JP6075442B2 - インピーダンス測定装置及びインピーダンス測定装置の制御方法 - Google Patents
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Description
この発明は、燃料電池のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置及びその制御方法に関する。
WO2012077450には、燃料電池から負荷に電力を供給した状態で、燃料電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定装置が提案されている。
この内部抵抗測定装置は、測定精度を確保するため負荷側に電流が漏れ出ないように、燃料電池の正極端子と負極端子とに同一の交流信号を出力する。そして、燃料電池の正極端子の電位から、その正極端子と負極端子との間に位置する中途点端子の電位を引いた電位差と、負極端子の電位から上記の中途点端子の電位を引いた電位差とが一致するように、夫々の電極端子に出力される交流信号の振幅を調整する。そして調整された交流出力信号と電位差信号とに基づいて燃料電池の内部抵抗が測定される。
しかしながら、燃料電池の内部には静電容量成分が含まれている。この静電容量は、燃料電池の運転状態に応じて大きく変動する。この静電容量の変動によって電位差信号の位相は内部抵抗測定装置からの交流出力信号の位相からずれてしまう。
電位差信号の位相にズレが生じた場合には、電位差信号の検出レベル、例えば実効値が目標値よりも低下するため、位相ズレした電位差信号で交流信号の振幅を調整すると、交流信号の振幅が過剰に増やされてしまう。その結果、過剰に増幅された交流出力信号によってインピーダンスが測定されるため、測定精度が悪くなるという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされた。本発明の目的は、燃料電池の内部インピーダンスの測定精度が低下するのを抑制することである。
本発明によるインピーダンス測定装置のひとつの態様は、複数の電池セルが積層され、電池セルの状態に応じて変化する静電容量成分と抵抗成分とを有する燃料電池のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置である。インピーダンス測定装置は、燃料電池の正極端子に接続され、燃料電池の内部インピーダンスを測定するための所定周波数の交流信号を出力する正極側出力部と、燃料電池の負極端子に接続され、上記所定周波数の交流信号を出力する負極側出力部と、を含む。そして、正極端子から燃料電池の中点までの交流電位差を検出する検出部と、交流電位差検出信号の振幅を負極端子から中点までの交流電位差の振幅と一致させるための所定の値に収束させるように正極側出力部における交流信号の振幅を調整する調整部と、を含む。またインピーダンス測定装置は、上記所定周波数の交流信号と位相が同一の同相信号を交流電位差検出信号に乗算して、交流電位差検出信号の抵抗成分を抽出する同相成分抽出部と、抵抗成分と出力信号とに基づいて、正極側実軸インピーダンスを算出する算出部と、を含む。さらに上記所定周波数の交流信号と位相が直交する直交信号を交流電位差検出信号に乗算して、交流電位差検出信号の静電容量成分を抽出する直交成分抽出部と、抽出された静電容量成分と抵抗成分とに基づいて、交流電位差検出信号のベクトル値を再生する再生部と、を含む。そして調整部は、再生したベクトル値が上記所定の値となるように正極側出力部の交流信号の振幅を調整することを特徴とする。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1Aは、本発明の第1実施形態におけるインピーダンス測定装置の測定対象である積層電池の一例を示す外観斜視図である。図1Aには、積層電池の一例として燃料電池が示されている。図1Bは、燃料電池の発電セルの構造を示す分解図である。
図1Aは、本発明の第1実施形態におけるインピーダンス測定装置の測定対象である積層電池の一例を示す外観斜視図である。図1Aには、積層電池の一例として燃料電池が示されている。図1Bは、燃料電池の発電セルの構造を示す分解図である。
図1Aに示されるように、燃料電池スタック1は、積層された複数の発電セル10と、集電プレート20と、絶縁プレート30と、エンドプレート40と、4本のテンションロッド50とを備える。
発電セル10は、燃料電池の単位セルである。各発電セル10は、例えば1ボルト(V)程度の起電圧を生じる。各発電セル10の構成の詳細については後述する。
集電プレート20は、積層された複数の発電セル10の外側にそれぞれ配置される。集電プレート20は、ガス不透過性の導電性部材、例えば緻密質カーボンで形成される。集電プレート20は、正極端子211及び負極端子212を備える。また正極端子211及び負極端子212の間には、中点端子213が設けられている。中点端子213は、正極端子211に接続された発電セルから、負極端子212に接続された発電セルまでの電池セルのうち中間に位置する電池セルと接続されている。なお中点端子213は、正極端子211及び負極端子212の間の中点から外れた位置の中途点に設けてもよい。燃料電池スタック1は、正極端子211及び負極端子212によって、各発電セル10で生じた電子e-が取り出されて出力する。
絶縁プレート30は、集電プレート20の外側にそれぞれ配置される。絶縁プレート30は、絶縁性の部材、例えばゴムなどで形成される。
エンドプレート40は、絶縁プレート30の外側にそれぞれ配置される。エンドプレート40は、剛性のある金属材料、例えば鋼などで形成される。
一方のエンドプレート40(図1Aでは、左手前のエンドプレート40)には、アノード供給口41aと、アノード排出口41bと、カソード供給口42aと、カソード排出口42bと、冷却水供給口43aと、冷却水排出口43bとが設けられている。本実施形態では、アノード排出口41b、冷却水排出口43b及びカソード供給口42aは図中右側に設けられている。またカソード排出口42b、冷却水供給口43a及びアノード供給口41aは図中左側に設けられている。
テンションロッド50は、エンドプレート40の四隅付近にそれぞれ配置される。燃料電池スタック1は内部に貫通した孔(不図示)が形成されている。この貫通孔にテンションロッド50が挿通される。テンションロッド50は、剛性のある金属材料、例えば鋼などで形成される。テンションロッド50は、発電セル10同士の電気短絡を防止するため、表面には絶縁処理が施されている。このテンションロッド50にナット(奥にあるため図示されない)が螺合する。テンションロッド50とナットとが燃料電池スタック1を積層方向に締め付ける。
アノード供給口41aにアノードガスとしての水素を供給する方法としては、例えば水素ガスを水素貯蔵装置から直接供給する方法、又は水素を含有する燃料を改質して改質した水素含有ガスを供給する方法などがある。なお、水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどがある。水素を含有する燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリンなどがある。また、カソード供給口42aに供給するカソードガスとしては、一般的に空気が利用される。
図1Bに示されるように、発電セル10は、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly;MEA)11の両面に、アノードセパレーター(アノードバイポーラープレート)12a及びカソードセパレーター(カソードバイポーラープレート)12bが配置される構造である。
MEA11は、イオン交換膜からなる電解質膜111の両面に電極触媒層112が形成される。この電極触媒層112の上にガス拡散層(Gas Diffusion Layer;GDL)113が形成される。
電極触媒層112は、例えば白金が担持されたカーボンブラック粒子で形成される。
GDL113は、十分なガス拡散性及び導電性を有する部材、例えばカーボン繊維で形成される。
アノード供給口41aから供給されたアノードガスは、このGDL113aを流れてアノード電極触媒層112(112a)と反応し、アノード排出口41bから排出される。
カソード供給口42aから供給されたカソードガスは、このGDL113bを流れてカソード電極触媒層112(112b)と反応し、カソード排出口42bから排出される。
アノードセパレーター12aは、GDL113a及びシール14aを介してMEA11の片面(図1Bの裏面)に重ねられる。カソードセパレーター12bは、GDL113b及びシール14bを介してMEA11の片面(図1Bの表面)に重ねられる。シール14(14a,14b)は、例えばシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム(ethylene propylene diene monomer;EPDM)、フッ素ゴムなどのゴム状弾性材である。アノードセパレーター12a及びカソードセパレーター12bは、例えばステンレスなどの金属製のセパレーター基体がプレス成型されて、一方の面に反応ガス流路が形成され、その反対面に反応ガス流路と交互に並ぶように冷却水流路が形成される。図1Bに示すようにアノードセパレーター12a及びカソードセパレーター12bが重ねられて、冷却水流路が形成される。
MEA11、アノードセパレーター12a及びカソードセパレーター12bには、それぞれ孔41a,41b,42a,42b,43a,43bが形成されており、これらが重ねられて、アノード供給口(アノード供給マニホールド)41a、アノード排出口(アノード排出マニホールド)41b、カソード供給口(カソード供給マニホールド)42a、カソード排出口(カソード排出マニホールド)42b、冷却水供給口(冷却水供給マニホールド)43a及び冷却水排出口(冷却水排出マニホールド)43bが形成される。
図2は、本実施形態における等電位制御を行うインピーダンス測定装置を示す回路図である。
インピーダンス測定装置5は、正極側直流遮断部511と、負極側直流遮断部512と、中点直流遮断部513と、正極側電位差検出部521と、負極側電位差検出部522と、正極側電源部531と、負極側電源部532と、交流調整部540と、抵抗算出部550と、を含む。
正極側直流遮断部511、負極側直流遮断部512、中点直流遮断部513、正極側電位差検出部521及び負極側電位差検出部522の詳細については、図3を参照して説明する。
正極側直流遮断部511は、燃料電池スタック1の正極端子211に接続される。負極側直流遮断部512は、燃料電池スタック1の負極端子212に接続される。中点直流遮断部513は、燃料電池スタック1の中点端子213に接続される。なお、中点端子213は、正極端子211と負極端子212との間に位置する端子である。また、中点直流遮断部513は、波線で示したように設けなくてもよい。これらの直流遮断部511〜513は、直流信号を遮断するが、交流信号を流す。直流遮断部511〜513は、例えばコンデンサーやトランスである。
正極側電位差検出部521は、正極端子211に生じる交流電位Vaと、中点端子213に生じる交流電位Vcとの電位差(以下「交流電位差V1」と称する)を検出する。正極側電位差検出部521は、交流電位差V1に応じて信号レベルが変化する検出信号(以下「正極側の交流電位差検出信号」とも称する)を交流調整部540と抵抗算出部550とに出力する。
負極側電位差検出部522は、負極端子212に生じる交流電位Vbと、中点端子213に生じる交流電位Vcとの交流電位差V2を検出する。負極側電位差検出部522は、交流電位差V2に応じて信号レベルが変化する検出信号(以下「負極側の交流電位差検出信号」とも称する)を交流調整部540と抵抗算出部550とに出力する。正極側電位差検出部521及び負極側電位差検出部522は、例えば差動アンプ(計装アンプ)により実現される。
正極側電源部531及び負極側電源部532の詳細については、図4を参照して説明する。
正極側電源部531は、基準周波数fbの交流信号を出力する正極側出力部である。正極側電源部531は、例えばオペアンプ(OPアンプ)などの電圧電流変換回路によって実現できる。この電圧電流変換回路によって、入力電圧Viに比例した電流Ioが出力される。なおIo=Vi/Rsであり、Rsは電流センシング抵抗である。この電圧電流変換回路は、入力電圧Viに応じて出力電流Ioを調整可能な可変交流電流源である。
電圧電流変換回路を使用することにより、出力電流Ioを実測しなくても、出力電流Ioを入力電圧Vi÷比例定数Rsで求めることができる。負極側電源部532についても同様の構成である。すなわち負極側電源部532は、基準周波数fbの交流信号を出力する負極側出力部である。
交流調整部540の詳細については、図5を参照して説明する。
交流調整部540は、例えばPI制御回路によって実現できる。交流調整部540は、正極側検波回路5411と、正極側減算器5421と、正極側積分回路5431と、正極側乗算器5451と、負極側検波回路5412と、負極側減算器5422と、負極側積分回路5432と、負極側乗算器5452と、を含む。
また、交流調整部540には、交流信号源558から基準周波数fbの基準交流信号が入力されると共に、基準電源559から基準電圧Vsが入力される。基準周波数fbは、燃料電池スタック1の内部インピーダンスを測定するために交流電位差を検出するのに適した所定の周波数である。また基準電圧Vsは、正極側の交流電位差V1と負極側の交流電位差V2とを一致させるために予め定められた基準値である。なお、本実施形態では交流信号源558及び基準電源559は、抵抗算出部550に設けられているが、交流調整部540に設けてもよい。
正極側検波回路5411は、正極側電位差検出部521の検出信号から、正極側電源部531の出力信号成分のみを抽出するために、基準周波数fbの交流信号を検波する。すなわち正極側検波回路5411は、交流電位差V1の検出信号から不要信号を除去して、交流電位差V1の振幅に比例した直流の電圧信号を生成する。正極側検波回路5411は、その電圧信号を正極側減算器5421に出力する。
正極側減算器5421は、正極側検波回路5411の電圧信号と、基準電源559の基準電圧Vsとの差分を検出する。基準電圧Vsは、上述のとおり、正極側の交流電位差検出信号と負極側の交流電位差検出信号の振幅を一致させるための基準値である。
正極側積分回路5431は、正極側減算器5421から出力された差分信号を平均化又は感度調節する。そして正極側積分回路5431は、平均化された差分信号を正極側乗算器5451に出力する。差分信号は、基準電圧Vsからのズレ量を示す信号である。例えば、ズレ量が大きいほど、差分信号の信号レベルは大きくなる。
正極側乗算器5451は、交流信号源558から出力された交流信号の振幅を、正極側積分回路5431の出力信号に応じて増減させる。これにより、交流電位差V1が基準電圧Vsとなるように、交流信号源558から出力された交流信号の振幅が調整される。そして正極側乗算器5451は、基準電圧Vsに調整された交流信号を、振幅指令値として正極側電源部531に出力する。
このように交流調整部540は、交流電位差V1の検出信号について、交流信号源558の交流信号を用いて、交流電位差検出信号の振幅を直流信号に変換して抽出し、その直流信号と基準電圧Vsとのズレの大きさに応じて正極側の交流信号の振幅を調整する。同様に交流調整部540は、負極側の交流信号の振幅も調整する。
調整後の正極側及び負極側の交流信号は、それぞれ正極側電源部531及び負極側電源部532に入力され、正極側電源部531及び負極側電源部532は、それぞれ調整後の交流信号の電圧レベルに応じた電流を正極端子211及び負極端子212に出力する。
すなわち、交流調整部540は、正極側及び負極側の交流電位差検出信号の両者を基準電圧Vsに収束させるように、正極側電源部531及び負極側電源部532からそれぞれ出力される正極側及び負極側の交流信号の振幅を調整する。
これにより、正極端子211の交流電位Va及び負極端子212の交流電位Vbが互いに基準レベルに制御されるので、交流電位Vaと交流電位Vbは等電位になる。このため、インピーダンス測定装置5から、燃料電池スタック1に接続されている負荷3に交流信号が漏れるのを防ぐことができる。以下では、交流電位Vaと交流電位Vbとが等電位となるようなに正極側電源部531及び負極側電源部532のゲインを制御することを「等電位制御」という。
しかしながら、燃料電池スタック1の内部には静電容量(キャパシタンス)が寄生しているため、寄生容量によって等電位制御が正しく機能しなくなる場合がある。
図2に示したように、燃料電池スタック1は、正極側の内部抵抗R1及び負極側の内部抵抗R2と、正極側の静電容量C1及び負極側の静電容量C2とが並列に接続された等価回路で表される。そして、この静電容量C1と静電容量C2は、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスやカソードガスの濃度の変動などによって、大きく変化することを発明者は知見した。
例えば、燃料電池スタック1の起動時には、燃料電池スタック内部のアノードガス及びカソードガスのガス濃度が上昇するため、これに伴い静電容量C1と静電容量C2が大きく変化する。この静電容量C1と静電容量C2の変化によって、交流電位差検出信号の位相も大きく変化する。
図6は、正極側及び負極側の交流電位差検出信号の位相ズレを説明するための図である。図6には、正極側の交流電位差検出信号のベクトル611と、負極側の交流電位差検出信号のベクトル612とが示されている。また、一点破線によって交流電位差検出信号の振幅が示されている。なお、横軸がベクトルの実軸成分で示され、縦軸がベクトルの虚軸成分で示される。
図6では、ベクトル611及びベクトル612が予め基準電圧Vsに調整されており、燃料電池スタック1の起動に伴い静電容量C1のリアクタンスが静電容量C2よりも先に大きくなったときのベクトル611及びベクトル612が示されている。
燃料電池スタック1では、図1に示すようにアノードガス及びカソードガスが、正極端子211側から負極端子212側へ流れる。このため、正極端子211から中点端子213までの正極側の発電セル群のガス濃度が、中点端子213から負極端子212までの負極側の発電セル群のガス濃度よりも先に上昇するので、静電容量C1が静電容量C2よりも先に変化する。これにより、ベクトル611の位相角θHがベクトル612の位相角θLよりも先に大きくなる。
図6に示すように、ベクトル611の位相角θHは、燃料電池スタック1の運転状態によっては45度近くまで回転する。この状態で等電位制御が行われると、交流電位差検出信号の検出レベル(実効値、ピーク値又は平均値)が、基準電圧Vsと一致するように交流信号の振幅が調整されてしまう。
例えば、一般的な正極側検波回路及び負極側検波回路では、交流電位差検出信号の実軸成分のみが検出されるので、ベクトル611の位相角θHが約45度回転すると、ベクトル611の実軸成分が小さくなり、検出信号のレベルは低下する。
検出信号のレベルが低下すると、ベクトル611の実軸成分が基準電圧Vsとなるように正極側電源部531の利得が高く設定されるため、正極端子211に出力される交流信号の振幅が調整量621だけ過剰に増幅されてしまう。
図7は、調整量621が加算された交流電位差検出信号611を交流信号の波形で表現した図である。図7には、負極側の交流電位差検出信号612と、交流信号源558の基準交流信号701と、が示されている。縦軸が電位で示され、横軸が時間で示されている。
図7に示すように、正極側の交流電位差検出信号611では、静電容量C1の変動によって基準交流信号701よりも位相が遅れるため、等電位制御による振幅値(ピーク値)は、負極側の交流電位差検出信号612よりも過剰に大きく制御される。その結果、正極側の交流電位差検出信号611と、負極側の交流電位差検出信号612との交流電位差が大きくなる。
交流電位差が大きくなるほど、燃料電池スタック1の負荷3に漏れ込む電流量も多くなる。このため、正極側電源部531から出力した電流量と、実際に燃料電池スタック1の内部抵抗R1に流れる電流量との誤差が大きくなり、内部抵抗R1の測定精度が低下してしまう。
このように、燃料電池スタック1の運転状態によって静電容量C1又は静電容量C2が大きく変動した状態で等電位制御が行われると、電位Vaと電位Vbとの電位差がかえって大きくなってしまい、内部抵抗の測定精度が低下するという問題があった。
そこで本実施形態では、燃料電池スタックに寄生する静電容量の変動に伴う交流電位差検出信号の位相ズレを検出して交流電位差検出信号のベクトル値を求め、ベクトル値に基づいて等電位制御を実行する。
本実施形態では、交流電位差検出信号のベクトル値に基づいて等電位制御を実行するために、正極側検波回路5411及び負極側検波回路5412が、交流電位差検出信号の実軸成分及び虚軸成分を検波する。
図8は、本実施形態における正極側検波回路5411の構成を示す図である。
正極側検波回路5411は、同相成分抽出部710と、直交成分抽出部720と、ベクトル演算部730と、を備える。
同相成分抽出部710は、内部抵抗R1を検出するための同相信号Sin(0)を、正極側電位差検出部521の検出信号に乗算することにより、検出信号の実軸成分V1rを抽出する。同相信号Sin(0)は、基準周波数fbの交流信号であり、正極側電源部531の出力信号と位相が同一の信号である。同相信号Sin(0)は、例えば交流信号源558から同相成分抽出部710に入力される。同相成分抽出部710は、同相乗算部711と同相低域フィルタ712とを備える。
同相乗算部711は、正極側の交流電位差V1に同相信号Sin(0)を乗算する。これにより、同相乗算部711からは、交流電位差V1の波形と、同相信号Sin(0)の波形との一致度合いに応じた同相交流信号が出力される。例えば、交流電位差V1と同相信号Sin(0)の位相が完全に一致している場合には、全波整流波形の同相交流信号が出力される。また、交流電位差V1と同相信号Sin(0)の波形の一致度合いが大きいほど、交流電位差検出信号の実軸成分V1rが大きくなる。
同相低域フィルタ712は、同相交流信号の直流成分V1rを検出する。すなわち、同相低域フィルタ712は、同相交流信号の交流成分又は高周波領域成分を除去して同相交流信号の直流成分を通過させる。同相低域フィルタ712によって平滑化された同相交流信号は、ベクトル演算部730に交流電位差検出信号の実軸成分V1rとして入力される。
このように同相成分抽出部710は、正極側電源部531の交流出力信号と同じ位相の同相信号Sin(0)を交流電位差V1に乗算することで、交流電位差検出信号から、同相信号Sin(0)と同じ周波数の実軸成分V1rのみを抽出する。このため、交流電位差信号がノイズに埋もれていても、同相成分抽出部710は、確実に実軸成分V1rを検波することができる。
また、同相成分抽出部710は、正極側の交流電位差検出信号の実軸成分V1rを抵抗算出部550に出力する。そして抵抗算出部550は、正極側の実軸成分V1rと正極側電源部531の出力信号I1とに基づいて、燃料電池スタック1の内部抵抗R1を演算する。このように、交流電位差検出信号の実軸成分V1rによって内部抵抗R1が求められるため、実軸成分V1rは、交流電位差検出信号の抵抗成分と呼ぶことができる。
直交成分抽出部720は、静電容量C2を検出するための直交信号Sin(90)を、正極側電位差検出部521の検出信号に乗算することにより、検出信号の虚軸成分V1xを抽出する。直交信号Sin(90)は、基準周波数fbの交流信号であり、正極側電源部531の出力信号と位相角が直交し、かつ、同相信号と振幅が同一の信号である。直交信号Sin(90)は、例えば交流信号源558の位相を90度回転させて直交成分抽出部720に入力される。直交成分抽出部720は、直交乗算部721と直交低域フィルタ722とを備える。
直交乗算部721は、交流電位差V1に直交信号Sin(90)を乗算する。これにより、直交乗算部721からは、交流電位差V1の波形と直交信号の波形の一致度合いに応じた直交交流信号が出力される。
直交低域フィルタ722は、直交交流信号の直流成分V1xを検出する。すなわち、直交低域フィルタ722は、直交交流信号の交流成分又は高周波領域成分を除去して直交交流信号の直流成分を通過させる。直交低域フィルタ722によって平滑化された直交交流信号は、ベクトル演算部730に交流電位差検出信号の虚軸成分V1xとして入力される。
このように直交成分抽出部720は、直交信号Sin(90)を交流電位差V1に乗算することで、交流電位差検出信号から、直交信号Sin(90)と同じ周波数の虚軸成分V1xのみを抽出する。このため、交流電位差検出信号がノイズに埋もれていても、直交成分抽出部720は、虚軸成分V1xを確実に検出することができる。
ベクトル演算部730は、実軸成分V1rと虚軸成分V1xとに基づいて交流電位差検出信号のベクトル値Vp1を算出する。具体的にはベクトル演算部730は、次式のとおり、実軸成分V1rの二乗値と虚軸成分V1xの二乗値との和の平方根を演算してベクトル値Vp1を求める。
ベクトル演算部730は、交流電位差検出信号のベクトル値Vp1を、交流信号の振幅調整用の検出信号として正極側減算器5421に出力する。
このように、正極側検波回路5411は、交流電位差検出信号の実軸成分V1rと虚軸成分V1xとをそれぞれ検出する。そして正極側検波回路5411は、交流電位差検出信号のベクトル値Vp1を再生して正極側減算器5421に出力する。なお、負極側検波回路5412も、正極側検波回路5411と同様の構成である。
また、直交成分抽出部720は、交流電位差検出信号の虚軸成分V1xを抵抗算出部550に出力してもよい。この場合には抵抗算出部550は、検出信号の虚軸成分V1xに基づいて静電容量C1を演算することができる。このように、検出信号の虚軸成分V1xによって静電容量C1が求められるため、虚軸成分V1xは、交流電位差検出信号の静電容量成分と呼ぶことができる。
図9は、交流電位差検出信号から抽出される信号成分を例示する図である。図9(A)は、同相成分抽出部710において検出される交流電位差検出信号の実軸成分を示す図である。図9(A)には、同相乗算部711によって抽出される同相交流信号7119と、同相低域フィルタ712によって実軸成分として検出される検出信号7129と、が示されている。
図9(B)は、直交成分抽出部720において検出される虚軸成分を示す図である。図9(B)には、直交乗算部721で抽出される直交交流信号7219と、直交低域フィルタ722によって虚軸成分として検出される検出信号7229と、が示されている。
図9(A)では、同相交流信号7119は、交流電位差V1の波形と同相信号Sin(0)の波形との一致度合いが大きいため、全波整流波形に近似している。そして実軸成分の検出信号7129は、図9(B)に示した虚軸成分の検出信号7229よりも信号レベルが高い。
静電容量C1の変動によって位相角の回転が大きくなるほど、実軸成分の検出信号7129のレベルは低くなるとともに、虚軸成分の検出信号7229のレベルは高くなるため、この例では、静電容量C1の変動による位相角の回転は小さいことが分かる。
図10は、図8で示した正極側検波回路5411の具体例を示す図である。
同相乗算部711は、非反転乗算器7111と、反転乗算器7112と、同相切替器7113と、を備える。
非反転乗算器7111は、正(プラス)の定数「+1」を交流電位差V1に乗算する。これにより、符号の反転のない検出信号(正側交流信号)が出力される。
反転乗算器7112は、負(マイナス)の定数「−1」を交流電位差V1に乗算する。これにより、符号が反転した検出信号(負側交流信号)が出力される。非反転乗算器7111及び反転乗算器7112は、オペアンプにより実現される。
同相切替器7113は、基準周波数fbの矩形パルス信号に応じて非反転乗算器7111又は反転乗算器7112の出力端子に接続を切り替える。これにより、交流電位差V1の検出信号の実軸成分が全波整流される。
具体的には、同相切替器7113の制御端子に、交流信号源558の交流信号と同期した矩形パルス信号が入力される。そして同相切替器7113は、基準周波数fbの矩形パルス信号に応じて、非反転乗算器7111の出力端子と、反転乗算器7112の出力端子の一方を同相低域フィルタ712の入力端子に接続する。
例えば、同相切替器7113は、基準周波数fbの矩形パルス信号がH(High)レベルの場合には、非反転乗算器7111の出力端子を同相低域フィルタ712の入力端子に接続する。一方、矩形パルス信号がL(Low)レベルの場合には、同相切替器7113は、反転乗算器7112の出力端子を同相低域フィルタ712の入力端子に接続する。これにより、正側交流信号と負側交流信号とによって全波整流された同相交流信号が同相低域フィルタ712に入力される。
同相低域フィルタ712は、抵抗素子R11と、抵抗素子R12と、抵抗素子R13と、容量素子C11と、容量素子C12と、容量素子C13と、を有する。同相乗算部711の出力端子と抵抗素子R11の一端が接続され、抵抗素子R11の他端が容量素子C11の一端に接続される。そして容量素子C11の他端が接地される。このようなRC回路が同相低域フィルタ712には3つ直列接続される。同相低域フィルタ712によって、同相交流信号が整流されてベクトル演算部730に検出信号の実軸成分V1rとして入力される。また、直交低域フィルタ722も、同相低域フィルタ712と同様の構成である。
直交乗算部721は、非反転乗算器7211と、反転乗算器7212と、直交切替器7213と、位相シフター7214と、を備える。
非反転乗算器7211は、正の定数「+1」を交流電位差V1に乗算する。これにより、符号の反転のない検出信号(正側交流信号)が出力される。
反転乗算器7212は、負の定数「−1」を交流電位差V1に乗算する。これにより、符号が反転した検出信号(負側交流信号)が出力される。非反転乗算器7121及び反転乗算器7122は、オペアンプにより実現される。
位相シフター7214は、同相切替器7113の制御端子に入力される矩形パルス信号の位相を90度だけ変化させる。位相シフター7214は、90度だけ移相した矩形パルス信号を、直交パルス信号として直交切替器7213の制御端子に出力する。
直交切替器7213は、基準周波数fbの直交パルス信号に応じて非反転乗算器7211又は反転乗算器7212に出力信号を切り替える。これにより、直交切替器7213から直交交流信号が出力され、直交交流信号が直交低域フィルタ722によって整流されてベクトル演算部730に虚軸成分V1xとして入力される。
抵抗算出部550の詳細については、図11を参照して説明する。
抵抗算出部550は、検出信号の実軸成分V1rの電圧値と、正極側電源部531の交流信号の電流値とに基づいて、燃料電池スタック1の正極側内部抵抗R1を演算する。すなわち、抵抗算出部550は、正極側検出信号の抵抗成分V1rと、正極側電源部531の出力信号I1と、に基づいて正極側実軸インピーダンスを算出する。なお、正極側実軸インピーダンスは、正極側内部抵抗R1のことである。抵抗算出部550は、AD変換器551と、マイコンチップ552と、を含む。
AD変換器551は、アナログ信号である交流電流(I1,I2)及び交流電圧(V1r,V2r)をデジタル数値信号に変換し、マイコンチップ552に転送する。
マイコンチップ552は、内部抵抗Rn及び積層電池全体の内部抵抗Rを算出するプログラムを予め記憶している。マイコンチップ552は、所定の微小時間間隔で順次演算し、又はコントローラーの要求に応じて、演算結果を出力する。なお内部抵抗Rn及び積層電池全体の内部抵抗Rは、次式で演算される。
抵抗算出部550は、アナログ演算ICを用いたアナログ演算回路で実現してもよい。アナログ演算回路によれば、時間的に連続した抵抗値の変化を出力することができる。
図12は、インピーダンス測定装置5のコントローラーによる制御方法を示すフローチャートである。
ステップS1においてコントローラーは、正極の交流電位Vaが所定値よりも大きいか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS2へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS3へ処理を移行する。
ステップS2においてコントローラーは、正極交流電位Vaが所定値よりも小さいか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS4へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS5へ処理を移行する。
ステップS3においてコントローラーは、正極側電源部531の出力を下げる。これによって正極交流電位Vaが下がる。
ステップS4においてコントローラーは、正極側電源部531の出力を維持する。これによって正極交流電位Vaが維持される。
ステップS5においてコントローラーは、正極側電源部531の出力を上げる。これによって正極交流電位Vaが上がる。
ステップS6においてコントローラーは、負極の交流電位Vbが所定値よりも大きいか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS7へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS8へ処理を移行する。
ステップS7においてコントローラーは、負極交流電位Vbが所定値よりも小さいか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS9へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS10へ処理を移行する。
ステップS8においてコントローラーは、負極側電源部532の出力を下げる。これによって負極交流電位Vbが下がる。
ステップS9においてコントローラーは、負極側電源部532の出力を維持する。これによって負極交流電位Vbが維持される。
ステップS10においてコントローラーは、負極側電源部532の出力を上げる。これによって負極交流電位Vbが上がる。
ステップS11においてコントローラーは、正極交流電位Va及び負極交流電位Vbが所定値(基準電圧Vs)であるか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が肯であればステップS12へ処理を移行し、判定結果が否であれば処理を抜ける。
ステップS12においてコントローラーは、上述の式(1-1)(1-2)に基づいて抵抗値を演算する。
図13は、インピーダンス測定装置5のコントローラーによる制御手法を説明するためのタイムチャートである。なおフローチャートとの対応が判りやすくなるようにステップ番号を併記する。
図13の初期は、正極側の内部抵抗値R1が高く、負極側の内部抵抗値R2が低い状態である(図13(A))。このような状態でコントローラーが制御を開始する。
時刻t0では、正極交流電位Vaも負極交流電位Vbも制御レベルに達していない(図13(C))。この状態では、コントローラーは、ステップS1→S2→S5→S6→S7→S10→S11を繰り返す。これによって正極側交流電流I1及び負極側交流電流I2が増大する(図13(B))。
時刻t1で正極交流電位Vaが制御レベルに達したら(図13(C))、コントローラーは、ステップS1→S2→S4→S6→S7→S10→S11を繰り返す。これによって正極側交流電流I1が維持されるとともに、負極側交流電流I2は増大する(図13(B))。
時刻t2で負極交流電位Vbも制御レベルに達して正極交流電位Vaと同レベルになったら(図13(C))、コントローラーは、ステップS1→S2→S4→S6→S7→S9→S11→S12を処理する。これによって正極側交流電流I1及び負極側交流電流I2が維持される。そして式(1-1)に基づいて、正極側内部抵抗値R1及び負極側内部抵抗値R2が演算される。そして正極側内部抵抗値R1と負極側内部抵抗値R2とが足し合わされて全体の内部抵抗Rが求められる。
時刻t3以降は燃料電池スタック1の湿潤状態が変化するなどして負極側内部抵抗値R2が上昇している(図13(A))。この場合には、コントローラーは、ステップS1→S2→S4→S6→S8→S11→S12を繰り返す。このように処理することで負極側内部抵抗値R2が上昇に合わせて負極側交流電流I2を下げるので、負極交流電位は正極交流電位と同レベルに維持される。したがってこの状態でも内部抵抗が演算される。
時刻t4以降は負極側内部抵抗値が正極側内部抵抗値に一致するようになる(図13(A))。この場合には、コントローラーは、ステップS1→S2→S4→S6→S7→S9→S11→S12を繰り返す。このように処理することで正極側交流電位と負極側交流電位とが同レベルに維持され(図13(C))、内部抵抗が演算される。
次にインピーダンス測定装置5の等電位制御による作用効果を説明する。
燃料電池スタック1(積層電池)の出力中は、正極端子211及び負極端子212の電位差は、負荷に供給されている直流電圧となる。そして本実施形態では、交流調整部540による指令に応じて正極側電源部531及び負極側電源部532は、交流電流の振幅を調整して出力する。
正極側電源部531から出力された交流電流は、正極側直流遮断部511を介して、燃料電池スタック1の正極に出力され、中点端子213及び中点直流遮断部513を介して正極側電位差検出部521に流れる。このとき、正極端子211と中点端子213の端子間には、内部抵抗及び供給電流によって交流電位差V1(V1=Va−Vc)が生じる。この交流電位差V1は正極側電位差検出部521で検出される。
一方、負極側電源部532から出力された交流電流は、負極側直流遮断部512を介して、燃料電池スタック1の負極に出力され、中点端子213及び中点直流遮断部513を介して負極側電位差検出部522に流れる。このとき、負極端子212と中点端子213の端子間には、内部抵抗及び供給電流によって交流電位差V2(V2=Vb−Vc)が生じる。この交流電位差V2は負極側電位差検出部522で検出される。
交流調整部540は、正極側電位差検出部521で検出された検出信号を実軸成分V1rと虚軸成分V1xとにベクトル分解する。そして交流調整部540は、実軸成分V1rと虚軸成分V1xとに基づいて正極側の検出信号の振幅値、すなわちベクトル値Vp1を演算する。
これとともに交流調整部540は、負極側電位差検出部522で検出された検出信号を実軸成分V2rと虚軸成分V2xとにベクトル分解する。そして交流調整部540は、実軸成分V2rと虚軸成分V2xとに基づいて負極側のベクトル値Vp2を算出する。
そして交流調整部540は、燃料電池スタック1の正極側のベクトル値Vp1と、負極側のベクトル値Vp2との差(Vp1−Vp2)が常に小さくなるように、正極側電源部531及び負極側電源部532を調節する。
静電容量C1又は静電容量C2の変動によって正極側又は負極側の検出信号に位相ズレが生じても、位相ズレによって検出信号のベクトル値は変わらないため、両者のベクトル値を用いて等電位制御を行うことで、交流電位差V1及び交流電位差V2を的確に一致させることができる。
図14は、等電位制御による調整後の正極側検出信号5211と負極側検出信号5221とを示す図である。正極側検出信号5211は、交流調整部540によって正極側電源部531の振幅が調整された後の正極端子211と中点端子213の端子間の交流電位差を示す。負極側検出信号5221は、交流調整部540によって負極側電源部532の振幅が調整された後の負極端子212と中点端子213の端子間の交流電位差を示す。
図14に示すように、交流電位差検出信号のベクトル値を用いることで、静電容量C1の変動によって正極側検出信号5211が負極側検出信号5221よりも遅れたとしても、常に検出信号の最大振幅値を正確に検出できる。よって、正極側交流信号と負極側交流信号の振幅を互いに一致させることができる。
交流調整部540は、交流信号の振幅を互いに一致させた状態で、正極側検出信号の実軸成分V1r及び負極側検出信号の実軸成分V2rと、正極側電源部531の交流電流I1及び負極側電源部532の交流電流I2とを取得して抵抗算出部550に出力する。抵抗算出部550は、正極側の実軸成分V1r及び交流電流I1と、負極側の実軸成分V2r及び交流電流I2とにオームの法則を適用して、燃料電池スタック1の正極側の内部抵抗R1及び負極側の内部抵抗R2を算出する。
このように交流電位差の検出値としてベクトル値を用いて等電位制御を実行することにより、燃料電池スタック1の寄生容量の変動に拘わらず、正極端子211及び負極端子212の交流電位を同等に制御できる。そのため、正極端子211及び負極端子212に負荷装置(走行用モーターなど)が接続されていても、その負荷装置に交流電流が漏洩してしまうことを抑制できる。
なお、正極側検出信号5211と負極側検出信号5221の位相差によって燃料電池スタック1の負荷3へ電流が多少漏れ込むが、検出信号の位相差による負荷3への電流の漏れ込み量は、図6に示した振幅差による漏れ込み量に比べて微量であり、内部抵抗R1及び内部抵抗R2の測定精度に与える影響は小さい。
したがって、検出信号のベクトル値を用いることで内部抵抗の測定対象(燃料電池)に流れる交流電流値と、電源から出力される交流電流値とが略一致するため、電源の交流電流値によって積層電池の内部抵抗値R1及び内部抵抗値R2を正確に求めることができる。さらに負荷装置の状態の影響を受けずに、稼働中の積層電池の内部抵抗値R1及び内部抵抗値R2に基づいて燃料電池スタック1全体の内部抵抗値Rを正確に測定することができる。また、電源部を使用するので、燃料電池スタック1が停止中であっても内部抵抗Rを測定できるのである。
本発明の第1実施形態によれば、同相成分抽出部710が、基準周波数fbの交流信号と位相が同一の同相信号を交流電位差V1の検出信号に乗算して検出信号の抵抗成分V1rを抽出する。これとともに直交成分抽出部720が、同相信号と位相が直交する直交信号を交流電位差V1の検出信号に乗算して検出信号の静電容量成分V1xを抽出する。そしてベクトル演算部730は、静電容量成分V1xと抵抗成分V1rとに基づいて検出信号のベクトル値Vp1を再生して、そのベクトル値Vp1が所定の値となるように、正極側電源部531から出力される交流信号の振幅を調整する。
これにより、燃料電池スタック1の静電容量成分C1と抵抗成分R1とが変動したとしても、交流電位差V1と交流電位差V2の振幅が互いに等しくなるように、正極側の交流信号及び負極側の交流信号の振幅を調整することができる。
例えば、燃料電池システムの運転状態によって燃料電池スタック1に寄生する静電容量が変動した場合には、静電容量の変動に伴い検出信号の位相にズレが生じて実軸成分の検出レベルが低下する。このような場合でも、検出信号の実軸成分だけでなく虚軸成分も検出してベクトル値を求めることで、検出信号の最大振幅を正確に特定することができる。このため、静電容量の変動が原因で検出信号の実軸成分の検出レベルが低下したとしてもベクトル値は変わらないので、等電位制御によって交流信号の振幅が過剰に増幅されることを防ぐことができる。
また、ベクトル値を用いることで等電位制御の調整精度を高めることができるので、インピーダンス測定装置5から燃料電池スタック1の負荷3へ漏れ出す電流の量を低減することができる。したがって、静電容量C1及び静電容量C2の変動によって正極側検出信号と負極側検出信号との位相にズレが生じた場合であっても、実軸インピーダンスの測定精度の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、同相乗算部711が、交流電位差V1の検出信号に同相信号を乗算して同相交流信号を出力し、同相低域フィルタ712によって同相交流信号の高周波領域成分を除去して検出信号の実軸成分を通過させる。一方、直交乗算部121が、交流電位差V1の検出信号に直交信号を乗算して直交交流信号を出力し、直交低域フィルタ722によって直交交流信号の高周波領域成分を除去して検出信号の虚軸成分を通過させる。
これにより、抵抗算出部550は、同相交流信号の直流成分によって燃料電池スタック1の内部抵抗を算出することができるとともに、直交交流信号の直流成分によって燃料電池スタック1の寄生容量を算出することができる。
さらに本実施形態では、同相乗算部711は、交流電位差V1に正の定数を乗算して正側交流信号を出力する非反転乗算器7111と、交流電位差に負の定数を乗算して負側交流信号を出力する反転乗算器7112と、同相切替器7113を含む。さらに直交乗算部721は、交流電位差に正の定数を乗算して正側交流信号を出力する非反転乗算器7211と、交流電位差を負の定数に乗算して負側交流信号を出力する反転乗算器7212と、直交切替器7213とを含む。
そして同相切替器7113は、基準周波数fbの矩形パルス信号に応じて非反転乗算器7111又は反転乗算器7112のいずれかに出力信号を切り替える。これとともに直交切替器1213は、矩形パルス信号と位相が直交する直交パルス信号に応じて、非反転乗算器7211又は反転乗算器7212に出力信号を切り替える。
このため、同相乗算部711によって、矩形パルス信号と同期して正側交流信号と負側交流信号とが交互に出力されて同相交流信号が生成され、その同相交流信号が同相低域フィルタ712によって整流されて検出信号の実軸成分が抽出される。これとともに直交乗算部721によって直交パルス信号と同期して正側交流信号と負側交流信号とが交互に出力されて直交交流信号が生成され、その直交交流信号が直交低域フィルタ722によって整流されて検出信号の虚軸成分が抽出される。
これにより、正極側検波回路5411及び負極側検波回路5412は、検出信号の実軸成分と虚軸成分とをそれぞれ検波することができる。
(第2実施形態)
図15は、本発明の第2実施形態における正極側検波回路及び負極側検波回路を示す回路図である。本実施形態では、正極側検波回路5411と負極側検波回路5412とが同様の構成であるため、正極側検波回路5411についてのみ説明する。正極側検波回路5411は、図10に示した同相乗算部711及び直交乗算部721に代えて、同相乗算部811及び直交乗算部821を備える。その他の構成は、第1実施形態と同様の構成であるため、同一符号を付してここでの説明を省略する。
図15は、本発明の第2実施形態における正極側検波回路及び負極側検波回路を示す回路図である。本実施形態では、正極側検波回路5411と負極側検波回路5412とが同様の構成であるため、正極側検波回路5411についてのみ説明する。正極側検波回路5411は、図10に示した同相乗算部711及び直交乗算部721に代えて、同相乗算部811及び直交乗算部821を備える。その他の構成は、第1実施形態と同様の構成であるため、同一符号を付してここでの説明を省略する。
同相乗算部811は、抵抗素子8111と、抵抗素子8112と、抵抗素子8113と、オペアンプ8114と、スイッチ8115と、を備える。
抵抗素子8111及び抵抗素子8112は、正極側電位差検出部521からの電流量を調整するために設けられている。抵抗素子8113は、オペアンプ8114の増幅率を調整するために設けられている。
抵抗素子8111の一端と抵抗素子8112の一端は、共に正極側電位差検出部521の出力端子に接続される。抵抗素子8111の他端は、オペアンプ8114の反転入力端子(−)と、抵抗素子8113の一端とに接続される。抵抗素子8113の他端はオペアンプ8114の出力端子と接続される。また、抵抗素子8112の他端は、オペアンプ8114の非反転入力端子(+)と、スイッチ8115の一方の接点端子と接続される。スイッチ8115の他方の接点端子は接地される。
スイッチ8115の制御端子には、図10と同様、抵抗算出部550からの交流信号と同期したパルス信号(矩形波)が入力される。スイッチ8115は、基準周波数fbのパルス信号に応じて、オペアンプ8114の非反転入力端子(+)を接地又は非接地の状態に切り替える。
例えば、スイッチ8115の制御端子にH(High)レベルの信号が供給されると、スイッチ8115は接続状態(ON)となって、オペアンプ8114の非反転入力端子(+)が接地される。この状態では、オペアンプ8114は入力信号に「−1」を乗算する反転増幅器として機能するため、オペアンプ8114から検出信号の符号が反転した反転電圧信号が出力される。
一方、スイッチ8115の制御端子にL(Low)レベルの信号が供給されると、スイッチ8115は遮断状態(OFF)となって、オペアンプ8114の非反転入力端子(+)が非接地となる。この状態では、オペアンプ8114は入力信号に「+1」を乗算する非反転増幅器として機能するため、オペアンプ8114から検出信号の符号が反転しない非反転電圧信号が出力される。
このように、基準周波数fbの交流信号と同期した矩形パルス信号に応じて、オペアンプ8114の非反転入力端子(+)を接地又は非接地の状態に切り替えることにより、オペアンプ8114によって検出信号が全波整流され、整流された同相交流信号が検出信号の実軸成分としてベクトル演算部730に入力される。
直交乗算部821は、同相乗算部811と同様、抵抗素子8111と、抵抗素子8112と、抵抗素子8113と、オペアンプ8114と、を備える。そのため、これらの構成についての説明は省略する。さらに直交乗算部821は、スイッチ8215と位相シフター8216とを備える。
位相シフター8216は、検出信号の虚軸成分を抽出するために、スイッチ8115の制御端子に入力される矩形パルス信号の位相を90度だけ移相する。位相シフター8216は、90度だけ移相したパルス信号を、直交パルス信号としてスイッチ8215の制御端子に出力する。
スイッチ8215は、基準周波数fbの直交パルス信号に応じて、オペアンプ8114の非反転入力端子(+)を接地又は非接地の状態に切り替える。ことにより、オペアンプ8114によって検出信号の虚軸成分が整流され、整流された直交交流信号が検出信号の虚軸成分としてベクトル演算部730に入力される。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、検出信号の実軸成分と虚軸成分を検出することができる。さらに図10に示した構成と比べて、正極側検波回路5411及び負極側検波回路5412に実装するオペアンプの数を削減することができる。
なお、本実施形態ではアナログ演算ICを例に回路構成を示しているが、交流電位Va(Vb)をAD変換器でデジタル変換した後、デジタル制御回路で構成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
なお、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
本願は、2013年3月12日に日本国特許庁に出願された特願2013−49416に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
Claims (5)
- 複数の電池セルが積層され、前記電池セルの状態に応じて変化する静電容量成分と抵抗成分とを有する燃料電池と、
前記燃料電池の正極端子に接続され、前記燃料電池の内部インピーダンスを測定するための所定周波数の交流信号を出力する正極側出力部と、
前記燃料電池の負極端子に接続され、前記所定周波数の交流信号を出力する負極側出力部と、
前記正極端子から前記燃料電池の中点までの交流電位差を検出する検出部と、
前記交流電位差検出信号の振幅を、前記負極端子から前記中点までの交流電位差の振幅と一致させるための所定の値に収束させるように、前記正極側出力部における交流信号の振幅を調整する調整部と、
前記所定周波数の交流信号と位相が同一の同相信号を前記交流電位差検出信号に乗算して、交流電位差検出信号の抵抗成分を抽出する同相成分抽出部と、
前記抵抗成分と前記出力信号とに基づいて、正極側実軸インピーダンスを算出する算出部と、
前記所定周波数の交流信号と位相が直交する直交信号を前記交流電位差検出信号に乗算して、交流電位差検出信号の静電容量成分を抽出する直交成分抽出部と、
前記抽出された静電容量成分と抵抗成分とに基づいて、交流電位差検出信号のベクトル値を再生する再生部と、を含み、
前記調整部は、前記再生したベクトル値が前記所定の値となるように前記正極側出力部における交流信号の振幅を調整する、
インピーダンス測定装置。 - 請求項1に記載のインピーダンス測定装置において、
前記同相成分抽出部は、
前記同相信号を前記交流電位差検出信号に乗算して同相交流信号を出力する同相乗算部と、
前記同相交流信号の高周波領域を除去して前記交流電位差検出信号の抵抗成分を通過させる同相低域フィルタと、を含み、
前記直交成分抽出部は、
前記直交信号を前記交流電位差検出信号に乗算して直交交流信号を出力する直交乗算部と、
前記直交交流信号の高周波領域を除去して前記交流電位差検出信号の静電容量成分を通過させる直交低域フィルタと、を含み、
前記再生部は、前記抵抗成分の二乗値と前記静電容量成分の二乗値との和の平方根を前記ベクトル値として出力する、
インピーダンス測定装置。 - 請求項2に記載のインピーダンス測定装置において、
前記同相乗算部は、
前記交流電位差検出信号が入力される反転入力端子と、前記反転入力端子と同じ交流電位差検出信号が入力される非反転入力端子と、前記同相低域フィルタと接続された出力端子と、を有するオペアンプと、
前記所定周波数の矩形パルス信号に応じて前記非反転入力端子を接地又は非接地の状態に切り替えて、前記オペアンプの出力端子から整流された同相交流信号を出力させる同相切替器と、を含み、
前記直交乗算部は、
前記交流電位差検出信号が入力される反転入力端子と、前記反転入力端子と同じ交流電位差検出信号が入力される非反転入力端子と、前記直交低域フィルタと接続された出力端子と、を有するオペアンプと、
前記矩形パルス信号と位相が直交する直交パルス信号に応じて前記非反転入力端子を接地又は非接地の状態に切り替えて、前記オペアンプの出力端子から整流された直交交流信号を出力させる直交切替器と、を含む、
インピーダンス測定装置。 - 請求項2に記載のインピーダンス測定装置において、
前記同相乗算部は、
正の定数を前記交流電位差検出信号に乗算して正側交流信号を出力する第1乗算器と、
負の定数を前記交流電位差検出信号に乗算して負側交流信号を出力する第2乗算器と、
前記所定周波数の矩形パルス信号に応じて、前記第1乗算器又は第2乗算器の出力を切り替えて、前記正側交流信号と前記負側交流信号とによって整流された同相交流信号を出力する同相切替器と、を含み、
前記直交乗算部は、
正の定数を前記交流電位差検出信号に乗算して正側交流信号を出力する第3乗算器と、
負の定数を前記交流電位差検出信号に乗算して負側交流信号を出力する第4乗算器と、
前記矩形パルス信号と位相が直交する直交パルス信号に応じて前記第3乗算器又は第4乗算器の出力を切り替えて、前記正側交流信号と前記負側交流信号とによって整流された直交交流信号を出力する直交切替器と、を含む、
インピーダンス測定装置。 - 複数の電池セルが積層され、前記電池セルの状態に応じて変化する静電容量成分と抵抗成分とを有する燃料電池と、前記燃料電池の正極端子に接続され、前記燃料電池の内部インピーダンスを測定するための所定周波数の交流信号を出力する正極側出力部と、前記燃料電池の負極端子に接続され、前記所定周波数の交流信号を出力する負極側出力部と、前記正極端子から前記燃料電池の中点までの交流電位差を検出する検出部と、を備えるインピーダンス測定装置の制御方法であって、
前記検出部により検出される交流電位差検出信号の振幅を、前記負極端子から前記中点までの交流電位差の振幅と一致させるための所定の値に収束させるように、前記正極側出力部における交流信号の振幅を調整する調整ステップと、
前記所定周波数の交流信号と位相が同一の同相信号を前記交流電位差検出信号に乗算して、前記交流電位差検出信号の抵抗成分を抽出する同相成分抽出ステップと、
前記交流電位差検出信号の抵抗成分と前記正極側出力部から出力される出力信号とに基づいて、正極側実軸インピーダンスを算出する算出ステップと、
前記所定周波数の交流信号と位相が直交する直交信号を前記交流電位差検出信号に乗算して、交流電位差検出信号の静電容量成分を抽出する直交成分抽出ステップと、
前記同相成分抽出ステップで抽出される抵抗成分と、前記直交成分抽出ステップで抽出される静電容量成分とに基づいて、交流電位差検出信号のベクトル値を再生する再生ステップと、を含み、
前記調整ステップにおいて、前記再生したベクトル値が前記所定の値となるように前記正極側出力部における交流信号の振幅を調整する、
インピーダンス測定装置の制御方法。
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