂直方向に積み重ねて、建築可能空間或いは容積率の制限値の範囲内で自動設計される。ここでは、非常階段(避難経路)が考慮され、かつ、部屋割りが済んだ概略のCAD図面を描画することが可能であり、さらに、各個別ユニットの単価を積算して概算コストを求めることも可能である。もちろん、総建築坪数を求めて坪単価などでの概算見積りも可能である。なお、非常階段やエレベータの数やその位置は、そのエレベータや非常階段が直通でアクセスする最上階の階層ブロック(設計対象の建築物が斜線規制などで階段状の建築物である場合は、建築物自体の最上階ではないこともある)の構成によって、階段やエレベータの位置をシフトしたり、増減したりする必要がある場合があり、本システムは、自動設計した後で最終的にエレベータや避難階段の位置や数が集団規定などの法規制に準拠しているか否かを最終チェックし、準拠していない場合は、準拠するようにエレベータや避難階段の位置をシフトしたり、増減したりする機能を有する。或いは、一旦、自動設計した後で、本システムが、当該敷地に適用される集団規定などの法規制に準拠するように、非難階段やエレベータだけを自動設計で追加・設定してもよい。これは、他の実施態様でも同様である。
図13は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、道路RD50に接する敷地SITE50に対しては、本システムは、与えられた条件(ここでは、建築物タイプ)に基づき、個別ユニットとしてバルコニーと、個別ユニットUI50とを抽出する。バルコニーは敷地の道路側に配置され、その辺の端部から他端部まで伸ばされバルコニーBLKN50として配置される。そして、バルコニーBLKN50の長手方向の敷地内側の一辺の端部に個別ユニットUI50が配置され、所定の自動設計ルール(例えば、敷地または建築可能空間において個別ユニットの複製を最大限繰り返すなど)に基づき、複製される。そして、個別ユニットUI50、UI50−1、UI50−2、UI50−3、UI50−4のバルコニーの側とは反対側に、廊下ユニットCLD50が自動配置される。個別ユニットUI50、UI50−1、UI50−2、UI50−3、UI50−4の各玄関から廊下CLD50を経た避難経路を集団規定情報の該当するルールに従って設定し、個別ユニット情報UIから、対応する非常階段ユニットを抽出する。そして、避難経路の基準を満たす位置および数の非常階段EMRS50を廊下CLD50に接続するように自動配置する。この例では、容積率、商業地域などの情報から想定階数がエレベータ必須の階数であるため、エレベータユニットが個別ユニットとして抽出され、同じにようにエレベータELV50を廊下CLD50に接続するように自動配置する。
このようにして、階層ブロックBLK50が自動設計される。この階層ブロックBLK50を垂直方向に積み重ねて、建築可能空間或いは容積率の制限値の範囲内で自動設計される。ここでは、非常階段(避難経路)が考慮され、エレベータが設置され、かつ、部屋割りが済んだ概略のCAD図面を描画することが可能であり、さらに、各個別ユニットの単価を積算して概算コストを求めることも可能である。もちろん、総建築坪数を求めて坪単価などでの概算見積りも可能である。この例では、エレベータ、非常階段なども考慮した相当信頼性の高い建築見積り費用を求めることが可能である。なお、図示していないが、地下の階層ブロックを自動設計で構築することが可能であり、その場合には、地下用の費用や特別加算費用を記憶部に格納しておき概算費用を算出することが可能である。
図14は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、道路RD60に接する敷地SITE60に対しては、本システムは、与えられた条件(ここでは、建築物タイプ)に基づき、個別ユニットとしてバルコニーと、個別ユニットUI60とを抽出する。なお、この例では、敷地SITE60は、これまでの敷地よりも面積が広いので、より多くの個別ユニットが配置される。バルコニーは敷地の道路側に配置され、その辺の端部から他端部まで伸ばされバルコニーBLKN60として配置される。そして、バルコニーBLKN60の長手方向の敷地内側の一辺の端部に個別ユニットUI60が配置され、所定の自動設計ルール(例えば、敷地または建築可能空間において個別ユニットの複製を最大限まで繰り返すなど)に基づき、複製される。そして、個別ユニットUI60、UI60−1、UI60−2、UI60−3、UI60−4、UI60−5、UI60−6、UI60−7、UI60−8のバルコニーの側とは反対側に、廊下ユニットCLD60が自動配置される。個別ユニットUI60、UI60−1、UI60−2、UI60−3、UI60−4、UI60−5、UI60−6、UI60−7、UI60−8の各玄関から廊下CLD60を経た避難経路を集団規定情報の該当するルールに従って設定し、個別ユニット情報UIから、対応する非常階段ユニットを抽出する。そして、避難経路の基準を満たす位置および数である2個の非常階段EMRS60、EMRS60−1を廊下CLD60に接続するように自動配置する。この例では、容積率、商業地域などの情報から想定階数がエレベータ必須の階数であるため、エレベータユニットが個別ユニットとして抽出され、同じにようにエレベータELV60を廊下CLD60に接続するように自動配置する。
このようにして、階層ブロックBLK60が自動設計される。この階層ブロックBLK60を垂直方向に積み重ねて、建築可能空間或いは容積率の制限値の範囲内で自動設計される。ここでは、非常階段(避難経路)が考慮され、エレベータが設置され、かつ、部屋割りが済んだ概略のCAD図面を描画することが可能であり、さらに、各個別ユニットの単価を積算して概算コストを求めることも可能である。もちろん、総建築坪数を求めて坪単価などでの概算見積りも可能である。この例では、エレベータ、非常階段なども考慮した相当信頼性の高い建築見積り費用を求めることが可能である。
本システムは、与えられた条件(ここでは、建築物タイプ)に基づき、個別ユニットを抽出するが、これには、部屋タイプの指定が最も好適である。例えば、1K(66畳1間にキッチン1つ)、2Kなどである。或いは、間口8m、間口6m奥行10mなどの指定でもよい。さらには、ユニットバスのタイプやキッチンタイプ、廊下、洋室、和室などのタイプ指定も可能である。本システムは、上記のような条件に応じた建築物を自動設計することが可能である。
図15は、個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、道路RD70に接する敷地SITE70に対しては、本システムは、与えられた条件(ここでは、建築物タイプ)に基づき、個別ユニットとしてバルコニーと、個別ユニットUI70とを抽出する。なお、この例では、敷地SITE70は、図7と同様に敷地面積が広いので、より多くの個別ユニットが配置される。バルコニーは敷地の道路側に配置され、その辺の端部から他端部まで伸ばされバルコニーBLKN70として配置される。この例では、図面の左側が接道面なので、この面にバルコニーが配置されるが、本システムは、このように接道面に応じて、バルコニー(開口部)を自動配置することが可能である。そして、バルコニーBLKN70の長手方向の敷地内側の一辺の端部に個別ユニットUI70が配置され、所定の自動設計ルール(例えば、敷地または建築可能空間において個別ユニットの複製を最大限まで繰り返すなど)に基づき、複製される。そして、個別ユニットUI70、UI70−1、UI70−2、UI70−3、UI70−4、UI70−5、UI70−6、UI70−7のバルコニーの側とは反対側に、廊下ユニットCLD70が自動配置される。個別ユニットUI70、UI70−1、UI70−2、UI70−3、UI70−4、UI70−5、UI70−6、UI70−7の各玄関から廊下CLD70を経た避難経路を集団規定情報の該当するルールに従って設定し、個別ユニット情報UIから、対応する非常階段ユニットを抽出する。そして、避難経路の基準を満たす位置および数である2個の非常階段EMRS70、EMRS70−1を廊下CLD70に接続するように自動配置する。この例では、容積率、商業地域などの情報から想定階数がエレベータ必須の階数であるため、エレベータユニットが個別ユニットとして抽出され、同じにようにエレベータELV70を廊下CLD70に接続するように自動配置する。即ち、本システムでは、法令に基づきエレベータの設置が必要否かを自動判定して、それを反映した自動設計を実施することが可能である。
この例では、個別ユニットとして、さらに、玄関ホールENT70が抽出され、接道面に配置される。玄関ホールENT70と、廊下CLD70とを接続する廊下CLD70−1も抽出され、配置される。
このようにして、階層ブロックBLK70が自動設計される。この階層ブロックBLK70をそのまま成長させると、2階や3階に玄関ホールが配置されることになり、不都合である。そこで、本システムは、1階の階層ブロックと、2階以降の階層ブロック、或いは、地下の階層ブロックを別に自動設計で求めることが可能である。
図16は、1階の階層ブロックと2階の階層ブロックとをそれぞれ説明する模式図である。図に示すように、階層ブロックBLK70は、図15と同じものである。階層ブロックBLK71は、自動設計部AUDにより、2階およびそれより上の階では不要となる玄関ホールENT70、廊下CLD70−1を、それぞれバルコニーBLKN71、個別ユニットUI71で置換されたものである。自動設計部AUDは、階層ブロックBLK71を3階、4階と、順次、垂直方向に積み重ねて、建築可能空間或いは容積率の制限値の範囲内で自動設計する。このように、本システムでは、1階と、2階以降の階とで別個に自動設計を行うことが可能であるため、より、精度の高い自動設計を実施できる。もちろん、図示していないが、同様の技法を用いて、地下階層も自動構築可能である。よって、この例では、階別の構成の相違を考慮した相当信頼性の高い建築見積り費用を求めることが可能である。
図17は、1階の階層ブロック(店舗)と2階の階層ブロックとをそれぞれ説明する模式図である。図16と同じ敷地に、一階に店舗を設ける条件を建築物タイプとして指定した場合に自動設計される様子を説明したものである。図17における2階以上の階層ブロックBKL71−Sは、図16のそれである階層ブロックBKL71と同じである。1階の階層ブロックは、個別ユニットとして店舗ユニットが条件に応じて抽出され、店舗ユニットSHP1、2,3として自動配置される。玄関や廊下ユニットの抽出および配置は図16と同様である。即ち、階層ブロックBLK71−Sは、自動設計部AUDにより、2階およびそれより上の階では不要となる玄関ホールENT70、廊下CLD70−1を、それぞれバルコニーBLKN71、個別ユニットUI71で置換されたものである。自動設計部AUDは、階層ブロックBLK71−Sを3階、4階と、順次、垂直方向に積み重ねて、建築可能空間或いは容積率の制限値の範囲内で自動設計する。このように、本システムでは、1階を店舗と、2階以降の階とで別個に自動設計を行うことが可能であるため、より、精度の高い自動設計を実施できる。或いは、1−2階、地下と1階、地下と1,2階を店舗などと自由自在に自動設計することも可能である。よって、この例では、特に都市部での典型的なマンション形態である、1階に店舗を設けた階別の構成の相違を考慮した相当信頼性の高い建築見積り費用を求めることが可能である。
図18は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。本願発明者らは、実際に自動設計した場合、敷地面積の大小に応じて、自動設計の手法を選択すると同じ敷地の容積率を効率よく使って、より延床面積が広い建築物を自動設計することが可能であることを見出した。まず、前提として、記憶部120が、個別ユニットが、中廊下ユニット(例えば、中廊下の寸法情報など)と、部屋ユニット(例えば、1K、2LDK,3LDKなどの個別住居、十坪事務所、20坪事務所など)と、バルコニーユニット(例えば、バルコニーの寸法情報など)と、部屋ユニット(例えば、1K、2LDK,3LDKなどの個別住居、十坪事務所、20坪事務所など)とを含む。そして、図に示すように、ステップS21にて、自動設計部AUDが、敷地情報で規定される敷地の面積が、閾値(記憶部に格納されている所定の数値、例えば300平方メートル)より小さいいか否かを判定する。ステップS21の判定条件を満たす場合は、ステップS22にて、自動設計部AUDが、敷地の形状(または建築物存在可能空間)に基づき建築物外周形状を作成し、建築物の平面的な重心を求める。次にステップS23にて、その重心を通るように中廊下ユニットを配置し、個別の住居や事務所となる個別ユニット(部屋ユニット)を中廊下ユニットの長手方向の両辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する。ステップS21の判定条件を満たさない場合は、ステップS24にて、自動設計部AUDが、図1に示すような通常に自動設計処理を行う。即ち、敷地情報で規定される敷地の面積が、所定の数値以上のときは、敷地の少なくとも一辺(好適には接道辺、或いは、南向きの一辺)に沿ってバルコニーユニットを配置し、前記部屋ユニットを前記バルコニーユニットの長手方向の敷地内側の一辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する。
図19は、図18の処理で敷地面積が小さいと判定された場合の処理による個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、敷地SITE80に対して、図18の処理によって、ステップS22およびそれ以降の処理に進む。本システムは、まず、重心を通る中廊下ユニットINCLD80を設定する。そして、与えられた条件(建築物タイプ)に基づき、個別ユニットとして、一戸の事務所または住居となり、成長可能(複製可能、連結可能)な属性を持たせた部屋ユニットである個別ユニットUI80を抽出する。個別ユニットUI80に基づき、中廊下ユニットINCLD80の長手方向の北側の一辺の端部に個別ユニットUI80−Nが配置され、所定の自動設計ルール(例えば、敷地または建築可能空間において個別ユニットの複製を最大限繰り返すなど)に応じて、複製される。そして、個別ユニットUI80−N1、中廊下ユニットINCLD80−N2〜N7が自動設計で配置される。同様に、個別ユニットUI80に基づき、中廊下ユニットINCLD80の長手方向の南側(図面下側)の一辺の端部に個別ユニットUI80−Sが配置され、所定の自動設計ルール(例えば、敷地または建築可能空間において個別ユニットの複製を最大限繰り返すなど)に応じて、複製される。そして、個別ユニットUI80−S1、中廊下ユニットINCLD80−S2〜S7が自動設計で配置される。このようにして、階層ブロックBLK80が自動設計される。この階層ブロックBLK80を垂直方向に積み重ねて、建築可能空間或いは容積率の制限値の範囲内で自動設計される。この例では、非常階段(避難経路)、エレベータ、機械室などは考慮されていないが、部屋割りが済んだ概略のCAD図面を描画することが可能であり、さらに、各個別ユニットの単価を積算して概算コストを求めることも可能である。もちろん、総建築坪数を求めて坪単価などでの概算見積りも可能である。このようないわゆる狭小敷地には、本処理のような中廊下ユニットを配した方が、通常の自動設計(片廊下タイプ)よりも容積率を効率良く消化した延床面積が広いアパート、事務所ビル、マンションなどを自動設計することが可能である。ちなみに、本発明者らは、この手法で自動設計した場合の建築物の収支シミュレーションにて、収益性が高くなること、即ち、事業実行可能性(事業採算性)が高まることを確認している。
図20は、敷地面積が小さい場合に効率良く自動設計する別ロジックによる個別ユニットの平面的な成長を説明するための模式図である。図に示すように、敷地SITE80−Mに対して、まず、敷地の重心(或いは、想定建物の輪郭を求めその重心を求めてもよい)を求める。そして、重心に中央廊下CTRを設置する。そして、与えられた条件(建築物タイプ)に基づき、個別ユニットとして、一戸の事務所または住居となる伸縮自在かつ接続自在な個別ユニットUI80−FX1を抽出する。中央廊下CTRの一辺にそれぞれ個別ユニットUI80−FX1−3を配置し、それら個別ユニットを建築可能空間一杯に伸ばす。そして、中央廊下CTRにはエレベータEVと非常階段STPを抽出して配置する。このようにして、階層ブロック80−Mを自動設計することが可能となる。ちなみに本発明者らは、この処理ロジックが都市部の狭小敷地には、非常に効率よく機能し、容積率を効率よく消化することを確認している。
図21は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の概要を示す模式図である。日本の都市計画によれば、地域によって接道条件によって12m未満の道路に接道している場合に用途地域が住居地区であれば、容積率低減係数と道路幅員の積によって、実際の容積率の数値よりも低い数値に低減される。この例では、同じ敷地面積、敷地形状の敷地であっても接道条件によって異なる建築物が自動設計される様子を説明する。図に示すように、本システムは、同じ敷地形状、敷地面積であるが、条件の異なる道路に接する敷地SITE90−Wおよび敷地SITE90−Nを示す敷地情報を取得する。記憶部の集団規定情報GRIから、敷地SITE90−Wに対応する集団規定情報として「容積率:400%」、「建蔽率:80%」、「容積率低減係数:適用なし」が抽出される。敷地SITE90−Wは、12mの道路幅員の広い道路RD90−Wに接道しているため、都市計画による容積率低減係数の適用がない。よって、実質容積率は、そのままの数値である400%である。
同様に、記憶部の集団規定情報GRIから、敷地SITE90−Nに対応する集団規定情報として「容積率:400%」、「建蔽率:80%」、「容積率低減係数:0.4」が抽出される。敷地SITE90−Nは、4mの道路幅員の狭い道路RD90−Nに接道しているため、都市計画による容積率低減係数の0.4が適用される。よって、実質容積率は、接道する前面道路幅4m×係数0.4=200%の数値となる。本システムは、敷地情報に含まれる地理的情報、住居表示、或いは地番に基づき、このように実質容積率まで自動的に求めて、これを利用した自動設計が可能である。このように、多くの自治体では、容積率低減係数の適用が義務化されているため、本システムのように実質的な容積率を自動的に算出して自動設計に適用することは、事業採算性を考慮するためには、非常に重要なことである。
敷地SITE90−Wおよび敷地SITE90−Nには、適用される集団規定の相違によって、それぞれ、建築物OBJ90−Wおよび建築物OBJ90−Nが自動設計で求められる。この例では、自動設計により、広い道路に接する敷地SITE90−Wには、4階建ての建築物OBJ90−Wが自動構築され、狭い道路に接する敷地SITE90−Nには、2階建ての建築物OBJ90−Nが自動構築される。このようにして自動設計された各建築物の建築費用を算出して、最終的な事業成功可能性をそれぞれ判断することが可能である。従って、本システムによれば、複数の敷地に対する事業を比較検討することが可能である。
図22は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の概要を示す模式図である。日本の都市計画によれば、地域によって用途地域が区分されており、商業地区、住居地区の条件によって、大幅に異なる容積率が設定される。この例では、同じ敷地面積、敷地形状の敷地であっても、用途地域の条件および接道条件によって異なる建築物が自動設計される様子を説明する。図に示すように、本システムは、同じ敷地形状、敷地面積であるが、条件の異なる道路に接し、用途の異なる地区の敷地SITE100−Lおよび敷地SITE100−Cを示す敷地情報を取得する。記憶部の集団規定情報GRIから、住居地区の敷地SITE100−Lに対応する集団規定情報として「容積率:400%」、「建蔽率:80%」、「容積率低減係数:0.4」が抽出される。この地区は、住居系地区であるため、容積率は低目の400%が設定される。敷地SITE1000−Wは、8mの道路幅員の道路RD100−Lに接道しているため、都市計画による容積率低減係数の適用がある。実質容積率は、接道する前面道路幅8m×係数0.4=320%の数値となる。
同様に、記憶部の集団規定情報GRIから、商業地区の敷地SITE100−Cに対応する集団規定情報として「容積率:800%」、「建蔽率:80%」、「容積率低減係数:0.6」が抽出される。敷地SITE100−Cは、5mの道路幅員の狭い道路RD100−Cに接道しているため、都市計画による容積率低減係数の0.6が適用される。よって、実質容積率は、接道する前面道路幅8m×係数0.6=480%の数値となる。本システムは、敷地情報に含まれる地理的情報、住居表示、或いは地番に基づき、このように実質容積率まで自動的に求めて、これを利用した自動設計が可能である。
敷地SITE100−Lおよび敷地SITE100−Cには、適用される集団規定の相違によって、それぞれ、建築物OBJ100−Lおよび築物OBJ100−Cが自動設計で求められる。この例では、自動設計により、広い道路に接した住居地区の敷地SITE100−Lには、3階建ての建築物OBJ100−Lが自動構築され、狭い道路に接した商業地区の敷地SITE100−Cには、5階建ての建築物OBJ100−Cが自動構築される。このようにして自動設計された各建築物の建築費用を算出して、最終的な事業成功可能性をそれぞれ判断することが可能である。従って、本システムによれば、複数の敷地に対する事業を比較検討することが可能である。このように、本システムは、本来であれば建築士や設計技術者などが敷地状況や接道状況、条例、法令などを勘案して設計しなければ把握することが困難であった最終建築物を自動設計することが可能となる。
図23は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。この例では、建築物タイプ情報としては、記憶部に格納されたデフォルト値(例えば、2LDKタイプなど)が使用される。図に示すように、ステップS31にて、取得部ACQが、敷地を規定する敷地情報を取得する。次に、ステップS32にて、少なくとも容積率を含む集団規定情報および個別ユニット情報を格納する。この格納ステップは、予め一回実施しておけば省略することが可能である。ステップS33にて、抽出部EXTは、取得した敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する。また、デフォルト値に対応して建築物タイプ情報として2LDKタイプの個別ユニットが抽出され、後続の処理で使用される。その後、ステップS34にて、抽出した集団規定情報を参照して、敷地上に複数の個別ユニットを含む1階部分の階層ブロックを自動設計する。最後に、ステップS35にて、取得した敷地情報に基づき、抽出した集団規定情報(建蔽率、容積率、斜線規制、高さ制限、日影規制など)を参照してその集団規定情報の制限内において、複数の個別ユニットを含む階層ブロックを積み上げて、建築物を自動設計する。
図24は、図1に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。この例では、集団規定情報は、ユーザにより入力されたものが使用される。図に示すように、ステップS41にて、取得部ACQが、敷地を規定する敷地情報、建築物タイプ情報(建築物に対する諸情報、玄関間口、事務所タイプ、住居タイプ、2LDKなどの住居タイプ種別、風呂付、ユニットバス付き、トイレタイプなど)、およびユーザにより指定された集団規定情報を取得する。次に、ステップS42にて、個別ユニット情報を格納する。この格納ステップは、予め一回実施しておけば省略することが可能である。ステップS43にて、抽出部EXT(或いは、自動設計部AUD)は、取得した建築物タイプ情報に基づき、記憶部に格納された個別ユニットから対応する個別ユニット情報を抽出する。その後、ステップS44にて、取得された集団規定情報を参照して、敷地上に複数の個別ユニットを含む1階部分の階層ブロックを自動設計する。最後に、ステップS35にて、取得した敷地情報に基づき、取得(指定)された集団規定情報(建蔽率、容積率、斜線規制、高さ制限、日影規制など)を参照してその集団規定情報の制限内において、複数の個別ユニットを含む階層ブロックを積み上げて、建築物を自動設計する。集団規定情報の制限内に建築物を収容するためには、様々な方法がある。集団規定情報により建築可能空間を求めて、そこに収容するように自動設計したり、自動設計した後で、建築可能空間からはみ出した部分に相当する個別ユニットを削除するなどである。或いは、商業地区などで斜線規制がない場合は、建蔽率と容積率の限界まで自動設計をしてもよい。
図25は、本発明の一実施態様による自動CAD設計システムの概要を示すブロック図である。図に示すように、自動CAD設計システム200(ACDS)は、制御部(CPU、プロセッサ)210、記憶部220、入力部IN、出力部OUT、通信部COM、および、表示部DISを有する。制御部210は、敷地を規定する敷地情報(面積、形状、方位、接道状況、角地情報、地理的情報など)、および、建築物タイプ情報(例えば、ワンルームマンションタイプ、1Kタイプ、2LDKタイプ、事務所タイプ、ホールタイプ、店舗タイプ、ホテルタイプ、上記タイプを複数含む複合タイプなど)を取得する取得部ACQを有する。記憶部220は、少なくとも容積率を含む集団規定情報GRI、および、各建築物タイプ情報に関連付けられた少なくとも1つの個別ユニットを規定する個別ユニット情報UI(例えば、1K、2LDK、会議室、事務所、応接室、機械室、エレベータ、エレベータ室、下水ユニット、駐車設備ユニット、駐輪施設ユニット、階段、屋根、屋上、床面、基礎などのユニットタイプ)を格納する。
制御部210は、抽出部EXT、空間計算部SPC、および自動設計部AUDをさらに有する。抽出部EXTは、取得した敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する。空間計算部SPCは、取得した敷地情報に基づき、抽出した集団規定情報(建蔽率、容積率、斜線規制、高さ制限、日影規制など)を参照して、敷地上に建築可能な建築物の存在可能空間を求める。自動設計部AUDは、取得した建築物タイプ情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、複数の個別ユニットを含む建築物を存在可能空間内で自動設計する。
取得部ACQは、通信部COM、ネットワークNETを介して、住所、緯度経度、地域名などの地理的な検索キーに基づき地理的情報を提供する地理的情報サーバGISから、地理的情報(例えば、敷地形状、接道情報、または隣接地情報を含む)を取得すること、および、取得した地理的情報を記憶部220に格納したり、格納済みの情報を更新したりすることが可能である。また、取得部ACQは、通信部COM、ネットワークNETを介して、建築制限情報サーバCLSから、最新の集団規定情報や単体情報などを取得して、抽出部EXTの抽出処理に利用したり、記憶部220の情報を更新したりすることが可能である。
この実施態様では、制御部210は、見積算出部ESTをさらに有する。また、記憶部220が、個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および、建築単価情報(基礎工事の坪単価情報、3階建ての基本坪単価情報、5階建ての坪単価情報など)を含む単価情報UPをさらに格納する。見積算出部ESTは、複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する。
また、記憶部220は、コストが異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報GIをさらに格納する。単価情報UPは、建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および、建築単価情報をさらに格納する。入力部(入力受付部)INは、マウスMUSやキーボードKBDを介した複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける。複数の建築グレードは、グレード情報GIから読み出された幾つかの候補(例えば、高級施工、通常施工、安価版、外装タイル仕上げ、RC構造、鉄骨構造、基礎杭耐震強化版、断熱素材強化版などの選択肢)を表示部DISに表示し、これら候補グレードからユーザによって少なくとも1つの建築グレードが選択される。見積算出部ESTが、受け付けた建築グレードの入力に基づいて自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、単価情報UPを参照して、該建築物の建築費用を計算する。
また、記憶部220の単価情報UPが、個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎、および/または、地域毎の賃貸標準単価情報をさらに含む。さらには、賃貸標準単価情報は、地域毎の空室率、部屋タイプ別(即ち、個別ユニット別)の空室率、地域毎かつ、部屋タイプ別の空室率((即ち、A地区の2Kタイプの部屋は空室率20%、B地区の10坪オフィスタイプでは空室率7%など)を規定した空室率情報を含む。取得部ACQが、建設費用の頭金と、融資金利と、地域或いは住所の少なくとも一部をさらに取得する。見積算出部ESTが、計算された建築費用と、取得された頭金と融資金利とに基づき、前記建築物に含まれる個別ユニットの少なくとも1つを、前記取得された地域或いは住所の少なくとも一部に基づき求めた賃貸標準単価情報で規定される賃料で賃した場合の時系列の収支計画を計算する(最終的には収支表として出力する)。また、上述した空室率情報をさらに利用すれば、地域と部屋タイプによる空室率を考慮したより精度の高い収支計画を計算することが可能となる。
記憶部220が、収支計画による賃貸事業の事業採算性を評価するためのフィジビリティルールを規定するフィジビリティルール情報FRIをさらに格納する。フィジビリティルールは、例えば、融資金額が建設費用に占める割合、融資金利、投資効率(投資に対するリターンの比率)などに対して数値、評価指数、評価ポイント、評価グレード、評価指数や評価ポイントの指数や数値による事業成功可能性(フィジブイリティ)の評価値などを設定したものである。そして、見積算出部ESTが、フィジビリティルール情報FRIに基づき計算された収支計画の事業採算性を評価する。例えば、融資金額が建設費用に占める割合、融資金利、投資効率(投資に対するリターンの比率)などに対して評価ポイントが70点のときは、事業の成功可能性80%(事業失敗リスクが20%)という形式でリスク評価することが可能となる。
また、記憶部220が、複数の個別ユニットを含む建築物の1階分の複数のパターン化CAD情報PCIをさらに格納する。入力部INが、複数のパターン化CAD情報PCIから選択される1つのパターン化CAD情報の指定を受け付け、自動設計部AUDが、受け付けたパターン化CAD情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、パターン化CAD情報の少なくとも一部を含む階層を順次積み上げて建築物を前記存在可能空間内で自動設計する。或いは、自動設計部AUDは、容積率の限界まで階層を順次積み上げて建築物を構築した後で、建築物が存在可能空間内に収容されているか検査し、はみ出した部分がある場合は、当該部分に対応する個別ユニットを削除して、自動設計することも可能である。
本システムで自動設計された建築物は、3次元CADデータであるため、立体プリンタ3DPに出力して立体模型として成型することが可能である。建築物の3次元CADデータが、フルカラーである場合は、立体プリンタ3DPでフルカラーの立体模型を得ることが可能である。
図26は、図25に示した自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。この例では、本システムで自動設計された建築物の見積を算出する。図に示すように、ステップS51では、記憶部220が、個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および、建築単価情報(基礎工事の坪単価情報、3階建ての基本坪単価情報、5階建ての坪単価情報など)を含む単価情報UPをさらに格納する。次にステップS52にて、見積算出部ESTは、複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する。なお、建築費用には、当該建築物の建物工事費、それに付随する設備工事費、共通費などの諸費用を含ませることが好適である。
また、記憶部220は、コストが異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報GIをさらに格納する。単価情報UPは、建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および、建築単価情報をさらに格納する。入力部(入力受付部)INは、マウスMUSやキーボードKBDを介した複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける。複数の建築グレードは、グレード情報GIから読み出された幾つかの候補(例えば、高級施工、通常施工、安価版、外装タイル仕上げ、RC構造、鉄骨構造、基礎杭耐震強化版、断熱素材強化版などの選択肢)を表示部DISに表示し、これら候補グレードからユーザによって少なくとも1つの建築グレードが選択される。見積算出部ESTが、受け付けた建築グレードの入力に基づいて自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、単価情報UPを参照して、該建築物の建築費用を計算する。選択された建築グレードに基づき、個別ユニットを当該建築グレードに対応するものに置換、追加、削除した形式で建築物を再び自動設計してもよいが、建築費用だけを再計算してもよい。
図27は、複数の個別ユニットを含む建築物の1階分の複数のパターン化CAD情報PCIを示す説明図である。図に示すように、階段室STRを含む階段室型のテンプレートTP1、片廊下型のテンプレートTP2、中廊下型のテンプレートTP3、ツインドール型のテンプレートTP4、コア型(中央階段型)のテンプレートTP5、ボイド型(中央空地型)のテンプレートTP6などを含む。ユーザは、これらのテンプレートから敷地形状や条件に適したものを選択して、手動で3DCAD図面上の敷地に配置するか、システムで自動配置を行う。その後は、本システムが、自動設計で階層積み上げ、容積率、建蔽率などの集団規定、避難経路などの単体規定を自動検査して警告或いは自動的に規定に反する部分のCADオブジェクトを削除したり、縮小させたりして規定を満たすような自動設計やユーザによる手動編集を行い、概算費用見積りなどの後続処理を行う。即ち、このようなテンプレートの使用によって、1階層目だけをユーザに選択させてその後の処理はシステム側で行う部分的な自動設計処理の実行が可能となる。作図の便宜上、バルコニーなどは図示していないが、バルコニーや居室内の玄関、建具、ユニットバス、トイレ、キッチンなどのCADデータ(オブジェクト)をテンプレートに含ませることが好適である。
図28は、与えられる情報や条件に応じて建築物が自動設計されることを説明するための説明図である。図に示すように、敷地SITE200の上には、テンプレートから選択された、或いは、諸条件から自動設計された、1階層分のブロック、BLK200が配置される。建築物OBJ200−1は、建築可能空間PV−aの範囲内においてブロックBLK200、ブロックBLK200−2、ブロックBLK200−3と三階建てのものが自動設計で構築されたものである。他方、建築物OBJ200は、北側隣接地NNに対する斜線NTLで切り取られた、建築可能空間PV−bの範囲内においてブロックの北側が斜線NTLに切り取られた三階建てのものが自動設計で構築されたものである。このように、本システムは、与えられた敷地の条件によって、その敷地に適合した建築物を自動構築することが可能である。
図29は、与えられた情報や条件に応じて付随施設を含む建築物が自動設計されることを説明するための説明図である。図に示すように、敷地SITE210の上には、テンプレートから選択された、或いは、敷地情報、選択された建築物タイプや集団規定情報などの諸条件から自動設計された、1階層分のブロック、BLK210が配置される。建築物OBJ210は、建築可能空間PV−cの範囲内においてブロックを積み立てて三階建てのものが自動設計で構築されたものである。この実施態様では、付随施設も自動設計で付加される。即ち、本システムの自動設計部AUDは、敷地SITE210で建築物が設置されていない空き領域に立体駐車場PK210、駐輪施設PK210−Cを自動配置する。ちなみに、自治体などでは、集団規定として、条件に応じた所定数の駐車場や駐輪施設の設置を義務付ける場合があり、本システムは、そのような規定に応じて、記憶部に格納された個別ユニットである立体駐車場ユニットや駐輪ユニットから適正なものを抽出して、敷地内の空き領域に自動配置して、集団規定に準拠した建築物OBJ210−1として自動設計することが可能である。また、一定の駐車場や駐輪場の設置に際しては、容積率の緩和や建蔽率の緩和がある場合があるが、本システムは、そのような緩和法令を適用した自動設計を行うことが可能である。図示しないが、駐輪施設や駐車場などは、道路へのアクセスのための敷地内通路ユニットを個別ユニットから抽出して、簡易舗装した舗装通路ユニットを敷地内にさらに配置することが好適である。このような付随施設の個別ユニットとしては、汚水処理施設、上水施設(ポンプ、タンクなど)、配電室、電気室、防災施設、エレベータ室、機械室など多様なものがある。
図30は、斜線規制、建蔽率、セットバック、高さ制限などの規制をクリアしているかをチェックするために建築物オブジェクト(個別ユニット)を拡大または厚さを増す処理を説明する模式図である。まず、敷地SITE230−1に設定された建築可能空間PV−aに収容できる建築物オブジェクトOBJ230−1が自動設計で求められる。ここで、CADのオブジェクトにもよるが、壁芯で規定された個別ユニットや建築物オブジェクトの場合には、実際の建築物よりも壁厚の分だけ小さな寸法となってしまう。その場合には、斜線規制、建蔽率、セットバック、高さ制限などの規制に違反して実際の建築可能空間からはみ出してしまう恐れがある。本システムは、そのような壁芯で規定されたCADオブジェクトであっても、図30のように、建築物オブジェクトOBJ230−1を壁厚に相当する分(例えば、外壁を30mm、屋上部分を50mmなどを建物種別やグレード、個別ユニットの種類などに応じて任意に設定可能である)だけ拡大して、建築物オブジェクトOBJ230−2とすることによって、斜線規制などをクリアしているか否か、即ち、建築可能空間PV−aに入っているのか、はみ出していないのかを正確にチェックすることが可能である。或いは、建築物オブジェクトOBJ230−1の外側の部分にだけ、壁厚に相当するスライス層オブジェクトOBJ230−SLを追加して、建築物オブジェクトOBJ230−3とすることによって、斜線規制などをクリアしているか否かを正確にチェックすることが可能である。
図31は、地盤調査に応じた仮想支持層への杭を自動設計する様子を示す模式図である。3階以上の鉄筋コンクリートや鉄骨などの重量が重いビルでは、N値が50以上の5メートル以上の支持層に対して杭を打つことが望ましい。本システムは、このような杭のオブジェクトを自動設計で構築してその建築コストまでを含めた形で建築費用を求めることが可能である。図に示すように、敷地SITE240に設定された建築可能空間PV−cに収容できる建築物オブジェクトOBJ240が自動設計で求められる。ここで、本システムは、建築物オブジェクトOBJ240の重量や構造種別などにより、支持層への杭が必要な建築物であるか否かを自動判定する。例えば、重量xxトン以上、或いは、鉄筋コンクリート3階以上は、杭が必要であるといった基準で判定する。支持層への杭打ちが必要であると判定された場合は、敷地情報から当該地区或いは近隣地区の地盤データを外部サーバや記憶部で検索して、対応する地盤データ(或いはボーリングデータ)を取得する。そして、図に示すように、地盤データに基づき、敷地の下部(即ち、建築物オブジェクトの下部)に仮想支持層SPT240を構築する。仮想支持層は5メートル以上の厚さでN値50以上のものが望ましい。本システムは、仮想支持層SPT240に打ち込まれるべき建築物オブジェクトOBJ240を支持する杭PIN240を所定の基準(杭のピッチ、1メートルおきなど)で自動設計する。このような杭の工事費用は、総建築費用の1−2割を占めることもあるため、当該敷地の当該建物を建てた場合に必要な杭費用を総建築費用に含めることが可能になることはとても重要である。また、耐震性能を向上させるために、杭のピッチを狭くしたり杭を太くしたり材質を強度の高いものに変えたりすることも可能である。
図32は、自動CAD設計システムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。木造家屋などの軽量建築物で杭の必要性が乏しい場合には杭工事は必須ではないが、鉄筋コンクリートで8階などのような重量が重い建築物の場合には、一定の固さを持つ支持層への杭工事は必須であり、その建築費用も大きい。本システムは、このような杭打ち費用も当該敷地の地盤や当該建物に対応したものを自動設計可能である。図に示すように、ステップS61にて、取得部ACQが、敷地を規定する敷地情報(住所などの地理的情報)に基づき、対応する地盤データを外部サーバや記憶部から取得する。ステップS62では、対応する地盤データやボーリングデータに基づき敷地の下部に仮想支持層を設定する。例えば、近隣地区で支持層が地下10メートルにある場合には、地下10メートルに仮想支持層を設定する。この仮想支持層は、取得できた地盤データが近いほど信頼度が増す。ステップS63では、当該建築物を仮想支持層で支持するのに必要な杭(個別ユニット)を求め、求めた杭を建築物のCADのオブジェクトの付属物として追加する。必要な杭の数や杭のピッチ、杭の太さなどは、想定される耐震性能や自動設計で求めた建築物オブジェクトの重量や構造などをファクターとして、所定の基準(記憶部に格納される)に応じて自動で求めることが可能である。最後にステップS64では、自動設計された建築物に含まれる「杭」を含む個別ユニットに基づき、建築物の建築費用を計算する。例えば、杭の長さ(建築物から支持層に3m埋め込む長さなど)、杭の長さあたりの単価、杭の長さあたりの工事単価、杭の長さ別の工事単価などの表があれば、自動設計で求めた杭の本数、長さ(場合によって杭のグレード、材質)に基づき、これら表を参照することによって、相当に正確な杭工事費用を見積もることが可能である。
図33は、本システムの概略を説明するための概略図である。図に示すように、本システムによれば、敷地の入力から建築可能空間に収まる建築物を自動設計し、その概算費用を求めて、収支計画、事業計画書までを生成することが可能である。
図34は、本システムの概略の一部を説明するための概略図である。図に示すように、本システムによれば、電子地図をトレースすることによって敷地情報を入力して、その後、居住タイプ(建築物タイプ情報)を決定することによって、建物ブロック(1階層分のブロック)を自動生成することが可能である。
図35は、本システムの概略の一部を説明するための概略図である。図に示すように、本システムによれば、電子地図をトレースすることによって敷地情報を入力して、その後、居住タイプ(建築物タイプ情報)を決定することによって、建物ブロック(1階層分のブロック)を自動生成することが可能である。図の場合は、敷地が異なる用途地域にまたがっているため、敷地内で容積率や建蔽率が異なる。このような場合でも、本システムは、1つの建築物に異なる集団規定である容積率や建蔽率に対応した建築物を自動生成することが可能である。
図36は、本システムのスクリーンインターフェイスを説明するための概略図である。図に示すように、本システムによれば、諸条件として居住タイプなどを指定することによって、建物ブロック(1階層分のブロック)を自動生成して、それを積み上げることによって建築物を自動設計することが可能である。
図37、図38は、本システムのスクリーンインターフェイスを説明するための概略図である。図に示すように、本システムによれば、パターン化された建物タイプ(建物テンプレート)を指定して、それを敷地に配置して建物ブロック(1階層分のブロック)として積み上げることによって建築物を自動設計することが可能である。
図39は、本システムのスクリーンインターフェイスを説明するための概略図である。図に示すように、本システムは、自動設計で構築した建築物を編集することが可能である。編集によって、未消化の容積率を有効活用したり、高さ制限が許容するまで階高を高くしたりすることが可能である。
図40は、本システムのスクリーンインターフェイスを説明するための概略図である。図に示すように、本システムによれば、自動設計した建築物の概算費用見積り、融資計画、予算計画、賃貸計画、収支計画を含む事業計画書を生成すること可能である。賃貸計画では、敷地情報の住所などから当該地区の当該物件、当該グレード、当該間取りに対応した賃貸収入を抽出して、その賃貸収入データを利用することが可能である。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各ステップなどに含まれる処理や機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段/部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。或いは、本発明による装置、方法、プログラムなどの一部の構成要素、機能、処理、ステップなどを遠隔地のサーバなどに配置することも可能であることに注意されたい。また、提示した諸図面は作図の便宜上、縦横の寸法や斜視図の角度などで不正確なものがあることに留意されたい。
100 自動CAD設計システム
110 制御部
120 記憶部
200 設計システム
210 制御部
220 記憶部
ACQ 取得部
AUD 自動設計部
CLS 建築制限情報サーバ
COM 通信部
DIS 表示部
EST 見積算出部
EXT 抽出部
IN 入力部
OUT 出力部
AVS10 建築可能空間
AVS20 建築可能空間
BLK20 階層ブロック
BLK20 階層ブロック
BLK200階層 ブロック
BLK30 階層ブロック
BLK40 階層ブロック
BLK50 階層ブロック
BLK60 階層ブロック
BLK70 階層ブロック
BLK71 階層ブロック
BLK80 階層ブロック
3DP 立体プリンタ
BLKN30 バルコニー
BLKN40 バルコニー
BLKN50 バルコニー
BLKN60 バルコニー
BLKN70 バルコニー
BLKN71 バルコニー
CLD30 廊下ユニット
CLD40 廊下ユニット
CLD50 廊下ユニット
CLD60 廊下ユニット
CLD70 廊下ユニット
ELV50 エレベータ
ELV60 エレベータ
ELV70 エレベータ
EMRS40 非常階段
EMRS50 非常階段
EMRS60 非常階段
EMRS70 非常階段
ENT70 玄関ホール
FRI フィジビリティルール情報
GI 建築グレード情報
GIS 地理的情報サーバ
GRI 集団規定情報
INCLD80 中廊下ユニット
KBD キーボード
MS1 携帯電話端末
MUS マウス
NET ネットワーク
NN 北側隣接地
NTL 斜線
OBJ10 建築物
OBJ100 建築物
OBJ100 築物
OBJ20 建築物
OBJ200 建築物
OBJ210 建築物
OBJ90 建築物
PC1,PC2 端末
PCI 情報
PDA1 携帯端末
PK210 駐輪施設
PK210 立体駐車場
PRN プリンタ
PV 建築可能空間
RD100 道路
RD30 道路
RD40 道路
RD50 道路
RD60 道路
RD70 道路
RD90 道路
SITE10 敷地
SITE100 敷地
SITE1000 敷地
SITE20 敷地
SITE200 敷地
SITE210 敷地
SITE30 敷地
SITE40 敷地
SITE50 敷地
SITE60 敷地
SITE70 敷地
SITE80 敷地
SITE90 敷地
SPC 空間計算部
STR 階段室
TP1 テンプレート
TP2 テンプレート
TP3 テンプレート
TP4 テンプレート
TP5 テンプレート
TP6 テンプレート
UI 個別ユニット情報
UI10 個別ユニット
UI20 個別ユニット
UI30 個別ユニット
UI40 個別ユニット
UI50 個別ユニット
UI60 個別ユニット
UI70 個別ユニット
UI71 個別ユニット
UI80 個別ユニット
UP 単価情報

Claims (23)

  1. 自動CAD設計システムであって、
    敷地を規定する敷地情報、および、建築物タイプ情報を取得する取得部と、
    少なくとも容積率を含む集団規定情報、および、各建築物タイプ情報に関連付けられた少なくとも1つの個別ユニットであって、中廊下ユニットと、少なくとも1つの部屋を含む部屋ユニットとを含むような、個別ユニットを規定する個別ユニット情報を格納する記憶部と、
    前記取得した敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する抽出部と、
    前記取得した敷地情報に基づき、抽出した集団規定情報を参照して、前記敷地上に建築可能な建築物の存在可能空間を求める空間計算部と、
    前記取得した建築物タイプ情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計するにあたり、前記敷地情報で規定される敷地の面積が、所定の数値未満のときは、敷地の形状に基づき建築物外周形状を作成し、建築物の平面的な重心を求め、該重心を通るように前記中廊下ユニットを配置し、前記部屋ユニットを前記中廊下ユニットの長手方向の両辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する自動設計部と、
    を有することを特徴とする自動CAD設計システム。
  2. 請求項1に記載自動CAD設計システムにおいて、
    前記敷地情報が、前記敷地の地理的情報、および/または、前記敷地の接道情報を含み、
    前記抽出部が、
    前記取得した、前記敷地の地理的情報、および/または、前記敷地の接道情報を含む敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  3. 請求項1または2に記載の自動CAD設計システムにおいて、
    前記個別ユニットが、
    バルコニーユニットと、部屋ユニットとを含み、
    前記自動設計部は、
    前記敷地情報で規定される敷地の面積が、所定の数値以上のときは、敷地の少なくとも一辺に沿って前記バルコニーユニットを配置し、前記部屋ユニットを前記バルコニーユニットの長手方向の敷地内側の一辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の自動CAD設計システムにおいて、
    前記取得部が、
    前記敷地情報に規定される敷地の地理的情報に基づき、外部のサーバから該敷地に適用される集団規定情報をさらに取得し、
    前記抽出部が、
    前記取得した集団規定情報を、該敷地に適用される集団規定情報として抽出する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の自動CAD設計システムにおいて、
    前記個別ユニットが、
    避難階段ユニットと、少なくとも1つの部屋と玄関を含む部屋ユニットと、部屋ユニットの玄関と別の部屋ユニットの玄関とを接続する通路ユニットとを含み、
    前記記憶部が、
    部屋ユニットの玄関から通路ユニットを経た避難階段ユニットまでの距離、または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数を規定する避難経路設定情報を含む単体規定情報をさらに格納し、
    前記自動設計部が、
    自動設計された建築物の各部屋ユニットの各玄関から避難経路である避難階段ユニットまでの距離が前記避難経路設定情報で規定された距離を満たすように、および/または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数を満たすように、前記建築物に少なくとも1つの非常階段ユニットを配置する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の自動CAD設計システムにおいて、
    前記記憶部が、
    複数の個別ユニットを含む建築物の1階分の複数のパターン化CAD情報をさらに格納し、
    前記自動CAD設計システムが、
    前記複数のパターン化CAD情報から選択される1つのパターン化CAD情報の指定を受け付ける第一の入力受付部をさらに有し、
    前記自動設計部が、
    前記受け付けたパターン化CAD情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、前記パターン化CAD情報の少なくとも一部を含む階層を順次積み上げて建築物を前記存在可能空間内で自動設計する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の自動CAD設計システムにおいて、
    前記記憶部が、
    個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し、
    前記自動CAD設計システムが、
    複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、前記ユニット単価情報、および/または、前記建築単価情報を参照して、該建築物の建築費用を計算する見積算出部をさらに有する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  8. 請求項に記載の自動CAD設計システムにおいて、
    前記記憶部が、
    コストおよび/または仕様が異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報、前記建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し、
    前記自動CAD設計システムが、
    前記複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける第二の入力受付部をさらに有し、
    前記自動設計部が、
    受け付けた建築グレードの入力に基づき、自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  9. 請求項に記載の自動CAD設計システムにおいて、
    前記記憶部が、
    コストおよび/または仕様が異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報と、
    前記建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し
    前記自動CAD設計システムが、
    前記複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける第二の入力受付部をさらに有し、
    前記自動設計部が、
    受け付けた建築グレードの入力に基づき、建築物の自動設計を実行し、該建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  10. 請求項8または9に記載の自動CAD設計システムにおいて、
    前記記憶部が、
    個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎、および/または、地域毎の賃貸標準単価情報をさらに格納し、
    前記取得部が、
    建設費用の頭金と、融資金利と、地域或いは住所の少なくとも一部をさらに取得し、
    前記見積算出部が、
    計算された建築費用と、取得された頭金と融資金利とに基づき、前記建築物に含まれる個別ユニットの少なくとも1つを、前記取得された地域或いは住所の少なくとも一部に基づき求めた賃貸標準単価情報で規定される賃料で賃した場合の時系列の収支計画を計算する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  11. 請求項10に記載の自動CAD設計システムにおいて、
    前記記憶部が、
    収支計画による賃貸事業の事業採算性を評価するためのフィジビリティルールを規定するフィジビリティルール情報をさらに格納し、
    前記見積算出部が、
    前記フィジビリティルール情報に基づき前記見積算出部により計算された収支計画の事業採算性を評価する、
    ことを特徴とする自動CAD設計システム。
  12. コンピュータを請求項1〜11のいずれか1項に記載の自動CAD設計システムとして機能させる自動CAD設計プログラム。
  13. コンピュータを用いた自動CAD設計方法であって、
    敷地を規定する敷地情報、および、建築物タイプ情報を取得する取得ステップと、
    少なくとも容積率を含む集団規定情報、および、各建築物タイプ情報に関連付けられた少なくとも1つの個別ユニットであって、中廊下ユニットと、少なくとも1つの部屋を含む部屋ユニットとを含むような、個別ユニットを規定する個別ユニット情報を格納する格納ステップと、
    前記取得した敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する抽出ステップと、
    前記取得した敷地情報に基づき、抽出した集団規定情報を参照して、前記敷地上に建築可能な建築物の存在可能空間を求める空間計算ステップと、
    前記取得した建築物タイプ情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計するにあたり、前記敷地情報で規定される敷地の面積が、所定の数値未満のときは、敷地の形状に基づき建築物外周形状を作成し、建築物の平面的な重心を求め、該重心を通るように前記中廊下ユニットを配置し、前記部屋ユニットを前記中廊下ユニットの長手方向の両辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する自動設計ステップと、
    を有することを特徴とする自動CAD設計方法。
  14. 請求項13に記載自動CAD設計方法において、
    前記敷地情報が、前記敷地の地理的情報、および/または、前記敷地の接道情報を含み、
    前記抽出ステップが、
    前記取得した、前記敷地の地理的情報、および/または、前記敷地の接道情報を含む敷地情報に基づき、該敷地情報で規定される敷地に適用される集団規定情報を抽出する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
  15. 請求項13または14に記載の自動CAD設計方法において、
    前記個別ユニットが、
    バルコニーユニットと、部屋ユニットとを含み、
    前記自動設計ステップは、
    前記敷地情報で規定される敷地の面積が、所定の数値以上のときは、敷地の少なくとも一辺に沿って前記バルコニーユニットを配置し、前記部屋ユニットを前記バルコニーユニットの長手方向の敷地内側の一辺の少なくとも一部に沿って順次配置して建築物を自動設計する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の自動CAD設計方法において、
    前記取得ステップが、
    前記敷地情報に規定される敷地の地理的情報に基づき、外部のサーバから該敷地に適用される集団規定情報をさらに取得し、
    前記抽出ステップが、
    前記取得した集団規定情報を、該敷地に適用される集団規定情報として抽出する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
  17. 請求項13〜16のいずれか1項に記載の自動CAD設計方法において、
    前記個別ユニットが、
    避難階段ユニットと、少なくとも1つの部屋と玄関を含む部屋ユニットと、部屋ユニットの玄関と別の部屋ユニットの玄関とを接続する通路ユニットとを含み、
    前記格納ステップが、
    部屋ユニットの玄関から通路ユニットを経た避難階段ユニットまでの距離、または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数を規定する避難経路設定情報を含む単体規定情報をさらに格納し、
    前記自動設計ステップが、
    自動設計された建築物の各部屋ユニットの各玄関から避難経路である避難階段ユニットまでの距離が前記避難経路設定情報で規定された距離を満たすように、および/または、建築物の条件に応じて規定される避難階段ユニットの個数を満たすように、前記建築物に少なくとも1つの非常階段ユニットを配置する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
  18. 請求項13〜17のいずれか1項に記載の自動CAD設計方法において、
    前記格納ステップが、
    複数の個別ユニットを含む建築物の1階分の複数のパターン化CAD情報をさらに格納し、
    前記自動CAD設計方法が、
    前記複数のパターン化CAD情報から選択される1つのパターン化CAD情報の指定を受け付ける第一の入力受付ステップをさらに有し、
    前記自動設計ステップが、
    前記受け付けたパターン化CAD情報に基づき、抽出した集団規定情報の少なくとも一部を参照して、前記パターン化CAD情報の少なくとも一部を含む階層を順次積み上げて建築物を前記存在可能空間内で自動設計する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
  19. 請求項13〜18のいずれか1項に記載の自動CAD設計方法において、
    前記格納ステップが、
    個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し、
    前記自動CAD設計方法が、
    複数の個別ユニットを含む建築物を前記存在可能空間内で自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、前記ユニット単価情報、および/または、前記建築単価情報を参照して、該建築物の建築費用を計算する見積算出ステップをさらに有する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
  20. 請求項19に記載の自動CAD設計方法において、
    前記格納ステップが、コストおよび/または仕様が異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報、前記建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し、
    前記自動CAD設計方法が、
    前記複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける第二の入力受付ステップをさらに有し、
    前記自動設計ステップが、
    受け付けた建築グレードの入力に基づき、自動設計された建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
  21. 請求項19に記載の自動CAD設計方法において、
    前記格納ステップが、
    コストおよび/または仕様が異なる複数の建築グレードを規定する建築グレード情報、前記建築グレード別に規定された個別ユニット毎のユニット単価情報、および/または、建築単価情報をさらに格納し、
    前記自動CAD設計方法が、
    前記複数の建築グレードから選択される1つの建築グレードの入力を受け付ける第二の入力受付ステップをさらに有し、
    前記自動設計ステップが、
    受け付けた建築グレードの入力に基づき、建築物の自動設計を実行し、該建築物に含まれる個別ユニットに基づき、該建築物の建築費用を計算する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
  22. 請求項20または21に記載の自動CAD設計方法において、
    前記格納ステップが、
    個別ユニット情報に規定された個別ユニット毎、および/または、地域毎の賃貸標準単価情報をさらに格納し、
    前記取得ステップが、
    建設費用の頭金と、融資金利と、地域或いは住所の少なくとも一部をさらに取得し、
    前記見積算出ステップが、
    計算された建築費用と、取得された頭金と融資金利とに基づき、前記建築物に含まれる個別ユニットの少なくとも1つを、前記取得された地域或いは住所の少なくとも一部に基づき求めた賃貸標準単価情報で規定される賃料で賃した場合の時系列の収支計画を計算する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
  23. 請求項22に記載の自動CAD設計方法において、
    前記格納ステップが、
    収支計画による賃貸事業の事業採算性を評価するためのフィジビリティルールを規定するフィジビリティルール情報をさらに格納し、
    前記見積算出ステップが、
    前記フィジビリティルール情報に基づき前記見積算出部により計算された収支計画の事業採算性を評価する、
    ことを特徴とする自動CAD設計方法。
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