JP6083264B2 - 活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、高硬度の導電膜を形成することが可能で、かつ貯蔵安定性に優れた活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物に関する。
ポリアニリン等の導電性高分子は、優れた安定性及び導電率を有するという特長から、帯電防止剤や透明導電膜等への利用が検討されている。しかし、その水分散液等から得られる塗膜は、基材密着性、外観、硬度等が不足しているという問題があった。
この問題を解決するために、水性アクリル樹脂をバインダーとして利用した水系ポリアニリン組成物等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この組成物から得られる導電膜は、基材密着性や外観の向上はみられるものの、塗膜硬度が不足している問題や組成物の貯蔵安定性が不十分であるという問題があった。
特開2000−256617号公報
本発明が解決しようとする課題は、高硬度の導電膜を形成することが可能で、かつ貯蔵安定性に優れた活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物を反応させて得られる活性エネルギー線硬化型樹脂と、導電性高分子水分散液とを含有する活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物は、高硬度の導電膜を形成することが可能で、かつ貯蔵安定性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリオキシアルキレン基を有するアクリル単量体(a1)、水酸基を有するアクリル単量体(a2)、並びに前記アクリル単量体(a1)及びアクリル単量体(a2)以外のアクリル単量体(a3)を必須原料として共重合して得られたアクリル樹脂(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とを反応させることで得られる活性エネルギー線硬化型樹脂(X)と、導電性高分子水分散液(Y)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物に関する。
本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物は、高硬度の導電膜を形成することが可能で、かつ貯蔵安定性に優れることから、帯電防止剤や透明導電膜等の種々の用途に好適に用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物は、ポリオキシアルキレン基を有するアクリル単量体(a1)、水酸基を有するアクリル単量体(a2)、並びに前記アクリル単量体(a1)及びアクリル単量体(a2)以外のアクリル単量体(a3)を必須原料として共重合して得られたアクリル樹脂(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とを反応させることで得られる活性エネルギー線硬化型樹脂(X)と、導電性高分子水分散液(Y)とを含有する活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物である。
まず、活性エネルギー線硬化型樹脂(X)について説明する。この活性エネルギー線硬化型樹脂(X)は、アクリル樹脂(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とを反応させることで得られるものである。
前記アクリル樹脂(A)は、その原料として、ポリオキシアルキレン基を有するアクリル単量体(a1)、水酸基を有するアクリル単量体(a2)、並びに前記アクリル単量体(a1)及びアクリル単量体(a2)以外のアクリル単量体(a3)を必須原料として共重合したものである。
前記アクリル単量体(a1)は、ポリオキシアルキレン基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。前記ポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等が挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいう。
また、前記アクリル単量体(a1)としては、例えば、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006083264
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、X、Y及びZはそれぞれ独立のアルキレン基であり、p、q及びrはそれぞれ0又は1以上の整数であり、かつp、q及びrの合計は1以上の整数であり、Rは水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。)
上記一般式(1)中のX、Y及びZはアルキレン基であるが、このアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、これらのアルキレン基には、置換基を有しているものも含まれる。
上記一般式(1)中のp、q及びrは、オキシアルキレンの繰り返し単位数を表すが、水中での分散性が向上し、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、その合計が4〜100のものが好ましく、6〜50のものがより好ましく、8〜25のものがさらに好ましい。なお、Xを含む繰り返し単位、Yを含む繰り返し単位及びZを含む繰り返し単位は、ランダム状に配置されてもブロック状に配置されても構わない。
上記一般式(1)中のRは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。Rが水素の場合は、前記アクリル単量体(a1)は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルとなり、Rが炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基の場合は、アルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリロイル基ではない末端が炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基によって封止されたものとなる。これらの中でも、水中での分散性が向上し、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、Rが炭素原子数1〜3のアルキル基のものが好ましく、Rがメチル基のものがより好ましい。
前記アクリル単量体(a1)のより具体的な例としては、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのアクリル単量体(a1)の中でも、前記アクリル樹脂(A)の水媒体への分散性が良好になることから、ポリオキシエチレン基を有するものが好ましい。また、これらのアクリル単量体(a1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記アクリル単量体(a2)は、水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。このアクリル単量体(a2)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、末端に水酸基を有するラクトン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、これらのアクリル単量体(a2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記アクリル単量体(a3)は、前記アクリル単量体(a1)及び(a2)以外のアクリル単量体であるが、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、3−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのアクリル単量体(a3)の中でも、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性がより向上することから、脂肪族又は脂環式アクリル単量体が好ましく、この中でも、脂環式アクリル単量体がより好ましい。また、これらのアクリル単量体(a3)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
さらに、アクリル樹脂(A)の原料として、上記の必須原料であるアクリル単量体(a1)、アクリル単量体(a2)、及びアクリル単量体(a3)以外のその他の単量体(a4)を用いても構わない。このその他の単量体(a4)としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル単量体などが挙げられる。
前記アクリル単量体(a1)の使用量は、水中での分散性が向上し、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、前記アクリル樹脂(A)の原料である単量体成分中の質量比率で、20〜90質量%の範囲が好ましく、30〜80質量%の範囲がより好ましく、40〜70質量%の範囲がさらに好ましい。また、前記アクリル単量体(a2)の使用量は、水中での分散性が向上し、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、前記アクリル樹脂(A)の原料である単量体成分中の質量比率で、2〜30質量%の範囲が好ましく、3〜25質量%の範囲がより好ましく、5〜20質量%の範囲がさらに好ましい。なお、前記アクリル単量体(a3)、必要に応じて用いるその他の単量体(a4)の使用量は、前記アクリル樹脂(A)の原料である単量体成分の合計100質量%から上記のアクリル単量体(a1)及びアクリル単量体(a2)の使用比率を除いた残部となる。
前記アクリル樹脂(A)の製造方法としては、前記アクリル単量体(a1)〜(a3)、及び必要に応じて用いるその他の単量体(a4)を、有機溶剤中、重合開始剤を使用して共重合させる方法が挙げられる。ここで用いる有機溶媒としては、アルコール化合物、ケトン化合物、エステル化合物、エーテル化合物、アミド化合物、スルホキシド化合物、炭化水素化合物が好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、3−メトキシブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの中でも、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテルがより好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド化合物;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール化合物;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物;1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物;ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物;tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル化合物などの有機過酸化物と、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物とが挙げられる。
また、前記アクリル樹脂(A)を製造する際に、必要に応じて、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノ−ル、チオグリセロール、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオグリコ−ル酸等の連鎖移動剤を使用しても構わない。
前記アクリル樹脂(A)の水酸基価は、水中での分散性が向上し、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、5〜130の範囲が好ましく、10〜100の範囲がより好ましく、15〜80の範囲がさらに好ましい。
前記アクリル樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、水中での分散性が向上し、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、3,000〜100,000の範囲が好ましく、4,000〜50,000の範囲がより好ましく、5,000〜30,000の範囲がさらに好ましい。ここで、重量平均分子量(Mw)はゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
前記ポリイソシアネート化合物(B)について説明する。このポリイソシアネート化合物(B)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、m−フェニレンビス(ジメチルメチレン)ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物などが挙げられる。これらの中でも、耐黄変性に優れることから、脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物が好ましい。
また、前記ポリイソシアネート化合物(B)として、上記のジイソシアネート化合物を多価アルコールと付加反応させて得られるイソシアネート基を有するプレポリマー;上記のジイソシアネート化合物を環化三量化させて得られるイソシアヌレート環を有する化合物;上記のジイソシアネート化合物を水と反応させて得られる尿素結合やビュレット結合を有するポリイソシアネート化合物;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート等のイソシアネート基を有するアクリル単量体の単独重合体;前記イソシアネート基を有するアクリル単量体と、その他のアクリル単量体、ビニルエステル化合物、ビニルエーテル化合物、芳香族ビニル単量体、フルオロオレフィン等の単量体と共重合することによって得られるイソシアネート基を有する共重合体なども用いることができる。
上記のポリイソシアネート化合物(B)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記(メタ)アクリレート(C)について説明する。この(メタ)アクリレート(C)は、水酸基及び重合性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。この(メタ)アクリレート(C)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、末端に水酸基を有するラクトン変性(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート(C)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記(メタ)アクリレート(C)の中でも、低粘度のため取り扱いが容易で、得られた活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物から得られる導電膜の塗膜硬度を高くできることから、ペンタエリスリトールトリアクリレートが好ましい。
前記アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び(メタ)アクリレート(C)の反応方法としては、例えば、前記アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び(メタ)アクリレート(C)を同時に反応させる方法、前記ポリイソシアネート化合物(B)及び(メタ)アクリレート(C)を反応させた後、前記アクリル樹脂(A)を反応させる方法、前記アクリル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)を反応させた後、前記(メタ)アクリレート(C)を反応させる方法等が挙げられるが、いずれの方法でも構わない。
前記アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び(メタ)アクリレート(C)の反応は、無触媒でも行うことはできるが、反応の進行を促進させるため、ウレタン化触媒の存在下で行うことが好ましい。前記ウレタン化触媒としては、例えば、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等のアミン化合物;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン等のホフィン化合物;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。これらのウレタン化触媒の中でも、ジブチル錫ジラウレートが好ましい。
前記アクリル樹脂(A)と前記(メタ)アクリレート(C)との質量比[(A)/(C)]は、水中での分散性が向上し、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、0.2〜8.0の範囲が好ましく、0.3〜4.5の範囲がより好ましく、0.5〜2.5の範囲がさらに好ましい。
また、前記アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び(メタ)アクリレート(C)の使用量は、水中での分散性が向上し、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、前記ポリイソシアネート化合物(B)が有するイソシアネート基のモル数1に対して、前記アクリル樹脂(A)が有する水酸基及び前記(メタ)アクリレート(C)が有する水酸基の合計モル数が、0.2〜1.2となる範囲が好ましく、0.4〜1.0となる範囲がより好ましい。
また、前記アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び(メタ)アクリレート(C)の反応の際に、有機溶剤が存在する場合、ポリイソシアネート化合物(B)と反応する有機溶剤は、脱溶剤しておくことが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化型樹脂(X)は、上記のアクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び(メタ)アクリレート(C)を反応させた反応物を含有するものであるが、この反応物以外に、多官能(メタ)アクリレート(D)を含有しても構わない。この多官能(メタ)アクリレート(D)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型樹脂(X)は、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、前記導電性高分子水分散液(Y)と混合する前に、水媒体中に分散させておくことが好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂(X)を水媒体中で分散させる方法としては、特に限定されないが、例えば、前記アクリル樹脂(A)と、前記ポリイソシアネート化合物(B)と、前記(メタ)アクリレート(C)との反応物に水を添加する方法、水中に前記反応物を添加する方法等が挙げられる。
次に、導電性高分子水分散液(Y)について説明する。この導電性高分子水分散液(Y)は、導電性高分子化合物が水に分散されたものである。
前記導電性高分子化合物としては、ポリアニリン化合物、ポリピロール化合物、ポリチオフェン化合物等の高分子化合物をドーパントによりドーピングしたものが挙げられるが、この中でも、本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、ポリアニリン化合物をドーパントによりドーピングしたものが好ましい。また、これらの導電性高分子化合物は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ポリアニリン化合物としては、例えば、アニリン、メチルアニリン又はメトキシアニリン等の単独重合体又は共重合体などが挙げられ、前記ポリピロール化合物としては、例えば、ピロール、3−メチルピロール又は3−オクチルピロール等のピロール誘導体の単独重合体又は共重合体などが挙げられ、前記ポリチオフェン化合物としては、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体などが挙げられる。
前記ドーパントとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。
また、前記導電性高分子水分散液(Y)における前記導電性高分子化合物の濃度の範囲は、貯蔵安定性の観点から、0.1〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜5質量%の範囲がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物は、前記活性エネルギー線硬化型樹脂(X)と、前記導電性高分子水分散液(Y)とを含有するものであるが、前記活性エネルギー線硬化型樹脂(X)と、前記導電性高分子水分散液(Y)とを混合する方法としては、特に限定されないが、上述したように、得られる活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上することから、前記活性エネルギー線硬化型樹脂(X)を水に分散した後、前記導電性高分子水分散液(Y)と混合する方法が好ましい。
前記活性エネルギー線硬化型樹脂(X)と前記導電性高分子水分散液(Y)の固形分との質量比[(X)/(Y)]は、用途に応じて適宜選択すればよいが、活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物から得られる導電膜の外観、硬度及び導電性に優れることから、0.05〜20の範囲が好ましく、0.1〜10の範囲がより好ましく、0.25〜4の範囲がさらに好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物は、貯蔵安定性及び塗装作業性の観点から、不揮発分が0.1〜10質量%の範囲が好ましく、0.5〜5質量%の範囲がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物は、上記の活性エネルギー線硬化型樹脂(X)及び導電性高分子水分散液(Y)以外の配合物として、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、顔料分散剤等の添加剤を使用することができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物は、基材に塗布後、活性エネルギー線を照射することで硬化塗膜とすることができる。この活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線をいう。活性エネルギー線として紫外線を照射して硬化塗膜とする場合には、本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物中に光重合開始剤(E)を添加し、硬化性を向上することが好ましい。また、必要であればさらに光増感剤を添加して、硬化性を向上することもできる。一方、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を用いなくても速やかに硬化するので、特に光重合開始剤(E)や光増感剤を添加する必要はない。
前記光重合開始剤(E)としては、分子内開裂型光重合開始剤及び水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
一方、水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ−ケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。これらの光重合開始剤(E)は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、前記光増感剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン化合物、o−トリルチオ尿素等の尿素化合物、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。
これらの光重合開始剤及び光増感剤の使用量は、活性エネルギー線硬化型樹脂(X)中の不揮発成分100質量部に対し、各々0.05〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
上記の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、高硬度の導電膜を形成することが可能で、かつ貯蔵安定性に優れることから、帯電防止剤や透明導電膜等の種々の用途に用いることができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗装方法としては、用途により異なるが、例えば、スピンコーター、バーコーター、アプリケーター、スプレー、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、ディッピング、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、上記の通り、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線であるが、具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、重合体の水酸基価及び酸価は、JIS試験方法K 0070−1992に準拠して測定したものである。また、重合体の重量平均分子量(Mw)は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
〔合成例1:重合体(A−1)の合成〕
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた4つ口のフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル340gを仕込み、窒素気流下に110℃に昇温した後、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(1分子当たりのオキシエチレン単位数:平均13;以下、「13EOA」と略記する。)325g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、「HEMA」と略記する。)45g、n−ブチルアクリレート(以下、「BA」と略記する。)280g、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10gからなる混合液を5時間かけて滴下した。滴下後、110℃で9時間反応して、重量平均分子量が12,000であり、水酸基価が30である重合体の溶液(樹脂分65質量%)を得た。以下、この重合体を重合体(A−1)と略記する。
〔合成例2:重合体(A−2)の合成〕
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた4つ口のフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル340gを仕込み、窒素気流下に110℃に昇温した後、13EOA325g、HEMA91g、イソボルニルアクリレート(以下、「IBA」と略記する。)234g、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10gからなる混合液を5時間かけて滴下した。滴下後、110℃で9時間反応して、重量平均分子量が15,000であり、水酸基価が60である重合体の溶液(樹脂分65質量%)を得た。以下、この重合体を重合体(A−2)と略記する。
〔合成例3:重合体(A−3)の合成〕
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた4つ口のフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル340gを仕込み、窒素気流下に110℃に昇温した後、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(1分子当たりのオキシエチレン単位数:平均9:以下、「9EOMA」と略記する。)423g、HEMA45g、n−ブチルメタクリレート(以下、「BMA」と略記する。)201g、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10gからなる混合液を5時間かけて滴下した。滴下後、110℃で9時間反応して、重量平均分子量が14,000であり、水酸基価が17である重合体の溶液(樹脂分65質量%)を得た。以下、この重合体を重合体(A−3)と略記する。
〔合成例4:重合体(A−4)の合成〕
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた4つ口のフラスコに、ジプロピレングリコールジメチルエーテル340gを仕込み、窒素気流下に110℃に昇温した後、13EOA130g、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(1分子当たりのオキシエチレン単位数:平均23;以下、「23EOA」と略記する。)130g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、「HEA」と略記する。)45g、シクロヘキシルメタクリレート(以下、「CHMA」と略記する。)280g、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10gからなる混合液を5時間かけて滴下した。滴下後、110℃で9時間反応して、重量平均分子量が16,000であり、水酸基価が30である重合体の溶液(樹脂分65質量%)を得た。以下、この重合体を重合体(A−4)と略記する。
〔合成例5:重合体(RA−1)の合成〕
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた4つ口のフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル340g、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックス M5300」;以下、「clA」と略記する。)13gを仕込み、窒素気流下に110℃に昇温した後、HEMA39g、メチルメタクリレート(以下、「MMA」と略記する。)390g、BA130g、アクリル酸(以下、「AA」と略記する。)78g、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート9gからなる混合液を5時間かけて滴下した。滴下後、110℃で9時間反応して、重量平均分子量が35,000であり、酸価が97である重合体の溶液(樹脂分65質量%)を得た。以下、この重合体を重合体(RA−1)と略記する。
〔合成例6:重合体(RA−2)の合成〕
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた4つ口のフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル340gを仕込み、窒素気流下に110℃に昇温した後、13EOA325g、BA325g、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10gからなる混合液を5時間かけて滴下した。滴下後、110℃で9時間反応して、重量平均分子量が10,000である重合体の溶液(樹脂分65質量%)を得た。以下、この重合体を重合体(RA−2)と略記する。
〔合成例7:ウレタンアクリレート組成物(RB−1)の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート104g、メトキノン0.2g、及びジブチル錫ジラウレート0.2gを仕込み、撹拌を開始し60℃に昇温した。同温度で、ペンタエリスリトールトリアクリレート(以下、「PETA」と略記する。)及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(東亞合成株式会社製「アロニックス M305」、ペンタエリスリトールトリアクリレート比率:60質量%、水酸基価:115;以下、「PETA混合物」と略記する。)645gを10回に分けて10分毎に仕込んだ。さらに5時間反応を継続して赤外線スペクトルで2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して反応を終了し、ウレタンアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物であるウレタンアクリレート組成物(RB−1)を得た。
なお、上記の合成例1〜6で合成した重合体(A−1)〜(A−4)、(RA−1)、及び(RA−2)の単量体組成を表1に示す。
Figure 0006083264
〔合成例8:活性エネルギー線硬化型樹脂(X−1)の水分散体の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、合成例1で得られた重合体(A−1)の65質量%溶液615g(重合体(A−1)として400g)、メトキノン0.2g、ジブチル錫ジラウレート0.2g、PETA混合物472g、及び4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、「H12MDI」と略記する。)128gを仕込み、80℃まで昇温した後、同温度で5時間撹拌混合し、赤外線スペクトルで2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、得られた反応物とイオン交換水2,118gとを混合し、不揮発分が30質量%の活性エネルギー線硬化型樹脂(X−1)の水分散体を得た。
〔合成例9:活性エネルギー線硬化型樹脂(X−2)の水分散体の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、PETA混合物563g、H12MDI 187g、メトキノン0.2g、及びジブチル錫ジラウレート0.2gを仕込み、80℃まで昇温し、同温度で2時間撹拌混合した後、合成例2で得られた重合体(A−2)の65質量%溶液385g(重合体(A−2)として250g)を加えた。同温度でさらに4時間撹拌混合し、赤外線スペクトルで2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、得られた反応物とイオン交換水2,198gとを混合し、不揮発分が30質量%の活性エネルギー線硬化型樹脂(X−2)の水分散体を得た。
〔合成例10:活性エネルギー線硬化型樹脂(X−3)の水分散体の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、PETA混合物563g、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略記する。)183g、メトキノン0.2g、及びジブチル錫ジラウレート0.2gを仕込み、80℃まで昇温し、同温度で2時間撹拌混合した後、合成例2で得られた重合体(A−2)の65質量%溶液567g(重合体(A−2)として369g)を加えた。同温度でさらに4時間撹拌混合し、赤外線スペクトルで2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、得られた反応物とイオン交換水2,404gとを混合し、不揮発分が30質量%の活性エネルギー線硬化型樹脂(X−3)の水分散体を得た。
〔合成例11:活性エネルギー線硬化型樹脂(X−4)の水分散体の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、合成例3で得られた重合体(A−3)の65質量%溶液385g(重合体(A−3)として250g)、メトキノン0.2g、ジブチル錫ジラウレート0.2g、PETA混合物610g、及びIPDI 140gを仕込み、80℃まで昇温した後、同温度で5時間撹拌混合し、赤外線スペクトルで2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、得られた反応物とイオン交換水2,198gとを混合し、不揮発分が30質量%の活性エネルギー線硬化型樹脂(X−4)の水分散体を得た。
〔合成例12:活性エネルギー線硬化型樹脂(X−5)の水分散体の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、合成例4で得られた重合体重合体(A−4)の65質量%溶液769g(重合体(A−4)として500g)、メトキノン0.2g、ジブチル錫ジラウレート0.2g、PETA混合物426g、及びヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略記する。)74gを仕込み、80℃まで昇温した後、同温度で5時間撹拌混合し、赤外線スペクトルで2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、得られた反応物とイオン交換水2,064gとを混合し、不揮発分が30質量%の活性エネルギー線硬化型樹脂(X−5)の水分散体を得た。
〔合成例13:活性エネルギー線硬化型樹脂(RX−1)の水分散体の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、合成例5で得られた重合体(RA−1)の65質量%溶液442g(重合体(RA−1)として287g)、合成例7で得られたウレタンアクリレート組成物(RB−1)500g、PETA混合物200gを仕込み、70℃で加温攪拌しながらトリエチルアミン40gを加えて攪拌混合した。次いで、イオン交換水2,108gを10回に分割投入し、不揮発分が30質量%の活性エネルギー線硬化型樹脂(RX−1)の水分散体を得た。
〔合成例14:活性エネルギー線硬化型樹脂(RX−2)の水分散体の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、合成例6で得られた重合体(RA−1)の65質量%溶液615g(重合体(RA−2)として400g)、メトキノン0.2g、ジブチル錫ジラウレート0.2g、PETA混合物493g、及びH12MDI 107gを仕込み、80℃まで昇温した後、同温度で5時間撹拌混合し、赤外線スペクトルで2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、得られた反応物とイオン交換水2,118gとを混合し、不揮発分が30質量%の活性エネルギー線硬化型樹脂(RX−2)の水分散体を得た。
〔合成例15:活性エネルギー線硬化型樹脂(RX−3)の水分散体の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、合成例1で得られた重合体(A−1)の65質量%溶液615g(重合体(A−1)として400g)、メトキノン0.2g、及びPETA混合物600gを仕込み、40℃で攪拌混合した。次いで、イオン交換水2,118gを投入し、不揮発分が30質量%の活性エネルギー線硬化型樹脂(RX−3)の水分散体を得た。
なお、上記で調製した活性エネルギー線硬化型樹脂の配合組成を表2に示す。
Figure 0006083264
〔合成例16:アクリル樹脂(RW−1)の水分散体の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、アニオン性乳化剤(日本乳化剤株式会社製「ニューコール707SF」)80g、ノニオン性乳化剤(第一工業製薬株式会社製「ノイゲンTDS−200D」)32g、及びイオン交換水1100gを仕込み、80℃に昇温した後、過硫酸アンモニウム4gをイオン交換水80gに溶解させた水溶液84gを添加した。さらに、MMA550g、BA380g、AA20g、HEMA50gからなる混合液を、3時間かけて滴下した。滴下後、2時間反応した後、25℃まで冷却し、28%アンモニア水8g及びイオン交換水を加えることで、不揮発分が30質量%のアクリル樹脂(RW−1)の水分散体を得た。
〔合成例17:導電性高分子水分散液(Y−1)の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、ドデシルベンゼンスルホン酸(以下、「DBSA」と略記する。)33g、アニリン塩酸塩13g、イオン交換水50gを仕込み、DBSA及びアニリン塩酸塩をイオン交換水に溶解した後、0℃に冷却した。次いで、過硫酸アンモニウム29gをイオン交換水580gに溶解した水溶液609gを1時間かけて滴下した。滴下後、0℃で12時間反応し、ポリアニリン重合液を得た。このポリアニリン重合液にメタノールを加えた後、濾過し得られたポリアニリンに、ドデシルベンゼンスルホン酸33g及びイオン交換水を加えることで、固形分が3質量%の導電性高分子水分散液(Y−1)を得た。
〔実施例1:活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(1)の調製及び評価〕
合成例9で得られた活性エネルギー線硬化型樹脂(X−1)の水分散体1g(活性エネルギー線硬化型樹脂(X−1)として0.3g)に、イオン交換水9gを添加した後、合成例17で得られた導電性高分子水分散液(Y−1)10gを混合し、活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(1)を調製した。
<貯蔵安定性の評価>
活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(1)を25℃の恒温槽に保管し、8週間後に外観を目視で観察し、下記の基準で貯蔵安定性を評価した。
○:沈降物なし
△:少量の沈降物あり
×:多量の沈降物あり
<導電膜の作製>
活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(1)20gに、光重合開始剤(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア500」、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンとのモル比1:1の共融混合物)15mgを混合し、ガラス板上に、乾燥後の膜厚が4μmになるようにスプレーで塗装した。これを乾燥機中で80℃の温度で10分間の予備乾燥後した後、出力80W/cmの高圧水銀ランプを用いて、照射量0.8J/cmの紫外線照射を行い、導電膜を作製した。
<塗膜外観の評価>
上記で得られた導電膜の外観を目視で観察し、下記の基準にしたがって、塗膜外観を評価した。
○:塗膜が透明である。
△:塗膜がわずかに濁っている。
×:塗膜が濁っている。又は塗膜上に凝集物がみられる。
<塗膜硬度の評価>
上記で得られた導電膜の表面について、JIS S 6006:2007に規定された鉛筆を用いて、JIS K 5600−5−4:1999に準じて、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を塗膜硬度として測定した。
〔実施例2〜7:活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(2)〜(7)の調製及び評価〕
下記の表3に示す組成に変更した以外は実施例1と同様に操作することにより、活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(2)〜(7)を調製した。次いで、実施例1と同様に評価を行った。
上記の実施例1〜7で調製した活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(1)〜(7)の配合組成及び評価結果を表3に示す。
〔比較例1〜3:活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(R1)〜(R3)の調製及び評価〕
下記の表4に示す組成に変更した以外は実施例1と同様に操作することにより、活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(R1)〜(R3)を調製した。次いで、実施例1と同様に評価を行った。
〔比較例4:水性樹脂組成物(R4)の調製及び評価〕
合成例16で得られたアクリル樹脂(RW−1)の水分散体1g(アクリル樹脂(RW−1)として0.3g)に、イオン交換水9gを添加した後、合成例17で得られた導電性高分子水分散液(Y−1)10gを混合し、水性樹脂組成物(R4)を調製した。次いで、導電膜の作成時に光重合開始剤の添加及び紫外線照射を行わなかった以外は実施例1と同様に評価を行った。
上記の実施例1〜7及び比較例1〜4で調製した活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物(1)〜(7)及び(R1)〜(R3)並びに(水性樹脂組成物(1)〜(7)及びの配合組成及び評価結果を表3に示す。
Figure 0006083264
Figure 0006083264
表3に示した実施例1〜7の評価結果から、本発明の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れ、得られる導電膜が高外観及び高硬度を有することが分かった。
表4に示した比較例1〜4の評価結果から、以下のことが分かった。
比較例1は、本発明で必須原料であるポリオキシアルキレン基を有するアクリル単量体(a1)を用いず、アミンで中和したカルボキシル基を有する重合体を用いた例であるが、貯蔵安定性及び得られる導電膜の外観が不良であることが分かった。
比較例2は、本発明で必須原料である水酸基を有するアクリル単量体(a2)を用いなかった重合体を用いた例であるが、貯蔵安定性が不良であることが分かった。
比較例3は、本発明で必須原料であるポリイソシアネート化合物(B)を用いなかった例であるが、貯蔵安定性が不良であることが分かった。
比較例4は、本発明で必須原料である活性エネルギー線硬化型樹脂(X)を用いず、アクリル樹脂を用いた例であるが、貯蔵安定性及び得られる導電膜の塗膜硬度が低いことが分かった。

Claims (7)

  1. ポリオキシアルキレン基を有するアクリル単量体(a1)、水酸基を有するアクリル単量体(a2)、並びに前記アクリル単量体(a1)及びアクリル単量体(a2)以外のアクリル単量体(a3)を必須原料として共重合して得られたアクリル樹脂(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とを反応させることで得られる活性エネルギー線硬化型樹脂(X)と、導電性高分子水分散液(Y)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物。
  2. 前記導電性高分子水分散液(Y)が、ポリアニリン水分散液である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物。
  3. 前記ポリオキシアルキレン基が、ポリオキシエチレン基である請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物。
  4. 前記ポリイソシアネート化合物(B)が、脂肪族ジイソシアネート化合物又は脂環式ジイソシアネート化合物である請求項1〜3のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物。
  5. 前記(メタ)アクリレート(C)が、ペンタエリスリトールトリアクリレートである請求項1〜3のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物。
  6. 前記アクリル樹脂(A)の原料である単量体成分中の前記アクリル単量体(a1)の質量比率が20〜90質量%の範囲であり、前記アクリル単量体(a2)の質量比率が2〜30質量%の範囲である請求項1〜5のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物。
  7. 前記アクリル単量体(a3)が、脂環式アクリル単量体である請求項1〜5のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物。
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