JP6083396B2 - 差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法およびケーブル接続装置 - Google Patents

差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法およびケーブル接続装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6083396B2
JP6083396B2 JP2014029829A JP2014029829A JP6083396B2 JP 6083396 B2 JP6083396 B2 JP 6083396B2 JP 2014029829 A JP2014029829 A JP 2014029829A JP 2014029829 A JP2014029829 A JP 2014029829A JP 6083396 B2 JP6083396 B2 JP 6083396B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cable
differential signal
signal transmission
group
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014029829A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015153739A (ja
Inventor
崇 熊倉
崇 熊倉
杉山 剛博
剛博 杉山
正尭 佐藤
正尭 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2014029829A priority Critical patent/JP6083396B2/ja
Publication of JP2015153739A publication Critical patent/JP2015153739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6083396B2 publication Critical patent/JP6083396B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)

Description

本発明は、位相を180度反転させた差動信号を伝送する複数の差動信号伝送用ケーブルを、基板の表側および裏側に接続する際に用いられる技術に関する。
従来、数Gbit/s以上の高速デジタル信号を扱うサーバやルータ,ストレージ製品等の機器においては、差動インターフェース規格、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal)が採用され、各機器間あるいは機器内の各回路基板間では、差動信号伝送用ケーブルを用いて差動信号の伝送が行われている。差動信号は、システム電源の低電圧化を実現しつつ外来ノイズに対する耐性が高いという特徴を有している。
差動信号伝送用ケーブルは一対の信号線導体を備え、各信号線導体には、位相を180度反転させたプラス側信号およびマイナス側信号がそれぞれ伝送されるようになっている。そして、これらの2つの信号の電位差が信号レベルとなって、例えば電位差がプラスであれば「High」,マイナスであれば「Low」として、当該信号レベルを受信側で認識するようになっている。
このような差動信号を伝送する差動信号伝送用ケーブルが、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された技術は、8本の単ケーブル(single cable)のうちの4本を基板(substrate)の表側の信号線取付部(signal line mounting portion)に半田付けし、他の4本の単ケーブルを基板の裏側の信号線取付部に半田付けしている。そして、8本の単ケーブルの端末を整列させつつ、これらの端末を基板の表側および裏側の信号線取付部にそれぞれ対向させるために、整列板(aligning plate)を用いている。
米国特許第7,857,657号明細書
ところで近年においては、多数の高速デジタル信号を同時に扱える機器の開発が進んでおり、これに伴い、多数の差動信号伝送用ケーブルを束ねてなるケーブル体の端末の小型化が必須の条件となっている。具体的には、ケーブル体の端末を小型化することで、機器のケーブル接続部分において、単位面積当たりの差動信号伝送用ケーブルの接続本数を増やすことができる。これにより、多数の高速デジタル信号を同時に扱える機器に容易に対応可能となる。
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術においては、複数の差動信号伝送用ケーブルを基板の表側および裏側に、整列板を用いてそれぞれ半田付けした後、差動信号伝送用ケーブルと基板との間に整列板が残留する構造となっている。したがって、ケーブル体の端末に整列板がある分、ケーブル体の端末を小型化するには限界があり、よって、多数の高速デジタル信号を同時に扱える機器への対応が困難になるという問題があった。そこで、単に整列板を小型化することも考えられるが、この場合には、差動信号伝送用ケーブルと基板との接続処理、つまり半田付けによる端末処理が難しくなる。
また、差動信号伝送用ケーブルの一対の信号線導体は、通常、絶縁体で被覆されているが、この絶縁体で被覆されない領域、つまり整列板の厚さに相当する長さの領域は、インピーダンス(電気的特性)の乱れに悪影響を及ぼすことが分かっている。したがって、このようなインピーダンスの観点からすると、差動信号伝送用ケーブルと基板との接続処理を行った後に、整列板を取り外すのが望ましい。
本発明の目的は、差動信号伝送用ケーブルと基板との接続処理を容易にしつつ電気的特性を良好にして、多数の高速デジタル信号を同時に扱える機器に容易に対応可能な、差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法およびケーブル接続装置を提供することにある。
本発明の一態様では、基板の両面に複数の差動信号伝送用ケーブルをそれぞれ接続する、差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法であって、前記基板の表側に接続される表側ケーブル群、および前記基板の裏側に接続される裏側ケーブル群を束ねてなるケーブル体を準備するケーブル体準備工程と、前記表側ケーブル群と前記裏側ケーブル群との間に抜き差しされる第1部材と、前記差動信号伝送用ケーブルを保持する保持溝を有し、前記第1部材に着脱自在な第2部材と、を備えたケーブル接続装置を準備するケーブル接続装置準備工程と、前記差動信号伝送用ケーブルを前記保持溝に保持させ、前記表側ケーブル群と前記裏側ケーブル群との間に前記第1部材を差し込み、前記第1部材に前記第2部材を取り付けるケーブル保持工程と、前記差動信号伝送用ケーブルの信号線導体を、前記基板の表側接続部および裏側接続部にそれぞれ接続する接続工程と、前記第1部材から前記第2部材を取り外し、前記表側ケーブル群と前記裏側ケーブル群との間から前記第1部材を抜き取るケーブル接続装置除去工程と、を有する。
本発明の他の態様では、前記ケーブル保持工程と前記接続工程との間に、前記表側ケーブル群および前記裏側ケーブル群の端末を処理して、前記信号線導体を外部に露出させるケーブル端末処理工程が設けられる。
本発明の他の態様では、前記ケーブル端末処理工程において、前記表側ケーブル群および前記裏側ケーブル群に対応した一対の前記ケーブル接続装置を重ねて用い、一対の前記ケーブル接続装置を互いにスライドさせることで、前記表側ケーブル群および前記裏側ケーブル群を形成する前記差動信号伝送用ケーブルを横一列に並べて、当該状態のもとで端末を処理する。
本発明の他の態様では、基板の両面に複数の差動信号伝送用ケーブルをそれぞれ接続するのに用いられるケーブル接続装置であって、前記基板の表側に接続される表側ケーブル群と、前記基板の裏側に接続される裏側ケーブル群との間に抜き差しされる第1部材と、前記差動信号伝送用ケーブルを保持する保持溝を有し、前記第1部材に着脱自在な第2部材と、を備える。
本発明の他の態様では、前記第2部材に、他のケーブル接続装置を吸着する磁石が設けられる。
本発明の他の態様では、前記第1部材と前記第2部材との間に、前記第1部材に対する前記第2部材の取付状態を保持する取付状態保持機構が設けられる。
本発明の他の態様では、前記第1部材は、前記表側ケーブル群と前記裏側ケーブル群との間に抜き差しされる板状部と、当該板状部の延在方向と交差する方向に延び、前記第2部材の延在方向端部と対向される壁部とを備え、前記取付状態保持機構は、前記壁部に対して回転自在かつ進退不能に設けられた雄ネジと、前記第2部材の延在方向端部に設けられた雌ネジとを備える。
本発明の他の態様では、前記取付状態保持機構は、一端部が前記第1部材に固定され、他端部が前記第2部材に固定されるバネ部材からなり、当該バネ部材の弾性力は、前記第2部材を前記第1部材に取り付ける方向に作用する。
本発明によれば、表側ケーブル群および裏側ケーブル群の信号線導体を、基板の表側接続部および裏側接続部にそれぞれ接続する際に、互いに着脱自在な第1部材および第2部材よりなるケーブル接続装置を用いるため、差動信号伝送用ケーブルと基板との接続処理を容易に行うことができる。
差動信号伝送用ケーブルと基板との接続処理後は、ケーブル接続装置をケーブル体から除去するため、ケーブル体の端末を小型化することができ、多数の高速デジタル信号を同時に扱える機器に容易に対応可能となる。
また、ケーブル接続装置を除去するため、信号線導体の絶縁体で被覆されない領域を小さくすることができ、インピーダンスの乱れを抑えて電気的特性を安定化させることが可能となる。
(a)はケーブルアッセンブリを表側から見た斜視図、(b)はケーブルアッセンブリを側方から見た平面図である。 (a)はケーブル体の端末を示す斜視図、(b)は差動信号伝送用ケーブル(端末処理後)を示す斜視図である。 実施の形態1に係るケーブル接続装置を示す斜視図である。 (a),(b)は、図3のケーブル接続装置の動作を説明する断面図である。 表側ケーブル群をケーブル接続装置に保持させる手順(ケーブル保持工程)を説明する説明図である。 裏側ケーブル群をケーブル接続装置に保持させる手順(ケーブル保持工程)を説明する説明図である。 表側ケーブル群および裏側ケーブル群の端末処理(ケーブル端末処理工程)を説明する説明図である。 差動信号伝送用ケーブルと基板とを接続する手順(接続工程)を説明する説明図である。 差動信号伝送用ケーブルと基板とを接続した後にケーブル接続装置を除去する手順(ケーブル接続装置除去工程)を説明する説明図である。 実施の形態2に係るケーブル端末処理工程を説明する説明図である。 実施の形態3に係るケーブル接続装置を示す斜視図である。 実施の形態4に係るケーブル接続装置を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて詳細に説明する。
図1(a)はケーブルアッセンブリを表側から見た斜視図、(b)はケーブルアッセンブリを側方から見た平面図を、図2(a)はケーブル体の端末を示す斜視図、(b)は差動信号伝送用ケーブル(端末処理後)を示す斜視図を、図3は実施の形態1に係るケーブル接続装置を示す斜視図を、図4(a),(b)は図3のケーブル接続装置の動作を説明する断面図をそれぞれ示している。
図1(a),(b)に示すように、ケーブルアッセンブリ10は、ケーブル体20と、当該ケーブル体20の端末に接続された基板30とを備えている。ケーブル体20は、複数(合計8本)の差動信号伝送用ケーブル40を束ねて形成され、差動信号伝送用ケーブル40の周囲には、外部導体21および保護被覆22が設けられている。外部導体21は、差動信号伝送用ケーブル40に外来ノイズが伝達されるのを抑えるものである。保護被覆22は、柔軟性を有するポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)等により形成され、内部にある外部導体21および差動信号伝送用ケーブル40を保護するものである。
ここで、ケーブル体20の長手方向に沿う保護被覆22と基板30との間には、熱硬化性を有するエポキシ樹脂(epoxy resin)によって固められたモールド樹脂部23が設けられ、当該モールド樹脂部23は、保護被覆22と基板30との間の差動信号伝送用ケーブル40を纏めている。ただし、ケーブルアッセンブリ10の仕様によっては、モールド樹脂部23を省略しても良い。
モールド樹脂部23は、ケーブル体20と基板30とを接続した後に形成される。具体的には、図2(a)の二点鎖線で示すようにケーブル接続装置50を用いて、合計8本の差動信号伝送用ケーブル40のうちの4本を基板30の表面31に接続して、さらにその他の4本を基板30の裏面32に接続した後に形成される。ケーブル接続装置50の詳細構造や使用方法については後述する。
図2(b)に示すように、差動信号伝送用ケーブル40は、一対の信号線導体41を備えている。各信号線導体41のうちのいずれか一方には差動信号としてのプラス側信号(ポジティブ信号)が伝送され、各信号線導体41のうちのいずれか他方には差動信号としてのマイナス側信号(ネガティブ信号)が伝送される。各信号線導体41は、例えば、その表面に錫めっき処理が施された軟銅線(Tinned Annealed Copper Wire)によって形成され、各信号線導体41は絶縁体42によって被覆されている。
絶縁体42は、差動信号伝送用ケーブル40に柔軟性を持たせるために、例えば、発泡ポリエチレン(Foamed Poly-Ethylene)によって形成され、その横断面形状は略楕円形に形成されている。絶縁体42は、各信号線導体41を所定間隔で並ぶよう保持し、各信号線導体41の周囲に略同等の肉厚となるよう配置されている。
ただし、絶縁体42の横断面形状は、図示のような略楕円形に限らず、例えば、各信号線導体41をそれぞれ別個に被覆した略円形であっても良い。さらには、絶縁体42の横断面形状を、一対の長さが等しい平行線と一対の半円弧とからなる、例えば、陸上競技場のトラック(Track)に略等しい形状としても良い。
絶縁体42の周囲には、外来ノイズの影響を抑制するための外部導体43が設けられている。外部導体43は、例えば、シート状の銅箔によって形成され、絶縁体42の長手方向に沿う端部を除く大部分を被覆している。ただし、外部導体43としては、銅箔に限らず他の金属箔であっても良く、さらには軟銅線等の金属細線を編み込んだ編組シートであっても良い。
外部導体43の周囲には、差動信号伝送用ケーブル40を保護する保護外皮としてのシース44が設けられ、当該シース44は、外部導体43の長手方向に沿う端部を除く大部分を被覆している。なお、シース44は、例えば、耐熱PVC(Heat Resistant Polyvinyl Chloride)によって形成されている。また、差動信号伝送用ケーブル40は、ドレイン線を含んでいない。
差動信号伝送用ケーブル40の端部には、図2(b)に示すように、端末処理が施されている。具体的には、差動信号伝送用ケーブル40を、その長手方向に沿うよう順次段剥きし、これにより、各信号線導体41および外部導体43の端末をそれぞれ外部に露出させている。このような端末処理は、合計8本の差動信号伝送用ケーブル40の全てに実施され、よって、ケーブル体20と基板30との電気的な接続を容易に行えるようにしている。
図1に示すように、ケーブル体20に接続される基板30は、ケーブルコネクタ(コネクタ部材)として機能する部品であって、当該基板30の長手方向一端側(図中右側)は、例えばバックプレーン製品に設けられたスロット(図示せず)に差し込まれるようになっている。
基板30の両面、つまり表面31および裏面32には、それぞれ複数の信号線用コンタクト31a,32aが設けられ、さらに複数のグラウンド用コンタクト31b,32bが設けられている。ここで、表面31の各信号線用コンタクト31aは、本発明における表側接続部を構成し、裏面32の各信号線用コンタクト32aは、本発明における裏側接続部を構成している。
基板30は、エポキシ樹脂(epoxy resin)等の絶縁材料により板状に形成され、基板30のスロットへの差し込み方向先端部(図中右側)には、一対のテーパ部33,34が設けられている。これらのテーパ部33,34は、基板30の差し込み方向先端部を先細り形状として、スロットへの差し込みを案内するようになっている。
各信号線用コンタクト31a,32aおよび各グラウンド用コンタクト31b,32bは、いずれも導電性に優れた黄銅等よりなり、互いに所定隙間を持って基板30の表面31および裏面32に形成されている。これにより、各信号線用コンタクト31a,32aおよび各グラウンド用コンタクト31b,32bは、互いに短絡することは無い。
各信号線用コンタクト31a,32aは、信号線導体41(図2(b)参照)に対応して設けられ、各グラウンド用コンタクト31b,32bは、外部導体43(図2(b)参照)に対応して設けられている。そして、信号線導体41は、各信号線用コンタクト31a,32aに対して、半田付けにより直接接続されている。一方、外部導体43は、各グラウンド用コンタクト31b,32bに対して、ケーブル体20および基板30とは別体のグラウンド用導体35を介して半田付けにより接続されている。
ここで、グラウンド用導体35は、導電性に優れた黄銅等よりなる鋼板をプレス加工等することで、図8に示すような形状に形成されている。グラウンド用導体35は、隣り合う一対の差動信号伝送用ケーブル40の外部導体43に接続される本体部35aと、当該本体部35aから差動信号伝送用ケーブル40の長手方向に突出され、各グラウンド用コンタクト31b,32bに接続される3つの腕部35bとを備えている。つまり、本実施の形態のように合計8本の差動信号伝送用ケーブル40を有するケーブル体20を基板30に接続する際には、基板30の表面31側と裏面32側とで、それぞれ2個ずつのグラウンド用導体35(合計4個)が用いられる。
基板30の周囲には、図1に示すように、略箱状に形成された樹脂ケース36(詳細図示せず)が設けられている。これにより、作業者が樹脂ケース36を把持する等して、基板30をスロットに確実に差し込めるようにしている。その際、ケーブル体20と基板30との半田付けの部分に大きな負荷が掛からないので、断線等の不具合の発生を確実に防止できる。
次に、ケーブル体20と基板30とを接続する際に用いるケーブル接続装置50の詳細構造について、図面を用いて説明する。
図3および図4に示すように、ケーブル接続装置50は、第1部材としてのL字状部材51と、第2部材としての角柱状部材52とを備え、これらのL字状部材51および角柱状部材52は、互いに着脱自在となっている。L字状部材51および角柱状部材52は、いずれもステンレス鋼(stainless steel)等の鋼材により形成され、これによりケーブル接続装置50を高剛性として、ケーブル接続装置50の再利用性を高めている。
L字状部材51は、板状部51aと、当該板状部51aの延在方向と交差する方向に延びる壁部51bとを備え、壁部51bは、板状部51aの長手方向端部に一体に設けられている。板状部51aの厚み寸法は、壁部51bの厚み寸法よりも薄く設定されている。このように板状部51aを薄肉に設定することで、表側ケーブル群40Aと裏側ケーブル群40Bとの間(図8参照)に、各ケーブル群40A,40Bと交差する方向から、板状部51aの抜き差しを容易に行えるようにしている。一方、壁部51bは、雄ネジ51fを支持するため、ある程度の剛性が必要であり、板状部51aよりも肉厚に設定されている。
ここで、表側ケーブル群40Aは、基板30の表側の表面31(図1参照)に接続され、合計8本のうちの差動信号伝送用ケーブル40のうちの任意の4本で構成されている。一方、裏側ケーブル群40Bは、基板30の裏側の裏面32(図1参照)に接続され、合計8本のうちの差動信号伝送用ケーブル40のうちの他の任意の4本で構成されている。
板状部51aの長手方向に沿う両側寄りには、板状部51aの板厚方向に貫通した貫通孔51cがそれぞれ設けられている。一対の貫通孔51cの直径寸法はそれぞれD1に設定されている。そして、各貫通孔51cの内部には、角柱状部材52に設けた円柱状磁石52aの先端側(図中下側)がそれぞれ入り込んで、各貫通孔51cの内部を移動できるようになっている。
板状部51aの長手方向に沿う壁部51b側とは反対側には、第1テーパ部51dが形成されており、この第1テーパ部51dの傾斜角度はα°(例えば70°)に設定されている。第1テーパ部51dには、図4(b)に示すように、角柱状部材52の第2テーパ部52dが係合されるようになっている。そして、第1テーパ部51dと第2テーパ部52dとが係合されると、L字状部材51に角柱状部材52が取り付けられた状態となって、各テーパ部51d,52dがある部分において、図中上下方向に互いに引き離せない状態となる。
ここで、第1テーパ部51dおよび第2テーパ部52dは、L字状部材51に対する角柱状部材52の取付状態を保持しており、本発明における取付状態保持機構を構成している。
また、壁部51bには、当該壁部51bの板厚方向に貫通した装着孔51eが設けられている。この装着孔51eには、雄ネジ51fが回転自在かつ進退不能に設けられている。そして、壁部51bの角柱状部材52側(図中右側)は、角柱状部材52の延在方向端部と対向している。
雄ネジ51fは、装着孔51eに回動自在に設けられるネジ本体51gと、ネジ本体51gの角柱状部材52側に設けられるネジ部51hと、ネジ本体51gの角柱状部材52側とは反対側に設けられるツマミ部51iとを備えている。ネジ本体51gのネジ部51h側およびツマミ部51i側には、それぞれ止め輪Rが固定されており、これにより雄ネジ51fが装着孔51eに対して、回転自在で、かつ進退不能となっている。
そして、作業者によりツマミ部51iを操作することで、ネジ部51hを角柱状部材52の雌ネジ52cにねじ込むことができ、これにより壁部51bに角柱状部材52が引き寄せられる。すると、L字状部材51に角柱状部材52が取り付けられた状態となって、雄ネジ51f,雌ネジ52cがある部分において、図中上下方向に互いに引き離せない状態となる。
ここで、雄ネジ51fおよび雌ネジ52cにおいても、L字状部材51に対する角柱状部材52の取付状態を保持しており、本発明における取付状態保持機構を構成している。
角柱状部材52は、略直方体形状に形成され、角柱状部材52の長手方向に沿う両側寄りには、円柱状磁石(磁石)52aがそれぞれ設けられている。各円柱状磁石52aの先端側は、各貫通孔51cの内部に入り込むようになっている。ここで、各円柱状磁石52a同士の間隔(ピッチ)は、各貫通孔51c同士の間隔と同じ間隔となっており、各円柱状磁石52aの直径寸法D2は、各貫通孔51cの直径寸法D1よりも小さい直径寸法となっている(D2<D1)。
角柱状部材52の長手方向に沿う各円柱状磁石52aの間には、4つの保持溝52bが所定間隔で設けられている。具体的には、各保持溝52bは、基板30上に設けられた信号線用コンタクト31a,32aの各組の間隔と同じ間隔で設けられている。ここで、「信号線用コンタクト31a,32aの組」とは、1本の差動信号伝送用ケーブル40の2本の各信号線導体41が接続される2つで1組の信号線用コンタクト31a,32aのことである。よって、本実施の形態においては、基板30の表面31および裏面32のそれぞれに、4本の差動信号伝送用ケーブル40に対応して4組の信号線用コンタクト31a,32aが設けられている。
各保持溝52bの横断面形状は略長方形に形成され、各保持溝52bは角柱状部材52の短手方向に沿って延びている。各保持溝52bには、差動信号伝送用ケーブル40がそれぞれ装着されるようになっている。ここで、保持溝52bの幅寸法は差動信号伝送用ケーブル40の幅寸法よりも若干小さく設定され、これにより保持溝52bのみで差動信号伝送用ケーブル40を保持できるようになっている。
角柱状部材52の長手方向に沿う壁部51b側(図中左側)、つまり壁部51bと対向する角柱状部材52の延在方向端部には、雌ネジ52cが設けられている。この雌ネジ52cには、雄ネジ51fのネジ部51hがネジ結合されるようになっている。
角柱状部材52の長手方向に沿う第1テーパ部51d側(図中右側)には、第2テーパ部52dが形成されている。第2テーパ部52dの傾斜角度は、第1テーパ部51dの傾斜角度と同じα°に設定されている。つまり、第2テーパ部52dおよび第1テーパ部51dは、互いに全面で係合するようになっている。
ここで、図4(a)に示す状態は、L字状部材51の板状部51aに角柱状部材52を載置し、かつ雄ネジ51fと雌ネジ52cとをネジ結合していない状態を示している。この状態において、壁部51bと角柱状部材52との間の隙間寸法T1は、第1テーパ部51dと第2テーパ部52dとの間の隙間寸法T2よりも大きい隙間寸法となっている(T1>T2)。これにより、雄ネジ51fを雌ネジ52cにネジ結合することで、第1テーパ部51dと第2テーパ部52dとを、がたつくこと無く全面で係合することができる(図4(b)参照)。
次に、以上のように形成したケーブル接続装置50を用い、ケーブル体20と基板30とを接続する方法(差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法)について、図面を用いて詳細に説明する。
図5は表側ケーブル群をケーブル接続装置に保持させる手順(ケーブル保持工程)を説明する説明図を、図6は裏側ケーブル群をケーブル接続装置に保持させる手順(ケーブル保持工程)を説明する説明図を、図7は表側ケーブル群および裏側ケーブル群の端末処理(ケーブル端末処理工程)を説明する説明図を、図8は差動信号伝送用ケーブルと基板とを接続する手順(接続工程)を説明する説明図を、図9は差動信号伝送用ケーブルと基板とを接続した後にケーブル接続装置を除去する手順(ケーブル接続装置除去工程)を説明する説明図をそれぞれ示している。
[ケーブル体準備工程]
まず、図2(a)に示すように、合計8本の差動信号伝送用ケーブル40、つまり表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40Bを束ねて形成されたケーブル体20を準備する。ここで、ケーブル体20の端末(図中右側)は、別の製造工程において予め段剥き(端末処理)されており、これにより、差動信号伝送用ケーブル40の各々の端末と外部導体21の端末とが外部に露出された状態となっている。このようにしてケーブル準備工程が完了する。
[ケーブル接続装置準備工程]
次に、図3に示すように、L字状部材51と角柱状部材52とを備えたケーブル接続装置50を準備する。このケーブル接続装置50は、ケーブル体20と基板30とを接続する際に繰り返し利用される再利用可能な治具となっている。ここで、表側ケーブル群40A(図5参照)および裏側ケーブル群40B(図6参照)に対応させて、2個のケーブル接続装置50を準備する。そして、ケーブル体20と基板30とを接続する作業に先立ち、図5および図6に示すように、L字状部材51と角柱状部材52とを分離しておく。これにより、ケーブル接続装置準備工程が完了する。
[ケーブル保持工程]
図5の破線矢印(1)に示すように、表側ケーブル群40Aを形成する4本の差動信号伝送用ケーブル40を、角柱状部材52の各保持溝52bにそれぞれ保持させる。その後、破線矢印(2)に示すように、L字状部材51の板状部51aにおける第1テーパ部51d側を、表側ケーブル群40Aと裏側ケーブル群40Bとの間に差し込む。ここで、板状部51aの長手方向と各ケーブル群40A,40Bの延在方向とが直交するようにする。
次いで、L字状部材51と角柱状部材52とを相対的に近接移動させ、角柱状部材52の各円柱状磁石52aの先端側を、L字状部材51の各貫通孔51cの内部に入り込むようにする。これにより図4(a)に示すような状態、つまり壁部51bと角柱状部材52の延在方向端部とが対向し、かつ第1テーパ部51dと第2テーパ部52dとが対向した状態となる。
その後、破線矢印(3)に示すように、雄ネジ51fのツマミ部51iを時計方向に回転させ、これにより雄ネジ51fのネジ部51hを、角柱状部材52の雌ネジ52cにネジ結合させる。そして、ネジ部51hの雌ネジ52cへのネジ結合を進めていくことで、破線矢印(4)に示すように、角柱状部材52の延在方向端部が壁部51bに引き寄せられていく。これにより、図4(b)に示す状態のように、第1テーパ部51dと第2テーパ部52dとが全面で係合され、L字状部材51に角柱状部材52が取り付けられる。このようにして、ケーブル接続装置50に、表側ケーブル群40Aを形成する4本の差動信号伝送用ケーブル40を保持させるケーブル保持工程が完了する。
また、図6の破線矢印(5)に示すように、裏側ケーブル群40Bを形成する4本の差動信号伝送用ケーブル40を、角柱状部材52の各保持溝52bにそれぞれ保持させる。その後、破線矢印(6)に示すように、L字状部材51の板状部51aにおける第1テーパ部51d側を、表側ケーブル群40Aと裏側ケーブル群40Bとの間に差し込む。ここで、板状部51aの長手方向と各ケーブル群40A,40Bの延在方向とが直交するようにする。
ただし、表側ケーブル群40Aに対応したケーブル接続装置50(図5参照)に対して、差動信号伝送用ケーブル40を挟んで反対側から差し込むようにする。これは、完成したケーブルアッセンブリ10(図9参照)から2つのケーブル接続装置50を除去する際に、各ケーブル接続装置50の各ツマミ部51iを、差動信号伝送用ケーブル40を挟んでそれぞれ対向配置されるようにして、操作性の向上を図り、作業を容易に行えるようにするためである。
次いで、L字状部材51と角柱状部材52とを相対的に近接移動させ、角柱状部材52の各円柱状磁石52aの先端側を、L字状部材51の各貫通孔51cの内部に入り込むようにする。これにより図4(a)に示すような状態、つまり壁部51bと角柱状部材52の延在方向端部とが対向し、かつ第1テーパ部51dと第2テーパ部52dとが対向した状態となる。
その後、破線矢印(7)に示すように、雄ネジ51fのツマミ部51iを時計方向に回転させ、これにより雄ネジ51fのネジ部51h(図4参照)を、角柱状部材52の雌ネジ52cにネジ結合させる。そして、ネジ部51hの雌ネジ52cへのネジ結合を進めていくことで、破線矢印(8)に示すように、角柱状部材52の延在方向端部が壁部51bに引き寄せられていく。これにより、図4(b)に示す状態のように、第1テーパ部51dと第2テーパ部52dとが全面で係合され、L字状部材51に角柱状部材52が取り付けられる。このようにして、ケーブル接続装置50に、裏側ケーブル群40Bを形成する4本の差動信号伝送用ケーブル40を保持させるケーブル保持工程が完了する。
[ケーブル端末処理工程]
表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40Bに対して、それぞれケーブル接続装置50を装着した後は、これに引き続き、ケーブル端末処理工程が実施される。ケーブル端末処理工程では、図7に示すように、横一列に並ぶよう整列された4本の差動信号伝送用ケーブル40の端末を、表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40Bにおいてそれぞれ纏めて処理するようになっている。
具体的には、破線矢印(9)に示すように、表側ケーブル群40Aを形成する4本の差動信号伝送用ケーブル40の端末に、例えば、高エネルギのレーザ光(図示せず)を照射してシース44や絶縁体42(図2(b)参照)の一部を除去したり、カッター装置(図示せず)を用いて外部導体43の一部を除去したりする。これにより、各信号線導体41および外部導体43の一部がそれぞれ外部に露出される。
ここで、裏側ケーブル群40Bを形成する4本の差動信号伝送用ケーブル40の端末においても、破線矢印(10)に示すように、同様に端末処理が施される。このようにしてケーブル端末処理工程が完了する。ここで、ケーブル接続装置50にそれぞれ保持された表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40Bの端末は、図7に示すように整然と並べられて処理されるため、素早くかつ精度良く端末処理(段剥き)を行うことができる。
[接続工程]
次に、ケーブル体20と基板30とを接続する接続工程を実施する。まず、図8の破線矢印(11)に示すように、表側ケーブル群40Aに対応したケーブル接続装置50と、裏側ケーブル群40Bに対応したケーブル接続装置50とをつき合わせて重ねる。ここで、ケーブル接続装置50の板状部51aが互いに向き合うように重ねる。すると、それぞれのケーブル接続装置50に設けた円柱状磁石52aの磁力で吸着し合い、各ケーブル接続装置50が連結される。ここで、各ケーブル接続装置50の連結は、図8に示すように、差動信号伝送用ケーブル40と交差する図中上方から見た際に、互いに投影範囲内に入るように整合させる。これにより、表側ケーブル群40Aの端末と裏側ケーブル群40Bの端末とを、基板30側で精度良く整列させることができる。
次に、予め別の製造工程で製造された基板30を準備するとともに、当該基板30の信号線用コンタクト31a,32aおよびグラウンド用コンタクト31b,32b側を、破線矢印(12)に示すように、各ケーブル群40A,40Bの端末に臨ませる。より具体的には、基板30の表面31を表側ケーブル群40A側に向けるようにし、また、基板30の裏面32を裏側ケーブル群40B側に向けるようにし、当該状態のもとで、基板30を表側ケーブル群40Aの端末と裏側ケーブル群40Bの端末との間に配置する。
その後、破線矢印(13)に示すように、予め別の製造工程で製造されたグラウンド用導体35を合計4個準備するとともに、隣り合う差動信号伝送用ケーブル40の外部導体43を覆うように配置する。次いで、差動信号伝送用ケーブル40の端末にグラウンド用導体35を装着した状態のもとで、破線矢印(14)に示すように半田ごてSCを用い、信号線導体41を信号線用コンタクト31a,32aに、また、グラウンド用導体35の腕部35bをグラウンド用コンタクト31b,32bに、それぞれ接続する。
ここで、これらの接続作業は、表側ケーブル群40A側から、または裏側ケーブル群40B側から順次行うようにする。その際、各ケーブル接続装置50は円柱状磁石52aの磁力によって連結されているため、各ケーブル接続装置50は離れることが無く、当該接続作業を容易に行うことができる。また、これらの接続作業では、グラウンド用導体35と外部導体43との半田付けも行われる。
その後、ケーブル体20と基板30との接続部分を被覆するよう樹脂ケース36(図1(a)参照,詳細図示せず)を設ける。このようにして接続工程が完了し、ケーブルアッセンブリ10が完成する。
[ケーブル接続装置除去工程]
次に、完成したケーブルアッセンブリ10から、一対のケーブル接続装置50を除去するケーブル接続装置除去工程を実施する。図9の破線矢印(15)に示すように、各ケーブル接続装置50の各ツマミ部51iを反時計方向に回転させ、雄ネジ51fのネジ部51h(図4参照)に対するネジ結合を緩めて外す。すると、破線矢印(16)に示すように、角柱状部材52の延在方向端部が壁部51bから離れていき、第1テーパ部51dと第2テーパ部52dとの係合が外れて、図4(a)に示す状態となる。そして、L字状部材51から角柱状部材52を外せるようになり、破線矢印(17)に示すようにL字状部材51から角柱状部材52を取り外す。このとき、円柱状磁石52aの磁力に抗して角柱状部材52を取り外すようにする。
その後、表側ケーブル群40Aと裏側ケーブル群40B側との間から、破線矢印(18)に示すように、各ケーブル接続装置50のL字状部材51をそれぞれ抜き取る。ここで、L字状部材51の板状部51aには、凹凸等の段差が設けられていないため、板状部51aの抜き取り作業をスムーズに行うことができ、ケーブル体20と基板30との接続部分(半田付け部分)に、大きな負荷が掛かるようなことは無い。このようにしてケーブル接続装置除去工程が完了する。
以上詳述したように、実施の形態1に係る差動信号伝送用ケーブル40の基板30への接続方法およびケーブル接続装置50によれば、表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40Bの信号線導体41を、基板30の信号線用コンタクト31a,32aにそれぞれ接続する際に、互いに着脱自在なL字状部材51および角柱状部材52よりなるケーブル接続装置50を用いるため、差動信号伝送用ケーブル40と基板30との接続処理を容易に行うことができる。
そして、差動信号伝送用ケーブル40と基板30との接続処理後は、ケーブル接続装置50をケーブル体20から除去するため、ケーブル体20の端末を小型化することができ、多数の高速デジタル信号を同時に扱える機器に容易に対応可能となる。
また、ケーブル接続装置50を除去するため、信号線導体41の絶縁体42で被覆されない領域を小さくすることができ、インピーダンスの乱れを抑えて電気的特性を安定化させることが可能となる。
次に、本発明の実施の形態2について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10は実施の形態2に係るケーブル端末処理工程を説明する説明図を示している。
実施の形態2においては、上述した実施の形態1に比して、ケーブル端末処理工程のみが異なっている。実施の形態1においては、図7の破線矢印(9),(10)に示すように、表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40Bにおいて、それぞれ個別に端末処理していた。これに対し、実施の形態2においては、図10に示すように、表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40Bの双方を纏めて端末処理するようにしている。
具体的には、まず、表側ケーブル群40Aに対応したケーブル接続装置50と、裏側ケーブル群40Bに対応したケーブル接続装置50とをつき合わせて重ねる。その後、破線矢印(19)に示すように、一対のケーブル接続装置50を互いにスライドさせる。ここで、各ケーブル接続装置50のスライド方向は、ケーブル接続装置50の長手方向に沿う方向となっている。また、各ケーブル接続装置50の相対的なスライド量は、差動信号伝送用ケーブル40の幅寸法に略等しくなるようにする。ここで、差動信号伝送用ケーブル40の幅寸法とは、差動信号伝送用ケーブル40の略楕円形の横断面形状において、長軸の延在方向に沿う寸法のことを指している。
次いで、表側ケーブル群40Aの差動信号伝送用ケーブル40(4本)と、裏側ケーブル群40Bの差動信号伝送用ケーブル40(4本)とを、図10に示すように、ケーブル接続装置50の長手方向に沿うように横一列に並べる。その後、当該状態のもとで、破線矢印(20)に示すように、合計8本の差動信号伝送用ケーブル40の端末に、例えば、高エネルギのレーザ光を照射してシース44や絶縁体42(図2(b)参照)の一部を除去したり、カッター装置(図示せず)を用いて外部導体43の一部を除去したりする。これにより、各信号線導体41および外部導体43の一部をそれぞれ外部に露出させる。次いで、一対のケーブル接続装置50のスライド状態を元に戻し、図8に示す状態とする。その後は、上述した[接続工程]を実施する。
以上のように形成した実施の形態2においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態2においては、表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40Bを形成する合計8本の差動信号伝送用ケーブル40を、纏めて端末処理(段剥き)できるので、ケーブル端末処理工程を簡素化しつつ、表側ケーブル群40Aと裏側ケーブル群40Bとで端末処理にバラツキが生じるのを抑制することができる。
次に、本発明の実施の形態3について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11は実施の形態3に係るケーブル接続装置を示す斜視図を示している。
実施の形態3においては、上述した実施の形態1に比して、ケーブル接続装置の構造のみが異なっている。図11に示すように、実施の形態3に係るケーブル接続装置60は、第1部材としての板状部材61と、第2部材としての角柱状部材62と、バネ部材としての一対のトーションバネ63とを備えている。ここで、板状部材61,角柱状部材62およびトーションバネ63は、いずれもステンレス鋼製であり、トーションバネ63は、本発明における取付状態保持機構を構成している。
板状部材61には、上述したL字状部材51の板状部51a(図5参照)と同様に、一対の貫通孔51cを備えている。また、角柱状部材62には、上述した角柱状部材52(図5参照)と同様に、一対の円柱状磁石52aと、各円柱状磁石52aの間に配置された4つの保持溝52bとを備えている。ただし、ケーブル接続装置60においては、各貫通孔51cの内部に入り込んだ各円柱状磁石52aは、上述した実施の形態1のケーブル接続装置50(図4参照)ように各貫通孔51cの内部で移動することは無い。
各トーションバネ63は、バネ本体63aおよび一対のアーム63bをそれぞれ備えている。各トーションバネ63は、板状部材61および角柱状部材62の長手方向一側(図中左側)に並べて設けられている。各トーションバネ63の一方のアーム63bは、板状部材61の長手方向一側に埋設され、各トーションバネ63の他方のアーム63bは、角柱状部材62の長手方向一側に埋設されている。つまり、各トーションバネ63の一端部が板状部材61に固定され、各トーションバネ63の他端部が角柱状部材62に固定されている。
そして、各トーションバネ63の弾性力(バネ力)は、角柱状部材62を板状部材61に取り付ける方向、つまり両者を密着させる方向に作用するようになっている。つまり、表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40B(図7参照)に、ケーブル接続装置60をそれぞれ装着する場合には、図11の破線矢印(21)に示すように、角柱状部材62を板状部材61から引き離す方向に引っ張って角柱状部材62を板状部材61から取り外す。これにより、表側ケーブル群40Aおよび裏側ケーブル群40Bに対して、ケーブル接続装置60を取り付けたり取り外したりできる。
以上のように形成した実施の形態3においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態3においては、板状部材61と角柱状部材62とがバラバラに(別々に)ならないので、ケーブル接続装置60の管理を容易に行うことができる。また、取付状態保持機構をトーションバネ63のみで形成することができ、部品点数を削減してコスト低減を実現できる。ただし、2つのトーションバネ63を設けるに限らず、1つのトーションバネあるいは3つ以上のトーションバネを設けても良い。
次に、本発明の実施の形態4について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図12は実施の形態4に係るケーブル接続装置を示す断面図を示している。
実施の形態4においては、上述した実施の形態1に比して、ケーブル接続装置の構造のみが異なっている。図12に示すように、実施の形態4に係るケーブル接続装置70は、第1部材としてのT字状部材71と、第2部材としての一対の角柱状部材72とを備えている。ここで、T字状部材71および角柱状部材72は、いずれもステンレス鋼製となっている。
ケーブル接続装置70においては、実施の形態1における表側ケーブル群40Aに対応したケーブル接続装置50(図7参照)と、裏側ケーブル群40Bに対応したケーブル接続装置50(図7参照)とを、基準線Cを境界として鏡像対称となるよう一体化している。このように、表側ケーブル群40Aと裏側ケーブル群40Bとでケーブル接続装置を一体化することで、別々のケーブル接続装置を連結するための円柱状磁石(磁石)を不要としている。
以上のように形成した実施の形態4においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態4においては、表側ケーブル群40Aと裏側ケーブル群40Bとの間に、T字状部材71を1回抜き差しすれば良く、ひいてはケーブル保持工程およびケーブル接続装置除去工程を簡素化できる。また、円柱状磁石が不要となる分、ケーブル接続装置70の軽量化やコスト低減を図ることができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、ケーブル保持工程において、保持溝52bに差動信号伝送用ケーブル40を保持させた後に、表側ケーブル群40Aと裏側ケーブル群40Bとの間に、L字状部材51(実施の形態1),板状部材61(実施の形態3),T字状部材71(実施の形態4)を差し込むようにしたものを示したが、本発明はこれに限らない。これとは逆に、表側ケーブル群40Aと裏側ケーブル群40Bとの間に、L字状部材51,板状部材61,T字状部材71を先に差し込み、その後、保持溝52bに差動信号伝送用ケーブル40を保持させても良い。
また、上記各実施の形態においては、ケーブル体20と基板30との半田付けの部分を覆うようにして樹脂ケース36(図1参照)を設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、ケーブルアッセンブリ10の端末をより小型化する必要があれば、樹脂ケース36を省略しても構わない。
さらに、上記各実施の形態においては、第1部材としてのL字状部材51,板状部材61,T字状部材71、および第2部材としての角柱状部材52,62,72を、それぞれステンレス鋼製としたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば硬質樹脂製としても良い。
また、上記実施の形態1,2においては、一対のケーブル接続装置50を、それぞれのツマミ部51iが差動信号伝送用ケーブル40を挟んでそれぞれ対向配置されるように連結したものを示したが、本発明はこれに限らず、それぞれのツマミ部51iが、差動信号伝送用ケーブル40を挟む一方側に纏めて配置されるようにしても構わない。
さらに、上記各実施の形態においては、基板30の表面31と裏面32とで、4本ずつの差動信号伝送用ケーブル40を纏められるケーブル接続装置50,60,70を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、基板30の表面31と裏面32とで、例えば、2本ずつや8本ずつ等の差動信号伝送用ケーブル40を纏めて接続する場合にも適用できる。
10 ケーブルアッセンブリ
20 ケーブル体
21 外部導体
22 保護被覆
23 モールド樹脂部
30 基板
31 表面
31a 信号線用コンタクト(表側接続部)
31b グラウンド用コンタクト
32 裏面
32a 信号線用コンタクト(裏側接続部)
32b グラウンド用コンタクト
33,34 テーパ部
35 グラウンド用導体
35a 本体部
35b 腕部
36 樹脂ケース
40 差動信号伝送用ケーブル
40A 表側ケーブル群
40B 裏側ケーブル群
41 信号線導体
42 絶縁体
43 外部導体
44 シース
50 ケーブル接続装置
51 L字状部材(第1部材)
51a 板状部
51b 壁部
51c 貫通孔
51d 第1テーパ部(取付状態保持機構)
51e 装着孔
51f 雄ネジ(取付状態保持機構)
51g ネジ本体
51h ネジ部
51i ツマミ部
52 角柱状部材(第2部材)
52a 円柱状磁石(磁石)
52b 保持溝
52c 雌ネジ(取付状態保持機構)
52d 第2テーパ部(取付状態保持機構)
60 ケーブル接続装置
61 板状部材(第1部材)
62 角柱状部材(第2部材)
63 トーションバネ(取付状態保持機構,バネ部材)
63a バネ本体
63b アーム
70 ケーブル接続装置
71 T字状部材(第1部材)
72 角柱状部材(第2部材)
R 止め輪

Claims (8)

  1. 基板の両面に複数の差動信号伝送用ケーブルをそれぞれ接続する、差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法であって、
    前記基板の表側に接続される表側ケーブル群、および前記基板の裏側に接続される裏側ケーブル群を束ねてなるケーブル体を準備するケーブル体準備工程と、
    前記表側ケーブル群と前記裏側ケーブル群との間に抜き差しされる第1部材と、前記差動信号伝送用ケーブルを保持する保持溝を有し、前記第1部材に着脱自在な第2部材と、を備えたケーブル接続装置を準備するケーブル接続装置準備工程と、
    前記差動信号伝送用ケーブルを前記保持溝に保持させ、前記表側ケーブル群と前記裏側ケーブル群との間に前記第1部材を差し込み、前記第1部材に前記第2部材を取り付けるケーブル保持工程と、
    前記差動信号伝送用ケーブルの信号線導体を、前記基板の表側接続部および裏側接続部にそれぞれ接続する接続工程と、
    前記第1部材から前記第2部材を取り外し、前記表側ケーブル群と前記裏側ケーブル群との間から前記第1部材を抜き取るケーブル接続装置除去工程と、
    を有する、差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法。
  2. 請求項1記載の差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法において、
    前記ケーブル保持工程と前記接続工程との間に、前記表側ケーブル群および前記裏側ケーブル群の端末を処理して、前記信号線導体を外部に露出させるケーブル端末処理工程が設けられる、差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法。
  3. 請求項2記載の差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法において、
    前記ケーブル端末処理工程において、前記表側ケーブル群および前記裏側ケーブル群に対応した一対の前記ケーブル接続装置を重ねて用い、一対の前記ケーブル接続装置を互いにスライドさせることで、前記表側ケーブル群および前記裏側ケーブル群を形成する前記差動信号伝送用ケーブルを横一列に並べて、当該状態のもとで端末を処理する、差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法。
  4. 基板の両面に複数の差動信号伝送用ケーブルをそれぞれ接続するのに用いられるケーブル接続装置であって、
    前記基板の表側に接続される表側ケーブル群と、前記基板の裏側に接続される裏側ケーブル群との間に抜き差しされる第1部材と、
    前記差動信号伝送用ケーブルを保持する保持溝を有し、前記第1部材に着脱自在な第2部材と、
    を備える、ケーブル接続装置。
  5. 請求項4記載のケーブル接続装置において、
    前記第2部材に、他のケーブル接続装置を吸着する磁石が設けられる、ケーブル接続装置。
  6. 請求項4または5記載のケーブル接続装置において、
    前記第1部材と前記第2部材との間に、前記第1部材に対する前記第2部材の取付状態を保持する取付状態保持機構が設けられる、ケーブル接続装置。
  7. 請求項6記載のケーブル接続装置において、
    前記第1部材は、前記表側ケーブル群と前記裏側ケーブル群との間に抜き差しされる板状部と、当該板状部の延在方向と交差する方向に延び、前記第2部材の延在方向端部と対向される壁部とを備え、
    前記取付状態保持機構は、前記壁部に対して回転自在かつ進退不能に設けられた雄ネジと、前記第2部材の延在方向端部に設けられた雌ネジとを備える、ケーブル接続装置。
  8. 請求項6記載のケーブル接続装置において、
    前記取付状態保持機構は、一端部が前記第1部材に固定され、他端部が前記第2部材に固定されるバネ部材からなり、当該バネ部材の弾性力は、前記第2部材を前記第1部材に取り付ける方向に作用する、ケーブル接続装置。
JP2014029829A 2014-02-19 2014-02-19 差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法およびケーブル接続装置 Active JP6083396B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014029829A JP6083396B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法およびケーブル接続装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014029829A JP6083396B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法およびケーブル接続装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015153739A JP2015153739A (ja) 2015-08-24
JP6083396B2 true JP6083396B2 (ja) 2017-02-22

Family

ID=53895756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014029829A Active JP6083396B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法およびケーブル接続装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6083396B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59201378A (ja) * 1983-04-28 1984-11-14 富士通株式会社 ケ−ブル芯線の整列方法及びその整列装置
JP3040012B2 (ja) * 1991-07-23 2000-05-08 株式会社日立製作所 ケーブル・コネクタ接続装置
JP2005025971A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Yoshiki Electronics Industrial Co Ltd コネクタ基板付き多芯ケーブルの製造方法およびコネクタ基板付き多芯ケーブル
JP2005251681A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Hitachi Cable Ltd 電気コネクタ及びその製造方法
JP2009043680A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Olympus Corp 電線の整列治具、およびそれを備える半田付け装置
US20130264107A1 (en) * 2012-04-05 2013-10-10 Tyco Electronics Corporation Circuit board and wire assembly

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015153739A (ja) 2015-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5954155B2 (ja) ケーブル接続装置およびケーブルアッセンブリならびにケーブルアッセンブリの製造方法
EP2589119B1 (en) Method of manufacturing a connector insert
US10440850B2 (en) Backplane and communications device
US8979576B2 (en) Cable connector and cable assembly, and method of manufacturing cable assembly
US7857657B2 (en) Multicore cable connector having an alignment plate with a cable receiving portion on one side and a substrate receiving portion on the other side
TW201707307A (zh) 線纜組件及電路板組件
US8801461B2 (en) Stepped termination block
KR20070039949A (ko) 높은 속도, 높은 신호 무결성 전기 커넥터
CN107683548A (zh) 薄型电连接器
TW201530927A (zh) 纜線連接器組件及具有可浮動纜線連接器之纜線架
US10355423B2 (en) Hybrid connector assembly with integrated overvoltage protection
JP6257618B2 (ja) ケーブル接続構造
JP6083396B2 (ja) 差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法およびケーブル接続装置
WO1988002560A1 (en) Shielded and grounded connector system for coaxial cables
JP6083397B2 (ja) 差動信号伝送用ケーブルの基板への接続方法およびケーブル接続装置
GB2542100A (en) Module assembly
CN107431326B (zh) 通信用连接器
JP2005310563A (ja) 配線部材及びその製造方法
JP6513439B2 (ja) ケーブル構造体及びケーブル構造体の製造方法
JP6615447B2 (ja) 電気コネクタ
US9841437B2 (en) Solderless PIM test fixture
US9627876B2 (en) Insulated splitters and related methods
JP2014171357A (ja) ワイヤーハーネス
JP2017130329A (ja) コネクタ及びコネクタユニット
JP2022025753A (ja) 電子機器およびコネクター用ハウジング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6083396

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350