JP6080806B2 - トンネル掘削機 - Google Patents

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本発明は、地盤の土質に応じて、トンネル施工仕様を変更することができるトンネル掘削機に関する。
一般に、トンネル掘削機の種類は、掘削地盤の土質の違いによって分類されることが多く、例えば、軟弱地盤を掘削するためのシールド掘削機や、硬質地盤を掘削するためのトンネルボーリングマシン等に分類される。このため、トンネルを施工する場合には、予め、地形調査、土質調査、地下水調査等の事前調査を行って、掘削地盤が、軟弱地盤及び硬質地盤等のいずれかの地盤に該当するのかを判断した後、トンネル掘削機におけるトンネル施工仕様を、その該当した掘削地盤に対応したものとしていた。
しかしながら、掘削地盤の中には、土質が異なる複数種類の地盤が混在しているものもあり、このような地盤に対して、1基(1種類)のトンネル掘削機によって、トンネルを連続して施工することは、非常に困難となる。
即ち、軟弱地盤においては、切羽に土水圧が常時働くため、機内にチャンバを設けて、密閉型のトンネル掘削機とし、掘削土砂をチャンバ内に充填させると共に、切羽の土水圧を保持しながら掘進する必要がある。また、トンネル掘削機の掘削反力を地盤から取れないため、その掘削反力を受ける覆工部材を設置し、これらから掘削反力を取る必要がある。
一方、硬質地盤においては、切羽が自立しており、切羽の土水圧を保持しながら掘進する必要がないため、開放型のトンネル掘削機となる。また、掘削反力を取るために、水密構造を必要とする場合には、覆工部材を設置し、これらから掘削反力を取る一方、掘削反力を取るために、水密構造を必要としない場合には、地盤から掘削反力を取るためのグリッパを装備し、このグリッパから掘削反力を取るようにする。
そこで、従来から、掘削地盤の土質に応じて、トンネル施工仕様を変更可能としたトンネル掘削機が、種々提供されている。そして、このようなトンネル掘削機としては、例えば、特許文献1に開示されている。
特開平7−331992号公報
上記特許文献1に開示された従来のトンネル掘削機では、掘削反力を取るための構成のみが、軟弱地盤に対応したトンネル施工仕様(シールド掘削機の仕様)と、硬質地盤に対応したトンネル施工仕様(トンネルボーリングマシンの仕様)との間で、変更可能となっている。このとき、2つのトンネル施工仕様においては、推進手段の共用化を図っており、推進ジャッキの伸縮によって、共に掘進可能となっている。
つまり、軟弱地盤に対応したトンネル施工仕様では、既設のセグメントを、推進ジャッキの反力受けとしているのに対して、硬質地盤に対応したトンネル施工仕様では、地盤が自立することから、セグメントの組み立てを行う必要がないため、反力装置を推進ジャッキの反力受けとしている。
このように、硬質地盤に対応したトンネル施工仕様においては、反力装置を推進ジャッキの反力受けとしているため、推進ジャッキの伸長後に、その反力装置をトンネル軸方向前方に向けて引き込む必要がある。そこで、特許文献1に開示されたトンネル掘削機では、専用の引き込みジャッキを別途設置し、反力装置の前方への引き込みを、その引き込みジャッキを用いて行うようにしている。
これにより、上記従来のトンネル掘削機では、硬質地盤に対応したトンネル施工仕様において、多数の推進ジャッキ及び引き込みジャッキを備える必要があるため、装置構成が複雑になるだけでなく、掘削機本体の内部空間を多数のジャッキが占有することになる。更に、軟弱地盤に対応したトンネル施工仕様において、未使用となる多数の引き込みジャッキを、そのまま残置すると、セグメントの搬入や組み立ての障害となってしまう。よって、上記従来のトンネル掘削機においては、トンネル施工仕様を変更する祭に、引き込みジャッキの着脱作業が必要となり、仕様切り替え作業が煩雑になるおそれがある。
従って、本発明は上記課題を解決するものであって、軟弱地盤に対応したトンネル施工仕様と硬質地盤に対応したトンネル施工仕様との間における仕様切り替え作業を、容易に行えることができるトンネル掘削機を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係るトンネル掘削機は、
複数種類の地盤に亘って、トンネルを連続して施工するトンネル掘削機において、
円筒状をなす掘削機本体と、
前記掘削機本体の内周面に沿って設けられ、ロッドをトンネル軸方向後方に向けて伸長することにより、前記掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、
前記推進ジャッキの反力を受ける反力受け構造体と、
前記反力受け構造体に支持されると共に、前記掘削機本体の後端部よりもトンネル軸方向後方に配置され、トンネル幅方向においてトンネルの坑壁に押し付けられることにより、前記反力受け構造体を前記坑壁に固定するグリッパと
前記推進ジャッキのロッド先端と前記反力受け構造体の前端とを連結可能とする連結部材とを備え、
前記反力受け構造体を前記推進ジャッキの反力受けとした場合に、前記推進ジャッキの短縮によって、前記連結部材によって連結した前記反力受け構造体及び当該反力受け構造体に支持された前記グリッパのみを、トンネル軸方向前方に向けて引き込むようにした
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係るトンネル掘削機は、
前記掘削機本体の前部に回転可能に支持されるカッタヘッドと、
前記カッタヘッドのトンネル軸方向後方に設けられる隔壁と、
前記カッタヘッドと前記隔壁とによって区画形成され、前記カッタヘッドによって掘削された掘削土砂を蓄えるチャンバと、
前記隔壁に着脱可能に設けられ、前記チャンバ内に蓄えられた掘削土砂を、前記掘削機本体のトンネル軸方向後方に向けて排出する第1土砂排出手段と、
前記隔壁に開口され、前記チャンバ内に蓄えられた掘削土砂を前記掘削機本体のトンネル軸方向後方に向けて排出する第2土砂排出手段を、設置可能とする開口部と、
前記開口部を密閉及び開放可能とする開閉手段とを備える
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係るトンネル掘削機は、
前記連結部材は、
前記推進ジャッキのスプレッダに設けられるジャッキ側連結部材と、
前記反力受け構造体に設けられる反力受け側連結部材とであって
前記ジャッキ側連結部材と前記反力受け側連結部材とを連結可能とする
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係るトンネル掘削機は、
前記反力受け構造体に、前記掘削機本体の後端部よりもトンネル軸方向後方において開口するグリッパ用開口部を備え、
前記グリッパを、前記グリッパ用開口部に対して出没可能に支持する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係るトンネル掘削機は、
前記掘削機本体の後端部における内周面の周方向全域に亘って設けられ、既設の覆工部材及び前記反力受け構造体に密着する止水用シールを備え、
前記止水用シールは、トンネル軸方向前端部及び後端部からトンネル軸方向中央部に向かうに従って、前記掘削機本体の内側に向けて膨出するように形成される
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係るトンネル掘削機は、
前記第1土砂排出手段は、スクリューコンベヤである
ことを特徴とする。
従って、本発明に係るトンネル掘削機によれば、硬質地盤掘削時に使用する反力受け構造体及びグリッパのトンネル軸方向前方への引き込みを、推進ジャッキを用いて行うことにより、引き込み専用の引き込み手段を必要としないので、軟弱地盤に対応したトンネル施工仕様と硬質地盤に対応したトンネル施工仕様との間における仕様切り替え作業を、容易に行えることができる。
本発明の一実施例に係るトンネル掘削機における軟弱地盤に対応したトンネル施工仕様時の縦断面図である。 テールパッキンの拡大図である。 本発明の一実施例に係るトンネル掘削機における比較的安定した硬質地盤に対応したトンネル施工仕様時の縦断面図である。 本発明の一実施例に係るトンネル掘削機における硬質地盤に対応したトンネル施工仕様時の縦断面図である。 図4のV−V矢視断面図である。 硬質地盤に対応したトンネル施工仕様時における動作手順を示した図であって、掘進直後の様子を示した図である。 図6Aに続く動作図であって、シールドジャッキの1ストローク分掘進した直後の様子を示した図である。 図6Bに続く動作図であって、連結部材を装着したときの様子を示した図である。 図6Cに続く動作図であって、連結部材を連結したときの様子を示した図である。 図6Dに続く動作図であって、反力受け構造体及びメイングリッパ装置をトンネル軸方向前方に向けて引き込んだときの様子を示した図である。 図6Eに続く動作図であって、掘進直前の様子を示した図である。 シールドジャッキと反力受け構造体との連結構造の一例を示した図である。 図7Aに示した連結構造における連結状態を示した図である。 シールドジャッキと反力受け構造体との連結構造のその他の例を示した図である。 テールパッキンの他の形態を示した拡大図である。
以下、本発明に係るトンネル掘削機について、図面を用いて詳細に説明する。
図1,3,4に示した本発明に係るトンネル掘削機1は、土質が異なる複数種類の地盤が混在する掘削地盤に対して、1基の本掘削機のみによって、トンネルTを連続して施工可能となっている。
具体的には、掘削地盤が、軟弱地盤Gaから硬質地盤Gbに変化したり、硬質地盤Gbから軟弱地盤Gaに変化したりするため、トンネル掘削機1におけるトンネル施工仕様を、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様と、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様との間において、切り替え可能となっている。
なお、本発明に係るトンネル掘削機1においては、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様を、シールド掘削機の仕様とし、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様を、トンネルボーリングマシンの仕様としている。
先ず、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様となるトンネル掘削機1について、図1及び図2を用いて説明する。
図1に示すように、シールド掘削機の仕様となるトンネル掘削機1には、円筒状をなす掘削機本体11が設けられており、この掘削機本体11の前端部内には、隔壁となるバルクヘッド12が支持されている。バルクヘッド12の中心部には、コンベヤ用開口部12aが形成されており、このコンベヤ用開口部12aには、開閉扉または開閉蓋(開閉手段)13が開閉可能に支持されている。更に、バルクヘッド12の後面側には、カッタ旋回用モータ14が設けられている。
また、掘削機本体11の前端部には、円盤状をなすカッタヘッド15が回転可能に支持されており、このカッタヘッド15の前面部には、多数のカッタ16が装着されている。そして、カッタヘッド15は、バルクヘッド12の前面側に設けられる軸受(図示省略)によって回転可能に支持されると共に、メインギヤ及びピニオンギヤ(図示省略)を介して、カッタ旋回用モータ14と接続されている。
従って、カッタ旋回用モータ14を駆動させることにより、カッタヘッド15を回転させることができる。これにより、カッタヘッド15に装着されたカッタ16によって、軟弱地盤Gaに切羽を掘削することができる。
更に、上述したように、バルクヘッド12とカッタヘッド15とは、トンネル軸方向(トンネル前後方向)において対向して配置されているため、これらの間には、チャンバ17が区画形成されている。チャンバ17は、掘削土砂(ずり)を一時的に蓄えるための空間(室)となっており、当該チャンバ17内には、カッタ16による掘削によって生じた掘削土砂が、カッタヘッド15の土砂取込口(図示省略)を介して、取り込まれるようになっている。
なお、カッタヘッド15の背面やバルクヘッド12の前面には、撹拌翼22が適宜取り付けられている。この撹拌翼22は、チャンバ17内に蓄えられた掘削土砂を、添加材と共に、撹拌するものとなっており、掘削土砂の種類に応じて着脱可能な構造となっている。
そして、掘削機本体11内の下部には、第1土砂排出手段となるスクリューコンベヤ18が、前端部から後端部に向かうに従って上方に向けて傾斜するように設けられている。このスクリューコンベヤ18の前端部は、バルクヘッド12を貫通して、チャンバ17内に配置されている。
従って、スクリューコンベヤ18を駆動させることにより、チャンバ17内に蓄えられた、軟弱地盤Gaの掘削土砂を、そのスクリューコンベヤ18の回転駆動によって、掘削機本体11のトンネル軸方向後方に向けて排出することができる。このとき、スクリューコンベヤ18の回転速度(掘削土砂の排出速度)と、後述するシールドジャッキ20の伸長速度とを、制御することにより、チャンバ17内における掘削土砂の圧力を、切羽の土水圧に対抗して保持することができる。
一方、掘削機本体11の後端部内には、エレクタ装置19が、トンネル軸方向、トンネル径方向、及び、トンネル周方向に移動可能に支持されている。このエレクタ装置19は、覆工部材としてのセグメントSを、トンネルTの坑壁(内壁面)に沿って組み立てるものであって、そのセグメントSは、掘削されたトンネルTの内壁面形状に沿うような環片となっている。従って、エレクタ装置19を駆動させることにより、複数のセグメントSをトンネル周方向に沿ってリング状に組み立てることができる。
また、掘削機本体11の内周面には、複数のシールドジャッキ(推進ジャッキ)20が、その内周面の周方向に沿って支持されている。各シールドジャッキ20のロッド先端には、スプレッダ20aが装着されており、このスプレッダ20aは、トンネル軸方向において、既設のセグメントSの前端面と対向している。
即ち、シールドジャッキ20は、トンネル軸方向後方に向けて伸長して、スプレッダ20aを既設のセグメントSの前端面に押圧させることにより、掘削機本体11に推進力(掘削反力)を与えるものとなっている。これにより、掘削機本体11は、シールドジャッキ20がセグメントSを押圧したときに発生する掘削反力によって、軟弱地盤Ga内を前進可能となっている。
更に、掘削機本体11の後端部における内周面には、テールパッキン(止水用シール)21が、トンネル軸方向において、複数段設けられている。このテールパッキン21は、掘削機本体11の内周面における周方向全域に亘って設けられており、既設のセグメントSの外周面に密着している。よって、掘削機本体11の内周面と既設のセグメントSの外周面との間の隙間を、テールパッキン21によって密閉することができるため、その隙間から掘削機本体11内への土や水等の浸入を防止することができる。
具体的に、図2に示すように、環状のテールパッキン21は、前端部及び後端部が、掘削機本体11の内周面に取り付けられており、前端部及び後端部から中央部に向かうに従って、掘削機本体11の内側に向けて膨出するような、円弧状に形成されている。これにより、テールパッキン21は、止水性能を確保するだけでなく、セグメントSの外周面に対して、トンネル前後方向に摺接可能となっている。
なお、テールパッキン21の材質は、ゴム等の弾性材となっている。例えば、テールパッキン21の耐摩耗性の向上(パッキン寿命の向上)を図る場合には、その材質に、スチール繊維が補強材として混入された繊維補強ゴムや、EPDM(エチレン-プロピレン-ジエンゴム)等を採用することが、好適である。
また、トンネルTの坑壁と既設のセグメントSとの間に形成される隙間に、裏込め材を注入する場合には、テールパッキン21の膨出部分における内圧を高めて、テールパッキン21のセグメントSへの押圧力を大きくすることにより、裏込め材の注入圧力に対抗することができる。
そして、掘削機本体11の内周面には、フロントグリッパ33が支持されている。このフロントグリッパ33は、トンネル径方向に伸縮可能となっており、掘削機本体11の外周面に対して出没するようになっている。これにより、フロントグリッパ33を、掘削機本体11の外周面から突出させることにより、掘削機本体11の方向制御を行うことができると共に、詳細は後述するが、その突出させたフロントグリッパ33を、硬質地盤Gbの坑壁に押し付けることにより、掘削機本体11を、トンネルTの坑壁に固定することができる。
従って、トンネルTを軟弱地盤Ga内に施工する場合には、カッタ旋回用モータ14を駆動させることにより、カッタヘッド15を回転させると共に、シールドジャッキ20を伸長させることにより、既設のセグメントSから掘削反力を得て、掘削機本体11を前進させる。これにより、回転するカッタヘッド15に装着された多数のカッタ16によって、軟弱地盤Gaに切羽が掘削される。
このとき、地盤掘削によって発生した掘削土砂は、カッタヘッド15の土砂取込口を介して、チャンバ17内に充填されることになり、このチャンバ17は、充填された掘削土砂によって、所定の内圧に維持される。そして、チャンバ17内に充填された掘削土砂は、スクリューコンベヤ18の回転駆動によって、トンネル軸方向後方に向けて排出される。これと同時に、エレクタ装置19の駆動によって、複数のセグメントSがトンネル周方向に沿ってリング状に組み立てられる。
以上より、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様となるトンネル掘削機1においては、掘削土砂をチャンバ17内に充填させて、そのチャンバ17内を所定の内圧に維持しながら排土することにより、切羽の安定化を図りながら、トンネルTを掘削可能となっている。これと同時に、シールドジャッキ20の伸長によって、既設のセグメントSから掘削反力を取って掘進しながら、そのシールドジャッキ20のトンネル軸方向後方において、新設のセグメントSを組立可能となっている。
次に、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様となるトンネル掘削機1について、図3乃至図5を用いて説明する。なお、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様と共用となる部材及び構成については、同一の符号を付し、その説明を省略している。
図3及び図4に示すように、トンネルボーリングマシンの仕様となるトンネル掘削機1においては、土砂排出手段を、第1土砂排出手段となるスクリューコンベヤ18から、第2土砂排出手段となるベルトコンベヤ31に変更している。
このベルトコンベヤ31は、水平状態を維持して取り付けられており、チャンバ17内から掘削機本体11のトンネル軸方向後方まで延設されている。そして、ベルトコンベヤ31の前端部には、ホッパ32が取り付けられており、このホッパ32は、カッタヘッド15のずり取込口を介して取り込まれた掘削土砂を、捕集するものとなっている。
即ち、ベルトコンベヤ31を掘削機本体11内に設置する場合には、開閉扉13をトンネル軸方向後方に向けて開いた後、ベルトコンベヤ31の前端部を、コンベヤ用開口部12aに通して、チャンバ17内に配置する。このとき、全開状態の開閉扉13は、水平方向に配置されており、これに伴って、コンベヤ用開口部12a内に挿入されたベルトコンベヤ31は、その開閉扉13の上面(全閉状態では前面)に載置される。
また、掘削機本体11の後端部内には、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様と同様に、エレクタ装置19が装備されている。ここで、硬質地盤Gbが、掘削反力を取れない湧水地盤等であって、覆工部材としてのセグメントSが必要となる場合には、図3に示すように、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様においても、既設のセグメントSから掘削反力を得る場合がある。一方、硬質地盤Gbが、掘削反力を十分に取れる程の頑丈な地盤であって、覆工部材としてのセグメントSが不必要となる場合には、図4に示すように、詳細は後述するが、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50から掘削反力を得るようにする。
そこで、図4に示すように、掘削機本体11には、3つの反力受け構造体41,42,43が、後端部内から当該後端部のトンネル軸方向後方に亘って設けられている。このうち、掘削機本体11の後端部よりもトンネル軸方向後方に配置される反力受け構造体43の内側には、メイングリッパ装置50が設けられている。
反力受け構造体41,42,43は、シールドジャッキ20のトンネル軸方向後方に設けられており、トンネル軸方向において隙間なく連続して配置されている。そして、このような、反力受け構造体41,42,43の構成としては、例えば、複数の鋼製セグメント41a,42a,43aを、それぞれリング状に組み立てたものとなっている。
具体的に、鋼製セグメント41a,42a,43aは、セグメントSと同様に、掘削されたトンネルTの内壁面形状に沿うような環片となっており、反力受け構造体41,42,43は、エレクタ装置19によって、複数の鋼製セグメント41a,42a,43aを、それぞれトンネル周方向に沿ってリング状に組み立てたものとなっている。
即ち、反力受け構造体41,42,43は、複数のセグメントSをリング状に組み立てることによって得られるセグメントリングのリング形状と同じリング形状をなしている。これにより、組み立て後における反力受け構造体41,42,43(鋼製セグメント41a,42a,43a)の外周面には、テールパッキン21が密着可能で、且つ、摺接可能となっている。
また、最もトンネル軸方向前方に位置する反力受け構造体41(鋼製セグメント41a)の前端面と、シールドジャッキ20のスプレッダ20aとは、トンネル軸方向において対向している。そして、スプレッダ20aの押圧面には、連結部材(ジャッキ側連結部材)44aが取付可能となると共に、反力受け構造体41の前端面には、連結部材(反力受け側連結部材)44bが取付可能となっており、これら連結部材44a,44bは、連結ピン45よって連結可能となっている(図6D参照)。
更に、図4及び図5に示すように、最もトンネル軸方向後方に位置する反力受け構造体43のトンネル幅方向左右両側には、グリッパ用開口部46が形成されている。なお、グリッパ用開口部46は、1つの鋼製セグメント43aのみに開口させたり、複数の鋼製セグメント43aに亘って開口させたりしても構わない。また、鋼製セグメント42a,43aに跨って開口させても構わない。
一方、メイングリッパ装置50は、支持部材(図示省略)を介して、反力受け構造体43内に支持されている。メイングリッパ装置50の中央部には、断面が矩形をなす枠部材51が設けられており、この枠部材51の内側には、ベルトコンベヤ31が貫通している。また、枠部材51の左右両側部には、上下一対のグリッパ用ジャッキ52a,52bが設けられており、各グリッパ用ジャッキ52a,52bは、それぞれトンネル幅方向に伸縮可能となっている。
具体的に、上下一対のグリッパ用ジャッキ52aは、トンネル幅方向一方側に向けて伸長可能となっており、それらのロッド先端間には、メイングリッパ53aが装着されている。これに対して、上下一対のグリッパ用ジャッキ52bは、トンネル幅方向他方側に向けて伸長可能となっており、それらのロッド先端間には、メイングリッパ53bが装着されている。
そして、グリッパ用ジャッキ52a,52bに装着されたメイングリッパ53a,53bは、トンネル径方向においてグリッパ用開口部46と対向しており、当該グリッパ用開口部46をトンネル幅方向において通過可能となっている。これにより、グリッパ用ジャッキ52a,52bを伸縮させることにより、メイングリッパ53a,53bを反力受け構造体43の外周面に対して出没させることができる。
即ち、グリッパ用ジャッキ52a,52bを伸長させることにより、メイングリッパ53a,53bを、反力受け構造体43の外周面から突出させて、硬質地盤Gbの坑壁に押し付けることができる。よって、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50を、トンネルTの坑壁に固定することができるので、当該反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50を、シールドジャッキ20の反力受けとして使用することができる。
従って、トンネルTを硬質地盤Gb内に施工する場合には、先ず、グリッパ用ジャッキ52a,52bを伸長させて、メイングリッパ53a,53bをトンネルTの坑壁に押し付ける。これにより、メイングリッパ53a,53bと坑壁との摩擦力を掘削反力として使用する。
そして、カッタ旋回用モータ14を駆動させることにより、カッタヘッド15を回転させると共に、シールドジャッキ20を伸長させることにより、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50から掘削反力を得て、掘削機本体11を前進させる。これにより、回転するカッタヘッド15に装着された多数のカッタ16によって、硬質地盤Gbに切羽が掘削される。
このとき、地盤掘削によって発生した掘削土砂は、カッタヘッド15の土砂取込口を介して、ホッパ32内に捕集された後、ベルトコンベヤ31の走行によって、トンネル軸方向後方に向けて排出される。
次いで、シールドジャッキ20の1ストローク分、掘進した後、フロントグリッパ33を、伸長させて、トンネルTの坑壁に押し付けると共に、グリッパ用ジャッキ52a,52bを短縮させて、メイングリッパ53a,53bをトンネルTの坑壁から離脱させる。
続いて、シールドジャッキ20を短縮させることにより、連結部材44a,44b及び連結ピン45によって連結した反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50を、シールドジャッキ20の1ストローク分、トンネル軸方向前方に向けて引き込む。
以上より、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様となるトンネル掘削機1においては、掘削土砂をベルトコンベヤ31によってそのまま排土することにより、トンネルTを掘削可能となっている。これと同時に、シールドジャッキ20の伸長によって、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50から掘削反力を取って掘進することが可能となっている。
つまり、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様となるトンネル掘削機1においては、既設のセグメントSを、シールドジャッキ20の反力受けとしている。これに対して、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様となるトンネル掘削機1においては、地盤が自立することから、セグメントSの組み立てを行う必要がないため、反力受け構造体41,42,43を、シールドジャッキ20の反力受けとしている。
このとき、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様となるトンネル掘削機1においては、シールドジャッキ20の1ストローク分掘進した後に、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50を、トンネル軸方向前方に向けて引き込む必要がある。そこで、シールドジャッキ20の連結部材44aと反力受け構造体41の連結部材44bとを、連結ピン45によって連結させることにより、それらの引き込み動作を、シールドジャッキ20の短縮によって行うようにしている。
また、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様となるトンネル掘削機1においては、既設のセグメントSを、シールドジャッキ20の反力受けとしているため、テールパッキン21は、既設のセグメントSに対して、トンネル軸方向前方のみに向けて摺接する。これに対して、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様となるトンネル掘削機1においては、反力受け構造体41,42,43を、シールドジャッキ20の反力受けとするだけでなく、当該シールドジャッキ20の短縮によって、引き込むようにしているため、テールパッキン21は、反力受け構造体41,42に対して、トンネル軸方向前方及び後方に向けて摺接する。
このとき、テールパッキン21を、掘削機本体11の内側に向けて、円弧状に膨出させているため、このテールパッキン21は、反力受け構造体41,42に対して、トンネル軸方向前方及び後方に向けて摺接しても、破損することはなく、更に、裏込め材の注入圧力に対抗可能となっている。これにより、2つのトンネル施工仕様においては、テールパッキン21の共用化を図るようにしている。
次に、トンネルTを軟弱地盤Ga内及び硬質地盤Gb内に連続して掘削する際におけるトンネル施工仕様の切り替え動作について、図6A〜図6Fを用いて詳細に説明する。
先ず、図6Aに示すように、トンネル掘削機1が掘進する掘削地盤が、軟弱地盤Gaから硬質地盤Gbに変化すると、そのトンネル施工仕様を、シールド掘削機の仕様からトンネルボーリングマシンの仕様に変更する。つまり、土砂排出手段を、スクリューコンベヤ18から、ベルトコンベヤ31及びホッパ32に変更すると共に、掘削機本体11に、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50を装着する。
続いて、グリッパ用ジャッキ52a,52bを伸長して、メイングリッパ53a,53bを、グリッパ用開口部46から突出させて、トンネルTの坑壁に押し付ける。これにより、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50は、トンネルTの坑壁に固定される。
その後、カッタヘッド15を回転させながら、シールドジャッキ20を伸長させて、スプレッダ20aを反力受け構造体41の前端面に押圧させる。これにより、反力受け構造体41,42,43を、シールドジャッキ20の反力受けとして使用することになり、トンネル掘削機1の掘進が開始される。
次いで、図6Bに示すように、更に、シールドジャッキ20を、ストローク量が最長になるまで伸長させると、掘削機本体11は、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50に対して、シールドジャッキ20の1ストローク分(鋼製セグメント41a,41b,41cの1リング分)、トンネル軸方向前方に向けて前進する。
このとき、テールパッキン21は、反力受け構造体42の外周面上から反力受け構造体41の外周面上まで摺接することになるが、円弧状に膨出しているため、反力受け構造体41,42間の段差に引っ掛かることはない。
そして、図6Cに示すように、シールドジャッキ20を若干短縮させて、スプレッダ20aの押圧面を、反力受け構造体41の前端面から離脱させる。続いて、スプレッダ20aの押圧面に、連結部材44aを取り付ける一方、反力受け構造体41の前端面に、連結部材44bを取り付ける。
次いで、図6Dに示すように、シールドジャッキ20を若干伸長させて、スプレッダ20aの連結部材44aを、反力受け構造体41の連結部材44bと重ね合わせた後、連結部材44a,44bを連結ピン45によって連結する。これにより、シールドジャッキ20と、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50とは、連結される。
そして、図6Eに示すように、フロントグリッパ33を伸長させてトンネルTの坑壁に押し付ける。これにより、掘削機本体11は、トンネルTの坑壁に固定される。
続いて、グリッパ用ジャッキ52a,52bを短縮して、メイングリッパ53a,53bを、トンネルTの坑壁から離脱させて、グリッパ用開口部46よりも内側に収納する。これにより、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50は、トンネルTの坑壁による拘束が解除される。
その後、シールドジャッキ20を短縮させて、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50を、トンネル軸方向前方に向けて引き込む。
このとき、テールパッキン21は、反力受け構造体41の外周面上から反力受け構造体42の外周面上まで摺接することになるが、円弧状に膨出しているため、鋼製セグメント41a,42a間の段差に引っ掛かることはない。
次いで、図6Fに示すように、フロントグリッパ33を短縮させてトンネルTの坑壁から離脱させる一方、グリッパ用ジャッキ52a,52bを伸長して、メイングリッパ53a,53bを、グリッパ用開口部46から突出させて、トンネルTの坑壁に押し付ける。
続いて、連結ピン45を連結部材44a,44bから取り外して、シールドジャッキ20と反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50との間の連結を解除する。更に、連結部材44a,44bを、スプレッダ20aの押圧面及び反力受け構造体41の前端面から取り外す。
そして、図6Bから図6Fに示した動作を繰り返し行うことにより、トンネル掘削機1が硬質地盤Gb内を掘進する。
また、トンネル掘削機1が掘進する掘削地盤が、硬質地盤Gbから軟弱地盤Gaに変化すると、そのトンネル施工仕様を、トンネルボーリングマシンの仕様からシールド掘削機の仕様に変更する。つまり、土砂排出手段を、ベルトコンベヤ31及びホッパ32から、スクリューコンベヤ18に変更すると共に、掘削機本体11から、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50を取り外す。
なお、上述した実施形態においては、軟弱地盤掘削時に使用するスクリューコンベヤ18の全構成を、硬質地盤掘削時に取り外すようにしているが、その1部分の構成のみを、硬質地盤掘削時に取り外すようにしても構わない。
例えば、図1の2点鎖線で示すように、スクリューコンベヤ18を、バルクヘッド12に対して上下方向に回動可能に支持することにより、その傾斜角度(前傾角度)を変更可能とすると共に、スクリューコンベヤ18を、その長手方向途中部分において、前端部側と後端部側とで分解可能な分解構造とする。そして、図3及び図4の2点鎖線で示すように、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様に変更する場合には、スクリューコンベヤ18の後端部のみを取り外す一方、スクリューコンベヤ18の前端部を、下方に向けて回動させて、ベルトコンベヤ31から退避させる。
これにより、スクリューコンベヤ18のバルクヘッド12に対する着脱作業は、時間を要することになるが、その着脱作業を省略することができる。よって、仕様切り替え時におけるスクリューコンベヤ18においては、前端部に対する回動作業と、後端部の着脱作業とを行うだけとなり、仕様切り替え作業の簡素化を図ることができる。
また、シールドジャッキ20と反力受け構造体41との連結を、連結部材44a,44b及び連結ピン45を用いることにより行っているが、図7A,7B及び図8に示すような、連結部材44c,44d及び44eを用いても構わない。
具体的には、図7Aに示すように、スプレッダ20aの外周面には、連結部材(ジャッキ側連結部材)44cが設けられており、反力受け構造体41(鋼製セグメント41a)の内周面には、連結部材(反力受け側連結部材)44dが設けられている。そして、図7Bに示すように、上述した連結部材44c,44dは、連結ピン45によって連結可能となっている。
これにより、反力受け構造体41,42,43をシールドジャッキ20の反力受けとして使用する際に、連結部材44c,44dを取り外す必要がなくなるため、シールドジャッキ20と反力受け構造体41との連結(反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50の引き込み準備)を、連結ピン45の連結部材44c,44dへの挿入動作のみで行うことができる。よって、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様に変更した場合には、連結部材44c,44dを、常時、取り付けたままの状態とすることができるので、硬質地盤Gbを効率的に掘削することができる。
これに対して、図8に示すように、シールドジャッキ20のロッド先端とスプレッダ20aとの間には、ナックル軸20b及びナックル支持部材20cが、介在されている。そして、スプレッダ20の押圧面と反力受け構造体41の前端面とは、連結部材としての連結ボルト44eによって連結可能となっている。よって、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様に変更した場合には、連結ボルト44eを、掘進時及び引き込み時において着脱させる必要がなく、常時、取り付けたままの状態とすることができるので、硬質地盤Gbを効率的に掘削することができる。
更に、図9に示すように、テールパッキン21の中空横断面を円形とすることにより、当該テールパッキン21を、掘削機本体11の内側に向けて円弧状に膨出させるようにしても構わない。勿論、テールパッキン21の膨出形状としては、セグメントS及び反力受け構造体41,42に対してトンネル軸方向に摺接可能となればよく、円弧状だけでなく、三角状や楕円状を採用しても構わない。
そして、最後に、上述した実施形態においては、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様を、土圧式のシールド掘削機の仕様としているが、軟弱地盤Gaの土水圧が大きくなる場合には、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様を、泥水式のシールド掘削機の仕様とすることもできる。なお、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様を、泥水式のシールド掘削機の仕様とする場合には、撹拌翼22及び添加材注入機構を省くこともできる。
従って、本発明に係るトンネル掘削機1によれば、硬質地盤掘削時に使用する反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50の引き込みを、シールドジャッキ20を用いて行うことにより、引き込み専用の引き込みジャッキを必要としないので、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様と硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様との間における仕様切り替え作業を、容易に行えることができる。
つまり、土砂排出手段を、開閉扉13の開閉動作に応じて、スクリューコンベヤ18とベルトコンベヤ31との間で切り替えると共に、反力受けを、既設のセグメントSと反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50との間で切り替えることにより、トンネル掘削機1を、密閉型トンネル掘削機と開放型トンネル掘削機との間において、容易に切り替えることができる。
これにより、密閉型トンネル掘削機においては、開閉扉13を閉じることにより、チャンバ17内を密閉して、切羽の土水圧を保持しながら、掘削土砂をスクリューコンベヤ18によって排土すると共に、既設のセグメントSをシールドジャッキ20の反力受けとして、掘進することができる。
一方、開放型トンネル掘削機においては、開閉扉13を開くことにより、チャンバ17を開放して、掘削土砂をベルトコンベヤ31によって排土すると共に、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50をシールドジャッキ20の反力受けとして、掘進することができる。このとき、開放型トンネル掘削機では、既存のシールドジャッキ20を、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50の引き込みにも使用しているため、推進手段となるシールドジャッキ20が掘削機本体11の内部空間を占有することがなく、仕様切り替え作業を、容易に行えることができる。
また、シールドジャッキ20と反力受け構造体41とを、連結部材44a,44b,44c,44d、連結ボルト44e、及び、連結ピン45によって連結可能としたことにより、反力受け構造体41,42,43及びメイングリッパ装置50を、シールドジャッキ20によって容易に引き込むことができる。そして、連結部材44c,44d及び連結ボルト44eを使用する際には、それらを常時取り付けたままの状態とすることができるため、引き込み完了時から次の掘進開始までの時間を短くすることができる。よって、硬質地盤Gb内を掘削するための掘削時間を短縮することができる。
更に、テールパッキン21を、掘削機本体11の内側に向けて膨出するようなに形成することにより、当該テールパッキン21を、既設のセグメントSに対して、トンネル軸方向前方に向けて摺接させることができるだけでなく、反力受け構造体41,42に対して、トンネル軸方向前方及び後方に向けて摺接させることができる。これにより、テールパッキン21を、軟弱地盤Gaに対応したトンネル施工仕様と、硬質地盤Gbに対応したトンネル施工仕様との双方において、使用することができるので、トンネル施工仕様の切り替え時において、テールパッキン21の切り替えを無くすことができる。
本発明に係るトンネル掘削機は、掘削途中でトンネル施工仕様を変更して、土質が異なる複数種類の地盤を1機の掘削機で連続して掘削することができるため、トンネル施工技術分野において、極めて有益に利用することができる。
1 トンネル掘削機
11 掘削機本体
12 バルクヘッド
13 開閉扉
14 カッタ旋回用モータ
15 カッタヘッド
16 カッタ
17 チャンバ
18 スクリューコンベヤ
19 エレクタ装置
20 シールドジャッキ
21 テールパッキン
31 ベルトコンベヤ
32 ホッパ
33 フロントグリッパ
41〜43 反力受け構造体
41a〜43a 鋼製セグメント
44a〜44d 連結部材
44e 連結ボルト
45 連結ピン
46 グリッパ用開口部
50 メイングリッパ装置
51 枠部材
52a,52b グリッパ用ジャッキ
53a,53b メイングリッパ
Ga 軟弱地盤
Gb 硬質地盤
T トンネル
S セグメント

Claims (6)

  1. 複数種類の地盤に亘って、トンネルを連続して施工するトンネル掘削機において、
    円筒状をなす掘削機本体と、
    前記掘削機本体の内周面に沿って設けられ、ロッドをトンネル軸方向後方に向けて伸長することにより、前記掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、
    前記推進ジャッキの反力を受ける反力受け構造体と、
    前記反力受け構造体に支持されると共に、前記掘削機本体の後端部よりもトンネル軸方向後方に配置され、トンネル幅方向においてトンネルの坑壁に押し付けられることにより、前記反力受け構造体を前記坑壁に固定するグリッパと
    前記推進ジャッキのロッド先端と前記反力受け構造体の前端とを連結可能とする連結部材とを備え、
    前記反力受け構造体を前記推進ジャッキの反力受けとした場合に、前記推進ジャッキの短縮によって、前記連結部材によって連結した前記反力受け構造体及び当該反力受け構造体に支持された前記グリッパのみを、トンネル軸方向前方に向けて引き込むようにした
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  2. 請求項1に記載のトンネル掘削機において、
    前記掘削機本体の前部に回転可能に支持されるカッタヘッドと、
    前記カッタヘッドのトンネル軸方向後方に設けられる隔壁と、
    前記カッタヘッドと前記隔壁とによって区画形成され、前記カッタヘッドによって掘削された掘削土砂を蓄えるチャンバと、
    前記隔壁に着脱可能に設けられ、前記チャンバ内に蓄えられた掘削土砂を、前記掘削機本体のトンネル軸方向後方に向けて排出する第1土砂排出手段と、
    前記隔壁に開口され、前記チャンバ内に蓄えられた掘削土砂を前記掘削機本体のトンネル軸方向後方に向けて排出する第2土砂排出手段を、設置可能とする開口部と、
    前記開口部を密閉及び開放可能とする開閉手段とを備える
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  3. 請求項1または2に記載のトンネル掘削機において、
    前記連結部材は、
    前記推進ジャッキのスプレッダに設けられるジャッキ側連結部材と、
    前記反力受け構造体に設けられる反力受け側連結部材とであって
    前記ジャッキ側連結部材と前記反力受け側連結部材とを連結可能とする
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のトンネル掘削機において、
    前記反力受け構造体に、前記掘削機本体の後端部よりもトンネル軸方向後方において開口するグリッパ用開口部を備え、
    前記グリッパを、前記グリッパ用開口部に対して出没可能に支持する
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネル掘削機において、
    前記掘削機本体の後端部における内周面の周方向全域に亘って設けられ、既設の覆工部材及び前記反力受け構造体に密着する止水用シールを備え、
    前記止水用シールは、トンネル軸方向前端部及び後端部からトンネル軸方向中央部に向かうに従って、前記掘削機本体の内側に向けて膨出するように形成される
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  6. 請求項2に記載のトンネル掘削機において、
    前記第1土砂排出手段は、スクリューコンベヤである
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
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