JP6075155B2 - 酸素透過膜、酸素分離方法及び燃料電池システム - Google Patents

酸素透過膜、酸素分離方法及び燃料電池システム Download PDF

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Description

本発明は酸素透過膜に係り、特にBaO−SrO−CoO−Fe系酸素透過膜に関する。また、本発明は、この酸素透過膜を用いた酸素分離方法及び燃料電池システムに関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)のカソードオフガス(空気)から分離した酸素によってアノードオフガスを燃焼させ、燃焼時の発熱を再度改質用の熱として利用すると共に、COを高濃度で回収するシステムが特許文献1に記載されている。特許文献1には、空気から酸素を分離するための酸素透過膜としてBa0.5Sr0.5Co0.8Fe0.2膜、La0.7Sr0.3Ga0.6Fe0.4膜、Pr0.7Sr0.3Fe0.8Al0.2膜が例示されている。
特許文献2には、BaO−SrO−CoO−Fe系酸素透過膜として、Sr:Ba:Co:Fe=x:(1−x):(1−y):yの複合酸化物膜が記載されている(0.1≦x≦0.9,0.2≦y≦0.7)。
特開2012−164423号公報 特開2005−15320号公報
BaO−SrO−CoO−Fe系酸素透過膜によって燃料電池カソードオフガスから酸素を分離するに際し、BaO−SrO−CoO−Fe系膜がアノードオフガスと接触する場合、BaO−SrO−CoO−Fe系膜がアノードオフガス中に含まれるCOと反応し、BaO−SrO−CoO−Fe系酸素透過膜に炭酸塩が形成したり、あるいはこの炭酸塩の形成前に膜表面にCOが吸着されることにより酸素透過性能が急激に低下することが本発明者によって見出された。
本発明は、CO含有ガスと接触しても酸素透過性能が長時間にわたって高く保たれる酸素透過膜と、この酸素透過膜を用いた酸素分離方法及び燃料電池システムとを提供することを目的とする。
本発明の酸素透過膜は、BaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物よりなる酸素透過膜において、該BaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物がZr及びTiの少なくとも一方を、Zrの場合Co,Feの総量に対して3〜10mol%、Tiの場合Co,Feの総量に対して10〜30mol%含有することを特徴とする。
このBaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物のZrO及びTiO以外の母組成は、SrBa1−xCo1−yFe3−δ (ただし0.1≦x≦0.9,0.2≦y≦0.7)であることが好ましい。
本発明の酸素分離方法は、かかる本発明の酸素透過膜によって酸素含有ガスから酸素を分離するものである。
本発明の燃料電池システムは、固体酸化物形燃料電池と、該燃料電池のアノード側に対し改質ガスを供給する改質ガス供給手段と、該燃料電池からのアノードオフガスを排出するアノードオフガス流路部材と、該燃料電池のカソード側に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段と、該燃料電池のカソード側と接したカソードオフガスを排出する手段と、該カソードオフガス中の酸素を分離して前記アノードオフガス流路中に導入する酸素透過膜とを有する燃料電池システムにおいて、該酸素透過膜が本発明の酸素透過膜であることを特徴とする。
この燃料電池システムでは、酸素透過膜はアノードオフガス流路部材の少なくとも一部を構成するように設けられていることが好ましい。
BaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物よりなる酸素透過膜において、BaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物にZrO及びTiOの少なくとも一方を含有させることにより、酸素透過膜がCO含有ガスと接触した場合の炭酸塩形成及びCO吸着が抑制されることが見出された。本発明の酸素透過膜は、CO含有ガスと接触する場合であっても、酸素透過性能が長期にわたって高いものとなる。
本発明の燃料電池システムは、この酸素透過膜を用いてカソードオフガスから酸素を分離し、この酸素をアノードオフガスに供給し、アノードオフガス中の未反応の水素、COを酸化し、HO及びCOとする。このHOを凝縮させて分離することにより、COを高濃度に含むCO含有ガスを得ることができる。このCO含有ガスは液化炭酸、ドライアイス等の製造原料として有用である。
実施の形態に係る燃料電池システムの燃料電池部分の模式的な断面図である。 燃料電池ユニットの斜視図である。 燃料電池ユニットの部分断面図である。 実施例及び比較例の結果を表わすグラフである。 実施例及び比較例の結果を表わすグラフである。 実施例及び比較例の結果を表わすグラフである。 実施例及び比較例の結果を表わすグラフである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の酸素透過膜を構成するBaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物は、SrBa1−xCo1−yFe3−δ (ただし、0.1≦x≦0.9
、0.2≦y≦0.7)の組成(以下、母組成ということがある。)を有する。このSrBa1−xCo1−yFe3−δ は、ペロブスカイト型構造を示す一般式ABOのAサイトにSrとBaが位置し、BサイトにCoとFeが位置している構造を有する。AサイトのSrによるBaの置換量xは0.1≦x≦0.9の範囲とする。また、CoのFeによる置換量は0.2≦y≦0.7の範囲とする。このような組成とすることにより、昇降温時の急激な酸素の吸放出と、これに伴う急激な体積変化が起こり難くなり、昇降温時における膜に亀裂が生じることが防止される。特に0.4≦x≦0.8の場合には、昇降温時の急激な酸素の吸放出と、これに伴う急激な体積変化がさらに抑えられるとともに、x=0の場合と同等以上の酸素透過性能が得られる。
なお、x>0.9の場合には酸素透過性能が低下し、x<0.1の場合には昇降温時の酸素の吸放出が急激に起こるようになって、これに伴う急激な体積変化によって、膜に亀裂が発生しやすくなる。また、y<0.2の場合と0.7<yの場合には、酸素イオンまたは酸素欠陥の移動が生じにくくなり、酸素透過率が低下する。
本発明の酸素透過膜を構成する複合酸化物は、上記母組成に対しZrO及びTiOの少なくとも一方を添加した組成を有する。この複合酸化物全体におけるZrの含有率は、複合酸化物中のCo,Feの総量に対して3〜20mol%特に3〜10mol%、Tiの含有率は複合酸化物中のCo,Feの総量に対して10〜50mol%特に10〜30mol%であることが好ましい。このようにBaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物にZrO及びTiOの少なくとも一方を含有させることにより、酸素透過膜がCO含有ガスと接触した場合の炭酸塩形成及びCO吸着が抑制され、酸素透過性能が長期にわたって高いものとなる。
この複合酸化物は、基本的には、熱処理を含む方法により調製することができる。例えば、酸化物もしくは仮焼や焼結等の熱処理過程で酸化物に転換し得る、ストロンチウム、バリウム、コバルト、鉄のそれぞれの金属原子を含む化合物、例えば、酸化ストロンチウムや酸化バリウム、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化チタンのような酸化物、または硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、または酢酸塩や蓚酸塩などの有機酸塩、あるいは塩化物や臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物、さらに水酸化物、オキシハロゲン化物等を所望の割合で混合し、熱処理を行う。
また、金属塩の混合水溶液を、アンモニア水などのアルカリ水溶液で加水分解する、いわゆる共沈法により得た沈殿物に熱処理を施して、所望の複合酸化物を得てもよい。さらに、それぞれの金属の混合物または合金を熱処理して酸化してもよい。
この原料配合物の仮焼の好ましい条件は、大気中、850℃〜1050℃で、6〜24時間保持する条件である。得られた仮焼粉は、粉砕され、所定の粒径に調整される。
得られた仮焼微粉を板状等に一軸プレス成形法や冷間静水圧成形法等によりプレス成形し、またはドクターブレード法等により自立膜を成形し、または押出成形法や射出成形法等によりチューブ状の成形体を成形し、あるいはスクリーン印刷法やスラリーコーティング法によって多孔質支持体の表面に塗布膜を形成し、これら成形体を焼成することによって複合酸化物膜が製造される。焼成は、好ましくは、大気中、1000℃〜1200℃で、1〜10時間保持することにより行われる。例えば、1100℃で6時間保持することにより、その殆どを立方晶とすることができる。このような成形体の焼成時には昇温速度および降温速度をそれぞれ50℃/時間以下とすることが好ましい。これは、昇温速度と降温速度を50℃/時間とすると、焼成体から酸素が急に吸排出され、焼成体に亀裂が発生しやすくなるからである。
プレス成形体を焼成することにより焼結体を作製した場合には、必要に応じてスライス加工や研削加工、研磨加工を行うことによって所望の厚さの酸素透過膜を作製することができる。
膜を多孔質支持体の表面に形成する場合、形成する膜と同じ組成を有する多孔質支持体、または、形成する膜と反応してスピネルのような複合酸化物を形成せず、かつ熱膨張係数がほぼ等しい材料からなる多孔質支持体が好適に用いられる。このような多孔質支持体は、適度な機械的強度とガス拡散係数が得られるように、その厚み、気孔率、気孔径等を制御して作製される。
本発明の酸素透過膜のその他の製造方法としては、スパッタ法や溶射法が挙げられる。スパッタ法では、仮焼粉をプレス成形等により成形して焼成して得られた焼結体をターゲットとして用いることができる。また、溶射法では、仮焼粉を直接に溶射原料として用いてもよく、仮焼粉をプレス成形等して焼成して得られた焼結体を再粉砕して用いてもよい。
このようにして作製されたZrO及び/又はTiO含有BaO−SrO−CoO−Fe系膜よりなる酸素透過膜を用いて、空気などの酸素含有ガスから酸素を分離するには、この酸素透過膜の両側に室を設け、一方の室に空気などの酸素含有ガスを供給し、その酸素分圧よりも他室の酸素分圧が低くなるように両室の圧力条件を設定する。例えば、空気が供給される室(以下「空気室」という)を常圧または加圧状態として他室を減圧としたり、または空気室を常圧として他室を窒素ガス等で置換して酸素分圧を下げた状態とする。これにより空気室から低酸素分圧側の他室に酸素透過膜を通って酸素が移動する。
酸素透過膜による酸素分離時の温度は、通常400℃〜1200℃、好ましくは500〜1000℃である。なお酸素透過膜の表面に酸素分離を促進する触媒を付与してもよい。この触媒としては、白金、パラジウム、金、銀、ビスマス、バリウム、バナジウム、モリブデン、セリウム、ルテニウム、マンガン、コバルト、ロジウム、プラセオジウムなどの金属または金属酸化物が挙げられる。
次に、この酸素透過膜を用いた燃料電池システムについて説明する。
図1は燃料電池システムの燃料電池部分の構成を模式的に示す縦断面図、図2は燃料電池ユニットの斜視図、図3は燃料電池ユニットの模式的な拡大縦断面図である。
燃料電池の外殻を構成するハウジング1内の下部に給気マニホルド2が設置され、上部に排気マニホルド3が設置され、これらのマニホルド2,3間に燃料電池ユニット4が架設されている。燃料電池ユニット4は図2,3の通り、通気性を有した多孔質セラミックよりなる支持体5と、該支持体5の外面に設けられた燃料電池セル(以下セルと略)6とを有する。支持体5には下端面から上端面にまで貫通する貫通孔5hが設けられている。燃料電池ユニット4は、貫通孔5hの下端が給気マニホルド2内に臨み、貫通孔5hの上端が排気マニホルド3内に臨むように設置される。
セル6は固体電解質層6bを有したSOFC型セルであり、アノード6aとカソード6cとの間に固体電解質層6bを介在させた3層構造を有している。アノード6aが支持体5に接するように配置され、カソード6cが空気に露呈する。この実施の形態では、支持体5は平盤状であり、複数の孔5hが平行に貫設されている。そして、支持体5の両側面にそれぞれ複数のセル6が設けられ、各々の側面におけるセル6同士が直列に接続され、これにより高電圧の出力を得ることができるものとなっている。ただし、燃料電池ユニット4の構成はこれに限定されるものではない。
排気マニホルド3の上面部に水平な仕切板7が設置され、仕切板7の上側のスペース8に燃料改質器10が設置されている。仕切板7よりも下側が排気マニホルド3となっている。この排気マニホルド3の壁面及び底面の少なくとも一部(この実施の形態では壁面の一部)が上記本発明の酸素透過膜9にて構成されている。この酸素透過膜9を通してカソードオフガス中の酸素が排気マニホルド3内に拡散可能となっている。
排気マニホルド3の壁面及び底面の少なくとも一部を酸素透過膜9にて構成するには、排気マニホルド3に開口を設け、この開口に酸素透過膜9を装着するのが好ましいが、これに限定されない。例えば排気マニホルドの骨格を構成するフレームを用い、このフレームに板状の酸素透過膜9を取り付けて排気マニホルドを構成してもよい。
仕切板7に接するようにして、スペース8内に燃料改質器10が設置されている。燃料改質器10は、仕切板7を介して伝わるアノードオフガスの熱によって加熱される。
燃料改質器10内には改質触媒、シフト触媒及びCO選択酸化触媒が充填されており、メタン(CH)等の炭化水素を主成分とする炭化水素含有ガスと、水蒸気(HO)とが供給管11,12を介して導入されると共に、シフト反応及びCO選択酸化反応用の空気が空気供給管(図示略)を介して導入され、改質反応、シフト反応及びCO選択酸化反応が行われ、H,CO,CO及び微量の未燃CH等を含む改質ガスが生成する。改質反応(吸熱反応)に必要な熱として仕切板7を介して伝わる熱と、改質器10内のシフト反応熱及びCO選択酸化反応熱が利用される。この改質ガスは配管13を介して給気マニホルド2内に導入され、各燃料電池ユニット4の貫通孔5hに分配供給される。改質ガス中の水素は、多孔質支持体5の気孔を通ってセル6のアノード6aに到達する。貫通孔5hを通り抜けたアノードオフガスは、排気マニホルド3から排気ポート14を経て送り出される。
ハウジング1内には、下部の給気口1aより空気がブロワ(図示略)によって供給される。この空気がセル6のカソード6cと接触する。空気中の酸素が固体電解質層6bを拡散透過してアノード6aに到達し、発電が行われる。カソードオフガスは、ハウジング1の上部の排気ポート1bから送り出される。ハウジング1内において、カソードオフガス中の酸素の一部は酸素透過膜9を透過して排気マニホルド3内に流入し、アノードオフガス中のCO,H,未燃CH等と反応し、CO,HOを生成させる。
排気ポート14から排出されたアノードオフガスは、そのまま熱交換器にて冷却され、凝縮水を分離し、高CO濃度のガスとして利用されてもよい。また、アノードオフガスが未燃分としてH,COを比較的多く含む場合には、このアノードオフガスを受け入れる第2の固体電解質型燃料電池を設置し、この第2の固体電解質型燃料電池での発電に利用してもよい。このようにすれば、第2の固体電解質型燃料電池からCO濃度の高いアノードオフガスが得られる。
<酸素透過膜試料の調製>
原料となるBaCO,SrCO,CoO,Fe,ZrO,TiO(純度はいずれも99.9%)を下記の目的組成となるように秤量し、遊星ボールミルを用いて6h混合した。得られた混合粉を油圧式一軸ハンドプレスにより35MPaにて1min圧粉し、直径27mmのペレット状とした。次いで大気中1150〜1200℃にて5h仮焼し、目的組成の粉末試料を得た。この粉末試料をアルミナ乳鉢にて粉砕し、遊星ボールミルを用いて24h粉砕して微細粉末とした。この微細粉末とバインダーを混合した後、油圧式一軸ハンドプレスにより35MPaにて1min加圧し、直径27mmのペレット状とした。その後、このペレットを冷間静水圧プレス(CIP)により250MPaにて1min等方圧縮した後、電気炉で大気中1150〜1200℃にて10hの焼結を行い、直径20mmの焼結体を得た。この焼結体をダイヤモンドラップ研磨機で粗研磨後、ダイヤ液を用いて両面を鏡面研磨して酸素透過膜の試料膜A〜Dとした。
試料膜A(比較例):Ba0.5 Sr0.5 Co0.8 Fe0.23−δ
試料膜B(本発明1):Ba0.5 Sr0.5 (Co0.8 Fe0.21−0.03 Zr0.033−δ
試料膜C(本発明2):Ba0.5 Sr0.5 (Co0.8 Fe0.21−0.05 Zr0.053−δ
試料膜D(本発明3):Ba0.5 Sr0.5 (Co0.8 Fe0.21−0.1 Ti0.13−δ
各膜A〜Dの厚さとZr又はTiの複合酸化物中のCo,Feの総量に対する割合(mol%)は次の通りである。
試料膜A:0.67mm(Zr,Ti=0mol%)
試料膜B:0.66mm(Zr=3mol%)
試料膜C:0.58mm(Zr=5mol%)
試料膜D:0.67mm(Ti=10mol%)
<COガス中への酸素透過速度測定>
上記酸素透過膜を外径20mm、内径15mmのアルミナの支持管と、同径のアルミナスペーサーの間に挟み込み、バネ付きのアルミナの治具を用いることにより試料と支持管を密着させた。シール材としてパイレックスガラスを試料と支持管の間に挟み、900℃程度まで加熱することで溶融させシールした。電気ヒータによって800℃又は850℃に加熱した状態において、試料膜の一方の側に空気を流通させ、他方の側にCO濃度0.13〜20%のCO含有Arガスを流通させた。ガス流量は空気を50sccm一定とし、CO含有Arガスを250sccmとした。
酸素透過速度jo(sccm・cm−2)は、酸素供給側の空気をガスクロマトグラフを用いて定量分析し、下記式により算出した。ここで[O](%)はガスクロマトグラフにより分析した空気中の酸素濃度、f(sccm)は酸素供給側に流通させた空気の流量、S(cm)は試料の透過断面積である。
jo=(20.9476−[O])・(1/100)・f・(1/S)
結果を図4〜7に示す。
<考察>
図4は試料膜A,B,Cを用いた800℃の結果を示す。図4の通り、試料膜CはCO濃度6%以上で試料膜Aよりも酸素透過速度が大きく、試料膜BはCO濃度7.5%以上で試料膜Aよりも酸素透過速度が大きい。なお、試料膜AはCO20%で酸素透過速度がほぼゼロとなる。
図5は試料膜A,B,Cを用いた850℃の結果を示す。図5の通り、試料膜B,CはいずれもCO濃度15%以上で試料膜Aよりも酸素透過速度が大きい。
図6は試料膜A,Dを用いた800℃の結果を示す。図6の通り、試料膜DはCO濃度8%以上で試料膜Aよりも酸素透過速度が大きい。
図7は試料膜A,Dを用いた850℃の結果を示す。図7の通り、試料膜DはCO濃度20%以上で試料膜Aよりも酸素透過速度が大きくなるものと推定される。
以上の実施例及び比較例より、ZrやTiによる(Co,Fe)−サイトの置換によってCOとの反応速度が低下することが示唆された。ZrやTi置換量の増加に伴いCOガス雰囲気中での酸素透過速度の低減が抑制されたのはこのためであると考えられる。ZrやTiの置換量が増すと、BaO−SrO−CoO−Fe系酸素透過膜とCOとの反応速度が小さくなり、酸素透過速度減少をもたらす試料表面へのCOの吸着やCOとの反応による炭酸塩形成が起こり難くなったといえる。
1 ハウジング
2 給気マニホルド
3 排気マニホルド
4 燃料電池ユニット
5 支持体
5h 貫通孔
6 セル
9 酸素透過膜
10 燃料改質器

Claims (5)

  1. BaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物よりなる酸素透過膜において、該BaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物がZr及びTiの少なくとも一方を、Zrの場合Co,Feの総量に対して3〜10mol%、Tiの場合Co,Feの総量に対して10〜30mol%含有することを特徴とする酸素透過膜。
  2. 請求項1において、BaO−SrO−CoO−Fe系複合酸化物のZrO及びTiO以外の母組成がSrBa1−xCo1−yFe3−δ (ただし0.1≦x≦0.9,0.2≦y≦0.7)であることを特徴とする酸素透過膜。
  3. 請求項1又は2の酸素透過膜を用いて酸素含有ガスから酸素を分離する酸素分離方法。
  4. 固体電解質形燃料電池と、
    該燃料電池のアノード側に対し改質ガスを供給する改質ガス供給手段と、
    該燃料電池からのアノードオフガスを排出するアノードオフガス流路部材と、
    該燃料電池のカソード側に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段と、
    該燃料電池のカソード側と接したカソードオフガスを排出する手段と、
    該カソードオフガス中の酸素を分離して前記アノードオフガス流路中に導入する酸素透過膜と
    を有する燃料電池システムにおいて、
    該酸素透過膜が請求項1又は2に記載の酸素透過膜であることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項4において、前記酸素透過膜は前記アノードオフガス流路部材に設けられていることを特徴とする燃料電池システム。
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