(第1の実施形態)
本実施形態では、特徴的なロボットハンドと、このロボットハンドを用いて被挟持物を保持する例について、図1〜図8に従って説明する。図1(a)〜図2(a)は、ロボットハンドの構成を示す概略斜視図である。図1(a)はロボットハンドが被挟持物を保持する直前の状態を示し、図1(b)は、ロボットハンドが被挟持物に接触する状態を示す。図2(a)は、ロボットハンドが被挟持物を保持した状態を示す。図2(b)は、ロボットハンドの構成を示す模式側断面図である。図2(b)は、図2(a)のA−A’線に沿う模式断面図である。尚、以下の説明に用いた各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。
図1(a)〜図2(b)に示すように、四角形の板状の載置台1の上に被挟持物2が載置されている。載置台1の図中上側を向く面は平面1aとなっている。この平面1aの法線の方向は重力加速度が作用する方向と逆の方向であり、この方向をZ方向とする。そして、平面1aに沿った方向をX方向及びY方向とし、X方向、Y方向、Z方向はそれぞれ直交する方向である。
被挟持物2は特に限定されず柔軟な物体であっても良く、変形し難い物体であっても良い。被挟持物2は、例えば、ハム、ソーセージ、チーズ、クリームコロッケ、こんにゃく、豆腐、寒天等の物体である。図を見やすくするために載置台1上には被挟持物2が1個のみ載置されているが、載置台1には複数の被挟持物2が接近し配列して設置されていても良い。
被挟持物2のZ方向にはロボット3に設置されたロボットハンド4が位置している。ロボット3はY方向に延在するアーム5とアーム5に接続された図示しない複数のアーム及び関節を備えている。そして、ロボット3はこれらの関節を回動させることにより、アーム5を移動させることが可能になっている。
アーム5の先端には昇降機構6及び回動機構7が設置されている。昇降機構6及び回動機構7は昇降回動軸8を回動させ、昇降回動軸8をZ方向に往復移動させる。昇降機構6及び回動機構7の構造は特に限定されない。昇降機構6にはモーターとボールねじ、リニアモーター、ラックとピニオン等を用いることができる。例えば本実施形態では昇降機構6はモーターとボールネジとを組み合わせた構造であり、ボールネジが昇降回動軸8を直動させている。回動機構7はモーターと減速ギアとを組み合わせた構造であり、減速ギアが昇降回動軸8を回動させる。
昇降回動軸8の−Z方向の端にはロボットハンド4が設置されている。ロボットハンド4は昇降回動軸8と接続する位置変更部9を備えている。位置変更部9は略直方体の形状をしている。位置変更部9の−Z方向側の面には一対のレール9aがX方向に延在して設置されている。レール9aには第1ステージ9b及び第2ステージ9cが吊るされて設置されている。第1ステージ9b及び第2ステージ9cはレール9aに沿って±X方向に移動する。第1ステージ9b及び第2ステージ9cが移動する±X方向を位置変更方向9dとする。
位置変更部9は内部に直動機構を備え、直動機構は第1ステージ9b及び第2ステージ9cを位置変更方向9dに往復移動する。位置変更部9は第1ステージ9b及び第2ステージ9cを各々独立して移動させることができる。位置変更部9が備える直動機構の構造は特に限定されず、昇降機構6と同様な機構を用いることができる。本実施形態では例えば、この直動機構はステップモーターとボールネジとを組み合わせて構成されている。
第1ステージ9bの−Z方向側には第1ステージ9bと接続して保持部としての第1保持部10が設置されている。第2ステージ9cの−Z方向側には第2ステージ9cと接続して保持部としての第2保持部11が設置されている。位置変更部9は第1ステージ9b及び第2ステージ9cを移動させることにより第1保持部10と第2保持部11との相対位置を変更する機能を備えている。なお、この相対位置の制御では、予め設定されたテンプレートによる位置制御による方法や、把持圧力を圧力センサー等でモニタリングしながら把持する把持圧力制御による方法等を用いることができる。
第1保持部10は位置変更部9と接続する基部としての第1基部12を備え、位置変更部9は第1基部12を移動する。第1基部12はZ方向に延在する角棒状の縦部材12aの一端にY方向に延在する直方体の横部材12bが中央で接続した形状となっている。同様に、第2保持部11も位置変更部9と接続する基部としての第2基部13を備え、位置変更部9は第2基部13を移動する。第2基部13はZ方向に延在する角棒状の縦部材13aの端にY方向に延在する直方体の横部材13bが中央で接続した形状となっている。縦部材12a及び縦部材13aは位置変更部9の直動機構と接続されている。そして、縦部材12aと縦部材13aとの間隔が位置変更部9によって変更される。
横部材12bの−Z方向側には−Z方向に延在する曲棒状部材としての第1棒14及び曲棒状部材としての第2棒15が設置されている。第1棒14はZ方向に沿う回動軸14aを回動中心にして回動可能に設置されている。同様に、第2棒15もZ方向に沿う回動軸15aを回動中心にして回動可能に設置されている。回動軸14a及び回動軸15aは位置変更方向9dと直交している。横部材12bのZ方向側には第1棒14と対向する場所に付勢部としての第1付勢部16が設置され、第2棒15と対向する場所に付勢部としての第2付勢部17が設置されている。
第1付勢部16は第1棒14と接続し、第1棒14が回動する角度に応じたトルクを発生する。同様に、第2付勢部17は第2棒15と接続し、第2棒15が回動する角度に応じたトルクを発生する。第1付勢部16及び第2付勢部17により第1棒14及び第2棒15は所定の回動方向に付勢されている。
第1棒14は2つの円弧部14bを有し弓形状または略弓形状に湾曲した形状をした丸棒である。第1棒14の両端は直線状となっており回動軸14aに沿って配置されている。回動軸14aは第1棒14の弓形状に対する弦に相当する仮想形状となっている。2つの円弧部14bの間の部分が回動軸14aから最も離れた場所であり、この部分を突出部14cとする。同様に、第2棒15は2つの円弧部15bを有し弓形状または略弓形状に湾曲した形状をしている。第2棒15の両端は直線状となっており回動軸15aに沿って配置されている。回動軸15aは第2棒15の弓形状に対する弦に相当する仮想形状となっている。2つの円弧部15bの間の部分が回動軸15aから最も離れた場所であり、この部分を突出部15cとする。
第1棒14及び第2棒15の−Z方向側の端には先端部としての第1先端部18が設置されている。第1棒14及び第2棒15は第1先端部18に対して回動可能に設置されている。第1棒14は横部材12bと第1先端部18とに回動可能に支持されている。同様に、第2棒15は横部材12bと第1先端部18とに回動可能に支持されている。横部材12b、第1先端部18、回動軸14a及び回動軸15aは長方形を形作っている。従って、第1棒14が回動軸14aを中心にして回動し第2棒15が回動軸15aを中心に回動しても横部材12bと第1先端部18との相対位置は変わらない。
第2保持部11は第1保持部10と同様の形状を備えている。横部材13bの−Z方向側には−Z方向に延在する曲棒状部材としての第3棒20及び曲棒状部材としての第4棒21が設置されている。第3棒20はZ方向に沿う回動軸20aを回動中心にして回動可能に設置されている。同様に、第4棒21もZ方向に沿う回動軸21aを回動中心にして回動可能に設置されている。回動軸20a及び回動軸21aは位置変更方向9dと直交している。横部材13bのZ方向側には第3棒20と対向する場所に付勢部としての第3付勢部22が設置され、第4棒21と対向する場所に付勢部としての第4付勢部23が設置されている。
第3付勢部22は第3棒20と接続し、第3棒20が回動する角度に応じたトルクを発生する。同様に、第4付勢部23は第4棒21と接続し、第4棒21が回動する角度に応じたトルクを発生する。第3付勢部22及び第4付勢部23により、第3棒20及び第4棒21は所定の回動方向に付勢されている。
第3棒20は2つの円弧部20bを有し弓形状または略弓形状に湾曲した形状をしている。第3棒20の両端は直線状となっており回動軸20aに沿って配置されている。回動軸20aは第3棒20の弓形状に対する弦に相当する仮想形状となっている。2つの円弧部20bの間の部分が回動軸20aから最も離れた場所であり、この部分を突出部20cとする。同様に、第4棒21は2つの円弧部21bを有し弓形状または略弓形状に湾曲した形状をしている。第4棒21の両端は直線状となっており回動軸21aに沿って配置されている。回動軸21aは第4棒21の弓形状に対する弦に相当する仮想形状となっている。2つの円弧部21bの間の部分が回動軸21aから最も離れた場所であり、この部分を突出部21cとする。
第3棒20及び第4棒21の−Z方向側の端には先端部としての第2先端部24が設置されている。第3棒20及び第4棒21は第2先端部24に対して回動可能に設置されている。第3棒20は横部材13bと第2先端部24とに回動可能に支持されている。同様に、第4棒21は横部材13bと第2先端部24とに回動可能に支持されている。横部材13b、第2先端部24、回動軸20a及び回動軸21aは長方形を形作っている。従って、第3棒20が回動軸20aを中心にして回動し第4棒21が回動軸21aを中心に回動しても横部材13bと第2先端部24との相対位置は変わらない。
第1棒14のうち横部材12bに挿入された直線状の部分を直線部14eとする。第1棒14のうち横部材12bと第1先端部18との間の部分を曲部14fとする。回動軸14aは横部材12b及び第1先端部18と交差している。直線部14eは回動軸14aに沿っており、曲部14fは回動軸14aから離れている。第2棒15のうち横部材12bに挿入された直線状の部分を直線部15eとする。第2棒15のうち横部材12bと第1先端部18との間の部分を曲部15fとする。回動軸15aは横部材12b及び第1先端部18と交差している。直線部15eは回動軸15aに沿っており、曲部15fは回動軸15aから離れている。
第3棒20のうち横部材13bに挿入された直線状の部分を直線部20eとする。第3棒20のうち横部材13bと第2先端部24との間の部分を曲部20fとする。回動軸20aは横部材13b及び第2先端部24と交差している。直線部20eは回動軸20aに沿っており、曲部20fは回動軸20aから離れている。第4棒21のうち横部材13bに挿入された直線状の部分を直線部21eとする。第4棒21のうち横部材13bと第2先端部24との間の部分を曲部21fとする。回動軸21aは横部材13b及び第2先端部24と交差している。直線部21eは回動軸21aに沿っており、曲部21fは回動軸21aから離れている。
横部材12bと第1先端部18との間には被挟持物2側に第1の膜状部材としての内側第1シート25が設置されている。内側第1シート25は一方の端部が横部材12bに固定され、もう一方の端部が第1先端部18に固定されている。同様に、横部材13bと第2先端部24との間には被挟持物2側に第1の膜状部材としての内側第2シート26が設置されている。内側第2シート26は一方の端部が横部材13bに固定され、もう一方の端部が第2先端部24に固定されている。内側第1シート25及び内側第2シート26の材質は弾力性のある材料であれば良く特に限定されない。内側第1シート25及び内側第2シート26の材質は、例えば、シリコンゴム等の合成ゴムや天然ゴムや糸状のゴムが編み込まれた布等を用いることができる。本実施形態では内側第1シート25及び内側第2シート26にシリコンゴムが用いられている。
位置変更部9が第1ステージ9bと第2ステージ9cとの間隔を狭くするとき内側第1シート25と内側第2シート26とが被挟持物2の側面と側面側の底面に接触する。そして、第1保持部10及び第2保持部11は被挟持物2を内側第1シート25と内側第2シート26との一部で挟んで保持する。
ロボットハンド4の図中Y方向側には制御部27が設置されている。制御部27はアーム5の制御及びロボットハンド4の制御を行う装置である。制御部27は第1ステージ9bと第2ステージ9cとを移動させて、第1保持部10と第2保持部11との間隔を調整する。
第1基部12、第2基部13、第1先端部18、第2先端部24、第1棒14、第2棒15、第3棒20及び第4棒21の材質は洗浄及び消毒に耐え剛性のある材質であれば良く、特に限定されない。金属やシリコーン樹脂等を用いることができる。本実施形態では、例えば、第1基部12、第2基部13、第1先端部18、第2先端部24、第1棒14、第2棒15、第3棒20及び第4棒21の材質にステンレス鋼を採用している。尚、洗浄は、例えば、洗浄液に浸漬して超音波洗浄する方法とブラッシング等の機械的洗浄とを組み合わせた方法を用いることができる。消毒には、例えば、煮沸消毒や塩素消毒等を行うことができる。
図1(a)に示すように、ロボットハンド4が被挟持物2を保持していないとき、第1棒14と第2棒15とは同一平面に沿って配置され、第3棒20と第4棒21とは同一平面に沿って配置される。図1(b)に示すように、第1基部12と第2基部13とが接近するとき、第1棒14〜第4棒21は被挟持物2と接触する。そして、第1棒14〜第4棒21は弓形状に湾曲しているので、第1棒14〜第4棒21が回転して第1先端部18と第2先端部24とは被挟持物2の±X方向の外周より中心側に位置する。
図2(a)に示すように、さらに、第1基部12と第2基部13とが接近する。第1棒14及び第2棒15は−X側に突出し、第3棒20及び第4棒21はX側に突出する。そして、第1先端部18と第2先端部24とは、さらに、被挟持物2のX方向の外周より中心側に位置する。
図3(a)は第1付勢部及び基部を示す要部模式断面図である。図3(a)に示すように、横部材12bには貫通孔12cが設置され、貫通孔12cには第1棒14が挿入されている。貫通孔12cには軸受機構としての第1軸受31及び軸受機構としての第2軸受32が設置され、第1軸受31及び第2軸受32が第1棒14を回動可能に支持している。第1軸受31及び第2軸受32は第1棒14を2か所の場所で支えている。これにより、第1軸受31及び第2軸受32は第1棒14の直線部14eが回動軸14aに対して傾くことを抑制し回動軸14aを回動中心として第1棒14を精度良く回動させることができる。
第1軸受31及び第2軸受32は第1棒14を低い摩擦抵抗で回動できれば良く、第1軸受31及び第2軸受32の種類は特に限定されない。第1軸受31及び第2軸受32の種類は例えば、玉軸受やころ軸受等の転がり軸受、エンジニアリング・プラスチック、軸受合金、セラミック等を用いたすべり軸受けを用いることができる。本実施形態では、玉軸受の1つであるボールベアリングを用いている。
第1棒14は横部材12bを貫通して突出している。第1棒14の端には第1棒14の径方向に貫通する貫通孔14dが形成されている。第1付勢部16はばねとしてのコイルばね16aを備え、コイルばね16aの端は貫通孔14dに挿入されている。横部材12bの上面には凹部12dが形成され、コイルばね16aの端は凹部12dに挿入されている。第1棒14が回動軸14aを中心として回動するときコイルばね16aにより第1棒14にトルクがかかるようになっている。
コイルばね16aを覆うようにカバー16bが設置されている。カバー16bはコイルばね16aに被挟持物2が分離したものが付着しないようにコイルばね16aを保護する。尚、第2棒15が横部材12bに設置されている構造は第1棒14が横部材12bに設置されている構造と同じであり、説明を省略する。同様に、第3棒20及び第4棒21が横部材13bに設置されている構造は第1棒14が横部材12bに設置されている構造と同じであり、説明を省略する。第2付勢部17、第3付勢部22及び第4付勢部23の内部構造は第1付勢部16の内部構造と同じであり説明を省略する。
図3(b)は第1棒と第1先端部との接続構造を示す要部模式断面図である。図3(b)に示すように、第1棒14の−Z方向の端は回動軸14aに沿った直線状になっている。そして、第1棒14の端は第3軸受33を介して第1先端部18に設置されている。従って、第1棒14は第1先端部18に対して低い摩擦抵抗で回動可能になっている。
第3軸受33の種類は特に限定されず、第1軸受31と同様な軸受を用いることができる。尚、第2棒15が第1先端部18に設置されている構造は第1棒14が第1先端部18に設置されている構造と同じであり、説明を省略する。同様に、第3棒20及び第4棒21が第2先端部24に設置されている構造は第1棒14が第1先端部18に設置されている構造と同じであり、説明を省略する。
図4及び図5は第1棒〜第4棒の動作を説明するための模式図である。図4(a)〜図5(b)は図2(b)のB−B’線から見た図である。図4(a)はロボットハンド4が被挟持物2を保持していない状態を示す。図4(b)〜図5(a)はロボットハンド4が被挟持物2を保持するまでの経過を示す。図5(b)はロボットハンド4が被挟持物2を保持している状態を示す。図5(c)及び図5(d)は横部材12bのZ方向側から第1棒14を見た図である。図5(c)はロボットハンド4が被挟持物2を保持していない状態を示し、図5(d)はロボットハンド4が被挟持物2を保持している状態を示している。尚、図を見やすくするために図5(c)及び図5(d)はカバー16bのZ方向側の面を省略しており、図4及び図5は内側第1シート25及び内側第2シート26を省略している。
図4(a)に示すように、ロボットハンド4が被挟持物2を保持していないとき、X方向における第1先端部18と第2先端部24との間の間隔は被挟持物2の幅より長くなっている。そして、第1棒14の突出部14c及び第2棒15の突出部15cは互いに接近し、第1先端部18の長手方向に向かって突出する。これにより、第1棒14及び第2棒15はZ方向から見たときに同一または略同一の仮想平面19aに倣い第1先端部18と重なる。第1棒14及び第2棒15は第1先端部18のX方向に突出しないようになっている。同様に、第3棒20の突出部20c及び第4棒21の突出部21cは互いに接近し、第2先端部24の長手方向に向かって突出する。これにより、第3棒20及び第4棒21はZ方向から見たときに同一または略同一の仮想平面19bに倣い第2先端部24と重なる。第3棒20及び第4棒21は第2先端部24のX方向に突出しないようになっている。
図4(b)に示すように、位置変更部9が第1基部12と第2基部13とを移動させて、第1棒14、第2棒15、第3棒20及び第4棒21の間隔を狭くする。これにより、第1棒14では突出部14cが被挟持物2に押圧されて、回動軸14aを中心にして回動する。同様に、第2棒15、第3棒20、第4棒21はそれぞれ回動軸15a、回動軸20a、回動軸21aを中心にして回動する。第1棒14及び第2棒15は仮想平面19aから離れ、第3棒20及び第4棒21は仮想平面19bから離れる。そして、Z方向から見て第1先端部18及び第2先端部24が被挟持物2の中心に向かって移動する。
図4(c)及び図5(a)に示すように、位置変更部9が第1基部12と第2基部13とをさらに移動させて、第1棒14、第2棒15、第3棒20及び第4棒21の間隔を狭くする。これにより、突出部14cが被挟持物2に押圧されて、第1棒14が回動軸14aを中心にして回動する。同様に、第2棒15、第3棒20、第4棒21はそれぞれ回動軸15a、回動軸20a、回動軸21aを中心にして回動する。そして、Z方向から見て第1先端部18及び第2先端部24が被挟持物2の中心に向かって移動する。
図5(b)に示すように、位置変更部9が第1基部12と第2基部13とをさらに移動させて、第1棒14、第2棒15、第3棒20及び第4棒21の間隔を狭くする。そして、第1棒14の突出部14c及び第2棒15の突出部15cは被挟持物2に押圧されて横部材12bから離れる方向に向かって突出する。そして、Z方向から見たとき第1先端部18は被挟持物2の底に進入する。
同様に、第3棒20の突出部20c及び第4棒21の突出部21cも被挟持物2に押圧されて横部材13bから離れる方向に向かって突出する。そして、Z方向から見たとき第2先端部24は被挟持物2の底に進入する。これにより、第1先端部18と第2先端部24との間隔は被挟持物2の幅より短くなるので、第1先端部18、第2先端部24、内側第1シート25及び内側第2シート26にて被挟持物2を支えることが可能になる。
次に、ロボットハンド4が被挟持物2を離すとき位置変更部9が第1基部12と第2基部13とを移動させて、第1基部12と第2基部13との間隔を広くする。このとき、図5(b)、図5(a)、図4(c)、図4(b)、図4(a)が示す図の順に第1棒14、第2棒15、第3棒20及び第4棒21が回動する。
図4(a)に示すように、その結果、Z方向から見て第1先端部18及び第2先端部24は被挟持物2から離れる。第1棒14の突出部14c及び第2棒15の突出部15cは互いに接近し、第1先端部18の長手方向に向かって突出する。第1棒14及び第2棒15はZ方向から見たときに同一または略同一平面に倣い第1先端部18と重なる。同様に、第3棒20の突出部20c及び第4棒21の突出部21cは互いに接近し、第2先端部24の長手方向に向かって突出する。これにより、第3棒20及び第4棒21はZ方向から見たときに同一または略同一平面に倣い第2先端部24と重なる。第3棒20及び第4棒21は第2先端部24のX方向に突出しないようになっている。
図5(c)に示すように、横部材12bのZ方向側の面にはコイルばね16aの近くに規制ピン34が設置されている。第1棒14は−Z方向側の端の近くの場所で直角に曲げられている。コイルばね16aにより第1棒14は図中時計まわりに回転するように付勢されている。そして、第1棒14が被挟持物2に接触していないときには第1棒14の端の近くの側面が規制ピン34に接触する。規制ピン34により第1棒14が回転しないように規制されている。この構造により第1棒14の突出部14cが第1先端部18の長手方向を向くようになっている。
図5(d)に示すように、第1棒14が被挟持物2と接触するときには第1棒14が規制ピン34から離れる。そして、被挟持物2が図中−X方向に移動するとき第1棒14は被挟持物2に押されて反時計まわりに回動する。被挟持物2がX方向に移動するとき第1棒14はコイルばね16aに付勢されて時計まわりに回動する。
第2付勢部17、第3付勢部22、第4付勢部23は第1付勢部16と同じ構造となっている。そして、第2棒15、第3棒20及び第4棒21は第1棒14と同様に回動が規制されている。各付勢部と各棒の動作は第1付勢部16及び第1棒14と同じであり、詳細な説明は省略する。
次に上述したロボット3を用いて被挟持物2を保持して移動する方法について図6〜図8にて説明する。図6は被挟持物の移動方法を示すフローチャートである。図7及び図8は被挟持物の移動方法を説明するための模式図である。
図6において、ステップS1は第1のロボットハンド移動工程に相当する。この工程では第1付勢部16〜第4付勢部23が第1棒14から第4棒21を付勢する。第1棒14と第2棒15とが同一または略同一平面上に倣い、第3棒20と第4棒21とが同一または略同一平面上に倣うようにする。そして、第1保持部10と第2保持部11との間に被挟持物2が位置するようにロボットハンド4を移動させる工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は保持開始工程に相当する。この工程では、位置変更部9が第1保持部10及び第2保持部11を移動する。位置変更部9は内側第1シート25及び内側第2シート26を介して第1棒14から第4棒21を被挟持物2に押圧させる。第1棒14から第4棒21を被挟持物2からの反力により回動させて、第1棒14から第4棒21と内側第1シート25及び内側第2シート26が被挟持物2を包むように保持する工程である。次にステップS3に移行する。
ステップS3は第2のロボットハンド移動工程に相当する。この工程は、被挟持物2を保持したロボットハンド4を移動する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は保持終了工程に相当する。この工程では、位置変更部9が第1保持部10と第2保持部11とを移動させて第1保持部10と第2保持部11との間の距離を拡げる。そして位置変更部9は内側第1シート25及び内側第2シート26と被挟持物2とを離間させて被挟持物2の保持を終了する工程である。以上の工程にて被挟持物2を移動する工程が終了する。
次に、図7及び図8を用いて、図6に示したステップと対応させて、被挟持物2の移動方法を詳細に説明する。図7(a)及び図7(b)はステップS1の第1のロボットハンド移動工程に対応する図である。図7(a)に示すように、ステップS1において、載置台1には3個の被挟持物2が配置されている。尚、図中の載置台1及び被挟持物2は一部を図示しており、載置台1には多数の被挟持物2が配置されている。そして、被挟持物2が配置されている場所の位置精度は低く、被挟持物2の間隔はバラツキのある状態となっている。
ロボット3が被挟持物2と対向する場所にロボットハンド4を移動する。第1先端部18と第2先端部24との間隔は被挟持物2のX方向の長さより長く設定されている。第1先端部18と第2先端部24との間隔は被挟持物2の既定の寸法を参照して設定して良い。他にも、ロボット3に撮像装置と画像処理装置を設置しても良い。撮像装置が撮影した画像を用いて画像処理装置が被挟持物2の寸法を計測し、計測した寸法を参照して第1先端部18と第2先端部24との間隔を設定しても良い。この方法では複数の種類の被挟持物2に対応することができる。
図7(b)に示すように、次に、ロボット3はロボットハンド4を下降させて第1先端部18及び第2先端部24を載置台1に接近させる。第1先端部18及び第2先端部24は載置台1に接触しないように接近させるのが好ましい。接触しない方が接触したときに比べて、位置変更部9は小さな力で第1保持部10及び第2保持部11を移動することができる。ただし、第1先端部18及び第2先端部24に爪構造を設ける場合があり、その場合は爪を設置台の上に接触させて、滑らすように移動させて被挟持物2を保持する場合もある。
第1付勢部16〜第4付勢部23が第1棒14から第4棒21をそれぞれ付勢しているので、第1棒14の突出部14cはY方向に突出し第2棒15の突出部15cは−Y方向に突出している。これにより、第1棒14から第4棒21が同一または略同一平面上に倣うようになっている。従って、第1棒14及び第2棒15はX方向の幅が狭くなっているので、隣り合う被挟持物2の間の隙間に挿入し易くなっている。第3棒20及び第4棒21も第1棒14及び第2棒15と同様な状態になっている。従って、第3棒20及び第4棒21は隣り合う被挟持物2の間の隙間に挿入し易くなっている。
図7(c)はステップS2の保持開始工程に対応する図である。図7(c)に示すように、ステップS2において、位置変更部9は第1基部12と第2基部13とを接近させる。これにより、第1保持部10では突出部14c及び突出部15cが被挟持物2に押されて−X方向に突出する。同様に、第2保持部11では突出部20c及び突出部21cが被挟持物2に押されてX方向に突出する。そして、第1先端部18及び第2先端部24は載置台1と被挟持物2との間に進入する。
さらに、内側第1シート25及び内側第2シート26が被挟持物2を挟むように接触する。内側第1シート25及び内側第2シート26は弾力性があるので、被挟持物2の側面を押圧して被挟持物2を保持する。
ロボットハンド4は第1先端部18及び第2先端部24が被挟持物2の底を支え、内側第1シート25及び内側第2シート26が被挟持物2の側面を挟んでいる。従って、ロボットハンド4が被挟持物2を安定して保持した状態で、ロボット3は被挟持物2を上昇させることができる。
図7(d)〜図8(b)はステップS3の第2のロボットハンド移動工程に対応する図である。図7(d)に示すように、ステップS3において、ロボット3は昇降機構6を駆動してロボットハンド4を上昇させる。次に、図8(a)に示すように、ロボット3はロボットハンド4及び被挟持物2を水平方向に移動する。被挟持物2の移動先の場所と対向する場所までロボット3は被挟持物2を移動する。続いて、図8(b)に示すように、ロボット3は昇降機構6を駆動してロボットハンド4を下降させる。そして、被挟持物2を移動先の載置台1上に載置させる。
図8(c)〜図8(d)はステップS4の保持終了工程に対応する図である。図8(c)に示すように、位置変更部9が第1保持部10と第2保持部11とを移動させて第1保持部10と第2保持部11との間の距離を拡げる。そして位置変更部9は内側第1シート25及び内側第2シート26と被挟持物2とを離間させる。第1付勢部16〜第4付勢部23が第1棒14〜第4棒21を付勢しているので、第1棒14の突出部14c及び第3棒20の突出部20cはY方向に突出し第2棒15の突出部15c及び第4棒21の突出部21cは−Y方向に突出する。これにより、第1棒14〜第4棒21が同一または略同一平面上に倣う。
次に、図8(d)に示すように、ロボット3は昇降機構6を駆動してロボットハンド4を上昇させて待機する。以上の工程にて被挟持物2を移動する工程を終了する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1保持部10において、第1棒14及び第2棒15は第1先端部18を支持し、第3棒20及び第4棒21は第2先端部24を支持している。被挟持物2が内側第1シート25及び内側第2シート26を介して第1棒14〜第4棒21を押す。第1棒14〜第4棒21は回転する。そして、被挟持物2は第1基部12と第1先端部18との間に進入する。被挟持物2と載置台1との間に第1先端部18が位置する。同様に、第2保持部11では被挟持物2と載置台1との間に第2先端部24が位置する。これによりロボットハンド4は被挟持物2の底を支える為、被挟持物2を安定して保持することができる。
(2)本実施形態によれば、第1保持部10では横部材12bと第1先端部18との間には内側第1シート25が設置され、第2保持部11では横部材13bと第2先端部24との間には内側第2シート26が設置されている。各シートは被挟持物2と各棒との間に位置する。位置変更部9が各保持部を被挟持物2に接近させるとき、各シートが被挟持物2に接触する。被挟持物2の下に第1先端部18及び第2先端部24が位置し、被挟持物2の底から側面にかけて各シートが接触する。これによりロボットハンド4は被挟持物2の底と側面を支える為、被挟持物2を安定して保持することができる。
(3)本実施形態によれば、第1付勢部16〜第4付勢部23が各棒を回転させるように付勢する。そして、第1棒14〜第4棒21が被挟持物2に接触していないとき、規制ピン34と各付勢部とにより各棒が同一平面上に倣う。これにより、各棒に支持された第1先端部18、第2先端部24、内側第1シート25及び内側第2シート26は各棒と同様に同一平面上に倣う。そして、各保持部では各棒、各先端部及び各シートにより構成される部分の厚みが薄い形態となる。従って、隣り合う被挟持物2の隙間が狭いときにも、狭い隙間に各保持部を挿入することができる。そして、位置変更部9が各保持部の位置を変更することによりロボットハンド4は被挟持物2を保持することができる。その結果、隣り合う被挟持物2の隙間が狭いときにもロボットハンド4は被挟持物2を保持することができる。
(4)本実施形態によれば、第1保持部10では横部材12bは第1棒14を回動可能に支持する第1軸受31と第2軸受32とを備えている。第1軸受31及び第2軸受32は第1棒14を2か所で支えているので、ロボットハンド4は第1棒14を回動軸14aを回動中心にして精度良く回動させることができる。尚、この内容は、第2棒15、第3棒20及び第4棒21でも同様の効果を有している。その結果、第1棒14〜第4棒21は小さな力で安定して回動させることができる。
(5)本実施形態によれば、第1付勢部16のコイルばね16aが第1棒14を付勢する。コイルばね16aは再現性の良い力で付勢することができる。従って、第1付勢部16は再現性良く第1棒14が同一平面上に倣うように付勢することができる。尚、この内容は、第2付勢部17、第3付勢部22及び第4付勢部23でも同様の効果を有している。
(6)本実施形態によれば、第1軸受31、第2軸受32及び第3軸受33が回動軸14a上に配置されている。従って、第1棒14は小さな力で回動させることができる。尚、この内容は、第2棒15、第3棒20及び第4棒21でも同様の効果を有している。
(第2の実施形態)
次に、構造に特徴のあるロボットハンドの一実施形態について図9及び図10を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、棒と先端部との接続構造が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図9(a)はロボットハンドの構造を示す模式側面図であり、図9(b)及び図9(c)は先端部の構造を示す要部模式断面図である。すなわち、本実施形態では、図9(a)に示すように、ロボット37に設置されたロボットハンド38は横部材12bを備え、横部材12bの−Z方向側には曲棒状部材としての第1棒39及び曲棒状部材としての第2棒40が設置されている。第1棒39は回動軸39aを中心として回動し、第2棒40は回動軸40aを中心として回動する。第1棒39と第2棒40とは同じ形状であり、Y方向に所定の間隔を設けて設置されている。
第1棒39はZ方向に沿う回動軸39aを回動中心にして回動可能に設置されている。第1棒39は円弧部39b及び円弧部39dを有し弓形状または略弓形状に湾曲した形状をしている。第1棒39の第1基部12側の端は直線状となっており回動軸39aに沿って配置されている。円弧部39b及び円弧部39dの間の部分が回動軸39aから最も離れた場所であり、この部分を突出部39cとする。第2棒40の形状は第1棒39と同じ形状であり説明を省略する。
第1棒39の円弧部39dの−Z側は回動軸39aに対して斜めになっている。換言すると、第1棒39先端が延在する方向と回動軸39aの軸方向とは交差する方向となっている。そして、第1棒39及び第2棒40の−Z方向側の端には先端部としての第1先端部41が設置されている。第1棒39及び第2棒40は第1先端部41に対して回動可能に設置されている。第1棒39は横部材12bと第1先端部41とに回動可能に支持されている。同様に、第2棒40は横部材12bと第1先端部41とに回動可能に支持されている。横部材12b、第1先端部41、回動軸39a及び回動軸40aは長方形を形作っている。従って、第1棒39が回動軸39aを中心にして回動し第2棒40が回動軸40aを中心に回動しても横部材12bと第1先端部41との相対位置は変わらない。
横部材13bには曲棒状部材としての第3棒42及び曲棒状部材としての第4棒43が設置されている。第3棒42は回動軸42aを中心として回動し第4棒43は回動軸43aを中心として回動する。第3棒42及び第4棒43は第1棒39及び第2棒40と同様の形状であり、Y方向に所定の間隔を設けて設置されている。そして、第3棒42及び第4棒43の−Z方向側の端には先端部としての第2先端部44が設置されている。横部材13b、第3棒42、第4棒43及び第2先端部44から構成させる部分は横部材12b、第1棒39、第2棒40及び第1先端部41から構成される部分とZ方向に延びる軸に対して対称形となっている。そして、第3棒42は回動軸42aを中心にして回動し、第4棒43は回動軸43aを中心にして回動する。
第1棒39のうち横部材12bに挿入された直線状の部分を直線部39eとする。第1棒39のうち横部材12bと第1先端部41との間の部分を曲部39fとする。直線部39eは回動軸39aに沿っており、曲部39fは回動軸39aから離れている。第2棒40のうち横部材12bに挿入された直線状の部分を直線部40eとする。第2棒40のうち横部材12bと第1先端部41との間の部分を曲部40fとする。直線部40eは回動軸40aに沿っており、曲部40fは回動軸40aから離れている。
第3棒42のうち横部材13bに挿入された直線状の部分を直線部42eとする。第3棒42のうち横部材13bと第2先端部44との間の部分を曲部42fとする。直線部42eは回動軸42aに沿っており、曲部42fは回動軸42aから離れている。第4棒43のうち横部材13bに挿入された直線状の部分を直線部43eとする。第4棒43のうち横部材13bと第2先端部44との間の部分を曲部43fとする。直線部43eは回動軸43aに沿っており、曲部43fは回動軸43aから離れている。
図9(b)及び図9(c)は第1棒39と第1先端部41とが接続する部分を示す図である。図9(c)は図9(b)のD−D’線に沿う断面図である。図9(b)及び図9(c)に示すように、第1棒39は関節部45を介して第1先端部41と連結されている。関節部45は第4軸受46を有している。第4軸受46の種類は特に限定されず第1軸受31と同様の軸受を用いることができる。本実施形態では、第4軸受46にボールベアリングを用いている。第4軸受46の内輪には第1棒39が挿入されている。第4軸受46の外輪には軸受支持部47が設置されている。
軸受支持部47には第5軸受48が設置されている。第5軸受48の種類は特に限定されず第1軸受31と同様の軸受を用いることができる。本実施形態では、第5軸受48にボールベアリングを用いている。第5軸受48の外輪が軸受支持部47に固定され、第5軸受48の内輪には関節回動軸49が設置されている。第4軸受46の回動軸と第5軸受48の回動軸とは直交するように配置されている。
関節回動軸49の両端は第1先端部41に固定されている。そして、関節回動軸49の軸方向と第1先端部41の長手方向は直交するように配置されている。第1先端部41には凹部41aが設置され、凹部41aに関節回動軸49が設置されている。これにより、関節部45が関節回動軸49を中心にして回動しても関節部45は第1先端部41と干渉しないようになっている。第1先端部41は長手方向から見たときに台形となっており、厚みが薄い形状となっている。そして、第1先端部41の先端側が鋭角となっている。これにより、第1先端部41は載置台1と被挟持物2との間に進入しやすくなっている。
第1先端部41の側面のうち長い方の面を受面41bとし受面41bと反対側の面を外面41cとする。受面41bが第2先端部44を向き、外面41cが載置台1を向くように第1先端部41が設置される。尚、第2棒40と第1先端部41とは関節部45を介して連結されている。さらに、第3棒42と第2先端部44とは関節部45を介して連結され、第4棒43と第2先端部44とは関節部45を介して連結されている。
第1基部12、第1棒39、第2棒40、第1先端部41等により保持部としての第1保持部50が構成され、第2基部13、第3棒42、第4棒43及び第2先端部44等により保持部としての第2保持部51が構成されている。そして、第1保持部50と第2保持部51とはZ方向に延びる軸に対して対称形となっている。
図10はロボットハンドの動作を説明するための模式図であり、図10(a)及び図10(c)は、図9(a)のC−C’線から見た図である。図10(b)及び図10(d)は、−X方向から第1先端部41を見た側面図である。図10(a)及び図10(b)はロボットハンド38が被挟持物2を保持していない状態を示し、図10(c)及び図10(d)はロボットハンド38が被挟持物2を保持した状態を示している。
図10(a)及び図10(b)に示すように、ロボットハンド38が被挟持物2を保持していないとき、第1棒39を第1付勢部16が付勢し、第2棒40を第2付勢部17が付勢する。第1棒39及び第2棒40は規制ピン34により回動する角度が規制される。これにより、Z方向から見たとき、第1棒39及び第2棒40は第1先端部41と重なる。そして、第1棒39は回動軸39aの−Y方向に突出し、第2棒40は回動軸40aの−Y方向に突出する。第1棒39及び第2棒40は関節回動軸49を中心としてZ方向から−Y方向に向かって傾斜する。この状態では受面41bはX方向を向き、Z方向から見て第1先端部41は傾かないので薄くなっている。同様に、Z方向から見たとき、第3棒42及び第4棒43は第2先端部44と重なり第2先端部44もZ方向から見たときに薄くなっている。従って、隣り合う被挟持物2の間隔が狭いときにも第1保持部50及び第2保持部51を隣り合う被挟持物2の間に挿入することができる。
図10(c)及び図10(d)に示すように、ロボットハンド38が被挟持物2を保持するとき、位置変更部9が横部材12bと横部材13bとを被挟持物2に接近させる。そして、第1棒39〜第4棒43は被挟持物2に押圧される。第1棒39は回動軸39aの−X方向側に突出し第2棒40も回動軸40aの−X方向側に突出する。同様に、第3棒42は回動軸42aのX方向側に突出し第4棒43も回動軸43aのX方向側に突出する。
第1先端部41及び第2先端部44は載置台1と被挟持物2との間に進入する。そして、受面41bの垂線が向く方向はX方向からZ方向に向けて移動する。第2先端部44において受面41bに相当する面を受面44bとする。このとき、受面44bの垂線が向く方向は−X方向からZ方向に向けて移動する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、位置変更部9が横部材12bと横部材13bとを接近させるとき、受面41bの垂線が向く方向はX方向からZ方向に向くように移動する。第1先端部41は厚みが薄い部材となっている。さらに、第1先端部41の外面41cは載置台1を向くように設置されている。従って、載置台1と被挟持物2との間に第1先端部41を進入し易くすることができる。
そして、第1棒39及び第2棒40が回動して受面41bの垂線が向く方向はX方向からZ方向に向けて移動する。同様に、第3棒42及び第4棒43が回動して受面44bの垂線が向く方向は−X方向からZ方向に向けて移動する。従って、受面41b及び受面44bが被挟持物2の底を受けるので第1保持部50及び第2保持部51は安定して被挟持物2を保持することができる。
(2)本実施形態によれば、第1棒39の先端が延在する方向と回動軸39aの軸方向とは交差している。第1棒39が回動軸39aを中心にして回動するとき、第1棒39の先端が向く方向が変わる。第1先端部41は第1棒39の先端が延在する方向に位置している。第1棒39の先端が向く方向が変わるとき、関節部45では第1棒39及び関節回動軸49が回動する。従って、第1先端部41が捻じれないように第1棒39を回動させることができる。尚、この内容は第2棒40と第1先端部41との関係についても同じ効果を有する。さらに、第3棒42及び第4棒43と第2先端部44との関係についても同じ効果を有する。
(第3の実施形態)
次に、構造に特徴のあるロボットハンドの一実施形態について図11を用いて説明する。本実施形態が第2の実施形態と異なるところは、先端部が回動軸と離れた場所に位置している点にある。尚、第2の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図11(a)はロボットハンドの構造を示す模式側面図である。図11(b)及び図11(c)はロボットハンドの動作を説明するための模式図であり、図11(a)のE−E’線に沿う断面図である。すなわち、本実施形態では、図11(a)に示すように、ロボット54に設置されたロボットハンド55は横部材12bを備え、横部材12bの−Z方向側には曲棒状部材としての第1棒56及び曲棒状部材としての第2棒57が設置されている。第1棒56は回動軸56aを中心として回動し第2棒57は回動軸57aを中心として回動する。第1棒56と第2棒57とは同じ形状であり、Y方向に所定の間隔を設けて設置されている。
第1棒56は円弧部56b及び円弧部56dを有し弓形状または略弓形状に湾曲した形状をしている。円弧部56b及び円弧部56dの間の部分が回動軸56aから最も離れた場所であり、この部分を突出部56cとする。第2棒57の形状は第1棒56と同じ形状であり、第1棒56の突出部56cに相当する場所を突出部57cとする。
第1棒56及び第2棒57の先端には第1先端部41が設置されている。そして、第1先端部41は回動軸56aに対して突出部56cの反対側に位置している。同様に、第1先端部41は回動軸57aに対して突出部57cの反対側に位置している。
横部材13bには曲棒状部材としての第3棒58及び曲棒状部材としての第4棒59が設置されている。第3棒58は回動軸58aを中心として回動し第4棒59は回動軸59aを中心として回動する。第3棒58及び第4棒59は第1棒56及び第2棒57と同様の形状となっている。第3棒58において第1棒56の突出部56cに相当する場所を突出部58cとする。第4棒59において第1棒56の突出部56cに相当する場所を突出部59cとする。
第3棒58及び第4棒59はY方向に所定の間隔を設けて設置されている。そして、第3棒58及び第4棒59の−Z方向側の端には第2先端部44が設置されている。第2先端部44は回動軸58aから離れており、回動軸58aに対して突出部58cの反対側に位置している。同様に、第2先端部44は回動軸59aから離れており、回動軸59aに対して突出部59cの反対側に位置している。
第1基部12、第1棒56、第2棒57、第1先端部41等により保持部としての第1保持部60が構成されている。第2基部13、第3棒58、第4棒59及び第2先端部44等により保持部としての第2保持部61が構成されている。そして、第1保持部60と第2保持部61とはZ方向に延びる軸に対して対称形となっている。
第1棒56のうち横部材12bに挿入された直線状の部分を直線部56eとする。第1棒56のうち横部材12bと第1先端部41との間の部分を曲部56fとする。直線部56eは回動軸56aに沿っており、曲部56fは回動軸56aと交差する部分を除いた場所以外は回動軸56aから離れている。第2棒57のうち横部材12bに挿入された直線状の部分を直線部57eとする。第2棒57のうち横部材12bと第1先端部41との間の部分を曲部57fとする。直線部57eは回動軸57aに沿っており、曲部57fは回動軸57aと交差する部分を除いた場所以外は回動軸57aから離れている。
第3棒58のうち横部材13bに挿入された直線状の部分を直線部58eとする。第3棒58のうち横部材13bと第2先端部44との間の部分を曲部58fとする。直線部58eは回動軸58aに沿っており、曲部58fは回動軸58aと交差する部分を除いた場所以外は回動軸58aから離れている。第4棒59のうち横部材13bに挿入された直線状の部分を直線部59eとする。第4棒59のうち横部材13bと第2先端部44との間の部分を曲部59fとする。直線部59eは回動軸59aに沿っており、曲部59fは回動軸59aと交差する部分を除いた場所以外は回動軸59aから離れている。
図11(b)に示すように、ロボットハンド55が被挟持物2を保持していないとき、第1棒56を第1付勢部16が付勢し、第2棒57を第2付勢部17が付勢する。第1棒56及び第2棒57は規制ピン34により回動する角度が規制される。これにより、Z方向から見たとき、第1棒56及び第2棒57は第1先端部41と重なる。そして、第1棒56は回動軸56aの−Y方向に突出し、第2棒57は回動軸57aの−Y方向に突出する。同様に、第3棒58は回動軸58aの−Y方向に突出し、第4棒59は回動軸59aの−Y方向に突出する。これにより、Z方向から見たとき、第3棒58及び第4棒59は第2先端部44と重なる。従って、隣り合う被挟持物2の間隔が狭いときにも第1保持部60及び第2保持部61を隣り合う被挟持物2の間に挿入することができる。
図11(c)に示すように、ロボットハンド55が被挟持物2を保持するとき、位置変更部9が横部材12bと横部材13bとを被挟持物2に接近させる。そして、第1棒56〜第4棒59は被挟持物2に押圧される。第1棒56の突出部56cは回動軸56aの−X方向側に移動し、第2棒57の突出部57cも回動軸57aの−X方向側に移動する。そして、第1先端部41は平行移動して回動軸56a及び回動軸57aのX方向側に移動する。
同様に、第3棒58の突出部58cは回動軸58aのX方向側に移動し、第4棒59の突出部59cも回動軸59aのX方向側に移動する。そして、第2先端部44は平行移動して回動軸58a及び回動軸59aの−X方向側に移動する。
第1先端部41及び第2先端部44は載置台1と被挟持物2との間に進入する。そして、第1先端部41は回動軸56a及び回動軸57aより内側へ進入する。第2先端部44も回動軸58a及び回動軸59aより内側へ進入する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1先端部41は平行移動して回動軸56a及び回動軸57aのX方向側に移動する。第2先端部44も回動軸58a及び回動軸59aより内側へ進入する。これにより、第1先端部41及び第2先端部44は被挟持物2の中心に近い場所で被挟持物2を保持する為、安定して被挟持物2を保持することができる。
(2)本実施形態によれば、第1棒56が第1先端部41と接続する場所は回動軸56aから離れている。第2棒57が第1先端部41と接続する場所は回動軸57aから離れている。従って、第1棒56及び第2棒57を回転させることにより第1先端部41を回動軸56a及び回動軸57aから離れた場所に移動することができる。
(3)本実施形態によれば、第1棒56及び第2棒57の回動に伴って第1先端部41が平行移動するので、第1棒56及び第2棒57の先端の間隔は変化しない。第1棒56及び第2棒57の形状を変化させずに棒を回転する為、小さな外力で第1棒56及び第2棒57を回転させることができる。
(第4の実施形態)
次に、構造に特徴のあるロボットハンドの一実施形態について図12を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、付勢部がばねでなくシートの弾性を利用する点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図12(a)〜図12(d)はロボットハンドの構造を示す模式側面図である。図12(a)及び図12(b)はロボットハンドが被挟持物2を保持している状態を示し、図12(c)及び図12(d)はロボットハンドが被挟持物2を保持していない状態を示している。すなわち、本実施形態では、図12(a)及び図12(b)に示すように、ロボット64に設置されたロボットハンド65は横部材12b及び横部材13bを備えている。
横部材12bの−Z方向側には第1棒14及び第2棒15が設置されている。横部材12bのZ方向側には規制ピン34が設置されており、コイルばね16aは設置されていない。そして、突出部14c及び突出部15cの付近において内側第1シート25に連結部としての第1棒シート連結部66が設置されている。第1棒シート連結部66はY方向に延在し、第1棒シート連結部66と内側第1シート25とで第1棒14及び第2棒15を挟んでいる。第1棒14及び第2棒15は第1棒シート連結部66と内側第1シート25との間を摺動可能になっている。
同様に、横部材13bの−Z方向側には第3棒20及び第4棒21が設置されている。横部材13bのZ方向側には規制ピン34が設置されており、コイルばね16aは設置されていない。そして、突出部20c及び突出部21cの付近において内側第2シート26に連結部としての第2棒シート連結部67が設置されている。第2棒シート連結部67はY方向に延在し、第2棒シート連結部67と内側第2シート26とで第3棒20及び第4棒21を挟んでいる。第3棒20及び第4棒21は第2棒シート連結部67と内側第2シート26との間を摺動可能になっている。第1棒シート連結部66及び第2棒シート連結部67の材質は曲がり難い材質であれば良く特に限定されない。例えば、第1棒シート連結部66及び第2棒シート連結部67の材質には金属や樹脂材料を用いることができる。
図12(c)及び図12(d)に示すように、ロボットハンド65が被挟持物2を保持していないとき、内側第1シート25及び内側第2シート26は収縮する。そして、内側第1シート25により第1棒シート連結部66、第1棒14及び第2棒15はX方向に引っ張られて移動する。第1棒14及び第2棒15は規制ピン34と接して回転が規制される。そして、第1棒14、第2棒15及び第1先端部18は同一平面に倣うように配置される。
同様に、内側第2シート26により第2棒シート連結部67、第3棒20及び第4棒21は−X方向に引っ張られて移動する。第3棒20及び第4棒21は規制ピン34と接して回転が規制される。そして、第3棒20、第4棒21及び第2先端部24は同一平面に倣うように配置される。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、弾力性を有している内側第1シート25が第1棒14及び第2棒15を付勢する。そして、コイルばね16aの代わりに第1棒14及び第2棒15を移動させる機能を実現し、第1棒14、第2棒15及び第1先端部18が同一平面上に倣うようになっている。同様に、内側第2シート26が第3棒20、第4棒21及び第2先端部24を同一平面上に倣うようになっている。その結果、内側第1シート25及び内側第2シート26が付勢部を兼ねる為、ロボットハンド65を簡易で製造し易い構造にすることができる。
(第5の実施形態)
次に、構造に特徴のあるロボットハンドの一実施形態について図13を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、付勢部がばねでなくシートの弾性を利用する点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図13(a)〜図13(d)はロボットハンドの構造を示す模式側面図である。図13(a)及び図13(b)はロボットハンドが被挟持物2を保持している状態を示し、図13(c)及び図13(d)はロボットハンドが被挟持物2を保持していない状態を示している。すなわち、本実施形態では、図13(a)及び図13(b)に示すように、ロボット70に設置されたロボットハンド71は横部材12b及び横部材13bを備えている。
横部材12bの−Z方向側には第1棒14及び第2棒15が設置されている。横部材12bのZ方向側には規制ピン34が設置されており、コイルばね16aは設置されていない。内側第1シート25が横部材12bのX方向側の面から第1先端部18のX方向側の面の間に設置されている。さらに、第2の膜状部材としての外側第1シート72が横部材12bの−X方向側の面から第1先端部18の−X方向側の面の間にも設置されている。
同様に、横部材13bの−Z方向側には第3棒20及び第4棒21が設置されている。横部材13bのZ方向側には規制ピン34が設置されており、コイルばね16aは設置されていない。内側第2シート26が横部材13bの−X方向側の面から第2先端部24の−X方向側の面の間に設置されている。さらに、第2の膜状部材としての外側第2シート73が横部材13bのX方向側の面から第2先端部24のX方向側の面の間にも設置されている。外側第1シート72及び外側第2シート73は内側第1シート25と同様に弾力性のある材料が用いられている。
位置変更部9が横部材12b及び横部材13bを被挟持物2に接近させる。このとき、被挟持物2は内側第1シート25、第1棒14、第2棒15、外側第1シート72を押圧する。これにより、外側第1シート72が伸ばされる。同様に、被挟持物2は内側第2シート26、第3棒20、第4棒21、外側第2シート73を押圧する。これにより、外側第2シート73が伸ばされる。
図13(c)及び図13(d)に示すように、ロボットハンド71が被挟持物2を保持していないとき、外側第1シート72及び外側第2シート73は収縮する。そして、外側第1シート72により第1棒14及び第2棒15はX方向に押圧されて移動する。第1棒14及び第2棒15は規制ピン34と接して回転が規制される。そして、第1棒14及び第2棒15は同一平面に倣うように配置される。
同様に、外側第2シート73により第3棒20及び第4棒21は−X方向に押圧されて移動する。第3棒20及び第4棒21は規制ピン34と接して回転が規制される。そして、第3棒20及び第4棒21は同一平面に倣うように配置される。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、弾力性を有している外側第1シート72が第1棒14及び第2棒15を付勢する。そして、コイルばね16aの代わりに第1棒14及び第2棒15を移動させる機能を実現し、第1棒14、第2棒15及び第1先端部18が同一平面上に倣うようにしている。同様に、外側第2シート73が第3棒20、第4棒21及び第2先端部24を同一平面上に倣うようにしている。その結果、外側第1シート72及び外側第2シート73が付勢部となり、ロボットハンド71を簡易で製造し易い構造にすることができる。
(第6の実施形態)
次に、構造に特徴のあるロボットハンドの一実施形態について図14を用いて説明する。本実施形態が第5の実施形態と異なるところは、シートが袋状となっている点にある。尚、第5の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図14(a)及び図14(b)はロボットハンドの構造を示す模式側面図である。図14(c)はロボットハンドの構造を示す模式平断面図であり、図14(b)のF−F’線に沿う断面から見た図である。すなわち、本実施形態では、図14(a)〜図14(c)に示すように、ロボット76に設置されたロボットハンド77は横部材12b及び横部材13bを備えている。
横部材12bの−Z方向側には第1棒14及び第2棒15が設置され、第1棒14及び第2棒15は第1先端部18を支持している。横部材12bのZ方向側には規制ピン34が設置されており、コイルばね16aは設置されていない。袋状部材としての袋状第1シート78が第1棒14、第2棒15及び第1先端部18を覆って設置されている。袋状第1シート78はZ方向側が開口しており、開口している場所が横部材12bに着脱可能に固定されている。
同様に、横部材13bの−Z方向側には第3棒20及び第4棒21が設置され、第3棒20及び第4棒21は第2先端部24を支持している。横部材13bのZ方向側には規制ピン34が設置されており、コイルばね16aは設置されていない。袋状部材としての袋状第2シート79が第3棒20、第4棒21及び第2先端部24を覆って設置されている。袋状第2シート79はZ方向側が開口しており、開口している場所が横部材13bに着脱可能に固定されている。袋状第1シート78及び袋状第2シート79は内側第1シート25と同様に弾力性のある材料が用いられている。
袋状第1シート78は内側第1シート25と外側第1シート72とが袋状に一体となった物である。同様に、袋状第2シート79は内側第2シート26と外側第2シート73とが袋状に一体となった物である。
ロボットハンド77が被挟持物2を保持していないとき、袋状第1シート78及び袋状第2シート79は収縮する。そして、袋状第1シート78により第1棒14及び第2棒15はX方向に押圧されて移動する。第1棒14及び第2棒15は規制ピン34と接して回転が規制される。そして、第1棒14及び第2棒15は同一平面に倣うように配置される。
同様に、袋状第2シート79により第3棒20及び第4棒21は−X方向に押圧されて移動する。第3棒20及び第4棒21は規制ピン34と接して回転が規制される。そして、第3棒20及び第4棒21は同一平面に倣うように配置される。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、弾力性を有している袋状第1シート78が第1棒14及び第2棒15を付勢する。そして、コイルばね16aの代わりに第1棒14及び第2棒15を移動させる機能を実現し、第1棒14、第2棒15及び第1先端部18が同一平面上に倣うようにしている。同様に、袋状第2シート79が第3棒20、第4棒21及び第2先端部24を同一平面上に倣うようにしている。その結果、袋状第1シート78及び袋状第2シート79が付勢部を兼ねる為、ロボットハンド77を簡易で製造し易い構造にすることができる。
(2)本実施形態によれば、袋状第1シート78が第1棒14、第2棒15及び第1先端部18を覆って設置されている。さらに、袋状第2シート79が第3棒20、第4棒21及び第2先端部24を覆って設置されている。従って、被挟持物2の一部が第1先端部18、第2先端部24、第1棒14〜第4棒21に付着することを防止することができる。また、袋状第1シート78及び袋状第2シート79は着脱可能に設置されているので、汚れたときに交換することができる。従って、ロボットハンド77を保守し易くすることができる。
(第7の実施形態)
次に、構造に特徴のあるロボットハンドの一実施形態について図15を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、第1先端部18を支持する2つの棒が交差する点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図15(a)はロボットハンドの構造を示す模式側面図である。図15(b)は比較例におけるロボットハンドの構造を示す模式側面図である。すなわち、本実施形態では、図15(a)に示すように、ロボット82に設置されたロボットハンド83は保持部83aを備え、保持部83aは横部材12bを備えている。
横部材12bの−Z方向側には曲棒状部材としての第1棒84及び曲棒状部材としての第2棒85が設置されている。横部材12bのZ方向側には規制ピン34が設置されている。図中には省略されているがコイルばね16aが設置されている。第1棒84と第2棒85とが同一平面上に倣うとき、第1棒84と第2棒85とが交差する。このときの、保持部83a幅を示す保持部幅86は第1先端部18の長さとなる。尚、図示していないがロボットハンド83は保持部83aと対向する場所に別の保持部を備え、この保持部が備える第3棒及び第4棒は同一平面上に倣うときに交差する。
図15(b)に示す比較例の形態では、第1棒84と第2棒85とが同一平面上に倣うとき、第1棒84と第2棒85とが離れる方向に突出する。このときの、保持部83a幅を示す保持部幅86は第1先端部18の幅より長くなる。従って、第1棒84と第2棒85とが同一平面上に倣うときと、第3棒と第4棒とが同一平面上に倣うときには各棒が交差するように設置する方が保持部幅86を短くすることができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1棒84と第2棒85とが同一平面上に倣うとき、第1棒84と第2棒85とが交差する。これにより保持部幅86を狭くすることができる。その結果、ロボットハンド83を被挟持物2と干渉しないように移動し易くすることができる。
(第8の実施形態)
次に、構造に特徴のあるロボットハンドの一実施形態について図16を用いて説明する。本実施形態が第2の実施形態と異なるところは、ロボットハンドに保持部が3個設置されている点にある。尚、第2の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図16はロボットハンドの構造を示す模式平面図である。図16(a)はロボットハンドが保持の待機をしている状態を示し、図16(b)はロボットハンドが被挟持物を保持している状態を示す図である。すなわち、本実施形態では、図16(a)に示すように、ロボット89に設置されたロボットハンド90は保持部としての第1保持部91、保持部としての第2保持部92及び保持部としての第3保持部93を備えている。ロボットハンド90が保持する予定の被挟持物94はZ方向から見たとき正三角形となっている。
各保持部は第2の実施形態における第1保持部50と同様な構造となっている。各保持部の曲棒状部材としての第1棒95、曲棒状部材としての第2棒96、先端部97及び基部98はそれぞれ第2の実施形態の第1棒39、第2棒40、第1先端部41及び第1基部12に相当する部位となっている。先端部97と基部98との間にはシート100が設置され、シート100の一端は基部98に固定され、シート100の一端は先端部97に固定されている。そして、各保持部の第1棒95、第2棒96、先端部97、基部98及びシート100は略同一平面に倣って配置されている。各基部98の移動方向を位置変更方向101とする。各基部98において第1棒95の回動軸95a及び第2棒96の回動軸96aはそれぞれ位置変更方向101と直交している。
図16(b)に示すように、図示しない位置変更部が第1保持部91〜第3保持部93をそれぞれ被挟持物94の方向に移動させる。第1棒95及び第2棒96は被挟持物94と接触して回動する。そして、第1棒95及び第2棒96は被挟持物94の外周方向に向かって突出する。その結果、先端部97は被挟持物94の外周から中心側に向かって進入する。シート100は被挟持物94の側面に接して配置される。
これにより、先端部97及びシート100は三方から被挟持物94を支える。被挟持物94は3カ所で先端部97に底面を保持され、3カ所でシート100に側面を支持される。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、三角形の被挟持物94は三方から保持部に保持される。従って、ロボットハンド90は安定性よく被挟持物94を保持することができる。
(第9の実施形態)
次に、構造に特徴のあるロボットハンドの一実施形態について図17を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、シートが複数の帯状に分離されている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図17はロボットハンドの構造を示す模式側面図である。図17(a)、図17(b)、図17(c)はシートの形状が異なる事例となっている。すなわち、本実施形態では、図17(a)に示すように、ロボットハンド103は第1基部12に第1棒14及び第2棒15が回動可能に設置されている。そして、第1棒14及び第2棒15の先端には第1先端部18が設置されている。
横部材12bから第1先端部18に渡って第1の膜状部材としての第1シート104及び第1の膜状部材としての第2シート105が設置されている。第1シート104及び第2シート105はZ方向に細長く延在する帯状のシートである。第1シート104は第1棒14の−Y方向側に位置し、第2シート105は第2棒15のY方向側に位置している。これにより、第1シート104と第2シート105とが離れて設置されている為、被挟持物2を支える場所が離れる為、ロボットハンド103は被挟持物2を安定して支えることができる。
図17(b)に示すように、ロボットハンド106はロボットハンド103に加えて第1の膜状部材としての第3シート107が設置されている。第3シート107は横部材12bから第1先端部18に渡って設置され、第1シート104と第2シート105との中間に位置している。このため、ロボットハンド106は被挟持物2を、さらに、安定して保持することができる。また、シートの数が多い方が少ないときより被挟持物2を保持した時の力を分散することができる。従って、シートにかかる負荷が小さくなるので、シートの寿命を長くすることができる。
図17(c)に示すように、ロボットハンド108はロボットハンド103に加えて第1の膜状部材としての第3シート109及び第1の膜状部材としての第4シート110が設置されている。第3シート109及び第4シート110は横部材12bから第1先端部18に渡って設置され、第1シート104と第2シート105との中間に位置している。そして、第3シート109及び第4シート110は細長く形成され、第1シート104と第2シート105との中央で交差して設置されている。これにより、第3シート109及び第4シート110は被挟持物2を中央で確実に保持することができる。
(第10の実施形態)
次に、上記実施形態のロボットハンドを備えたロボットについて図18及び図19を用いて説明する。図18は、ロボットの構造を示す模式正面図である。図18に示すようにロボット113は、第1アーム114を備えている。そして、第1アーム114と接続して第2アーム115が設置されている。第1アーム114にはモーター116が設置され、モーター116の出力軸が第2アーム115に接続されている。そして、モーター116を駆動することにより第1アーム114に対して第2アーム115を水平に回動することが可能になっている。つまり、ロボット113はスカラーロボットとなっている。
第2アーム115にはロボットハンド117が設置されている。ロボットハンド117には上記実施形態におけるロボットハンド4、38、55、65、71、77、83、90、103、106、108のいずれかが用いられている。
図19は、双腕ロボットの構造を示す模式正面図である。図19に示すように双腕ロボット118は本体部119を備えている。そして、本体部119に接続して一対の腕部120が設置されている。各腕部120は肩関節部121、第1リンク122、肘関節部123、第2リンク124、手首関節部125、ロボットハンド126がこの順に設置されている。
ロボットハンド126には上記実施形態におけるロボットハンド4、38、55、65、71、77、83、90、103、106、108のいずれかが用いられている。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ロボット113はロボットハンド117を備え、ロボットハンド117には上記実施形態におけるロボットハンド4、38、55、65、71、77、83、90、103、106、108のいずれかが用いられている。隣り合う被挟持物2の隙間が狭いときにも上記実施形態におけるロボットハンドは安定して被挟持物2を保持することができる。従って、隣り合う被挟持物2の隙間が狭いときにもロボット113は安定して被挟持物2を保持することができるロボットハンド117を備えたロボットとすることができる。
(2)本実施形態によれば、双腕ロボット118はロボットハンド126を備え、ロボットハンド126には上記実施形態におけるロボットハンド4、38、55、65、71、77、83、90、103、106、108のいずれかが用いられている。隣り合う被挟持物2の隙間が狭いときにも上記実施形態におけるロボットハンドは安定して被挟持物2を保持することができる。従って、隣り合う被挟持物2の隙間が狭いときにも双腕ロボット118は安定して被挟持物2を保持することができるロボットハンド126を備えたロボットとすることができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、曲部14fは2つの円弧部14bを備えており、第1基部12側の円弧部14bと第1先端部18側の円弧部14bが同じ形状となっていた。曲部14fの形状はこれに限らず多様な形状となっていても良い。図20は変形例にかかわるロボットハンドの構造を示す模式側面図である。例えば、図20(a)に示すように、ロボットハンド130が備える曲棒状部材としての第1棒131の曲部131fは第1基部12側が回動軸131aから大きく離れており、第1先端部18に接近するのに従って回動軸131aに接近する形状となっている。
例えば、図20(b)に示すように、ロボットハンド132が備える曲棒状部材としての第1棒133の曲部133fは第1先端部18側が回動軸133aから大きく離れており、第1基部12に接近するのに従って回動軸133aに接近する形状となっている。例えば、図20(c)に示すように、ロボットハンド134が備える曲棒状部材としての第1棒135の曲部135fは第1基部12側が回動軸135aから大きく離れており、第1先端部18に接近するのに従って回動軸135aに接近する形状となっている。そして、曲部135fは複数の直線状の棒が交差した形状となっている。このように、曲部14fの形状は被挟持物2の形状や柔軟性に合わせて変形させても良い。そして、安定して被挟持物2を保持できる形状にするのが好ましい。尚、この内容は第1棒14に限らず、第2棒15〜第4棒21にも適用できる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、回動軸14a、回動軸15a、回動軸20a及び回動軸21aはZ軸方向と平行となっていた。図21は、傾斜のある回動軸を説明する為の模式図である。図21(a)は第1の実施形態における第2保持部11を示している。回動軸20a及び回動軸21aはZ軸方向であり平行となっていた。棒部材はZ軸方向と平行でなくとも良く複数の棒は平行でなくても良い。
図21(b)〜図21(d)は変形例の構造を示す図である。図21(b)に示す例では、横部材13bと第2先端部24との間に第3棒138及び第4棒139が設置されている。第3棒138は回動軸138aを中心にして回動し、第4棒139は回動軸139aを中心に回動する。回動軸138a及び回動軸139aは位置変更方向9dと直交する仮想平面に沿って配置されている。回動軸138aと回動軸139aとの間隔は横部材13b側が第2先端部24側より離れている。第3棒138及び第4棒139が回動するとき、第2基部13と第2先端部24との相対位置は変化しない。従って、前記第1の実施形態の第2保持部11と同様に、第2先端部24を被挟持物2の底に進行させることができる。
図21(c)に示す例では、横部材13bと第2先端部24との間に第3棒140及び第4棒141が設置されている。第3棒140は回動軸140aを中心にして回動し、第4棒141は回動軸141aを中心に回動する。回動軸140a及び回動軸141aは位置変更方向9dと直交する仮想平面に沿って配置されている。回動軸140aと回動軸141aとの間隔は横部材13b側が第2先端部24側より接近している。第3棒140及び第4棒141が回動するとき、第2基部13と第2先端部24との相対位置は変化しない。従って、前記第1の実施形態の第2保持部11と同様に、第2先端部24を被挟持物2の底に進行させることができる。
図21(d)に示す例では、横部材13bと第2先端部24との間に第3棒142及び第4棒143が設置されている。第3棒142は回動軸142aを中心にして回動し、第4棒143は回動軸143aを中心に回動する。回動軸142a及び回動軸143aは位置変更方向9dと直交する仮想平面に沿って配置されている。回動軸142aと回動軸143aとは平行であり、横部材13bが延在するY軸方向に対して傾斜した方向になっている。第3棒142及び第4棒143が回動するとき、第2基部13と第2先端部24との相対位置は変化しない。従って、前記第1の実施形態の第2保持部11と同様に、第2先端部24を被挟持物2の底に進行させることができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、第1棒14は丸棒であったが、第1棒14〜第4棒21の断面形状は丸に限定されない。三角形や四角形でもよく多角形でも良い。薄板状にしても良い。そして、第1棒14と第2棒15とが同一平面に倣うとき、薄くなるようにしても良い。隣り合う被挟持物2の隙間が狭いときにも、第1保持部10を隙間に挿入し易くすることができる。尚、この内容は第1棒14に限らず、第2棒15〜第4棒21にも適用できる。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、第1付勢部16にコイルばね16aを用いた。付勢する要素はコイルばね16a以外のばねを用いても良い。例えば、第1付勢部16には板ばねや板ばねを巻いたぜんまいばねを用いても良い。製造し易いばねを選択しても良い。
(変形例5)
前記第1の実施形態では、第1棒14の回転を規制する規制ピン34が設置されていた。コイルばね16aの形状が精度良く加工できる場合には、規制ピン34を省いても良い。部品数を減らせることができるので、ロボットハンド4を製造し易くすることができる。尚、この内容は第2付勢部17〜第4付勢部23に適用することができる。
(変形例6)
前記第1の実施形態では、第1棒14を第1軸受31及び第2軸受32の2つの軸受で支持していた。1つの軸受でも安定して第1棒14を支持できるときには第1棒14を第1軸受31だけで支持しても良い。部品数を減らすことができるので、ロボットハンド4を製造し易くすることができる。また、さらに安定して第1棒14を支持したいときには、第1棒14を3つ以上の軸受で支持しても良い。第1棒14が回動するときにぐらつかないように支持することができる。尚、変形例1〜6の内容は、前記第2の実施形態〜前記第10の実施形態にも適用することができる。
(変形例7)
前記第1の実施形態では、ロボットハンド4は第1保持部10及び第2保持部11の2つの保持部を備えていた。前記第8の実施形態では、ロボットハンド90は第1保持部91〜第3保持部93の3つの保持部を備えていた。ロボットハンドが備える保持部の個数は1つでも良く、4個以上でも良い。被挟持物の形状や特性に合わせて設置しても良い。被挟持物を安定して保持することができる。尚、この変形例の内容は、前記第2の実施形態〜前記第10の実施形態にも適用することができる。
(変形例8)
前記第2の実施形態では、第1棒39は回動軸39aの−Y方向に突出し、第2棒40も回動軸40aの−Y方向に突出した。第1棒39は回動軸39aのY方向に突出させて、第2棒40は回動軸40aの−Y方向に突出させても良い。同様に、第3棒42は回動軸42aのY方向に突出させて、第4棒43は回動軸43aの−Y方向に突出させても良い。この場合にも、第1棒39〜第4棒43を回動させて、第1先端部41及び第2先端部44を立てた形態から傾斜させた形態へと変化させることができる。
(変形例9)
前記第4の実施形態では、前記第1の実施形態における第1棒14及び第2棒15に第1棒シート連結部66が設置され、第3棒20及び第4棒21に第2棒シート連結部67が設置された。これに限らず、第1棒シート連結部66及び第2棒シート連結部67は前記第2の実施形態における第1棒39〜第4棒43に設置しても良い。さらに、第1棒シート連結部66及び第2棒シート連結部67は前記第3の実施形態における第1棒56〜第4棒59に設置しても良い。さらに、第1棒シート連結部66及び第2棒シート連結部67は前記第7の実施形態における第1棒84及び第2棒85に設置しても良い。さらに、第1棒シート連結部66及び第2棒シート連結部67は前記変形例1における第1棒131、第1棒133、第1棒135の形態に設置しても良い。他にも棒の形状や先端部の形状によらず第1棒シート連結部66及び第2棒シート連結部67が設置しても良い。この場合にも前記第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例10)
前記第5の実施形態では、前記第1の実施形態における第1棒14及び第2棒15に外側第1シート72が設置され、第3棒20及び第4棒21に外側第2シート73が設置された。これに限らず、外側第1シート72及び外側第2シート73は前記第2の実施形態における第1棒39〜第4棒43に設置しても良い。さらに、外側第1シート72及び外側第2シート73は前記第3の実施形態における第1棒56〜第4棒59に設置しても良い。さらに、外側第1シート72及び外側第2シート73は前記第7の実施形態における第1棒84及び第2棒85に設置しても良い。さらに、外側第1シート72及び外側第2シート73は前記変形例1における第1棒131、第1棒133、第1棒135の形態に設置しても良い。他にも棒の形状や先端部の形状によらず外側第1シート72及び外側第2シート73が設置されても良い。この場合にも前記第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例11)
前記第6の実施形態では、前記第1の実施形態における第1棒14及び第2棒15に袋状第1シート78が設置され、第3棒20及び第4棒21に袋状第2シート79が設置された。これに限らず、袋状第1シート78及び袋状第2シート79は前記第2の実施形態における第1棒39〜第4棒43に設置しても良い。さらに、袋状第1シート78及び袋状第2シート79は前記第3の実施形態における第1棒56〜第4棒59に設置しても良い。さらに、袋状第1シート78及び袋状第2シート79は前記第7の実施形態における第1棒84及び第2棒85に設置しても良い。さらに、袋状第1シート78及び袋状第2シート79は前記変形例1における第1棒131、第1棒133、第1棒135の形態に設置しても良い。他にも棒の形状や先端部の形状によらず袋状第1シート78及び袋状第2シート79が設置されても良い。この場合にも前記第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例12)
前記第7の実施形態では、第1棒84及び第2棒85に接続して第1先端部18が設置された。第1棒84及び第2棒85に接続して前記第2の実施形態における第1先端部41が設置されてもよい。この場合にも前記第7の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例13)
前記第1の実施形態〜前記第9の実施形態では、1つの保持部に2つの棒が設置された。棒の個数は3つ以上でも良い。棒の個数が多い方が先端部を安定して保持することができる。
(変形例14)
前記第8の実施形態では、第1保持部91〜第3保持部93は第2の実施形態における第1保持部50と同様な構造となっていた。これに限らず、第1保持部91〜第3保持部93は前記第1の実施形態における第1保持部10と同様な構造でも良い。他にも、第1保持部91〜第3保持部93は前記第3の実施形態〜前記第7の実施形態または前記変形例1の保持部と同様な構造でも良い。この場合にも前記第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例15)
前記第9の実施形態では、前記第1の実施形態における第1基部12と第1先端部18との間に第1棒14及び第2棒15が設置され、内側第1シート25に変えて第1シート104〜第4シート110が設置された。これに限らず、第1シート104〜第4シート110は前記第2の実施形態における第1基部12と第1先端部41に設置されても良い。さらに、第1シート104〜第4シート110は前記第3の実施形態における第1基部12と第1先端部41との間に設置されても良い。さらに、第1シート104〜第4シート110は前記第7の実施形態における第1基部12と第1先端部18との間に設置されても良い。さらに、第1シート104〜第4シート110は前記変形例1における第1基部12と第1先端部18との間に設置されても良い。他にも棒の形状や先端部の形状によらず第1シート104〜第4シート110が設置されても良い。この場合にも前記第9の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例16)
前記第10の実施形態では、スカラー型のロボット113のロボットハンド117及び双腕ロボット118のロボットハンド126に上記実施形態に記載のロボットハンドが設置された。上記実施形態に記載のロボットハンドは他の形式のロボットに設置されても良い。ロボットの形態が天吊り型のロボット、自走式のロボット、アクチュエーターを1つ備えたロボットやアクチュエーターが3つ以上備えたロボット等に上記実施形態に記載のロボットハンドが設置されても良い。他にも、ロボットハンドを備えた加工機に上記実施形態に記載のロボットハンドが設置されても良い。この場合にも前記の実施形態と同様の効果を得ることができる。