JP6079257B2 - 定電圧発生回路、半導体装置および電子時計 - Google Patents
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出力端子210には、外部のモータードライバー等の負荷回路21とコンデンサー22とが並列接続されている。差動回路220は、基準電位が入力される入力端子221、および、出力端子210に接続された入力端子222を備え、基準電位と出力端子210の電位との比較結果に基づいて制御信号を生成して出力する。出力制御スイッチ素子230は、VDD電源線201および出力端子210の間に接続され、VDD電源線201と出力端子210との間の導通状態を、差動回路220が出力した制御信号に基づいて制御する。ここでは、出力制御スイッチ素子230は、差動回路220が出力した制御信号がローレベルのとき、オンしてVDD電源線201と出力端子210との間を導通する。
この状態から定電圧発生回路200が動作状態に移行すると、差動回路220内の入力端子221側の経路に電流I21が流れ、差動回路220が出力する制御信号の電位がVSS側に下降し、出力制御スイッチ素子230がオンする。この結果、VDD電源線201から出力端子210を介してコンデンサー22に電流が流れ、出力端子210の電位(定電圧出力)が過剰に上昇してしまうことがある。
これにより、定電圧発生回路が停止状態から動作状態へ移行した際に、前記差動回路は、基準電位と前記出力端子の電位との比較結果に基づいた制御信号を正しく出力できる。すなわち、前記出力端子の電位が所定の電位に維持されるように、前記出力制御スイッチ素子が適切に制御される。この結果、前記第1電源線から前記出力端子に電流が流れて前記出力端子の電位(定電圧出力)が過剰に上昇してしまうことを防止でき、前記負荷回路の消費電力を抑制できる。このため、定電圧発生回路のオンオフ制御により、この定電圧発生回路が搭載された電子機器の消費電力を十分に低減できる。
これにより、前記モータードライバーの動作に影響を与えることなく、電子時計の消費電力を十分に低減できる。
本発明によれば、前記供給端子の電位は、前記第1電位または前記第2電位に固定されるため、前記供給端子に固定電位を供給するための新たな回路を設ける必要がない。このため、定電圧発生回路を複雑にすることがない。
本発明によれば、前述の定電圧発生回路の発明と同様に前記負荷回路の消費電力は抑制され、半導体装置が搭載された電子機器の消費電力を十分に低減できる。
図1は、本実施形態に係る電子時計を示す回路図である。
[電子時計の概要]
電子時計1は、太陽電池等で駆動するアナログ式の電子時計である。電子時計1は、指針を回転させるステップモーター14、ステップモーター14を駆動するモータードライバー11、コンデンサー12、モータードライバー11に定電圧を供給する定電圧発生回路100、定電圧発生回路100を制御する制御回路10、および、時刻を計時するための基準信号を生成して出力する基準信号生成回路13を有している。
ここで、定電圧発生回路100、モータードライバー11、制御回路10、および、基準信号生成回路13とは、半導体基板上に形成され、半導体装置を構成している。なお、コンデンサー12は、モータードライバー11に供給される定電圧を安定させる外付けのコンデンサーである。
定電圧発生回路100は、第1電位であるVDDが供給されるVDD電源線101、VDDよりも低い第2電位であるVSSが供給されるVSS電源線102、出力端子110、差動回路120,130、定電流源141,142,143、出力制御スイッチ素子150、および、入力制御スイッチ素子160を有している。VDDは、例えば、5Vであり、VSSは、例えば、0Vである。
差動回路130は、差動回路120が出力した基準電位が入力される入力端子131と、出力端子110に接続された入力端子132とを有している。そして、差動回路130は、基準電位と出力端子110の電位との比較結果に基づいて制御信号を生成して出力する。
具体的には、出力制御スイッチ素子150は、差動回路130が出力した制御信号がローレベルのとき、VDD電源線101と出力端子110との間を導通し、差動回路130が出力した制御信号がハイレベルのとき、VDD電源線101と出力端子110との間を非導通とする。
すなわち、差動回路130は、出力端子110の電位(定電圧出力)が所定の電位(例えば、3.5V)となるように、制御信号によって出力制御スイッチ素子150のオンオフを制御する。
また、出力端子110とVSS電源線102との間には、定電流源143が接続されている。
具体的には、入力制御スイッチ素子160は、制御信号がハイレベルのとき、オンして入力端子131とVSS電源線102との間を導通し、制御信号がローレベルのとき、オフして入力端子131とVSS電源線102との間を非導通とする。
制御回路10は、定電圧発生回路100、モータードライバー11、および、基準信号生成回路13に接続されている。
ここで、モータードライバー11は、ステップモーター14を駆動するとともに、ステップモーター14が正常に動作したことを検出し、検出信号を出力する。基準信号生成回路13は、図示しない水晶振動子の発振信号を分周して基準信号を生成して出力する。基準信号は、例えば、1Hzの信号である。
例えば、秒針駆動用のステップモーター14の動作周期は1秒となるため、制御回路10は、1秒毎に定電圧発生回路100を動作状態に移行する。また、分針および時針用のステップモーター14の動作周期は例えば20秒となるため、制御回路10は、20秒毎に定電圧発生回路100を動作状態に移行させる。
また、制御回路10は、モータードライバー11から出力された検出信号を受信すると、定電圧発生回路100を停止状態に移行させる。
ここで、停止状態とは、定電圧発生回路100の少なくとも差動回路120,130への電源供給が遮断された状態である。
具体的には、制御回路10は、定電圧発生回路100が動作状態にあるとき、入力制御スイッチ素子160をオフする制御信号(ローレベル)を出力し、定電圧発生回路100が停止状態にあるとき、入力制御スイッチ素子160をオンする制御信号(ハイレベル)を出力する。
まず、定電圧発生回路100が停止状態にあるときの動作について説明する。
この場合、制御回路10からハイレベルの制御信号が出力され、入力制御スイッチ素子160はオンする。これにより、差動回路130の入力端子131とVSS電源線102との間が導通し、入力端子131がVSSに固定される。
このとき、差動回路130が出力する制御信号がハイレベルとなり、出力制御スイッチ素子150はオフする。
この場合、制御回路10からローレベルの制御信号が出力され、入力制御スイッチ素子160はオフする。これにより、差動回路130の入力端子131とVSS電源線102との間が非導通とされ、入力端子131に差動回路120から出力された基準電位が入力される。
そして、この基準電位と出力端子110の電位との比較結果に応じて、出力制御スイッチ素子150のオンオフが適切に制御され、出力端子110の電位(定電圧出力)は、所定の電位に維持される。
図2は、本実施形態に係る定電圧出力の状態を示す図である。
図2には、定電圧発生回路100の出力端子110の電位(定電圧出力)VDM、定電圧発生回路100のオンオフ状態、および、モータードライバー11が出力するモーターパルスが示されている。
ここで、モーターパルス11Aは、交流磁界検出パルスであり、モーターパルス11Bは、ステップモーター14を主駆動する主駆動パルスであり、モーターパルス11Cは、ステップモーター14の回転検出パルスであり、モーターパルス11D,11Eは、ステップモーター14を補助的に駆動する補助駆動パルスであり、モーターパルス11Fは、消磁パルスである。
回転検出パルスで回転検出が行われるとステップモーター14が正常に動作したことを確認できる。回転検出できない場合には、補助駆動パルスと消磁パルスとを出力する。なお、交流磁界が検出された場合には、主駆動パルスおよび回転検出パルスを出力せずに、直接、補助駆動パルスと消磁パルスとを出力する。
図2は、回転検出パルスで回転検出できずに補助駆動パルスおよび消磁パルスが出力された場合を示すものである。この場合、図2に示すように、消磁パルスの出力後に、定電圧発生回路100は停止する。なお、回転検出パルスで回転検出でき、補助駆動パルスおよび消磁パルスが出力されない場合には、回転検出後、ただちに定電圧発生回路100は停止する。
また、モーターパルスが出力されている間、定電圧発生回路100は動作状態にあるため、定電圧出力VDMは所定の電位に維持されている。一方、モーターパルスが出力されていない間、定電圧発生回路100は停止状態にあるため、定電圧出力VDMはVSS側へ下降する。
一方、従来の定電圧発生回路200の場合は、定電圧発生回路が停止状態から動作状態に移行したとき、VDD電源線201から出力端子210を介してコンデンサー22に電流が流れ、定電圧出力VDMは、点線で示されるように所定の電位から大幅にVDD側へ上昇する場合がある。
(1)本実施形態では、定電圧発生回路100が停止状態にあるとき、入力制御スイッチ素子160によって差動回路130の入力端子131とVSS電源線102との間は導通される。このため、入力端子131に固定電位VSSが入力される。これにより、入力端子131の電位が不安定(フローティング状態)になり入力端子131の電位がVDD側に上昇することを防止できる。
これにより、定電圧発生回路100が停止状態から動作状態へ移行した際に、差動回路130は、基準電位と出力端子110の電位との比較結果に基づいた制御信号を正しく出力できる。この結果、VDD電源線101から出力端子110を介してコンデンサー12に電流が流れて出力端子110の電位(定電圧出力)が過剰に上昇してしまうことを防止でき、モータードライバー11の消費電力を抑制できる。このため、定電圧発生回路100のオンオフ制御によって、電子時計1の消費電力を十分に低減できる。
さらに、定電圧出力が過剰に上昇してしまうことを防止できるため、ステップモーター14において通常よりも強い磁界が発生することを抑制でき、電子時計1の電子部品がこの磁界の影響を受けることを抑制できる。さらに、モータードライバー11によってステップモーター14を安定して駆動させることができる。
(2)定電圧発生回路100は、ステップモーター14の動作周期毎に動作状態に移行し、ステップモーター14が正常に動作したことを検出すると停止状態に移行する。
これにより、ステップモーター14の動作に合わせて定電圧発生回路100をオンオフ制御することができる。このため、モータードライバー11の動作に影響を与えることなく、電子時計1の消費電力を低減できる。
(3)差動回路130の入力端子131は、定電圧発生回路100が停止状態にあるとき、VSS電源線102に接続される。
これにより、入力端子131はVSSに固定されるため、入力端子131に固定電位を入力させるための新たな回路を設ける必要がない。このため、定電圧発生回路100を複雑にすることがない。
例えば、入力制御スイッチ素子160は、差動回路130の入力端子131とVSS電源線102との間に接続されているが、入力端子131とVDD電源線101との間に接続されていてもよい。この場合、入力制御スイッチ素子160とVDD電源線102との接続端子が、固定電位VDDが供給される供給端子を構成する。また、この場合、入力端子131とVDD電源線101とが導通した際に、出力制御スイッチ素子150がオフするように、差動回路130および出力制御スイッチ素子150は構成される。
また、入力制御スイッチ素子160は、入力端子131と、VDD電源線101およびVSS電源線102から供給されるVDDおよびVSSに基づいて生成された中間電位等の固定電位が供給される端子(供給端子)との間に接続されていてもよい。
また、差動回路130の入力端子131に供給される基準電位は、差動回路120によって生成されているが、定電圧発生回路100が停止状態にあるとき電源の供給が遮断される別の回路によって生成されている場合も、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、出力端子110に接続される負荷回路は、モータードライバー11に限らない。
また、定電圧発生回路100が搭載される装置は、半導体装置に限らない。
また、定電圧発生回路100は、電子時計に限らず、定電圧により駆動する負荷回路を有する各種の電子機器にも適用することができる。例えば、携帯型の血圧計、携帯電話機、ページャー、歩数計、電卓、携帯用パーソナルコンピュータ、電子手帳、携帯ラジオ、オルゴール、メトロノーム、および、電気かみそり等の各種の電子機器に適用することができる。特に、大容量の電池もしくは二次電池の搭載が難しい携帯型の電子機器に適している。
Claims (4)
- 負荷回路に定電圧を供給する定電圧発生回路であって、
第1電位が供給される第1電源線と、
前記第1電位よりも低い第2電位が供給される第2電源線と、
前記負荷回路に接続された出力端子と、
基準電位が入力される第1入力端子、および、前記出力端子に接続された第2入力端子を備え、基準電位と前記出力端子の電位との比較結果に基づいて制御信号を生成して出力する差動回路と、
前記第1電源線および前記出力端子の間に接続され、前記第1電源線と前記出力端子との間の導通状態を、前記差動回路が出力した制御信号に基づいて制御する出力制御スイッチ素子と、
前記第1入力端子と固定電位が供給される供給端子との間に接続され、定電圧発生回路が停止状態にあるとき、前記第1入力端子と前記供給端子との間を導通し、定電圧発生回路が動作状態にあるとき、前記第1入力端子と前記供給端子との間を非導通とする入力制御スイッチ素子と、
を有し、
前記負荷回路は、電子時計の指針を回転させるステップモーターを駆動するモータードライバーであり、
定電圧発生回路は、前記ステップモーターの動作周期毎に動作状態に移行し、前記ステップモーターが正常に動作したことを検出すると停止状態に移行する、
ことを特徴とする定電圧発生回路。 - 請求項1に記載の定電圧発生回路において、
前記供給端子は、前記第1電源線および前記第2電源線の一方に接続されている、
ことを特徴とする定電圧発生回路。 - 請求項1または請求項2に記載の定電圧発生回路と、前記定電圧発生回路を制御する制御回路とを有し、
前記制御回路は、前記定電圧発生回路における停止状態と動作状態との切り換えを制御するとともに、前記定電圧発生回路の前記入力制御スイッチ素子のスイッチ動作を制御する、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項1または請求項2に記載の定電圧発生回路と、指針を回転させるステップモーターと、負荷回路と、前記定電圧発生回路を制御する制御回路と、時刻を計時するための基準信号を生成して出力する基準信号生成回路とを有し、
前記負荷回路は、前記ステップモーターを駆動するモータードライバーであり、
前記制御回路は、前記基準信号生成回路が出力した基準信号に基づいて前記定電圧発生回路を前記ステップモーターの動作周期毎に動作状態に移行させ、前記モータードライバーが出力した前記ステップモーターが正常に動作したことを示す検出信号に基づいて前記定電圧発生回路を停止状態に移行させるとともに、前記入力制御スイッチ素子のスイッチ動作を制御する、
ことを特徴とする電子時計。
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