JP6077091B2 - 点火プラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関において混合気への点火に用いられる点火プラグに関する。
従来、着火性、火炎伝播性の向上を図るために、点火プラグにおける接地電極の形状の工夫や、点火プラグにおける電極の消耗を抑制する技術が種々提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2)。
特開2008−204882号公報 特開2007−265842号公報
しかしながら、近年、車両の燃費性能を向上させるために、また、年々厳しくなる排出ガス規制値に適合させるために、車両走行時における空燃比として、理論空燃比よりも薄いリーン領域の空燃比が多用される傾向にある。車両の燃費性能の向上や排出ガス規制値への適合を実現するためには、空燃比によらず混合気を完全燃焼させることが求められる。したがって、理論空燃比よりも薄い混合気における着火性の向上が求められており、たとえば、点火プラグに加える電流値(エネルギー)を大きくして点火時に発生する火花を大きくすることや、点火プラグに対する通電時間を長くすることが行われている。
一方、火花の大型化や通電時間の長期化は、火花の吹き流れをもたらしやすく、火花の吹き流れに曝される頻度の増加と共に接地電極母材の消耗度合いが増加してしまう。この結果、接地電極に接合されている貴金属チップの剥離等に伴う失火や、接地電極の折れといった問題が生じる可能性がある。特に、接地電極の根元部分の消耗は接地電極の折れをもたらし、点火プラグとしての性能を発揮できないという問題がある。一方、接地電極を保護するために、単純に貴金属等によって接地電極を被覆する場合には、異常燃焼が発生しやすくなるという問題がある。従来の技術では、これら問題は十分に考慮されていなかった。
したがって、接地電極の母材の消耗を抑制し、また、異常燃焼を抑制することができる点火プラグが望まれている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することが可能である。
第1の態様は点火プラグを提供する。第1の態様に係る点火プラグは、軸孔を有する絶縁体と、前記絶縁体の外周を覆う主体金具と、前記絶縁体の前記軸孔内に配置される中心電極母材と、当該中心電極母材に接合されると共に前記絶縁体の先端部から露出する電極チップと、を有する中心電極と、前記主体金具に固定されている固定端と、前記電極チップの先端から所定間隔だけ離間して配置される自由端とを有する接地電極であって、前記中心電極および前記絶縁体に面する内側面と、前記中心電極に対向する中心電極対向部とを備える、接地電極と、を有する点火プラグであって、前記内側面のうち、前記固定端の側における前記中心電極母材の外周から前記接地電極に延伸する仮想線と前記接地電極との交点を含む第1の交線部から、前記所定間隔の中点を通る前記先端の端面に平行な仮想面が前記接地電極と交差する第2の交線部にかけての領域を少なくとも覆う貴金属または貴金属合金からなる被覆部を備え、前記被覆部の幅方向の寸法をA、前記接地電極の幅方向の寸法をB、前記電極チップの前記先端の幅をFとするとき、0.7F≦A≦Bの関係が成立し、自由端の側から接地電極、被覆部および電極チップを目視したとき、被覆部の幅方向に直交する中心線が電極チップの幅の範囲内にある。
第1の態様に係る点火プラグによれば、接地電極の母材の消耗を抑制し、また、異常燃焼を抑制することができる。
第1の態様に係る点火プラグにおいて、前記第1の交線部は、前記仮想線を含み、前記中心電極母材の外周に接し前記接地電極まで延伸する仮想面が前記接地電極と交差する交線部であっても良い。
第1の態様に係る点火プラグにおいて、前記接地電極は、前記自由端に、前記中心電極と対向する中心電極対向部を含み、前記被覆部は、前記内側面のうち、前記固定端の側における前記絶縁体の先端部と対向する絶縁体対向部から前記中心電極対向部にかけての領域を少なくとも覆っても良い。この場合には、さらに、接地電極の母材の消耗を抑制し、また、異常燃焼を抑制することができる。
第1の態様に係る点火プラグにおいて、前記被覆部は、前記内側面の全てを覆っても良い。この場合には、さらに、接地電極の母材の消耗を抑制し、また、異常燃焼を抑制することができる。
第1の態様に係る点火プラグにおいて、前記接地電極は、前記内側面の幅方向の一端と他端とを繋ぐ外側面をさらに有し、前記被覆部は、前記外側面のうち前記内側面に連なる領域に備えられていても良い。この場合には、被覆部を備えることに起因する異常燃焼をさらに抑制また防止することができる。
第1の態様に係る点火プラグにおいて、前記内側面に連なる領域は、前記接地電極を前記自由端側から目視した端面の幾何学重心から前記外側面を通り、かつ、前記内側面に平行な仮想線を引いた場合に、当該仮想線よりも前記内側面の側の領域であっても良い。この場合には、被覆部を備えることに起因する異常燃焼をさらに抑制また防止することができる。
第1の態様に係る点火プラグにおいて、前記被覆部の厚さは3μm〜400μmであっても良い。この場合には、接地電極の母材の消耗を抑制し、被覆部と接地電極の母材との密着性を高めることができる。
第1の態様に係る点火プラグにおいて、前記中心電極対向部の領域を覆う前記被覆部の厚さは、前記中心電極対向部以外の他の領域を覆う前記被覆部の厚さより厚くても良い。この場合には、消耗を受けやすい領域における接地電極の母材の消耗を抑制また防止することができる。
第1の態様に係る点火プラグにおいて、前記中心電極対向部の領域を覆う前記被覆部は、前記中心電極対向部以外の他の領域を覆う前記被覆部と異なる組成からなっても良い。この場合には、消耗を受けやすい領域における接地電極の母材の消耗を抑制また防止することができる。
本実施形態に係るスパークプラグの部分断面図である。 比較例としての、被覆部を備えない接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例1としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例2としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例3としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例4としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第1の検証により得られた比較例および各実験例における接地電極母材の消耗量を示すグラフである。 第1の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第2の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例5としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例6としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例7としての、スパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例8としての、スパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第3の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第4の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例10としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第5の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第6の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例11としての、スパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 実験例13としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第4の検証により得られた比較例および各実験例における接地電極母材の消耗量を示すグラフである。 第7の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第8の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第4の検証の実施例の変形例としてのスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第5の検証に用いた被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面および拡大右側面図である。 第5の検証により得られた複数の被覆部の厚さに対する接地電極母材の消耗量を示すグラフである。 第6の検証において用いられる、実験例14としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図である。 実験例14としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。 図27示す本実施形態に係るスパークプラグのZ矢視図である。 本実施形態に係るスパークプラグの接地電極母材上における被覆部の定義を説明するための説明図である。 実験例15に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例16に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例17に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例18に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例15〜18により得られた複数の被覆部の幅に対する接地電極母材の体積消耗量を示すグラフである。 実験例19に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図である。 実験例19に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。 実験例20に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例20に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。 実験例20〜24における被覆部と電極チップの先端との位置関係を説明するための説明図である。 実験例20に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例21に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例22に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例23に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例24に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。 実験例20〜24により得られたずれ量に対する接地電極母材の体積消耗量を示すグラフである。 第6の検証の第1の変形例としてのスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。 第6の検証の第2の変形例としてのスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。 第6の検証の第3の変形例としてのスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。 第6の検証の第4の変形例としてのスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。 第6の検証の第5の変形例としてのスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。 第6の検証の第6の変形例としてのスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る点火プラグとしてのスパークプラグ100について説明する。図1は本実施形態に係るスパークプラグの部分断面図である。図1においては、スパークプラグ100の長手方向の中心軸を一点鎖線の軸線OLで示す。軸線OLの右側は、外観正面図を示し、軸線OLの左側は、スパークプラグ100の中心軸を通る断面でスパークプラグ100を切断した断面図を示している。以下では、図1におけるスパークプラグ100の軸線OL方向の下側、すなわち、燃焼室内部に露出される側をスパークプラグ100の先端側、上側、すなわち、プラグコードが装着される側を後端側として説明する。スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、中心電極20と、接地電極30と、端子電極40と、主体金具50とを備える。
絶縁碍子10は、アルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成される筒状の絶縁体である。その中心には、中心電極20および端子電極40を収容する軸孔12が、軸線OL方向に延びて形成されている。絶縁碍子10の軸線OL方向の中央には、絶縁碍子10のうちで外径が最も大きい中央胴部19が形成されている。絶縁碍子10の中央胴部19よりも後端側には、端子電極40と主体金具50との間を絶縁する後端側胴部18が形成されている。絶縁碍子10の中央胴部19よりも先端側には、後端側胴部18よりも外径が小さい先端側胴部17が形成されている。絶縁碍子10の先端側胴部17の更に先端側には、先端側胴部17よりも小さい外径を有し、中心電極20側へ向かうほど外径が小さくなる脚長部13が形成されている。先端側胴部17と脚長部13との間には、先端側に向けて外径が縮径し、先端側胴部17と脚長部13とを連結する縮径部15が形成されている。
軸孔12には、中心電極20が挿入される。中心電極20は、有底筒状に形成された中心電極母材21の内部に、中心電極母材21よりも熱伝導性に優れる芯材25を埋設した棒状の部材である。本実施例では、中心電極母材21は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金から成る。芯材25は、銅または銅を主成分とする合金から成る。中心電極母材21の先端には貴金属または貴金属合金、例えば、イリジウム合金からなる電極チップ22が接合されている(図2および図3参照)。電極チップ22は一般的に円柱状であるが、角柱状等他の形状を有していても良い。なお、図2および図3以外の図においても電極チップ22は同様に備えられているが図を見やすくするために省略する場合がある。中心電極20は、軸孔12内で絶縁碍子10によって保持され、電極チップ22は軸孔12(絶縁碍子10)から外部に露出している。中心電極20は、軸孔12に挿入された、セラミック抵抗3およびシール体4を介して端子電極40に電気的に接続される。なお、以下では電極チップ22の先端および先端面を中心電極20の先端および先端面として包括的に呼ぶことがある。
接地電極30は耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、ニッケル合金が用いられる。この接地電極30の固定端部(基端部)31は、主体金具50の先端面57に溶接されている。固定端31から延びる接地電極30は、中心電極20に向かって屈曲され接地電極30の自由端(先端)32は、中心電極20の先端面から所定間隔離間して配置されている。接地電極の自由端32は、中心電極20に対向する領域である中心電極対向部30bを備えている。接地電極30の自由端32と、電極チップ22の先端22a(先端面)との間の所定間隔は、火花放電を生じる火花ギャップSGである。
端子電極40は、軸孔12の後端側に設けられ、その後端側の一部は、絶縁碍子10の後端側から露出している。端子電極40には高圧ケーブル(図示省略)がプラグキャップ(図示省略)を介して接続され、火花点火用の高電圧が印加される。
主体金具50は、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13に亘る部位を周方向に包囲して保持する円筒状の金具である。主体金具50は低炭素鋼材より形成され、全体にニッケルメッキや亜鉛メッキ等のメッキ処理が施されている。主体金具50は、工具係合部51と、取付ネジ部52と、加締部53と、シール部54とを備える。これらは、後端から先端に向かって、加締部53、工具係合部51、シール部54、取付ネジ部52の順に形成されている。工具係合部51は、スパークプラグ100を、内燃機関のシリンダヘッド150に取り付ける工具が係合する。取付ネジ部52は、シリンダヘッド150の取付ネジ孔151に螺合するネジ山を有する。
取付ネジ部52の内径側には、径方向内側に突出した突出部60が形成される。突出部60は、絶縁碍子10の縮径部15および脚長部13の後端側と向かい合う位置に形成される。この突出部60と、絶縁碍子10の縮径部15との間には、環状のシール部材としてのパッキン8が設けられる。パッキン8は、突出部60と縮径部15とに接触して、絶縁碍子10と主体金具50との間をシールする。パッキン8には、冷間圧延鋼板などを使用できる。
加締部53は、主体金具50の後端側の端部に設けられた薄肉の部位であり、主体金具50が絶縁碍子10を保持するために設けられる。具体的には、スパークプラグ100の製造時に、加締部53を内側に折り曲げて、この加締部53を先端側に押圧することにより、中心電極20の先端が主体金具50の先端側から突出した状態で、絶縁碍子10が主体金具50に一体的に保持される。シール部54は、取付ネジ部52の根元に鍔状に形成されている。シール部54とシリンダヘッドとの間には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿される。かかるスパークプラグ100は、シリンダヘッド150の取付ネジ孔151に主体金具50を介して取り付けられる。
本実施形態に係るスパークプラグ100は、スパークプラグ100における接地電極30の母材の消耗を抑制または防止するために、接地電極30の母材上に貴金属または貴金属合金からなる被覆部80を備えている。以下では、接地電極30に対する被覆部80の配置態様、被覆部の厚さについて検証する。なお、各検証における被覆部80の配置態様、厚さは異なるが、符号が複雑になることを避けるため、各検証においては、相違点について言及し、共通の符号を用いて説明する。
第1の検証:
第1の検証では、接地電極30の母材の消耗を抑制または防止する観点から接地電極30における被覆部80の配置態様を検証した。図2は比較例としての、被覆部を備えない接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図3は実験例1としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図4は実験例2としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図5は実験例3としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図6は実験例4としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。
第1の検証において用いられる接地電極30の基本的構成は、図2の比較例において示されている通りであり、中心電極20および絶縁碍子10に面する内側面30c、内側面30c以外の面をなす外側面30dを備えている。外側面30dは、内側面30cの幅方向の一端(一辺)と他端(他辺)とを繋ぐ面と言うこともできる。接地電極30が矩形断面を有する場合、外側面30dには、内側面30cの裏面をなす面としての外側面30dと、内側面30cおよび外側面30dを繋ぐ側面30eとが含まれる。したがって、本明細書においては、側面30eを含めて、内側面30cに対する外側面30dと呼ぶことがある。また、接地電極30が、内側面30cの幅方向の一端(一辺)と他端(他辺)とを繋ぐ曲面部、あるいは、接地電極30が円形断面を有する場合には、当該曲面部および接地電極30の下側曲面部が、外側面30dをなす。
・実験例1において、スパークプラグ100の接地電極30は、その内側面30cにおける絶縁碍子10の先端部10aと対向する絶縁体対向部30aから中心電極対向部30bまで被覆部80を備えている。
・実験例2において、スパークプラグ100の接地電極30は、内側面30cの全て、すなわち、固定端(固定端部)31から自由端32の端部まで被覆部80を備えている。
・実験例3において、スパークプラグ100の接地電極30は、内側面30cの裏面をなす外側面30dを除く、固定端31から自由端32の端部まで被覆部80を備えている。
・実験例4において、スパークプラグ100の接地電極30は、自由端32の端部端面を除く全ての面に、固定端31から自由端32の端部にわたって被覆部80を備えている。なお、変形例として、自由端の端部端面に被覆部80が備えられていても良い。
接地電極30に対する被覆部80の形成は、無電解メッキによる表面被覆、レーザー溶接による被覆材の接合、PVD(物理的蒸着)およびCVD(化学的蒸着)等による被覆膜形成等、種々の手法によって実現することができる。
第1の検証においては、M12HEX14(取付ネジ径12mm、金具六角部サイズ(対辺寸法)14mm)、イリジウム(Ir)からなる直径0.6mmの電極チップをその先端に有する中心電極、1.1mmの火花ギャップSG、実験例1から実験例4として説明した幅2.7mm×厚さ1.3mmの矩形形状の接地電極30に被覆部80が形成されているスパークプラグを用いた。被覆部80には、厚さ0.4mmのプラチナ(Pt)を用いた。検証は、火花ギャップSG間に10m/sの気流が流れる流速場、点火周波数30Hz、燃焼室内圧力0.4Mpa、窒素雰囲気下、耐久時間200時間の条件の下、実行されたベンチ試験において、検証開始前後における接地電極30の母材の消耗体積を計測・評価することにより行われた。流速場は、火花点火時のタイミングにおける燃焼室内の混合気の流れを考慮し、中心電極20から接地電極30へ向かう方向に気流が流れる流速場である。接地電極30の体積は、被覆部80が形成されている接地電極30をX線CTでスキャンして外寸を求め、求めた外寸から体積を算出することにより得られる。消耗体積は、初期体積から残存体積を減ずることにより求めた。
評価の結果は表1および図7に示す通りである。図7は第1の検証により得られた比較例および各実験例における接地電極母材の消耗量を示すグラフである。
Figure 0006077091
被覆部80を備えない比較例においては、3.4mmの体積の消耗が確認されたが、被覆部80を備える実験例1〜4においては、1.0mm未満の体積の消耗が確認されたに留まった。実験例1および2においては、接地電極30の内側面30cにのみ被覆部80を備えているが母材の体積の消耗は技術的に有意と判断するに足りる値だけ低減されている。また、実験例1と実験例2とでは、接地電極30の内側面30cにおける絶縁体対向部30aから中心電極対向部30bに備えられている被覆部80(実験例1)と、接地電極30の内側面30cの全域に備えられている被覆部80(実験例2)との違いがあるが、母材の消耗量に大きな差はない。被覆部80には腐食し難い貴金属または貴金属合金が用いられるので、被覆部80に用いる貴金属等の適用量の削減はコストの削減にも繋がり、母材の消耗量の抑制およびコストの双方を考慮すると、実験例1によって両者のバランスを図ることができる、と結論付けることができる。したがって、第1の検証の結果、被覆部80として、接地電極30の内側面のうち、絶縁体対向部30aから中心電極対向部30bにかけての領域を少なくとも覆う被覆部80を備えていれば、火花が吹き流れやすい部分における接地電極母材の消耗を抑制または防止することがきることが確認できた。また、接地電極30の屈曲部は火花によって消耗しやすいことが知られており、曲線部分における接地電極母材の消耗により接地電極30が根本付近から折れてしまうことを抑制または防止するために少なくとも接地電極30の曲線部分における内側面30cには被覆部80が備えられていることが望ましい。また、最も消耗の早い中心電極対向部30bにも被覆部80が備えられていることが望ましい。これらの観点からも、被覆部80として、接地電極30の内側面のうち、絶縁体対向部30aから中心電極対向部30bにかけての領域を少なくとも覆う被覆部80が備えられていることが望ましい。
第1の検証に用いられた実験例1〜実験例4に係るスパークプラグ100以外のスパークプラグ100の実施態様を図8〜10に示す。図8は第1の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図9は第2の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。
第1の実施例では、実験例3における被覆部80の配置態様に対して、側面30eの下側部分(外側面30d側)に被覆部80を備えない配置態様を備えている。なお、第1の検証結果から明らかなように、側面30eに被覆部80が備えられていなくても、火花の吹き流れによる接地電極母材の消耗は抑制されるので、側面30eにおいて下側(外側面30dと側面30eとの交差部分)から任意の位置まで被覆部80が備えられていない配置態様も含まれる。
第2の実施例では、接地電極30が円柱形状を有している点を除いて、第1の実施例と同様である。なお既述の通り、接地電極30が円形断面を有している場合には、接地電極30を自由端32の側から目視した端面の幾何学重心30gから外側面30dを通り、且つ、内側面30cに平行な仮想線30fを引いた場合に、仮想線30fよりも中心電極側の領域を内側面30c、内側面30cと反対側の領域を外側面30dと呼ぶことができ、内側面30cに対して被覆部80が形成されている。なお、被覆部80としては、強度を高めるために100%プラチナ(Pt)に代えてプラチナ合金が用いられても良い。また、厚さは、被覆部80の所定位置の厚さでも良く、平均厚さであっても良い。
第2の検証:
貴金属または貴金属合金からなる被覆部80を備えることによって、接地電極母材の消耗が低減または防止されることは第1の検証において検証済みであるが、プラチナ(Pt)等の貴金属または貴金属合金は、温度上昇と共に触媒作用を発揮し、火花点火を伴うことなく混合気を着火させることが知られている。したがって、接地電極30を被覆部80によって覆うことによって、意図しない自着火(異常燃焼)が生じ、燃焼制御に支障が発生するという問題が生じる。そこで、第2の検証では、接地電極30の母材の消耗を抑制または防止しつつ、異常燃焼を抑制または防止する観点から接地電極30における被覆部80の配置態様を検証した。
図10は実験例5としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図11は実験例6としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図12は実験例7としての、スパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図13は実験例8としての、スパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。
第2の検証において用いられる接地電極30の基本的構成は、異常燃焼の検証を容易にするため第1の検証において用いられた接地電極30よりも幅が細い接地電極30を用いた他は、図2に示す比較例と同様であり、中心電極20および絶縁碍子10に面する内側面30c、内側面30c以外の面をなす外側面30dを備えている。外側面30dは、内側面30cの幅方向の一端(一辺)と他端(他辺)とを繋ぐ面と言うこともできる。接地電極30が矩形断面を有する場合、外側面30dには、内側面30cの裏面をなす面としての外側面30d、および内側面30cと外側面30dとを繋ぐ側面30eが含まれる。
・実験例5において、スパークプラグ100の接地電極30は、固定端31から自由端32の端部に至る内側面30cにのみ被覆部80を備えている。すなわち、内側面30cの裏面としての外側面30dおよび側面30eには被覆部80を備えていない。
・実験例6において、スパークプラグ100の接地電極30は、内側面30cの全て、および、外側面(側面)下側を除く外側面30d(側面30e)に被覆部80を備えている。すなわち、外側面30d(側面30e)のうち内側面30cに連なる領域30hに被覆部80が備えられている。なお、外側面30dのうち内側面30cに連なる領域30hとは、接地電極30を自由端32の側から目視した端面の幾何学重心30gから外側面30dを通り、かつ、内側面30cに平行な仮想線30fを引いた場合に、仮想線30fよりも内側面30c側の領域である。接地電極30の端面形状が、仮想線30fに対して線対称である場合には、側面30eにおける内側面30c側から、側面長さ(接地電極30の厚さ)の1/2の領域が連なる領域30hとなる。
・実験例7において、スパークプラグ100の接地電極30は、内側面30cの裏面をなす外側面30dを除く、固定端31から自由端32の端部まで被覆部80を備えている。
・実験例8において、スパークプラグ100の接地電極30は、自由端32の端面を除く全ての面に、固定端31から自由端32の端部にわたって被覆部80を備えている。
接地電極30に対する被覆部80の形成は、第1の検証において述べた手法により実現することができる。
第2の検証においては、M12HEX14(取付ネジ径12mm、金具六角部サイズ14mm)、イリジウム(Ir)からなる直径0.6mmの電極チップをその先端に有する中心電極、1.1mmの火花ギャップSG、実験例5から実験例8として説明した被覆部80を有する1mm角の接地電極30を有する熱価9番のスパークプラグを用いた。被覆部80には、厚さ0.4mmのプラチナ(Pt)を用いた。検証は、4サイクルガソリンエンジンに対象スパークプラグを装着し、53°BTDC、55°BTDCおよび57°BTDCの3つの点火時期のそれぞれについて、WOT(全負荷、スロットル全開)にて6000rpmの条件の下、異常燃焼が発生したか否かを確認することにより行われた。なお、異常燃焼の発生の有無は、たとえば、筒内の燃焼を視覚化して表示する燃焼モニターを用いた視覚的な確認、または、筒内圧の測定により得られる燃焼タイミングと正規の燃焼タイミングとの対比による確認、によって確認することが可能である。第2の検証にて、細い接地電極30を用いる理由は、異常燃焼の抑制または防止に関する被覆部80の配置態様の相違による効果を確認し易くするためのである。また、絶縁碍子10からの異常燃焼を防止するために冷え型である熱価9番のスパークプラグを用いた。
評価の結果は表2に示す通りである。表2において、異常燃焼が発生しない場合は「G」、異常燃焼が発生した場合は「P」でそれぞれ示している。
Figure 0006077091
接地電極30に被覆部80を備えない比較例、内側面30cにのみ被覆部80を備える接地電極30に関する実験例5、内側面30cおよび外側面30dのうち内側面30cに連なる領域30hに被覆部を備える接地電極30に関する実験例6においては、3つの点火時期のいずれにおいても異常燃焼は発生しなかった。これに対して、外側面30dを除く、固定端31から自由端32の端部まで被覆部80を備える接地電極30に関する実験例7においては、55°BTDCおよび57°BTDCにおいて異常燃焼が発生し、自由端32の端面を除く全ての面に、固定端31から自由端32の端部にわたって被覆部80を備える接地電極30に関する実験例8においては、53°BTDC、55°BTDCおよび57°BTDCの3つの時期全てにおいて異常燃焼が発生した。すなわち、点火時期(点火角度)が進角するに連れて燃焼室内の温度が高くなり、被覆部80の触媒効果と相まって異常燃焼が発生しやすくなる。
したがって、第2の検証の結果、被覆部80として、接地電極30の外側面30dのうち内側面30cの裏面に該当する外側面30dに被覆部80を備えないだけでは、被覆部80を備えることに起因する異常燃焼を抑制または防止することはできず、外側面30dのうち内側面30cに連なる領域30hを除く領域に被覆部80を備えないことにより、接地電極30を被覆部80によって覆ったとしても、接地電極母材の消耗を抑制・防止しつつ、異常燃焼を抑制または防止することが確認できた。なお、第2の検証では、矩形断面の接地電極30が用いられているので、少なくとも、接地電極30の側面30eのうち、内側面30cの裏面としての外側面30dと連なる領域30hには被覆部80を形成しないことによって、異常燃焼を抑制または防止することができたと言うこともできる。
第2の検証に用いられた実験例5および実験例6に係るスパークプラグ100以外のスパークプラグ100の実施態様を図14および15に示す。図14は第3の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図15は第4の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。
第3の実施例では、接地電極30の断面形状が上面および下面を曲線状の側面で繋がれた断面形状を有している点を除いて、実験例6における被覆部80の配置態様と同様の被覆部80の配置態様を備えている。
第4の実施例では、接地電極30が半円形状(かまぼこ形状)を有している点を除いて、実験例6における被覆部80の配置態様と同様の被覆部80の配置態様を備えている。
第3の検証:
貴金属または貴金属合金からなる被覆部80を備えることによって、接地電極母材の消耗が低減または防止されることは第1の検証において検証済みであり、外側面30dのうち内側面30cに連なる領域30hを除く領域に被覆部80を備えないことにより、接地電極30を被覆部80によって覆ったとしても、接地電極母材の消耗を抑制・防止しつつ、異常燃焼を抑制または防止することは第2の検証において検証済みである。一般的に、混合気の着火は、面状の部分よりもエッジ部や先端部において生じやすいことが知られている。そこで、接地電極30の自由端32の端部側に被覆部80を備えることによる、意図しない自着火(異常燃焼)の発生について検証した。
実験例9として用いられたスパークプラグは図11に示すスパークプラグと同様の構成を備えている。図16は実験例10としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。
第3の検証において用いられる接地電極30の基本的構成は、第2の検証における図11の実験例6において示されている通りである。
・実験例9において、スパークプラグ100の接地電極30は、固定端31から自由端32の端部に至る内側面30cおよび外側面30dのうち内側面30cに連なる領域30hに被覆部80を備えている。すなわち、接地電極30の自由端32の端部に至るまで被覆部80が備えられている。
・実験例10において、スパークプラグ100の接地電極30は、固定端31から中心電極対向部30b近傍に至る内側面30cおよび外側面30dのうち内側面30cに連なる領域30hに被覆部80を備えている。すなわち、接地電極30の自由端32の端部には被覆部80は備えられていない。
接地電極30に対する被覆部80の形成は、第1の検証において述べた手法により実現することができる。
第3の検証においては、3つの点火時期を59°BTDC、61°BTDCおよび63°BTDCとした点を除き、第2の検証と同様の検証条件にて異常燃焼の発生の有無が確認された。評価の結果は表3に示す通りである。表3において、異常燃焼が発生しない場合は「G」、異常燃焼が発生した場合は「P」でそれぞれ示している。
Figure 0006077091
固定端31から自由端32の端部に至るまで、内側面30cおよび外側面30dのうち内側面30cに連なる領域30hに被覆部80を備えている実験例9においては、63°BTDCにおいて異常燃焼が確認された。一方、固定端31から中心電極対向部30b近傍に至る、内側面30cおよび外側面30dのうち内側面30cに連なる領域30hに被覆部80を備えている実験例10においては、3つの点火時期のいずれにおいても異常燃焼は発生しなかった。
したがって、第3の検証の結果、被覆部80として、接地電極30の自由端32の端部に被覆部80を備えないことにより、被覆部80を備えることに起因する異常燃焼を抑制または防止できることが確認できた。
第3の検証に用いられた実験例9および実験例10に係るスパークプラグ100以外のスパークプラグ100の実施態様を図17および図18に示す。図17は第5の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図18は第6の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。なお、図3に示す第1の実施例に係るスパークプラグも第3の検証結果により確認された条件を満たすスパークプラグである。
第5の実施例では、固定端31から中心電極対向部30bにかけて、接地電極30の内側面30cにのみ被覆部80を備える点を除いて、実験例10における被覆部80の配置態様と同様の被覆部80の配置態様を備えている。
第6の実施例では、絶縁体対向部30aから中心電極対向部30bにかけて被覆部80を備える点、すなわち、固定端31から絶縁体対向部30aにかけて被覆部80を備えていない点を除いて、実験例10における被覆部80の配置態様と同様の被覆部80の配置態様を備えている。
第4の検証:
貴金属または貴金属合金からなる被覆部80を備えることによって、接地電極母材の消耗が低減または防止されることは第1の検証において検証済みであるが、火花による損傷を受けやすい部分、すなわち、ブレイクダウンが発生する部分は局部的に消耗が多くなる。そこで、第4の検証では、接地電極30におけるブレイクダウンが発生する部分(放電起点)の耐久性を向上させる観点から接地電極30における被覆部80の配置態様を検証した。
図19は実験例11としての、スパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。実験例12として用いられたスパークプラグは図4に示すスパークプラグと同様の構成を備えている。図20は実験例13としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。
第4の検証において用いられる接地電極30の基本的構成は、図2に比較例として示されている。
・実験例11において、スパークプラグ100の接地電極30は、中心電極対向部30bに突状部81としての貴金属チップを備えているが、被覆部80は備えていない。突状部81は直径0.7mm、厚さ1mmの100%プラチナ(Pt)チップである。金属製チップ(突状部81)は、たとえば、レーザー溶接によって接地電極30または被覆部80に結合させることができる。
・実験例12において、スパークプラグ100の接地電極30は、固定端31から自由端32の端部にわたる内側面30cに厚さ100μmの被覆部80を備えている。
・実験例13において、スパークプラグ100の接地電極30は、内側面30cの裏面をなす外側面30dを除く、固定端31から自由端32の端部まで被覆部80を備えると共に、中心電極対向部30bに突状部81としての貴金属チップを備えている。突状部81は直径0.7mm、厚さ1mmの100%プラチナ(Pt)チップである。なお、被覆部80を備える態様における突状部81は、接地電極30のブレイクダウンを受けやすい部分における被覆部80の厚さを厚くするための構成である。
接地電極30に対する被覆部80の形成は、第1の検証において述べた手法により実現することができる。
第4の検証においては、M12HEX14(取付ネジ径12mm、金具六角部サイズ14mm)、イリジウム(Ir)からなる直径0.6mmの電極チップをその先端に有する中心電極、1.1mmの火花ギャップSG、実験例11から実験例13として説明した被覆部80または突状部81、あるいは被覆部80および突状部81を有する接地電極30を有するスパークプラグを用いた。検証は、4サイクルガソリンエンジンに対象スパークプラグを装着し、負荷−10kPa、A/F12.0の条件の下、200時間の耐久試験を行い、検証開始前後における接地電極30の母材の消耗体積を評価することにより行われた。この検証条件は、時速20キロメートルにおける車両走行条件と同様の条件である。なお、消耗量の評価は第1の検証と同様に実行した。
評価の結果は表4および図21に示す通りである。図21は第4の検証により得られた比較例および各実験例における接地電極母材の消耗量を示すグラフである。
Figure 0006077091
接地電極30に被覆部80を備えない比較例、突状部81のみを備える接地電極30に関する実験例11においては、それぞれ、6.8mmおよび6.6mmの接地電極母材の消耗が確認された。一方、被覆部80を備える実験例12並びに、被覆部80および突状部81を備える実験例13においては、それぞれ、2.1mmおよび1.9mmの接地電極母材の消耗が確認されたにとどまった。すなわち、被覆部80を備えることによって、接地電極母材の消耗量を概ね2mm以下に抑制することができる。
したがって、第4の検証の結果、突状部81を備えるだけでは接地電極母材の消耗を抑制することはできず、また、接地電極30が突状部81を備える場合おいても、被覆部80の技術的効果を確認できた。さらに、接地電極30が被覆部80を有する場合には、突状部81を備えることによって、さらに、接地電極母材の消耗を有意に抑制することができることを確認できた。
第4の検証に用いられた実験例13に係るスパークプラグ100以外のスパークプラグ100の実施態様を図22および図23に示す。図22は第7の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。図23は第8の実施例に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。
第7の実施例では、突状部81の厚さが薄い点を除いて、実験例13における接地電極30と同様の構成を備えている。
第8の実施例では、突状部81に代えて、被覆部80を多層化することによってブレイクダウンが発生しやすい部分の厚さを厚くしており、追加の層状部82を有している点を除いて、実験例13と同様の構成を備えている。
第4の検証の実施例の変形例を図24に示す。図24は第4の検証の実施例の変形例としてのスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。この変形例では、ブレイクダウンの発生する部分において、被覆部80を構成する貴金属として、より消耗に強い貴金属からなる第2の被覆部83を用いることで、接地電極母材の消耗を抑制または防止する。たとえば、接地電極30の曲線部分における消耗量は3.0mmである場合でも接地電極30におけるブレイクダウンが発生する部分の消耗量は6.0mm以上になる。より消耗に強い貴金属は、たとえば、被覆部80に貴金属合金を用い、第2の被覆部83により純度の高い貴金属合金または純貴金属を用いることによって実現され得る。被覆部80の全てに純貴金属を用いる場合、コストが嵩むので、被覆部80には純度の低い貴金属合金を用い、第2の被覆部83には純度の高い貴金属合金または純貴金属を用いれば、接地電極母材の消耗の抑制とコスト抑制の両立を図ることができる。
第4の検証結果を得ることができる実施例としては、被覆部80を形成した後、被覆部80の上に突状部81を形成した実施例、突状部81を形成した後、被覆部80を突状部81の上に形成した実施例の双方が含まれ得る。
第5の検証:
第5の検証においては、被覆部の厚さと接地電極母材の消耗量、並びに被覆部の厚さと接地電極への密着性について検証した。検証に用いた被覆部の配置態様は、実験例3のスパークプラグと同様である。
図25は、第5の検証に用いた被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図および拡大右側面図である。
第5の検証において用いられる接地電極30の基本的構成は、図25に示されている通りであり、中心電極20および絶縁碍子10に面する内側面30c、内側面30c以外の面をなす外側面30dを備えている。第5の検証において用いられる接地電極30は、矩形断面を有しているので、外側面30dには、内側面30cの裏面をなす面としての外側面30d、および内側面30cと外側面30dとを繋ぐ側面30eが含まれる。被覆部80は、内側面30cの裏面をなす面としての外側面30dを除く全ての面に形成されている。
第5の検証は、被覆部30の厚さtが1μm、3μm、50μm、100μm、200μm、400μmおよび500μmの7種類の態様について実行された。被覆部の厚さと接地電極母材の消耗量に関する検証では、第1の検証において述べた手法により接地電極30に対する被覆部80を形成した。
第5の検証における、被覆部の厚さtと接地電極母材の消耗量に関する検証では、M12HEX14(取付ネジ径12mm、金具六角部サイズ14mm)、イリジウム(Ir)からなる直径0.6mmの電極チップをその先端に有する中心電極、1.1mmの火花ギャップSG、厚さt=1μm、3μm、50μm、100μm、200μm、400μmおよび500μmの被覆部80を有する接地電極30を備えるスパークプラグを用いた。この検証は、第4の検証と同条件で実行した。なお、消耗量の評価は第1の検証と同様に実行した。
評価の結果は表5および図26に示す通りである。表5は第5の検証により得られた複数の被覆部の厚さに対する接地電極母材の消耗量を示し、図26は第5の検証により得られた複数の被覆部の厚さに対する接地電極母材の消耗量を示すグラフである。
Figure 0006077091
検証の結果、被覆部30の厚さtが1μmでは6.4mmの消耗量、3μmでは3.0mmの消耗量、50μmでは2.4mmの消耗量、100μmでは2.1mmの消耗量、200μmでは1.9mmの消耗量、400μmでは1.8mmの消耗量、および500μmでは1.8mmの消耗量をそれぞれ確認できた。図26から読み取れるように、被覆部80の厚さtが3μmになると、接地電極母材の消耗量は激減する。したがって、被覆部80の厚さtは3μm以上であることが望ましい。一方、被覆部80の厚さtが400μmを超えると、接地電極母材の消耗量に顕著な変化はなくなる。したがって、コストおよび技術的な効果を考慮すると、被覆部80の厚さtは400μm以下であって良い。以上の結果を纏めると、被覆部80の厚さtは、3μm〜400μmであれば、接地電極母材の消耗量を有意に抑制することができる。
第5の検証における、被覆部の厚さtと接地電極への密着性に関する検証では、被覆部の厚さtと接地電極母材の消耗量に関する検証に用いたスパークプラグと同様の複数のスパークプラグの接地電極30に対して、それぞれ、プラチナ(Pt)が厚さt=1μm、3μm、50μm、100μm、200μm、400μmおよび500μmとなるように溶射し、800℃、10時間の拡散処理を行い、各検証対象を得た。各検証対象について、冷熱試験を行い、顕微鏡を用いて被覆部80にクラックが発生している場合は密着性不良、クラックが発生していない場合には密着性良好と判断した。冷熱試験は、最大1050℃での加熱を2分間行い、徐冷を1分間行う1サイクルを1000サイクル繰り返して実行する試験である。
評価の結果は表6に示す通りである。表6は第5の検証により得られた複数の被覆部の厚さtに対する被覆部と接地電極母材の密着性に関する評価を示す。表6において、被覆部80にクラックが発生している場合には「Y」、クラックが発生していない場合には「N」で示した。
Figure 0006077091
表6に示すように、被覆部80の厚さtが500μmの場合には、被覆部80にクラックが発生した。したがって、接地電極母材に対する被覆部80の密着性の観点からは、被覆部80の厚さtは500μm未満、より好ましくは400μm以下であることが望ましい。クラックの発生は、接地電極母材と被覆部80の熱膨張率または熱収縮率の違いにより発生したと考えられる。すなわち、被覆部80を厚くすると、被覆部80は接地電極母材の熱膨張または熱収縮に応じて熱膨張または熱収縮せず、被覆部80にクラックが発生する。クラックが発生するということは、接地電極母材に対する被覆部80の密着性が低い(不良)と判断することができる。
第5の検証の結果、被覆部80の厚さtによる、接地電極母材の消耗量および接地電極母材に対する被覆部80の密着性を考慮すると、被覆部80の厚さtは、3μm〜400μmであることが好ましい。
第6の検証:
第6の検証では、接地電極30の母材の消耗を抑制または防止する観点から接地電極30における被覆部80の配置態様をさらに検証した。比較例としては図2に示す、被覆部を備えない接地電極を備えるスパークプラグを用いた。図27は、第6の検証において用いられる、実験例14としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図である。図28は実験例14としての、本実施形態に係るスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。図29は、図27示す本実施形態に係るスパークプラグのZ矢視図である。図30は本実施形態に係るスパークプラグの接地電極母材上における被覆部の定義を説明するための説明図である。
第6の検証において用いられる接地電極30の基本的構成は、図2の比較例において示されている通りであり、中心電極20および絶縁碍子10に面する内側面30c、内側面30c以外の面をなす外側面30dを備えている。
図27および図28に示すように、実験例14において、スパークプラグ100の接地電極30は、その内側面30cのうち、固定端31の側における中心電極母材21の外周から接地電極30に延伸する仮想線L1と接地電極30との交点X1を含む第1の交線部L11から、ギャップSGの中点SG1を通る電極チップ22の先端22aの端面(中心電極20の先端部の端面)に平行な仮想面P1が接地電極30と交差する第2の交線部L20にかけての領域に被覆部80を備えている。なお、第1の交線部L11は、仮想線L1に代えて、仮想線L1を含み中心電極母材21の外周に接し接地電極30まで延伸する仮想面P2が接地電極30と交差する交線部、更には、最も固定端31の側における中心電極母材21の外周と接し、中心電極20の中心軸と平行な接平面であり、接地電極30まで延伸する仮想面と接地電極30との交線として定義されても良い。
実験例14としてのスパークプラグは、図29に示すように、被覆部80の幅方向の寸法をA、接地電極30の幅方向の寸法をB、電極チップ22の先端(先端面)22aの幅をFとするとき、0.7F≦A≦Bの関係を有する。また、接地電極30の自由端32の端面側から接地電極30、被覆部80および電極チップ22を目視したとき、被覆部80の幅方向に直交する中心線が電極チップ22の幅の範囲内にある構成を備えている。ここで、被覆部80の中心および電極チップ22の先端の中心は幾何学中心を意味し、幅方向とは、接地電極30を自由端32の端面側から見たときに、電極チップ22の先端22aの端面に平行な方向であり、先端22aの幅とは、接地電極30の内側面30cに平行な方向の先端22aの寸法である。なお、この幅方向の距離の関係は、被覆部80の中心と電極チップ22の先端22aの中心とを接地電極30の幅方向に平行な平面に投写した2つの投写点間の水平距離が被覆部80の幅方向の寸法の1/2以下となる関係、または、被覆部80の中心と電極チップ22の先端22aの中心との水平距離を成す直線を自由端32の端面に平行な面に投写した投写直線の長さが被覆部80の幅方向の寸法の1/2以下となる関係と定義しても良い。実験例14においては、円柱状の電極チップ22が用いられるので先端22aの幅は直径である。
また、被覆部80は、一の連続する層から構成されていなくても良く、図30に示すように、被覆部80の厚みをT、複数の独立した被覆部80間の距離をDとしたとき、
(1)T≧0.2mmのときにT≧D、(2)T<0.2mmのときにD≦0.2の関係が成立するよう配置されている複数の独立した層から構成されていても良く、この関係を満たす場合には、本実施形態における被覆部80に含まれる。
第6の検証においては、M12HEX14(取付ネジ径12mm、金具六角部サイズ(対辺寸法)14mm)、イリジウム(Ir)からなる直径0.6mmの電極チップをその先端に有する中心電極、0.5mmの火花ギャップSG、実験例14として説明した被覆部80を有する幅2.7mm×厚さ1.3mmの矩形形状の接地電極30を有するスパークプラグを用いた。被覆部80には、厚さ0.4mmのプラチナ(Pt)を用いた。検証は、火花ギャップSG間に接地電極30の自由端32から固定端31に向かって10m/sの気流が流れる流速場、点火周波数50Hz、燃焼室内圧力0.4Mpa、窒素雰囲気下、耐久時間100時間の条件の下、実行されたベンチ試験において、検証開始前後における接地電極30の母材の消耗体積を計測・評価することにより行われた。消耗量の計測・評価は第1の検証と同様に実行した。
評価の結果は表7に示す通りである。
Figure 0006077091
被覆部80を備えない比較例においては、2.3mmの接地電極母材の消耗が確認されたが、被覆部80を備える実験例14においては、0.5mmの接地電極母材の消耗が確認されたに留まった。一般的に接地電極母材の体積消耗量が1.5mmであれば接地電極30の折損のおそれはないので、比較例の評価はP(不可)となり、実験例14の評価はG(良)となった。実験例14においては、接地電極30の内側面30cにおける第1の交線部L11および第2の交線部L20によって区画されている領域のみに被覆部80を備えているが母材の体積の消耗は技術的に有意と判断するに足りる値だけ低減されている。
したがって、実験例14により、被覆部80として、接地電極30の内側面30cのうち、第1の交線部L11および第2の交線部L20によって区画されている領域を少なくとも覆う被覆部80を備えていれば、接地電極30の消耗を有意に抑制または防止できることが確認できた。特に、接地電極30の屈曲部は火花の吹き流れによって消耗しやすいことが知られているが、第6の検証によれば、少なくとも第2の交線部L20まで被覆部80が備えられていれば屈曲部における接地電極母材の消耗を抑制し、接地電極30が根本付近から折れてしまうことを抑制または防止することができる。
次に、実験例15〜18に基づいて、被覆部80の幅方向の寸法A、接地電極30の幅方向の寸法B、電極チップ22の先端22aの幅(直径)Fとの間に成立する、0.7F≦A≦Bの関係の技術的効果について検証する。被覆部80の形状を除く検証条件は上記の通りであり、被覆部80の幅寸法Aが0.3Fである実験例15、0.7Fである実験例16、Fである実験例17、Bである実験例18についてそれぞれ消耗量を求めた。なお、電極チップ22の先端22aの直径F=0.6mmであるから、被覆部80の幅寸法A=0.18mm、0.42mm、0.6mmおよび2.7mmについて実験を行った。また、被覆部80は、第1の交線部L11および第2の交線部L20の間で接地電極30の側面30eに対して平行に延びている。
図31は、実験例15に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図であり、図32は、実験例16に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図であり、図33は、実験例17に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図であり、図34は、実験例18に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。
評価の結果は表8および図35に示すとおりである。表8は実験例15〜18により得られた複数の被覆部の幅に対する接地電極母材の体積消耗量を示し、図35は実験例15〜18により得られた複数の被覆部の幅に対する接地電極母材の体積消耗量を示すグラフである。
Figure 0006077091
被覆部80の幅寸法A=0.3Fである実験例15においては、2mmの接地電極母材の消耗が確認されたが、被覆部80の幅寸法A=0.7Fである実験例16においては、0.8mmの接地電極母材の消耗、被覆部80の幅寸法A=Fの実験例17においては、0.7mmの接地電極母材の消耗、被覆部80の幅寸法A=Bの実験例18においては、0.5mmの体積の消耗が確認されたに留まった。既述の評価基準に基づき、実験例15の評価はP(不可)となり、実験例16〜18の評価はG(良)となった。図35に示すように、接地電極母材の体積消耗量は、被覆部80の幅寸法A≧0.7Fにて有意に低減されている。また、中心電極20の電極チップ22は、使用に伴い消耗され交換時期前の消耗時には、角部が丸まり、先端22aの端面における直線部(接地電極30と平行な部分)は70%程度となることが知られている。したがって、この観点からも、被覆部80の幅寸法Aは0.7F以上であることが好ましい。
したがって、実験例15〜18により、被覆部80の幅方向の寸法として、0.7F≦A≦Bの関係を有していれば、屈曲部を含む接地電極母材の消耗を抑制し、接地電極30が根本付近から折れてしまうことを抑制または防止することができる。
次に、実験例19および20とに基づいて、複数の被覆部80が備えられている場合における、被覆部80間の距離の相違による接地電極母材の体積消耗量について検証した。実験例19では、2つの板状の被覆部80が接地電極30の自由端32の端面と平行に配置されており、2つの被覆部80の間の隙間(間隔)もまた、自由端32の端面に平行に形成されている。実験例20では、2つの板状の被覆部80が接地電極30の自由端32の端面に垂直(側面32eに平行)に配置されており、2つの被覆部80の間の隙間(間隔)もまた、側面32eに平行に形成されている。これら2つの態様によって、隙間が延びる方向が接地電極母材の消耗に与える影響をも考察した。
図36は、実験例19に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を正面視した拡大部分断面図であり、図37は、実験例19に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。図38は、実験例20に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図であり、図39は、実験例20に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分を模式的に示す拡大平面図である。
評価の結果は表9および10に示すとおりである。表9は実験例19および20により得られた複数の被覆部間の幅寸法および被覆部厚さに関する接地電極母材の体積消耗量の評価結果を示している。
Figure 0006077091
Figure 0006077091
接地電極母材の体積消耗量に関する既述の評価基準に基づき、実験例19および20における評価を行ったところ、表9および10に示すように、被覆部80の厚さTが厚く2つの被覆部80間の間隔Dが大きい場合に評価はP(不可)となり、被覆部80の厚さTが薄く2つの被覆部80間の間隔Dが小さい場合に評価はP(不可)となる傾向が読み取れる。具体的には、厚さT0.1mmの場合には、間隔Dが0.1mm〜0.2mmの場合に評価はG(良)となり、厚さT0.2mmの場合には、間隔Dが0.1mm〜0.4mmにわたって評価はG(良)となり、厚さT0.3mmの場合には、間隔Dが0.3mm〜0.4mmの場合に評価はG(良)となり、厚さT0.4mmの場合には、間隔Dが0.4mmの場合に評価はG(良)となった。
したがって、厚さT≧0.2mmの場合には、厚さT≧間隔D、厚さT<0.2mmの場合には、間隔D≦0.2mmであれば、被覆部80が離間した複数の層から形成されていても、接地電極母材の体積消耗の抑制または防止を実現できることが確認された。
次に、図40〜45に示す実験例20〜24に基づいて、接地電極30の自由端32の端面側から接地電極30、被覆部80および電極チップ22を目視したとき、被覆部80の幅方向に直交する中心線が電極チップ22の幅の範囲内にある構成となっていることの技術的効果について検証する。図40は実験例20〜24における被覆部と電極チップの先端との位置関係を説明するための説明図であり、(a)はスパークプラグの先端部の正面図、(b)スパークプラグの先端部の右側面図、すなわち、接地電極30の自由端32の端面側から接地電極30、被覆部80および電極チップ22を目視した図、をそれぞれ模式的に示している。接地電極30の幅方向と平行(接地電極30の自由端32の端面に平行)な平面VP1に対して、電極チップ22の先端22aの中心点S10および被覆部80の中心点S20が投写され、それぞれ投写点S11およびS21となる。2つの投写点S11およびS21間の水平距離Jは、接地電極30の幅方向における電極チップ22の先端22aの中心点S10および被覆部80の中心点S20のずれ量Jとなる。この位置関係は、投写点S11およびS21をそれぞれ通る中心線S1およびS2間のずれ量と言うこともできる。なお、接地電極30の長手方向(自由端と固定端とで規定される方向)における両者の中心は、当初からずれている。本検証では、M12HEX14、イリジウム(Ir)からなる直径0.8mmの電極チップをその先端に有する中心電極、0.5mmの火花ギャップSG、幅0.8mmの被覆部80を有する幅2.7mm×厚さ1.3mmの矩形形状を有するスパークプラグを用いた。試験は、4サイクルガソリンエンジンに対象スパークプラグを装着し、エンジン回転数6,000rpm、負荷−20kPa、A/F12.0の条件の下、100時間の耐久試験として行われた。検証開始前後における接地電極30の母材の消耗体積の計測・評価(測定)を第1の検証と同様に実行した。
図41は、実験例20に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図であり、図42、実験例21に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図であり、図43は、実験例22に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図であり、図44は、実験例23に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図であり、図45は、実験例24に係る被覆部を備える接地電極を備えるスパークプラグの先端部分の拡大右側面図である。実験例20では、接地電極30の幅方向における被覆部80の中心と電極チップ22の中心とのずれ量J=0、実験例21では、ずれ量J=0.2、実験例22では、ずれ量J=0.4mm、実験例23では、ずれ量J=0.6mm、実験例24では、ずれ量J0.8mmとした。なお、被覆部80の幅は0.8mmであり、電極チップ22の幅は0.8mmであるから、ずれ量J≦0.4mmの場合に、接地電極30の自由端32の端面側から接地電極30、被覆部80および電極チップ22を目視したとき、被覆部80の幅方向に直交する中心線S2が電極チップ22の幅の範囲内にあることとなる。
評価の結果は表11および図46に示すとおりである。図46は実験例20〜24により得られたずれ量に対する接地電極母材の体積消耗量を示すグラフである。
Figure 0006077091
ずれ量J=0mm、すなわち、被覆部80の中心と電極チップ22の中心とが一致する場合の接地電極母材の体積消耗量は、0.7mmであり、ずれ量J=0.2mmの場合の接地電極母材の体積消耗量は、0.8mmであり、ずれ量J=0.4mmの場合の接地電極母材の体積消耗量は、0.9mmであった。これらずれ量Jは、接地電極30の自由端32の端面側から接地電極30、被覆部80および電極チップ22を目視したとき、被覆部80の幅方向に直交する中心線S2が電極チップ22の幅の範囲内にあるずれ量であり、いずれの接地電極母材の体積消耗量も1.5mm未満であり、評価はG(良)であった。一方、ずれ量J=0.6mmの場合の接地電極母材の体積消耗量は、1.9mmであり、ずれ量J=0.8mmの場合の接地電極母材の体積消耗量は、2.1mmであった。これらずれ量Jは、接地電極30の自由端32の端面側から接地電極30、被覆部80および電極チップ22を目視したとき、被覆部80の幅方向に直交する中心線S2が電極チップ22の幅の範囲内にないずれ量であり、いずれの接地電極母材の体積消耗量も1.5mm以上であり、評価はP(不可)であった。
図46に示すグラフにおいても、ずれ量Jが0mm〜0.4mmの間の特性線の傾きは小さく、また傾きの変化はほとんどないのに対して、ずれ量Jが0.4mmを超えると特性線の傾きが大きくなると共に、傾きの変化も急峻となる。したがって、ずれ量Jが0.4mm以下の場合、すなわち、接地電極30の自由端32の端面側から接地電極30、被覆部80および電極チップ22を目視したとき、被覆部80の幅方向に直交する中心線S2が電極チップ22の幅の範囲内にある場合に、接地電極母材の体積消耗量を有意に低減できることが確認できた。なお、ずれ量Jは、被覆部80の中心と電極チップ22の先端22aの中心とを接地電極30の幅方向に平行な平面に投写した2つの投写点間の水平距離、あるいは、被覆部80の中心点S20と電極チップ22の先端22aの中心点S10とをそれぞれ接地電極30の内側面30cに平行な平面に投写して、さらに、接地電極30の幅方向と平行な平面に投写した2つの投写点間の距離として定義されても良い。また、被覆部80と電極チップ22の先端22aとの位置関係は、平面VP1において、電極チップ22の先端22aの幅の1/2以上が被覆部80と重なっている位置関係として定義されても良い。
なお、上述の第1〜第5の検証に用いられた電極チップ22、接地電極30および被覆部80もまた、各実験例から明らかなように、0.7F≦A≦Bの関係を有し、接地電極30の自由端32の端面側から接地電極30、被覆部80および電極チップ22を目視したとき、被覆部80の幅方向に直交する中心線が電極チップ22の幅の範囲内にある。
第6の検証において用いられた各実験例における被覆部80の変形例についてスパークプラグの先端部分を拡大して図47〜図52に模式的に示す。図47に示す第1の変形例では、被覆部80は矩形を有しており、接地電極30における第1の交線部L11および第2の交線部L20によって区画される領域の中央に配置されている。図48に示す第2の変形例では、2つの長方形の被覆部80が、その隙間が接地電極30の側面30eに平行となるよう、接地電極30における第1の交線部L11および第2の交線部L20によって区画される領域の中央に配置されている。図49に示す第3の変形例では、2つの矩形の被覆部80が、その隙間が接地電極30の側面30eに直交するよう、接地電極30における第1の交線部L11および第2の交線部L20によって区画される領域の中央に配置されている。図50に示す第4の変形例では、4つの矩形の被覆部80が接地電極30における第1の交線部L11および第2の交線部L20によって区画される領域の中央に配置されている。図51に示す第5の変形例では、2つの円形の被覆部80が接地電極30の側面30eに平行となるよう、接地電極30における第1の交線部L11および第2の交線部L20によって区画される領域の中央に配置されている。図52に示す第6の変形例では、第5の変形例に加えて、接地電極30の自由端32側に複数の矩形の被覆部80が配置されている。これら各変形例においても、被覆部80は、0.7F≦A≦Bの関係を有し、接地電極30の自由端32の端面側から接地電極30、被覆部80および電極チップ22を目視したとき、被覆部80の幅方向に直交する中心線S2が電極チップ22の幅の範囲内にあるように、接地電極30における第1の交線部L11および第2の交線部L20によって区画される領域に配置されている。なお、第1の交線部L11から自由端32の間、並びに第2の交線部L20から固定端31の間における接地電極30上に被覆部80が配置されても良いことは、第1の検証において検証済みである。
変形例:
上記各実施例においては、内側面30cが平滑な接地電極30を用いて説明したが、接地電極はチップ部としての突出部を有していても良く、あるいは、溝部を有していても良い。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
8…パッキン
10…絶縁碍子
10a…先端部
12…軸孔
13…脚長部
15…縮径部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…中央胴部
20…中心電極
21…中心電極母材
22…電極チップ
22a…先端
25…芯材
30…接地電極
30a…絶縁体対向部
30b…中心電極対向部
30c…内側面
30d…外側面
30e…側面
30g…重心
30h…連なる領域
30f…仮想線
31…固定端
32…自由端
40…端子電極
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
54…シール部
57…先端面
60…突出部
80…被覆部
81…突状部
82…層状部
83…第2の被覆部
100…スパークプラグ
150…シリンダヘッド
151…取付ネジ孔
OL…軸線
SG…火花ギャップ
SG1…中点
S1、S2…中心線
S10、S20…中心点
S11、S21…投写点
L1…仮想線
P1…仮想面
L11…第1の交線部
L20…第2の交線部
X1…交点

Claims (8)

  1. 軸孔を有する絶縁体と、
    前記絶縁体の外周を覆う主体金具と、
    前記絶縁体の前記軸孔内に配置される中心電極母材と、当該中心電極母材に接合されると共に前記絶縁体の先端部から露出する電極チップと、を有する中心電極と、
    前記主体金具に固定されている固定端と、前記電極チップの先端から所定間隔だけ離間して配置される自由端とを有するニッケル合金からなる接地電極であって、前記中心電極および前記絶縁体に面する内側面と、前記中心電極に対向する中心電極対向部とを備える、接地電極と、を有する点火プラグであって、
    前記内側面のうち、前記固定端の側における前記中心電極母材の外周から前記接地電極に延伸する仮想線と前記接地電極との交点を含む第1の交線部から、前記所定間隔の中点を通る前記先端の端面に平行な仮想面が前記接地電極と交差する第2の交線部にかけての領域を少なくとも覆う貴金属または貴金属合金からなる被覆部を備え、
    前記被覆部の幅方向の寸法をA、前記接地電極の幅方向の寸法をB、前記電極チップの前記先端の幅をFとするとき、0.7F≦A≦Bの関係が成立し、前記自由端の側から前記接地電極、前記被覆部および前記電極チップを目視したとき、前記被覆部の幅方向に直交する中心線が前記電極チップの幅の範囲内にあり、
    前記接地電極は、前記内側面の幅方向の一端と他端とを繋ぐ外側面をさらに有し、
    前記被覆部は、前記外側面のうち前記内側面に連なる領域に備えられ、前記内側面の裏面としての外側面には備えない、点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグにおいて、
    前記第1の交線部は、前記仮想線を含み、前記中心電極母材の外周に接し前記接地電極まで延伸する仮想面が前記接地電極と交差する交線部である、点火プラグ。
  3. 請求項1または2に記載の点火プラグにおいて、
    前記接地電極は、前記自由端に、前記中心電極と対向する中心電極対向部を含み、
    前記被覆部は、前記内側面のうち、前記固定端の側における前記絶縁体の先端部と対向する絶縁体対向部から前記中心電極対向部にかけての領域を少なくとも覆う、点火プラグ。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の点火プラグにおいて、
    前記被覆部は、前記内側面の全てを覆う、点火プラグ。
  5. 請求項に記載の点火プラグにおいて、
    前記内側面に連なる領域は、前記接地電極を前記自由端の側から目視した端面の幾何学重心から前記外側面を通り、かつ、前記内側面に平行な仮想線を引いた場合に、当該仮想線よりも前記内側面の側の領域である、点火プラグ。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の点火プラグにおいて、
    前記被覆部の厚さは3μm〜400μmである、点火プラグ。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の点火プラグにおいて、
    前記中心電極対向部の領域を覆う前記被覆部の厚さは、前記中心電極対向部以外の他の領域を覆う前記被覆部の厚さより厚い、点火プラグ。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の点火プラグにおいて、
    前記中心電極対向部の領域を覆う前記被覆部は、前記中心電極対向部以外の他の領域を覆う前記被覆部と異なる組成からなる、点火プラグ。
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